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JP2012068510A - 撮影光学系、及び撮影装置 - Google Patents

撮影光学系、及び撮影装置 Download PDF

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JP2012068510A
JP2012068510A JP2010214153A JP2010214153A JP2012068510A JP 2012068510 A JP2012068510 A JP 2012068510A JP 2010214153 A JP2010214153 A JP 2010214153A JP 2010214153 A JP2010214153 A JP 2010214153A JP 2012068510 A JP2012068510 A JP 2012068510A
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豊 高窪
Eijiro Tada
英二郎 多田
Koichi Maruyama
晃一 丸山
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Abstract

【課題】撮像チップ直前のプリズムによる不要光の発生を抑えつつ撮影装置の薄型化設計に有利な撮影光学系を提供する。
【解決手段】少なくとも1枚のレンズを有する結像レンズ106群と、該結像レンズ群を透過した光を所定位置に設置される撮像素子に向けて折り曲げる像側プリズム108とを有する撮影光学系100において、結像レンズ群からの入射光を撮像素子に向けて反射する反射面108aと、該反射面を反射した光を射出する射出面108bとがなす像側プリズムの頂角を少なくとも該反射面上の正規光入射範囲が全て残るようにカットし、そのカット面108cを非散乱面とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、被写体を撮影するための撮影光学系、及び該撮影光学系を有する撮影装置に関する。
近年、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、撮像モジュールを搭載したデジタル機器、例えば携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistants)、PND(Portable Navigation Device)、PHS(Personal Handy phone System)、携帯ゲーム機、ノートPC等が広く普及している。この種のカメラ又はデジタル機器には、本体部を薄型化させるため、本体部筐体の厚み方向(以下、説明の便宜上「筐体厚方向」と記す。)と直交する方向(以下、説明の便宜上「筐体面方向」と記す。)に光路が長く取られた撮影光学系(いわゆる屈曲光学系)を搭載したものがある。
ところで、光路が筐体面方向に向く場合、被写体像を撮像チップのセンサ面に入射させるため、センサ面を筐体厚方向と平行に配置する必要がある。しかし、撮像チップのセンサ面方向の外形寸法は大きいため、センサ面を筐体厚方向と平行に配置した場合には本体部筐体を薄型に設計するのが難しい。
そこで、例えば特許文献1〜6に、撮像チップのセンサ面を筐体面方向と平行に配置して筐体厚方向の寸法を抑えるべく、撮像チップの直前にプリズムを配置して光路を筐体厚方向に折り曲げた撮影光学系が開示されている。
特開2006−058840号公報 特開2006−154702号公報 特開2007−033819号公報 特開2004−247887号公報 特開2007−316528号公報 特開2008−268700号公報
しかし、特許文献1〜6に記載の撮影光学系においては、撮像チップの直前にプリズムを配置したことにより、正規の像形成に寄与しない不要光が発生してゴーストやフレアとして画像に現れる。ゴーストやフレアには、意図しない像形成やコントラストの低下を生じさせて画質を劣化させるという問題がある。ゴーストやフレアの発生を抑える有効な手段として、例えば不要光の発生原因となる光学素子と撮像チップとの間の光路に遮光マスクを配置することが考えられる。しかし、特許文献1〜6に記載の構成においては、撮像チップ直前のプリズムと撮像チップとの間に遮光マスクを配置するスペースを確保するのは難しい。また、遮光マスクを配置しただけでは不要光を十分に抑えることができず画質の劣化が抑えられない虞がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、撮像チップ直前のプリズムによる不要光の発生を抑えつつ撮影装置の薄型化設計に有利な撮影光学系、及び該撮影光学系を有する撮影装置を提供することである。
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る撮影光学系は、少なくとも1枚のレンズを有する結像レンズ群と、該結像レンズ群を透過した光を所定位置に設置される撮像素子に向けて折り曲げる像側プリズムとを有している。像側プリズムは、結像レンズ群からの入射光を撮像素子に向けて反射する反射面と、該反射面を反射した光を射出する射出面とがなす頂角が、少なくとも該反射面上の正規光入射範囲が全て残るようにカットされている。頂角をカットしたカット面は、非散乱面である。非散乱面とは、光を透過させる面又は吸収する面である。光を吸収する光吸収面は、例えば媒質と近い屈折率で吸収構造を持つ塗料(墨など)でスリ面を塗布した面である。
本発明によれば、像側プリズムの射出面で全反射した画角外の光がカット面を透過して撮像素子の有効画素領域外に伝播し、ゴーストやフレアとして現れにくい。すなわち、本発明に係る撮影光学系によれば、撮影装置の薄型化設計に有利ないわゆる屈曲光学系でありつつも、ゴーストやフレアの発生が効果的に抑えられる。
本発明に係る撮影光学系は、像側プリズムの屈折率をNと定義し、該像側プリズムの外側の媒質の屈折率をNと定義し、頂角のカット面と射出面とがなす角度をαと定義した場合に、次式(1)
α>π/2−SIN−1(N/N)・・・(1)
が満たされる構成としてもよい。かかる構成によれば、カット面で全反射が起こらない。射出面で全反射した光は、カット面を透過して撮像素子の有効画素領域外に伝播するため、ゴーストやフレアの発生がより一層効果的に抑えられる。
本発明に係る撮影光学系は、像側プリズムの屈折率をNと定義し、該像側プリズムの外側の媒質の屈折率をNと定義し、頂角のカット面と射出面とがなす角度をαと定義した場合に、次式(2)
α>(π/2+SIN−1(N/N))/2・・・(2)
が満たされる構成としてもよい。カット面からの反射成分が射出面で全反射して撮像素子に入射しないため、ゴーストやフレアの発生がより一層効果的に抑えられる。
像側プリズムは、筐体面方向に光路を長く取りつつ撮像素子のセンサ面を筐体面方向と平行に配置して筐体厚方向の寸法を抑えるため、例えば光路を略90°折り曲げる直角プリズムとしてもよい。
本発明に係る撮影光学系は、結像レンズ群を構成する少なくとも1枚のレンズを像側プリズムとの間に挟んで配置された物体側プリズムを有する構成としてもよい。物体側プリズムは、被写体からの筐体厚方向の光を筐体面方向に折り曲げるため、光路を略90°折り曲げる直角プリズムとしてもよい。
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る撮影装置は、上記の撮影光学系と、結像レンズ群の結像面上にセンサ面が配置された撮像素子とを有することを特徴とする。
本発明によれば、撮像チップ直前のプリズムによる不要光の発生を抑えつつ撮影装置の薄型化設計に有利な撮影光学系、及び該撮影光学系を有する撮影装置が提供される。
本発明の実施形態の撮影装置の構成を示す図である。 従来の撮影装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態の像側プリズムに入射した光線の光路を示す図である。 本発明の実施例1の撮影光学系の構成を示す図である。 本発明の実施例2の撮影光学系の構成を示す図である。 本発明の実施例3の撮影光学系の構成を示す図である。 比較例1の撮影光学系の構成を示す図である。 比較例2の撮影光学系の構成を示す図である。 比較例3の撮影光学系の構成を示す図である。 各実施例及び各比較例の像側プリズムの寸法を説明するための説明補助図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の撮影光学系を有する撮影装置について説明する。
図1は、本実施形態の撮影装置1の構成を示す図である。図1においては、図面を明瞭にする便宜上、本発明の要部である光学構成について図示する一方、要部でない機械構成及び回路構成については図示を省略する。本実施形態において、撮影装置1は、携帯電話端末を想定しているが、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、撮像モジュールを搭載したPDA、PND、PHS、携帯ゲーム機、ノートPC等の別形態の装置に置き換えてもよい。又は、この種の装置に搭載される撮影モジュール自体が撮影装置1であってもよい。
図1(a)に示されるように、撮影装置1は、厚みTの筐体10を有している。図1においては、説明の便宜上、筐体10の厚みT方向をZ軸方向と定義し、Z軸方向に直交しかつ互いに直交する二方向をX軸方向(紙面と直交する方向)、Y軸方向(紙面と平行な方向)と定義する。
図1(a)に示される破線部の構成は、図1(b)に示される。図1(b)に示されるように、撮影装置1は、撮影光学系100を有している。撮影光学系100は、対物レンズ102、物体側プリズム104、結像レンズ群106、像側プリズム108、カバーガラス110を有している。物体側プリズム104、像側プリズム108は何れも光路を90°折り曲げる直角プリズムである。結像レンズ群106中には、絞りSが配置されている。図1(b)中、一点鎖線は、撮影光学系100の光軸AXを示す。
被写体からのZ軸方向(筐体厚方向)の光は、対物レンズ102に入射して物体側プリズム104でY軸方向(筐体面方向)に折り曲げられた後、結像レンズ群106を透過して像側プリズム108の反射面108aで再度Z軸方向に折り曲げられて、像側プリズム108の射出面108bを射出してカバーガラス110を透過する。カバーガラス110は、樹脂パッケージに接着された撮像チップ20を封止している。カバーガラス110を透過した光は、撮像チップ20のセンサ面22の有効画素領域に入射する。撮像チップ20は、反射面108aでZ軸方向に折り曲げられた光をセンサ面22の有効画素領域に正対して入射させるため、センサ面22がXY平面と平行に配置されている。センサ面方向に寸法の大きい撮像チップ20をこのように配置することにより、撮影光学系100と撮像チップ20とからなるブロックのZ軸方向の寸法tが抑えられる。その結果、筐体10の厚みTが抑えられて、撮影装置1が薄型化する。
撮像チップ20は、例えばベイヤ型画素配置を有する単板式カラーCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサチップである。撮像チップ20のセンサ面22は、結像レンズ群106の結像面上に配置されている。撮像チップ20は、センサ面22上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して撮像信号に変換して、図示省略された画像処理エンジンに出力する。画像処理エンジンは、撮像信号を処理して画像を生成して表示画面に出力したり記録メディアに保存したりする。なお、撮像チップ20は、CMOSイメージセンサチップに限らず、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサチップとしてもよい。
ところで、像側プリズム108と撮像チップ20との間の光路には、正規の像形成に寄与する正規光を遮光することなく不要光のみを遮光するマスクを配置するスペースが無い。そのため、像側プリズム108が原因で発生した不要光がゴーストやフレアとして現れて画質を劣化させるという不具合が懸念される。ここで、従来の撮影光学系で発生していた不要光によるゴーストやフレアの一例を図2を用いて説明する。図2に示される光線Rは、センサ面22の有効画素領域に設計上入射しない、最大画角よりも外側の光線である。光線Rの定義は、後述する各実施例及び比較例においても同一である。図2の従来構成及び後述する各実施例において、本実施形態と同一の又は同様の構成には、同一の又は同様の符号を付して説明を省略する。
図2に示される従来構成の撮影光学系200は、対物レンズ202、物体側プリズム204、結像レンズ群206、像側プリズム208、カバーガラス210を有している。光線Rは、対物レンズ202に入射して物体側プリズム204で折り曲げられた後、結像レンズ群206を透過して像側プリズム208に入射する。光線Rは、像側プリズム208の射出面208bに入射する。射出面208bに対する光線Rの入射角は大きく、臨界角以上である。そのため、光線Rは、射出面208bで全反射する。全反射した光線Rは、反射面208aに入射する。光線Rは、反射面208aで再度全反射した後に射出面208bを透過する。光線Rは、カバーガラス210を透過してセンサ面22の有効画素領域に入射する。すなわち、従来構成の撮影光学系200では、射出面208bで全反射した画角外の光がゴーストやフレアとして現れて画質を劣化させる。
本実施形態の撮影光学系100では、この種のゴーストやフレアの発生を抑えるべく、像側プリズム108の反射面108aと射出面108bとがなす頂角がカットされている。頂角は、少なくとも、反射面108a上の正規光入射範囲(後述する図10の記号Fで示される範囲)が全て残るようにカットされている。カット面(別の表現によれば、反射面108aと射出面108bとを接続する接続面)108cと射出面108bとがなす角度は、反射面108aと射出面108bとがなす角度よりも鈍角である。
図3(a)は、本実施形態の像側プリズム108に入射した光線Rの光路を示す図である。図3(a)に示されるように、像側プリズム108に入射した光線Rは、射出面108bで全反射して、カット面108cに入射する。カット面108cと射出面108bとがなす角度が反射面108aと射出面108bとがなす角度よりも鈍角であることから、カット面108cに対する光線Rの入射角は、図2の例(反射面108aに対する光線Rの入射角)と比べて小さい。そのため、カット面108cで反射する成分は、図2の例(反射面108aで反射する成分)と比べて減少する。反射成分の減少に伴い、射出面108bで全反射した画角外の光がゴーストやフレアとして現れにくくなる。
図3(a)においては、カット面108cに対する光線Rの入射角が臨界角よりも小さい。そのため、光線Rは、カット面108cを透過する。反射面108aを透過した光は、センサ面22の有効画素領域外に伝播するため、ゴーストやフレアの発生が効果的に抑えられる。
図3(a)において、厳密には、光線Rの大部分がカット面108cを透過するが、一部は反射する(全反射光でない反射成分)。しかし、カット面108cで反射した成分は、射出面108b、入射面108dを順に全反射した後、反射面108aを透過する。反射面108aを透過した光は、センサ面22の有効画素領域外に伝播するため、ゴーストやフレアの発生が効果的に抑えられる。
撮影光学系100は、像側プリズム108の屈折率をNと定義し、像側プリズム108の外側の媒質の屈折率をNと定義し、射出面108bとカット面108cとがなす角度をαと定義した場合に、次式(1)
α>π/2−SIN−1(N/N)・・・(1)
を満たす構成としてもよい。式(1)が満たされる場合、カット面108cで全反射が起こらずカット面108cを光が透過するため、ゴーストやフレアの発生がより一層効果的に抑えられる。式(1)が満たされない場合、カット面108cで全反射が起こり、全反射光がセンサ面に入射することがあるため、ゴーストやフレアが発生しやすくなる。
図3(b)は、式(1)を説明するための図である。図3(b)において、射出面108bに対する光線Rの入射角をθと定義し、カット面108cに対する光線Rの入射角をθと定義する。カット面108cにおいて、光線Rは、入射角θが臨界角θ(=SIN−1(N/N))より大きい場合にカット面108cで全反射する。言い換えると、θ<θであればカット面108cで全反射が起こらない。図3(b)において、
θ=θ−α
であるから、θ<θは次式に置き換えられる。
θ−α<SIN−1(N/N
上記式は、更に次式に置き換えられる。
α>θ−SIN−1(N/N
θの最大値が90°であることから、上記式から式(1)が導出される。
撮影光学系100は、次式(2)
α>(π/2+SIN−1(N/N))/2・・・(2)
を満たす構成としてもよい。式(2)が満たされる場合、カット面108cからの反射成分が射出面108bで全反射するため、ゴーストやフレアの発生がより一層効果的に抑えられる。式(2)が満たされない場合、カット面108cからの反射成分が射出面108bを透過してセンサ面22の有効画素領域に入射する虞がある。そのため、ゴーストやフレアが発生しやすくなる。
図3(c)は、式(2)を説明するための図である。図3(c)において、図3(b)と同様にθ、θを定義する。更に、カット面108cで反射した成分の射出面108bに対する入射角をθと定義する。光線Rは、入射角θが臨界角θより大きい場合に射出面108bで全反射する。図3(c)において、
θ=θ−2θ
θ=θ−α
であるから、
θ=2α−θ
が導出される。θ>θは次式に置き換えられる。
2α−θ>SIN−1(N/N
上記式は、更に次式に置き換えられる。
α>(θ+SIN−1(N/N))/2
θの最大値が90°であることから、上記式から式(2)が導出される。
次に、これまで説明した撮影装置1に組み込まれる撮影光学系100の具体的数値実施例を3例説明し、比較例として従来の撮影光学系200を3例説明する。各実施例1〜3の撮影光学系100は、像側プリズム108より物体側の構成が共通であり、図1に示される通りである。従って、各実施例1〜3の構成図においては、重複した図示を避ける便宜上、像側プリズム108以降の光学構成のみを図示する。また、各比較例1〜3の撮影光学系200は、像側プリズム208より物体側の構成が共通であり、図2に示される通りである。従って、各比較例1〜3の構成図においても、重複した図示を避ける便宜上、像側プリズム208以降の光学構成のみを図示する。
図4は、本発明の実施例1の撮影光学系100の構成を示す図である。本実施例1の撮影光学系100の具体的数値構成(設計値)は、表1に示される。表1において、R(単位:mm)は光学部材の各面の曲率半径を、D(単位:mm)は光軸AX上の光学部材厚又は光学部材間隔を、Ndはd線(波長588nm)の屈折率を、それぞれ示す。本実施例1の表又は図面についての説明は、以降の各実施例又は比較例で提示される表又は図面においても適用する。また、何れの実施例及び比較例においても、結像レンズ群106、206の焦点距離が4.0mm、像側プリズム108、208で光路が屈折される断面(YZ平面)内での最大像高が2.45mmである。
Figure 2012068510
図5は、本発明の実施例2の撮影光学系100の構成を示す。本実施例2の撮影光学系100の具体的数値構成(設計値)は、表2に示される。表2中、面No.1〜10は数値が表1と同一であるため、重複説明を避ける便宜上省略している。以降の実施例の表においても同様に省略する。
Figure 2012068510
図6は、本発明の実施例3の撮影光学系100の構成を示す。本実施例3の撮影光学系100の具体的数値構成(設計値)は、表3に示される。
Figure 2012068510
(比較例1〜3)
図7、8、9は順に、比較例1、2、3の撮影光学系200の構成を示す。比較例1、2、3の撮影光学系200の具体的数値構成(設計値)はそれぞれ、カット面108cを有さない点を除き、本実施例1、2、3の撮影光学系100と同一である。
図10は、各実施例の像側プリズム108及び各比較例の像側プリズム208の寸法を説明するための説明補助図である。図10中、破線は、正規光の光路である。正規光の画角は±20.2°である。表4は、各実施例の像側プリズム108及び各比較例の像側プリズム208の寸法(図10に示す各記号に対応する寸法)を列記したものである。表4中、寸法の単位はmmである。
Figure 2012068510
(比較検証)
表5は、各実施例及び比較例における角度α、式(1)右辺、式(2)右辺、入射面108dに対する光線Rの入射角の各値を列記したものである。比較例1〜3にはカット面108cが無いため、表5の比較例1〜3においては、反射面208aと射出面208bとがなす角度を便宜上αとした。
Figure 2012068510
比較例1〜3の像側プリズム208は、カット面108cを有さないため、射出面208bで全反射した画角外の光が反射面208aでも全反射してセンサ面22の有効画素領域に入射しやすい。すなわち、比較例1〜3の撮影光学系200では、射出面208bで全反射した画角外の光がゴーストやフレアとして現れやすい。
本実施例1〜3は、カット面108cを有するため、射出面108bで全反射した画角外の光がカット面108cを透過してセンサ面22の有効画素領域外に伝播し、ゴーストやフレアとして現れにくい。本実施例1〜3は、更に式(1)を満たすため、カット面108cで全反射が起こらない。射出面108bで全反射した光は、カット面108cを透過してセンサ面22の有効画素領域外に伝播するため、ゴーストやフレアの発生がより一層効果的に抑えられる。本実施例1〜3は、更に式(2)も満たすため、カット面108cからの反射成分が射出面108bで全反射してセンサ面22に入射しない。そのため、ゴーストやフレアの発生がより一層効果的に抑えられる。
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば物体側プリズム104は、光路を折り曲げる反射ミラーであってもよい。また、物体側プリズム104は、結像レンズ群106よりも物体側の位置に配置されていなくてもよい。物体側プリズム104は、例えば結像レンズ群106を構成する複数枚のレンズの間に配置されてもよい。
カット面108cは、透過面に限らず光を吸収する光吸収面であってもよい。光吸収面は、例えば媒質(ここでは像側プリズム108)と近い屈折率で吸収構造を持つ塗料(墨など)でスリ面を塗布した面である。なお、センサ面22に近接するカット面108cを散乱面にすると、散乱した光がセンサ面22に入射してゴーストやフレアとして現れて画質を劣化させるため望ましくない。
1 撮影装置
10 筐体
20 撮影チップ
100 撮影光学系
108 像側プリズム
108c カット面
図4は、本発明の実施例1の撮影光学系100の構成を示す図である。本実施例1の撮影光学系100の具体的数値構成(設計値)は、表1に示される。表1において、R(単位:mm)は光学部材の各面の曲率半径を、D(単位:mm)は光軸AX上の光学部材厚又は光学部材間隔を、Ndはd線(波長588nm)の屈折率を、それぞれ示す。本実施例1の表又は図面についての説明は、以降の各実施例又は比較例で提示される表又は図面においても適用する。また、何れの実施例及び比較例においても、撮影光学系100、200の全系の焦点距離が4.0mm、像側プリズム108、208で光路が屈折される断面(YZ平面)内での最大像高が2.45mmである。

Claims (7)

  1. 少なくとも1枚のレンズを有する結像レンズ群と、
    前記結像レンズ群を透過した光を所定位置に設置される撮像素子に向けて折り曲げる像側プリズムと、
    を有し、
    前記像側プリズムは、
    前記結像レンズ群からの入射光を前記撮像素子に向けて反射する反射面と、該反射面を反射した光を射出する射出面とがなす頂角が、少なくとも該反射面上の正規光入射範囲が全て残るようにカットされ、
    前記頂角をカットしたカット面が非散乱面である、
    ことを特徴とする撮影光学系。
  2. 前記像側プリズムの屈折率をNと定義し、該像側プリズムの外側の媒質の屈折率をNと定義し、前記頂角のカット面と前記射出面とがなす角度をαと定義した場合に、次式(1)
    α>π/2−SIN−1(N/N)・・・(1)
    が満たされることを特徴とする、請求項1に記載の撮影光学系。
  3. 前記像側プリズムの屈折率をNと定義し、該像側プリズムの外側の媒質の屈折率をNと定義し、前記頂角のカット面と前記射出面とがなす角度をαと定義した場合に、次式(2)
    α>(π/2+SIN−1(N/N))/2・・・(2)
    が満たされることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の撮影光学系。
  4. 前記像側プリズムは、光路を略90°折り曲げる直角プリズムであることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の撮影光学系。
  5. 前記結像レンズ群を構成する少なくとも1枚のレンズを前記像側プリズムとの間に挟んで配置された物体側プリズムを有することを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の撮影光学系。
  6. 前記物体側プリズムは、光路を略90°折り曲げる直角プリズムであることを特徴とする、請求項5に記載の撮影光学系。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の撮影光学系と、
    前記結像レンズ群の結像面上にセンサ面が配置された撮像素子と、
    を有することを特徴とする撮影装置。
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