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JP2011212954A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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JP2011212954A
JP2011212954A JP2010082677A JP2010082677A JP2011212954A JP 2011212954 A JP2011212954 A JP 2011212954A JP 2010082677 A JP2010082677 A JP 2010082677A JP 2010082677 A JP2010082677 A JP 2010082677A JP 2011212954 A JP2011212954 A JP 2011212954A
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Akinobu Chatani
明伸 茶谷
Yuji Sawa
裕治 澤
Taichi Watanabe
太一 渡邊
Satoshi Tsuda
悟司 津田
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

【課題】オフセット印刷用塗工紙の風合いをもち、顔料インク印字部の耐擦過性や印字品質に優れ、さらに圧着葉書加工にも適した、安価なインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、顔料及びバインダーを主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、インク受容層中の顔料はバインダー能を有する有機顔料を含む。
【選択図】なし

Description

本発明はオフセット印刷用塗工紙の風合いを持つインクジェット記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、フルカラー化が容易なことや印字騒音が少ない事などから、印字性能の急速な向上に伴って多くの用途に利用されてきている。これらの用途として、例えば、文書作成ソフトからの文書記録、デジタル写真などのデジタル画像の記録、銀塩写真や本などの美麗な印刷体をスキャナーで取り込んでの複製、比較的少枚数のポスターなどの展示用画像作成が挙げられる。
また、これらの用途毎に適した構成のインクジェット記録媒体が提案されており、例えば、単に文字を記録する場合は、紙上に直接記録する普通紙タイプの媒体が使用され、高い解像度と色再現性を得たい場合は、塗工層としてインク受容層を設けた塗工紙タイプの媒体が使用される。特に、銀塩写真に匹敵するような高い光沢度が要求される場合は、塗工タイプの塗工層をキャスト方式で形成したキャスト紙タイプの媒体などが使用される。
インクジェット記録方式の種々の分野への展開の一つとして、印刷分野が挙げられる。従来この分野では、主にオフセット方式が用いられてきたが、オフセット印刷方式は版を必要とし、製版、印刷の工程を経て印刷される。一方、インクジェット記録方式は、オフセット印刷方式と比較すると製版する必要がないため、少ロット印刷に容易に対応できると共に安価であり、一部毎に異なる可変情報を印刷することが可能となり、色調整等の印刷機の操作に熟練の技術を必要としない等のメリットがある。
ただし、従来の印刷物を代替することを考慮すると、インクジェットによる印字物にはオフセット印刷物と同等の風合いが求められる。また、オフセット印刷用紙には、マット調からグロス調まで白紙光沢度の違いにより区分されたグレードが存在するが、インクジェット記録用紙では、印刷物に高級感やインパクトを与えるグロス調塗工紙の製造が困難であった。
また、オフセット印刷の代替としてインクジェットを用いた場合には、印刷後もオフセット印刷と同等の品質を求められる。例えば、冊子として用いられる場合、製本機内を印刷物が移動することになるが、印字部の耐擦過性に劣ると印字部に傷が入る。そして、ニス糊等を塗布して圧着葉書として加工された場合、葉書を開いたときに印字部が反対面に転移しない事も求められる。これらの性能は、インクジェット記録媒体の塗工層強度を高めることにより良くなるが、塗工層強度を強くすることはインクの吸収性を低下させるという相反する性質を示す。
ところで、高品質なインクジェット記録画像を印字する場合、画像の色再現性の向上に伴ってプリンターからのインク吐出量が多くなるため、十分なインク吸収容量を有するインク受容層をインクジェット用紙に形成することが必要となる。このようなことから、インク受容層として、従来から合成非晶質シリカなどの多孔性物質が用いられる場合が多いが、この場合、インク吸収性は向上するものの光沢度が低く、質感もオフセット印刷物と異なるという問題がある。
又、インク受容層の光沢度を高めたキャスト紙タイプのインクジェット記録媒体の場合、一般のオフセット印刷用塗工紙と比べて光沢度が非常に高くなり、また用紙が厚手であるため、やはりオフセット印刷物と風合いが異なる。又、インク受容層は、高価な原料、例えばシリカ、アルミナ、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルエマルジョン、インク定着剤(ポリアミン系、DADMAC系、ポリアミジン系等)などを多量に用いているため、一般のオフセット印刷用塗工紙に比べ、製造原価が高い。
一方、カオリンや炭酸カルシウムを塗工層の顔料として含有する一般的なオフセット印刷用塗工紙に対し、インクジェットプリンターで印字を行うと、塗工層のインク吸収容量が低いためにフェザーリング(滲み)、ブリード(色境界滲み)、ベタ部の印字ムラ(印字部の濃度ムラ)、コックリング(印字部の波打ち)、コスレ(印字部の擦過キズ)といった現象が起きる。
これらの問題を解決するために、インクジェット記録媒体のインクと用紙の両方の側面から検討が行われている。
例えば、インク受容層を形成する顔料としてカオリンを90質量部以上含有し、前記カオリンのうち5〜15質量部のカオリンの平均粒径が1.5μm以上であるインクジェット記録用紙に印字するインクとして、顔料と親水性高分子化合物の割合を60/40〜95/5とするインクジェット用水性顔料インクが提案されている(特許文献1)。
又、風合いが一般コート紙に近いインクジェット記録媒体として、支持体表面にカオリン及び非晶質合成シリカを主に含有する下層側のインク受容層と、気相法アルミナを主な顔料とする上層側のインク受容層とを設けたものが開示されている(特許文献2)。
さらに、顔料インクのみならず染料インクへの適性が優れるインクジェット記録シートにおいて、インク受容層中にシリカ10〜90質量%と、炭酸カルシウム及び/またはカオリナイト90〜10質量%とを含有することが開示されている(特許文献3)。
又、記録層(インク受容層)中に、平均粒子径0.2〜2.0μmで、かつ1≦L/W≦50(Lは粒子の長径、Wは粒子の短径(厚み)を表す)を満足する顔料を有し、JIS−Z 8741による75°光沢度が40%以上であるインクジェット記録用塗工紙が開示されている(特許文献4)。
特開2004−91627号公報 特開2005−103827号公報 特開2005−297473号公報 特開2004−209965号公報
このように、一般的なオフセット印刷用塗工紙に風合いを近付けたインクジェット記録用紙にインクジェット記録することが検討されているが、いずれも充分な印字品質を得られていない。
例えば、特許文献1に開示された顔料インクは、白紙光沢度が低い記録用紙(マット調のインクジェット記録用紙)に印字する場合には、ある程度の印字部耐擦過性を得ることができるが、白紙光沢度が比較的高い記録用紙(グロス調のインクジェット記録用紙)に記録する場合に十分な耐擦過性を得ることが難しい。
また、特許文献2記載のインクジェット記録媒体の場合、インク受容層を2層にする必要があり生産性やコストの点で改善の余地がある。
特許文献3記載のインクジェット記録シートの場合、シリカと炭酸カルシウムおよび/又はカオリンをインク受容層中に併用するため、インク吸収性とオフセット印刷用塗工紙並みの高い光沢度とが両立できない。一方、特許文献4記載のインクジェット記録用塗工紙の場合、光沢度は高いもののインク吸収性や印字部分の耐擦過性が十分ではなく、塗工層強度も弱く圧着葉書加工に適さない。
従って本発明の目的は、オフセット印刷用塗工紙の風合いをもち、顔料インク印字部の耐擦過性や印字品質に優れ、さらに圧着葉書加工にも適した、安価なインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者らはインクジェット印刷に適し、オフセット印刷用塗工紙の風合いを得られるインクジェット記録媒体について鋭意検討した結果、インク受容層中に特定の有機顔料を配合することで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明のインクジェット記録媒体は、木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、顔料及びバインダーを主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層中の顔料はバインダー能を有する有機顔料を含む。
前記インク受容層中の顔料はカオリン及びゲル法シリカを含むことが好ましい。
前記バインダー能を有する有機顔料の直径が200〜600nmであることが好ましい。
前記バインダー能を有する有機顔料が、ガラス転移点が−100〜−20℃である樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものであると好ましい。
前記バインダー能を有する有機顔料が、ブタジエン系樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものであると好ましい。
本発明によれば、オフセット印刷用塗工紙の風合いを得られ、顔料インク印字部の耐擦過性や印字品質に優れ、さらに圧着葉書加工にも適した、安価なインクジェット記録媒体が得られる。
以下本発明のインクジェット記録媒体に係る実施形態について説明する。
(原紙)
原紙は木材パルプを主成分とする。原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等のパルプを単独または任意の割合で混合して使用することができる。
原紙の抄紙pHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
また、原紙中の填料量が増えると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、紙中に填料を含有させることは好ましい。填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。さらに、原紙には必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤等の助剤を含有しても良い。なお原紙の坪量は特に制限されない。
本発明においては、原紙に嵩高紙を用いることが好ましい。嵩高紙とは、一般用紙よりも低密度(0.5〜0.7g/cm程度)な紙であり、パルプスラリーに低密度化薬品を配合する、嵩高填料を配合する等、公知の方法で抄紙して得ることができる。
前記低密度化薬品としては、油脂系非イオン性界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコールの脂肪酸エステル等の多価アルコール型非イオン界面活性剤、高級アルコール、高級アルコール又は高級脂肪酸のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物、脂肪酸ポリアミドアミン、飽和脂肪酸モノアミド、脂肪族第4級アンモニウム塩などを低密度化薬品として例示することができる。特に飽和脂肪酸モノアミドを用いることが好ましい。
嵩高紙としては、特開2005−54331号公報に記載された中性嵩高紙が挙げられる。前記嵩高填料としては、例えば、特開2001−214395号公報に開示された無定型シリケート、および特開2003−49389号公報に開示された無機微粒子・シリカ複合凝集体粒子を用いることができる。嵩高紙を原紙に用いた場合、同じ坪量の一般紙を用いた場合と比較すると、紙の剛度が高く搬送性に優れる、寸法安定性が高くカール・コックリングが低減できる等の利点がある。
原紙にインク受容層を設ける前に、紙力増強やサイズ性付与などを目的とし、澱粉、ポリビニルアルコール、サイズ剤などから調成されたサイズプレス液を含浸または塗布しても良い。含浸または塗布の方法については特に制限されないが、ポンド式サイズプレスに代表される含浸法;又は、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、若しくはブレードコーターに代表される塗布法;で行われることが好ましい。また、該サイズプレス液を含浸、又は塗布する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて蛍光染料、導電剤、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の助剤を任意の割合で混合することができる。
(インク受容層)
1.インク受容層の顔料
インク受容層の顔料は、バインダー能を有する有機顔料を必須成分として含む。バインダー能を有する有機顔料としては、プラスチックピグメントの表面を改質してバインダー能力を付与したもの、コア/シェル構造を有するバインダーピグメント、又は澱粉粒子などが挙げられる。有機顔料の粒度分布が比較的揃っていること等の理由より、プラスチックピグメントの表面を改質したものが好ましい。
バインダー能を有する有機顔料の直径が200〜600nmであることが好ましい。直径が200nmより小さい場合、併用するシリカ等の無機顔料によって形成される空隙を有機顔料が埋めてしまい、インクの吸収性を低下させたり、シリカの1次粒子間の空隙に入り込みバインダー能力が低下することがある。また、直径が600nmより大きい場合、比表面積が小さくなり、バインダー能力が低下することがある。
バインダー能を有する有機顔料の配合割合は、インク受容層中の全顔料(有機顔料、及び後述する無機顔料を含む)の合計100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましく、6〜25質量部であることがより好ましく、7〜20質量部であることが最も好ましい。インク受容層中の無機顔料100質量部に対し、バインダー能を有する有機顔料を30質量部を超えて配合すると、高温に加熱されたカレンダーに通紙する際に有機顔料が溶融し、金属ロールに貼り付き、裂けや断紙トラブル等が発生する場合がある。
プラスチックピグメントとしては、密実型、中空型、またはコア−シェル型等のタイプを、必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。有機顔料の構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/またはメチルメタアクリレート等のモノマーを主成分とし、必要に応じてこれらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。この共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリル等のモノオレフィン系モノマー;及び酢酸ビニル等のモノマー;が例示される。
また、上記した主成分のモノマーや他のモノマーに加え、さらに、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマー類;ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等のオレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N―メトキシメチルアクリルアミド等のオレフィン系不飽和アミドモノマー類;ジビニルベンゼン等の二量体ビニルモノマー等を、一種または二種以上組み合わせて用いることができる。これらのモノマーは例示であり、共重合可能なモノマーであれば他のモノマーも使用することができる。これらの例として、日本ゼオン製V1004等が挙げられる。
これらのプラスチックピグメントにバインダー樹脂をコーティングすることにより表面を改質し、バインダー能力を発現することができる(以下、適宜「バインダーピグメント」と称する)。バインダー樹脂としては、紙の乾燥工程にて溶融しバインダー能力を発現しやすいガラス転移点−100〜−20℃である樹脂が好ましい。このような樹脂としてはブタジエン系樹脂、天然ゴム、アクリル系樹脂等が挙げられるが、接着力、塗料粘度上昇等を起こさない点からブタジエン系樹脂が好ましい。なお、バインダー樹脂をコーティングしたプラスチックピグメント全体のガラス転移点は40〜80℃であることが望ましい。例えば、日本ゼオン社製の、NIPOL−LX407BP、NIPOL−LX407BP9等が挙げられる。
コア/シェル構造を有するバインダーピグメントとしては、一般的には、2段階フィード重合で製造され芯(コア)と殻(シェル)とでポリマー組成が異なるコア/シェル構造を有するもので、コア部はプラスチックピグメントとしての機能を有し、シェル部はバインダーとしての機能を有している。本発明に用いるバインダーピグメントは、本質的に核とバインダー能力を有する表層との二重構造からなるものである。
コアを構成する粒子としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;塩化ビニル;及びアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸、イタコン酸モノブチルエステルなど不飽和カルボン酸又はその塩などがあり、これら単量体二種以上を用いても良い。
また、シェルを形成する重合体としては、ブタジエン芳香族ビニル化合物、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン酸及び不飽和酸アミドを含むブタジエン系共重合体であり、ブタジエンとスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチルエステルなどの不飽和カルボン酸又はその塩及びアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの不飽和酸アミド又はその誘導体との共重合体である。必要に応じて、アクリルニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン系ニトリル化合物;2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどの脂肪酸ジオレフィン化合物;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アミドエチルなどのアクリル酸エステルなどの少なくとも1種を更に共重合させることができる。
インク受容層中に、上記したバインダー能を有する有機顔料の他に、従来から紙の塗工顔料として用いられる顔料を配合することができる。これらの顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリンを含むクレー、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、シリカ、サチンホワイト等の無機顔料が挙げられる。これらの顔料は単独または複数混合して使用しても良い。
また、インク受容層の無機顔料としては、カオリン及びシリカを含むことが好ましい。カオリンはカオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナックライトといったカオリン鉱物を少なくとも1種類以上含む粘土であり、一般的なオフセット印刷用塗工紙に使用される公知のカオリンであればいかなるものを用いて良い。カオリンとしては、例えば、ジョージア産、ブラジル産、中国産等の産地のものや、1級、2級、デラミ等のグレードのものが存在するが、カオリンの産地やグレードはこれらに限定されない。又、1種類または2種類以上のカオリンを混合したものを適宜選択して顔料として使用することができる。
また、インク受容層の無機顔料、有機顔料を含む全ての顔料に対し、上記したカオリンを50質量%以上含有することが好ましく、更に好ましくはカオリンを70重量%以上含有する。理由として、カオリンの形状は板状であり、配合量が多いほど白紙や印刷物の光沢度を高くしやすい傾向がある。この為、配合量が多いほどカレンダー処理線圧を低くすることができ、インク吸収に有効な塗工層の空隙を維持しやすいためである。
上記したカオリンの平均粒子径をレーザー回折法により測定したとき、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の換算値で64%以上を占めることが好ましい。これは、粒度分布が上記範囲に集中していると、粒度分布の幅が狭く、粒子径が揃っているため、顔料粒子の充填密度が低く、ポーラスで嵩高なインク受容層を形成できるからと考えられる。ポーラスなインク受容層は、顔料の充填状態が密なインク受容層よりもインク吸収性に優れる。
一方、上記粒度分布を持つカオリンに代えて、平均粒子径をレーザー回折法により測定したとき、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で64%未満となる粒度分布を有するカオリンを用いた場合、カオリンの粒度分布がブロードであるため、インク受容層中にカオリンが細密充填され、インク吸収性が低下する。
ここで、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で64%未満であり、かつ0.4μm未満の粒子を多く含むカオリンを使用した場合、インク受容層が密となるためインク吸収性が低下する。
又、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で64%未満であり、かつ4.2μm以上の粒子を多く含むカオリンを使用した場合、インク受容層の塗工表面に形成される細孔の数が少なくなるため、インクの吸収チャンネルが減り、インクの吸収性が劣る。さらに、このような粒子を用いると塗工表面の平滑性が悪化するため、所望の白紙光沢度を得るために強力なカレンダー処理を行わなければならず、塗工層中の空隙が減少してインク吸収性が劣る。
レーザー回折法による粒度分布の測定は、光の散乱現象を利用したものであり、ミー(Mie)理論とフラウンホーファー近似式により求められる。但し、粒度測定機によって散乱光から粒度分布を算定する方法が異なるため、本発明においては、レーザー法粒度測定機(マルバーン社製マスターサイザーS型、光源は赤色光が633nm(He−Neレーザー)、青色光が466nm(LED))によって測定した値を使用する。
又、粒度分布の測定方法は、純水中にカオリンを含む試料スラリーを滴下混合して均一分散体としたものをサンプルに用いる。
また、インク受容層の顔料として使用するシリカは、ゲル法シリカが好ましい。本発明において「ゲル法シリカ」とは、ケイ酸ナトリウムと鉱酸(通常は硫酸)の中和反応を酸性のpH領域で進行させることにより、一次粒子の成長を抑えた状態で凝集を起こして得られる湿式法合成非晶質シリカ微粒子を言う。ゲル法シリカは沈降法シリカ(ケイ酸ナトリウムと鉱酸の中和反応をアルカリ性のpH領域で進行させて製造)に比較して、凝集後の反応時間が長く、一次粒子間結合が強く、また、細孔容積が大きくなる傾向にある。このためインク吸収性・耐擦過性能に優れる。
ゲル法シリカの平均二次粒子径は、目標とする白紙光沢度によって変更することができ、白紙光沢度が40%以上の高いレベルを目標とする場合には、平均二次粒子径が0.5μm以上4μm以下であることが好ましい。ゲル法シリカの平均二次粒子径が4μmを超えると、得られるインクジェット記録媒体の平滑性や光沢感が低くなるが、マット調を目標とする場合には問題は少ない。一方、ゲル法シリカの平均二次粒子径が0.5μm未満の場合にはインク吸収性が低下したり、顔料を分散する際に塗料粘度が増大して塗料の分散性が悪化することがある。上述したゲル法シリカの平均二次粒子径は、コールターカウンター法で測定することができる。コールターカウンター法は、細孔を通過するサンプル粒子の電気抵抗を検出するものであり、ベックマンコールター社の商品名マルチサイザー3を用いることができる。
ゲル法シリカの吸油量については特に制限を設けないが、150ml/100g以上500ml/100g以下であることが好ましく、200ml/100g以上400ml/100g以下であることがより好ましい。吸油量が150ml/100g未満であると、インク受容層のインクを保持する能力が十分でなく、印字部の耐擦過性やインク吸収性が劣る場合がある。吸油量が500ml/100gを超えると、顔料を分散する際、塗料粘度が増大して塗料の分散性が悪化する場合がある。
なお、吸油量の測定はJIS−K 5101に定められた方法で行うことができる。
インク受容層中の無機、有機を含む全ての顔料に対し、ゲル法シリカを8〜30質量%含有することが好ましい。ゲル法シリカの含有量が8質量%より少ない場合には、目的とするインク吸収性や耐擦過性の性能が得られにくい。また、ゲル法シリカの含有量が30質量%より多いと、インクの浸透が過剰となり発色性が悪化したり、ムラが発生する可能性がある。さらに、ゲル法シリカの配合割合が増えるに伴い、オフセット印刷用紙の風合いから遠ざかる傾向にあると共に、高い光沢度が得られ難くなってグロス調の記録用紙を得ることが困難となる傾向にある。また、ゲル法シリカの配合割合が30質量%を超えると、シリカの高い吸水性が起因となり、塗料の固形分が低くなって乾燥負荷の増大、生産速度の低下など、操業上不利となることがある。
2.インク受容層のバインダー
インク受容層に用いるバインダーとしては、一般的なオフセット印刷用塗工紙に使用される公知のバインダーであればいかなるものも用いて良い。バインダーとしては、例えば酸化澱粉やエーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;スチレン・ブタジエン共重合体(SB)ラテックスやアクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NB)ラテックス等のラテックス類;ポリビニルアルコール及びその変性物;カゼイン;ゼラチン;カルボキシメチルセルロース;ポリウレタン;酢酸ビニル;及び不飽和ポリエステル樹脂等のバインダーの中から1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
インク受容層用塗料(塗工液)の流動性や塗工適性の観点から、ラテックス類、澱粉類、またはそれらの混合物をバインダーに用いることが好ましい。
インク受容層に含まれる全ての顔料の合計100質量部に対し、バインダーの割合が3.5質量部以上30質量部以下であることが好ましく、4質量部以上15質量部未満であることがさらに好ましい。バインダーの含有量が3.5質量部未満の場合、インク受容層の強度が不足する傾向にある。特に、後糊圧着葉書加工された場合に、葉書を開くときにピッキングと呼ばれる塗工層の破壊が発生し好ましくない。一方、バインダーの含有量が30質量部を超えると、インク受容層中に存在する空隙がバインダーによって満たされ、インクの吸収容量が少なくなるため、良好な印字品質を得ることが困難となる傾向にある。
(その他の成分)
インク受容層には、その他必要に応じて、顔料分散剤、増粘剤、保水剤、滑剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、防腐剤、耐水化剤、界面活性剤、pH調整剤等の助剤を適宜添加することができる。
(塗工量)
インク受容層の塗工量は特に制限を設けないが、片面あたり1g/m以上40g/m未満であることが好ましく、特に片面あたり4g/m以上30g/m未満であることが好ましい。塗工量が多いほどインク受容層の空隙量も多くなるため、インク吸収性が良好となる。
インク受容層の塗工量が片面あたり1g/m未満の場合、基材となる原紙を充分に被覆することができないため、塗工紙表面にガサつきが残り、非塗工紙に似た風合いを帯び、本発明が所望する白紙光沢度を得ることが困難となり、目的としたオフセット印刷用塗工紙の風合いを持つインクジェット記録媒体を得ることができ難い。また、インク受容層の塗工量が片面あたり1g/m未満の場合、インク受容層の吸収容量も充分ではないため、フェザーリングやブリードといった印字不良を起こしやすい。一方、インク受容層の塗工量が片面あたり40g/m以上になると、インク受容層塗工時の乾燥負荷が大きいため、作業性が劣り、また高コストとなる。
(塗工方法)
原紙上にインク受容層を設ける方法としては、一般的な塗工装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレス等の各種装置を、オンマシンまたはオフマシンで使用することができる。
また、インク受容層は、原紙の片面又は両面に設けて良く、1層又は2層以上設けても良い。本発明においてはインク受容層が1層であっても充分な性能が得られるため、コストを低減する点からインク受容層を1層のみ設けることが好ましい。
また、塗工紙の平滑性を向上させるために、インク受容層と原紙の間に、一般のオフセット印刷用塗工紙で使用されるようなプレコート層を設けても良い。この際、インク受容層が最表層に存在することが必須である。
JIS Z 8741による、インク受容層表面の光入射角75度の白紙光沢度は特に制限されず、インクジェット記録媒体の用途に応じて適宜設定することが出来る。例えば、オフセット印刷用のグロス調塗工紙の風合いを付与するためには、75度白紙光沢度が55%以上85%以下であることが好ましい。オフセット印刷用のマット調塗工紙の風合いを付与するためには、75度白紙光沢度が20%以上55%未満であることが好ましい。
白紙光沢度の調整は、インク受容層を設けた後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、シューカレンダー等のカレンダー装置を用い、カレンダーの処理温度、処理速度、処理線圧、処理段数、ロールの径、および材質等の条件を適宜調整して処理することにより行うことができる。
また、オフセット印刷用のマット調塗工紙の風合いを付与する場合、カレンダー処理を行わなくてもよい。
なお、本発明のインクジェット記録媒体は、インクジェットプリンターのみならず、電子写真プリンターにも使用することができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
(原紙の作製)
広葉樹漂白クラフトパルプ(カナダ標準濾水度400ml)に対し、カチオン化澱粉を対パルプ0.5%添加し、アルキルケテンダイマーを対パルプ0.05%添加し、硫酸バンドを対パルプ2%添加し、炭酸カルシウムを対パルプ12%添加し、低密度化薬品として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(製品名:KB−115、花王社製)0.3部を添加し、紙料とした。この紙料を用いてオントップツインワイヤー抄紙機で紙匹を形成し、3段のウェットプレスを行い乾燥した。この後、2ロールサイズプレスコーターにて10質量%濃度の酸化澱粉水溶液を両面で固形分として4g/mとなるように紙匹に塗布して再び乾燥し、坪量80g/mの原紙を得た。
[実施例1]
カオリン(製品名:Capim DG、イメリス社製、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の換算値で68.4%)70部、ゲル法シリカ(製品名:NIPGEL AY−200、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.8μm)15部、バインダー能を有する有機顔料(製品名:NIPOL−LX407BP9、日本ゼオン社製、平均粒子径200nm、主組成分:スチレン、ブタジエン、ガラス転移点:70℃)15部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)4部及びヒドロキシエチルエーテル化澱粉(製品名:PG295、ペンフォード社製)4部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分55%の塗料を得た。
この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量14g/mとなるようにして、上記原紙の両面に塗工した。尚、この時の塗工速度は500m/minであった。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
[実施例2]
実施例1の塗料中の有機顔料の配合量を20部としたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
[実施例3]
実施例1の塗料中の有機顔料の配合量を35部としたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
[実施例4]
実施例1の塗料中の有機顔料の配合量を4部としたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が45%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
尚、実施例4の場合、スーパーカレンダーの最大線圧にて処理をしたが、白紙光沢度を60%にすることはできなかった。
[実施例5]
実施例1の塗料中のカオリンの配合量を85部に変更し、シリカを配合しなかったこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
[実施例6]
実施例1の塗料中のカオリンの配合量を30部に変更し、さらに微粒重質炭酸カルシウム(製品名:FMT−97、ファイマテック社製)を40部配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
[比較例1]
実施例1の塗料中の有機顔料を配合せず、カオリンの配合量を85部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が30%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
尚、比較例1の塗工紙はスーパーカレンダーの最大線圧にて処理をした。
[比較例2]
実施例1の塗料中の有機顔料を密実プラスチックピグメント(製品名:NIPOL−V1004、日本ゼオン社製、主組成分:スチレン、ガラス転移点:80℃)15部に変えたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
なお、上記密実プラスチックピグメントはバインダ能を有しなかった。
[比較例3]
SBラテックスの配合量を6部に変更したこと以外は、比較例2とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
各実施例、比較例で得られたインクジェット記録媒体について、下記の評価を行った。
<評価方法>
1.白紙品質(白紙光沢度)
JIS Z8741に準じて、光沢度計(製品名:True GLOSS GM−26PRO、村上色彩技術研究所製)を用い、インク受容層表面に対し光入射角75度の白紙光沢度を測定した。
2.インクジェット印字品質
市販の顔料インクジェットプリンター(製品名:GP−700、セイコーエプソン社製)で印字を行い、以下の評価方法に準じて印字評価した。
2−1.乾燥性(インク吸収性)
上記プリンター(写真用紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を印字し、印字10分後に指で擦り、以下の基準で乾燥性を評価した。
○:指で擦っても印字部が殆ど延びず、インク吸収速度が速く、良好なレベルである。
△:指で擦ると印字部が若干延び、ややインク吸収速度が遅いが、実用上問題の無いレベルである。
×:指で擦ると印字部が延び、インク吸収速度が遅く、実用に耐えないレベルである。
2−2.印字部の耐擦過性
上記プリンター(写真用紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を5本並べて印字し、印字10分後及び5時間後に乾いた綿棒で擦り、以下の基準で耐擦過性を評価した。
○:綿棒で擦ってもインクが剥がれず、良好なレベルである。
△:綿棒で擦るとインクが若干剥がれるが、実用上問題の無いレベルである。
×:綿棒で擦るとインクが剥がれ、実用に耐えないレベルである。
2−3.色間の境界滲み
上記プリンター(写真用紙/きれいモード)にて、黄色べた部内に黒文字が入るパターンを印字し、目視で文字の滲みを評価した。
○:全く滲んでおらず、良好なレベルである。
△:若干黄色ベタ部に滲んでいるが、実用上問題の無いレベルである。
×:ひどく滲んでいて、実用に耐えないレベルである。
2−4.オフセット印刷用塗工紙の風合い
上記プリンターにて所定のパターンをインクジェット印字した。これと同一のパターンをオフセット印刷用塗工紙(製品名:オーロラコート、日本製紙社製、坪量104.7g/m)にオフセット印刷した。各インクジェット印刷物の見た目や手触り等の質感をオフセット印刷物と比較し、以下の基準で評価した。
○:見た目や手触り等の質感がオフセット印刷用塗工紙に近く、オフセット印刷物の風合いを有している。
×:見た目や手触り等の質感がオフセット印刷用塗工紙と異なり、オフセット印刷物の風合いを有していない。
2−5.後糊圧着適性
上記プリンターにて所定のパターンをインクジェット印字した。この印字部上にメンディングテープを貼り付け、ゴムローラーで10往復擦って接着後、テープを剥がした。剥離後、印字部の残存度合いを以下の基準で評価した。
○:殆どテープによる印字部の剥離がおきていない。
△:若干剥離しているが、実用上問題ないレベルである。
×:殆どがテープに転移する、または塗工層破壊が起き、実用上問題となる。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2011212954
表1から明らかなように、各実施例の場合、画像の耐擦過性が良好で、インク吸収性にも優れ、種々の品質をバランスよく満足したとともに、オフセット印刷用塗工紙の風合いも得られ、後糊圧着加工といった後加工適性も得られた。但し、バインダー能を有する有機顔料の配合量が30部を超えた実施例3の場合、カレンダー処理の時にロールに若干貼り付き、配合量が5部未満である実施例4の場合、白紙光沢度を60%まで向上させることができなかった。このようなことから、バインダー能を有する有機顔料の配合量を5〜30部とすると好ましい。
一方、有機顔料を含まない比較例1、及びバインダー能を有しない有機顔料を含む比較例2の場合、後糊圧着加工適性が大幅に劣った。
又、バインダー能を有しない有機顔料を含むが、後糊圧着性を改善するためにSBラテックス量を増やした比較例3の場合、後糊圧着加工適性は向上したものの、インク吸収性(乾燥性)が大幅に劣った。

Claims (5)

  1. 木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、顔料及びバインダーを主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層中の顔料はバインダー能を有する有機顔料を含むインクジェット記録媒体。
  2. 前記インク受容層中の顔料はカオリン及びゲル法シリカを含む請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記バインダー能を有する有機顔料の直径が200〜600nmである請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記バインダー能を有する有機顔料が、ガラス転移点が−100〜−20℃である樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものである請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
  5. 前記バインダー能を有する有機顔料が、ブタジエン系樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものである請求項4記載のインクジェット記録媒体。
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