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JP2011111010A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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JP2011111010A JP2009268200A JP2009268200A JP2011111010A JP 2011111010 A JP2011111010 A JP 2011111010A JP 2009268200 A JP2009268200 A JP 2009268200A JP 2009268200 A JP2009268200 A JP 2009268200A JP 2011111010 A JP2011111010 A JP 2011111010A
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Makoto Seki
誠 関
Hiroto Suma
洋斗 須間
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】ブレーキロータ取付面の面振れ精度の向上を図ると共に、車輪取付フランジの剛性低下を抑えつつ、ブレーキロータとの接触面圧の増大を抑制した車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ輪4のアウター側の端部に円形の車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の側面10にハブボルト6aを包含する所定の幅を有する環状溝11が形成され、この環状溝11以外の車輪取付フランジ6の側面10が、ハブボルト6a圧入後に切削加工した切削面されると共に、車輪取付フランジ6が、環状溝11の内径よりも僅かに内径側から外径部に亙って根元部の肉厚よりも厚く形成されている。これにより、ハブボルト6aの圧入による側面の変形を抑制できると共に、剛性低下を抑えつつ、ハブボルト6aの締付による変形を防止することができ、ハブボルト6a周辺の接触面圧の増大を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置に関するもので、特に、車輪取付フランジの面振れ精度を高めてブレーキジャダーの発生を抑制し得る車輪用軸受装置に関する。
一般に制動力が優れたディスクブレーキが普及してきた反面、このディスクブレーキのロータをブレーキパッドにて挟持して制動を行う場合、特に車両低速走行時に振動が発生し、低周波の不快な騒音を誘発することがある。こうした現象はブレーキジャダーと呼ばれ、車両の高性能化、静寂化に伴って、近年、この分析および改善が新しい技術課題として着目されている。
ブレーキジャダーの明確なメカニズムはまだ詳細には解明されてはいないが、その一要因としてブレーキロータのパッド摺接面の振れ精度が挙げられている。この振れ精度は、ブレーキロータ単体の振れ精度だけでなく、ブレーキロータを取り付ける車輪取付フランジの面振れ精度、転がり軸受のアキシアル振れ等、転走面の精度、および転がり軸受の組立精度等々が累積して最終的にブレーキロータ側面の面振れ精度となって現れてくる。
また、近年、低コスト化は言うに及ばず、燃費向上のために軽量化を追求することにより、車輪用軸受装置は可及的に余肉が排除されスリム化することと、操縦安定性のための、車輪用軸受装置の剛性アップといった両者相反する要求を満足しつつ、前述したブレーキロータ側面の面振れ精度対策が講じられている。
図6に示す車輪用軸受装置はその一例である。この車輪用軸受装置は、内方部材50と外方部材51と複列のボール52、52とを備え、内方部材50は、ハブ輪53と別体の内輪54とからなる。ハブ輪53は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55を一体に有し、外周に一方の内側転走面53aと、この内側転走面53aから軸方向に延びる円筒状の小径段部53bが形成されると共に、内輪54は、外周に他方の内側転走面54aが形成され、ハブ輪53の小径段部53bに圧入固定されている。なお、車輪取付フランジ55の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト55aが植設されている。
一方、外方部材51は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ51bを一体に有し、内周に内方部材50の複列の内側転走面53a、54aに対向する複列の外側転走面51a、51aが一体に形成されている。これら外側転走面51a、51aと前述した内側転走面53a、54a間には保持器56、56で円周等配された複列のボール52、52がそれぞれ転動自在に収容されている。
内方部材50と外方部材51との間に形成される環状空間の開口部にはシール57、58が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩を防止すると共に、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。
車輪取付フランジ55の側面55bにはハブボルト55aを包含する所定の幅を有する環状溝59が形成され、そして、この環状溝59以外の側面55bが、ハブボルト55a圧入後に旋盤等により二次切削されている。このように、環状溝59を側面55bに形成することにより、ハブボルト55aの圧入による側面55bへの変形等の影響を最小限に抑制できると共に、ハブボルト55aの圧入後、さらに側面55bを二次切削することにより、ハブボルト55aの圧入によって増加した側面55bの面振れを可及的に抑制することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−176485号公報
前述した車輪用軸受装置では、車輪取付フランジ55の側面55bに環状溝59を形成することによって、ハブボルト55aの圧入による側面55bへの変形等の影響を最小限に抑制できると共に、ハブボルト55aの圧入後、さらに側面55bを二次切削することにより、ハブボルト55aの圧入によって増加した側面55bの面振れを抑制することができる。然しながら、車輪取付フランジ55の側面55bに環状溝59を形成することによってブレーキロータと接触する面積が減少し、側面55bの接触面圧がその分増大する。
また、車輪取付フランジ55の剛性が低下し、ハブボルト55aの締付により、周方向に波打つように微小に変形する。これにより、ハブボルト55aの周辺の接触面圧がさらに増大して応力が集中する恐れがある。特に、軽量化のためにブレーキロータにアルミ合金等の軟質金属を使用した場合、素材の降伏応力を超えた面圧が発生することがあり、その部位に陥没が生じる恐れがある。このように、ブレーキロータに陥没が発生すれば、回転が安定せず、走行中にブレーキロータとブレーキパッドの接触が発生してブレーキジャダーを誘発する恐れがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ブレーキロータ取付面の面振れ精度の向上を図ると共に、車輪取付フランジの剛性低下を抑えつつ、ブレーキロータとの接触面圧の増大を抑制した車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための円形の車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と外方部材間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記車輪取付フランジの周方向等配にハブボルトが圧入された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジのアウター側の側面に前記ハブボルトを包含する所定の幅を有する環状溝が形成され、この環状溝以外の前記車輪取付フランジの側面が、前記ハブボルト圧入後に切削加工した切削面とされると共に、当該車輪取付フランジの少なくとも外径部の肉厚が根元部の肉厚より厚く形成されている。
このように、円形の車輪取付フランジのアウター側の側面にハブボルトを包含する所定の幅を有する環状溝が形成され、この環状溝以外の車輪取付フランジの側面が、ハブボルト圧入後に切削加工した切削面とされると共に、当該車輪取付フランジの少なくとも外径部の肉厚が根元部の肉厚より厚く形成されているので、ハブボルトの圧入による側面への変形等の影響を最小限に抑制でき、また、ハブボルトの圧入後、さらに側面を二次切削することにより、ハブボルトの圧入によって増加した側面の面振れを抑制することができると共に、車輪取付フランジの剛性低下を抑え、ハブボルトの締付による変形を防止することができ、ハブボルト周辺の接触面圧の増大を抑制することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記環状溝が前記ハブボルトの外径から少なくとも1mmの間隙をもって形成されていれば、ブレーキロータ取付面との接触面積が大きく減少することはなく、車輪をナットで締結した時の車輪取付フランジの変形を抑制し、ブレーキロータ側面の面振れ精度の悪化を最小限に抑制できると共に、旋削バイト等の加工治具が切削時に干渉して作業性を低下させることもない。
また、請求項3に記載の発明のように、前記車輪取付フランジが前記環状溝の内径よりも僅かに内径側から厚く形成されていても良いし、また、請求項4に記載の発明のように、前記車輪取付フランジが前記環状溝の外径よりも僅かに外径側から厚く形成されていても良い。これにより、軽量化を図りつつ、ブレーキロータとの接触面圧が最も高くなる車輪取付フランジの外径部の剛性低下を効果的に抑え、ハブボルトの締付による変形を防止することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記車輪取付フランジにおけるインナー側の側面の前記ハブボルトに対応する位置に径方向外方に延びるリブが鍛造加工により形成されていれば、軽量化を図りつつ、車輪取付フランジの剛性、特に、ハブボルトの周辺部の剛性低下を効果的に抑え、ハブボルトの締付による変形を防止することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記リブが前記ハブボルトのねじ径の略2倍以上で同一幅にて形成されていても良いし、また、請求項7に記載の発明のように、前記リブが外径に向って幅広となる15°以下の傾斜角を有していても良い。これにより、容易に鍛造加工ができ、ハブボルトの頭部の座面を確保することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記車輪取付フランジが、前記の環状溝の外径よりも僅かに内径側から厚く形成された環状の補強部を備え、この補強部が前記リブと同じ厚さに形成されていれば、軽量化を図りつつ、車輪取付フランジの剛性、特に、ハブボルトの周辺部の剛性低下を効果的に抑え、ハブボルトの締付による変形を防止することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための円形の車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と外方部材間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記車輪取付フランジの周方向等配にハブボルトが圧入された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジのアウター側の側面に前記ハブボルトを包含する所定の幅を有する環状溝が形成され、この環状溝以外の前記車輪取付フランジの側面が、前記ハブボルト圧入後に切削加工した切削面されると共に、当該車輪取付フランジの少なくとも外径部の肉厚が根元部の肉厚より厚く形成されているので、ハブボルトの圧入による側面への変形等の影響を最小限に抑制でき、また、ハブボルトの圧入後、さらに側面を二次切削することにより、ハブボルトの圧入によって増加した側面の面振れを抑制することができると共に、車輪取付フランジの剛性低下を抑え、ハブボルトの締付による変形を防止することができ、ハブボルト周辺の接触面圧の増大を抑制することができる。
(a)は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す側面図、(b)は、(a)の縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図3のIV矢視図、(b)は、(a)の変形例を示す。 (a)は、本発明に係る車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)の側面図である。 (a)は、従来の車輪用軸受装置を示す側面図、(b)は、(a)の縦断面図である。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための円形の車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と外方部材間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記車輪取付フランジの周方向等配にハブボルトが圧入された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジのアウター側の側面に前記ハブボルトを包含する所定の幅を有する環状溝が形成され、この環状溝以外の前記車輪取付フランジの側面が、前記ハブボルト圧入後に切削加工した切削面されると共に、当該車輪取付フランジが、前記環状溝の内径よりも僅かに内径側から外径部に亙って根元部の肉厚よりも厚く形成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す側面図、(b)は、(a)の縦断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は、内方部材1と外方部材2と複列の転動体(ボール)3、3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に固定された別体の内輪5とからなる。ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための円形の車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウター側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)4cが形成されている。車輪取付フランジ6の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト6aが植設されている。
内輪5は、外周に他方(インナー側)の内側転走面5aが形成され、ハブ輪4の小径段部4bに所定のシメシロを介して圧入されると共に、この小径段部4bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部4dによって、所定の軸受予圧が付与された状態で、軸方向に固定されている。
一方、外方部材2は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ2bを一体に有し、内周に前記内方部材1の複列の内側転走面4a、5aに対向する複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。これら両転走面間には保持器7で円周等配された複列の転動体3、3がそれぞれ転動自在に収容されている。
外方部材2の両端にはシール8、9が装着され、外方部材2と内方部材1との間に形成された環状空間の開口部を密封し、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩を防止すると共に、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面4aをはじめ、車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部4dは、鍛造後の素材表面硬さ30HRC以下の未焼入れ部としている。これにより、車輪取付フランジ6に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、内輪5の嵌合部となる小径段部4bの耐フレッティング性が向上してハブ輪4の耐久性が向上すると共に、微小なクラック等の発生がなく加締部4dの塑性加工をスムーズに行うことができる。また、内輪5および転動体3はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
外方部材2はハブ輪4と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面2a、2aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
なお、ここでは、転動体3をボールとした複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず転動体3に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されたものであっても良い。また、第3世代の構造を例示したが、これに限らず、例えば、一対の内輪をハブ輪に圧入した第2世代の構造をはじめ第1世代〜第4世代の構造からなる車輪用軸受装置であっても良い。
ここで、図示しないブレーキロータの取付面となる車輪取付フランジ6のアウター側の側面10が旋盤等により一次切削されると共に、ハブボルト6aを包含する所定の幅からなる環状溝11が形成されている。さらにハブボルト6aの圧入後、このアウター側の側面10が旋盤等により二次切削されている。二次切削は旋盤に限らず、フライス盤や研削盤による切削であっても良い。
これにより、ハブボルト6aの圧入による側面10への変形等の影響を最小限に抑制できると共に、ハブボルト6aの圧入後、さらに側面10を二次切削することにより、ハブボルト6aの圧入によって増加した側面10の面振れを抑制することができる。
なお、環状溝11は、ハブボルト6aの外径から少なくとも1mmの間隙をもって形成されている。これにより、ブレーキロータ取付面との接触面積が大きく減少することはなく、車輪をナットで締結した時の車輪取付フランジ6の変形を抑制し、ブレーキロータ側面の面振れ精度の悪化を最小限に抑制できると共に、旋削バイト等の加工治具が切削時に干渉して作業性を低下させることもない。
さらに、本実施形態では、鍛造加工により、車輪取付フランジ6の外径部の肉厚が根元部の肉厚より厚く形成されている。これにより、車輪取付フランジ6の剛性低下を抑え、ハブボルト6aの締付による変形を防止することができ、ハブボルト6a周辺の接触面圧の増大を抑制することができる。
ここで、車輪取付フランジ6の肉厚部は根元部から均一に形成されても良いが、軽量化を図るため、環状溝11を包含する部位、すなわち、環状溝11の内径よりも僅かに内径側から形成されるのが好ましい。
図2は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。なお、この実施形態は、前述した実施形態と基本的には車輪取付フランジの構成が一部異なるだけで、その他前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符合を付して詳細な説明を省略する。
ハブ輪12は、アウター側の端部に円形の車輪取付フランジ13を一体に有し、外周に一方の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション4cが形成されている。そして、前述した実施形態と同様、車輪取付フランジ13のアウター側の側面10が旋盤等により一次切削されると共に、ハブボルト6aを包含する所定の幅からなる環状溝11が形成され、ハブボルト6aの圧入後、アウター側の側面10が旋盤等により二次切削されている。
ここで、ブレーキロータ(図示せず)との接触面圧が最も高くなる車輪取付フランジ13の外径部、具体的には、環状溝11の外径よりも僅かに外径側から厚く形成されている。これにより、軽量化を図りつつ、車輪取付フランジ13の剛性低下を効果的に抑え、ハブボルト6aの締付による変形を防止することができる。
図3は、本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図、図4(a)は、図3のIV矢視図、(b)は、(a)の変形例を示す。なお、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符合を付して詳細な説明を省略する。
ハブ輪14は、アウター側の端部に円形の車輪取付フランジ15を一体に有し、外周に一方の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション4cが形成されている。そして、前述した実施形態と同様、車輪取付フランジ15のアウター側の側面10が旋盤等により一次切削されると共に、ハブボルト6aを包含する所定の幅からなる環状溝11が形成され、ハブボルト6aの圧入後、アウター側の側面10が旋盤等により二次切削されている。
ここで、車輪取付フランジ15におけるインナー側の側面15aのハブボルト6aに対応する位置にリブ16が鍛造加工により形成されている。このリブ16は、図4(a)に示すように、径方向外方に延び、ハブボルト6aのねじ径dの略2倍以上で同一幅Wにて形成されている(W≧2d)。これにより、ハブボルト6aの頭部の座面を確保し、軽量化を図りつつ、車輪取付フランジ16の剛性、特に、ハブボルト6aの周辺部の剛性低下を効果的に抑え、ハブボルト6aの締付による変形を防止することができる。
(b)は、(a)の変形例を示す。このリブ17は、径方向外方に延び、ハブボルト6aのねじ径dの略2倍以上で、外径に向って幅広となる15°以下の傾斜角θを有している。これにより、ハブボルト6aの頭部の座面を確保し、軽量化を図りつつ、ハブボルト6aの周辺部の剛性低下を効果的に抑え、ハブボルト6aの締付による変形を防止することができる。なお、傾斜角θが15°を超えると鍛造加工が難しくなるため好ましくない。
図5(a)は、本発明に係る車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)の側面図である。なお、この実施形態は、前述した第2の実施形態(図2)と車輪取付フランジの構成が一部異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符合を付して詳細な説明を省略する。
ハブ輪18は、アウター側の端部に円形の車輪取付フランジ19を一体に有し、外周に一方の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション4cが形成されている。そして、前述した実施形態と同様、車輪取付フランジ19のアウター側の側面10が旋盤等により一次切削されると共に、ハブボルト6aを包含する所定の幅からなる環状溝11が形成され、ハブボルト6aの圧入後、アウター側の側面10が旋盤等により二次切削されている。
ここで、接触面圧が最も高くなる車輪取付フランジ19の外径部、具体的には、環状溝11の外径よりも僅かに内径側から厚く形成された環状の補強部20を備えている。さらに、車輪取付フランジ19におけるインナー側の側面19aのハブボルト6aに対応する位置にリブ21が鍛造加工により形成されている。このリブ21は、基部6bから径方向外方に延び、補強部20と同じ厚さに形成されている。これにより、軽量化を図りつつ、車輪取付フランジ19の剛性、特に、ハブボルト6aの周辺部の剛性低下を効果的に抑え、ハブボルト6aの締付による変形を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明は、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪を備えた第1世代乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
1 内方部材
2 外方部材
2a 外側転走面
2b 車体取付フランジ
3 転動体
4、12、14、18 ハブ輪
4a、5a 内側転走面
4b 小径段部
4c セレーション
4d 加締部
5 内輪
6、13、15、19 車輪取付フランジ
6a ハブボルト
6b 車輪取付フランジのインナー側の基部
7 保持器
8 アウター側のシール
9 インナー側のシール
10 車輪取付フランジのアウター側の側面
11 環状溝
16、17、21 リブ
20 補強部
50 内方部材
51 外方部材
51a 外側転走面
51b 車体取付フランジ
52 ボール
53 ハブ輪
53a、54a 内側転走面
53b 小径段部
54 内輪
55 車輪取付フランジ
55a ハブボルト
55b 側面
56 保持器
57、58 シール
59 環状溝
d ハブボルトのねじ径
W リブの幅
θ リブの傾斜角

Claims (8)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための円形の車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪または等速自在継手の外側継手部材からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と外方部材間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記車輪取付フランジの周方向等配にハブボルトが圧入された車輪用軸受装置において、
    前記車輪取付フランジのアウター側の側面に前記ハブボルトを包含する所定の幅を有する環状溝が形成され、この環状溝以外の前記車輪取付フランジの側面が、前記ハブボルト圧入後に切削加工した切削面とされると共に、当該車輪取付フランジの少なくとも外径部の肉厚が根元部の肉厚より厚く形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記環状溝が前記ハブボルトの外径から少なくとも1mmの間隙をもって形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記車輪取付フランジが前記環状溝の内径よりも僅かに内径側から厚く形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記車輪取付フランジが前記環状溝の外径よりも僅かに外径側から厚く形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記車輪取付フランジにおけるインナー側の側面の前記ハブボルトに対応する位置に径方向外方に延びるリブが鍛造加工により形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記リブが前記ハブボルトのねじ径の略2倍以上で同一幅にて形成されている請求項5に記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記リブが外径に向って幅広となる15°以下の傾斜角を有している請求項5に記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記車輪取付フランジが、前記の環状溝の外径よりも僅かに内径側から厚く形成された環状の補強部を備え、この補強部が前記リブと同じ厚さに形成されている請求項5乃至7いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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JP2016002916A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社ジェイテクト ハブユニット

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