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JP2011231813A - 防振ブッシュとその製造方法 - Google Patents

防振ブッシュとその製造方法 Download PDF

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JP2011231813A
JP2011231813A JP2010100614A JP2010100614A JP2011231813A JP 2011231813 A JP2011231813 A JP 2011231813A JP 2010100614 A JP2010100614 A JP 2010100614A JP 2010100614 A JP2010100614 A JP 2010100614A JP 2011231813 A JP2011231813 A JP 2011231813A
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Takaaki Yamada
隆亮 山田
Kenichi Kato
賢一 加藤
Hironori Yoshida
宏典 吉田
Yukio Hayashi
幸男 林
Yorikazu Nakamura
順和 中村
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

【課題】本体ゴム弾性体に固着されるインナ軸部材の本体部を大径化することなく、インナ軸部材の軸方向両側に設けられた取付部及び本体ゴム弾性体の形状等を自由に設定可能とされた、新規な構造の防振ブッシュとその製造方法を提供すること。
【解決手段】インナ軸部材12とその外周側に離隔配置したアウタ筒部材14とを本体ゴム弾性体16で連結すると共に、インナ軸部材12の軸方向両側にそれぞれ取付部34を設けた防振ブッシュ10の製造方法であって、インナ軸部材12における各取付部34をインナ軸部材12の軸方向中央を構成する本体部18から別体とすると共に、取付部34として本体部18の外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有するものを採用し、本体部18の外周面に本体ゴム弾性体16を加硫接着した後、本体部18の軸方向両側にそれぞれ取付部34を固着した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用のサスペンションブッシュ等に好適に採用される防振ブッシュと、その製造方法に関するものである。
従来から、自動車のサスペンション機構等に用いられる防振装置として、インナ軸部材の外周側にアウタ筒部材を離隔配置して、それらインナ軸部材とアウタ筒部材に本体ゴム弾性体を加硫接着することでインナ軸部材とアウタ筒部材を弾性的に連結した、防振ブッシュが知られている。例えば、特開2007−15564号公報(特許文献1)等に示されているのが、それである。
このような防振ブッシュでは、インナ軸部材の両端部に板状の取付部が設けられており、取付部が車両ボデー等に対してボルトでの締結等によって取り付けられるようになっている。そして、アウタ筒部材がサスペンションアームのアームアイへの圧入等で取り付けられることにより、かかる防振ブッシュが、サスペンションアームの車両ボデーへの取付部位に装着される。
ところで、インナ軸部材における取付部は、それが取り付けられる車両ボデー側の構造や要求される取付強度等に応じて、各種の形状や大きさをもって形成される。特にインナ軸部材の車両ボデーに対する取付強度や取付部自体の強度を充分に確保するためには、取付部の大きさや厚さを大きく設定することが望ましい。
しかしながら、特許文献1に示された従来構造では、インナ軸部材や本体ゴム弾性体の構造上及び製造上の理由から、取付部の形状や大きさが制限されてしまうという問題があった。即ち、従来構造のインナ軸部材では、中実の円形ロッド形状とされた金属部材の両端部をプレス加工や切削加工して板状の取付部を形成していたが、プレス加工や切削加工では、中央部分に比して大きな取付部を形成することが難しかったのである。
しかも、インナ軸部材の外周面に一体加硫成形される本体ゴム弾性体では、軸方向の両端面へのすぐりの形成等の目的で軸方向の型割構造が採用されるが、その際、インナ軸部材の両端に大きな取付部があると成形型の型合わせや型割りに支障となる問題もあった。特に、軸方向の型割構造において、本体ゴム弾性体の軸方向両端部におけるインナ軸部材の外周面上での噛み切り部を設定するには、本体ゴム弾性体が加硫接着されるインナ軸部材の中央部分の外径寸法を超えて取付部の幅寸法を大きく設定することが困難だったのである。
なお、インナ軸部材の中央部分を大径化すれば、インナ軸部材の取付部の幅寸法を実質的に大きくできるが、金属製で中実とされたインナ軸部材の中央部分を大径化させると、重量の増大が問題となる。しかも、防振ブッシュの装着部材によってアウタ筒部材の外径寸法が制限されている場合には、インナ軸部材の中央部分を大径化するとその分だけ本体ゴム弾性体が薄肉となり、防振ブッシュにおける防振性能や防振特性のチューニング自由度の低下が避けられない。
特開2007−15564号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、インナ軸部材における本体ゴム弾性体への固着部分を大径化することなく、インナ軸部材における本体ゴム弾性体から軸方向外側に突出した取付部分の形状やサイズを自由に設定することが可能とされた、新規な構造の防振ブッシュを提供することにある。
また、本発明は、上述の如き特別な効果を奏する防振ブッシュを製造するための、新規な防振ブッシュの製造方法を提供することも、目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、インナ軸部材とその外周側に離隔配置したアウタ筒部材とを本体ゴム弾性体で連結すると共に、該インナ軸部材の軸方向両側にそれぞれ取付部を設けた防振ブッシュの製造方法であって、前記インナ軸部材における前記各取付部を該インナ軸部材の軸方向中央の本体部から別体とすると共に、該取付部として該本体部の外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有するものを採用し、該本体部の外周面に前記本体ゴム弾性体を加硫接着した後、該本体部の軸方向両側にそれぞれ前記取付部を固着することを特徴とする。
第一の態様に従う防振ブッシュの製造方法によれば、本体ゴム弾性体の本体部に対する加硫接着後に、取付部を本体部に固着することから、取付部の形状や大きさと、本体ゴム弾性体の成形用金型の形状や構成を、互いに独立して設定することが出来る。それ故、軸方向に型合わせされる簡易な構成の成形用金型を採用して、軸方向端面に開口するすぐりや凹所等を備えた本体ゴム弾性体を形成することが可能となる。
しかも、取付部の形状や大きさも自由に設定可能であり、取付部が本体部の外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有していることによって、車両ボデー等への取付座面が大きく確保される。加えて、取付部の厚さを大きくすることで、取付部の部材強度を向上させることも出来る。
また、本体ゴム弾性体の内周側に配設される本体部が、取付部とは別体とされていることにより、取付部を幅広とすると共に、本体部の大径化を防ぐことが出来る。その結果、防振ブッシュの大径化を必要とすることなく、インナ軸部材とアウタ筒部材の離隔距離を大きく確保することが出来て、本体ゴム弾性体のゴムボリュームを効率的に確保することが可能となる。
さらに、取付部を本体部から独立させることで、本体部の製造方法と、取付部の製造方法とを、異ならせることも可能となる。具体的には、例えば、本体部を引抜加工等によって形成する一方、取付部を鋳造や切削、プレス等で形成することにより、本体部の製造効率の向上と共に、取付部の形状や大きさの設計自由度の更なる向上が図られ得る。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載の防振ブッシュの製造方法において、前記本体部を筒形状として、該本体部の軸方向両端の開口部からそれぞれ前記取付部を圧入することにより、該本体部に該各取付部を固着するものである。
第二の態様によれば、取付部を本体部に対して圧入によって容易に固着することが出来て、それら本体部と取付部の組付け作業が簡単になる。しかも、本体部と取付部を固定するための複雑な構造も不要であることから、本体部と取付部の製造も容易になる。
本発明の第三の態様は、第二の態様に記載の防振ブッシュの製造方法において、前記取付部における前記本体部への圧入部分に対して、該本体部への圧入側端面に開口する肉抜凹所を形成したものである。
第三の態様によれば、肉抜凹所を圧入側端面に開口するように形成することにより、取付部における圧入部分の強度(剛性)を低減して、取付部の本体部への圧入時に、取付部における圧入部分が変形することで、本体部が変形するのを防ぐことが出来る。それ故、本体部の変形による不要な初期応力が、本体ゴム弾性体に作用するのを防ぐことが出来て、目的とする防振特性を実現することが出来る。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか1つの態様に記載の防振ブッシュの製造方法において、前記取付部において前記本体部から軸方向外方に突出する部分を、板状の突出部分とし、該突出部分の最大幅寸法を該本体部の外径寸法よりも大きくすると共に、該突出部分の厚さ方向に貫通して取付孔を形成したものである。
第四の態様によれば、取付部における本体部から軸方向外方に突出する突出部分が板状とされて、突出部分の最大幅寸法が本体部の外径寸法よりも大きくされていることにより、取付部の取付座面を効率的に大きく設定することが出来て、取付強度の向上を図ることが出来る。しかも、取付けのためのボルト等が挿通される取付孔が、突出部分を厚さ方向に貫通するように形成されていることにより、より大きな取付孔を形成することが可能となって、要求される取付強度に応じた取付孔の形状や大きさの設定自由度を向上させることが出来る。
本発明の第五の態様は、インナ軸部材とその外周側に離隔配置されたアウタ筒部材とが本体ゴム弾性体で連結されており、該インナ軸部材の軸方向両側にそれぞれ取付部が設けられた防振ブッシュであって、前記本体ゴム弾性体が加硫接着された本体部の軸方向両側に対して、該本体部の外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有する前記取付部がそれぞれ固着されることによって、前記インナ軸部材が形成されていることを特徴とする。
第五の態様に従う構造の防振ブッシュによれば、本体ゴム弾性体が加硫接着された本体部に対して取付部が後から固着されることにより、本体ゴム弾性体の形状と、取付部の形状や大きさが、互いに独立して設定される。これにより、本体ゴム弾性体やそれに形成されるすぐり等の形状を適当に設定することが出来て、防振特性のチューニング自由度が向上すると共に、取付部の形状や大きさを適当に設定することで、取付部自体の強度や車両ボデー等への取付強度等を充分に確保することが出来る。
また、本体ゴム弾性体が加硫接着される本体部と、車両ボデー等に取り付けられる取付部とが、別体とされて後組付けされることにより、本体部を大型化することなく、取付部の最大幅寸法を大きくすることが出来る。それ故、取付座面を大きく設定して取付強度の向上を図りつつ、防振ブッシュ全体の大型化を要することなく本体ゴム弾性体のゴムボリューム(径方向での自由長)を大きく確保して、防振特性のチューニング自由度をより有利に向上させることが出来る。
本発明の第六の態様は、第五の態様に記載の防振ブッシュにおいて、前記本体部が筒形状とされており、該本体部の軸方向両端の開口部に対してそれぞれ前記取付部が圧入固着されているものである。
第六の態様によれば、別体とされた本体部と取付部が、圧入によって、簡単に且つ充分な固着力で固着されることから、本体部と取付部が外力の作用によって分離するのを防いで、インナ軸部材として安定して機能させることが出来る。
本発明の第七の態様は、第六の態様に記載の防振ブッシュにおいて、前記取付部における前記本体部への圧入部分には、該本体部への圧入側端面に開口する肉抜凹所が形成されているものである。
第七の態様によれば、取付部における本体部への圧入部分に肉抜凹所が形成されていることにより、取付部の軽量化が実現される。これにより、防振ブッシュ全体の軽量化が、防振特性に悪影響を及ぼすことなく実現される。しかも、肉抜凹所が取付部における本体部への圧入側端面に開口していることにより、取付部における本体部への圧入側端部が変形し易くなっており、圧入力によって本体部が塑性変形するのを防ぐことが出来る。
本発明によれば、インナ軸部材における取付部を本体部とは別体形成したことにより、本体部の外周面に本体ゴム弾性体を加硫接着した後で、取付部を本体部の軸方向両側に固着することが可能となり、本体ゴム弾性体の成形上等の理由による制限を回避して取付部の形状や大きさを設定することができる。それ故、本体ゴム弾性体のゴムボリュームや防振性能に悪影響を及ぼすことなく、取付部ひいては防振ブッシュの設計自由度の向上が図られ得る。
本発明の一実施形態としてのサスペンションブッシュを示す縦断面図であって、図2のI−I断面図。 図1のII−II断面図。 図1に示されたサスペンションブッシュの正面図。 図1に示されたサスペンションブッシュの一製造工程である本体ゴム弾性体の加硫成形工程を説明するための縦断面説明図。 図1に示されたサスペンションブッシュの一製造工程である取付部の圧入工程を説明するための縦断面説明図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3には、本発明に従う構造とされた防振ブッシュの一実施形態として、自動車用のサスペンションブッシュ10が示されている。サスペンションブッシュ10は、インナ軸部材12とアウタ筒部材14を本体ゴム弾性体16によって連結した構造を有している。なお、以下の説明において、軸方向とは、原則として、アウタ筒部材14の軸方向となる図1中の左右方向を言う。
より詳細には、インナ軸部材12は、本体部18を備えている。本体部18は、薄肉小径の略円筒形状を有しており、鉄やアルミニウム合金等の金属材料で形成された高剛性の部材とされている。また、本体部18には、ストッパ部材20が外挿されている。ストッパ部材20は、略円筒形状を有していると共に、周上の一部において軸方向寸法が大きくなっており、かかる部位では、軸方向中間部分が薄肉部22とされていると共に、軸方向両端部が薄肉部22に比して厚肉の厚肉部24とされている。なお、本体部18は、後述する本体ゴム弾性体16の内径寸法を小さく抑えて、本体ゴム弾性体16の径方向でのゴムボリュームを充分に確保するために、後述するアウタ筒部材14に対して充分に小径とされていることが望ましい。
一方、アウタ筒部材14は、薄肉大径の略円筒形状を有しており、インナ軸部材12と同様の材料で形成された高剛性の部材とされている。そして、アウタ筒部材14は、インナ軸部材12の本体部18に対して外周側を取り囲むように離隔配置されており、それら本体部18とアウタ筒部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
本体ゴム弾性体16は、厚肉大径の略円筒形状を有するゴム弾性体であって、その内周面が本体部18の外周面に重ね合わされて加硫接着されていると共に、外周面がアウタ筒部材14の内周面に重ね合わされて加硫接着されている。なお、本体ゴム弾性体16は、インナ軸部材12における本体部18とアウタ筒部材14とを備えた一体加硫成形品26として形成されている。
また、本体ゴム弾性体16には、一対の凹所28,28が形成されている。凹所28は、図2に示されているように、本体ゴム弾性体16の軸方向端面に開口しており、本体部18を挟んで軸直角方向一方向で対向する部位に形成されている。
また、本体ゴム弾性体16には、すぐり30a,30bが形成されている。すぐり30a,30bは、それぞれ本体ゴム弾性体16を軸方向に貫通する孔状とされており、一対の凹所28,28の対向方向に対して略直交する軸直角方向で対向して形成されている。なお、本実施形態では、すぐり30a,30bの内周面において、それらすぐり30a,30bの対向方向の外側部分(すぐり30a,30bの各外周側の内面)が、小さな凹凸が付された粗面形状(例えば、軸方向断面が波面形状)となっている。また、本体ゴム弾性体16においてすぐり30aの外周側に位置する部位は、軸方向中央に向かって次第に厚肉となっており、中央部分がすぐり30a内により大きく突出している。
また、ストッパ部材20における薄肉部22及び厚肉部24は、すぐり30aに対して周方向で位置決めされている。そして、ストッパ部材20の薄肉部22の外周面に、本体ゴム弾性体16の一部であるストッパゴム32が加硫接着されていると共に、ストッパ部材20の厚肉部24が、すぐり30aに露呈して、すぐり30aの内周面の一部がストッパ部材20で構成されている。なお、ストッパゴム32は、軸方向中央に行くに従って次第に径方向での突出高さが大きくなっていると共に、ストッパ部材20の厚肉部24よりも外周側に突出している。
このような構造を有する一体加硫成形品26を構成する本体部18には、一対の取付部34a,34bが固着されている。取付部34は、本体部18とは別体とされており、一体形成された圧入部分36と突出部分38とを備えている。
圧入部分36は、略円形ブロック形状を有しており、金属材料で形成された高剛性の部材とされている。また、圧入部分36には、略円柱形状の肉抜凹所40が形成されて、圧入部分36の軸方向一方の端面に開口している。この肉抜凹所40が形成されていることによって、圧入部分36が略有底円筒形状とされており、その周壁部分の強度が低減されている。また、圧入部分36の外径寸法は、本体部18の内径寸法に対して略同じに設定されており、本体部18の中心孔に対して圧入可能なサイズとされている。
また、圧入部分36の軸方向他方の側(圧入部分36の底壁部側)には、突出部分38が形成されている。突出部分38は、略板形状とされており、圧入部分36と一体形成されている。また、突出部分38は、本体部18の外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有していると共に、基端部の幅寸法が圧入部分36の外径寸法よりも小さくなっており、突出部分38の基端部がくびれ状となっている。
さらに、突出部分38には、厚さ方向に貫通する取付孔42が貫通形成されている。なお、一方の取付部34aの突出部分38に楕円形の取付孔42aが形成されていると共に、他方の取付部34bの突出部分38に円形の取付孔42bが形成されている。尤も、車両ボデー側の締結構造に対応するためや、寸法の誤差等によって取付部34の車両ボデーへの取付けが困難になるのを防ぐために、一方の取付孔42aが楕円形とされているのであって、取付孔の形状は特に限定されず、例えば、一対の突出部分38,38の両方に同じ形状の取付孔が形成されていても良い。
そして、かくの如き構造とされた取付部34は、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品26を構成する本体部18に対して固着される。即ち、一対の取付部34a,34bは、各圧入部分36,36が、本体ゴム弾性体16を加硫接着された本体部18に対して、軸方向各一方の側から圧入される。これにより、一対の取付部34a,34bは、突出部分38が本体部18から軸方向外側に突出した状態で、本体部18の軸方向両側に固着されて、インナ軸部材12がストッパ部材20を外嵌した本体部18と一対の取付部34a,34bとによって構成される。なお、一対の取付部34a,34bは、突出部分38,38の厚さ方向が一致するように周方向で位置決めされて、本体部18に装着されているが、車両ボデー側の構造によっては、周方向で互いに異なる向きに装着される場合もある。
また、突出部分38は、本体部18の最大外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有しており、図1に示されているように、突出部分38が幅方向(図1における上下方向)両側において本体部18よりも外側に所定の寸法:dだけ突出している。
そして、インナ軸部材12は、取付部34における突出部分38の取付孔42に挿通されるボルトによって、図示しない車両ボデーに取り付けられるようになっている。また、アウタ筒部材14は、アームアイに圧入されて図示しないサスペンションアームに取り付けられるようになっている。これらによって、サスペンションブッシュ10が車両に装着されて、それらサスペンションアームが車両ボデーに対して防振連結されるようになっている。
このような構造とされたサスペンションブッシュ10は、例えば、以下に示すような製造方法によって、製造される。
先ず、本体部18と、本体部18に外挿されるストッパ部材20と、アウタ筒部材14とを準備する。そして、本体部18に対してストッパ部材20を外挿する。なお、本体部18及びアウタ筒部材14は、略筒状の金属部材であることから、金属製のパイプを所定の長さで切断することにより得ることが出来る。ストッパ部材20は、本体部18とは別体で形成されていても良いし、本体部18の外周面上に成形されて本体部18に固着されていても良い。
次に、図4に示されているように、本体ゴム弾性体16の成形用金型44,46に対して、ストッパ部材20を装着された本体部18と、アウタ筒部材14とを、セットする。そして、成形用金型44,46のキャビティ48にゴム材料を充填して、本体部18とアウタ筒部材14の間に目的とする形状の本体ゴム弾性体16を加硫成形することにより、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品26を形成する。また、成形用金型44,46から取り出した一体加硫成形品26のアウタ筒部材14に、八方絞り等の縮径加工を施すことにより、本体ゴム弾性体16に対して予圧縮を及ぼす。なお、成形用金型44と成形用金型46は、すぐり30a,30bや凹所28を形成するために、軸方向で型合わせされている。
また次に、一体加硫成形品26とは別に予め準備された一対の取付部34a,34bが、成形用金型44,46から取り出した一体加硫成形品26に対して、軸方向両側から取り付けられる。より詳細には、圧入部分36における肉抜凹所40の開口側端部を圧入側の先頭として、一対の取付部34a,34bを本体部18に対して軸方向両側の開口部から圧入することにより、本体部18と一対の取付部34a,34bによってインナ軸部材12を構成する。これにより、インナ軸部材12とアウタ筒部材14を本体ゴム弾性体16で連結した構造を有するサスペンションブッシュ10を形成する。なお、圧入部分36の強度が、肉抜凹所40の形成によって低減されていることにより、圧入部分36が比較的に変形し易くなっており、本体部18への圧入に際して、圧入部分36の変形によって本体部18の変形が抑えられている。
このようにして製造されたサスペンションブッシュ10では、本体部18とアウタ筒部材14の間に本体ゴム弾性体16が加硫成形された後で、一対の取付部34a,34bが本体部18に固着されて、インナ軸部材12が構成されるようになっている。これにより、本体ゴム弾性体16の成形用金型の構造は、一対の取付部34a,34bの構造によって何ら影響されることはなく、軸方向に組み合わされる簡単な構成の成形用金型44,46によって、すぐり30や凹所28を備えた本体ゴム弾性体16を形成することが出来る。
しかも、一対の取付部34a,34bの形状や大きさも、特に限定されることがなく、特に、車両ボデーへの取付部分である突出部分38の形状や大きさを自由に設定することが出来る。それ故、車両ボデー側の取付構造や、要求される取付強度及び部材強度等に応じて、突出部分38の幅寸法や肉厚等を適当に設定することが可能である。本実施形態では、突出部分38の最大幅寸法が、本体部18の外径寸法よりも大きくなっており、突出部分38の車両ボデーに対する取付面の面積が充分に大きく設定されていることにより、車両ボデーに対する取付強度が大きく確保されるようになっている。
さらに、突出部分38を幅広にしながらも、本体部18の外径は小さく抑えることが可能であることから、アウタ筒部材14を大径化することなく、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の径方向での離隔距離を充分に確保することが出来る。その結果、サスペンションブッシュ10全体が径方向で大型化するのを防ぎつつ、本体ゴム弾性体16のゴムボリュームを大きく設定することが出来て、防振性能の向上や防振特性のチューニング自由度の向上を図ることが出来る。
また、一対の取付部34a,34bは、略円筒形状とされた本体部18に対して、軸方向両側から圧入されることにより、容易に固着されるようになっている。これにより、一対の取付部34a,34bの本体部18に対する組付け作業が簡単になると共に、複雑な固定構造が不要になって、構造の簡単化が図られ得る。
さらに、取付部34の圧入部分36には、圧入側端面に開口する肉抜凹所40が形成されて、圧入部分36の強度が低減されており、本体部18への圧入に際して圧入部分36が変形することによって、本体部18の変形が低減乃至は回避されるようになっている。このように、防振性能や耐久性等に対する影響が小さい圧入部分36の変形を積極的に生ぜしめることによって、本体部18の変形による本体ゴム弾性体16の不要な変形が阻止されて、目的とする防振特性が実現される。しかも、肉抜凹所40によって圧入部分36の軽量化も図られることから、自動車におけるばね下重量の軽減も実現され得る。
また、インナ軸部材12の本体部18には、ストッパ部材20が外挿装着されており、インナ軸部材12における本体ゴム弾性体16に固着される部分の表面形状が、ストッパ部材20によって設定されている。このように、防振特性に影響するインナ軸部材12の表面形状が、任意の形状に容易に成形できる合成樹脂製のストッパ部材20で設定されることにより、要求特性に応じた表面形状を有するインナ軸部材12を容易に得ることが出来る。しかも、金属材料で形成される本体部18は、単純な略円筒形状とすることが出来るので、引抜加工等によって効率的に製造することが出来る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、本体部と取付部は、互いに固着可能な構造とされていれば、前記実施形態の構造に限定されるものではない。具体的には、例えば、本体部が中実の円形ロッド形状とされていると共に、本体部の軸方向両端面にねじ孔が形成されている一方、取付部における突出部分の端部に雄ねじが突出形成されており、取付部の雄ねじが本体部のねじ孔に螺着されることによって、取付部が本体部の軸方向両側に固着されるようになっていても良い。また、反対に、本体部の軸方向両端面から雄ねじを突設すると共に、取付部の端面にねじ孔を形成して、取付部を本体部に螺着することも可能である。また、本体部の軸方向両端部において軸方向外方に突出する接続突部を一体形成すると共に、取付部の端面に嵌着孔を形成し、取付部の嵌着孔に対して本体部の接続突部を圧入して、取付部を本体部に固着することも可能である。更にまた、本体部の軸方向両端部に対して取付部を溶接等で固着して取り付けても良い。なお、中実構造の本体部を採用すれば本体部の剛性を向上させることが出来るし、螺着や溶接等の固着構造を採用すれば、製造時における圧入に伴う本体部や取付部への外力の作用を回避することが可能となる。
また、本体ゴム弾性体は、必ずしもアウタ筒部材に対して直接に加硫接着されていなくても良い。具体的には、例えば、本体ゴム弾性体の外周面が筒状の中間スリーブに加硫接着されており、中間スリーブがアウタ筒部材に内挿されて固定されることにより、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって連結されるようになっていても良い。
また、本発明は、流体封入式の防振ブッシュにも適用可能である。例えば、上記の如き中間スリーブを備えた構造において、インナ軸部材を構成する本体部と、複数の窓部を備えた中間スリーブとの間に、窓部を通じて外周側に開放される複数のポケット部を備えた本体ゴム弾性体を加硫成形する。次に、中間スリーブにアウタ筒部材を外挿装着して、中間スリーブの窓部をアウタ筒部材で覆蓋することにより、ポケット部を利用して複数の流体室を形成すると共に、それら流体室を連通するオリフィス通路を形成する。その際、アウタ筒部材を中間スリーブに対して非圧縮性流体中で組み付けることにより、流体室及びオリフィス通路に非圧縮性流体を封入する。その後、取付部を本体部の軸方向両側に固着して、インナ軸部材を構成することにより、本発明を適用された流体封入式の防振ブッシュを実現することが出来る。
また、前記実施形態では、取付部34aと取付部34bは、取付孔42aと取付孔42bの形状を除いて略同一の形状とされていたが、それら一対の取付部の形状は、互いに異なっていても良い。また、上述の説明から明らかなように、本発明において、本体部の外径寸法と取付部の最大幅寸法とは、対応する同一の軸直角方向で対比されるものである。それにより、本体部の外径寸法を超えた最大幅寸法を有する取付部を、本体ゴム弾性体の成形型の型開閉への支障を回避しつつ採用することが出来る。なお、外径寸法が周方向で異なる異形状の本体部も採用可能であり、その場合にも、同じ軸直角方向において、本体部の外径寸法と取付部の最大幅寸法とが対比されて、本発明に従い設定される。
また、本体ゴム弾性体に貫通形成されるすぐりの形状や大きさ,形成数等も、特に限定されるものではなく、要求される防振特性等に応じて適宜に設定される。更に、すぐりは必須ではなく、形成されていなくても良い。
10:サスペンションブッシュ(防振ブッシュ)、12:インナ軸部材、14:アウタ筒部材、16:本体ゴム弾性体、18:本体部、34:取付部、36:圧入部分、38:突出部分、40:肉抜凹所、42:取付孔

Claims (7)

  1. インナ軸部材とその外周側に離隔配置したアウタ筒部材とを本体ゴム弾性体で連結すると共に、該インナ軸部材の軸方向両側にそれぞれ取付部を設けた防振ブッシュの製造方法であって、
    前記インナ軸部材における前記各取付部を該インナ軸部材の軸方向中央の本体部から別体とすると共に、該取付部として該本体部の外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有するものを採用し、
    該本体部の外周面に前記本体ゴム弾性体を加硫接着した後、
    該本体部の軸方向両側にそれぞれ該取付部を固着することを特徴とする防振ブッシュの製造方法。
  2. 前記本体部を筒形状として、該本体部の軸方向両端の開口部からそれぞれ前記取付部を圧入することにより、該本体部に該各取付部を固着する請求項1に記載の防振ブッシュの製造方法。
  3. 前記取付部における前記本体部への圧入部分に対して、該本体部への圧入側端面に開口する肉抜凹所を形成した請求項2に記載の防振ブッシュの製造方法。
  4. 前記取付部において前記本体部から軸方向外方に突出する部分を、板状の突出部分とし、該突出部分の最大幅寸法を該本体部の外径寸法よりも大きくすると共に、該突出部分の厚さ方向に貫通して取付孔を形成した請求項1〜3の何れか1項に記載の防振ブッシュの製造方法。
  5. インナ軸部材とその外周側に離隔配置されたアウタ筒部材とが本体ゴム弾性体で連結されており、該インナ軸部材の軸方向両側にそれぞれ取付部が設けられた防振ブッシュであって、
    前記本体ゴム弾性体が加硫接着された本体部の軸方向両側に対して、該本体部の外径寸法よりも大きな最大幅寸法を有する前記取付部がそれぞれ固着されることによって、前記インナ軸部材が形成されていることを特徴とする防振ブッシュ。
  6. 前記本体部が筒形状とされており、該本体部の軸方向両端の開口部に対してそれぞれ前記取付部が圧入固着されている請求項5に記載の防振ブッシュ。
  7. 前記取付部における前記本体部への圧入部分には、該本体部への圧入側端面に開口する肉抜凹所が形成されている請求項6に記載の防振ブッシュ。
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