JP2011222288A - 固体電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】性能ばらつきを抑制することが可能な固体電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】固体電解質層と該固体電解質層を挟持する正極層及び負極層とを有する充放電部を備え、該充放電部は曲部及び平面部を有し、曲部に配設されている固体電解質と平面部に配設されている固体電解質とが異なる固体電池、並びに、正極層と負極層との間に固体電解質層が配設されるように、正極層、固体電解質層、及び、負極層を積層して積層体を作製する積層体作製工程と、作製された積層体を捲回する又は折りたたむことにより、曲部及び平面部を有する構造体を作製する構造体作製工程と、作製された構造体の曲部に配設されている固体電解質を結晶化させる結晶化工程と、を有する固体電池の製造方法とする。
【選択図】図1
【解決手段】固体電解質層と該固体電解質層を挟持する正極層及び負極層とを有する充放電部を備え、該充放電部は曲部及び平面部を有し、曲部に配設されている固体電解質と平面部に配設されている固体電解質とが異なる固体電池、並びに、正極層と負極層との間に固体電解質層が配設されるように、正極層、固体電解質層、及び、負極層を積層して積層体を作製する積層体作製工程と、作製された積層体を捲回する又は折りたたむことにより、曲部及び平面部を有する構造体を作製する構造体作製工程と、作製された構造体の曲部に配設されている固体電解質を結晶化させる結晶化工程と、を有する固体電池の製造方法とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解質層を有する固体電池及びその製造方法に関し、特に、捲回された固体電解質層又は折りたたまれた固体電解質層を有する固体電池及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、他の二次電池よりもエネルギー密度が高く、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、小型軽量化を図りやすい二次電池として携帯電話等の情報機器に使用されており、近年、電気自動車やハイブリッド自動車用等、大型の動力用としての需要も高まっている。
リチウムイオン二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置される電解質とが備えられ、電解質は、非水系の液体又は固体によって構成される。電解質に非水系の液体(以下において、「電解液」という。)が用いられる場合には、電解液が正極層の内部へと浸透する。そのため、正極層の正極活物質と電解質との界面が形成されやすく、性能を向上させやすい。ところが、広く用いられている電解液は可燃性であるため、安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。一方、固体の電解質(以下において、「固体電解質」という。)は不燃性であるため、上記システムを簡素化できる。それゆえ、不燃性である固体電解質を含有する層(以下において、「固体電解質層」ということがある。)が備えられる形態のリチウムイオン二次電池(以下において、「固体電池」という。)が提案されている。
このような固体電池に関する技術として、例えば特許文献1には、可とう性長尺基板、負極集電体、固体電解質、正極活物質、及び正極集電体をこの順に備える帯状積層体が、可とう性長尺基板を内側にして平板状に巻回されてなる巻回体を有することを特徴とするエネルギーデバイスが開示されている。また、特許文献1には、可とう性長尺基板上に、負極集電体、固体電解質、正極活物質、及び正極集電体をこの順に積層して帯状積層体を得る工程と、帯状積層体を可とう性長尺基板を内側にして平板状に巻回して巻回体を得る工程とを有することを特徴とするエネルギーデバイスの製造方法も開示されている。
特許文献1に開示されている技術によれば、巻回体を有しているので、エネルギー密度を高めた固体電池を提供することが可能になると考えられる。しかしながら、平板状である巻回体の平板部に配置されている固体電解質と、この巻回体の曲部に配置されている固体電解質とでは、外部から付与される拘束圧力が異なるため、電池性能に大きな差が生じる。それゆえ、特許文献1に開示されている技術では、充電状態(以下において、「SOC」という。)ばらつきや劣化ばらつき等の性能ばらつきが生じやすいという問題があった。
そこで本発明は、性能ばらつきを抑制することが可能な固体電池及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、固体電解質層と、該固体電解質層を挟持する正極層及び負極層と、を有する充放電部を備え、該充放電部は、曲部及び平面部を有し、曲部に配設されている固体電解質と平面部に配設されている固体電解質とが異なることを特徴とする、固体電池である。
本発明の第1の態様は、固体電解質層と、該固体電解質層を挟持する正極層及び負極層と、を有する充放電部を備え、該充放電部は、曲部及び平面部を有し、曲部に配設されている固体電解質と平面部に配設されている固体電解質とが異なることを特徴とする、固体電池である。
ここに、「曲部」とは、正極層と負極層との間に固体電解質層が配設されるように、正極層、固体電解質層、及び、負極層を積層して作製した積層体を、捲回又は折りたたむことによって形成した構造体(充放電部)に備えられる湾曲部位(R部)をいい、「平面部」とは、上記構造体における湾曲部位以外の部位をいう。
上記本発明の第1の態様において、曲部に配設されている固体電解質は、平面部に配設されている固体電解質よりも、イオン伝導抵抗が低いことが好ましい。
本発明の第2の態様は、正極層と負極層との間に固体電解質層が配設されるように、正極層、固体電解質層、及び、負極層を積層して積層体を作製する積層体作製工程と、作製された積層体を捲回する又は折りたたむことにより、曲部及び平面部を有する構造体を作製する構造体作製工程と、作製された構造体の曲部に配設されている固体電解質を結晶化させる結晶化工程と、を有することを特徴とする、固体電池の製造方法である。
本発明の第1の態様では、曲部と平面部とで異なる固体電解質が配設されている。曲部と平面部とを有する充放電部が備えられる場合、通常は、曲部よりも平面部に大きな拘束圧力が付与される。そのため、曲部及び平面部に同一の固体電解質を用いていた従来の固体電池では、曲部と平面部とで電池性能に差が生じやすい。ところが、本発明の第1の態様では、曲部と平面部とで異なる固体電解質が配設されている。このような形態とすることにより、曲部の電池性能と平面部の電池性能との差を低減することが可能になる。したがって、本発明の第1の態様によれば、性能ばらつきを抑制することが可能な、固体電池を提供することができる。
本発明の第1の態様において、曲部に配設されている固体電解質のイオン伝導抵抗を、平面部に配設されている固体電解質のイオン伝導抵抗よりも低くすることにより、上記効果に加えて、高性能な固体電池を提供することが可能になる。
本発明の第2の態様は、曲部及び平面部を有する構造体を作製してから、曲部に配設されている固体電解質を結晶化させる結晶化工程を有している。固体電解質を結晶化させることにより、イオン伝導抵抗を低減することが可能になる。結晶化工程を経ることにより、曲部に配設されている固体電解質と、平面部に配設されている固体電解質とを、異なる形態にすることが可能になり、曲部に配設されている固体電解質のイオン伝導抵抗を、平面部に配設されている固体電解質のイオン伝導抵抗よりも低くすることが可能になる。したがって、本発明の第2の態様によれば、性能ばらつきを抑制することが可能な固体電池を製造し得る、固体電池の製造方法を提供することができる。
性能を確保するため、固体電池に備えられている、正極層、固体電解質層、及び、負極層を有する構造体には、一般に外部から圧力(拘束圧力)が付与されている。ここで、正極層、固体電解質層、及び、負極層を順に積層して構成される積層体を捲回又は折りたたんで形成した平板状の構造体を備える固体電池では、構造体の曲部よりも平面部に大きな圧力が付与される傾向がある。固体電解質を用いる固体電池では、付与される圧力と電池性能との間に相関があることが分かっているため、曲部と平面部とで異なる圧力が付与されると、性能にばらつきが生じてしまう。本発明者は、鋭意研究の結果、曲部と平面部とで、異なる形態の固体電解質を用いることにより、曲部と平面部とで性能ばらつきを抑制した固体電池及びその製造方法を提供することが可能になることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。本発明は、性能ばらつきを抑制することが可能な固体電池及びその製造方法を提供することを、主な趣旨とする。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の固体電池10に備えられる充放電部5を説明する図である。図1では、便宜上、充放電部5の一方の側面に露出している正極集電体7及び他方の側面に露出している負極集電体8の記載を省略し、充放電部5を簡略化して示している。図2は、本発明の固体電池10を説明する図である。図2では、固体電池10の構造を簡略化して示しており、固体電池10の構造を理解しやすくするため、外装材6を透かして、その内側に収容されている充放電部5等を示している。
図1に示すように、充放電部5は、曲部5a、5a(以下において、単に「曲部5a」ということがある。)及び平面部5bを有しており、後述する正極層2と負極層3との間に固体電解質層1が配設されるように、正極層2、固体電解質層1、及び、負極層3を積層する過程を経て形成した積層体を、その長尺方向へと捲回する過程を経て作製されている。図2に示すように、本発明の固体電池10は、充放電部5と、これを収容する外装材6と、を有している。充放電部5の一方の側面には正極集電体7が、他方の側面には負極集電体8が、露出している。そして、正極集電体7は正極端子9に、負極集電体8は負極端子11に、それぞれ接続されている。固体電池10は、図2の矢印の方向へと積層され、積層方向の両端から拘束圧力が付与された状態で使用される。それゆえ、充放電部5は、曲部5aへと付与される圧力よりも、平面部5bへと付与される圧力の方が大きく、曲部5aと平面部5bとで、付与される圧力が異なっている。したがって、従来の固体電池のように、曲部5aに配設される固体電解質と平面部5bに配設される固体電解質とを同一形態にすると、曲部5aにおける電池性能と平面部5bにおける電池性能との間に差が生じやすく、SOCばらつきや劣化ばらつき等の性能ばらつきが生じやすい。そこで、本発明の固体電池10では、かかる性能ばらつきを抑制するため、曲部5aに配設されている固体電解質と平面部5bに配設されている固体電解質とを、異なる形態にしている。具体的に、本発明の固体電池10では、正極層2と負極層3との間に固体電解質層1が配設されるように、正極層2、固体電解質層1、及び、負極層3を積層する過程を経て形成した積層体を、その長尺方向へと捲回する過程を経て構造体を作製した後、構造体の曲部のみを選択的に加熱して、曲部に配設されているガラス状の固体電解質を結晶化させることにより、充放電部5を作製している。このようにすることで、結晶化されたガラスセラミックスによって構成される固体電解質を多く含む曲部5aと、固体電解質の大部分が結晶化されていないガラス状の固体電解質によって構成される平面部5bと、を有する充放電部5を得ることができる。
図3は、充放電部5をシート状に展開した積層体4を簡略化して示す概念図である。図3では、厚さを強調した積層体4の断面を示しており、図3の紙面左右方向が積層体4の長尺方向である。積層体4を長尺方向へと捲回すると、充放電部5になる。実際の積層体4は、厚さ1mm未満程度のシート状物である。図3に示すように、積層体4は、固体電解質層1と、該固体電解質層1を挟持するように配設された正極層2及び負極層3と、正極層2に接続された正極集電体7と、負極層3に接続された負極集電体8と、を有している。図3に4aで示した部位は、充放電部5の曲部5aに相当する部位であり、図3に4bで示した部位は、充放電部5の平面部5bに相当する部位である。
正極層2は、例えば、質量比で、正極活物質:電解質:導電助剤:結着材=45:45:9:1となるように配合した混合物を溶媒に入れて混ぜ合わせることにより作製した組成物を、正極集電体7の表面に塗布し乾燥させることによって作製されている。正極層2に含有される正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウムを用いることができ、電解質としては、例えば、質量比で、Li2S:P2S5=50:50〜100:0となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質(例えば、質量比で、Li2S:P2S5=70:30となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質)等を用いることができる。また、導電助剤としては、例えば、アセチレンブラックを用いることができ、結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることができる。正極層2の幅(図3の紙面奥/手前方向の長さ)は、例えば50mmとすることができ、正極層2の厚さは、例えば30μmとすることができる。
負極層3は、例えば、質量比で、負極活物質:電解質:導電助剤:結着材=47:47:5:1となるように配合した混合物を溶媒に入れて混ぜ合わせることにより作製した組成物を、負極集電体8の表面に塗布し乾燥させることによって作製されている。負極層3に含有される負極活物質としては、例えば、グラファイトカーボンを用いることができ、電解質としては、例えば、質量比で、Li2S:P2S5=50:50〜100:0となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質(例えば、質量比で、Li2S:P2S5=70:30となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質)等を用いることができる。また、導電助剤としては、例えば、アセチレンブラックを用いることができ、結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることができる。負極層3の幅(図3の紙面奥/手前方向の長さ)は、例えば52mmとすることができ、負極層3の厚さは、例えば35μmとすることができる。
固体電解質層1は、例えば、質量比で、電解質:結着材=99:1となるように配合した混合物を溶媒に入れて混ぜ合わせることにより作製した組成物を、上記の方法で作製した正極層2又は負極層3の表面に塗工し乾燥させることによって作製されている。固体電解質層1に含有される電解質としては、例えば、質量比で、Li2S:P2S5=50:50〜100:0となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質(例えば、質量比で、Li2S:P2S5=70:30となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質)等を用いることができ、結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることができる。固体電解質層1の厚さは、例えば20μmとすることができる。
図4に、固体電池10の製造方法を説明するフローチャートを示す。図1〜図4を参照しつつ、固体電池10の製造方法の一形態について説明する。固体電池10を製造する際には、まず、上記材料・方法によって作製される固体電解質層1、正極層2、及び、負極層3を、正極層2及び負極層3によって固体電解質層1が挟持されるように配設する(例えば、負極集電体8の表面に作製した負極層3の表面に固体電解質層1を形成した後、その表面に、正極集電体7の表面に作製した正極層2を配設する)ことにより、積層体を作製する(積層体作製工程S1)。次いで、作製した積層体を長尺方向の全長に亘って一様な条件でプレスした後、その長尺方向へ捲回することにより、構造体を作製する(構造体作製工程S2)。その後、構造体の曲部のみを選択的に加熱して、曲部に配設されているガラス状の固体電解質を結晶化させる(結晶化工程S3)ことにより、充放電部5を作製する。こうして充放電部5を作製したら、正極集電体7と正極端子9とを接続し、且つ、負極集電体8と負極端子11とを接続する(端子接続工程S4)。その後、充放電部5を外装材6へと収容し、外装材6を密封する(収容密封工程S5)ことにより、固体電池10を作製することができる。
固体電池10の充放電部5は、結晶化されたガラスセラミックス状の固体電解質が曲部5aに配設され、結晶化されていないガラス状の固体電解質が平面部5bに配設されている。ここで、固体電解質は、付与される圧力(拘束圧力)が増大するほど、イオン伝導抵抗が低減され、結晶化されたガラスセラミックス状の固体電解質は、結晶化されていないガラス状の固体電解質よりも、イオン伝導抵抗が低い。そのため、一般に外部から大きな圧力が付与される平面部5bに結晶化されていないガラス状の固体電解質を配設し、且つ、平面部5bよりも付与される圧力が小さい曲部5aに結晶化されたガラスセラミックス状の固体電解質を配設することにより、固体電池10の使用時に、曲部5aに配設されている固体電解質のイオン伝導抵抗と平面部5bに配設されている固体電解質のイオン伝導抵抗とを同程度にすることが可能になる。こうして、曲部5a及び平面部5bのイオン伝導抵抗を同程度にすることにより、充放電部5の性能ばらつきを抑制することが可能になる。したがって、本発明によれば、性能ばらつきを抑制することが可能な固体電池10を提供することができ、性能ばらつきを抑制することが可能な固体電池10を製造し得る、固体電池の製造方法を提供することができる。
本発明に関する上記説明では、積層体を捲回して構造体を作製した後、構造体の曲部のみを選択的に加熱して曲部に配設されている固体電解質を結晶化させることにより、曲部に配設されている固体電解質と平面部に配設されている固体電解質とを異なる形態にする態様について言及したが、本発明は当該態様に限定されるものではない。本発明の固体電池は、構造体の曲部に配設されるべき正極層、固体電解質層、及び、負極層を作製する際に用いる固体電解質(以下において、「曲部相当部位の固体電解質」という。)と、構造体の平面部に配設されるべき正極層、固体電解質層、及び、負極層を作製する際に用いる固体電解質(以下において、「平面部相当部位の固体電解質」という。)とを、異なる形態にすることも可能である。具体的には、例えば、曲部相当部位の固体電解質を、質量比で、Li2S:P2S5=70:30となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質とする一方、平面部相当部位の固体電解質を、質量比で、Li2S:P2S5=80:20となるようにLi2S及びP2S5を混合して作製した硫化物固体電解質とすることも可能である。そして、曲部相当部位の固体電解質が平面部相当部位の固体電解質よりも高密度で充填されるようにプレスの態様に差を設けてプレスした後、積層体を捲回して構造体を作製し、作製した構造体を外装材へと収容する過程を経て固体電池を製造することも可能である。かかる形態であっても、性能ばらつきを抑制した固体電池及びその製造方法を提供することができる。しかしながら、積層体を捲回する前に、曲部相当部位の固体電解質と平面部相当部位の固体電解質とを異なる形態にすると、積層体の作製が完了するまでの製造工程が複雑化しやすく、生産性が低下する虞がある。そこで、生産性を向上させやすい形態にする等の観点からは、積層体を捲回して構造体を作製した後、構造体の曲部のみを選択的に加熱して曲部に配設されている固体電解質を結晶化させる態様の製造工程とすることが好ましい。本発明において、構造体の曲部を加熱する際の温度及び時間は、目的とする電池性能を実現可能なように、適宜選択することができる。特に加熱温度については、温度によって得られる結晶相が異なるため、所望の導電率が得られるような結晶化温度を選択する必要がある。
また、本発明に関する上記説明では、積層体を捲回する過程を経て作製した充放電部が備えられる形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明の固体電池には、積層体を折りたたむ過程を経て作製した充放電部が備えられていても良い。このような形態の充放電部が備えられていても、曲部に配設される固体電解質と平面部に配設される固体電解質とを異なる形態にする(例えば、曲部には平面部に配設される固体電解質よりもイオン伝導抵抗が低い固体電解質を配設する)ことにより、性能ばらつきを抑制することが可能になる。
また、本発明に関する上記説明では、固体電解質層1、正極層2、及び、負極層3に、同一材料・同一組成の固体電解質を含有させる形態について言及したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明は、固体電解質層、正極層、及び、負極層のそれぞれに、異なる材料・組成の固体電解質を含有させた形態とすることも可能である。また、固体電解質層、正極層、及び、負極層の大きさ・厚さも、上記の形態に限定されるものではなく、目標とする電池性能が得られるように適宜設計することができる。なお、本発明において、外装材6、正極集電体7、及び、負極集電体8の形態は特に限定されるものではなく、捲回された固体電解質層又は折りたたまれた固体電解質層を有する固体電池で使用可能な公知の形態とすることができる。
また、本発明に関する上記説明では、負極層3の表面に固体電解質層1を形成する形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。固体電解質層1は正極層2の表面に形成することも可能である。また、本発明に関する上記説明では、正極層2と負極層3との間に固体電解質層1が配設されるように、正極層2、固体電解質層1、及び、負極層3を積層して積層体を形成した後に、積層体をプレスする形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明において、固体電解質層1、正極層2、及び、負極層3の作製方法は特に限定されるものではなく、所定の圧力でプレスする過程を経て固体電解質層1、正極層2、及び、負極層3を作製し、プレス過程を経て作製されたこれらの層を積層して積層体を形成しても良い。
また、本発明に関する上記説明では、固体電解質として硫化物固体電解質が用いられる場合を例示したが、本発明は当該形態に限定されるものではない。本発明では、電池に使用可能な公知の固体電解質を適宜用いることができる。
本発明の固体電池は、電気自動車やハイブリッド自動車用等に利用することができ、本発明の固体電池の製造方法は、電気自動車やハイブリッド自動車用等に利用される固体電池を製造する際に利用することができる。
1…固体電解質層
2…正極層
3…負極層
4…積層体
4a…曲部相当部位
4b…平面部相当部位
5…充放電部
5a…曲部
5b…平面部
6…外装材
7…正極集電体
8…負極集電体
9…正極端子
10…固体電池
11…負極端子
2…正極層
3…負極層
4…積層体
4a…曲部相当部位
4b…平面部相当部位
5…充放電部
5a…曲部
5b…平面部
6…外装材
7…正極集電体
8…負極集電体
9…正極端子
10…固体電池
11…負極端子
Claims (3)
- 固体電解質層と、該固体電解質層を挟持する正極層及び負極層と、を有する充放電部を備え、
前記充放電部は、曲部及び平面部を有し、
前記曲部に配設されている固体電解質と前記平面部に配設されている固体電解質とが異なることを特徴とする、固体電池。 - 前記曲部に配設されている前記固体電解質は、前記平面部に配設されている前記固体電解質よりも、イオン伝導抵抗が低いことを特徴とする、請求項1に記載の固体電池。
- 正極層と負極層との間に固体電解質層が配設されるように、前記正極層、前記固体電解質層、及び、前記負極層を積層して積層体を作製する積層体作製工程と、
作製された前記積層体を捲回する又は折りたたむことにより、曲部及び平面部を有する構造体を作製する構造体作製工程と、
作製された前記構造体の前記曲部に配設されている固体電解質を結晶化させる結晶化工程と、
を有することを特徴とする、固体電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010090060A JP2011222288A (ja) | 2010-04-09 | 2010-04-09 | 固体電池及びその製造方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011222288A true JP2011222288A (ja) | 2011-11-04 |
Family
ID=45039027
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111525178A (zh) * | 2019-02-05 | 2020-08-11 | 本田技研工业株式会社 | 二次电池 |
US11431030B2 (en) | 2019-04-24 | 2022-08-30 | Honda Motor Co., Ltd. | Solid state battery and solid state battery manufacturing method |
-
2010
- 2010-04-09 JP JP2010090060A patent/JP2011222288A/ja active Pending
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