JP2011128123A - 発光測定装置の試薬開封機構および試薬開封機構における開封針制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平方向への移動軸をX軸およびY軸とし、垂直方向の移動軸をZ軸とした3軸アクチュエータと、当該3軸アクチュエータにより駆動される試薬分注ノズル24を備え、試薬分注ノズル24によって分取される試薬が凹部に充填され、前記凹部の開口部がアルミシートにより封止された試薬カートリッジのセットを可能とする発光測定装置の試薬開封機構であって、前記3軸アクチュエータにより駆動されて前記アルミシートに孔をあける開封針102と、試薬分注ノズル24と開封針102との間に、開封時または試薬分取分注時のZ軸動作において試薬分注ノズル24または開封針102が試薬カートリッジを含む構造物と接触しない位置に両者を配置する固定ブロック28とを有することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
これらの方法では、普通寒天平板培地上に浮遊菌を捕集し、恒温器により2〜3日培養し、培養後に発生したコロニー数をもって生菌の数とする。しかしこのような方法では、生菌を培養するのに時間がかかるという問題が生ずることとなる。
生物発光法は、ルシフェリン−ルシフェラーゼ発光反応が用いられ、基質ルシフェリンと酵素ルシフェラーゼを含む発光試薬と、微生物の細胞から抽出したATPを含むサンプル溶液を混合し、反応させることにより生ずる光の発光量からATP量を求め、生菌1当たりのATP量に基づいて、生菌数を算出するというものである。特許文献1には、このような発光反応を利用して生菌の数を計測するためのキットが開示されている。
例えば、発光測定に用いられる試薬は、装置外部で開封された後、装置内にセットされるが、開封後、装置内へのセットまでの間に汚染される可能性がある。
本発明では、装置内部への生菌の持ち込みや、装置内部での汚染の発生を抑制することができる手段を提供することを目的とし、特に発光測定装置における試薬自動開封機構、および試薬開封機構の開封針制御方法を提供することとする。
また、上記のような試薬開封機構における開封針制御方法において前記垂直動作は、前記開封針の先端を、前記膜と前記凹部に充填された試薬の界面との間に位置させるようにすると良い。このような制御を行うことにより、開封針が試薬カートリッジに充填された試薬と接触する虞が無い。このため、開封対象とする凹部が複数あった場合でも、凹部に充填された試薬間のクロスコンタミを生じさせる虞が無い。
また、上記のような特徴を有する試薬開封機構における開封針制御方法によれば、上記装置における効果と同様に、試薬の汚染に伴う装置内部への生菌の持ち込みや、試薬を媒介とした装置内部での汚染の発生を抑制することができる。
まず、図1を参照して、本発明の発光測定装置(バイオメイテクター)の試薬開封機構(以下、単に試薬開封機構100(図3参照)と称す)を搭載する発光測定装置10の全体構成について説明する。本実施形態で説明する発光測定装置10は、計測ユニット12と、捕集ユニット80とによって構成されている。
ヒータ46は、搬送流体である純水を加熱する役割を担う。ヒータ46の構成については特に限定することは無いが、小型化を重視する場合には、カートリッジヒータやチューブヒータを採用することが望ましい。例えばカートリッジヒータを採用した場合には、ヒータ本体46aの外周に、金属性の配管(以下、単に金属配管46bと称す)を巻回させ、当該巻回させた金属配管46bの内部に搬送流体である純水を送通させるようにすれば良い。このような構成とすることにより、金属配管46b内部の純水は、熱伝達により加熱されることとなるからである。また、チューブヒータを採用した場合には、樹脂配管(チューブ)などの回りにラバーヒータを巻回させ、樹脂チューブ内を送通させる搬送流体である純水を加熱することとなる。このような構成では、樹脂チューブにシリコン樹脂などを採用することにより、熱伝達率が良好となる。また、樹脂チューブ、ラバーヒータともに可撓性を有することとなるため、配置の自由度が高く、加熱領域を長く確保することが可能となる。このため、加熱後の温度低下の回避、すなわち温度の安定化を図ることができる。ヒータ46の配置位置については特に限定することは無いが、加熱後の温度低下を防ぐためには、加熱後の送液距離を短くすることが望ましい。よって、本実施形態に係る計測ユニット12では、上述したペリスタルティックポンプ44と、詳細を後述する温水供給ノズル48との間に配置している。
試薬・担体容器搭載部54は、発光測定に用いる試薬や、捕集担体を配置するためのステージである。試薬・担体容器搭載部54には、捕集担体カートリッジホルダ56や、試薬ラック58、および発光計測チューブホルダ60aなどが配置される。捕集担体カートリッジホルダ56は、捕集担体カートリッジ82をセットするホルダである。捕集担体カートリッジホルダ56には、ヒータを備えたヒートブロックが設けられ、セットした捕集担体カートリッジ82を加熱可能な構成とされている。
バッファ供給部64は、試薬分注ノズル制御用水タンク(以下、単に制御用水タンク66と称す)と、温水供給用水タンク68を有する。試薬分注ノズル24を使用した後の工程には、遊離ATPを除去する工程を含まないため、シリンジポンプ32と試薬分注ノズル24を繋ぐ分注動作用配管30に充填される制御用水タンク66内の水(純水)は、温水供給用水タンク68内の水(純水)よりも清浄度を高く保つ必要がある。このため、制御用水タンク66は、温水供給用タンク68に比べて、その容量を小さくし、貯留水の交換を適宜行うようにしている。なお、温水供給用水タンク68内の水は、捕集担体カートリッジホルダ56にセットされた捕集担体カートリッジ82に注がれるため、制御用水タンク66に比べて多くの容量を必要とする。
このような基本構成を有する濾過部72では、先端を捕集担体カートリッジホルダ56の下部に接続し、吸引ポンプ74を稼動させることにより、温水により希釈された捕集担体を、回収フィルタ90(図6参照)を介して吸引除去することができる。
なお、入力・制御部11は、発光計測装置に対する入力値に対して、上記各構成要素を制御することで、発光測定の自動化を図る要素である。
捕集担体カートリッジ82は、空気中に浮遊する生菌を捕集するための役割を担う。捕集担体カートリッジ82には、生菌を捕集するための捕集担体82a(図6参照)が備えられる。本実施形態に係る捕集担体カートリッジ82に備えられる捕集担体82aは、常温においてはゲル状を成し、加熱によりゾル化する性質を持つ。また、捕集担体82aの下部には、希釈用温水を充填するためのキャビティ(不図示)が設けられている。そして、キャビティの下部には、捕集担体82aを希釈した温水の濾過を行うための回収フィルタ90(図6参照)が備えられる。
このような構成とすることにより、本実施形態に係る捕集ユニット80は、小型軽量なものとすることができる。
上記のような基本構成を有する計測ユニット12と捕集ユニット80から成る発光測定装置10では、まず、捕集ユニット80により空気中の生菌を捕集する(ステップ100:図6参照)。
次に、3軸アクチュエータ16におけるZ軸機構部22を駆動させ、開封針102を垂直降下させて試薬カートリッジ62の凹部を封止しているアルミシートに孔をあける。この際、入力・制御部11はZ軸機構部22に対し、開封針102の先端が、アルミシートの表面と凹部に充填された試薬の界面との間に位置することとなるように、駆動信号を出力する(垂直移動動作:図8参照)。
最後に、入力・制御部11からZ軸機構部22に対して、開封針102を引き上げる旨の駆動信号を出力することで、開封針102が上部へ引抜かれる(図10参照)。
Claims (8)
- 水平方向への移動軸をX軸およびY軸とし、垂直方向の移動軸をZ軸とした3軸アクチュエータと、当該3軸アクチュエータにより駆動される試薬分注ノズルを備え、前記試薬分注ノズルによって分取される試薬が凹部に充填され、前記凹部の開口部が膜により封止された試薬カートリッジのセットを可能とする発光測定装置の試薬開封機構であって、
前記3軸アクチュエータにより駆動されて前記膜に孔をあける開封針と、
前記試薬分注ノズルと前記開封針との間に、前記膜開封時または試薬分取分注時の前記Z軸動作において前記試薬分注ノズルまたは前記開封針が前記試薬カートリッジを含む前記発光測定装置の構成要素と接触しない位置に両者を配置する固定ブロックとを有することを特徴とする発光測定装置の試薬開封機構。 - 前記開封針の直径を、前記試薬分注ノズルの直径よりも太くしたことを特徴とする請求項1に記載の発光測定装置の試薬開封機構。
- 前記開封針は先端を斜めにカットした円柱とし、端面に、側面と前記端面との間で鋭角となる部分と鈍角となる部分を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光測定装置の試薬開封機構。
- 前記開封針を前記膜に刺した状態で、前記凹部の開口範囲内において前記開封針をX軸方向および/またはY軸方向へ移動させる駆動信号を前記3軸アクチュエータに出力する制御部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発光測定装置の試薬開封機構。
- 前記制御部は、前記3軸アクチュエータに対し、前記開封針の先端が、前記膜と前記試薬カートリッジに充填された試薬の界面との間に位置するように、Z軸方向への動作信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発光測定装置の試薬開封機構。
- 水平方向への移動軸をX軸およびY軸とし、垂直方向の移動軸をZ軸とした3軸アクチュエータと、当該3軸アクチュエータにより駆動される試薬分注ノズルと前記3軸アクチュエータにより駆動される開封針を備え、前記試薬分注ノズルによって分取される試薬が凹部に充填され、前記凹部の開口部が膜により封止された試薬カートリッジのセットを可能とする発光測定装置における開封針の制御方法であって、
開封対象とする前記凹部の直上に前記開封針を移動させる第1の水平移動動作と、
前記膜に孔をあけるように前記開封針を下降させる垂直移動動作と、
下降させた前記開封針をX軸方向および/またはY軸方向へ移動させて前記膜の開口を広げる第2の水平移動動作を有することを特徴とする試薬開封機構における開封針制御方法。 - 前記垂直動作は、前記開封針の先端を、前記膜と前記凹部に充填された試薬の界面との間に位置させることを特徴とする請求項6に記載の試薬開封機構における開封針制御方法。
- 前記第2の水平動作は、前記凹部の開口部の範囲内で行うことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の試薬開封機構における開封針制御方法。
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