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JP2011513419A - ピロロトリアジンキナーゼ阻害剤 - Google Patents

ピロロトリアジンキナーゼ阻害剤 Download PDF

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JP2011513419A
JP2011513419A JP2010549840A JP2010549840A JP2011513419A JP 2011513419 A JP2011513419 A JP 2011513419A JP 2010549840 A JP2010549840 A JP 2010549840A JP 2010549840 A JP2010549840 A JP 2010549840A JP 2011513419 A JP2011513419 A JP 2011513419A
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Abstract

本発明は、式I:
Figure 2011513419

の化合物およびそれの医薬的に許容される塩を提供する。式Iの化合物はタンパク質キナーゼ活性を阻害するので、抗癌剤として有用である。

Description

本発明は、チロシンキナーゼ阻害剤として有用である、新規なピロロトリアジン化合物に関する。本発明はまた、該化合物を含む医薬組成物並びに増殖性疾患および他の疾患(特に、いくつかの種類の癌)の治療に該化合物を用いる方法にも関する。
本発明は、チロシンキナーゼ酵素を阻害する化合物、チロシンキナーゼ阻害化合物を含む組成物、およびチロシンキナーゼ活性の過剰発現または発現上昇(up regulation)を特徴とする疾患(例えば、癌、糖尿病、再狭窄、動脈硬化症、乾癬、アルツハイマー病、血管形成疾患および免疫不全)[Powis, G.; Workman P. Signaling Targets For The Development of Cancer Drugs. Anti-Cancer Drug Design (1994), 9: 263-277; Merenmies, J.; Parada, L. F.; Henkemeyer, M. Receptor Tyrosine Kinase Signaling in Vascular Development. Cell Growth Differ (1997) 8: 3-10; Shawver, L. K.; Lipsosn, K. E.; Fong, T. A. T.; McMahon, G.; Plowman, G. D.; Strawn, L. M. Receptor Tyrosine Kinases As Targets For Inhibition of Angiogenesis. Drug Discovery Today (1997) 2: 50-63;これらは全て本明細書で引用により援用されている]を治療するためのチロシンキナーゼ酵素阻害剤の使用方法に関する。
チロシンキナーゼは、いくつかの細胞機能に関するシグナル伝達(例えば、細胞増殖、発癌、アポトーシス、および細胞分化)において重要な役割を果たす。これらの酵素の阻害剤は、これらの酵素に依存する増殖性疾患の治療または予防において有用である。受容体タンパク質チロシンキナーゼの過剰発現または活性化によって恒常的な分裂促進性の情報伝達が起こり、このことが、ヒト悪性腫瘍の増大する重要な要因であるということは確かな疫学的証拠によって示されている。これらのプロセスに係わっているチロシンキナーゼには、Abl、CDK、EGF、EMT、FGF、FAK、Flk−1/KDR、Flt−3、GSK−3、GSKβ−3、HER−2、IGF−1R、IR、Jak2、LCK、MET、PDGF、Src、Tie−2、TrkA、TrkBおよびVEGFが含まれる。したがって、チロシンキナーゼ酵素を制御または阻害するために用いることのできる新規化合物を研究する目下の必要性が存在する。
1もしくはそれ以上の下記のカテゴリー(これらは一例として与えられるのであって、限定するためではない):
(a)薬物動態的性質(経口バイオアベイラビリティーを含む);
(b)医薬的性質;
(c)必要な投与量;
(d)血中濃度の最高最低間の特徴(peak-to-trough characteristics)を低下させる要素;
(e)受容体で活性薬剤の濃度を増加させる要素;
(f)臨床において薬物相互作用の傾向を減少させる要素;
(g)有害な副作用の可能性を低下させる要素;並びに
(h)製造コストまたは実現可能性を改善する要素
において、有利な、そして改善された特性を有する化合物を見出すことも望まれ、また好まれる。
(発明の概要)
本発明は、チロシンキナーゼ酵素の阻害剤として有用な、式Iの化合物(それの立体異性体、互変異性体、および医薬的に許容される塩を含む)を提供する。
本発明はまた、医薬的に許容される担体および1もしくはそれ以上の本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩を含む医薬組成物も提供する。
本発明はまた、治療上有効な量の式Iの化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩および適宜含まれる1もしくはそれ以上の他の抗癌剤または治療剤を、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、1もしくはそれ以上のチロシンキナーゼ阻害剤に伴う症状の治療方法も提供する。
本発明はまた、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩を用いる、癌の治療方法も提供する。
本発明はまた、治療のために用いる、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩も提供する。
本発明はまた、癌のような増殖性疾患の治療剤の製造における、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩の使用も提供する。
これらおよび本発明の他の特徴は、続く開示にあるように、広がりを持たせた形で以下に記載される。
(発明の詳細な説明)
本発明は、式Iの化合物、そのような化合物を用いる医薬組成物、およびそのような化合物の使用方法を提供する。
本発明の1つの態様において、式I:
Figure 2011513419
[式中、
Xは、2もしくはそれ以上のヘテロ原子を含むヘテロサイクリル基であり;
Yは、CORまたはCONHRであり;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アミド、置換アミド、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
、R、およびRは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、ウレイド、または−CNであり;並びに
は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである]
の化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩、互変異性体、または立体異性体が開示される。
第2の態様において、本発明には、式I:
Figure 2011513419
[式中、
Xは、ピラゾリジンまたはピペラジンであり;
は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;並びに
は、チアゾール、ピラジンもしくは置換ピラジン、またはピリジンもしくは置換ピリジンである]
の化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩または立体異性体が含まれる。
第3の態様において、本発明には、R、R、およびRが独立して、水素またはC〜Cアルキルである、式Iの化合物が含まれる。
本発明の化合物には以下:
2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピラゾリジン−1−カルボキサミド、
2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキサミド、
2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボキサミド、
(2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(チアゾール−2−イル)メタノン、
(2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(6−フルオロピリジン−3−イル)メタノン、または
(2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(ピラジン−2−イル)メタノン
あるいはそれの医薬的に許容される塩が含まれる。
別の態様において本発明は、医薬的に許容される担体および1もしくはそれ以上の、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
別の態様において本発明は、医薬的に許容される担体および1もしくはそれ以上の、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩の治療上有効な量を含む医薬組成物を提供する。
別の態様において本発明は、1もしくはそれ以上の、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩の治療上有効な量を、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、タンパク質キナーゼ関連疾患の治療方法を提供する。
別の態様において本発明は、1もしくはそれ以上の、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩の治療上有効な量を、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、チロシンキナーゼ関連疾患の治療方法を提供する。
別の態様において、タンパク質キナーゼ関連疾患は、前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、または急性骨髄性白血病(AML)からなる群より選択される。
別の態様において本発明は、本発明の化合物あるいはそれの立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩の、タンパク質キナーゼ関連疾患を治療するのに有効な量を投与することを特徴とする、タンパク質キナーゼ関連疾患の治療が必要な患者の治療方法を提供する。
別の態様において本発明は、1もしくはそれ以上の別の抗癌剤または治療(例えば、放射線療法)をさらに含む、医薬組成物を提供する。
別の態様において本発明は、治療に用いるための、本発明の化合物を提供する。
別の態様において本発明は、タンパク質キナーゼ関連疾患治療に用いるための、本発明の化合物を提供する。
別の態様において本発明は、チロシンキナーゼ関連疾患治療に用いるための、本発明の化合物を提供する。
別の態様において本発明はまた、タンパク質キナーゼ関連疾患の治療剤の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
別の態様において本発明はまた、チロシンキナーゼ関連疾患の治療剤の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
別の態様において本発明は、治療で同時に、別々に、または連続に用いるための、本発明の化合物および別の治療薬の併用剤(combined preparation)を提供する。
別の態様において本発明は、タンパク質キナーゼ関連疾患治療で同時に、別々に、または連続に用いるための、本発明の化合物および別の治療薬の併用剤(combined preparation)を提供する。
本発明は、それの精神または本質的な特質から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。本発明には、本明細書で記載される本発明の好ましい態様のあらゆる組み合わせが包含される。本発明のあらゆる態様は、別のより好ましい態様を説明するためのいずれかの他の態様と併用されてもよいことが理解される。好ましい態様の各要素は、それぞれの独立した好ましい態様であることも理解される。さらには、ある態様のいずれの要素も、別の態様を説明するためのいずれかの態様のあらゆる他の要素と組み合わさることが意図される。
以下は、本明細書の中で用いられ得る用語の定義である。特に断りがなければ、本明細書の中で基または用語に関して提供される最初の定義は、本明細書にわたり単独でまたは別の基の一部として、その基または用語に適用する。
本明細書で用いる用語「置換された」は、指定された原子上のいずれか1つもしくはそれ以上の水素が、示された基から選択されて置き換わることを意味するが、ただし指定された原子が通常の原子価を上回らず、かつ置換が安定な化合物をもたらすという条件付きである。置換基がケト(すなわち、=O)の場合、その原子上の2つの水素が置き換わる。ケト置換基は、芳香族部分には存在しない。本明細書で用いるように、環二重結合は、2つの隣接する環原子の間で形成される二重結合(例えば、C=C、C=N、またはN=N)である。
化合物のいずれかの構造または式で、いずれかの記号(例えば、R)が1回よりも多く現れた場合、各定義は他の全ての定義から独立している。したがって、例えば、もしある基が0〜2のRで置換されると示されていれば、その基は2つまでのR基で適宜置換されてもよく、各RはRの定義から独立して選択される。また、置換基および/または記号の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合に限り許容される。
置換基の結合について、環の2つの原子を結ぶ結合が交差して示されている場合、そのような置換基は環のいずれの原子と結合してもよい。置換基が、所定の式の化合物の残基に結合するのに際し、介する原子を示さないで記載されている場合、そのような置換基は、その置換基のいずれの原子を介して結合してもよい。置換基および/または記号の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合に限り許容される。
本発明の化合物に窒素原子(例えば、アミン)がある場合、これらは酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素)で処理することによってN−オキシドに変換し、本発明の他の化合物を提供することができる。したがって、示されるあらゆる窒素原子および特許請求される窒素原子は、示される窒素およびそのN−オキシド(N→O)誘導体の両方を包含することが考慮されている。
用語「アルキル」または「アルキレン」は、いずれも、分枝鎖および直鎖の、1〜20炭素原子、好ましくは1〜7炭素原子の飽和脂肪族炭化水素基を指す。用語「低級アルキル」は、1〜4炭素原子の無置換アルキル基を指す。アルキルの例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、3−メチルペンチル、および4−メチルペンチルが含まれる。
用語「置換アルキル」は、例えば1〜4つの置換基:
例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、アルカノイル、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、2つのアミノ置換基がアルキル、アリールまたはアリールアルキルから選択される二置換アミン;アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換アルカノイルアミノ、置換アリールアミノ、置換アラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールアルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、スルホンアミド(例えばSONH)、置換スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル(例えばCONH)、置換カルバミル(例えばCONHアルキル、CONHアリール、CONHアリールアルキル、またはアルキル、アリールもしくはアリールアルキルから選択された窒素に2つの置換基がある場合);アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、グアニジノ、ヘテロシクリル(例えば、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルなど)、および置換ヘテロシクリル
で置換されたアルキル基を指す。上記において、置換基がさらに置換される場合、それはアルキル、アルコキシ、アリール、またはアリールアルキルによって置換される。
用語「シクロアルキル」は、好ましくは1〜3つの環および1つの環あたり3〜7炭素を含み、それが不飽和C〜C環状炭素(carbocylic ring)とさらに縮合してもよい、適宜置換された飽和環状炭化水素環系を指す。代表的な基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロシチル(cycloctyl)、シクロデシル、シクロドデシル、およびアダマンチルが含まれる。代表的な置換基には、上述した1もしくはそれ以上のアルキル基、またはアルキル置換基として上述した1もしくはそれ以上の基が含まれる。
用語「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、酸素架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなアルキル基を指す。例えば、「C1〜6アルコキシ」(またはアルキルオキシ)には、C、C、C、C、C、およびCアルコキシ基が含まれることが意図される。アルコキシの例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、およびs−ペントキシが含まれる。同じように、「アルキルチオ」または「チオアルコキシ」は、硫黄架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなアルキル基を意味する(例えば、メチル−S−、エチル−S−、など)。代表的な置換基には、上述した1もしくはそれ以上のアルキル基、またはアルキル置換基として上述した1もしくはそれ以上の基が含まれる。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を指す。
用語「ハロアルキル」は、1もしくはそれ以上のハロゲンで置換された、特定の数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。ハロアルキルの例には、これらに限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、およびヘプタクロロプロピルが含まれる。ハロアルキルの例にはまた、1もしくはそれ以上のフッ素原子で置換された、特定の数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される「フルオロアルキル」も含まれる。
用語「ハロアルコキシ」または「ハロアルキルオキシ」は、酸素架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなハロアルキル基を意味する。例えば「C1〜6ハロアルコキシ」は、C、C、C、C、C、およびCハロアルコキシ基を含むことが意図される。ハロアルコキシの例には、これらに限定されないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、およびペンタフルオロエトキシなどが含まれる。同じように、「ハロアルキルチオ」または「チオハロアルコキシ」は、硫黄架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなハロアルキル基を意味し;例えば、トリフルオロメチル−S−およびペンタフルオロエチル−S−などがある。
用語「炭素環」または「カルボシクリル」は、安定な3、4、5、6、7、もしくは8員単環式または二環式、あるいは7、8、9、10、11、12、もしくは13員二環式または三環式であって、それらはいずれも飽和、部分的に不飽和、または芳香族であってもよい。そのような炭素環の例には、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリン)が含まれる。特に断りがなければ、好ましい炭素環は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、およびインダニルである。用語「炭素環」が用いられる場合、「アリール」を含むことが意図される。
本明細書で用いるように、用語「二環式炭素環」または「二環式炭素環基」は、縮合環を2つ含み、炭素原子を構成要素として含む、安定な9または10員炭素環系を指す。2つの縮合環のうち、1つ目の環は2つ目の環と縮合したベンゾ環であり;2つ目の環は飽和、部分的に不飽和、または不飽和な、5または6員炭素環である。二環式炭素環基は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子においても、そのペンダント基と結合し得る。本明細書で記載される二環式炭素環基は、その生じる化合物が安定ならば、いずれの炭素原子において置換されてもよい。二環式炭素環基の例は、これらに限定されないが、ナフチル、1,2−ジヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、およびインダニルである。
本明細書における「炭素環」または「カルボシクリル」に関して、用語「適宜置換された」とは、その炭素環がアルキル(好ましくは、低級アルキル)、アルコキシ(好ましくは、低級アルコキシ)、ニトロ、モノアルキルアミノ(好ましくは、低級アルキルアミノ)、ジアルキルアミノ[好ましくは、ジ(低級)アルキルアミノ]、シアノ、ハロ、ハロアルキル(好ましくはトリフルオロメチル)、アルカノイル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミド(好ましくは低級アルキルアミド)、アルコキシアルキル[好ましくは、低級アルコキシ(低級)アルキル]、アルコキシカルボニル(好ましくは、低級アルコキシカルボニル)、アルキルカルボニルオキシ(好ましくは、低級アルキルカルボニルオキシ)、アリール(好ましくはフェニル)、並びに前記アリールでハロ、低級アルキル、および低級アルコキシ基で適宜置換されたアリールから独立して選択される1もしくはそれ以上の基によって、1もしくはそれ以上の置換可能な環位置で置換されてもよいことを示す。
用語「アリール」は、環部分が6〜12炭素原子を有する単環式または二環式芳香族炭化水素基(例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、およびジフェニル基など)であり、そのそれぞれが置換されてもよい基を指す。
用語「アリールオキシ」、「アリールアミノ」、「アリールアルキルアミノ」、「アリールチオ」、「アリールアルカノイルアミノ」、「アリールスルホニル」、「アリールアルコキシ」、「アリールスルフィニル」、「アリールヘテロアリール」、「アリールアルキルチオ」、「アリールカルボニル」、「アリールアルケニル」、または「アリールアルキルスルホニル」は、それぞれ、酸素;アミノ;アルキルアミノ;チオ;アルカノイルアミノ;スルホニル;アルコキシ;スルフィニル;ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリール;アルキルチオ;カルボニル;アルケニル;またはアルキルスルホニルに結合している、アリールまたは置換アリールを指す。
用語「アリールスルホニルアミノカルボニル」は、アミノカルボニルに結合しているアリールスルホニルを指す。
用語「アリールオキシアルキル」、「アリールオキシカルボニル」、または「アリールオキシアリール」は、それぞれ、アルキルもしくは置換アルキル;カルボニル;またはアリールもしくは置換アリールに結合しているアリールオキシを指す。
用語「アリールアルキル」は、少なくとも1つの炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子が、アリールまたは置換アリールに置き換わっている、アルキルまたは置換アルキルを指す。典型的なアリールアルキルは、これらに限定されないが、例えばベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、および2−ナフトフェニルエタン−1−イルが含まれる。
用語「アリールアルキルオキシ」は、酸素結合を介して結合されているアリールアルキル(−O−アリールアルキル)を指す。
用語「置換アリール」は、例えば1〜4つの置換基:
例えばアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、ハロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、およびアリールオキシなど
で置換されたアリール基を指す。その置換基は、さらにヒドロキシ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、またはアリールアルキルによって置換されてもよい。
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つのヘテロ原子環員(例えば、硫黄、酸素、または窒素)を含む、適宜置換された、安定な単環式および多環式芳香族炭化水素を指す。好ましいヘテロアリール基は、炭素原子並びにN、NH、O、およびSからなる群より独立して選択される1、2、3、もしくは4ヘテロ原子を含む、安定な5、6、もしくは7員単環式または7、8、9、もしくは10員二環式のヘテロ環芳香族環(heterocyclic aromatic rings)である。芳香族ヘテロ環におけるSおよびO原子の総数は、1より大きくないことに注意する。ヘテロアリール基には、これらに限定されないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルインダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、2,3ジヒドロベンゾフラニル、2,3ジヒドロベンゾチエニル、2,3ジヒドロベンゾチエニルSオキシド、2,3ジヒドロベンゾチエニルSジオキシド、ベンゾオキサゾリン−2−オン−イル、インドリニル、ベンゾジオキソラニル、およびベンゾジオキサンなどが含まれる。
ヘテロアリール基は、置換もしくは無置換であることができる。
代表的な置換基には、1もしくはそれ以上の上述したアルキル基もしくはアリールアルキル基、あるいは1もしくはそれ以上の上述したアルキル置換基が含まれる。
用語「ヘテロ環」および「ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの炭素原子を有する環において少なくとも1つのヘテロ原子を有する、適宜置換された、飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和な、芳香族または非芳香族環基(例えば、4〜7員単環式、7〜11員二環式、または10〜15員三環式環系)を指す。ヘテロ原子を含むヘテロ環基のそれぞれの環は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1つ、2つ、もしくは3つ有してもよく、その場合に窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜酸化されて−NO−、−SO−、または−SO−であってもよく、また窒素ヘテロ原子は適宜四級化されてもよい。ヘテロ環基は、いずれのヘテロ原子または炭素原子で結合してもよい。用語「ヘテロ環」が用いられる場合、ヘテロアリールを含むことが意図される。
ヘテロ環の例には、これらに限定されないが、2−ピロリドニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、2H−ピロリル、3H−インドリル、4−ピペリドニル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダザロニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、b−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、イミダゾロピリジニル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾロピリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾロピリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリジニルペリミジニル、オキシインドリル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル(phenarsazinyl)、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チアゾロピリジニル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが含まれる。
好ましい5〜10員ヘテロ環には、これらに限定されないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、1H−インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンズテトラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、イサチノイル、イソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソオキサゾロピリジニル、キナゾリニル、キノリニル、イソチアゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、およびピラゾロピリジニルが含まれる。
好ましい5〜6員ヘテロ環には、これらに限定されないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、およびトリアゾリルが含まれる。
代表的な二環式ヘテロ環基には、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンジミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,1−b]ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズピラゾリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、インダゾリル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタルアジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロトリアジニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、およびチエノチエニルなどが含まれる。
代表的な置換基には、上記の1もしくはそれ以上のアルキル基もしくはアリールアルキル基、またはアルキル置換基として上述した1もしくはそれ以上の基が含まれる。
また、より小さなヘテロシクリル(エポキシドおよびアジリジンなど)も含まれる。
用語「ヘテロ原子」には、酸素、硫黄、および窒素が含まれる。
用語「アルキルスルホン」は、−RS(=O)であり、そのRがアルキルまたは置換アルキルであるものを指す。
用語「オキソ」は、2価の基である=Oを指す。
用語「カルバメート」は、−OC(=O)NHの基を指す。
用語「アミド」は、−C(=O)NHの基を指す。
用語「スルホンアミド」は、−SONHの基を指す。
用語「置換アミド」、「置換スルホンアミド」、または「置換カルバメート」はそれぞれ、少なくとも1つの水素がアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択される基に置き換わっている、アミド、スルホンアミド、またはカルバメートを指す。
置換アミドは、例えば、−C(=O)NRであり、RおよびRが独立してH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択されるが、ただしRまたはRの少なくとも1つが置換部位である基を指す。
置換スルホンアミドは、例えば、−SONRであり、RおよびRが独立してアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択されるが、ただしRまたはRの少なくとも1つが置換部位である基を指す。
置換カルバメートは、例えば、−OC(=O)NRであり、RおよびRが独立してアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択されるが、ただしRまたはRの少なくとも1つが置換部位である基を指す。
用語「ウレイド」は、−NHC(=O)NHの基を指す。
用語「シアノ」は、−CNの基を指す。
用語「シクロアルキルアルキル」または「シクロアルキルアルコキシ」はそれぞれ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルが結合している、アルキルもしくは置換アルキルまたはアルコキシを指す。
用語「ニトロ」は、−N(O)の基を指す。
用語「チオ」は、−SHの基を指す。
用語「アルキルチオ」は、−SRであり、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
用語「チオアルキル」は、−RSであり、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
用語「アルキルスルホニル」は、−S(=O)であり、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
用語「アルキルスルフィニル」は、−S(=O)Rであり、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
用語「カルボキシ」は、−C(=O)OHの基を指す。
用語「カルボキシアルコキシ」または「アルコキシカルボニルアルコキシ」はそれぞれ、カルボキシまたはアルコキシカルボニルが結合している、アルコキシを指す。
用語「アルコキシカルボニル」は、−C(=O)ORであり、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールである基を指す。
用語「アリールアルコキシカルボニル」は、アリールまたは置換アリールが結合している、アルコキシカルボニルを指す。
用語「アルキルカルボニルオキシ」または「アリールカルボニルオキシ」は、−OC(=O)Rであり、それぞれ、Rがアルキルもしくは置換アルキルまたはアリールもしくは置換アリールである基を指す。
用語「カルバモイル」は、−OC(=O)NH、−OC(=O)NHR、および/または−OC(=O)NRであり、RおよびRが独立して、アルキルおよび置換アルキルから選択される基を指す。
−NR(C=O)Rの基は、Rが水素、低級アルキル、および置換低級アルキルから選択され、並びにRが水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、アリール、および置換アリールから選択される基を指す。
用語「カルボニル」は、C(=O)を指す。
用語「アルキルカルボニル」、「アミノカルボニル」、「アルキルアミノカルボニル」「アミノアルキルカルボニル」、または「アリールアミノカルボニル」はそれぞれ、アルキルもしくは置換アルキル、アミノ、アルキルアミノもしくは置換アルキルアミノ、アミノアルキルもしくは置換アミノアルキル、またはアリールアミノが結合している、カルボニルを指す。
用語「アミノカルボニルアリール」または「アミノカルボニルアルキル」はそれぞれ、アミノカルボニルが結合している、アリールもしくは置換アリールまたはアルキルもしくは置換アルキルを指す。
用語「スルホニル」は、S(=O)の基を指す。
用語「スルフィニル」は、S(=O)を指す。
用語「カルボキシアルキル」は、カルボキシが結合している、アルキルまたは置換アルキルを指す。
式Iの化合物は塩を形成してもよく、これもまた本発明の範囲内である。医薬的に許容される(すなわち、無毒で、生理学的に許容される)塩が望ましいが、例えば本発明の化合物を単離または精製するのに、他の塩も有用である。
式Iの化合物は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムおよびリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、有機塩基(例えば、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)などと塩を形成してもよい。そのような塩を、当業者は公知の方法で形成できる。
式Iの化合物は、様々な有機酸および無機酸と塩を形成してもよい。そのような塩には、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、および他の様々な塩(例えば、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩など)によって形成されるものが含まれる。そのような塩を、当業者は公知の方法で形成できる。
また、双性イオン(「分子内塩」)が形成されてもよい。
本発明の化合物に関するあらゆる立体異性体は、混合の形または純粋なもしくは実質的に純粋な形のいずれかで考慮される。本発明の化合物の定義は、可能な全ての立体異性体およびそれらの混合物を包含する。その定義は特に、特定の活性を有する、ラセミ体および分離された光学異性体を包含する。ラセミ体は、物理的方法(例えば、分別結晶法、ジアステレオマー誘導体の分離もしくは結晶化、またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離)を用いて分離することができる。個々の光学異性体は、通常の方法(例えば、光学活性酸とともに塩を形成し、その後結晶化する方法)を用いてラセミ化合物から得ることができる。
本発明には、本化合物に現れる原子のあらゆる同位体も含まれることが意図される。同位体には、同一の原子番号であるものの、異なる質量数を有する原子が含まれる。一般的な例示として、これに限定されないが、水素の同位体にはジュウテリウムおよびトリチウムが含まれる。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが含まれる。同位体的に標識された本発明の化合物は一般的に、通常用いられる標識されていない試薬の代わりに、適当な、同位体的に標識された試薬を用いて、当業者に公知である通常の技術または本明細書で記載されたのと類似の方法により製造できる。
式Iの化合物はまた、プロドラッグの形であってもよい。プロドラッグは、医薬品に関する多くの望まれる性質(例えば、溶解性、バイオアベイラビリティ、製造など)を高めることが知られているので、本発明の化合物はプロドラッグの形で提供されてもよい。したがって、本発明は、特許請求されている化合物のプロドラッグ、それの運搬方法、およびそれを含む組成物を包含することも意図される。「プロドラッグ」は、それが対象の哺乳類に投与された場合に、インビボで本発明の活性親薬物を放出する、任意の共有結合担体も含まれることが意図される。本発明のプロドラッグは、化合物に存在する官能基を修飾することによって製造され、その修飾は、通常操作またはインビボで開裂されて、親化合物になるという方法である。プロドラッグには、本発明のプロドラッグが対象の哺乳類に投与された場合に、開裂して遊離ヒドロキシル基、遊離アミノ基、または遊離スルフヒドリル基を形成するいずれかの基に結合している、それぞれ、ヒドロキシ基、アミノ基、またはスルフヒドリル基である、本発明の化合物が含まれる。プロドラッグの例には、これらに限定されないが、本発明の化合物のアルコールおよびアミン基の酢酸、ギ酸、および安息香酸エステル誘導体が含まれる。
プロドラッグの様々な形が、当技術分野で公知である。そのようなプロドラッグ誘導体の例として:
a)Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard, (Elsevier, 1985), and Methods in Enzymology, Vol. 42, at pp. 309-396, edited by K. Widder, et. al. (Academic Press, 1985);
b)A Textbook of Drug Design and Development, edited by Krosgaard-Larsen and H. Bundgaard, Chapter 5, “Design and Application of Prodrugs,” by H. Bundgaard, at pp. 113-191 (1991);
c)H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, Vol. 8, p. 1-38 (1992);
d)H. Bundgaard, et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, Vol. 77, p. 285 (1988); および
e)N. Kakeya, et. al., Chem Phar Bull., Vol. 32, p. 692 (1984)
を参照。
カルボキシ基を含む化合物は、式I化合物それ自体を与えるために体内で加水分解されて、プロドラッグとして役に立つ、生理学的に加水分解可能なエステルを形成することができる。そのようなプロドラッグは、加水分解が、多くの場合で主に消化酵素影響下で起こるので、経口投与することが好まれる。非経口投与は、エステルそれ自体が活性であるか、または加水分解が血中で起こる場合に用いられるかもしれない。式Iの化合物の、生理学的に加水分解可能なエステルの例には、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルベンジル、4−メトキシベンジル、インダニル、フタリル、メトキシメチル、C1〜6アルカノイルオキシ−C1〜6アルキル(例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチルまたはプロピオニルオキシメチル)、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ−C1〜6アルキル、(例えば、メトキシカルボニル−オキシメチルまたはエトキシカルボニルオキシメチル)、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシメチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)−メチル、および他のよく知られた生理学的に加水分解可能なエステル(例えば、ペニシリンおよびセファロスポリンの分野で用いられるもの)が含まれる。そのようなエステルは、当技術分野で公知の通常技術によって製造されてもよい。
プロドラッグの製造は当技術分野でよく知られており、例えば、Medicinal Chemistry: Principles and Practice, ed. F. D. King, The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK, 1994 に記載されており、これは本明細書で引用としてそのまま援用される。
さらに理解されるべきことは、式Iの化合物の溶媒和物(例えば、水和物)もまた、本発明の範囲内にあるということである。溶媒和の方法は、一般的に当技術分野で公知である。
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度への単離、および効果的な治療薬への製剤化に耐える十分に強い化合物を示すことを意図している。ここで列挙した化合物には、N−ハロ、S(O)H、またはS(O)H基が含まれないことが好ましい。
本明細書で用いられる「治療する」または「治療」は、哺乳類(特にヒト)における病状の治療で、
(a)哺乳類における病状の予防であり、特に、そのような哺乳類が病状に罹りやすい性質を有するのだが未だ罹っていないと診断さている場合の予防、
(b)病状の抑制、すなわち症状の進行を抑止すること、および/または
(c)病状の軽減、すなわち病状の退行を引き起こすこと
を包含する。
「治療上有効な量」は、単独または併用投与する場合に効果的である、本発明の化合物の量が含まれることを意図している。「治療上有効な量」はまた、Trkに関連した疾患および/または症状を抑制するのに効果的であることが要求される化合物の併用量が含まれることも意図している。この化合物の併用は、相乗併用が好ましい。相乗作用は、例えば、Chou and Talalay, Adv. Enzyme Regul. 1984, 22:27-55 で記載されるように、併用投与する場合の化合物の効果の方が、単剤として単独投与する場合の化合物の相加効果よりも大きい場合に生じる。一般に相乗効果は、化合物が最適濃度に及ばない濃度において最も明瞭に示される。相乗作用は、細胞毒性の低下、抗血栓作用の増加、または個々の成分の場合と比べて併用によってもたらされる他の多くの有益な効果という形であり得る。
本発明にはさらに、本発明の化合物の1もしくはそれ以上および医薬的に許容される担体を含む組成物も含まれる。
「医薬的に許容される担体」は、一般的に、動物(特に哺乳類)に生理活性物質を送達するにあたって、当該技術分野で許容される媒体を指す。医薬的に許容される担体は、十分に当業者の範囲内である、多くの要素にしたがって製剤される。これらには、以下に限定されないが、製剤される活性薬剤の種類および性質、薬剤の含まれる組成物が投与される患者、組成物の投与が対象とする経路、並びに標的とされる治療指標が含まれる。医薬的に許容される担体には、水性および非水性液体媒体の両方が含まれ、並びに様々な固形および半固形の剤形も含まれる。そのような担体は、活性薬剤と共に、多くの異なる成分および添加剤を含むことができ、そのような付加的な成分は、様々な理由(例えば活性薬剤、結合剤の安定化など)で製剤に含まれ、そのことは当業者に十分公知となっている。適した医薬的に許容される担体およびそれらの選択肢に関わる要素についての記載は、容易に入手できる多くの出典(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985にあり、これは本明細書で引用としてそのまま援用されている)に見られる。
(実用性)
本発明のさらなる態様において、温血動物(例えば、ヒト)に関する抗増殖効果生成剤の製造における、式Iの化合物またはそれの医薬的に許容される塩の使用が提供される。
本発明のさらなる特徴として、治療が必要な温血動物(例えば、ヒト)に関して、抗増殖効果の生成方法が提供されており、その方法は、本明細書で既に定義したように、式Iの化合物またはそれの医薬的に許容される塩の有効量を、前記動物に投与することを特徴とする。
さらに、本発明の別の態様において、ある特定の種類の癌[前立腺、膵管腺癌、乳房、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、または急性骨髄性白血病(AML)を含む]の治療剤の製造における、式Iの化合物またはそれの医薬的に許容される塩の使用が提供される。
上記本明細書で定義した抗増殖治療は、単独療法として適用してもよく、あるいは本発明の化合物とは別に1以上の他の物質および/または治療を含んでもよい。そのような治療は、治療におけるそれぞれの成分を同時に、連続的に、または別々に投与することによって達成してもよい。本発明の化合物はまた、公知の抗癌剤、細胞毒性剤、および放射線治療のような治療と併用しても有用であり得る。もし固定用量として製剤するなら、そのような併用製品は、下記に記載される用量域の範囲内で本発明の化合物を用い、また承認される用量域の範囲内で他の医薬的活性薬剤を用いる。組み合わせ製剤が不適切な場合に、式Iの化合物は、公知の抗癌剤または細胞毒性剤および放射線治療のような治療と一緒に、連続して用いてもよい。
用語「抗癌」剤には、癌治療に有用であるいずれの公知の薬剤も含まれ、例えば以下:
17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゾラデックス;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;抗VEGF抗体[アバスチン(登録商標)]のようなVEGF阻害剤、および小分子(例えば、ZD6474およびSU6668);バタラニブ、BAY−43−9006、SU11248、CP−547632、およびCEP−7055;HER1および、抗HER2抗体(ハーセプチン)のようなHER2阻害剤;EGFR阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ABX−EGF、EMD72000、11F8、およびセツキシマブ);Eg5阻害剤(例えば、SB−715992、SB−743921、およびMKI−833);panHer阻害剤(例えば、カネルチニブ、EKB−569、CI−1033、AEE−788、XL−647、mAb2C4、およびGW−572016);Src阻害剤[例えば、グリベック(登録商標)およびダサチニブスプリセル(登録商標)、カソデックス(登録商標)(ビカルタミド、アストラゼネカ)、タモキシフェン];MEK−1キナーゼ阻害剤、MAPKキナーゼ阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤;イマチニブのようなPDGF阻害剤;固形癌への血流を遮断することによって、癌細胞から栄養を取り除き癌細胞を休止状態にさせる、抗血管新生剤および抗血管剤;アンドロゲン依存性の癌を非増殖性にする、去勢;チロシンキナーゼ非受容体および受容体の阻害剤;インテグリンシグナル伝達阻害剤;微小管活性化剤(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、パクリタキセル、ドセタキセル、7−O−メチルチオメチルパクリタキセル、4−デスアセチル−4−メチルカルボネートパクリタキセル、3’−tert−ブチル-3’−N−tert-ブチルオキシカルボニル−4−デアセチル-3’−デフェニル−3’−N−デベンゾニル−4−O−メトキシカルボニル−パクリタキセル、C−4メチルカルボナートパクリタキセル、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC、エポチロンD、デスオキシエポチロンA、デスオキシエポチロンB、[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4−17−ジオキサビシクロ[14.1.0]−ヘプタデカン−5,9−ジオン、およびこれらの誘導体);CDK阻害剤、抗増殖性の細胞周期阻害剤、エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin)、エトポシド、VM−26;抗悪性腫瘍薬酵素(例えば、トポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシン、トポテカン、SN−38);プロカルバジン;ミトキサントロン;白金配位複合体(例えば、シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチン);生物学的修飾物質;増殖阻害剤;抗ホルモン治療薬;ロイコボリン;テガフール;プリン拮抗薬(例えば、6−チオグアニンおよび6−メルカプトプリン)のような代謝拮抗剤;グルタミン拮抗薬、例えばDON(AT−125;d−オキソ−ノルロイシン);リボヌクレオチド還元酵素阻害剤;mTOR阻害剤;並びに造血性成長因子などが含まれる。
付加的な細胞毒性剤には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキセート(idatrexate)、トリメトレキサート(trimetrexate)、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、ビカルタミド、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロン、およびインターロイキンなどが含まれる。
内科的腫瘍学の分野において、それぞれの癌患者を治すために異なる治療の形を併用して用いることは、通常の治療の範囲内である。内科的腫瘍学において、そのような治療の他の構成物は、上記本明細書で定義した抗増殖性の治療に加え、外科手術、放射線治療、または化学療法であってもよい。そのような化学療法は、治療薬の主要な3つのカテゴリー:
(i)上記で定義したものと異なる機構によって働く血管新生阻害剤(例えば、リノミド、インテグリンαvβ3機能阻害剤、アンジオスタチン、ラゾキサン);
(ii)細胞増殖抑制剤である以下、抗エストロゲン剤[例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン(iodoxifene)]、プロゲストーゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)、抗ホルモン剤、抗プロゲストーゲン剤、抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド)、テストステロン5α−ジヒドロレダクターゼ阻害剤(例えば、フィナステリド)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、抗浸潤剤(例えば、マリマスタットおよびウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能阻害剤のようなメタロプロテアーゼ阻害剤)、および成長因子機能阻害剤、(そのような成長因子には、例えばEGF、FGF、血小板由来成長因子および肝細胞増殖因子が含まれ、そのような阻害剤には、成長因子抗体、成長因子受容体抗体であるアバスチン(登録商標)(ベバシズマブ)およびアービタックス(登録商標)(セツキシマブ);チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤が含まれる);並びに
(iii)内科的腫瘍学で用いられる、抗増殖剤/抗悪性腫瘍剤およびこれらの併用剤、例えば、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサートのような抗葉酸剤、5−フルオロウラシルのようなフルオロピリミジン、プリンおよびアデノシン類似体、シトシンアラビノシド);抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、およびイダルビシンのようなアントラサイクリン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、ミトラマイシン)のインターカレーション;白金誘導体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、チオテパ);抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンブラスチン、およびビンフルニンのようなビンカアルカロイド)、およびタキソイド[例えば、タキソール(登録商標)(パクリタキセル)、タキソテール(登録商標)(ドセタキセル)]、および最新の微小管剤(newer microbtubule agents)[例えば、エポチロン類似体(イクサベピロン)、ディスコデルモリド類似体、およびエリュテロビン類似体];トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン);細胞周期阻害剤[例えば、フラボピリドル(flavopyridols)];生物学的修飾物質およびプロテアソーム阻害剤であるベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ)
を包含し得る。
上記のように、本発明の式Iの化合物は、それらが抗増殖効果を有することから興味の対象となる。そのような本発明の化合物は、癌、乾癬、および関節リウマチのような広範囲にわたる症状に有用であることが予想される。
式Iの化合物は、より具体的には以下に限定されないが:
前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および甲状腺癌のような癌;
神経芽細胞腫、神経膠芽腫、および髄芽腫のような中枢神経系および末梢神経系の腫瘍;
血液性悪性腫瘍[例えば、急性骨髄性白血病(AML)]、並びに
黒色腫および多発性骨髄腫のようなその他の癌
が含まれる癌の治療において有用である。
一般的な、細胞増殖の制御における、キナーゼの重要な働きに起因して、阻害剤は可逆的な細胞分裂阻害剤として作用することができ、それは異常な細胞増殖を特徴とする疾患経過(例えば、良性前立腺肥大、家族性大腸ポリープ症、神経線維腫症、肺線維症、関節炎、乾癬、糸球体腎炎、血管形成または血管手術後の再狭窄、肥厚性瘢痕形成、および炎症性大腸炎)のいずれの治療においても有用であり得る。
式Iの化合物は、チロシンキナーゼ活性が高頻度で発現する腫瘍(例えば、前立腺癌、結腸癌、脳癌、甲状腺癌、および脾臓癌)の治療において、特に有用である。また、本発明の化合物は、肉腫および小児肉腫(pediatric sarcomas)の治療においても有用であり得る。本発明の化合物の組成物(または組み合わせ)を投与することにより、哺乳類の宿主における腫瘍の増殖は減少する。
式Iの化合物はまた、キナーゼ[例えば、Flt−3(Fme様キナーゼ3)、Tie−2、CDK2、VEGFR、FGFR、およびIGFRキナーゼ]を通じて働くシグナル伝達経路と関連するかもしれない、他の癌性疾患(例えば、急性骨髄性白血病)の治療においても有用であり得る。
活性成分が含まれる、本発明の医薬組成物は、経口用に適した形態(例えば、錠剤、トローチ剤、ドロップ、水性もしくは油性の懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒剤、乳濁液、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップもしくはエリキシル剤)であってもよい。経口用組成物は医薬組成物の製造のために当該技術分野で公知のいずれかの方法によって製造することができて、またそのような組成物には医薬的に優雅であって、口当たりのよい製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存剤からなる群より選択される薬剤の1もしくはそれ以上が含まれてもよい。
経口用の製剤はまた、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリン)と混合される硬ゼラチンカプセルとしてか、あるいは活性成分がポリエチレングリコールまたは油媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油)のような水溶性担体と混合される軟ゼラチンカプセルとして提供されてもよい。
医薬組成物は、滅菌注射可能な水溶液の形であってもよい。許容されてもよいベヒクルおよび溶媒として、水、リンガー溶液、および生理食塩溶液が用いられ得る。
滅菌注射可能な製剤はまた、活性成分が油性相に溶解している、滅菌注射用の水中油型マイクロエマルションであってもよい。例えば、活性成分はまず、ダイズ油およびレシチンの混合物に溶解されてもよい。該油剤は次いで、水およびグリセロールの混合物に移され、マイクロエマルションを形成するために処理される。
注射剤またはマイクロエマルションは、局所ボーラス投与によって患者の血流中に導入されてもよい。あるいは、本化合物の血中濃度を一定に維持するために、該液剤またはマイクロエマルションを該方法で投与することが有効であるかもしれない。そのような一定濃度を維持するために、連続的な静脈内送達装置が利用されてもよい。そのような装置の一例には、デルテック(Deltec)CADD−PLUS(登録商標)モデル5400静脈内ポンプがある。
医薬組成物は、筋肉内投与および皮下投与のための、滅菌注射可能な、水性または油性の懸濁液の形であってもよい。この懸濁液は、上記の、適した分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を用いて、当該技術分野で公知の方法によって製剤されてもよい。
本発明の化合物がヒト患者に投与される場合、通常、1日の投与量は処方医師により決定され、その投用量は一般に各患者の年齢、体重、性別、反応、および症状の重症度によって変わる。
もし固定用量として製剤するなら、そのような併用製品は、上記に記載した用量域の範囲内で本発明の化合物を用い、また承認される用量域の範囲内で他の医薬的に活性な薬剤を用いる。組み合わせ製剤が不適切な場合に、式Iの化合物を公知の抗癌剤および細胞毒性剤と連続して投与してもよい。本発明は、投与の順序に限定されず;式Iの化合物を、公知である抗癌剤もしくは細胞毒性剤の投与の前または後のいずれに投与してもよい。
化合物は、約0.05〜200mg/kg/日(好ましくは100mg/kg/日 未満)の用量域で、単回投与または2回〜4回に分割投与されてもよい。
(生物アッセイ)
A.IGF1−受容体チロシンキナーゼアッセイ
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液[HEPES(100mM、pH7.4)、MnCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM)]中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識IGF1R基質ペプチドおよびATP)、および試験化合物から調製して30μlとした。反応はIGF1−受容体を、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(25μM);FL−ペプチド(1.5μM);IGF1−受容体(14nM);および1.6%DMSO。用量反応曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、11個の濃度で各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
本化合物を上述したアッセイによって試験し、以下の結果を得た。
Figure 2011513419
(製造方法)
一般に、式(I)の化合物は、以下のスキームおよび当業者の一般知識に従って製造できる。式(I)の化合物の互変異性体および溶媒和物(例えば、水和物)も、本発明の範囲内にある。溶媒和の方法は一般的に、当技術分野に公知である。したがって、本発明の化合物は、遊離または水和物の形を取ることができ、以下のスキームで例示される方法によって得ることができる。
Figure 2011513419
工程1
化合物IVを、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、溶媒(例えば、イソプロパノール)中、化合物IIを適当に置換された2−アミノピラゾール(III)で処理して生成した。
工程2
化合物VIは、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、有機溶媒(例えば、NMPまたはDMF)中で加熱しながら、化合物IVを適当に官能基化(functionalized)されたピラゾリジン−3−オンで処理して得た。あるいは、アミノ化合物Vの導入のために遷移金属触媒方法を用いてもよい。
工程3
化合物VIIは、有機溶媒(例えば、THF)中、VIを還元剤(例えば、ボランジメチルスルフィド錯体)で処理して得ることができる。
工程4
化合物Iは、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、VIIを適当に置換されたカルバミン酸フェニルで処理して得ることができる。あるいは、これらのウレアも、当業者の一般知識によって作ることができる。
Figure 2011513419
工程1
化合物IVは、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、溶媒(例えば、イソプロパノール)中、化合物IIを適当に置換された2−アミノピラゾール(III)で処理して生成した。
工程2
化合物VIは、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、有機溶媒(例えば、NMPまたはDMF)中で加熱しながら、化合物IVを適当に官能基化されたヘキサヒドロピラジアジンで処理して得た。あるいは、アミノ化合物Vの導入のために遷移金属触媒方法を用いてもよい。
工程3
化合物Iは、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下、VIを適当に置換されたカルバミン酸フェニルで処理して得ることができる。あるいは、これらのウレアも、当業者の一般知識によって作ることができる。
Figure 2011513419
工程1
化合物Iは、アミド結合を形成する試薬[例えば、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート]および塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)を用いて、溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中、IIを適当な置換されたアリールまたはヘテロアリールカルボン酸IIIとカップリングして得ることができる。
(実施例)
本発明は、以下の実施例においてさらに定義される。理解されるべきことは、これらの実施例は単に例示としてのみ提供されるということである。上述した明細書の内容および本実施例から、当業者は本発明の本質的な特徴を確認することができ、またその精神および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変化および修飾を加えて、本発明を様々な使用および条件に適応させることができる。結果として、本発明は以下に記載して例示する実施例によって制限されるのではなくて、本明細書に添付した特許請求の範囲によって定義されるのである。
実施例1
2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピラゾリジン−1−カルボキサミド
Figure 2011513419
1A:2−クロロ−N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
Figure 2011513419
2,4−ジクロロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン(977mg、5.2mmol)、5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−アミン(640mg、1当量)、およびジイソプロピルエチルアミン(1.54mL、1.7当量)を混合したイソプロピルアルコール溶液(5mL)を、室温で終夜攪拌した。生成物を濾過により回収した(1.18g、収率83%)。MS: 275 (M+H);HPLC保持時間:1.56分(Phenomenex−Luna s10 3.0×50mmカラム、3分グラジエント、4mL/分)。
1B:1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピラゾリジン−3−オン
Figure 2011513419
2−クロロ−N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンである1A(1g、3.63mmol)のNMP攪拌溶液(10mL)に、ヒューニッヒ塩基(5mL)を加え、続いてピラゾリジン−3−オンのHCl塩(1.33g、10.91mmol)を加えた。混合物を145℃で24時間加熱し、冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、水および食塩水で洗浄し、乾燥した(NaSO)。溶媒を蒸発させ、粗製残渣を得て、それをプレパラティブHPLCにかけて、1Bを得た。1H NMR (CH3OD, 500 MHz) δ 7.59 (s, 1H), 7.04 (d, 1H, J = 4.27 Hz), 6.66 (s, 1H, m), 6.26 (s, 1H) 4.22 (t, 2H, J = 8.39 Hz) 2.59-2.76 (m, 2H), 1.93-2.08 (m, 1H) 1.01-1.17 (m, 2H), 0.74-0.92 (m, 2H) MS: 325 (M+H)+、HPLC保持時間:3.24分(Phenomenex−Luna s10 3.0×50mmカラム、3分グラジエント、4mL/分)。
1C:N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(ピラゾリジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
Figure 2011513419
1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピラゾリジン−3−オンである1B(250mg、0.769mmol)の攪拌したTHF溶液(5mL)に、ボランジメチルスルフィド錯体を加えた(0.22mL、2.31mmol)。混合物を24時間攪拌し、メタノールでクエンチし、14時間還流した。混合物を冷却し、溶媒を乾固するまで蒸発させ、残渣をプレパラティブHPLCにかけて、1Cを得た。MS: 311 (M+H)+、HPLC保持時間:2.00分(Phenomenex−Luna s10 3.0×50mmカラム、3分グラジエント、4mL/分)。
N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(ピラゾリジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンである1C(40mg、0.129mmol)の攪拌したDMSO溶液(3mL)に、ヒューニッヒ塩基(1mL)を加え、続いて6−フルオロピリジン−3−イルカルバミン酸フェニル(6mg、0.258mmol)を加えた。混合物を2時間攪拌し、反応混合物をプレパラティブHPLCにかけた。生成物を含むHPLCフラクションをMCXカートリッジに通過させ、メタノールで洗浄し、生成物をアンモニアのメタノール溶液(2N)で放出した。溶媒を除去して、生成物1を得た。MS: 449 (M+H)+、HPLC保持時間:1.67分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、4分グラジエント、4mL/分)。
実施例2
2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキサミド
Figure 2011513419
2A:N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−(ピペラジン−1−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
Figure 2011513419
2−クロロ−N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンである1A(890mg、0.325mmol)およびヘキサヒドロピラジアジンのHCl塩(1g、0.813mmol)を、NMP(7mL)中に取り込み、それにヒューニッヒ塩基(3mL)を加えた。混合物を140℃で24時間加熱し、冷却し、混合物をプレパラティブHPLCにかけて、生成物2Aを得た。MS: 325 (M+H)+、HPLC保持時間:1.52分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、2分グラジエント、4mL/分)。
2A(60mg、0.185mmol)の攪拌したDMSO(2mL)およびヒューニッヒ塩基(1mL)溶液に、6−フルオロピリジン−3−イルカルバミン酸フェニル(47mg、8.20mml)を加えた。混合物を3時間攪拌し、次いでプレパラティブHPLCにかけた。生成物を含むHPLCフラクションをMCXカートリッジに通過させ、メタノールで洗浄し、生成物をアンモニアのメタノール溶液(2N)で放出した。溶媒を除去して、生成物2を得た。MS: 463 (M+H)+、HPLC保持時間:1.75分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、2分グラジエント、4mL/分)。
実施例3
2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボキサミド
Figure 2011513419
2A(50mg、0.15mmol)の攪拌したDMSO(2mL)およびヒューニッヒ塩基(1mL)溶液に、チアゾール−2−イルカルバミン酸フェニル(51mg、0.23mmol)を加えた。混合物を50℃で2時間加熱し、冷却し、プレパラティブHPLCにかけた。生成物を含むHPLCフラクションをMCXカートリッジに通過させ、メタノールで洗浄し、生成物をアンモニアのメタノール溶液(2N)で放出した。溶媒を除去して、生成物3を得た。MS: 451 (M+H)、HPLC保持時間:1.75分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、2分グラジエント、4mL/分)。
実施例4
(2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(チアゾール−2−イル)メタノン
Figure 2011513419
2A(65mg、0.2mmol)の混合したNMP(1mL)およびメタノール(1mL)攪拌溶液に、チアゾール−2−カルボニルクロリド(0.5mL)を加えた。混合物を1時間攪拌し、プレパラティブHPLCにかけた。生成物を含むHPLCフラクションをMCXカートリッジに通過させ、メタノールで洗浄し、生成物をアンモニアのメタノール溶液(2N)で放出した。溶媒を除去して、生成物4を得た。MS: 436 (M+H)+、HPLC保持時間:1.8分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、2分グラジエント、4mL/分)。
実施例5
(2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(6−フルオロピリジン−3−イル)メタノン
Figure 2011513419
6−フルオロニコチン酸(37mg、0.2mmol)の攪拌したNMP(2mL)およびヒューニッヒ塩基(1mL)溶液に、HATU(99mg、0.26mmol)を加えた。混合物を10分間攪拌し、2A(65mg、0.20mmol)のNMP溶液(2mL)を加えた。混合物を6時間攪拌し、プレパラティブHPLCにかけた。生成物を含むHPLCフラクションをMCXカートリッジに通過させ、メタノールで洗浄し、生成物をアンモニアのメタノール溶液(2N)で放出した。溶媒を除去して、生成物5を得た。MS: 448 (M+H)、HPLC保持時間:1.88分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、2分グラジエント、4mL/分)。
実施例6
(2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(ピラジン−2−イル)メタノン
Figure 2011513419
2A(30mg、0.09mmol)の攪拌したNMP(2mL)およびヒューニッヒ塩基(1mL)溶液に、ピラジン−2−カルボン酸(17.3mg、0.26mmol)、続いてHATU(53mg、0.13mmol)を加えた。混合物を3時間攪拌し、次いでプレパラティブHPLCにかけた。生成物を含むHPLCフラクションをMCXカートリッジに通過させ、メタノールで洗浄し、生成物をアンモニアのメタノール溶液(2N)で放出した。溶媒を除去して、生成物6を得た。MS: 431 (M+H)+、HPLC保持時間:1.74分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、2分グラジエント、4mL/分)。

Claims (14)

  1. 式I:
    Figure 2011513419
    [式中、
    Xは、2もしくはそれ以上のヘテロ原子を含むヘテロサイクリル基であり;
    Yは、CORまたはCONHRであり;
    は、水素、アルキル、置換アルキル、アミド、置換アミド、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
    、R、およびRは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロゲン、アミノ、置換アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、ウレイド、または−CNであり;並びに
    は、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである]
    の化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩、互変異性体、または立体異性体。
  2. 式I:
    Figure 2011513419
    [式中、
    Xは、ピラゾリジンまたはピペラジンであり;
    は、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;並びに
    は、チアゾール、ピラジンもしくは置換ピラジン、またはピリジンもしくは置換ピリジンである]
    の化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩または立体異性体。
  3. 、R、およびRが独立して、水素またはC〜Cアルキルである、請求項2の化合物。
  4. 2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピラゾリジン−1−カルボキサミド、
    2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキサミド、
    2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピペラジン−1−カルボキサミド、
    (2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(チアゾール−2−イル)メタノン、
    (2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(6−フルオロピリジン−3−イル)メタノン、および
    (2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)(ピラジン−2−イル)メタノン
    からなる群より選択される化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩または立体異性体。
  5. 医薬的に許容される担体および1もしくはそれ以上の、請求項1〜4のいずれかの化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩または立体異性体を含む医薬組成物。
  6. 医薬的に許容される担体および1もしくはそれ以上の別の抗癌剤または細胞毒性剤と組み合わせた、1もしくはそれ以上の、請求項1〜4のいずれかの化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩または立体異性体を含む医薬組成物。
  7. 治療に用いるための、請求項1〜4のいずれかの化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩または立体異性体。
  8. 増殖性疾患の治療剤の製造における、請求項1〜4のいずれかの化合物あるいはそれの医薬的に許容される塩または立体異性体の使用。
  9. 増殖性疾患が癌である、請求項8の化合物の使用。
  10. 癌が前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、または急性骨髄性白血病(AML)である、請求項9の化合物の使用。
  11. 哺乳類の増殖性疾患を治療するための活性薬剤としての1もしくはそれ以上の、請求項1の化合物。
  12. 増殖性疾患が癌である、請求項11の、増殖性疾患を治療するための活性薬剤としての1もしくはそれ以上の化合物。
  13. 癌が前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、または急性骨髄性白血病(AML)である、請求項12の、癌を治療するための活性薬剤としての1もしくはそれ以上の化合物。
  14. 1もしくはそれ以上の他の抗癌剤または細胞毒性剤とともに用いられる、請求項13の、癌を治療するための活性薬剤としての1もしくはそれ以上の化合物であって、請求項1の化合物および他の抗癌剤または細胞毒性剤が、固定用量または配合剤として一緒に製剤化されるか、あるいは同時投与または連続投与のために別々に製剤化される化合物。
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