JP2011212954A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、顔料及びバインダーを主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、インク受容層中の顔料はバインダー能を有する有機顔料を含む。
【選択図】なし
Description
また、これらの用途毎に適した構成のインクジェット記録媒体が提案されており、例えば、単に文字を記録する場合は、紙上に直接記録する普通紙タイプの媒体が使用され、高い解像度と色再現性を得たい場合は、塗工層としてインク受容層を設けた塗工紙タイプの媒体が使用される。特に、銀塩写真に匹敵するような高い光沢度が要求される場合は、塗工タイプの塗工層をキャスト方式で形成したキャスト紙タイプの媒体などが使用される。
また、オフセット印刷の代替としてインクジェットを用いた場合には、印刷後もオフセット印刷と同等の品質を求められる。例えば、冊子として用いられる場合、製本機内を印刷物が移動することになるが、印字部の耐擦過性に劣ると印字部に傷が入る。そして、ニス糊等を塗布して圧着葉書として加工された場合、葉書を開いたときに印字部が反対面に転移しない事も求められる。これらの性能は、インクジェット記録媒体の塗工層強度を高めることにより良くなるが、塗工層強度を強くすることはインクの吸収性を低下させるという相反する性質を示す。
又、インク受容層の光沢度を高めたキャスト紙タイプのインクジェット記録媒体の場合、一般のオフセット印刷用塗工紙と比べて光沢度が非常に高くなり、また用紙が厚手であるため、やはりオフセット印刷物と風合いが異なる。又、インク受容層は、高価な原料、例えばシリカ、アルミナ、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルエマルジョン、インク定着剤(ポリアミン系、DADMAC系、ポリアミジン系等)などを多量に用いているため、一般のオフセット印刷用塗工紙に比べ、製造原価が高い。
例えば、インク受容層を形成する顔料としてカオリンを90質量部以上含有し、前記カオリンのうち5〜15質量部のカオリンの平均粒径が1.5μm以上であるインクジェット記録用紙に印字するインクとして、顔料と親水性高分子化合物の割合を60/40〜95/5とするインクジェット用水性顔料インクが提案されている(特許文献1)。
又、風合いが一般コート紙に近いインクジェット記録媒体として、支持体表面にカオリン及び非晶質合成シリカを主に含有する下層側のインク受容層と、気相法アルミナを主な顔料とする上層側のインク受容層とを設けたものが開示されている(特許文献2)。
さらに、顔料インクのみならず染料インクへの適性が優れるインクジェット記録シートにおいて、インク受容層中にシリカ10〜90質量%と、炭酸カルシウム及び/またはカオリナイト90〜10質量%とを含有することが開示されている(特許文献3)。
又、記録層(インク受容層)中に、平均粒子径0.2〜2.0μmで、かつ1≦L/W≦50(Lは粒子の長径、Wは粒子の短径(厚み)を表す)を満足する顔料を有し、JIS−Z 8741による75°光沢度が40%以上であるインクジェット記録用塗工紙が開示されている(特許文献4)。
例えば、特許文献1に開示された顔料インクは、白紙光沢度が低い記録用紙(マット調のインクジェット記録用紙)に印字する場合には、ある程度の印字部耐擦過性を得ることができるが、白紙光沢度が比較的高い記録用紙(グロス調のインクジェット記録用紙)に記録する場合に十分な耐擦過性を得ることが難しい。
また、特許文献2記載のインクジェット記録媒体の場合、インク受容層を2層にする必要があり生産性やコストの点で改善の余地がある。
特許文献3記載のインクジェット記録シートの場合、シリカと炭酸カルシウムおよび/又はカオリンをインク受容層中に併用するため、インク吸収性とオフセット印刷用塗工紙並みの高い光沢度とが両立できない。一方、特許文献4記載のインクジェット記録用塗工紙の場合、光沢度は高いもののインク吸収性や印字部分の耐擦過性が十分ではなく、塗工層強度も弱く圧着葉書加工に適さない。
すなわち、本発明のインクジェット記録媒体は、木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、顔料及びバインダーを主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層中の顔料はバインダー能を有する有機顔料を含む。
前記バインダー能を有する有機顔料の直径が200〜600nmであることが好ましい。
前記バインダー能を有する有機顔料が、ガラス転移点が−100〜−20℃である樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものであると好ましい。
前記バインダー能を有する有機顔料が、ブタジエン系樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものであると好ましい。
(原紙)
原紙は木材パルプを主成分とする。原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラウンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミカルサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等のパルプを単独または任意の割合で混合して使用することができる。
原紙の抄紙pHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
また、原紙中の填料量が増えると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、紙中に填料を含有させることは好ましい。填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。さらに、原紙には必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤、pH調整剤等の助剤を含有しても良い。なお原紙の坪量は特に制限されない。
前記低密度化薬品としては、油脂系非イオン性界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコールの脂肪酸エステル等の多価アルコール型非イオン界面活性剤、高級アルコール、高級アルコール又は高級脂肪酸のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイド付加物、脂肪酸ポリアミドアミン、飽和脂肪酸モノアミド、脂肪族第4級アンモニウム塩などを低密度化薬品として例示することができる。特に飽和脂肪酸モノアミドを用いることが好ましい。
嵩高紙としては、特開2005−54331号公報に記載された中性嵩高紙が挙げられる。前記嵩高填料としては、例えば、特開2001−214395号公報に開示された無定型シリケート、および特開2003−49389号公報に開示された無機微粒子・シリカ複合凝集体粒子を用いることができる。嵩高紙を原紙に用いた場合、同じ坪量の一般紙を用いた場合と比較すると、紙の剛度が高く搬送性に優れる、寸法安定性が高くカール・コックリングが低減できる等の利点がある。
1.インク受容層の顔料
インク受容層の顔料は、バインダー能を有する有機顔料を必須成分として含む。バインダー能を有する有機顔料としては、プラスチックピグメントの表面を改質してバインダー能力を付与したもの、コア/シェル構造を有するバインダーピグメント、又は澱粉粒子などが挙げられる。有機顔料の粒度分布が比較的揃っていること等の理由より、プラスチックピグメントの表面を改質したものが好ましい。
バインダー能を有する有機顔料の配合割合は、インク受容層中の全顔料(有機顔料、及び後述する無機顔料を含む)の合計100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましく、6〜25質量部であることがより好ましく、7〜20質量部であることが最も好ましい。インク受容層中の無機顔料100質量部に対し、バインダー能を有する有機顔料を30質量部を超えて配合すると、高温に加熱されたカレンダーに通紙する際に有機顔料が溶融し、金属ロールに貼り付き、裂けや断紙トラブル等が発生する場合がある。
また、上記した主成分のモノマーや他のモノマーに加え、さらに、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等のオレフィン系不飽和カルボン酸モノマー類;ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等のオレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、N―メトキシメチルアクリルアミド等のオレフィン系不飽和アミドモノマー類;ジビニルベンゼン等の二量体ビニルモノマー等を、一種または二種以上組み合わせて用いることができる。これらのモノマーは例示であり、共重合可能なモノマーであれば他のモノマーも使用することができる。これらの例として、日本ゼオン製V1004等が挙げられる。
また、インク受容層の無機顔料、有機顔料を含む全ての顔料に対し、上記したカオリンを50質量%以上含有することが好ましく、更に好ましくはカオリンを70重量%以上含有する。理由として、カオリンの形状は板状であり、配合量が多いほど白紙や印刷物の光沢度を高くしやすい傾向がある。この為、配合量が多いほどカレンダー処理線圧を低くすることができ、インク吸収に有効な塗工層の空隙を維持しやすいためである。
一方、上記粒度分布を持つカオリンに代えて、平均粒子径をレーザー回折法により測定したとき、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で64%未満となる粒度分布を有するカオリンを用いた場合、カオリンの粒度分布がブロードであるため、インク受容層中にカオリンが細密充填され、インク吸収性が低下する。
又、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の積算値で64%未満であり、かつ4.2μm以上の粒子を多く含むカオリンを使用した場合、インク受容層の塗工表面に形成される細孔の数が少なくなるため、インクの吸収チャンネルが減り、インクの吸収性が劣る。さらに、このような粒子を用いると塗工表面の平滑性が悪化するため、所望の白紙光沢度を得るために強力なカレンダー処理を行わなければならず、塗工層中の空隙が減少してインク吸収性が劣る。
又、粒度分布の測定方法は、純水中にカオリンを含む試料スラリーを滴下混合して均一分散体としたものをサンプルに用いる。
なお、吸油量の測定はJIS−K 5101に定められた方法で行うことができる。
インク受容層に用いるバインダーとしては、一般的なオフセット印刷用塗工紙に使用される公知のバインダーであればいかなるものも用いて良い。バインダーとしては、例えば酸化澱粉やエーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;スチレン・ブタジエン共重合体(SB)ラテックスやアクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NB)ラテックス等のラテックス類;ポリビニルアルコール及びその変性物;カゼイン;ゼラチン;カルボキシメチルセルロース;ポリウレタン;酢酸ビニル;及び不飽和ポリエステル樹脂等のバインダーの中から1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
インク受容層用塗料(塗工液)の流動性や塗工適性の観点から、ラテックス類、澱粉類、またはそれらの混合物をバインダーに用いることが好ましい。
インク受容層には、その他必要に応じて、顔料分散剤、増粘剤、保水剤、滑剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、防腐剤、耐水化剤、界面活性剤、pH調整剤等の助剤を適宜添加することができる。
インク受容層の塗工量は特に制限を設けないが、片面あたり1g/m2以上40g/m2未満であることが好ましく、特に片面あたり4g/m2以上30g/m2未満であることが好ましい。塗工量が多いほどインク受容層の空隙量も多くなるため、インク吸収性が良好となる。
インク受容層の塗工量が片面あたり1g/m2未満の場合、基材となる原紙を充分に被覆することができないため、塗工紙表面にガサつきが残り、非塗工紙に似た風合いを帯び、本発明が所望する白紙光沢度を得ることが困難となり、目的としたオフセット印刷用塗工紙の風合いを持つインクジェット記録媒体を得ることができ難い。また、インク受容層の塗工量が片面あたり1g/m2未満の場合、インク受容層の吸収容量も充分ではないため、フェザーリングやブリードといった印字不良を起こしやすい。一方、インク受容層の塗工量が片面あたり40g/m2以上になると、インク受容層塗工時の乾燥負荷が大きいため、作業性が劣り、また高コストとなる。
原紙上にインク受容層を設ける方法としては、一般的な塗工装置である、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレス等の各種装置を、オンマシンまたはオフマシンで使用することができる。
また、インク受容層は、原紙の片面又は両面に設けて良く、1層又は2層以上設けても良い。本発明においてはインク受容層が1層であっても充分な性能が得られるため、コストを低減する点からインク受容層を1層のみ設けることが好ましい。
また、塗工紙の平滑性を向上させるために、インク受容層と原紙の間に、一般のオフセット印刷用塗工紙で使用されるようなプレコート層を設けても良い。この際、インク受容層が最表層に存在することが必須である。
白紙光沢度の調整は、インク受容層を設けた後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、シューカレンダー等のカレンダー装置を用い、カレンダーの処理温度、処理速度、処理線圧、処理段数、ロールの径、および材質等の条件を適宜調整して処理することにより行うことができる。
また、オフセット印刷用のマット調塗工紙の風合いを付与する場合、カレンダー処理を行わなくてもよい。
なお、本発明のインクジェット記録媒体は、インクジェットプリンターのみならず、電子写真プリンターにも使用することができる。
(原紙の作製)
広葉樹漂白クラフトパルプ(カナダ標準濾水度400ml)に対し、カチオン化澱粉を対パルプ0.5%添加し、アルキルケテンダイマーを対パルプ0.05%添加し、硫酸バンドを対パルプ2%添加し、炭酸カルシウムを対パルプ12%添加し、低密度化薬品として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(製品名:KB−115、花王社製)0.3部を添加し、紙料とした。この紙料を用いてオントップツインワイヤー抄紙機で紙匹を形成し、3段のウェットプレスを行い乾燥した。この後、2ロールサイズプレスコーターにて10質量%濃度の酸化澱粉水溶液を両面で固形分として4g/m2となるように紙匹に塗布して再び乾燥し、坪量80g/m2の原紙を得た。
カオリン(製品名:Capim DG、イメリス社製、0.4μm以上4.2μm未満の粒子が体積基準の換算値で68.4%)70部、ゲル法シリカ(製品名:NIPGEL AY−200、東ソーシリカ社製、平均二次粒子径1.8μm)15部、バインダー能を有する有機顔料(製品名:NIPOL−LX407BP9、日本ゼオン社製、平均粒子径200nm、主組成分:スチレン、ブタジエン、ガラス転移点:70℃)15部、バインダーとなるSBラテックス(ガラス転移温度15℃)4部及びヒドロキシエチルエーテル化澱粉(製品名:PG295、ペンフォード社製)4部、水酸化ナトリウム0.2部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部及び希釈水を混合して固形分55%の塗料を得た。
この塗料を、ブレードコーターを用いて片面あたり塗工量14g/m2となるようにして、上記原紙の両面に塗工した。尚、この時の塗工速度は500m/minであった。塗工後、紙中水分率5%となるまで乾燥し、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1の塗料中の有機顔料の配合量を20部としたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1の塗料中の有機顔料の配合量を35部としたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1の塗料中の有機顔料の配合量を4部としたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が45%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
尚、実施例4の場合、スーパーカレンダーの最大線圧にて処理をしたが、白紙光沢度を60%にすることはできなかった。
実施例1の塗料中のカオリンの配合量を85部に変更し、シリカを配合しなかったこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1の塗料中のカオリンの配合量を30部に変更し、さらに微粒重質炭酸カルシウム(製品名:FMT−97、ファイマテック社製)を40部配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1の塗料中の有機顔料を配合せず、カオリンの配合量を85部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が30%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
尚、比較例1の塗工紙はスーパーカレンダーの最大線圧にて処理をした。
実施例1の塗料中の有機顔料を密実プラスチックピグメント(製品名:NIPOL−V1004、日本ゼオン社製、主組成分:スチレン、ガラス転移点:80℃)15部に変えたこと以外は、実施例1とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
なお、上記密実プラスチックピグメントはバインダ能を有しなかった。
SBラテックスの配合量を6部に変更したこと以外は、比較例2とまったく同様にして、JIS−Z 8741に基づく光入射角75度の白紙光沢度が60%となるようにスーパーカレンダー処理し、インクジェット記録媒体を得た。
<評価方法>
1.白紙品質(白紙光沢度)
JIS Z8741に準じて、光沢度計(製品名:True GLOSS GM−26PRO、村上色彩技術研究所製)を用い、インク受容層表面に対し光入射角75度の白紙光沢度を測定した。
市販の顔料インクジェットプリンター(製品名:GP−700、セイコーエプソン社製)で印字を行い、以下の評価方法に準じて印字評価した。
2−1.乾燥性(インク吸収性)
上記プリンター(写真用紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を印字し、印字10分後に指で擦り、以下の基準で乾燥性を評価した。
○:指で擦っても印字部が殆ど延びず、インク吸収速度が速く、良好なレベルである。
△:指で擦ると印字部が若干延び、ややインク吸収速度が遅いが、実用上問題の無いレベルである。
×:指で擦ると印字部が延び、インク吸収速度が遅く、実用に耐えないレベルである。
2−2.印字部の耐擦過性
上記プリンター(写真用紙/きれいモード)にて1.5ポイントの太さの黒色直線を5本並べて印字し、印字10分後及び5時間後に乾いた綿棒で擦り、以下の基準で耐擦過性を評価した。
○:綿棒で擦ってもインクが剥がれず、良好なレベルである。
△:綿棒で擦るとインクが若干剥がれるが、実用上問題の無いレベルである。
×:綿棒で擦るとインクが剥がれ、実用に耐えないレベルである。
上記プリンター(写真用紙/きれいモード)にて、黄色べた部内に黒文字が入るパターンを印字し、目視で文字の滲みを評価した。
○:全く滲んでおらず、良好なレベルである。
△:若干黄色ベタ部に滲んでいるが、実用上問題の無いレベルである。
×:ひどく滲んでいて、実用に耐えないレベルである。
2−4.オフセット印刷用塗工紙の風合い
上記プリンターにて所定のパターンをインクジェット印字した。これと同一のパターンをオフセット印刷用塗工紙(製品名:オーロラコート、日本製紙社製、坪量104.7g/m2)にオフセット印刷した。各インクジェット印刷物の見た目や手触り等の質感をオフセット印刷物と比較し、以下の基準で評価した。
○:見た目や手触り等の質感がオフセット印刷用塗工紙に近く、オフセット印刷物の風合いを有している。
×:見た目や手触り等の質感がオフセット印刷用塗工紙と異なり、オフセット印刷物の風合いを有していない。
上記プリンターにて所定のパターンをインクジェット印字した。この印字部上にメンディングテープを貼り付け、ゴムローラーで10往復擦って接着後、テープを剥がした。剥離後、印字部の残存度合いを以下の基準で評価した。
○:殆どテープによる印字部の剥離がおきていない。
△:若干剥離しているが、実用上問題ないレベルである。
×:殆どがテープに転移する、または塗工層破壊が起き、実用上問題となる。
得られた結果を表1に示す。
又、バインダー能を有しない有機顔料を含むが、後糊圧着性を改善するためにSBラテックス量を増やした比較例3の場合、後糊圧着加工適性は向上したものの、インク吸収性(乾燥性)が大幅に劣った。
Claims (5)
- 木材パルプを主成分とする原紙の片面又は両面に、顔料及びバインダーを主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層中の顔料はバインダー能を有する有機顔料を含むインクジェット記録媒体。
- 前記インク受容層中の顔料はカオリン及びゲル法シリカを含む請求項1記載のインクジェット記録媒体。
- 前記バインダー能を有する有機顔料の直径が200〜600nmである請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体。
- 前記バインダー能を有する有機顔料が、ガラス転移点が−100〜−20℃である樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものである請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
- 前記バインダー能を有する有機顔料が、ブタジエン系樹脂をプラスチックピグメントにコーティングしたものである請求項4記載のインクジェット記録媒体。
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