JP2011521810A - 2つの離間装置を備えた印刷ユニット及び対応する使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、フレームと、第1のブランケット胴10及び第1の版胴12を有する第1の印刷セット6と、圧胴14と、第1の版胴12が第1のブランケット胴10と接触している印刷位置と、第1の版胴が第1のブランケット胴10から離反させられかつ第1のブランケット胴10が圧胴14から離反させられる非印刷位置との間で、胴を互いに対して移動させるように構成された第1の離間装置100とを有する印刷ユニットに関する。印刷ユニットは、印刷ユニット2が、第1のブランケット胴10の円筒面18,20と圧胴14との間の距離Lを調節するように構成された第2の離間装置200も有しており、該第2の離間装置200が、圧胴14を第1のブランケット胴10とフレーム4とに対して半径方向に移動させるための手段を有する。
Description
本発明は、
フレームと、
第1のブランケット胴及び第1の版胴を有する第1の印刷セットと、
圧胴と、
版胴が関連するブランケット胴と接触している印刷位置と、版胴が第1のブランケット胴から離反させられかつ第1のブランケット胴が圧胴から離反させられる非印刷位置との間で胴を互いに対して移動させるように構成された第1の離間装置とを有する、印刷ユニットに関する。
フレームと、
第1のブランケット胴及び第1の版胴を有する第1の印刷セットと、
圧胴と、
版胴が関連するブランケット胴と接触している印刷位置と、版胴が第1のブランケット胴から離反させられかつ第1のブランケット胴が圧胴から離反させられる非印刷位置との間で胴を互いに対して移動させるように構成された第1の離間装置とを有する、印刷ユニットに関する。
本発明は、特にオフセット輪転印刷機に関する。
このような印刷ユニットの離間装置により、紙破断が生じた時に圧胴は離反させられる。実際、印刷ユニットの使用中には、リールから繰り出される紙のウェブが裂断することがある。印刷ユニットの胴がこのような裂断の後即座に停止させられても、予期せぬ破断の後、ある量の裂断した紙が胴に巻き付くことが不可避である。離間装置を作動させることにより、胴を非印刷位置へ移動させるために胴を互いに離反させ、これにより胴の周囲に詰まった紙を除去することができる。破断した紙が除去されると、離間装置は反対方向に再び作動させられ、胴を印刷位置へ移動させる。次いで印刷運転を再開することができる。
本発明の課題は、この形式の印刷ユニットの印刷品質を改善することができる。
このために、本発明は、印刷ユニットが、第1のブランケット胴と圧胴との円筒面の間の距離を調節するように構成された第2の離間装置をも有しており、該第2の離間装置が、第1のブランケット胴とフレームとに対して圧胴を半径方向に移動させるための手段を有することを特徴とする、前記形式の印刷ユニットに関する。
印刷ユニットに、第1のブランケット胴と圧胴との円筒面の間の距離を調節することを可能にする第2の離間装置を提供することにより、印刷のために使用される紙の厚さ又は坪量に関して印刷ユニットを適応させることが可能になる。実際、第1のブランケット胴と圧胴との円筒面の間の最適な距離は、薄い紙の場合よりも厚い紙の場合にはより大きい。本発明による第2の離間装置が設けられていることにより、紙の厚さのこれらの差を考慮し、使用される紙のタイプに拘わらず優れた印刷品質を維持することができる。
本発明の特定の実施形態によれば、印刷ユニットは、以下の特徴のうちの1つ又は複数を有する:
−第2の版胴と第2のブランケット胴とを有する第2の印刷セットが設けられており、前記圧胴が第2のブランケット胴であり、印刷位置において第2の版胴が第2のブランケット胴と接触しており、非印刷位置において第2の版胴が第2のブランケット胴から離反させられている
−第1の印刷セットが上部印刷セットであり、第2の印刷セットが下部印刷セットであり、第1の版胴が上部版胴であり、第1のブランケット胴が上部ブランケット胴であり、第2のブランケット胴が下部ブランケット胴であり、第2の版胴が下部版胴である
−第1の離間装置が、第1及び第2の版胴と、第1のブランケット胴とを印刷位置と非印刷位置との間で移動させるように構成されており、第2のブランケット胴が前記移動の間は不動のままである
−第1の離間装置が偏心軸受を有する
−第2の離間装置が、トリッピング/偏心移動装置であり、かつ
フレームに収容された2つの偏心軸受を有しており、各偏心軸受が圧胴の一方の端部を収容しており、
フレームに対して各偏心軸受の角度位置を調節するように構成された調節手段を有している
−第2の離間装置が、フレームの一方の側に配置された軸受のうちの一方に調節手段によって加えられた調節移動を、フレームの他方の側に配置された他方の軸受に伝動するように構成された伝動手段を有する
−第1の離間装置が、フレームの2つの支柱の間に延びた軸を有しており、前記伝動手段が、前記軸を包囲する管を有する
−第2の離間装置が、印刷位置において第2の版胴が第2のブランケット胴との接触を維持するように、距離が調節される時に第2の版胴を第2のブランケット胴と同期して移動させるように構成された戻し手段を有する
−前記戻し手段が、第1の離間装置の少なくとも一部を含む
−第2の離間装置が、偏心軸受に固定された第1のカラーを有しており、前記戻し手段が、この第1のカラーの移動を第1の離間装置の前記部分へ戻すための部材を有する
−第1の離間装置が、第2の版胴に関連した第2のカラーを有しており、前記戻し手段が、この第2のカラーを有しており、第1のカラーが、戻し部材を介して第2のカラーに結合されている
−戻し部材が、第1の回転中心と、第1の回転中心とは別の第2の回転中心とを規定しており、専ら第1の離間装置が作動させられる時に戻し部材は第1の回転中心を中心にして回転し、専ら第2の離間装置が調節される時に戻し部材は第2の回転中心を中心にして回転する
−前記戻し部材は結合ロッドによって第2のカラーに結合されており、戻し部材は第1のカラーの延長部によって第1のカラーに結合されている
−前記戻し部材は結合ロッドによって第1のカラーに結合されており、戻し部材は第2のカラーの延長部によって第2のカラーに結合されている
−前記戻し部材は、直線的なセグメントによって結合された3つの頂点から形成されているか、又は曲げ部によって結合された2つのアームから形成されている戻し三角部材である
−第2の版胴が、4つのリングを備える偏心軸受に関連しており、前記軸受の第1のリングは第1の離間装置の一部であり、前記軸受の第2のリングは第2の離間装置の一部である
−前記調節手段が、
偏心軸受に結合された回転フランジと、
該回転フランジに結合されたタッピングと、
該タッピングと係合したねじ山付きロッドと、
該ねじ山付きロッドの回転を駆動するための駆動手段と、を有しており、
該駆動手段を作動させ、偏心軸受を回転させるようになっている
−第2の離間装置が、距離を専ら0〜0.3mmの値に調節することを可能にする
−第2の版胴と第2のブランケット胴とを有する第2の印刷セットが設けられており、前記圧胴が第2のブランケット胴であり、印刷位置において第2の版胴が第2のブランケット胴と接触しており、非印刷位置において第2の版胴が第2のブランケット胴から離反させられている
−第1の印刷セットが上部印刷セットであり、第2の印刷セットが下部印刷セットであり、第1の版胴が上部版胴であり、第1のブランケット胴が上部ブランケット胴であり、第2のブランケット胴が下部ブランケット胴であり、第2の版胴が下部版胴である
−第1の離間装置が、第1及び第2の版胴と、第1のブランケット胴とを印刷位置と非印刷位置との間で移動させるように構成されており、第2のブランケット胴が前記移動の間は不動のままである
−第1の離間装置が偏心軸受を有する
−第2の離間装置が、トリッピング/偏心移動装置であり、かつ
フレームに収容された2つの偏心軸受を有しており、各偏心軸受が圧胴の一方の端部を収容しており、
フレームに対して各偏心軸受の角度位置を調節するように構成された調節手段を有している
−第2の離間装置が、フレームの一方の側に配置された軸受のうちの一方に調節手段によって加えられた調節移動を、フレームの他方の側に配置された他方の軸受に伝動するように構成された伝動手段を有する
−第1の離間装置が、フレームの2つの支柱の間に延びた軸を有しており、前記伝動手段が、前記軸を包囲する管を有する
−第2の離間装置が、印刷位置において第2の版胴が第2のブランケット胴との接触を維持するように、距離が調節される時に第2の版胴を第2のブランケット胴と同期して移動させるように構成された戻し手段を有する
−前記戻し手段が、第1の離間装置の少なくとも一部を含む
−第2の離間装置が、偏心軸受に固定された第1のカラーを有しており、前記戻し手段が、この第1のカラーの移動を第1の離間装置の前記部分へ戻すための部材を有する
−第1の離間装置が、第2の版胴に関連した第2のカラーを有しており、前記戻し手段が、この第2のカラーを有しており、第1のカラーが、戻し部材を介して第2のカラーに結合されている
−戻し部材が、第1の回転中心と、第1の回転中心とは別の第2の回転中心とを規定しており、専ら第1の離間装置が作動させられる時に戻し部材は第1の回転中心を中心にして回転し、専ら第2の離間装置が調節される時に戻し部材は第2の回転中心を中心にして回転する
−前記戻し部材は結合ロッドによって第2のカラーに結合されており、戻し部材は第1のカラーの延長部によって第1のカラーに結合されている
−前記戻し部材は結合ロッドによって第1のカラーに結合されており、戻し部材は第2のカラーの延長部によって第2のカラーに結合されている
−前記戻し部材は、直線的なセグメントによって結合された3つの頂点から形成されているか、又は曲げ部によって結合された2つのアームから形成されている戻し三角部材である
−第2の版胴が、4つのリングを備える偏心軸受に関連しており、前記軸受の第1のリングは第1の離間装置の一部であり、前記軸受の第2のリングは第2の離間装置の一部である
−前記調節手段が、
偏心軸受に結合された回転フランジと、
該回転フランジに結合されたタッピングと、
該タッピングと係合したねじ山付きロッドと、
該ねじ山付きロッドの回転を駆動するための駆動手段と、を有しており、
該駆動手段を作動させ、偏心軸受を回転させるようになっている
−第2の離間装置が、距離を専ら0〜0.3mmの値に調節することを可能にする
本発明は、第2の離間装置によって紙の厚さに関して第1のブランケット胴と圧胴との間の距離を調節するステップを有する、前記形式の印刷ユニットを使用するための方法にも関する。
本発明は、単なる例として、添付の図面に関連して提供された以下の説明を読むことにより、さらに理解されるであろう。
図1及び図2は印刷ユニット2を示しているが、2つの離間装置が見えるようにするために、それぞれブランケット胴及び版胴を有する上部及び下部の印刷セットは省略されている。印刷ユニット2は、印刷ユニット2の様々な機械的なエレメントを支持するフレーム4を有している。フレーム4は、2つの支柱24及び24′を有している。これらの2つの支柱は印刷ユニット2の2つの側方の端部に相当する。支柱24が配置されている印刷ユニットの側26は一般的に「機能側」と呼ばれるのに対し、支柱24′が配置されている側26′は一般的に「制御側」と呼ばれている。以下では、印刷ユニット2のそれぞれの側26及び26′に見られる印刷ユニット2のエレメントの全てに対して、制御側を表すためにアポストロフィを付けた参照符号を使用する一方で、アポストロフィのない参照符号は機能側におけるエレメントを表す。
図1及び図2は斜視図に対応し、図1は支柱24′の内面3′が見えるようになっているのに対して、図2はフレーム4の支柱24の内面3が見えるようになっている。
図3を参照すると、印刷ユニット2は、第1の版胴又は上部版胴12と第1のブランケット胴又は上部ブランケット胴10とによって形成された上部印刷セット6と、第2の版胴又は下部版胴16と第2のブランケット胴又は下部ブランケット胴14とによって形成された下部印刷セット8とを有している。下部ブランケット胴14は、上部ブランケット胴10のための圧胴14であることもできる。
印刷ユニット2は、2つの離間装置100及び200を有するという特徴を有し、これらの離間装置は相俟って離間システム5(図1参照)を形成している。
第1の離間装置100に属するエレメントは101から199までの参照符号を用いて示されているのに対し、第2の離間装置200のエレメントは201から299までの参照符号を用いて示されている。
離間装置5は、好適には、第1の偏心移動装置100と第2の偏心移動装置200とを備えた、図示したような、トリッピング/偏心移動システムである。偏心移動システム5は、4つの偏心軸受101,103,202,105及び101′,103′,202′,105′の2つのセットと、4つのカラー104,206,107,109及び104′,206′,107′,109′の2つのセットと、二重偏心軸102,208と、第1の偏心移動装置100を作動させるための手段112と、第2の偏心移動装置200を調節するための手段204とを有している。
4つの偏心軸受101,103,202,105の第1のセットは、フレーム4の支柱24の内部に鉛直方向に収容されている(図1及び図3参照)。偏心軸受101′,103′,202′,105′の第2のセットは、フレーム4の他方の支柱24′に第1のセットとは反対側に配置されている(図2参照)。これらの8つの軸受は、印刷ユニット2の4つの胴の4つの駆動軸を収容している。
より具体的には、軸受101,101′は上部版胴12の駆動軸を収容しており、軸受103,103′は上部ブランケット胴10の駆動軸を収容しており、軸受202及び202′は下部ブランケット胴14の駆動軸を収容しており、軸受105及び105′は下部版胴16の駆動軸を収容している。
カラー104,206,107,109のセットは軸受101,103,202,105のセットに関連しているのに対し、4つのカラー104′,206′,107′,109′のセットは軸受101′,103′,202′,105′に関連している。より具体的には、カラー109(109′)は軸受101(101′)に固定されている。カラー107(107′)は軸受103(103′)に固定されており、カラー206(206′)は軸受202(202′)に固定されており、カラー104(104′)は軸受105(105′)に固定されている(図3参照)。
各偏心軸受は、内側リングと、中間リングと、外側リングとを備えた3リング軸受である。内側リングは関連する胴の軸を収容する。各カラーは関連する偏心軸受の中間リングに固定されている。
内側リングと中間リングとは軸受ボディによって結合されており、これにより、相俟って、印刷中の関連する胴の回転のための軸受を形成している。中間リング及び外側リングは相俟って滑らかな軸受を形成しており、外側リングはフレーム24に固定されている。従って、中間リングは、外側リングに対して、つまりフレーム24に対してスライドすることによって、回転することができる。
中間リングと外側リングとによって形成された滑らかな軸受の、フレームに対する回転軸線は、中間リングと内側リングとによって形成された軸受の、フレームに対する回転軸線とは異なる。
二重偏心軸102,208は、管208によって包囲された中心軸102を有している(図7参照)。この二重軸は、印刷ユニット2の一方の側26と他方の側26′とにおけるカラーの2つのセットの間の結合を保証する(図1参照)。第1の偏心移動装置100を作動させるための手段112は二重偏心移動軸の軸102に固定されているのに対し(図3参照)、第2の偏心移動装置200を調節するための手段204は偏心軸受202に固定されている(図6参照)。
図3は、第1の偏心移動装置100の構造を示している。図3は、図1の矢印Fに沿った印刷ユニット2の側面図であり、支柱24は示されていない。従って、図3は、偏心移動システム5の側26若しくは「機能側」を示している。図3において、印刷中に印刷ユニット2を通る紙のウェブの軌道を示す矢印Sが示されている。
第1の偏心移動装置100は、レバー116に結合されたジャッキ114を有しており、このジャッキ114とレバー116とは相俟って作動手段112を形成している。レバー116は、二重偏心移動軸の軸102に固定されている。軸102には2つのレバー118,118′が設けられている。これらのレバー118,118′それぞれの軸102の遠位端部は、結合ロッド120,120′の端部を収容する第1のフォークを形成しており、結合ロッドは前記第1のフォークに回動可能に取り付けられている。結合ロッド120,120′の他方の端部は上部ブランケット胴10のカラー107,107′に結合されている。ロッド120,120′の端部とカラー107,107′との結合は、カラー107,107′に形成された第2のフォーク122,122′によって保証されている。第2のフォーク122,122′と実質的に反対の側において、カラー107,107′は、2つの結合ロッド126,126′及び128,128′の端部を収容する第3のフォーク124,124′を有している。ロッド126,126′及び128,128′は、上部版胴12のカラー109,109′への結合と、下部版胴16のカラー104,104′への結合とをそれぞれ保証する。カラー104,107,109はそれぞれ軸受105,103,101に固定されている。
偏心移動装置100は、印刷ユニット2の他方の側において、すなわち制御側26′において、それぞれ偏心軸受105′,103′,101′に固定された3つのカラー104′,107′,109′の第2のセットによって完成されており、このカラーの第2のセットは、前記第1の機能側26と同じである。カラーの2つのセットの間の結合は、機能側26から制御側26′まで延びた横方向軸102によって保証されている。
ここで図3を参照して、偏心移動装置100の作動を説明する。予期されない紙の破断が検出されると、印刷ユニット2の胴が停止される。胴は非印刷位置へ移動させられ、この非印刷位置においては、第1の版胴12が第1のブランケット胴10から離反させられており、第1のブランケット胴10が圧胴14から離反させられている。
胴を離反させるこの操作はジャッキ114の作動により開始される。次いで、ジャッキ114の結合ロッド130が移動し、レバー116を回転させ、このレバー116と共に軸102を回転させる。レバー118,118′はこの回転に追動し、レバー118,118′と共に結合ロッド120,120′を駆動する。従って、結合ロッド120,120′はカラー107,107′を移動させる。この回転運動は、結合ロッド126,126′及び128,128′によってカラー104,104′及び109,109′に伝動される。カラー104,104′への移動の伝動は戻し三角部材210,210′を介して行われる。この伝動の間、戻し三角部材210,210′は専ら第1の回転中心C1を中心にして回転する。6つのカラー104,104′,107,107′,109,109′が偏心軸受105,105′,103,103′,101,101′に固定されているので、偏心軸受の回転、特に回転軸線を中心とするこれらの軸受の中間リングの回転が行われ、これにより、下部版胴16と、上部ブランケット胴10と、上部版胴12との分離移動が生じる。
胴がこのように離反させられることにより、紙破断により胴に巻き付いた紙を容易に除去することができる。カラー206,206′及び関連した下部ブランケット胴は、第1の偏心移動装置100の作動時には不動のままである。実際、偏心移動装置100は、下部版胴16、上部ブランケット胴10、及び上部版胴12のみを移動させる。
破断した紙が胴から除去されると、ジャッキ114を再作動させることができ、ジャッキ114は逆方向の直進運動を行い、胴を印刷位置へ移動させる。
ここで本発明による第2の偏心移動装置200の好適な実施形態を、図4から図7を参照して説明する。
第2の偏心移動装置200は、主として、図4に示された調節手段204と、印刷ユニット2のそれぞれの側に設けられた2つの偏心軸受202,202′(図6参照)とを有しており、これらの偏心軸受は下部ブランケット胴14の駆動軸の端部を収容している。第2の偏心移動装置200は、さらに一方では2つの偏心軸受202,202′の間、他方では第2の偏心移動装置200と第1の偏心移動装置100との間の結合を保証する手段を有している。
調節手段204は図4に示されている。この手段はフレーム4の支柱24の外面28に配置されている(図1参照)。回転式調節ボタン222がねじ山付きユニバーサルジョイント軸220に取り付けられている。前記ねじ山付き軸220の端部には、回転フランジ216に固定されたタッピングナット210が取り付けられている。回転フランジ216は偏心軸受202に結合されており、この偏心軸受202は、図4においてはフランジ216の背後に隠れており、フレーム4の支柱24に形成されている。図5に示されているように、偏心軸受202が、反対側によって、下部ブランケット胴14のカラー206に結合されている。
図6は、フレーム4の支柱24の断面図であり、フランジ216と、偏心軸受202と、カラー206との結合を詳細に示している。図6を参照すると、偏心軸受202は、内側リング224と、中間リング226と、外側リング228とを備えた3リング軸受である。内側リング224は、下部ブランケット胴14の駆動軸の一方の端部22に固定されている。駆動軸の端部22は、内側リング224と共に、ニードルローラ230等の転動するボディに関連して偏心軸受202内で回転することができる。
中間リング226は、一方の側ではフランジ216に、他方の側ではカラー206に固定されている。内側リング224は、中間リング226に対して約1mmだけ僅かに偏心している。中間リング226と外側リング228とは相俟って滑らかな軸受を形成しており、すなわち、中間リング226は外側リング228に対してスライドすることによって回転を行うことができ、前記外側リング228はフレーム4の支柱24に固定されている。
印刷ユニット2の制御側26′に配置された偏心軸受202′の構造は、上述の偏心軸受202の構造と同じである。制御側26′のカラー206′は、カラー206が偏心軸受202に固定されるのと同じ形式で偏心軸受202′に固定されている。もちろん、調節手段204は、制御側26′において再現されていない。
図3を参照すると、カラー206は、実質的に互いに反対に位置した2つのフォーク232及び234を除いて、実質的に環状の外観を有している。フォーク232は戻し三角部材210に固定されており、これは第1の偏心移動装置100との結合を保証する。実際、戻し三角部材210は結合ロッド106によってカラー104、ひいては第1の偏心移動装置100の偏心軸受105に固定されている。言い換えれば、第2の偏心移動装置200は、第1の偏心移動装置100のエレメント104,105,106を用いる。従って、これらのエレメントは、同時に両偏心移動装置の部分である。
戻し三角部材210は、直線的なセグメントS1,S2,S3によって結合された3つの頂点A,B,Cから形成されている。フォーク234は1つの結合ロッド236の端部を収容しており、前記結合ロッド236は他方の端部によってレバー238に結合されている。
図7を参照すると、レバー238は、第1の偏心移動装置100の軸102を中心に自由に回転する管208に取り付けられている。レバー238は、印刷ユニット2の機能側26に配置された端部において管208に取り付けられている。管208の他方の端部において、レバー238と同じレバー238′が設けられている。レバー238′に結合されたエレメント、すなわち結合ロッド236′と、カラー206′と、偏心軸受202′(図7には示されていない)は、機能側26の対応するエレメントの同じ再現であり、これは、下部ブランケット胴14からの駆動軸の他方の端部の同じ分離を保証する。管208によって結合された機能側26と制御側26′とにおいて同じエレメントを再現することにより、下部ブランケット胴14のそれぞれの側における均一な移動が提供される。
ここで第2の偏心移動装置200の作動を説明する。
オペレータが、本発明による印刷ユニット2を用いて、与えられた厚さを有する紙の印刷を開始したいとする。印刷を開始する前に、オペレータは、本発明による第2の偏心移動装置200により、印刷される紙の厚さに関して、下部ブランケット胴14と上部ブランケット胴10との間の距離を調節する。
そのために、オペレータは、回転式ボタン222を所望の角度だけ回転させる(図4参照)。この回転運動は、ユニバーサルジョイント軸220によって再現される。軸220は自由に回転するだけであって、直進運動はしないので、シャフト220の回転は、ナット218の相補的なタッピングと係合したねじ山を介して、図4に二重矢印Gによって示されているように、ナット218を前後に移動させるという効果を有する。この移動Gは、フランジ216、ひいては中間リング226及びカラー206の回転に変換される(図6参照)。この回転は管208を介して印刷ユニット2の他方の側26′に伝動され、偏心軸受202′の中間リング226′の対応する回転を生ぜしめる。下部ブランケット胴14の駆動軸の端部22,22′は、軸受202,202′の内部に僅かに偏心して収容されているので、前記軸受の回転は、上部ブランケット胴10に対する下部ブランケット胴14の僅かな半径方向移動を生ぜしめる。これに関連して、「半径方向移動」とは、長手方向軸線に対して垂直な胴の移動、すなわち胴の半径に沿った移動をいう。
戻し三角部材210,210′の結合運動学(図3及び図7参照)は、偏心移動装置200を用いる調節の間、下部ブランケット胴14と下部版胴16との間の継続的な接触を保証する。前記調節の間、戻し三角部材210,210′は専ら、第1の回転中心C1とは別の第2の回転中心C2を中心にして回転する(図3参照)。
偏心移動装置200を用いる調節は、下部ブランケット胴14と下部版胴16との相対移動を生じてはならない。さもないと、調節の後に行われる印刷中における下部版胴16から下部ブランケット胴14への印像の正確な転移が妥協されることになる。戻し三角部材210,210′により、下部ブランケット胴14のカラー206,206′の回転運動は、下部版胴16のカラー104,104′によって再現され、下部版胴16は下部ブランケット胴14の移動に追動し、2つの胴の相対移動を相殺する。
図8から図11は、作動中における2つの偏心移動装置100及び200の様々なエレメントの動作を示している。図8から図11は、印刷ユニット2の機能側26に配置されたエレメントを示している。他方の側26′に配置された対応するエレメントは、図8から図11までのエレメントと同じ動作を行う。
カラー104を備えた下部版胴16と、カラー206を備えた下部ブランケット胴14と、カラー107を備えた上部ブランケット胴10とが示されている。上部版胴は示されていない。
図8は、運転状態における胴を示しており、第1の偏心移動装置100は作動されておらず、第2の偏心移動装置200は、"min"調節移動を行っており、この場合、上部ブランケット胴10の円筒面18と下部ブランケット胴14の円筒面20との間の距離Lは実質的に0mmに等しい。下部ブランケット胴14の円筒面と下部版胴16の円筒面との間の距離Dも実質的に0mmに等しい。
これに関して、「円筒面」とは、フレーム4の一方の支柱から他方の支柱まで延びた胴の回転面をいう。
図9に示された状態は図8に示された状態に対応するが、第1の偏心移動装置100が作動させられている点で異なる。この作動は、レバー118、ひいてはカラー107及び104の回転を生じ、これは、胴14に対する胴10及び16の分離を生じる。しかしながら、胴14及び関連するカラー206は移動していない。約1.5mmのL及びDの値はこの分離により生じる。
図10は再び運転状態を示しているが、この図の場合、オペレータは、2つのブランケット胴10及び14の間の距離を"max"モードにおいて調節するように偏心移動装置200を作動させており、従ってLは約0.3mmである。この調節は、厚い紙における印刷品質を最適化する。下部ブランケット胴14のカラー206と、軸受202とは、図8に示された位置に対して角度aだけ回転させられている。戻し三角部材210により、下部版胴16は下部ブランケット胴14の移動に追動しており、距離Dは依然として実質的に0mmに等しい。
図11は、図10に対応し、偏心移動装置100は作動させられている。従って、距離Lは約1.5mmに等しいのに対し、距離Dは約1.65mmである。偏心移動装置100を作動させると、偏心移動装置200が"max"調節モードにある場合、偏心移動装置200が"min"調節モードにある場合に偏心移動装置100を作動させた時に得られる分離Dよりも大きな、下部ブランケット胴14と下部版胴16との間の分離Dが生じる(図11参照)。
図12から図14までは、偏心移動装置200の択一的な実施形態を示している。全ての3つの場合において、これらは機能側26のエレメントを示している。
図12による択一例は、戻し三角部材210及び関連する結合ロッドの形状において、前述の好適な解決手段とは異なる。図12による解決手段において、戻し三角部材210は、曲げ部K及び2つのアームB1及びB2を備えた実質的にブーメラン状である。
アームB2は下部版胴16のカラー104に直接に結合されているのに対し、アームB1は結合ロッド212を介して下部ブランケット胴14のカラー206に結合されている。従って、上述の好適な解決手段に関して、結合ロッド106は排除されており、結合ロッド128が延長されている。
図13による択一例において、頂点K及び2つのアームB1及びB2を備えたブーメラン状の戻し三角部材210も用いられている。しかしながら、図13による戻し三角部材は、角によって結合された2つの直線的なセグメントによって形成された図12による戻し三角部材とは対照的に、連続的な湾曲を備えて形成されている。図13によれば、アームB2は結合ロッド106を介してカラー104に結合されている。曲げ部Kはカラー206に直接に結合されている。
図14による択一例において、下部版胴の3リング偏心軸受の代わりに、新たな4リング偏心軸受108が用いられている。この新たな軸受108の第1のリング110は、第1の偏心移動装置100の一部であり、第1の偏心移動装置100に結合ロッド132によって結合されている。この新たな軸受108の第2のリング214は、第2の偏心移動装置200の一部であり、この第2の偏心移動装置200に結合ロッド240によって結合されている。示されていない実施形態において、リング110と214との役割が逆になっている、すなわちリング110が第2の偏心移動装置の一部であるのに対して、リング214が第1の偏心移動装置の一部である。この新たな4リング軸受108は、第1の偏心移動装置100と第2の偏心移動装置200との連結を保証する。
好適な解決手段を図12から図14までのものと比較すると、図1から図11までによる好適な解決手段は、同時に、高精度、容易な調節、容易な機械加工、最小限の嵩、及び減じられた応力及びコストを可能にする。
胴の第1の偏心移動装置100を、ブランケット胴の間の距離を調節するための第2の装置200と組み合わせた、前述の印刷ユニット2のための偏心移動システム5は、特に以下の利点を有する:
−印刷ユニットを始動させる前にブランケット胴と版胴との接触を保ちながら、使用される紙の厚さに応じてブランケット胴の間の距離を調節することができる
−紙破断が生じた時に胴を離反させる従来技術の公知の機能が保たれる
−ブランケット胴の間の距離の調節が特に容易である
−第1の偏心移動装置100の最大数の既存の部材を維持することができる
−印刷ユニットの空いたスペースを効率的に利用することができる
−現実的な応力範囲が各部材に対して維持される
−横材の調節を保つことができる。
−印刷ユニットを始動させる前にブランケット胴と版胴との接触を保ちながら、使用される紙の厚さに応じてブランケット胴の間の距離を調節することができる
−紙破断が生じた時に胴を離反させる従来技術の公知の機能が保たれる
−ブランケット胴の間の距離の調節が特に容易である
−第1の偏心移動装置100の最大数の既存の部材を維持することができる
−印刷ユニットの空いたスペースを効率的に利用することができる
−現実的な応力範囲が各部材に対して維持される
−横材の調節を保つことができる。
Claims (20)
- 印刷ユニット(2)において、
フレーム(4)と、
第1のブランケット胴(10)及び第1の版胴(12)を有する第1の印刷セット(6)と、
圧胴(14)と、
第1の版胴(12)が第1のブランケット胴(10)と接触している印刷位置と、第1の版胴(12)が第1のブランケット胴(10)から離反させられかつ第1のブランケット胴(10)が圧胴(14)から離反させられる非印刷位置との間で、胴を互いに対して移動させるように構成された第1の離間装置(100)とが設けられている形式のものにおいて、
印刷ユニット(2)が、第1のブランケット胴(10)と圧胴(14)との円筒面(18,20)の間の距離(L)を調節するように構成された第2の離間装置(200)を有しており、該第2の離間装置(200)が、圧胴(14)を第1のブランケット胴(10)に対して半径方向にかつフレーム(4)に対して相対的に移動させるための手段を有することを特徴とする、印刷ユニット。 - 第2の版胴(16)と第2のブランケット胴(14)とを有する第2の印刷セット(8)が設けられており、前記圧胴が第2のブランケット胴であり、印刷位置において第2の版胴(16)が第2のブランケット胴(14)と接触しており、非印刷位置において第2の版胴(16)が第2のブランケット胴(14)から離反させられている、請求項1記載の印刷ユニット。
- 前記第1の印刷セットが上部印刷セット(6)であり、前記第2の印刷セットが下部印刷セット(8)であり、前記第1の版胴が上部版胴(12)であり、前記第1のブランケット胴が上部版胴(10)であり、前記第2のブランケット胴が下部ブランケット胴(14)であり、前記第2の版胴が下部版胴(16)である、請求項2記載の印刷ユニット。
- 第1の離間装置(100)が、第1及び第2の版胴(12,16)と、第1のブランケット胴(10)とを印刷位置と非印刷位置との間で移動させるように構成されており、第2のブランケット胴(14)が前記移動の間は不動のままである、請求項2又は3記載の印刷ユニット。
- 第1の離間装置(100)が偏心軸受を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の印刷ユニット。
- 第2の離間装置(200)が、偏心移動装置であり、かつ
フレームに収容された2つの偏心軸受(202,202′)を有しており、各偏心軸受が圧胴(14)の一方の端部(22,22′)を収容しており、
フレーム(4)に対して各偏心軸受(202,202′)の角度位置(a)を調節するように構成された調節手段(204)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の印刷ユニット。 - 第2の離間装置(200)が、フレームの一方の側に配置された軸受(202,202′)のうちの一方に調節手段(204)によって加えられた調節移動を、フレームの他方の側に配置された他方の軸受に伝動するように構成された伝動手段(208)を有する、請求項6記載の印刷ユニット。
- 第1の離間装置(100)が、フレーム(4)の2つの支柱(24,24′)の間に延びた軸(102)を有しており、前記伝動手段が、前記軸を包囲する管(208)を有する、請求項7記載の印刷ユニット。
- 第2の離間装置(200)が、印刷位置において第2の版胴(16)が第2のブランケット胴(14)との接触を維持するように、前記距離(L)が調節される時に第2の版胴(16)を第2のブランケット胴(14)と同期して移動させるように構成された戻し手段(104,105,106,210)を有する、少なくとも請求項2記載の印刷ユニット。
- 前記戻し手段が、第1の離間装置(100)の少なくとも一部(104,105,106)を含む、請求項9記載の印刷ユニット。
- 第2の離間装置(200)が、偏心軸受(202,202′)に固定された第1のカラー(206,206′)を有しており、前記戻し手段が、この第1のカラー(206,206′)の移動を第1の離間装置(100)の前記部分へ戻すための部材(210,210′)を有する、請求項10と組み合わされた請求項6,7又は8記載の印刷ユニット。
- 第1の離間装置(100)が、第2の版胴(16)に関連した第2のカラー(104,104′)を有しており、前記戻し手段が、この第2のカラー(104,104′)を有しており、第1のカラー(206,206′)が、戻し手段(210,210′)を介して第2のカラー(104,104′)に結合されている、請求項11記載の印刷ユニット。
- 戻し手段(210,210′)が、第1の回転中心(C1)と、第1の回転中心(C1)とは別の第2の回転中心(C2)とを規定しており、専ら第1の離間装置(100)が作動させられる時に戻し部材は第1の回転中心(C1)を中心にして回転し、専ら第2の離間装置(200)が調節される時に戻し部材は第2の回転中心(C2)を中心にして回転する、請求項12記載の印刷ユニット。
- 前記戻し部材(210,210′)は結合ロッド(106,106′)によって第2のカラー(104,104′)に結合されており、戻し部材(210,210′)は第1のカラーの延長部(207,207′)によって第1のカラー(206,206′)に結合されている、請求項12又は13記載の印刷ユニット。
- 前記戻し部材(210,210′)は結合ロッド(212,212′)によって第1のカラー(206,206′)に結合されており、戻し部材(210,210′)は第2のカラーの延長部(209,209′)によって第2のカラー(104,104′)に結合されている、請求項12又は13記載の印刷ユニット。
- 前記戻し部材(210,210′)は、直線的なセグメント(S1,S2,S3)によって結合された3つの頂点(A,B,C)から形成されているか、又は曲げ部(K)によって結合された2つのアーム(B1,B2)から形成されている戻し三角部材である、請求項12から15までのいずれか1項記載の印刷ユニット。
- 第2の版胴が、4つのリング(108)を備える偏心軸受に関連しており、前記軸受けの第1のリング(110)は第1の離間装置の一部であり、前記軸受けの第2のリング(214)は第2の離間装置の一部である、請求項1から9までのいずれか1項記載の印刷ユニット。
- 前記調節手段(204)が、
偏心軸受に結合された回転フランジ(216)と、
該回転フランジに結合されたタッピング(218)と、
該タッピングと係合したねじ山付きロッド(220)と、
該ねじ山付きロッドの回転を駆動するための駆動手段(222)と、を有しており、
該駆動手段を作動させ、偏心軸受(202,202′)を回転させるようになっている、少なくとも請求項6記載の印刷ユニット。 - 第2の離間装置(200)が、距離(L)を専ら0〜0.3mmの値に調節することを可能にする、請求項1から18までのいずれか1項記載の印刷ユニット。
- 第1のブランケット胴(10)と圧胴(14)との間の距離(L)を、第1のブランケット胴と圧胴との間の紙の厚さに関連して、第2の離間装置(200)を介して調節するステップを有する、請求項1から19までのいずれか1項記載の印刷ユニットの使用。
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