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JP2011521022A - 耐侯性染料及びその用途 - Google Patents

耐侯性染料及びその用途 Download PDF

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Abstract

本発明は耐侯性染料及びその用途に関し、染料の分子内に発色母体D以外にさらに電子受容基Qを含有し、非共役の炭素結合Lを介して染料母体Dに結合してD−L−Q染料分子を構成する染料である。電子受容基Qは染料発色母体DのHOMOエネルギー準位より低いHOMOエネルギー準位をもち、染料は耐光性と耐オゾン性をもち、インク、塗料、ラッカー、レーザープリンタのトナー粉、標識物、紙、織物、ガラス、セラミックス又はポリマーにおいて着色剤として使用可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は耐侯性染料及びその用途に係り、特に新規の耐侯性染料及びインク、塗料、ラッカー、標識物、レーザープリンタのトナー粉等における用途に係わる。
周知のように、染料は多数の分野に使われる。伝統業界で染料はインク、塗料、ラッカー、標識物等に使われ、例えば、印刷インク、塗布インク、屋外と屋内の塗料及び各種のカラーラッカー等が挙げられる。近年来、コンピューターとデータ技術の適用に伴って、デジタルデザインのカラーデータレコード用材料はしだいに伝統技術にとって代わり、すさまじい勢いで発展している。染料がインクジェットプリントのインクとレーザープリンタのインクにおける適用は日増しに多くなっている。
染料は顔料に比べると、着色剤としてその水溶性、発色性及び色飽和度の点において優れているので広範に使用される。しかし、染料自身にも多くの欠陥があり、その耐侯性が悪い。例えば、その耐光性と耐ガス性は顔料より悪く、形成した画像品質が劣化されやすい。具体的に言うと、染料は例えば、紫外光、可視光等の光による劣化を発生しやすい。かつ空気中の酸化ガス、例えば、オゾン、NOx、SOx、H2S等に作用されやすく劣化され、即ち、それらの耐光性と耐ガス性が悪い。強い光に照射されなくても、屋内で長時間、保管する場合でも空気と屋内光線の接触により変色し、安定性が悪くなる。
近年来、染料の耐侯性、特に耐光性と耐ガス性に取り込み多数研究が行われている。ここで開発されている新規の耐侯性染料は一般に2つの方法に分類される。第一の方法による染料は特定の構造にして必要な耐侯性能を備える。第二の方法は機能性添加剤を添加して染料の耐光性を改善する。第二の方法は簡単で実施しやすいが、しかし一時的な処置にとどまって根本的な処置にはならず、かつ添加剤も新たな問題をもたらす可能性がある。第一の方法は基本から耐侯性問題を解決できるため、近年来、新しい耐侯性染料の開発に取り込む多数の研究が行われ進歩してきた。
1996年に出願されたアメリカ特許US5948154にはイエローインク組成物が開示されている。ここでは、式(XI)と(XII)をもつ黄色染料の組合せが採用される。黄色染料にとって、既知のC.I.酸性黄17と23は非常に高い水溶性をもつが、耐水性が悪く、C.I.直接黄86、100と142は優秀な耐光性をもつが、ノズルに詰まるおそれがある。しかし当該特許における黄色のインク組成物は優秀な耐光性と耐水性をもつだけでなく、かつ貯蔵が安定し、ノズルに詰まらない。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
2002年10月に出願された中国特許出願(出願号02147082.0)では黒い水性インク組成物が開示され、当該インクは屋外の印刷物に適応され、優秀な耐光性、耐ガス性、貯蔵安定性を有し、かつHQ画像を形成することができる。当該インク組成物は式(I)化合物から選択された黒い着色剤としてのスリ・アゾロ類染料である。これは新規のトリアゾロ染料であり、式中のMが有機アンモニウムである場合、貯蔵安定性がよい。
Figure 2011521022
2003年4月に出願されたアメリカ特許US6852154B2ではマゼンタインク組成物が開示され、ここでは、下記式(I)染料又はその塩がマゼンタ着色剤として使用され、耐光性が向上される。当該インクは黄色と青色インクに組合せて使用される。当該特許はまた二色密度の違うマゼンタインクを含有するインク組成物を公開し、ここでは式(I)染料が低密度マゼンタインクで使用される。当該インク組成物は無顆粒化の画像を形成できる。また当該インクは非イオン界面活性剤、好ましくはアルキネジオルス(alkynediols)界面活性剤、浸透促進剤、さらに好ましくはグリコールエーテルを含有する。
Figure 2011521022
2004年9月に出願された中国特許出願(出願号No.200480035102.1)ではインクが開示され、当該インクは下記式でマゼンタ染料とし、この式(1)の化合物は耐光堅牢度と耐ガス堅牢度を改善する作用をもつ。このような化合物は単独でも多種組合せて使用することも可能である。インクにカルボキシルアリール化合物及び/又はその塩を加えると、耐光性、耐ガス性、詰まり防止性能と耐湿性が同時に得られる。特にそのリチウム塩を使用すると、著しく優れている詰まり防止性能が得られる。
Figure 2011521022
研究はこのように進んでいるが、しかし本業界では依然として耐侯性のよりよい新規の耐侯性染料が必要とされる。
US5948154 CN02147082.0 US6852154 CN200480035102.1
現有技術における染料耐侯性の悪い欠陥、特に耐光性と耐ガス性の悪い欠陥を克服するため、本発明では新規の構造をもつ新規の耐侯性染料を提供する。
本発明の染料分子構造はD-L-Qであり、染料発色母体(基団)D、電子受容基Q、及びDとQを結合する非共役の結合基Lを含有する。Qは低いHOMO(最高電子が軌道を占める)エネルギー準位をもち、その数値は染料発色母体DのHOMOエネルギー準位より低い。そのため、染料が光による励起或はオゾンによる作用を受け活性化した時、電子がDからQへ高速で分子内移動を発生できるため、染料は退色する前に染料の励起状態又は活性化状態が突然に消え、高い耐オゾン性能等の高い耐光性と耐ガス性を含む染料の耐侯性を改善する。この移動した電子はさらに媒質に移動し、染料分子系を初期状態に回復させる。
本発明の染料は屋外に使用すると、予想外によい耐侯性をもつだけでなく、屋内に使用する時も長期の安定性と長期の貯蔵可能性をもつ。当該染料は使用後に空気や光線にさらされても、また当該染料は使用前の貯蔵期にあっても、すべて長期の安定性をもち、退色しにくい。
本発明の第一の態様は染料に係わり、当該染料はその分子内に発色母体D以外にさらに電子受容基Qを含有し、非共役の炭素結合Lを介して染料母体Dに結合し、D−L−Q染料分子を構成する。電子受容基Qは染料発色母体DのHOMOエネルギー準位より低いHOMOエネルギー準位をもつ。
本発明の前記染料には青色染料が含まれ、前記青色染料は一般式Iの化合物又はその混合物を含有する。
Figure 2011521022
ここで、MPcはフタロシアニン母体としての発色母体Dで、Lは非共役の結合基で、Qは電子受容基であり、QのHOMOエネルギー準位は染料発色母体DのHOMOエネルギー準位より低い。
一般式Iにおいて、a、cは0-3の同一又は相異する整数で、bは1-4の整数で、a+b+cの合計は2-4である。
MPcフタロシアニン母体中のMは水素原子、金属原子又はその酸化物、カルボキシル化合物又はハロゲン化物であり、Pcはフタロシアニン母体リングである。
R1とR2はそれぞれ同一又は相異するH、C1-18のアルキル基、C6-12の芳香基、置換基Aで置換されたベンゼン基又はナフタリン基、又は(CR3R4)nAであり、R3とR4はそれぞれ同一又は相異するH又はC1-4アルキル基であり、AはH、OH、NH2、CO2M”又はSO3M”で、nは0-18である。
M’とM”はそれぞれ同一又は相異するH、金属イオン、アンモニウム塩、又は有機アンモニウム塩である。
Lは-NR3(CR4R5)mNR6-、-NR3(CR4R5)m-、-S(CR4R5)pS-、又は-(CR4R5)q-、から選ばれ、ここで、R5とR6はそれぞれ同一又は相異するH、C1-4アルキル基であり、m、p、qは同一又は相異する整数1-4である。
Qは一般式Q1又はQ2である。
Figure 2011521022
ここで、R7とR8はそれぞれ同一又は相異するF、Cl、Br、OH、NH2、NHCN、NHCONH2、NH(CR3R4)nA、N((CR3R4)nA)2、NR3A2、SH又はS(CR3R4)nA2であり、A2は1-5個の置換基A3で置換されたベンゼン基又はナフタリン基であり、A3はH、Cl、Br、CN、CF3、CH3、NO2、NH2、SO3M”、CO2M”、PO3M”2、又はPO3HM”から選ばれる。
R9はH、Cl、Br、CN、CF3、CH3、SO3M”又はCO2M”であり
Xは0 - 3の整数であり、
Z1とZ2はそれぞれに同一又は相異するO又はC(CN)である。
前記染料の好ましい実施形態では、M’とM”は同一又は相異し、Na、K、Li、NH4、N(CH3)4、NH(CH3)3、NH2(CH3)2、NH3(CH3)4、NH(CH2CH2OH)3、NH2(CH2CH2OH)2又はNH3CH3CH2OHから選ばれる。
本発明の前記染料又は青色染料の好ましい実施形態では、前記基Qと染料発色母体DのHOMOエネルギー準位との差は0.1以上である。
本発明の青色染料の好ましい実施形態では、前記MPcは一般式IIIのフタロシアニン銅である。
Figure 2011521022
本発明の青色染料の好ましい実施形態では、前記L基は-NR3(CR4R5)mNR6-であり、前記Qは一般式Q2をもつ。
本発明の青色染料の好ましい実施形態では、前記L基は-NR3(CR4R5)m-、-S(CR4R5)pS-又は-(CR4R5)q-であり、前記Q基はQ1又はQ2である。
本発明の青色染料の好ましい実施形態では、前記一般式I化合物は一般式IV又は一般式Vの化合物である。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
一般式IVとVにおいて、基M’、R7、R8、R1、R2、a、b、c、mの定義は請求項2における定義と同じである。
本発明の第二の態様はインクに係わり、本発明の前記染料又は青色染料を含む。
当該インクの好ましい実施形態では、前記インクは印刷インク、塗布インク又はインクジェット用インクであり、前記インクジェット用インクは水性インクジェット用インクが好ましく、溶液型インクジェット用インクも好ましい。
本発明の第三の態様は水性インクジェット用インク組成物に係わり、請求項2に記載の染料1-20重量%と、水溶性有機溶剤5-50重量%と、水30-94重量%とからなる。
好ましい実施形態では、前記水溶性有機溶剤は下記の1種以上から選ばれる。アルコール、プロピル、イソプロピル、グリコール、二グリコール、三グリコール、グリセリン、グリコールモノブチルエテール、二グリコールモノブチルエテール、三グリコールモノブチルエテール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタネジオール、ヘキサネジオール、ジグリセリン、2-ピローリドン/とN-メチル基-2-ピローリジノン。
本発明の第四の態様は塗料に係わり、本発明の前記染料又は青色染料を含み、当該塗料は屋外用塗料に使用するのが好ましい。
本発明の第五の態様はラッカーに係わり、本発明の前記染料又は青色染料を含み、当該ラッカーは屋外用ラッカーに使用するのが好ましい。
本発明の第六の態様はレーザープリンタに用いるトナー粉に係わり、本発明の前記染料又は青色染料を含む。
本発明の第七の態様は標識物に係わり、本発明の前記染料又は青色染料を含む。
本発明の第八の態様は本発明の前記染料の用途に係わり、インク、塗料、ラッカー、レーザープリンタのトナー粉又は標識物の材料において着色剤に用いられる。
本発明の第九の態様は本発明の前記染料の用途に係わり、紙、織物、ガラス、セラミックス又はポリマーの材料において着色剤に用いられる。ここで、前記織物は織布、メリヤス又は不織布から選ぶのが好ましい。また前記ポリマー材料はゴム、プラスチック又は繊維から選ぶのが好ましい。
本発明のキーポイントは染料分子(D-L-Q)内に染料発色母体D、電子受容基Q、及びDとQを結合する非共役の結合基Lを含有し、Qは低い最高電子占有軌道エネルギー準位、即ち、HOMOエネルギー準位をもち、その数値は染料発色母体MPcのHOMOエネルギー準位より低い。そのため、染料は光又はオゾンの作用により活性化した時、電子がDからQへ高速で分子内移動を起こすため、染料は退色する前に染料の励起状態又は活性化状態が突然に消え、染料の耐侯性は改善される。この移動した電子はさらに媒質に移動し、染料分子系を初期状態に回復させる。
染料又は有機化合物分子のHOMOエネルギー準位に関しては、多数の専門書又は文献において明確に説明されている。例えば、2002年に出版されたC.J.Cramer,Essentials of Computational Chemistry, John Wiley & Sons株式会社。染料等の有機分子が適当な波長の光を吸収した後、染料分子でHOMOエネルギー準位にある電子はエネルギーを得て、LUMO(最低非占有軌道)エネルギー準位に落下し、染料分子が励起され、活性化される。この時、染料分子は分解反応又はその他分子、例えば酸素(又はオゾン)等との化学反応を非常に起こしやすく、原分子を破壊させ、退色させる。この時、染料分子に電子供与体が存在する場合には、供与体のHOMOエネルギー準位にある電子は欠けている染料母体分子のHOMOエネルギー準位に移動することができる。当該過程は電子移動と呼ばれている。分子内の電子移動は分子間の電子移動よりはるかに速いため、分子内への電子供与体の導入は電子移動を急速に生じさせ、これは光誘導の分子内電子移動(PET)と呼ばれている。
一方、分子にエネルギー準位の低い電子受容体が存在する場合には、励起電子は急速にこの電子受容体に落下し、即ち、電子は染料のLUMOエネルギー準位から電子受容体のHOMOエネルギー準位に落下し、染料分子励起体を急速に突然に消滅させる。これは前記電子移動方向に反対する過程であり、反PETと呼ばれている。
この反PETを実現するキーポイントは、電子受容基のHOMOエネルギー準位を染料母体のHOMOエネルギー準位より低くすることである。それに基づいて発明者は本発明を完成した。
HOMOエネルギー準位の計算に関してはすでに多くの方法があり、C. J. Cramer, Essentials of Computational Chemistry, John Wiley & Sons Ltd, 2002; Tetsuo Nagano and et al, J. Am. Chem. Soc. 2004, 3357-3367)を参照されたい。商用計算ソフトウェアには、例えば、Gaussian 98、Gaussian 2003等(Gaussian, Inc. 340 Quinnipiac St Bldg 40 Wallingford, CT 06492 USA)もあり、よく使用されるプログラムは、例えば、B3LYP/6-31G*(Gaussian)等である。
前記の関連プログラム(B3LYP/6-31G*)を使用して、発明者は計算によって下記のように本発明に用いられる典型的な染料母体のHOMOエネルギー準位を得た。
Figure 2011521022
このプログラムを使用して、発明者は計算によって下記のように本発明の電子受容基Qの一部のHOMOエネルギー準位を得た。
Figure 2011521022
電子移動のエネルギー理論によると、電子受容基QのHOMOエネルギー準位の値が染料母体のHOMOエネルギー準位の値(例えば、-5.17)に比べて低くなるほど、電子移動の推進力はますます大くなるため、電子を受容しやすくなる。上記の計算結果より分かるように、本発明では、電子吸収基を有するQ1及びQ2は好ましくは電子受容体であり、特に両者の差が0.1eV以上の電子受容体である場合、或は両者の差が好ましくは0.2eV以上、さらに好ましくは0.3eV以上の場合には効果が大きい。
既知の各種化学合成方法を用いて、これらの電子受容体(Q)を結合基Lを介してフタロシアニン染料母体MPc分子に結合することによって、耐光性と耐オゾン性のある本発明の染料を得る。
本発明に適する染料は、電子受容体QがL基を介して当該染料母体に結合可能であり、前記QのHOMOエネルギー準位が染料発色母体DのHOMOエネルギー準位より低くなるような染料である。前記染料には青色染料、黄色染料、マゼンタ染料、黒色染料等が含まれるが、青色染料が好ましい。
青色染料としては、一般式Iのフタロシアニン青色染料が好ましい。一般式Iにおいて、フタロシアニン母体MPcのMは水素原子、金属原子又はその酸化物、カルボキシル化合物又はハロゲン化物であり、Pcはフタロシアニン母体リングである。ここで、Mは水素原子又は金属原子が好ましい。前記金属原子はLi、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等から選ぶ。銅、ニッケル、亜鉛又はアルミニウムが好ましく、銅がさらに好ましい。
本発明の一般式Iの青色染料において、−SO3M’基は染料の水溶性に貢献する。aは0 - 3の整数又は分数であり、両端点を含む。a値が大きいほど、染料の水溶性が増加する。a は1-3が好ましく、1-2がさらに好ましい。
M’はH、金属イオン、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩である。M’はH、Na、K、Li、NH4、N(CH3)4、NH(CH3)3、NH2(CH2)2、NH3(CH3)4、NH(CH2CH2OH)3、NH2(CH2CH2OH)2又はNH3CH2CH2OHであることが好ましい。H、Na、Li、N(CH3)4、NH(CH2CH2OH)3、NH2(CH2CH2OH)2又はNH3CH2CH2OHがさらに好ましい。
−SO2NR1R2基は染料の水溶性と耐侯性にも貢献する。cは0 - 3の整数又は分数であり、両端点を含む。1-3が好ましい。cが大いほど、−SO2NR1R2は染料の水溶性と耐侯性に対する貢献度が増す。
R1とR2 はそれぞれ同一又は相異するH、C1-18のアルキル基、C6-12の芳香基であり、置換基Aで置換されたベンゼン基又はナフタリン基、又は(CR3R4)nAをもつ。ここで、R3とR4はそれぞれ同一又は相異するH又はC1-4アルキル基である。AはH、OH、NH2、CO2M”又はSO3M”であり、nは0-18である。nは0-10が好ましく、0-6がさらに好ましく、1-4がさらに好ましい。nが小さいほど、染料の水溶性が良くなる。C1-18のアルキル基はC1-16アルキル基が好ましく、C1-10アルキル基がさらに好ましく、C1-6アルキル基がさらに好ましく、C1-4アルキル基がさらに好ましい。アルキル基のC原子数が低いほど、染料の水溶性が良くなる。R1とR2がC6-12の芳香基であり、置換基Aで置換したベンゼン基又はナフタリン基をもつと、染料の水溶性が悪くなるが、溶剤の可溶性が良くなる。M”はH、金属イオン、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩である。M”はM’と同一又は相違する。M”はH、Na、K、Li、NH4、N(CH3)4、NH(CH3)3、NH2(CH3)2、NH3(CH3)4、NH(CH2CH2OH)3、NH2(CH2CH2OH)2又はNH3CH2CH2OHであることが好ましい。H、Na、Li、N(CH3)4、NH(CH2CH2OH)3、NH2(CH2CH2OH)2又はNH3CH2CH2OHがさらに好ましい。
−SO2-L-Q基は耐侯性を改善する主要基であり、bは1- 4の整数又は分数であり、両端点を含む。bが大きいほど、染料の耐侯性が良くなる。
本発明の染料が単独の前記化合物である場合、a、b、とcは整数である。本発明の染料が前記化合物の混合物である場合には、a、b、とcは整数でも分数でもよい。本発明では、a+b+cの合計は2 - 4である。
Lは柔軟性のある非共役の結合基であり、少なくとも1つ炭素原子を含む。炭素原子結合が長すぎると電子移動の効率が下がるため、最大44個の炭素原子が好ましく、最大40個の炭素原子がさらに好ましく、最大36個の炭素原子がさらに好ましく、最大27個の炭素原子がさらに好ましく、Lの炭素原子数が18個以下であるものがさらに好ましく、12個を超えないものがさらに好ましく、8個を超えないものがさらに好ましい。さらに最大6個の炭素原子が好ましく、最大4個の炭素原子がさらに好ましく、1-3個の炭素原子がさらに好ましい。
Lは -NR3(CR4R5)mNR6-、-NR3(CR4R5)m-、-S(CR4R5)pS-、又は-(CR4R5)q-から選び、ここで、R5とR6はそれぞれ同一又は相異するH、C1-4アルキル基であり、m、p、qは同一又は相異する1-4の範囲にある整数又は分数であり、両端点を含み、1-3が好ましく、1-2の範囲にある整数又は分数がさらに好ましい。
本発明の染料が単独の前記化合物である場合、m、p、qは同一又は相異する整数である。染料が前記化合物の混合物である場合、m、p、qは整数でも分数でもよい。
Lが-NR3(CR4R5)mNR5の場合、QはQ1でもQ2でもよい。Lが-NR3(CR4R5)m-の場合、Qは任意でQ1又はQ2とすることができる。Lが-S(CR4R5)pS-又は-(CR4R5)q-の場合、Qは任意でQ1又はQ2とすることができる。
好ましい実施形態では、Lが-NR3(CR4R5)mNR6の場合、QはQ1とする。
また好ましい実施形態では、Lが -NR3(CR4R5)mNR6の場合、QはQ2とする。
さらに好ましい実施形態では、Lが-NR3(CR4R5)m-の場合、QはQ1又はQ2とする。
さらに好ましい実施形態では、Lが-S(CR4R5)pS-又は-(CR4R5)q-の場合、QはQ1又はQ2とする。
本発明のQは一般式Q1又はQ2をもつ。
Figure 2011521022
ここで、R7とR8は同一又は相違する、F、Cl、Br、OH、NH2、NHCN、NHCONH2、NH(CR3R4)nA、N((CR3R4)nA)2、NR3A2、SH、又はS(CR3R4)nA2から選ぶ。F、Cl、Br、NH2、NHCN、NHCONH2、又はSHが好ましい。Aの定義は前述の通りである。
A2は1-5個の置換基A3で置換されたベンゼン基又はナフタリン基であり、1-3個の置換基A3で置換されるのが好ましく、1-2個の置換基A3で置換されるのがさらに好ましい。A3はH、Cl、Br、CN、CF3、CH3、NO2、NH2、SO3M”、CO2M”、PO3M”、又はPO3HM”から選び、H、Cl、Br、CN、CF3、CH3、NH2、SO3M”又はPO3M”から選ばれるのが好ましい。M”の定義は前述の通りである。
R9はH、Cl、Br、CN、CF3、CH3、SO3M”又はCO2M”である。H、Cl、Br、CN、CF3、CH3又はSO3M”が好ましい。
xは0 - 3の整数である。0-2が好ましく、0-1がさらに好ましい。
Z1とZ2はそれぞれ同一又は相異するO又はC(CN)である。
本発明の染料の合成は伝統的な有機合成方法、特に染料の合成方法を採用する。
D-L-Qの合成は通常の有機合成の方法が採用できる。合成戦略から考えると、先に別個に反応基のあるD、Qに合成し、次に反応基のあるLで結合する。Dから開始することも可能であり、順次、LとQを結合する。Qから開始して順次、LとDを結合してもよい。
例えば、フタロシアニン銅(CuPc)青色染料の場合、先にクロロスルホン化を行い或は反応性の塩化スルホンを導入して、フタロシアニン銅を比率の相違するクロロスルホン酸に反応させ、さらにフタロシアニン銅を比率の相違するクロロスルホン酸と、比率の相違する塩化チオニル、三塩化燐、オキシクロライド燐、ペンタクロライド燐、ホスゲン等に反応させることが可能である。また比率の相違する塩化チオニル、三塩化燐、オキシクロライド燐、ペンタクロライド燐、ホスゲン等とスルホン化フタロシアニン反応を行い、フタロシアニン塩化スルフリル1を形成する。
Figure 2011521022
前記比率d、e、fはp、qによって調整できるが、p、qは目標産物Iにあるa、b、cによって決定する。ここで、dは 1-500の整数又は小数である。e、f、g、hは0-500の同一又は相違する整数又は小数である。
フタロシアニンスルホン酸塩1は先にアルカリ剤M’OHとの作用によりNHR1R2と反応し、中間体2を形成する。
Figure 2011521022
ここで、i、r、sはa、bによって調整できる。
中間体2はさらに反応基のある結合基(例えば、NHR3(CR4R5)mN又はR6等に反応して中間体3を形成し、次に中間体3が活性基のQに反応してD-L-Q染料4を形成する。
Figure 2011521022
染料4は活性基のあるL-Q系5と中間体2との反応からも得られる。
Figure 2011521022
ここで、jはbによって調整できる。
ベンジンキノン類電子受容体Qを含む染料4’は活性基のあるL-Q系5’と中間体2との反応からも得られる。
Figure 2011521022
合成過程によって、先にL-Qを染料分子に導入して、6又は6’中間体に形成し、次に、M’OH、有機アミノ等のアルカリ剤がある場合、NHR1R2と反応して最終的な染料4又は4’を形成する。
Figure 2011521022
ここで、tはcによって調整する。
陽イオンM’、M"の調整を行う場合、アルカリ性剤、例えば、M’OH、M"OH、有機アミン等の添加によって実現可能であり、染料を形成した後、染料を酸析出して、さらにM’OH、有機アミンで中和溶解等を通して実現可能である。
前記合成による産物は通常で混合物であり、一般式Iにおけるa、b、cは整数又は分数可能であり、基の平均値である。しかし単一の純化合物にとって、それらは整数である。実際の適用では染料は混合物にも純化合物にもすることができる。
混合物の分離と単一化合物の純化は、通常の分離方法、例えば、塩析工程、酸析工程を用いることができる。
又、合成された染料は染料中の無機塩を除去する必要があり、通常の方法、例えば、イオン交換法、高圧逆浸透法等を使用する。
本発明の染料は明るい色彩を形成でき、特に本発明の青色染料は伝統の三元色の一つであり、その他の各種青色染料と組み合わせて使用でき、またその他の色の染料と組み合わせて各種必要な色にも形成でき、例えば、黄色染料と組み合わせて緑色を形成し、明るい赤色染料とは青色を形成し、黄色い、明るい赤色染料と一緒に黒色等を形成する。
本発明の染料は各種耐侯性要求のある場合に使用でき、用途が非常に広い。例えば、屋外の耐侯性のインク、塗料、ラッカー、標識物、レーザープリンタのトナー粉に着色剤として使用される。前記インクは印刷インク、塗布インク、又はインクジェット用インク等を含む。インクジェット用インクは水性インクジェット用インク又は溶剤系インクジェット用インクにすることができる。
それは各種屋外用材料に使用され、着色剤とし、材料に長期的な色保持性をもたせ、退色しにくい。前記材料は紙、織物、ガラス、セラミックス、又はポリマーを含むがそれに限られない。前記織物は機械織物、メリヤス又は不織布を含み、前記ポリマーはプラスチック、ゴム又は繊維等を含む。
さらに本発明の染料は屋外に使用して予想外に良い耐侯性をもつだけでなく、屋内に使用する場合も長期安定性と長期貯蔵可能性をもつ。当該染料は使用後に空気及び光線に晒しても、また当該染料は使用前の貯蔵期にあっても、すべて長期的な色安定性をもち、退色しにくい。
屋内に使用する場合、前記インク、塗料、ラッカー、標識物、レーザープリンタのトナー粉及び各種材料に着色剤として使用でき、前記インク、塗料、ラッカー、標識物、レーザープリンタのトナー粉及び各種材料に長期貯蔵過程で、退色しにくく、予想外に良い色安定性をもたせる。例えば、その他補助薬剤と一緒にインクジェット用インクに配合した時、当該インクは使用前の貯蔵期にある場合、空気中のガス(例えば、酸素と窒素等)と光線に接触しても長期の色安定性をもち、退色しにくい。当該インクを屋外に使用する場合にも、予想外の良い耐侯性をもつ。
特別の実施形態において、本発明のフタロシアニン銅染料を用いて、本発明のフタロシアニン銅染料1-20重量%、可溶性有機溶剤5-50重量%、及び水30-94重量%を含む水性インクジェット用インク組成物を調合した。ここで、前記可溶性有機溶剤は以下の一種以上から選択するのが好ましい。即ち、アルコール、プロピル、イソプロピル、グリコール、二グリコール、三グリコール、グリセリン、グリコールモノブチルエテール、二グリコールモノブチルエテール、三グリコールモノブチルエテール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタネジオール、ヘキサネジオール、ジグリセリン、2-ピローリドンとN-メチル基-2-ピローリジノン。
当該インクに任意で選択した各種その他通常の補助薬剤、例えば、界面活性剤(0-3%)、紫外線吸収剤(0-3%)、抗酸化剤(0-3%)、防腐剤(0-3%)、殺菌剤(0-3%)、pH調節剤(0-3%)、金属イオンキレート化剤(0-2%)、保湿剤(0-15%)、乾燥剤(0-5%)、防水剤(0-5%)等を添加することができる。よく使う界面活性剤には例えば、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、高分子界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等がある。
前記各種補助薬剤は多くの現有専門書と特許にすべて説明され、例えば、US7034149、US6086955、US6149722、US6235097、US7087107、US7087107、US7211134、US2007/0186810等特許に説明される各種界面活性剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、防腐剤、殺菌剤、pH調節剤、金属イオンキレート化剤、保湿剤、乾燥剤、防水剤がある。
当該インクはインクジェット業界内の通常方法で調合した。インクを調合する場合、攪拌が必要であり、加熱可能である。次に、ミニホール濾紙(穴径0.02-0.8 μm)を使い0-30気圧で濾過する。
当該インクは使用前の貯蔵過程中、空気中のガスと光線に接触しても長期的な色安定性をもち、退色しにくい。当該インクは噴射され媒質にプリントした後、形成された画像も長期的な色安定性をもつ。
以下、実施例(しかしこの実施例に限られない)によって本発明の染料化合物の合成及びその耐侯性能、例えば、耐光性能と耐オゾン性能を説明する。実施例においてすべてのデータは重量で表される。
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、140〜150℃で5時間撹拌後に50℃まで冷却し、次に、20部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、505部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(38部)と50%シアナミド水溶液(19部)を500部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を7〜8に調節する。次に、室温で1時間反応させる。混合物にエチレンジアミン(12部)を加え、40〜45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を6〜8に調節し、この温度で5時間攪拌する。次に、10℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(1200部)を加え、40〜45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、3時間攪拌し、50℃55℃の室温で1時間反応させる。次に、NaHCO3水溶液を添加しながら50%シアナミド水溶液(19部)を加えて、反応系pH を8〜9に調節し、徐々に80〜90℃に加熱し、この温度で3時間撹拌反応させる。次に、50℃に冷却し、10%NaOH pH溶液でpH値を9〜10に調整し、濾過して、不溶性不純物を除去する。炉液を室温まで冷却する。
上記の反応混合物から逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、1139部の混合染料(Dye1)を得る。固形分量は9.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye1 - 1とDye1 - 2である。HPLCにより分離し、Dye1 - 1とDye1 - 2の純粋化合物を得る。Dye1 - 1のm/ zピーク(マイナスモード):364.3 [(M-3Na)/3]、547.0 [(M - 3Na + H)/2]、558.0 [(M-2Na)/2], M = 1162。Dye1 - 2のm/ zピーク(マイナスモード):507.0 [(M-2Na)/2, M = 1060。
電子受容体のHOMO:-7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、140〜150℃で、4時間撹拌後に50℃まで冷却し、次に、30部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、495部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(36部)とアニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(60部)を800部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌する。エチレンジアミン(12部)を加え、40℃45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、この温度で5時間攪拌反応させる。次に、30℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(1000部)を加え、40℃45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、3時間撹拌後に、徐徐に50℃55℃に加熱し、1時間反応させる。最後に40℃まで冷却し、10%NaOHの水溶液を加えて反応系pH を9〜10に調節し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物から逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、混合染料(Dye2)を獲得し、主としてDye2-1、Dye2-2とDye2-3の溶液(921部)である。固形分量は15.8%である。HPLCにより分離しDye2-1、Dye2-2とDye2-3純粋化合物を得る。Dye2- 1のm/ zピーク(マイナスモード):324.2 [(M-5Na+H)/4]、329.7 [(M - 4Na)/4]、432.6 [(M-5Na+2H)/3]、440.0 [(M-4Na+H)/3]、649.4 [(M-5Na+3H)/2]、660.4 [(M-4Na+2H)/2]、671.4 [(M-3Na+H)/2], M = 1410.8。Dye2 - 2のm/ zピーク(マイナスモード):425.7、426.2、426.7 [(M-6Na+2H)/4]、431.2、431.7、432.2 [(M-5Na+H)/4]、436.7、437.2、437.7 [(M-4Na)/4]、568.0、568.7、569.3 [(M-6Na+3H)/3]、575.3 、576.0、576.6[(M-5Na+2H)/3] 、582.6、583.3、583.9 [(M-4Na+H)/3], M = 1838.8、1840.8、1842.8(同位体)。Dye2-3のm/zピーク(マイナスモード):304.2 [(M-4Na)/4]、406.0 [(M-4Na+H)/3]、413.3 [(M-3Na)/3]、609.5 [(M-4Na+2H)/2]、620.5 [(M-3Na+H)/2]、631.5 [(M-2Na)/2], M = 1308.9。
電子受容体のHOMO: -6.83 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、140〜150℃で4時間撹拌後に50℃まで冷却し、次に、30部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、495部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(36部)とアニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(60部)を800部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節する。また室温で1時間反応させる。エチレンジアミン(12部)を加え、40℃45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を7〜8に調節し、3時間攪拌し、徐徐に50〜55℃に加熱し、1時間反応させる。次に、30℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(1000部)を加え、40〜45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、 3時間撹拌後に、徐徐に50℃55℃に加熱し、1時間反応させる。次に、50%シングルシアンアンモニア溶液(19部)を加え、10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、徐徐に80〜90℃に加熱し、この温度で3時間攪拌反応させる。最後に40℃まで冷却し、10%NaOHの水溶液を加えてpHを9〜10に調整し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物を逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、959部の混合染料(Dye3)を得る。固形分量は15.1%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye3-1、Dye3-2とDye3-3である。HPLCにより分離し、Dye3-1、Dye3-2とDye3-3の純粋化合物を得る。Dye3- 1のm/ zピーク(マイナスモード):325.7 [(M-5Na+H)/4]、331.2 [(M - 4Na)/4]、434.6 [(M-5Na+2H)/3]、441.9 [(M-4Na+H)/3]、652.4 [(M-5Na+3H)/2] 、663.4 [(M-4Na+2H)/2]、664.4 [(M-3Na+H)/2], M = 1416.9。Dye3-2のm/zピーク(マイナスモード):428.7 [(M-6Na+2H)/4]、434.2 [(M-5Na+H)/4]、439.7 [(M-4Na)/4]、572.0 [(M-6Na+3H)/3]、579.3 [(M-5Na+2H)/3] 、586.6 [(M-4Na+H)/3], M = 1850.9。D3-3的m/zピーク(マイナスモード):305.7 [(M-4Na)/4]、408.0 [(M-4Na+H)/3]、415.3[(M-3Na)/3]、612.5 [(M-4Na+2H)/2]、623.5 [(M-3Na+H)/2]、6364.5 [(M-2Na)/2], M = 1314.9。
電子受容体のHOMO:-6.83 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、135〜140℃で4時間撹拌し、50℃まで冷却し、次に、15部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、460部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(18部)とアニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(30部)を500部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節する。また室温で1時間反応させる。エチレンジアミン(6部)を加え、40〜45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、この温度で5時間攪拌する。次に、30℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(800部)を加え、40〜45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、3時間撹拌する。次に、ジエタノールアミン(26部)を加え、上記の条件で2時間反応させ、徐徐に90℃95℃に加熱し、2時間反応させ、pH を8〜9に維持する。次に、40℃まで冷却し、10%NaOHの水溶液を加えてpHを9〜10に調整し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物を逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、混合染料(Dye4)(959部)を得る。固形分量は15.1%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye4-1、Dye4-2である。HPLCにより分離し、Dye4-1、Dye4-2の純粋化合物を得る。Dye4- 1のm/ zピーク(マイナスモード):363.2 [(M-4Na)/4]、484.7 [(M-4Na+H)/3]、492.0 [(M-3Na)/3]、727.5 [(M-4Na+2H)/2]、738.5 [(M-3Na+H)/2], M = 1545.0。 Dye4-2のm/zピーク(マイナスモード):464.3 [(M-6Na+2H)/4]、469.8 [(M-5Na+H)/4]、475.3 [(M-4Na)/4]、619.3 [(M-6Na+3H)/3]、626.6 [(M-5Na+2H)/3], M = 1993.0。
電子受容体のHOMO:-6.40 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、135〜140℃で4時間撹拌し、50℃まで冷却し、次に、15部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、460部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(18部)とジエタノールアミン(11部)を500部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節する。次に、室温で1時間反応させる。エチレンジアミン(6部)を加え、40〜45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、この温度で5時間攪拌する。次に、30℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(800部)を加え、40〜45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、3時間撹拌する。次に、ジエタノールアミン(26部)を加え、上記の条件で2時間反応させ、徐徐に90〜95℃に加熱し、2時間反応させ、pH を8〜9に維持する。次に、40℃まで冷却し、10%NaOHの水溶液を加えてpHを8〜10に調整し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物を逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、混合染料(Dye5)(1130部)を得る。固形分量は11.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye5-1、Dye5-2、Dye5-3である。HPLCにより分離し、Dye5-1、Dye5-2、Dye5-3の純粋化合物を得る。Dye5-2のm/zピーク(マイナスモード):653.5 [(M-2Na)/2], M = 1353.1。Dye5-3のm/zピーク(マイナスモード):781.6 [(M-2Na)/2], M = 1609.3。
電子受容体のHOMO:-5.82 eV。-
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、135〜140℃で4時間撹拌し、50℃まで冷却し、次に、15部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、460部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
30℃の条件で、上記のフィルタケーキを加え、氷水(800部)を加え、2 - (2 - アミノエチル)- ベンゾキノン(16部)、30〜40℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、5時間撹拌する。次に、10%NaOHの水溶液を加えてpHを9〜10に調整し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物を逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、混合染料(Dye6)(760部)を得る。固形分量は10.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物に含まれるDye6-1のm/zピーク(マイナスモード):341.6 [(M-3Na)/3]、513.0[(M -3Na+H)/2]、524.0 [(M-2Na)/2], M = 1093.9。
電子受容体のHOMO:-7.35 eV。
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、140〜150℃で4時間撹拌し、50℃まで冷却し、次に、30部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、495部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(36部)とアニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(60部)を800部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節する。また室温で1時間反応させる。エチレンジアミン(12部)を加え、40〜45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、この温度で5時間攪拌する。次に、30℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(1000部)を加え、40〜45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHと20% N(CH2CH2OH)2の水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、3時間撹拌する。次に、ジエタノールアミン(26部)を加え、上記の条件で2時間反応させ、徐徐に50〜55℃に加熱し、1時間反応させる。最後に40℃Cまで冷却し、10%NaOHの水溶液を加えてpHを9〜10に調整し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物を逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、混合染料(Dye7)(921部)を得る。固形分量は15.8%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye7-1、Dye7-2、Dye7-3、Dye7-4である。HPLCにより分離し、Dye7-1、Dye7-2、Dye7-3、Dye7-4の純粋化合物を得る。D7-1のm/zピーク(マイナスモード):346.0 [(M-4Na)/4]、461.6 [(M-4Na+H)/3]、469.0 [(M-3Na)/3]、693.0 [(M-4Na+2H)/2]、704.0 [(M-3Na+H)/2]、716.0 [(M-2Na)/2], M = 1475.9。 Dye7-2の m/zピーク(マイナスモード):435.0 [(M-3Na)/3]、653.0 [(M - 3Na + H)/2]、664.0 [(M-2Na)/2], M = 1374.0。Dye7-3のm/zピーク(マイナスモード):447.5、447.7、448.0 [(M-5Na+H)/4],453.0、453.2、453.6[(M - 4Na)/4]、597.0、597.2、597.5 [(M-5Na+2H)/3]、604.3、604.5、604.7 [(M-4Na+H)/3],896.0 、896.2、896.5 [(M-5Na+3H)/2]。M = 1903.9、1904.9、1905.9(同位体)。 Dye7-4のm/zピーク(マイナスモード):427.5、428.0 [(M-4Na)/4]; 570.3、570.9 [(M-4Na+H)/3]、577.6、578.3 [(M-3Na)/3],M = 1801.9、1803.9。
電子受容体のHOMO:-7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、140〜150℃で4時間撹拌し、50℃まで冷却し、次に、30部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、495部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(36部)とアニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(60部)を800部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節する。また室温で1時間反応させる。エチレンジアミン(12部)を加え、40〜45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、この温度で5時間攪拌する。次に、30℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(1000部)を加え、40〜45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHと20% NH2CH2CH2SO3Naの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、3時間撹拌し、徐徐に50℃55℃に加熱し、1時間反応させる。最後に40℃まで冷却し、10%NaOHの水溶液を加えてpHを9〜10に調整し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物を逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、混合染料(Dye8)(921部)を得る。固形分量は15.8%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye8-1、Dye8-2、Dye8-3である。HPLCにより分離し、Dye8-1、Dye8-2、Dye8-3の純粋化合物を得る。Dye8-1 のm/zピーク(マイナスモード):351.0 [(M-5Na+H)/4]、356.4 [(M - 4Na)/4]、468.3 [(M-5Na+2H)/3]、475.6 [(M-4Na+H)/3]、702.9 [(M-5Na+3H)/2] 、713.9 [(M-4Na+2H)/2]、724.9 [(M-3Na+H)/2], M = 1517.8。Dye8-2のm/zピーク(マイナスモード):331.0 [(M-4Na)/4]、441.6 [(M-4Na+H)/3]、449.0 [(M-3Na)/3]、663.0 [(M-4Na+2H)/2]、674.0 [(M-3Na+H)/2]、685.0 [(M-2Na)/2], M = 1415.9。Dye8-3のm/zピーク(マイナスモード):452.4、452.9 [(M-6Na+2H)/4], 458.0、458.5 [(M-5Na+H)/4], 463.4、463.5 [(M-4Na)/4], 603.6、604.2 [(M-6Na+3H)/3], 610.9、611.6 [(M-5Na+2H)/3], 618.3、618.9 [(M-4Na+H)/3], M = 1945.8、1947.8(同位体)。
電子受容体のHOMO: -7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
フタロシアニン銅(58部)を200部のクロロスルホン酸に一度に加え、140〜150℃で4時間撹拌し、50℃まで冷却し、次に、30部の塩化チオニルを加え、70〜80℃で1時間還流させ、室温まで冷却し、次に、2,000部の氷水を注ぎ、濾過し、フィルタケーキを500部の氷水で3回洗浄し、その結果、495部の染料の湿潤フィルタケーキを得る。
三塩化シアヌル(36部)とアニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(60部)を800部の水に加え、0〜5℃で5時間撹拌し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節する。また室温で1時間反応させる。エチレンジアミン(12部)を加え、40〜45℃に加熱し、NaHCO3水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、この温度で5時間攪拌する。次に、30℃に冷却し、上記のフィルタケーキを加え、氷水(1000部)を加え、p-アミノベンゼンスルホン酸ナトリウム(18部)を加え、40〜45℃で攪拌反応させ、同時に10%NaOHの水溶液を滴下して反応系pH を8〜9に調節し、3時間撹拌し、徐徐に50〜55℃に加熱し、4時間反応させる。最後に40℃まで冷却し、10%NaOHの水溶液を加えてpHを9〜10に調整し、濾過し、不溶性不純物を除去する。
上記の反応の混合物を逆浸透膜系で塩化ナトリウムを除去して、混合染料(Dye9)(921部)を得る。固形分量は15.8%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye9-1、Dye9-2、Dye9-3である。HPLCにより分離し、Dye9-1、Dye9-2、Dye9-3の純粋化合物を得る。Dye9-1 のm/zピーク(マイナスモード):363.0 [(M-5Na+H)/4]、368.4 [(M - 4Na)/4]、484.3 [(M-5Na+2H)/3]、491.5 [(M-4Na+H)/3]、726.9 [(M-5Na+3H)/2] 、737.9 [(M-4Na+2H)/2]、748.9 [(M-3Na+H)/2], M = 1565.8。Dye9-2のm/zピーク(マイナスモード):343.0 [(M-4Na)/4]、457.6 [(M-4Na+H)/3]、464.9 [(M-3Na)/3]、687.0[(M-4Na+2H)/2]、698.0 [(M-3Na+H)/2]、709.0 [(M-2Na)/2], M = 1463.9。Dye9-3のm/zピーク(マイナスモード):464.4、464.5 [(M-6Na+2H)/4],470.0、470.5 [(M-5Na+H)/4],475.4、475.9 [(M-4Na)/4], 619.6、621.3 [(M-6Na+3H)/3], 626.9、627.6 [(M-5Na+2H)/3],634.2、634.9 [(M-4Na+H)/3], M = 1993.8、1995.8(同位体)。
電子受容体のHOMO: -7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
同様に、上記のプロセス中に、18部のp-アミノベンゼンスルホン酸ナトリウムを11部の3−アラニンに変更して、混合染料(Dye 9’)の溶液(901部)を得る。固形分量は14.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye9’-1、 Dye9’-2、Dye9’-3である。HPLCにより分離し、Dye9’-1、 Dye9’-2とDye9’-3の純粋化合物を得る。Dye9’-1のm/zピーク(マイナスモード):342.0 [(M-5Na+H)/4]、347.5 [(M - 4Na)/4]、456.3 [(M-5Na+2H)/3]、465.5 [(M-4Na+H)/3]、685.4 [(M-5Na+3H)/2]、696.4 [(M-4Na+2H)/2]、707.4 [(M-3Na+H)/2], M =1481.9。Dye9’-2のm/zピーク(マイナスモード):322.0 [(M-4Na)/4]、430.0 [(M-4Na+H)/3]、437.3 [(M-3Na)/3]、645.0[(M-4Na+2H)/2]、656.0 [(M-3Na+H)/2]、667.0 [(M-2Na)/2], M = 1379.9。Dye9’-3のm/zピーク(マイナスモード):443.4、443.9[(M-6Na+2H)/4],449.0、449.5 [(M-5Na+H)/4],454.4、454.9 [(M-4Na)/4], 591.6、592.3 [(M-6Na+3H)/3], 598.9、599.6 [(M-5Na+2H)/3],606.2、606.9 [(M-4Na+H)/3], M = 1909.8、1911.8(同位体)。
電子受容体のHOMO: -7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
同様に、上記のプロセス中に、18部のp-アミノベンゼンスルホン酸ナトリム、或いは11部の3−アラニンを22部のジメチルナトリウム塩アミノフェニルに変更して、混合染料(Dye 9’’)の溶液(935部)を得る。固形分量は15.1%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye9’’-1、 Dye9’’-2、Dye9’’-3である。HPLCにより分離し、Dye9’’-1、Dye9’’-2、Dye9’’-3の純粋化合物を得る。Dye9’’-1のm/zピーク(マイナスモード):368.4 [(M-5Na+H)/4]、373.9 [(M - 4Na)/4]、491.6 [(M-5Na+2H)/3]、498.9 [(M-4Na+H)/3]、737.9 [(M-5Na+3H)/2] 、748.9 [(M-4Na+2H)/2]、759.9 [(M-3Na+H)/2], M = 1587.8。Dye9’’-2のm/zピーク(マイナスモード):348.5 [(M-4Na)/4]、464.9 [(M-4Na+H)/3]、472.2 [(M-3Na)/3]、698.0[(M-4Na+2H)/2]、709.0 [(M-3Na+H)/2]、720.0 [(M-2Na)/2], M = 1485.9。Dye9’’-3のm/zピーク(マイナスモード):469.9、470.4 [(M-6Na+2H)/4],475.5、476.0 [(M-5Na+H)/4], 480.9、481.4 [(M-4Na)/4], 626.9 、627.6 [(M-6Na+3H)/3], 634.2、634.9 [(M-5Na+2H)/3],641.5、642.2 [(M-4Na+H)/3], M = 2015.8、2017.8(同位素)。
電子受容体のHOMO: -7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
実施例2において、Phを調整するNaHCO3水溶液或いはNaOH水溶液を全部10% N+(CH3)4OH水溶液に変更し、混合染料(Dye 2’)の溶液(952部)を得る。固形分量は16.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye2’-1、 Dye2’-2とDye2’-3である。HPLCにより分離し、Dye2’-1、Dye2’-2とDye2’-3の純粋化合物を得る。Dye2-1のm/zピーク(マイナスモード):324.2、324.4、324.5 [(M-5(NMe4)+H)/4],342.5、342.8、343.1[(M - 4(NMe4))/4],432.6、432.9、433.6 [(M-5(NMe4)+2H)/3],457.0、457.3、458.0 [(M-4(NMe4)+H)/3], M = 1666.4、1667.4、1669.4 (同位体)。Dye2-2のm/zピーク(マイナスモード):425.7、425.9、425.3、425.5 [(M-6(NMe4)+2H)/4],444.0、444.2、444.5、444.8 [(M-5(NMe4)+H)/4],568.0、568.3、568.7、569.0 [(M-6(NMe4)+2H)/3], M = 2145.4、2146.4、2147.4、2148.4 (同位体)。 Dye2-3的m/zピーク(マイナスモード):304.2、304.5 [(M-4(NMe4))/4],406.0、406.3 [(M-4(NMe4)+H)/3],430.3、430.6 [(M-3(NMe4))/3],609.5、610.0 [(M-4(NMe4) +2H)/2], M = 1513.3、1514.3(同位体)。
電子受容体のHOMO: -7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
実施例2において、Phを調整するNaHCO3水溶液或いはNaOH水溶液を全部10% N(CH2CH2OH)3水溶液に変更し、混合染料(Dye2’’)の溶液(952部)を得る。固形分量は16.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye2’’-1、 Dye2’’-2とDye2’’-3である。HPLCにより分離し、Dye2’’-1、Dye2’’-2とDye2’’-3の純粋化合物を得る。Dye2’’-1のm/zピーク(マイナスモード):324.2、324.4 [(M - 5(NH(CH2CH2OH)3) + H)/4]、361.5、361.7 [(M - 4(NH(CH2CH2OH)3))/4],432.6、432.9[(M- 5(NH(CH2CH2OH)3) +2H)/3]、482.3、482.6 [(M - 4(NH(CH2CH2OH)3) + H)/3], M = 2046.4、2047.4(同位体)。Dye2’’-2のm/zピーク(マイナスモード):425.7、425.9、425.3、425.5 [(M - 6(NH(CH2CH2OH)3) + 2H) /4],463.0、463.3、463.5、463.7 [(M - 5(NH(CH2CH2OH)3) + H)/4],568.0、568.3、568.7、569.0 [(M - 6(NH(CH2CH2OH)3) + 3H)/3], M = 2601.5、2602.5、2603.5、 2604.5(同位体)。 Dye2’’-3のm/zピーク(マイナスモード):304.2、304.5 [(M - 4(NH(CH2CH2OH)3))/4], 406.0、406.3 [(M - 4(NH(CH2CH2OH)3) + H)/3],455.7、456.0 [(M - 3(NH(CH2CH2OH)3))/3],609.5、610.0 [(M - 4(NH(CH2CH2OH)3) + 2H)/2], M = 1817.4、1818.4(同位体)。
電子受容体のHOMO: -7.13 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
実施例2において、アニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(60部)をアミノフェニルホスホン酸ナトリウム(22部)に変更して、同様の方法とプロセスで実施し、混合染料(Dye11)の溶液(851部)を得る。固形分量は15.8%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye11-1、 Dye11-2、Dye11-3である。HPLCにより分離し、Dye11-1、Dye11-2、Dye11-3の純粋化合物を得る。Dye11-1のm/zピーク(マイナスモード):304.2 [(M-5Na+H)/4]、309.7 [(M - 4Na)/4]、406.0 [(M-5Na+2H)/3]、413.3 [(M-4Na+H)/3]、609.4 [(M-5Na+3H)/2] 、620.4 [(M-4Na+2H)/2]、631.4 [(M-3Na+H)/2], M =1330.9。Dye11-2のm/zピーク(マイナスモード):385.7、386.2 [(M-6Na+2H)/4], 319.2、319.7 [(M-5Na+H)/4],396.7、397.2 [(M-4Na)/4],514.6、515.3 [(M-6Na+3H)/3], 521.9、522.6 [(M-5Na+2H)/3]、529.2、529.9 [(M-4Na+H)/3], M = 1678.9、1680.9 (同位体)。Dye11-3のm/zピーク(マイナスモード):284.2 [(M-4Na)/4]、379.3 [(M-4Na+H)/3]、386.6 [(M-3Na)/3]、569.5 [(M-4Na+2H)/2]、580.5 [(M-3Na+H)/2]、591.5 [(M-2Na)/2], M = 1228.9。
電子受容体HOMO: -6.48 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
実施例2において、アニリン-2,5-ジスルホン酸二ナトリウム(60部)をアミノKナトリウム塩(即ち2 - アミノ-3,6,8 -三ナフタレンスルホン酸塩)(45部)に変更して、同様の方法とプロセスで実施し、混合染料(Dye12)の溶液(926部)を得る。固形分量は16.8%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye12-1、 Dye12-2とDye12-3である。HPLCにより分離し、Dye12-1、Dye12-2とDye12-3の純粋化合物を得る。Dye12-1のm/zピーク(マイナスモード):356.7[(M-6Na+2H)/4]、362.2 [(M-5Na+H)/4]、367.7 [(M-4Na)/4]、475.9[M-6Na+3H)/3]、+7.3 483.2[(M-5Na+2H)/3] 、490.5 [(M-4Na+H)/3], M = 1562.8。Dye12-2のm/zピーク(マイナスモード): 326.8、327.1、327.4 [(M-8Na+2H)/6],330.4、330.8、331.1[(M-7Na+H)/6]、392.3、392.7、393.1[(M-8Na+3H)/5],396.7、397.1、397.5 [(M-7Na+2H)/5],401.1、401.5、401.9 [(M-6Na+H)/5],490.7、491.2、491.7 [(M-8Na+4H)/4],496.2、496.7、497.2 [(M-7Na+3H)/4],501.7、502.2、502.7[(M-6Na+2H)/4], M = 2142.7、2144.7、2146.7(同位体)。Dye12-3のm/zピーク(マイナスモード):336.7 [(M-5Na+H)/4]、342.2 [(M - 4Na)/4]、449.3 [(M-5Na+2H)/3]、456.6 [(M-4Na+H)/3]、674.4 [(M-5Na+3H)/2] 、685. 4[(M-4Na+2H)/2]、696.4 [(M-3Na+H)/2], M = 1460.8。
電子受容体のHOMO: -7.11 eV。
Figure 2011521022
Figure 2011521022
Figure 2011521022
実施例2において、2−(2−アミノエチル)ベンゾキノンを2−(2−アミノエチル)―トリクロロ- p -ベンゾキノン(22部)に変更して、同様の方法とプロセスで実施し、混合染料(Dye13)の溶液(760部)を得る。固形分量は10.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物は主にDye12-1、 Dye12-2とDye12-3である。HPLCにより分離し、Dye12-1、Dye12-2とDye12-3の純粋化合物を得る。HPLC-ESI-MS分析によると、m/z:376.2、375.6 [(M-3Na)/3]、563.9、564.9[(M -3Na+H)/2]、574.9、575.9 [(M-2Na)/2], M = 1195.8、1197.8(同位体)。
電子受容体のHOMO: -7.76 eV。
Figure 2011521022
実施例2において、2−(2−アミノエチル)ベンゾキノンを2−(2−アミノエチル)―ベンゾキノン−第二マロノニトリル(20部)に変更して、同様の方法とプロセスで実施し、混合染料(Dye14)の溶液(760部)を得る。固形分量は10.2%である。HPLC-ESI-MS分析によると、混合物Dye14(m/z有:373.6 [(M-3Na)/3]、560.9[(M -3Na+H)/2]、571.9 [(M-2Na)/2], M = 1189.9)。
電子受容体のHOMO: -7.36 eV。
Figure 2011521022
応用実験:上記の実施例の染料を以下の処方に従い、インクジェット用インクを作成する。
染料:5重量分
エチレングリコール:4重量分
ジエチレングリコール:4重量分
ジエチレングリコールモノブチルエーテル:8重量分
2 - PVP:3重量分
エタノール:2重量分
界面活性剤:0.5重量分
殺菌剤:0.2重量分
EDTA:0.1重量分
pH:8-8.5
水:100重量分
上記を30〜40℃で混合、攪拌し、平均細孔径が0.1μmの多孔質膜を使って0.2気圧の圧力で濾過し、青色のインクを得る。
同様の実験条件で、本染料をブルー199に変更して、対比インクを作る。
EpsonのC63モデルのプリンターに、上記配合の青色インクと対比インクを注入し、Epsonから購入された高光沢フォト用紙に色ブロックを印刷する。色ブロックの耐光性とオゾン抵抗性をテストする。
光安定性試験:室温で、UV紫外線で照射し、表1に記録されている時間で、色濃度の色をテストする。
耐オゾン性試験:2%オゾン、25℃の恒温に置き、表1に記載されている時間で、色ブロックの色濃度をテストする。
色濃度テスト:
色ブロックの色濃度値は通常の色濃度計を使って測定する。例えば、広東省中山彩虹印刷用品有限公司から購入されたWi ―QA - 1011型カラー濃度計。測定プロセスは以下の通り:
- 色濃度測定器の電源スイッチを入れ、校正する。
- 色濃度測定のテストヘッドを用紙の未印刷部分に置き、用紙のパラメータを測定する;次に、テストヘッドを色ブロックに置き、機器の画面に自動的に色ブロックの色濃度を測定できる。一つの色ブロックの異なる部位に何回も測定して、その平均値をとる。
Figure 2011521022
上記データから見ると、この発明で作ったインクは、耐光性の面でも、オゾン抵抗性の面でも現有技術の染料の直接青199より大幅に改善されたことが分かる。
操作利便性を考え、表1の各実施例の染料(Dye1 - 14)は全て各実施例に合成された染料化合物の混合物を使い、混合物を単一の化合物に分離せずに直接インクを作ったのである。たとえばDye1はDye1 - 1とDye1 - 2混合物であり、Dye2は、Dye2 - 1、Dye2 - 2、Dye2 - の混合物、等。
また、出願人は各実施例による化合物混合物を分離して、その分離された単一の純粋化合物でインクを作成し、またテストを実施した。結果として、純粋化合物へ作ったインクの耐光性、オゾン抵抗性は混合物で作ったインクと同じであることが分かった。具体的には、実施例1の染料Dye1 - 1又はDye-2で作ったインクは混合染料Dye1で作ったインクの耐光性、オゾン抵抗性と同じである。実施例2のDye2 - 1又はDye2 - 2或いはDye2 - 3のいずれかを使って作ったインクは混合染料Dye2を使って作ったインクの性能は同じである。その他の実施例の染料も同じである。

Claims (10)

  1. 染料の分子内に発色母体D以外にさらに電子受容基Qを含有し、非共役の炭素結合Lを介して染料母体Dに結合してD−L−Q染料分子を構成し、前記電子受容基Qは染料発色母体DのHOMOエネルギー準位より低いHOMOエネルギー準位をもつことを特徴とする耐侯性染料。
  2. 請求項1に記載の染料において、前記染料は青色染料を含有し、前記青色染料は一般式Iの化合物又はその混合物を含有し、
    Figure 2011521022
    ここで、MPcはフタロシアニン母体としての発色母体Dで、Lは非の結合基で、Qは電子受容基であり、QのHOMOエネルギー準位は染料発色母体DのHOMOエネルギー準位より低く、
    一般式Iにおいて、a、cは0−3の同一又は相異する整数で、bは1−4の整数で、a+b+cの合計は2−4であり、
    MPcフタロシアニン母体中のMは水素原子、金属原子又はその酸化物、カルボキシル化合物又はハロゲン化物であり、Pcはフタロシアニン母体リングであり、
    R1とR2はそれぞれ同一又は相異するH、C1−18のアルキル基、C6−12の芳香基、置換基Aで置換されたベンゼン基又はナフタリン基、又は(CR3R4)nAであり、R3とR4はそれぞれ同一又は相異するH又はC1−4アルキル基であり、置換基AはH、OH、NH2、CO2M”又はSO3M”で、nは0−18であり、
    M’とM”はそれぞれ同一又は相異するH、金属イオン、アンモニウム塩、又は有機アンモニウム塩であり、
    Lは-NR3(CR4R5)mNR6-、-NR3(CR4R5)m-、-S(CR4R5)pS-又は-(CR4R5)q-から選ばれ、ここで、R5とR6はそれぞれ同一又は相異するH、C1−4アルキル基であり、m、p、qは同一又は相異する整数1−4であり、
    Qは一般式Q1又はQ2であり、
    Figure 2011521022
    ここで、R7とR8はそれぞれ同一又は相異するF、Cl、Br、OH、NH2、NHCN、NHCONH2、NH(CR3R4)nA、N((CR3R4)nA)2、NR3A2、SH又はS(CR3R4)nA2であり、A2は1-5個の置換基A3で置換されたベンゼン基又はナフタリン基であり、A3はH、Cl、Br、CN、CF3、CH3、NO2、NH2、SO3M”、CO2M”、PO3M”2又はPO3HM”から選ばれ、
    R9はH、Cl、Br、CN、CF3、CH3、SO3M”又はCO2M”であり、
    Xは0−3の整数であり、
    Z1とZ2はそれぞれ同一又は相異するO又はC(CN)である。
  3. 前記M’とM”は同一又は相異し、Na、K、Li、NH4、N(CH3)4、NH(CH3)3、NH2(CH3)2、NH3(CH3)4、NH(CH2CH2OH)3、NH2(CH2CH2OH)2又はNH3CH2CH2OHから選ばれる、請求項2に記載の染料。
  4. 前記基Qと染料発色母体DのHOMOエネルギー準位との差は0.1以上である、請求項1又は2に記載の染料。
  5. 前記MPcは一般式IIIのフタロシアニン銅である、請求項2又は3に記載の染料。
    Figure 2011521022
  6. 前記L基は-NR3(CR4R5)mNR6-であり、前記Qは一般式Q2をもつ、請求項2又は3に記載の染料。
  7. 前記L基は-NR3(CR4R5)m-、-S(CR4R5)pS-又は-(CR4R5)q-であり、前記Q基はQ1又はQ2である、請求項2又は3に記載の染料。
  8. 前記一般式I化合物は一般式IV又はVの化合物である、請求項2又は3に記載の染料。
    Figure 2011521022
    Figure 2011521022
    ただし、一般式IV又はVにおいて、M’,R7, R8, R1, R2, a, b, c, mの定義は請求項2に記載のものと同一である。
  9. 請求項2に記載の染料1−20重量%と、水溶性有機溶剤5−50重量%と、水30−94重量%とからなる水性インクジェット用インク組成物。
  10. インク、塗料、ラッカー、レーザープリンタのトナー粉、標識物、紙、織物、ガラス、セラミックス又はポリマーの材料が着色剤として使用される請求項1に記載の染料の用途。
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