JP2011253846A - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パッケージ上に銀含有膜を設ける第1の工程と、銀含有膜の上に発光素子の底面を接合する第2の工程と、銀含有膜の上に第1の絶縁部材を設ける第3の工程と、第1の絶縁部材上に第1の絶縁部材とは異なる第2の絶縁部材を設ける第4の工程と、発光素子を被覆する封止部材を形成する第5の工程と、を有する発光装置の製造方法に関する。
【選択図】 図3
Description
そのため、さらなる信頼性や寿命の向上が要望されている。
本発明の発光装置によれば、銀含有膜等を第1の絶縁部材が被覆しているため、銀含有膜を大気中の硫化ガス等の腐食ガスから保護することができる。そのため、銀含有膜が腐食ガスにより変色することを防止し、信頼性や寿命を向上させることができる。また、銀含有膜の表面において、第1の絶縁部材が形成されていない部位が、第2の絶縁部材で被覆されている。これにより、第1の絶縁部材が形成されていない部位を大気中の硫化ガス等から保護することができる。
本発明の実施の形態1に係る発光装置の一例を、図1〜図3に示す。
図1は本発明の実施の形態1に係る発光装置100の斜視図、図2は、図1に示す発光装置100の平面図、図3は、図2のI−I’線における断面図である。
また、ツェナーダイオードの保護素子105は、銀ペースト等の接合部材によって導電部材102A上に固定されている。
上記のような発光装置は、図4〜図8に示すような工程を経て得ることができる。図4〜図8は、図1に示す発光装置100を得るための発光装置の製造方法を工程順に示す断面図である。なお、ここでは発光装置1つを用いて説明しているが、最終工程で分割するまでは基体は集合体となっており、分割することで基体101の外側面が表出する。
第1の工程は、パッケージ107上に銀含有膜103を設ける工程である。銀含有膜は、基体101に直接設けてもよく、また別部材を介して設けてもよい。導電部材102A、102Bを設け、導電部材102A、102Bを被覆するよう、銀含有膜103を設けてもよい。これにより銀含有膜103を容易に配置することができる。
(導電部材形成工程)
図4に示すように、本実施の形態において発光装置100の基体101は凹部109を有している。この凹部109の底面には、導電部材102A、102Bが露出するように形成する。なお、この導電部材は、通電させるための電極として用いる以外に、例えば凹部の内側の側壁に設けて反射部材としての機能を付与させることもできる。また、導電部材102A、102Bは、基体101の裏面から露出させて放熱部材としての機能を付与させることもできる。これらは、電極としての機能を兼ね備えることもできる。あるいは、電極として用いる導電部材と電気的に遮断させることもできる。
上記のようにして形成された導電部材102A、102B上に、銀含有膜103を設ける。なお、銀含有膜は、少なくとも基体の外部に露出し、発光素子からの光が照射される部分に設けることが好ましいが、基体内に埋設されている導電部材の上まで設けていてもよい。
銀含有膜を設ける方法としては、例えば、めっき法、スパッタ法、蒸着法等を用いることができる。めっき法を用いる場合、電解めっき、無電解めっきのいずれの方法も用いることができる。導電部材上のみに設ける場合には、該当部位を電気的に接続した上で、電解めっき法を用いることが最も簡便である。また、無電解めっき法やスパッタ法、蒸着法を用いる場合は、フォトリソグラフィ法により、導電部材上のみに設けることができる。
第2の工程は、パッケージ107上に発光素子を載置するものである。発光素子は、ダイボンド部材を介してパッケージ107上に接合される。発光素子は、パッケージ上107において、光取り出し効率向上のため反射率の高い銀含有膜上に設けられることが好ましい。
ダイボンド部材は、導電部材と発光素子との間に介在するように形成すればよい。そのため、ダイボンド部材は、導電部材上のうち発光素子を載置する領域、発光素子の裏面、または、これらの両方に設けてもよい。
以下に、ダイボンド部材として樹脂組成物を用いる場合について説明する。ここでは、樹脂組成物形成工程と、加熱工程とを行う。
(樹脂組成物形成工程)
樹脂組成物は、ロジン(松脂)または熱硬化性樹脂を含む。また、必要に応じて、粘度調整のための溶剤や各種添加剤、有機酸等の活性剤を含有させてもよい。また、粉末状の金属を含有させてもよい。また、樹脂組成物は、液状、ペースト状、固体状(シート状、ブロック状、粉末状)のものを用いることができ、樹脂組成物の組成や基体の形状等に応じて、適宜選択することができる。
以下、樹脂組成物を形成する部位が、前記した導電部材上のうち発光素子を載置する領域である場合について、樹脂組成物の形成方法および樹脂組成物を介した接合方法について説明する。
加熱工程は、上記のようにして形成した樹脂組成物の少なくとも一部が揮発する温度より高い温度で加熱するものである。樹脂組成物が含有する物質に応じて加熱温度は異なる。例えば、樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含有する場合は、樹脂の硬化が起こる温度以上に加熱することが好ましい。また、樹脂組成物がロジンを含有し、かつ、発光素子または銀含有膜上に低融点の金属が設置されている場合は、その金属が溶融する温度以上に加熱することが好ましい。また、樹脂組成物がロジンと低融点の金属との両方を含有する場合も、同様に、低融点の金属が溶融する温度以上に加熱することが好ましい。
上述した工程の後、銀含有膜で被覆された導電部材と、発光素子上部にある電極とを導電性ワイヤで電気的に接続する工程を行う。図5は、導電性ワイヤを設けた状態を示している。
第3の工程は、第2の工程において銀含有膜で被覆された導電部材上、発光素子上部及び導電性ワイヤを上から被覆するように、第1の絶縁部材を設けるものである。図6はこの第3の工程が完了した状態を示している。
第1の絶縁部材は、後述するように無機物を用いることが好ましい。第1の絶縁部材を形成する方法としては、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法などのPVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、溶射、コーティング処理等の乾式成膜方法を用いることができる。
第4の工程は、第3の工程において形成された第1の絶縁部材の上に、さらに湿式法によって第2の絶縁部材を設けるものである。図7は、この第4の工程が完了した状態を示している。
第3の工程にて、第1の絶縁部材で銀含有膜を被覆することにより、硫化等の変質を抑制することができるが、より信頼性を高めるために、第2の絶縁部材でさらに被覆することが好ましい。また、基体上または基体の凹部内において、第1の絶縁部材が形成されていない部位、かつ、銀含有膜が露出した部位に、第2の絶縁部材を設けることが好ましい。図6に示すように、発光素子104の裏面外周部の一部が銀含有膜103と離間している場合(発光素子の裏面において、反射層等が形成されていない部位があり、その部位と銀含有膜との間に隙間を有する場合等)は、前記第4の工程で施される第1の絶縁部材が銀含有膜103の露出領域の全てを覆うことができない場合がある。また、種々の要因により、第1の絶縁部材110にピンホール等が発生する場合がある。このような場合には、第1の絶縁部材に覆われていない箇所から腐食性ガスが進入して銀含有膜を腐食させる原因となる。本実施形態に係る発光装置の製造方法では、この発光素子の裏面側の隙間やピンホール等に露出する銀含有膜を被覆するよう、湿式法によって第2の絶縁部材を設ける。これにより、上記のような腐食等を防ぐことができる。
第3の工程にて、銀含有膜103の上に第1の絶縁部材110を設けた後に、この第4の工程を行うことにより、第2の絶縁部材が濡れ広がりやすくなるため、上記の銀含有膜の露出領域に対して容易に第2の絶縁部材を設けることができる。
なお、溶液中に有機物を含む場合には、溶液を滴下した後に加熱して、有機分を灰化させてもよい。これにより、有機物が発光装置の使用中に劣化や着色することを防止することができ、信頼性の高い発光装置とできる。
凹部の側壁に、後述する光反射樹脂を設ける際には、凹部の側壁に第2の絶縁部材を設けることによって光反射樹脂の濡れ性が高まり、容易に形成することができる。
第5の工程は、発光素子を被覆する封止部材を形成するものである。図8は、凹部109内に封止部材108を充填し、発光素子104を被覆したことを示す図である。このように基体に凹部が形成されている場合は、凹部内に液体状の樹脂を注入することで、容易に封止部材とすることができる。形成された封止部材は、加熱や光照射等によって硬化させることができる。封止部材を硬化する条件は、用いる封止部材の材料によって適宜選択することができる。なお、封止部材は単一の部材で形成することもできるし、または、2層以上の複数の層として形成することもできる。
基体は、発光素子や保護素子などの電子部品を保護するとともに、これら電子部品に外部からの電流を供給するための導電部材を備えている。
具体的な材料として、Al2O3、AlN等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、PPA(ポリフタルアミド)等の樹脂が挙げられる。基体の材料が樹脂である場合には、ガラス繊維や無機フィラー(SiO2、TiO2、Al2O3等)を混合し、機械的強度の向上や熱膨張率の低減、光反射率の向上等を図ることもできる。
導電部材は、外部と発光素子とを電気的に接続させるためのものであり、好ましい材料としては、基体の材料や製造方法等によって適宜選択することができる。
また、基体の材料として、ガラスエポキシ樹脂等を用いる場合は、導電部材の材料は、加工し易い材料が好ましく、具体的には、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属または鉄―ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、モリブデン等が挙げられる。
また、基体が射出成型されたエポキシ樹脂からなる場合は、導電部材の材料は、比較的大きい機械的強度を有するものが好ましい。また、導電部材の材料は、打ち抜き加工、エッチング加工、屈曲加工等の加工がし易く、かつ、比較的大きい機械的強度を有する部材が好ましい。具体的には、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属または鉄―ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、モリブデン等が挙げられる。なお、基体と導電部材が同一の部材であってもよい。
銀含有膜は、基体から露出している導電部材の表面に設けられる。銀含有膜の材料としては、銀のみでもよいし、銀と、銅、金、アルミニウム、ロジウム等の光反射率の高い金属との合金または多層膜等でもよいが、光反射率が高い銀単体で構成することが好ましい。また、銀含有膜の厚みは、発光素子からの光を効率よく反射可能な程度で厚みとすることが好ましく、具体的には、1nm〜50μm程度が好ましい。銀含有膜を多層膜とする場合は、多層膜全体の厚さをこの範囲内とすることが好ましい。銀含有膜の形成方法としては、めっき法、スパッタ法、蒸着法等を用いることができる。銀含有膜の表面は、反射率を高めるため、光沢度が高いことが好ましい。
第1の絶縁部材は、銀含有膜上に乾式法にて設けられる。
本明細書において、乾式法とは、溶媒等の液体を用いずに減圧下で成膜する方法を指し、具体的には、スパッタ法、蒸着法等が挙げられる。なかでも、発光素子等の陰となる部分にもある程度回むように成膜できること、形成した膜と被覆対象との密着性の高さ、膜の緻密性、膜厚の制御し易さ等の理由により、スパッタ法が好ましい。
第1の絶縁部材は、光取り出し効率の低下を防止するため、発光素子からの光があたる部分に露出されている銀含有膜のほぼ全域を被覆するように設けるのが好ましい。
第2の絶縁部材は、第1の絶縁部材とは異なる製法、具体的には、湿式法で形成される。本明細書において、湿式法とは、特定化合物を溶媒に溶かした溶液を用いて成膜する方法を指し、具体的には、ゾルゲル法、水ガラス法等が挙げられる。
第2の絶縁部材は、銀含有膜上に設けた第1の絶縁部材上に設けられる。また、銀の劣化をより防止するため、第2の絶縁部材を形成する前の状態において、基体の凹部内で露出している銀含有膜のほぼ全域の上に設けるのが好ましい。発光素子の裏面外周部の一部が銀含有膜と接していない場合(発光素子の裏面において反射層等が形成されていない部位があり、その部位と銀含有膜との間に隙間を有する場合等)には、発光素子の下方に露出する銀含有膜を被覆することが好ましい。これにより、発光素子の近傍に設けられている銀の劣化を防止することができる。
また、第2の絶縁部材は、発光素子の下方と銀含有膜の間を充填するよう設けられていることが好ましい。これにより、封止部材を設けた際に、多重反射を防止することができるとともに、発光素子の下方に熱膨張率が異なる封止部材や気泡が配置されることが防止され、熱衝撃試験等において発光素子が剥離することを抑制できる。
第2の絶縁部材の材料として特にシリケート系材料を用いる場合、銀との濡れ性が悪いため、銀含有膜103の上には濡れ広がりにくい。しかしながら、本実施の形態においては、第3の工程にて銀含有膜103の上に第1の絶縁部材110を設けた後に、第4の工程を行うことにより、第2の絶縁部材112が濡れ広がりやすくなる。これにより、第2の絶縁部材112を容易に形成することができる。
本発明においては、発光素子として、発光ダイオードを用いることが好ましい。発光素子は、任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色(430nm〜490nmの光)、緑色(490nm〜590nmの光)の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、GaPを用いたものを用いることができる。また、赤色(波長620nm〜750nmの光)の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。さらに、これ以外の材料からなる発光素子を用いることもできる。用いる発光素子の組成や発光色、大きさや、個数等は目的に応じて適宜選択することができる。また、可視光領域の光だけでなく、紫外線や赤外線を出力する発光素子とすることができる。さらには、発光素子とともに、ツェナーダイオードなどの保護素子や受光素子などを搭載することができる。
本発明の発光素子の下面(基板の裏面)には、一部において、金属膜が形成されていてもよい。
なお、金属膜の下面(ダイボンド部材側の表面)には、ダイボンド部材の拡散を防止するバリア層が形成されていることが好ましい。バリア層は、例えば、Mo、W、Rh等の高融点を有する材料や、Pt、Ni、Rh、Au等の単層膜または積層膜により形成することができる。バリア層の成膜方法は、公知の方法、例えば、蒸着法、スパッタ法、めっき法等、種々の方法を利用することができる。
この金属膜が銀である場合、第1の絶縁部材または第2の絶縁部材で、金属膜の端部の銀を被覆することが好ましい。これにより、金属膜端部の銀の劣化を防止でき、さらに信頼性の高い発光装置とできる。第2の絶縁部材は湿式法で設けられるため、金属膜を容易に被覆することができる。
ダイボンド部材は、基体の凹部内の導電部材上に銀含有膜部材を介して発光素子や保護素子等を接合させるための部材である。
上記のように、発光素子の接合にロジンを用いる場合、発光素子を接合した後に、発光装置に残留しているロジンの成分を洗浄等によって除去することが好ましい。この洗浄液としては、例えば、グリコールエーテル系有機溶剤等が好ましい。
本発明の発光装置には、その他の部材が備えられていてもよい。
導電性ワイヤは、発光素子の電極と、基体の凹部に配される導電部材とを銀含有膜を介して接続するものである。材料としては、金、銅、白金、アルミニウム等の種々の金属およびそれらの合金が利用できる。なかでも、熱抵抗などに優れた金を用いるのが好ましい。
封止部材は、基体の上面や、基体の凹部に載置された発光素子や導電性ワイヤ等を、塵芥、水分や外力等から保護する部材であり、発光素子からの光を透過可能な透光性を有するものが好ましい。具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。このような材料に加え、例えば、着色剤、光拡散剤、フィラー、波長変換部材(蛍光部材)等を含有させることもできる。
封止部材中に、波長変換部材として発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する蛍光部材を含有させることもできる。蛍光部材は、1種の蛍光物質等を単層で形成してもよいし、2種以上の蛍光物質等が混合された単層を形成してもよいし、1種の蛍光物質等を含有する単層を2層以上積層させてもよいし、2種以上の蛍光物質等がそれぞれ混合された単層を2層以上積層させてもよい。
図9は本発明の実施の形態2に係る発光装置200を示す平面図である。図10は、図9のII−II’線における断面図である。
本実施の形態において、発光装置200は、側面と底面とを有する凹部が設けられた基体201と、基体201上に設けられる導電部材202A、202Bと、導電部材202A、202Bの少なくとも一部に設けられる銀含有膜203と、銀含有膜203の上に底面が接合される発光素子204と、銀含有膜203の上に設けられる第1の絶縁部材210と、第1の絶縁部材210上に設けられる第2の絶縁部材212と、発光素子204をさらに被覆する封止部材208と、を主に備える。
発光装置200には、発光素子204からの光を反射する機能をもつ遮光性部材230を設けてもよい。本実施の形態においては、遮光性部材230は、図10に示すように、発光素子204の周囲を取り囲む基体201の凹部の側壁を被覆している。凹部の側壁に光反射機能を持つ遮光性部材230を設けることで、基体201から光が漏れたり、基体201に光が吸収されることによる光の損失を抑制することができる。本発明の発光装置は、さらに、第2の凹部229を有していてもよい。本実施の形態において、凹部は、発光素子が載置される第1の凹部219と、この第1の凹部219内にさらに設けられ、第1の凹部219の底面よりも低い位置に底面を有する第2の凹部229と、を有している。そして、第2の凹部229の底面に設けられる導電部材を覆うように遮光性部材が設けられている。
以下、実施の形態1と主に異なる構成について説明する。
図10に示すように、遮光性部材230は、銀含有膜203の一部を被覆するように設けられている。遮光性部材230は、銀含有膜203の上においては、第1の絶縁部材210を介して設けられていることが好ましい。このような構成は、発光素子204を銀含有膜203上に載置後に、第1の絶縁部材210を設け、その後に光反射樹脂230を形成することで設けることができる。このようにすることで、遮光性部材230内に埋もれている銀含有膜203上にも絶縁部材を設けることができるため、銀の変色をより効果的に抑制できる。また、第1の絶縁部材210が保護膜となり銀のマイグレーションを抑制出来る。また、基体201や導電部材202A、202Bの材料を適宜選択することによって、遮光性部材230との密着力を上げることができる。
このような遮光性部材は、ポッティング法、印刷法、描画法などを用いて形成することができる。
本発明の発光装置においては、遮光性部材230は、第2の絶縁部材212を設けた後に、設けることが好ましい。これにより、第2の絶縁部材212によって遮光性部材230の光反射を阻害されることを防止し、良好に光を取り出すことができる。
第2の凹部229は、第1の凹部219の中にさらに設けられる凹部であり、第1の凹部219の底面よりも低い位置に底面を有している。そして、本実施の形態においては、第2の凹部229の底面に導電部材202A、202Bが設けられており、この導電部材202A、202Bを覆うように第2の凹部229内に遮光性部材230が充填されている。第2の凹部229内において、導電部材202A、202Bと遮光性部材230との間に第1の絶縁部材210及び第2の絶縁部材212を有していてもよい。
第2の凹部229は、第1の凹部219の底面に、1つまたは2つ以上設けることができ、その開口部の大きさは、発光素子204の載置を妨げないような大きさ(開口径)とすることが好ましい。設ける位置については、特に限定されないが、例えば図9などに示すように、略四角形の第1の凹部219の底面の対向する2辺に略トラック形状(角丸長方形状)の開口部形状の第2の凹部229をそれぞれ1つ、計2つの第2の凹部229を設けることができる。ここでは、2つの第2の凹部229は同じ大きさおよび形状とし、図9のように対称位置に設けているが、これに限らず、異なる開口部の面積、異なる大きさ等の第2の凹部229としてもよい。また、いずれの第2の凹部229においても、同じように導電部材が設けられているが、これら全てを導通のために使用しなくてもよい。
図11は本発明の実施の形態3に係る発光装置300を示す斜視図である。図12は、図11のIII−III’線における断面図である。
本実施の形態の発光装置300は、基体301と導電部材302A、302Bとを有するパッケージ307と、導電部材302A、302Bの少なくとも一部に設けられる銀含有膜303と、銀含有膜303の上に底面が接合される発光素子304と、銀含有膜303の上に設けられる第1の絶縁部材310と、第1の絶縁部材310上に設けられる第2の絶縁部材312と、発光素子304をさらに被覆する封止部材308と、を主に備える。
パッケージ307は、導電部材302A、302Bの上に発光素子を収容する凹部309を有している。基体301は、凹部309の側壁と、凹部309の底面の一部を形成している。導電部材302A、302Bは、側面が基体301で覆われており、基体301とともに凹部の底面を形成している。導電部材302A、302Bの上に、銀含有膜303が設けられている。凹部309内において、導電部材302A上に設けられた銀含有膜303上に、発光素子304が載置されている。発光素子304は、導電性ワイヤ306を介して銀含有膜303と電気的に接続されている。
凹部309の底面に露出している銀含有膜303の上に、乾式法である蒸着法によって第1の絶縁部材310が設けられている。そして、第1の絶縁部材310の上に、第2の絶縁部材312が、凹部309内の基体301と銀含有膜303と発光素子304とを被覆するように設けられている。
そして、基体301、導電部材302A、302Bの一部、発光素子304と導電性ワイヤ306を被覆するよう、透光性の樹脂等から成る封止部材308が形成されている。
以下、実施の形態1と主に異なる構成について説明する。
基体301は、発光素子304からの光を反射可能な部材であり、正負一対の導電部材302A、302Bの間を充填するよう設けられている。
基体301を構成する材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂を用いることができる。具体的にはエポキシ樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂組成物、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物、変性ポリイミド樹脂組成物などをあげることができる。
また、これらの樹脂に、酸無水物、酸化防止剤、離型剤、光反射材、無機充填剤、硬化触媒、光安定剤等を含有させることができる。光反射材として、例えば、二酸化チタンを用いる場合には、二酸化チタンは、10〜60wt%充填されることが好ましい。
導電部材302A、302Bは、鍍金であることが好ましく、鍍金の積層構造とすることがより好ましい。導電部材302A、302Bの材料としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン等の金属又は合金(例えば、鉄−ニッケル合金、りん青銅、鉄入り銅、Au−Sn等の共晶はんだ、SnAgCu、SnAgCuIn等のはんだ等)、酸化物導電体(例えば、ITO等)等が挙げられる。なお、導電部材302A、302Bが積層構造である場合は、銀含有膜を導電部材302A、302Bの最上層として設けてもよい。
図13は本発明の実施の形態4に係る発光装置400を示す斜視図である。図14は、図13のIV−IV’線における断面図である。
本実施の形態の発光装置400は、鉄入り銅を打ち抜き成形した導電部材402A、402Bの表面に銀含有膜403をめっきしたリードフレームに、PPA等の樹脂を射出成形して凹部409を有する基体401を設けたこと以外は、実施の形態1と同様の構成を有している。
本実施の形態の発光装置400は、基体401と導電部材402A、402Bとを有するパッケージ407と、導電部材402A、402Bの少なくとも一部に設けられる銀含有膜403と、銀含有膜403の上に底面が接合される発光素子404と、銀含有膜403の上に設けられる第1の絶縁部材410と、第1の絶縁部材410上に設けられる第2の絶縁部材412と、発光素子404をさらに被覆する封止部材408と、を主に備える。
基体401の側面には、導電部材402A、402Bが露出するように設けられている。基体の側面に配された導電部材402Aは、凹部409の底面に配された導電部材402Aに基体内部で連続するように設けられている。また、基体401の側面に配された導電部材402Bは、凹部409の底面に配された導電部材402Bに基体内部で電気的に連続するように設けられている。これにより、導電部材402A、402Bは、外部と電気的に接続する端子として機能させることができる。
銀含有膜403は、凹部409の底面に露出している導電部材402A、402Bの表面と、基体401の内部に内包されている導電部材402A、402Bの表面に連続して設けられている。
凹部409の底面に露出している銀含有膜403の上に、乾式法によって第1の絶縁部材410が設けられている。そして、第1の絶縁部材410の上に、湿式法によって第2の絶縁部材412が、凹部409内の基体401と銀含有膜403と発光素子404とを被覆するように設けられている。
そして、基体401、導電部材402A、402Bの一部、発光素子404と導電性ワイヤ406を被覆するよう、透光性の樹脂等から成る封止部材408が形成されている。
本実施の形態に係る発光装置400においても、銀含有膜の劣化、特に硫化を抑制することができ、高出力かつ高信頼性の発光装置とすることができる。
101、201、301、401 基体
101A 基体露出部
101B 凹部の側壁
101C 基体の上面
102A、102B、202A、202B、202C、302A、302B、402A、402B 導電部材
103、203、303、403 銀含有膜
104、204、304、404 発光素子
105、305、405 保護素子
106、206、306、406 導電性ワイヤ
107、207、307、407 パッケージ
108、208、308、408 封止部材
109、209、309、409 凹部
219 第1の凹部
229 第2の凹部
110、210、310、410 第1の絶縁部材
111 樹脂組成物
112、212、312、412 第2の絶縁部材
121 反射層
122 バリア層
123 接着層
Claims (13)
- パッケージ上に銀含有膜を設ける第1の工程と、
前記銀含有膜の上に発光素子の底面を接合する第2の工程と、
前記銀含有膜の上に第1の絶縁部材を設ける第3の工程と、
前記第1の絶縁部材上に前記第1の絶縁部材とは異なる製法にて第2の絶縁部材を設ける第4の工程と、
前記発光素子を被覆する封止部材を形成する第5の工程と、
を有する発光装置の製造方法。 - 前記第3の工程において、前記第1の絶縁部材を乾式法にて設けることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
- 前記第4の工程において、前記第2の絶縁部材を湿式法にて設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法。
- 前記乾式法が、スパッタ又は蒸着であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
- 前記湿式法が、ゾルゲル法又は水ガラス法であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
- 前記第1の絶縁部材が、金属酸化物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
- 前記第2の絶縁部材が、シリケート系材料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、発光素子底面の少なくとも周辺部と銀含有膜が離間しており、
前記第4の工程において、前記第2の絶縁部材を発光素子の下方の銀含有膜を被覆するよう設けることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。 - 前記第2の工程において、発光素子の底面に部分的に設けられた金属膜と加熱溶融性のダイボンド材を用いて接合し、
前記第4の工程において、前記金属膜は銀を含んでおり、前記第2の絶縁部材を前記発光素子の下方の前記銀含有膜と前記金属膜とを被覆するように設けることを特徴とする請求項8に記載の発光装置の製造方法。 - 基体と、
前記基体に設けられた銀含有膜と、
前記銀含有膜の上に載置された発光素子と、
前記発光素子および前記銀含有膜の表面において、一部を被覆する第1の絶縁部材と、前記第1の絶縁部材が形成されていない部位を被覆するように設けられ、前記第1の絶縁部材とは異なる材料からなる第2の絶縁部材と、
前記発光素子をさらに被覆する封止部材と、
を有する発光装置。 - 前記発光素子底面の少なくとも周辺部と前記銀含有膜が離間しており、前記第2の絶縁部材が発光素子の下方の銀含有膜を被覆するよう設けられていることを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
- 前記第1の絶縁部材が、金属酸化物であることを特徴とする請求項10又は11に記載の発光装置。
- 前記第2の絶縁部材が、シリケート系材料であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の発光装置。
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