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JP2011117281A - 架設レール部材及びそれを用いた架設レールユニット - Google Patents

架設レール部材及びそれを用いた架設レールユニット Download PDF

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JP2011117281A JP2011058666A JP2011058666A JP2011117281A JP 2011117281 A JP2011117281 A JP 2011117281A JP 2011058666 A JP2011058666 A JP 2011058666A JP 2011058666 A JP2011058666 A JP 2011058666A JP 2011117281 A JP2011117281 A JP 2011117281A
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Abstract

【課題】組立及び解体が容易であり、カーテンを取り付可能な骨組み又は枠組みを形成でき、居住環境や労働環境を改善できる架設レール部材とそのユニットを提供する。
【解決手段】架設レールユニットは、立設された複数の支柱に対して、縦方向に間隔を置いて連結可能な複数の長尺な架設レール部材と、この架設レール部材の側面に形成され、かつ前記支柱に対する連結手段9をスライド式に案内するためのガイド溝5と、架設状態で上下対向面に長手方向に沿って形成され、カーテン14に接続可能な複数のランナー10が走行可能なスライド溝6とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、高層住宅、コンドミニアム、ビルや一戸建て住宅などの建造物や構造物の補修、リフォームなどにおいて、建造物や構造物の外壁に対して骨組みを形成し、カーテンで建造物や構造物の少なくとも一部を開閉式に遮蔽するのに有用な架設レール部材及びそれを用いた架設レールユニットに関する。
経年変化により損傷又は劣化した建造物の外壁を補修(修繕)やリフォームするため、建造物の外壁に対して骨組みを形成している。この骨組みは、通常、所定間隔を置いて立設された複数の支柱と、これらの支柱間に連結され、足場を確保する架設部材とを備えており、支柱と架設部材との連結には、クランプ、締結ワイヤなどが利用されている。そして、補修中は、通常、美観を損なわないようにするため、骨組みをカーテンで遮蔽している。しかし、このような骨組みでは、補修の間、カーテンで建造物が外部と遮蔽されるため、窓を開けても景色を見ることができず、新鮮な空気を取り込むこともできない。また、外気温や湿度が高くなると、カーテンと建造物との間に高温多湿の雰囲気が滞留する。しかも、風雨などによりカーテンがばたついたり雨音が大きくなる。そのため、建造物での居住環境や労働環境も損なわれる。
一方、特表平11−500194公報(特許文献1)には、足場の枠組みを形成する、垂直に配置され、相互に結合された複数の筒状部材と、複数の遮蔽用シート部材とを備えた足場装置において、垂直な筒状部材間を延びるシート部材が垂直な筒状部材にのみ取り付けられ、支持されている足場装置が開示されている。この文献には、筒状部材に締め付け可能なカップリングと、このカップリングに取り付けられたネジ付き固着具と、この固着具により支持されたブラケットと、枢軸結合によりこのブラケットに取り付けられた2個のアームと、これらのアームに取り付けられたシート部材とを備えている装置、横方向に位置するシート部材間にシート材料からなる密閉要素を設けた装置、縦方向に位置する上部シート部材と下部シート部材との間を密封するためのプレート要素を備えた装置も記載されている。
しかし、この足場装置は、対象物を気密化して密封することを意図している。そのため、居住環境などを改善することができない。
特表平11−500194公報(特許請求の範囲、図3〜図6)
従って、本発明の目的は、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できるとともに、開閉可能なカーテンを取り付けることができ、居住環境や労働環境を改善できる架設レール部材及び架設レールユニットを提供することにある。
本発明の他の目的は、堅牢な骨組み又は枠組みを形成できるとともに、風雨による騒音の発生を抑制でき、円滑にカーテンを開閉するのに有用な架設レール部材及び架設レールユニットを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、建造物や構造物の大きさに応じて、縦横方向に骨組み又は枠組みを形成でき、各区画に開閉可能なカーテンを取り付け可能な架設レール部材及び架設レールユニットを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、複数の支柱に対して架設レール部材を連結した骨組み(又は枠組み)において、前記架設レール部材の両側面に、複数の支柱に対する連結手段がスライド可能なガイド溝を形成し、前記架設レール部材の上下面に、カーテンに連結可能なランナーが走行可能なスライド溝を形成すると、前記ガイド溝を利用して支柱に対して連結手段を位置決めして固定でき、スライド溝を利用してランナーを走行させることにより、カーテンの上下端部を架設レール部材の長手方向に沿わせつつ、カーテンを開閉できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の架設レール部材は、所定間隔を置いて立設された複数の支柱に対して、連結手段により縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能な複数の長尺な架設レール部材であって、前記支柱側の側部(又は側面)に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結手段をスライド式に案内するためのガイド溝と、架設状態で対向する対向部(又は上下対向面)に長手方向に沿って形成され、カーテンの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な複数のランナーが走行可能なスライド溝とを備えている。このような架設レール部材では、支柱に対して横方向に連結することにより、側部(又は側面)にガイド溝が位置し、架設状態で対向する対向部(又は上下対向面)にスライド溝を位置させることができる。そのため、ガイド溝を利用して連結手段をスライドさせて、連結手段により支柱と架設レール部材とを連結できる。また、スライド溝を利用して、カーテンの上端部及び下端部にそれぞれ連結したランナーを走行させることにより、カーテンを開閉できる。また、カーテンの上下端部をそれぞれランナーに連結できるため、風によりカーテンが舞い上がったり、大きくなびくことがない。
前記架設レール部材が、その上下部及び両側部が平面形状に形成された断面多角形状に形成され、両側面に形成されたガイド溝と、上下面に形成されたスライド溝とを備えていてもよい。このような構造の架設レール部材では、両側面に形成されたガイド溝を利用して、隣接する架設レール部材を連結することにより複数の架設レール部材を横方向に連結できるとともに、カーテンの上端部及び下端部にそれぞれランナーを連結し、上下面に形成されたスライド溝にランナーを走行させることにより、n個の架設レール部材によりn−1個のカーテン(例えば、3つの架設レール部材間に2つのカーテン)を形成できる。そのため、カーテンが開閉可能な骨組みを横方向及び/又は縦方向(縦横方向)に形成できる。そのため、建造物や構造物の大きさ(高さ及び/又は幅)に対応させて骨組みを構築できる。
また、架設レール部材は、断面H状の骨格を有し、両側面及び上下面が平面状に形成された断面中空多面体状であってもよい。このような構造の架設レール部材は中空状であっても断面H状の骨格を有するため強度が大きく、建造物又は構造物の外壁に対する足場(例えば、外壁の補修又はリフォームなどの足場)を形成するのに有用である。
前記両側面に形成されたガイド溝及び上下面に形成されたスライド溝の断面形状はアリ溝状であってもよく、架設レール部材はアルミニウムのダイカストにより形成されていてもよい。このような架設レール部材では、ガイド溝に対する連結手段の抜けを防止できるとともに、スライド溝に対するランナーの抜けを防止できる。また、アルミニウムのダイカストにより形成するため、軽量であるとともに量産性に富んでいる。
本発明は、前記複数の架設レール部材と、カーテンの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な接続部又は連結部を備え、かつ前記架設レール部材の対向部のスライド溝をそれぞれ走行可能な複数のランナーとを備えていた架設レールユニット(又は架設レール装置)も包含する。架設レールユニットは、さらに、架設レール部材のガイド溝に沿ってスライド式に案内され、かつ前記支柱に対して連結するための連結手段を備えていてもよい。架設レールユニットは、さらには、ランナーの接続部(又は連結部)が接続又は連結される被接続部(又は被連結部)を有するカーテンを備えていてもよい。このような架設レールユニットは、組立及び解体が容易であるとともに、開閉式カーテンを備えた骨組みを容易に形成できる。
前記架設レールユニットは、ガイド溝及びスライド溝の断面形状がアリ溝状であり、連結手段が、ガイド溝に対してスライド式に装着可能なスライド部材と、このスライド部材をガイド溝に収容した状態で位置決め固定するための位置決め部材と、この位置決め部材に取り付けられ、かつ架設レール部材を支柱に固定するための連結部材とを備えており、スライド溝に対して走行可能なランナーの架設レール部材との接触部がプラスチックで形成されていてもよい。このような架設レールユニットは、前記スライド部材と位置決め部材とを利用して連結部材を支柱に対して容易かつ強固に連結できるとともに、風などによりカーテンが揺れてランナーがスライド溝に衝突しても、ランナーのプラスチックにより消音され、騒音の発生を抑制できる。
架設レールユニットは、横方向に隣接する少なくとも一対の架設レール部材の側部に形成されたガイド溝に対してスライド式(又はスライド自在)に装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝の幅よりも幅が大きく、架設レール部材の側部に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結するための締結手段とを備えていてもよい。このような架設レールユニットでは、前記スライド部材とジョイント部材とを締結することにより、複数の架設レール部材を横方向に連結できる。
架設レール部材の少なくとも一方の端部にはランナーの走行を規制するストッパーを備えていてもよい。このようなストッパーを備えていると、強風がカーテンなどに作用しても、ランナーがスライド溝から脱落することがない。
本発明は、前記支柱、架設レール部材、連結手段、ランナー及びカーテンを備えた開閉式遮蔽構造も包含する。この開閉式遮蔽構造は、所定間隔を置いて立設された複数の支柱と、これらの支柱に対して、連結手段により縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能な複数の架設レール部材と、この架設レール部材の前記支柱側の側部(又は側面)に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結手段をスライド式に案内するためのガイド溝と、前記支柱に対する架設状態で前記架設レール部材の対向する対向部(又は対向面)に長手方向に沿って形成されたスライド溝と、各スライド溝を走行可能な複数のランナーと、これらのランナーに上端部及び下端部が接続可能なカーテンとを備えていてもよい。また、開閉式遮蔽構造は、複数の支柱と複数の架設レール部材とで建造物の外壁に対する骨組みを形成し;前記架設レール部材が、断面H状の骨格を有し、両側面及び上下面が平面状に形成されたアルミニウム製中空多面体状であり、前記両側面に形成され、かつ連結手段をスライド式に案内するためのアリ溝状のガイド溝と、前記上下面に形成されたアリ溝状のスライド溝とを備えており;各スライド溝に対して走行可能なランナーのうち前記架設レール部材との接触部がプラスチックで形成され、前記ランナーがカーテンの上下端部に形成された連結部に対してワンタッチ式に装着可能なフック部材を備えていてもよい。
本発明では、連結手段により支柱と架設レール部材とを連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できる。また、ランナーを利用して円滑に開閉可能なカーテンを取り付けることができ、居住環境や労働環境を改善できる。また、多角形状の架設レール部材を用いると、堅牢な骨組み又は枠組みを形成できるとともに、風雨による騒音の発生を抑制でき、円滑にカーテンを開閉する。さらに、建造物や構造物の大きさに応じて、縦横方向に骨組み又は枠組みを形成でき、各区画に開閉可能なカーテンを取り付けることができる。
図1は本発明の架設レール部材及び架設レールユニットを用いた開閉式遮蔽構造を示す概略図である。 図2は、図1の架設レール部材及び架設レールユニットを示す概略斜視図である。 図3は、図1の架設レール部材及び架設レールユニットを示す概略側面図である。 図4は、図1の開閉機構を示す概略図である。 図5は本発明の架設レールユニットの他の例を示す概略分解斜視図である。 図6は本発明の架設レールユニットのさらに他の例を示す概略分解斜視図である。
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の架設レール部材及び架設レールユニットを用いた開閉式遮蔽構造を示す概略図であり、図2は、図1の架設レール部材及び架設レールユニットを示す概略斜視図であり、図3は、図1の架設レール部材及び架設レールユニットを示す概略側面図であり、図4は、図1の開閉機構を示す概略図である。
高層住宅(マンションなど)などの建造物や構造物の外壁又は外面を補修又はリフォームするため、建造物や構造物の壁面から所定距離離れて骨組みが構築されている。この例において、骨組みは、横方向に所定間隔を置いて立設された複数の長尺な支柱(この例では、円筒状支柱)1と、これらの支柱間を縦方向に間隔を置いて横方向に連結された複数の長尺な架設レール部材(この例では、多角形状の棒状体)2とを備えており、縦横方向に複数の区画3を形成している。この例では、前記支柱1と架設レール部材2とで形成される各区画3は、前記支柱1と架設レール部材2との交点部から斜め方向に延びて交差する補強部材(又は梁部材)4で補強されている。なお、符号16は建造物や構造物の窓を示す。
図2に示されるように、架設レール部材2は、横断壁2aを有する断面H状の骨格Hを有し、両側面及び上下面が平面状に形成された中空多面体状(断面八角形状)である。また、架設レール部材2はアルミニウムのダイカストにより上下左右が対称構造に形成されている。そのため、軽量であるとともに、中空状であっても断面H状の骨格Hを有するため強度が大きく、外壁に対して強固な足場を形成できる。前記架設レール部材2の両側面には、長手方向に延びるアリ溝状のガイド溝5が形成され、上下面には長手方向に延びるアリ溝状のスライド溝6が形成されている。前記ガイド溝5は、断面H状の骨格Hの両側壁部5aと、これらの両側壁部5aの上下端部からそれぞれ側部方向に延びる上下延出壁部5bと、この上下延出壁部5bからそれぞれ互いに開口部が狭まる上下方向(対向方向)に延びる両側壁部5cとにより形成され、縦方向の中央部で側部方向に開放(又は開口)した縦長の断面四角形状の空間として形成され、ガイド溝5の開口部の幅が狭まっている。また、開口部の幅が狭まったスライド溝6は、前記上下延出壁部(断面H状の骨格Hの両側壁部の上下端部からそれぞれ側部方向に延びる前記上下延出壁部)5bの側方端部から斜め方向に傾斜した傾斜壁6aと、この傾斜壁6aからそれぞれ互いに開口部が狭まる左右方向(対向方向)に延びる上下壁部6bとにより形成され、横方向の中央部で上下方向に開放(又は開口)した空間として形成されている。また、スライド溝6を形成する上下壁部6bの開口部側の端部内面には、ランナー10のローラ部材が転動又は走行可能な肉厚部6cが形成されている。
前記ガイド溝5は前記支柱1に対して前記架設レール部材2を固定又は連結するための連結手段9をスライド式に案内する。すなわち、前記連結手段9は、前記ガイド溝5にスライド式に装着可能なスライド部材(プレート)7と、このスライド部材(プレート)をガイド溝5に収容した状態で位置決め固定するための位置決め部材(挟持部材)8と、この位置決め部材(挟持部材)8に取り付けられ、かつ架設レール部材2を支柱1に固定するための連結部材9とで構成されている。より詳細には、前記スライド部材(プレート)7にはガイド溝5から突出可能なネジ部7aが形成され、前記位置決め部材8には、このネジ部7aが貫通可能な孔部(図示せず)が形成され、位置決め部材8の孔部から突出したネジ部7aにはナット8aが螺合可能である。そのため、位置決め部材8の孔部から突出したスライド部材(プレート)7のネジ部7aにナット8aを螺合することにより、位置決め部材(挟持部材)8をガイド溝5の側壁5cに強圧し、ガイド溝5においてスライド部材(プレート)7を位置決めして固定できる。前記位置決め部材8には側部方向に延びて上方向及び/又は下方向に屈曲した断面L字状の延出部材8bが形成されており、この延出部材8bの側壁には、架設レール部材2を支柱1に固定するための連結部材9としてのブラケットが取り付けられている。すなわち、連結手段は、前記延出部材8bの側壁に固定され、かつ前記支柱1に対応した湾曲部を有する湾曲部材9aと、この湾曲部材の一方の端部にピン9bにより回動可能に枢着され、かつ内面が湾曲し、かつ先端部に凹部(切り欠き部)9dを有する可動部材9cと、前記湾曲部材9aの他方の端部にピン9eにより回動可能に枢着され、前記可動部材9cの凹部(切り欠き部)9dに対して収容可能なネジ棒9fと、このネジ棒9fのネジ部に対して螺合可能であり、かつネジ棒9fを前記凹部(切り欠き部)9dに収容した状態で可動部材9cを湾曲部材9aに対して締結するためのナット9gとを備えている。
さらに、前記架設レール部材2のスライド溝6では、カーテン14の上端部及び下端部それぞれ接続可能な複数のランナー10が走行可能である。すなわち、前記ランナー10は、前記架設レール部材2のスライド溝6内で転動して走行可能なローラ部(ランナー部)11と、カーテンの上端部及び下端部に形成された孔部(被連結部)に対してそれぞれ接続又は接続可能なフック部材13と、前記ローラ部(ランナー部)11とフック部材13とを連結するための円柱状連結部12とを備えている。前記ローラ部(ランナー部)11は、転動して走行可能な一対のローラ部材11aと、これらのローラ部材11aを回動可能に枢支する支持ピン11bと、この支持ピン11bを揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部11cとを備えている。また、前記フック部材13は、全体としてリング状の形態を有し、側部に開放部が形成されたC字状フック部本体13aと、前記開放部を開閉可能な開閉桿13bとを備えており、カーテン14の装着孔部15に対してワンタッチ式に連結可能なワンタッチ式フック部材を形成している。また、円柱状連結部12の一方の端部は前記ローラ部(ランナー部)11の支持部11cの上部壁を貫通して、前記ローラ部(ランナー部)11に対して水平方向に360°に亘って回転可能に取り付けられており、円柱状連結部12の他方の端部には孔部が形成され、この孔部にフック部材13が揺動可能に装着されている。なお、前記ランナー10の一対のローラ部材11a及び支持部11cはプラスチックで形成されている。
カーテン14の上下端部には、前記フック部材13がそれぞれワンタッチ式に装着可能な連結孔部15が形成され、この孔部の周辺は補強環15aにより補強されている。
このようなランナー10を備えた架設レールユニットや架設構造(前記複数の支柱と、複数の架設レール部材と、連結手段と、ガイド溝と、スライド溝と、ランナーと、カーテンとを備えた開閉式遮蔽構造)を利用すると、カーテンの上端部及び下端部に形成された被連結部にランナー10のフック部材13を連結し、前記架設レール部材2のスライド溝6に装着されたランナー10を走行させることにより、前記支柱1と架設レール部材2とで形成される区画3をカーテン14で開閉できる。そのため、外壁などの補修工事の間であっても、窓16を開けても景色を見ることができ、新鮮な空気を取り込むこともできる。また、カーテン14の上下端部をそれぞれランナー10に連結できるため、風によりカーテン14が舞い上がったり、大きくなびくことがない。さらに、走行に伴って架設レール部材2と接触するランナー10の接触部がプラスチックで形成されているため、風などによりカーテン14が揺れてランナー10がスライド溝6に衝突しても、ランナー10のプラスチックにより消音され、騒音の発生を抑制できる。なお、前記構造の連結手段9を利用するため、支柱1と架設レール部材2との連結及び連結解除(すなわち、組立及び解体)も容易であるとともに、開閉式カーテン14を備えた骨組み(開閉式遮蔽構造)を容易に形成できる。また、複数の支柱と複数の架設レール部材とで建造物の外壁に対して縦横方向に足場を有する骨組みを構築できる。さらに、架設レール部材2が上下左右対称構造であるため、架設レール部材2の向きを間違って骨組みを形成することがなく、組立効率を向上できる。
なお、支柱1の形状は、特に制限されず、断面円筒状に限らず断面多角形状であってもよい。支柱は建造物や構造物の種類に応じて所定の間隔で立設すればよい。支柱は軽量化のため、中空状であってもよく、鉄やステンレススチール製などであってもよいが、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合が多い。
架設レール部材2の断面形状は、円形状、楕円形状などであってもよいが、上下部(又は上下面)及び両側部(又は両側面)が平面形状に形成された断面多角形状(溝部が形成される上下両側面を有する多角形状、例えば、断面四角形状、断面六角形状、断面八角形状など)、特に上下方向及び左右方向が対称な対称構造であるのが好ましい。特に、軽量化するためには、中空状、例えば、断面中空多面体状(断面中空多角形状)であるのが好ましい。さらに、断面H状の骨格を有する断面中空多面体状(断面中空多角形状)は、中空状であっても強度が大きく、骨組み(建造物の外壁に対する補修又はリフォームの足場など)を形成するのに有用である。架設レール部材は鉄やステンレススチール製などであってもよいが、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合が多い。特に、中空状の架設レール部材は、アルミニウムのダイカストにより形成されている場合が多い。なお、中空円筒状の架設レール部材に比べて、断面中空多角形状(断面H状の骨格を有する断面八角形状などの多角形状)の架設レール部材は、曲げ強度などの強度が大きく、前記骨組み又は区画を形成するのに有利である。
架設レール部材は、連結手段により支柱に対して縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能であればよく、骨組みで強固な足場を形成するためには、連結手段を備えていてもよい。また、連結手段がスライド可能なガイド溝5は架設レール部材の少なくとも一方の側部(又は側面)(すなわち、前記支柱側の側部又は側面)に長手方向に沿って形成すればよいが、両側部(又は両側面)にガイド溝を形成すると、架設レール部材の向きを間違って配置することがなく、骨組みの組み立て作業効率を向上できる。ガイド溝は前記支柱に対する連結手段をスライド式に案内できればよく、通常、連結手段の脱落を防止するため、少なくとも開口部側の底部から上方にL字状に延びる壁部を有するガイド溝、特に開口部の対向壁(底部壁及び上部壁)が狭まったアリ溝状の形態のガイド溝であるのが好ましい。
架設レール部材のスライド溝6は、架設状態で対向する対向部に長手方向に沿って形成すればよく、下部(又は下面)にスライド溝が形成された架設レール部材と上部(又は上面)にスライド溝が形成された架設レール部材とを対向させて対向部にスライド溝を位置させてもよいが、架設レール部材を間違って配置することを防止するとともに、骨組みの組立作業性を向上させるため、架設レール部材の上下部(又は上下面)の双方にスライド溝を形成するのが好ましい。スライド溝はランナーが走行可能であればよく、ランナーの構造に応じて種々の形態が採用できる。スライド溝の断面形状は、ランナーの脱落を防止するため、通常、アリ溝状である。
このような複数の支柱と複数の長尺な架設レール部材とを利用することにより、連結手段により建造物や構造物の大きさに応じて縦横方向に区画3を形成できる。
架設レール部材は、前記構造を有していればよく、連結手段、ランナー及びカーテンを必須の構成手段として含む必要はない。好ましい態様では、架設レール部材は、他の構成部材とともに架設レールユニット(又は架設レール装置)を構成する。すなわち、架設レールユニットは、前記複数の架設レール部材と、複数の連結手段及び/又は複数のランナーとで構成してもよく、通常、少なくとも前記架設レール部材及びランナーで構成でき、さらに連結手段を備えていてもよい。架設レールユニットは、さらにカーテンを含んでいてもよい。
前記連結手段(支柱に対する固定・連結機構)は、支柱に対して架設レール部材を連結可能であればよく、連結手段(又は連結部材)の構造は特に制限されない。また、前記構造の連結手段において、前記位置決め部材は連結部材が取り付け可能であればよく、前記延出部材を介して連結部材を取り付ける必要はなく、位置決め部材に対する嵌合手段、ネジ/ナットなどの螺合手段などにより、連結手段(又は連結部材)を位置決め部材に直接取り付けてもよい。架設レール部材を支柱に連結して固定するための連結手段(又は連結部材)は、前記構造のブラケットに限らず、種々のクランプ又は把持構造、凹凸嵌合構造(凹溝と嵌合凸条とを有する構造など)の連結固定手段を備えていてもよく、これらの構造又は固定手段を組み合わせた連結固定手段を備えていてもよい。さらに連結部材は、他の固定手段、例えば、ワイヤによる締結手段などを備えていてもよい。前記連結手段は、ガイド溝に沿ってスライド式に案内される。そのため、連結手段は、ガイド溝に対してスライド式に案内可能なガイド部と、このガイド部を架設レール部材に取り付けるための取り付け固定手段と、前記ガイド部に取り付け可能又はガイド部に取り付けられた連結部材とで構成してもよい。連結手段は、通常、ガイド溝に対してスライド式に装着可能なスライド部材(例えば、プレート又は平板状部材)と、このスライド部材をガイド溝に収容した状態で位置決め固定するための位置決め部材(例えば、スライド部材(プレート)と、ガイド溝から突出可能なネジ部、ネジ部が貫通可能な孔部を有する挟持部材、及びナット)と、この位置決め部材に取り付けられ、かつ架設レール部材を支柱に固定するための連結部材とを備えている場合が多い。
スライド溝6をスライド又は走行可能なランナー10は、スライド溝内での走行部と、カーテンの上端部及び下端部にそれぞれ接続又は連結可能な接続部(又は連結部)とを備えていればよい。前記ランナーは、通常、前記架設レール部材のスライド溝内で転動して走行可能なローラ部(ランナー部)(特に、一対のローラ部)と、このローラ部を貫通して回動可能に支持する支持ピンと、この支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部(例えば、一対のローラ部の間の支持ピン又は一対のローラ部の両側部から延出する支持ピンを回動又は揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部)と、この支持部(例えば、アーチ状(又は断面逆U字状)支持部の上部壁)に対して一方の端部が抜き出し不能であり、かつ360°に亘って回動可能に取り付けられた軸部(又は円柱状連結部)と、この軸部の他方の端部に対して揺動可能に装着され、かつカーテンの上端部及び下端部に形成された被接続部(又は被連結部)に対してそれぞれ接続又は連結可能な接続部(フック部材など)とを備えている。なお、前記軸部とフック部材との間には、軸部の他方の端部に形成された孔部に対して揺動可能に装着されたリング部が介在していてもよく、このリング部に対して接続部(フック部材など)が揺動可能に装着されていてもよい。また、フック部材は、側部が開放し全体としてリング状の形態を有するC字状フック部本体と、前記開放部を開閉可能な開閉桿とを備えていてもよく、前記リング部とカーテンの被連結部とを連結するS字状の連結部材で構成してもよい。さらに、カーテンに対する前記接続部は、カーテンを挟持するチャッキング部材などで構成してもよい。好ましいランナーは、カーテンの上下端部に形成された被接続部(被連結部)に対してワンタッチ式に装着可能なフック部材を備えている。
ランナーは金属製又はプラスチック製であってもよいが、強度を保持するとともに、消音性を高めるため、ランナーのうち架設レール部材との接触部(例えば、ローラ部及び支持部)はプラスチック(例えば、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの強度の大きなプラスチック)で形成されているのが好ましい。このようなランナーにおいて、支持ピン、軸部及びフック部材(リング部を含む)は金属製である場合が多い。
カーテン(遮蔽要素)は、前記支柱と架設レール部材とで形成される区画3を遮蔽可能であればよく、例えば、ネットなどの網状体、布(織布/不織布などの布帛)、プラスチックシート又はフィルムや樹脂含浸布帛などであってもよい。また、カーテンは透明性を有していてもよく不透明であってもよく、着色していてもよい。ランナーの接続部(又は連結部)が接続されるカーテンの被接続部は、前記孔部で構成してもよく、図示のように被連結部(孔部)の周辺部はリング体で補強されていてもよい。カーテンは横方向に折り畳み可能であってもよく、平面状のシートであってもよい。さらに、被接続部は、ランナーの接続部の構造及び接続機構に応じて、種々の加工が施されていてもよく、例えば、接続部をチャッキング機構で構成する場合、被接続部は凹凸又は滑り止め加工されていてもよい。
さらに、架設レールユニットは、架設レール部材を横方向に連結するためのジョイント機構を備えていてもよい。図5は本発明の架設レールユニットの他の例を示す概略分解斜視図である。
この例では、互いに横方向に隣接する少なくとも一対の架設レール部材22を連結するジョイント機構は、これらの架設レール部材22の隣接する両側部に形成されたガイド溝25に対してスライド自在に装着可能なスライド部材(この例では、プレート)27と、このスライド部材(プレート)27に形成され、かつガイド溝25から突出可能なネジ部27aと、このネジ部27aが貫通可能な孔部を有し、かつ前記ガイド溝25の幅よりも幅が大きなジョイント部材(この例では、プレート)28と、このジョイント部材28の孔部から突出したネジ部27aに螺合可能なナット28aとを備えている。前記架設レール部材22は前記と同様の構造を有している。このようなジョイント機構を備えていると、隣接する架設レール部材22のガイド溝25間にスライド部材27を挿入又は装着するスライド操作と、ジョイント部材28の締結操作とで簡便かつ効率よく架設レール部材22を横方向に連結できる。
なお、少なくとも一対の架設レール部材22を連結するジョイント機構は、横方向に隣接する少なくとも一対の架設レール部材の隣接部を跨いで配設可能な配設部材と、この配設部材を架設レール部材に対して固定可能な固定部材(例えば、前記配設部材を貫通し、架設レール部材に対して螺合可能な螺合手段など)とで構成してもよい。好ましいジョイント機構は、架設レール部材の側部のガイド溝を利用したジョイント機構、例えば、横方向に隣接する少なくとも一対の架設レール部材のガイド溝に対してスライド式に装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝の幅よりも幅が大きく、前記架設レール部材の側部(外側部)に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結可能な締結手段とで構成できる。この締結手段はネジ/ナットで構成してもよく、例えば、前記の例とは逆に、ジョイント部材を貫通し、スライド部材(又はスライド部材及び加熱部材の双方)に形成された螺旋孔に対して、螺合可能な頭部付きネジ部材であってもよい。
さらに、架設レールユニットは、ランナーの脱落防止機構又は構造を備えていてもよい。図6は本発明の架設レールユニットのさらに他の例を示す概略分解斜視図である。
この脱落防止機構は、前記と同様の構造を有する架設レール部材32の少なくとも一方の端部において、断面H状の骨格Hの横断壁32aの孔部32bを貫通し、スライド溝36から突出する頭部付きネジ棒37と、前記スライド溝36を覆って架設レール部材32の上下壁部36aに沿って配設可能であり、かつ前記ネジ棒37が貫通可能な断面ほぼコ字状の強圧部材38と、前記強圧部材38を貫通したネジ棒37のネジ部に螺合可能なナット39とを備えている。このような機構を利用すると、強風などがカーテンに作用したり、高速度でランナーを走行させても、ネジ棒37をストッパーとして機能させることができ、ランナーの脱落を確実に防止できる。
なお、ランナーの走行を規制するストッパーは、前記構造に限らず、前記スライド溝の幅を狭める手段、例えば、堰部、突起部や凸部などで構成してもよく、スライド溝を横断する横断部材、スライド溝を端部で塞ぐ閉塞部材などで構成してもよい。
さらに、架設レールユニットや遮蔽構造は、カーテンの少なくとも一方の側部を補強するため、カーテンの少なくとも一方の側部(又は両側部)に取り付け可能な補強支持部材と、この補強支持部材の上下端部に取り付け可能であり、かつスライド溝を走行可能又は転動可能なランナーとを備えていてもよい。このランナーは、前記と同様に、補強支持部材の上下端部に取り付け可能なランナーの支持部(ローラ部を貫通して支持する支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部など)と、かつスライド溝に対して装着され、スライド溝を走行可能又は転動可能なローラ部材とを備えていてもよい。また、カーテンの閉じ状態を維持するため、カーテンの隣接する両側部に取り付けられた開閉可能な閉じ手段、例えば、係止又は架け止め機構、磁気的吸着手段などを備えていてもよい。
本発明は、コンドミニアムなどの高層住宅、ビルや一戸建て住宅などの建造物や構造物の補修、リフォームなどにおいて、開閉可能なカーテンを有する骨組み(足場など)を形成するのに利用できる。
1…支柱
2,22,32…架設レール部材
3…区画
5,25…ガイド溝
6,36…スライド溝
7,27…スライド部材
8…位置決め部材
9…連結手段
10…ランナー
11…ローラ部
12…円柱状連結部
13…フック部材
14…カーテン
15…孔部
28…ジョイント部材
37…ネジ棒

Claims (9)

  1. 所定間隔を置いて立設された複数の支柱に対して、連結手段により縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能な複数の長尺な架設レール部材であって、前記支柱側の側部に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結手段をスライド式に案内するためのガイド溝と、架設状態で対向する対向部に長手方向に沿って形成され、かつカーテンに接続可能なランナーが走行可能なスライド溝とを備えており、断面円形状、断面楕円形状、又は上下部及び両側部が平面形状である断面多角形状に形成され、前記ガイド溝が少なくとも一方の側部に形成されている架設レール部材(但し、前記ガイド溝が両側部に形成されているとき、前記スライド溝は上下部に形成されていない)。
  2. 断面H状の骨格を有し、両側面及び上下面が平面状に形成された断面中空多面体状であり、少なくとも一方の側面に形成された断面アリ溝状のガイド溝と、架設状態で対向する対向面に形成された断面アリ溝状のスライド溝とを備え、アルミニウムのダイカストにより形成されている請求項1記載の架設レール部材。
  3. ガイド溝が架設レール部材の一方の側部に形成され、スライド溝が架設レール部材の上下部に形成されている請求項1又は2記載の架設レール部材。
  4. ガイド溝が架設レール部材の少なくとも一方の側部に形成され、下面にスライド溝が形成された架設レール部材と上面にスライド溝が形成された架設レール部材とが対向して配置される請求項1又は2記載の架設レール部材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の複数の架設レール部材と、カーテンに接続可能な連結部を備え、かつ前記架設レール部材のスライド溝を走行可能なランナーとを備えている架設レールユニット。
  6. 架設状態で対向する架設レール部材の対向部のスライド溝をそれぞれ走行可能な複数のランナーとを備えている請求項5記載の架設レールユニット。
  7. ランナーの架設レール部材との接触部が、プラスチックで形成されている請求項5又は6記載の架設レールユニット。
  8. 架設レール部材の少なくとも一方の端部にランナーの走行を規制するストッパーを備えている請求項5〜7のいずれかに記載の架設レールユニット。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の複数の架設レール部材と、カーテンに接続可能な連結部を備え、かつ前記架設レール部材のスライド溝を走行可能なランナーと、架設レール部材の少なくとも一方の端部にランナーの走行を規制するストッパーとを備えている架設レールユニット。
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