JP2011106718A - ヒートポンプチラー - Google Patents
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Abstract
【課題】HFC冷媒充填量が少なくて済むヒートポンプチラーを提供する。
【解決手段】第1冷媒回路10は、圧縮機11、外気側熱交換器14、膨張弁12、熱交換部位16、冷温水器15、これらの接続状態を設定する接続状態設定部17〜19を備える。二酸化炭素冷媒回路30は、圧縮機31、外気側熱交換器35、膨張弁32、33、熱交換部位37、受液器34、これらの接続状態を設定する接続状態設定部39、氷蓄熱槽62に設けられた熱交換器36、受液器34と熱交換器36の間で二酸化炭素冷媒を循環するポンプ38を備える。熱交換部位16及び37はカスケード熱交換器70を形成する。ポンプ61は、氷蓄熱槽62と冷水器63の間で冷水を循環する。冷温水器15において第1冷媒と熱交換される第1二次冷媒が循環回路81を循環する。冷水器63において冷水と熱交換される第2二次冷媒が循環回路82を循環する。
【選択図】図1
【解決手段】第1冷媒回路10は、圧縮機11、外気側熱交換器14、膨張弁12、熱交換部位16、冷温水器15、これらの接続状態を設定する接続状態設定部17〜19を備える。二酸化炭素冷媒回路30は、圧縮機31、外気側熱交換器35、膨張弁32、33、熱交換部位37、受液器34、これらの接続状態を設定する接続状態設定部39、氷蓄熱槽62に設けられた熱交換器36、受液器34と熱交換器36の間で二酸化炭素冷媒を循環するポンプ38を備える。熱交換部位16及び37はカスケード熱交換器70を形成する。ポンプ61は、氷蓄熱槽62と冷水器63の間で冷水を循環する。冷温水器15において第1冷媒と熱交換される第1二次冷媒が循環回路81を循環する。冷水器63において冷水と熱交換される第2二次冷媒が循環回路82を循環する。
【選択図】図1
Description
本発明はヒートポンプチラーに関する。
従来のヒートポンプシステムには、R134aやR410AのようなHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒が使用されている。HFC冷媒は、地球温暖化防止を図る京都議定書では排出抑制の対象ガスとされている。したがって、ヒートポンプシステムにおいては、HFC冷媒の使用削減と運転効率向上による省エネルギー化とが地球温暖化防止のために求められている。
また、中規模以上のオフィスビル等における空調方式として、空気を熱源とし、冷却または加熱された水を室内のファンコイルユニットに循環させる方式の空気熱源ヒートポンプチラーを採用する例が知られている。
寒冷地においては、外気温度が低いためにヒートポンプの暖房能力が低下するという問題がある。特許文献1は、この問題に対処するため、空気熱源ヒートポンプチラーに蓄熱式電気ボイラーを組み合わせた空調システムを開示している。
本発明の目的は、HFC冷媒充填量が少なくて済むヒートポンプチラーを提供することである。
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明によるヒートポンプチラー(1)は、第1冷媒が充填された第1回路(10)と、二酸化炭素冷媒が充填された第2回路(30)と、冷水回路(60)と、第1循環回路(81)と、第2循環回路(82)とを具備する。前記第1回路は、第1圧縮機(11)と、前記第1冷媒と外気との間で熱交換する第1外気側熱交換器(14)と、第1膨張弁(12)と、第1カスケード熱交換部位(16)と、冷温水器(15)と、前記第1圧縮機、前記外気側熱交換器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、及び前記冷温水器の第1接続状態を設定する第1接続状態設定手段(17〜19)とを備える。前記第2回路は、第2圧縮機(31)と、前記二酸化炭素冷媒と外気との間で熱交換する第2外気側熱交換器(35)と、第2回路第1膨張弁(32)と、第2回路第2膨張弁(33)と、前記第1カスケード熱交換部位とともにカスケード熱交換器(70)を形成する第2カスケード熱交換部位(37)と、受液器(34)と、前記第2圧縮機、前記第2外気側熱交換器、前記第2回路第1膨張弁、前記第2回路第2膨張弁、前記第2カスケード熱交換部位、及び前記受液器の第2接続状態を設定する第2接続状態設定手段(39)と、氷蓄熱熱交換器(36)と、前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する二酸化炭素冷媒ポンプ(38)とを備える。前記冷水回路は、前記氷蓄熱熱交換器が設けられた氷蓄熱槽(62)と、冷水器(63)と、前記氷蓄熱槽と前記冷水器との間で冷水を循環する冷水ポンプ(61)とを備える。前記冷温水器において前記第1冷媒と熱交換される第1二次冷媒が前記第1循環回路を循環する。前記冷水器において前記冷水と熱交換される第2二次冷媒が前記第2循環回路を循環する。
前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記冷温水器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定する。前記第2接続状態設定手段は、前記第2圧縮機、前記第2カスケード熱交換部位、前記受液器、前記第2回路第1膨張弁、前記第2外気側熱交換器、前記第2圧縮機の順に前記二酸化炭素冷媒が循環するように前記第2接続状態を設定する。
前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記第1外気側熱交換器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定する。前記受液器及び前記第2カスケード熱交換部位は、前記受液器からの気体状態の前記二酸化炭素冷媒が前記第2カスケード熱交換部位で液体状態となって重力により前記受液器に戻るように接続される。前記二酸化炭素冷媒ポンプは、前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する。
前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記冷温水器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定する。前記受液器及び前記第2カスケード熱交換部位は、前記受液器からの気体状態の前記二酸化炭素冷媒が前記第2カスケード熱交換部位で液体状態となって重力により前記受液器に戻るように接続される。前記二酸化炭素冷媒ポンプは、前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する。
前記第2接続状態設定手段は、前記第2圧縮機、前記第2外気側熱交換器、前記第2回路第2膨張弁、前記受液器、前記第2圧縮機の順に前記二酸化炭素冷媒が循環するように前記第2接続状態を設定する。前記二酸化炭素冷媒ポンプは、前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する。
前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記冷温水器、前記第1膨張弁、前記第1外気側熱交換器、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定する。
前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記第1外気側熱交換器、前記第1膨張弁、前記冷温水器、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定する。
本発明によれば、HFC冷媒充填量が少なくて済むヒートポンプチラーが提供される。
添付図面を参照して、本発明による氷蓄熱カスケードヒートポンプチラーを実施するための形態を以下に説明する。
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1を説明する。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1は、主回路10と、ブースタ回路30と、冷水回路60と、二次冷媒循環回路81及び82とを備える。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1を説明する。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1は、主回路10と、ブースタ回路30と、冷水回路60と、二次冷媒循環回路81及び82とを備える。
主回路10には、HFC冷媒が充填されている。主回路10は、圧縮機11と、膨張弁12と、受液器13と、外気側熱交換器14と、冷温水器15と、カスケード熱交換部位16と、接続状態設定部17〜19とを備える。接続状態設定部17は、ポート17a〜17dを備える。接続状態設定部18は、ポート18a〜18dを備える。接続状態設定部19は、ポート19a〜19cを備える。
ポート17aは、配管の分岐部21に接続されている。分岐部21は、圧縮機11の吸込口11aとカスケード熱交換部位16の出入口16aにそれぞれ接続されている。ポート17bは、冷温水器15の出入口15aに接続されている。ポート17cは、圧縮機11の吐出口11bに接続されている。ポート17dは、外気側熱交換器14の出入口14aに接続されている。
ポート18aは、外気側熱交換器14の出入口14bに接続されている。ポート18bは、ポート19aに接続されている。ポート18cは、冷温水器15の出入口15bに接続されている。ポート18dは、受液器13の上部13aに接続されている。受液器13の下部13bは、膨張弁12を介してポート19cに接続されている。
ポート19bは、カスケード熱交換部位16の出入口16bに接続されている。
接続状態設定部17〜19は、圧縮機11、膨張弁12、外気側熱交換器14、冷温水器15、及びカスケード熱交換部位16の接続状態としての主回路接続状態を設定する。
ブースタ回路30には、二酸化炭素冷媒が充填されている。ブースタ回路30は、圧縮機31と、膨張弁32及び33と、受液器34と、外気側熱交換器35と、氷蓄熱熱交換器36と、カスケード熱交換部位37と、ポンプ38と、接続状態設定部39と、逆止弁40〜44と、配管の分岐部45〜49とを備える。接続状態設定部39は、ポート39a〜39dを備える。
ポート39aは、圧縮機31の吸込口31aに接続されている。ポート39bは、外気側熱交換器35の出入口35aに接続されている。ポート39cは、圧縮機31の吐出口31bに接続されている。ポート39dは、分岐部48に接続されている。
外気側熱交換器35の出入口35bは、分岐部45に接続されている。分岐部45は、逆止弁40及び膨張弁32が並列関係を有するように、逆止弁40を介して分岐部46に接続され、膨張弁32を介して分岐部46に接続されている。逆止弁40は、分岐部45から分岐部46への二酸化炭素冷媒の流れを許容するように設けられている。分岐部46は分岐部47に接続されている。分岐部47は、膨張弁33及び逆止弁43を介して分岐部49に接続されるほか、逆止弁44を介して受液器34の下部34bに接続されている。逆止弁43は、分岐部47から分岐部49への二酸化炭素冷媒の流れを許容するように設けられている。逆止弁44は、受液器34の下部34bから分岐部47への二酸化炭素冷媒の流れを許容するように設けられている。
分岐部48は、カスケード熱交換部位37の出入口37aに接続されるほか、逆止弁42を介して受液器34の上部34aに接続されている。逆止弁42は、受液器34の上部34aから分岐部48への二酸化炭素冷媒の流れを許容するように設けられている。分岐部49は、逆止弁41を介してカスケード熱交換部位37の出入口37bに接続されるほか、受液器34の上部34aに接続されている。逆止弁41は、出入口37bから分岐部49への二酸化炭素冷媒の流れを許容するように設けられている。
受液器34及びカスケード熱交換部位37は、受液器34からの気体状態の二酸化炭素冷媒がカスケード熱交換部位37で液体状態となって重力により受液器34に戻ることが可能なように接続されている。
接続状態設定部39は、圧縮機31、外気側熱交換器35、膨張弁32、膨張弁33、カスケード熱交換部位37、及び受液器34の接続状態としてのブースタ回路接続状態を設定する。
受液器34の下部34bは、ポンプ38の吸込口38aに接続されている。ポンプ38の吐出口38bは、氷蓄熱熱交換器36の出入口36aに接続されている。氷蓄熱熱交換器36の出入口36bは、受液器34の上部34aに接続されている。ポンプ38は、受液器34と氷蓄熱熱交換器36との間で液体状態の二酸化炭素冷媒を循環する。
冷水回路60は、ポンプ61と、冷水及び氷を貯える氷蓄熱槽62と、冷水器63とを備える。氷蓄熱槽62には、氷蓄熱熱交換器36が設けられている。氷蓄熱槽62は、ポンプ61の吸込口61aに接続されている。ポンプ61の吐出口61bは、冷水器63の出入口63bに接続されている。冷水器63の出入口63aは、氷蓄熱槽62に接続されている。ポンプ61は、氷蓄熱槽62と冷水器63との間で冷水を循環する。
二次冷媒循環回路81は、ポンプ83と、図示されないファンコイルユニットを備える。ファンコイルユニットは、室内に配置される。ポンプ83は、冷温水器15においてHFC冷媒と熱交換される液体二次冷媒を二次冷媒循環回路81に循環させる。液体二次冷媒は、例えば、水である。
二次冷媒循環回路82は、ポンプ84と、図示されないファンコイルユニットを備える。ファンコイルユニットは、室内に配置される。ポンプ84は、冷水器63において冷水と熱交換される液体二次冷媒を二次冷媒循環回路81に循環させる。液体二次冷媒は、例えば、水である。
カスケード熱交換部位16及び37はカスケード熱交換器70を形成する。カスケード熱交換器70は、HFC冷媒と二酸化炭素冷媒との間で熱交換する。外気側熱交換器14は、HFC冷媒と外気との間で熱交換する。外気側熱交換器35は、二酸化炭素冷媒と外気との間で熱交換する。氷蓄熱槽62内の冷水及び氷と氷蓄熱熱交換器36内の二酸化炭素冷媒との間で熱交換される。
図2Aを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の冷房運転状態を説明する。
冷房運転状態において、圧縮機11が運転され、接続状態設定部17〜19は、圧縮機11、外気側熱交換器14、膨張弁12、冷温水器15、圧縮機11の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部17は、ポート17aとポート17bを接続し、ポート17cとポート17dを接続する。接続状態設定部18は、ポート18aとポート18dを接続し、ポート18bとポート18cを接続する。接続状態設定部19は、ポート19aとポート19cとを接続する。冷房運転状態において、ポンプ83が運転され、圧縮機31及びポンプ38が停止される。
冷房運転状態において、主回路10は、外気を熱源として二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒を冷却する冷凍機として機能する。更に、ポンプ61及び84を運転することで、ポンプ61が氷蓄熱槽62と冷水器63との間で冷水を循環し、冷水回路60が氷蓄熱槽62に貯えられた冷熱を用いて二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒を冷却してもよい。次に説明する氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の氷蓄熱運転により、氷蓄熱槽62に冷熱が貯えられる。
図2Bを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の氷蓄熱運転状態を説明する。
氷蓄熱運転状態において、圧縮機11が運転され、接続状態設定部17〜19は、圧縮機11、外気側熱交換器14、膨張弁12、カスケード熱交換部位16、圧縮機11の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部17は、ポート17cとポート17dを接続する。接続状態設定部18は、ポート18aとポート18dを接続する。接続状態設定部19は、ポート19bとポート19cを接続する。氷蓄熱運転状態において、圧縮機31と、ポンプ61、83、及び84とが停止され、ポンプ38が運転される。
氷蓄熱運転状態において、主回路10は、外気を熱源としてカスケード熱交換部位37内の二酸化炭素冷媒を冷却する冷凍機として機能する。冷却された二酸化炭素冷媒は凝縮する。凝縮して液体状態となった二酸化炭素冷媒は、重力によりカスケード熱交換部位37から逆止弁41及び分岐部49を通って受液器34に流入する。液体状態の二酸化炭素冷媒が流出するとカスケード熱交換部位37の圧力が下がるため、気体状態の二酸化炭素冷媒が受液器34から逆止弁42及び分岐部48を通って、カスケード熱交換部位37に流入する。ポンプ38は、受液器34と氷蓄熱熱交換器36との間で液体状態の二酸化炭素冷媒を循環させる。主回路10が二酸化炭素冷媒を0℃より低い温度に冷却するため、氷蓄熱槽62内の水が凍結する。これにより、氷蓄熱槽62に冷熱が蓄熱される。なお、氷蓄熱運転は、割安な夜間電力を用いて行われることが多い。
図2Cを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の熱回収暖房運転状態を説明する。
熱回収暖房運転状態において、圧縮機11が運転され、接続状態設定部17〜19は、圧縮機11、冷温水器15、膨張弁12、カスケード熱交換部位16、圧縮機11の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部17は、ポート17bとポート17cを接続する。接続状態設定部18は、ポート18cとポート18dを接続する。接続状態設定部19は、ポート19bとポート19cを接続する。熱回収暖房運転状態において、ポンプ61、83及び84が運転され、ブースタ回路30は、氷蓄熱運転状態と同様の状態をとる。
熱回収暖房運転において、主回路10は、ブースタ回路30から熱を吸収し、二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒を加熱する。ブースタ回路30は、氷蓄熱槽62から熱を吸収し、主回路10に熱を放出する。ポンプ61が氷蓄熱槽62と冷水器63との間で冷水を循環することで、冷水回路60は、ブースタ回路30に熱を放出し、二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒を冷却する。熱回収暖房運転は、コンピュータのような発熱体が多い部屋を冷房して発熱体の少ない部屋を暖房する場合に好適である。
図2Dを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の外気温度が高い場合における外気を熱源とする暖房運転状態を説明する。
外気温度が高い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、圧縮機11が運転され、接続状態設定部17〜19は、圧縮機11、冷温水器15、膨張弁12、外気側熱交換器14、圧縮機11の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部17は、ポート17aとポート17dを接続し、ポート17bとポート17cを接続する。接続状態設定部18は、ポート18aとポート18bを接続し、ポート18cとポート18dを接続する。接続状態設定部19は、ポート19aとポート19cを接続する。外気温度が高い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、ポンプ83が運転され、圧縮機31及びポンプ38は停止される。
外気温度が高い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、主回路10は、外気を熱源として二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒を加熱するヒートポンプとして機能する。更に、ポンプ61及び84を運転することで、ポンプ61が氷蓄熱槽62と冷水器63との間で冷水を循環し、冷水回路60が氷蓄熱槽62に貯えられた冷熱を用いて二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒を冷却してもよい。二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒を加熱し、二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒を冷却することで、発熱体の少ない部屋を暖房し、発熱体の多い部屋を冷房することが可能である。
図2Eを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1のデフロスト運転状態を説明する。
デフロスト運転状態において、圧縮機11及びポンプ83は停止する。デフロスト運転状態において、圧縮機31及びポンプ38が運転され、接続状態設定部39は、圧縮機31、外気側熱交換器35、膨張弁33、受液器34、圧縮機31の順に二酸化炭素冷媒が循環するようにブースタ回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部39は、ポート39aとポート39dを接続し、ポート39bとポート39cを接続する。デフロスト運転状態において、ポンプ61及び84が運転される。
デフロスト運転状態において、圧縮機31は、受液器34から逆止弁42、分岐部48、ポート39d、及びポート39aを介して気体状態の二酸化炭素冷媒を吸い込んで圧縮し、外気側熱交換器35へポート39c及び39bを介して吐出する。二酸化炭素冷媒は外気側熱交換器35において熱を放出する。熱を放出した二酸化炭素冷媒は、外気側熱交換器35から逆止弁40、膨張弁33、及び逆止弁43を通って受液器34に戻る。ポンプ38は、受液器34と氷蓄熱熱交換器36との間で液体状態の二酸化炭素冷媒を循環させる。ポンプ61は、氷蓄熱槽62と冷水器63との間で冷水を循環させる。これにより、冷水回路60は、二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒から熱を吸収してブースタ回路30に放出する。ブースタ回路30は、冷水回路60(氷蓄熱槽62)から熱を吸収して外気側熱交換器35をデフロストする。
図2Fを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の外気温度が低い場合における外気を熱源とする暖房運転状態を説明する。
外気温度が低い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、圧縮機11及びポンプ83が運転され、接続状態設定部17〜19は、熱回収暖房運転状態の場合と同様に主回路接続状態を設定する。外気温度が低い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、圧縮機31が運転され、接続状態設定部39は、圧縮機31、カスケード熱交換部位37、受液器34、膨張弁32、外気側熱交換器35、圧縮機31の順に二酸化炭素冷媒が循環するようにブースタ回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部39は、ポート39aとポート39bを接続し、ポート39cとポート39dを接続する。外気温度が低い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、ポンプ38は停止される。
外気温度が低い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、ブースタ回路30は、外気を熱源としてカスケード熱交換部位16に熱を放出するヒートポンプとして機能する。主回路10は、カスケード熱交換部位37から熱を吸収し、二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒を加熱する。ここで、主回路10及びブースタ回路30は、外気を熱源として二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒を加熱するカスケードヒートポンプシステムとして機能する。更に、ポンプ61及び84を運転することで、ポンプ61が氷蓄熱槽62と冷水器63との間で冷水を循環し、冷水回路60が氷蓄熱槽62に貯えられた冷熱を用いて二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒を冷却してもよい。二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒を加熱し、二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒を冷却することで、発熱体の少ない部屋を暖房し、発熱体の多い部屋を冷房することが可能である。
以下、本実施形態に係る氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の効果を明らかにするするために、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1を氷蓄熱ヒートポンプチラー101と比較する。
はじめに、氷蓄熱ヒートポンプチラー101を説明する。
図3を参照して、氷蓄熱ヒートポンプチラー101を説明する。氷蓄熱ヒートポンプチラー101は、主回路110と、冷水回路160と、二次冷媒循環回路181及び182とを備える。
主回路110には、冷媒としてHFC冷媒が充填されている。主回路110は、圧縮機111と、膨張弁112と、受液器113と、外気側熱交換器114と、冷温水器115と、氷蓄熱熱交換器116(蒸発器116)と、接続状態設定部117〜119とを備える。接続状態設定部117は、ポート117a〜117dを備える。接続状態設定部118は、ポート118a〜118dを備える。接続状態設定部119は、ポート119a〜119cを備える。
ポート17aは、配管の分岐部121に接続されている。分岐部121は、圧縮機111の吸込口111aと氷蓄熱熱交換器116の出入口116bにそれぞれ接続されている。ポート117bは、冷温水器115の出入口115aに接続されている。ポート117cは、圧縮機111の吐出口111bに接続されている。ポート117dは、外気側熱交換器114の出入口114aに接続されている。
ポート118aは、外気側熱交換器114の出入口114bに接続されている。ポート118bは、ポート119aに接続されている。ポート118cは、冷温水器115の出入口115bに接続されている。ポート118dは、受液器113の上部113aに接続されている。受液器113の下部113bは、膨張弁112を介してポート119cに接続されている。
ポート119bは、氷蓄熱熱交換器116の出入口116aに接続されている。
接続状態設定部117〜119は、圧縮機111、膨張弁112、外気側熱交換器114、冷温水器115、及び氷蓄熱熱交換器116の接続状態としての主回路接続状態を設定する。
冷水回路160は、ポンプ161と、冷水及び氷を貯える氷蓄熱槽162と、冷水器163とを備える。氷蓄熱槽162には、氷蓄熱熱交換器116が設けられている。氷蓄熱槽162は、ポンプ161の吸込口161aに接続されている。ポンプ161の吐出口161bは、冷水器163の出入口163bに接続されている。冷水器163の出入口163aは、氷蓄熱槽162に接続されている。ポンプ161は、氷蓄熱槽162と冷水器163との間で冷水を循環する。
二次冷媒循環回路181は、ポンプ183と、図示されないファンコイルユニットを備える。ファンコイルユニットは、室内に配置される。ポンプ183は、冷温水器115においてHFC冷媒と熱交換される液体二次冷媒を二次冷媒循環回路181に循環させる。液体二次冷媒は、例えば、水である。
二次冷媒循環回路182は、ポンプ184と、図示されないファンコイルユニットを備える。ファンコイルユニットは、室内に配置される。ポンプ184は、冷水器163において冷水と熱交換される液体二次冷媒を二次冷媒循環回路181に循環させる。液体二次冷媒は、例えば、水である。
外気側熱交換器114は、HFC冷媒と外気との間で熱交換する。氷蓄熱槽162内の冷水及び氷と氷蓄熱熱交換器116内の二酸化炭素冷媒との間で熱交換される。
図1及び図3を参照して、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の主回路110が氷蓄熱熱交換器116を含んでいるのに対し、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の主回路10は氷蓄熱熱交換器36を含まない。氷蓄熱熱交換器116及び36は、周囲が氷で覆われた状態でも必要な熱交換性能を確保するために内容積が非常に大きくなってしまう。したがって、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の主回路10は、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の主回路110に比べてHFC冷媒充填量が少なくて済む。主回路10のHFC冷媒充填量を主回路110のHFC冷媒充填量の約50%にすることが可能である。
図4Aを参照して、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の冷房運転を説明する。
冷房運転状態において、圧縮機111が運転され、接続状態設定部117〜119は、圧縮機111、外気側熱交換器114、膨張弁112、冷温水器115、圧縮機111の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。この主回路接続状態は、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の冷房運転状態における主回路接続状態と同様である。氷蓄熱ヒートポンプチラー101の冷房運転状態において、ポンプ183が運転される。
冷房運転状態において、主回路110は、外気を熱源として二次冷媒循環回路181を循環する液体二次冷媒を冷却する冷凍機として機能する。更に、ポンプ161及び184を運転することで、ポンプ161が氷蓄熱槽162と冷水器163との間で冷水を循環し、冷水回路160が氷蓄熱槽162に貯えられた冷熱を用いて二次冷媒循環回路82を循環する液体二次冷媒を冷却してもよい。次に説明する氷蓄熱ヒートポンプチラー101の氷蓄熱運転により、氷蓄熱槽162に冷熱が貯えられる。
図4Bを参照して、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の氷蓄熱運転状態を説明する。
氷蓄熱運転状態において、圧縮機111が運転され、接続状態設定部117〜119は、圧縮機111、外気側熱交換器114、膨張弁112、氷蓄熱熱交換器116、圧縮機111の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部117は、ポート117cとポート117dを接続する。接続状態設定部118は、ポート118aとポート118dを接続する。接続状態設定部119は、ポート119aとポート119cを接続する。氷蓄熱運転状態において、ポンプ61、83、及び84が停止する。
氷蓄熱運転状態において、主回路110は、外気を熱源として氷蓄熱槽162内の水を凍結させる冷凍機として機能する。ここで、氷蓄熱熱交換器116が蒸発器として機能する。氷蓄熱ヒートポンプチラー101の氷蓄熱運転は、HFC冷媒の直膨方式で行われる。これにより、氷蓄熱槽162に冷熱が蓄熱される。
図4Cを参照して、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の熱回収暖房運転状態を説明する。
熱回収暖房運転状態において、圧縮機111が運転され、接続状態設定部117〜119は、圧縮機111、冷温水器115、膨張弁112、氷蓄熱熱交換器116、圧縮機111の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。具体的には、接続状態設定部117は、ポート117bとポート117cを接続する。接続状態設定部118は、ポート118cとポート118dを接続する。接続状態設定部119は、ポート119bとポート119cを接続する。熱回収暖房運転状態において、ポンプ161、183、及び184が運転される。
熱回収暖房運転において、主回路110は、氷蓄熱槽162から熱を吸収し、二次冷媒循環回路181を循環する液体二次冷媒を加熱する。ポンプ161が氷蓄熱槽162と冷水器163との間で冷水を循環することで、冷水回路160は、主回路110に熱を放出し、二次冷媒循環回路182を循環する液体二次冷媒を冷却する。
図4Dを参照して、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の外気を熱源とする暖房運転状態を説明する。
外気を熱源とする暖房運転状態において、圧縮機111及びポンプ183が運転され、接続状態設定部117〜119は、圧縮機111、冷温水器115、膨張弁112、外気側熱交換器114、圧縮機111の順にHFC冷媒が循環するように主回路接続状態を設定する。この主回路接続状態は、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の外気温度が高い場合における外気を熱源とする暖房運転状態における主回路接続状態と同様である。
外気を熱源とする暖房運転状態において、主回路110は、外気を熱源として二次冷媒循環回路181を循環する液体二次冷媒を加熱するヒートポンプとして機能する。更に、ポンプ161及び184を運転することで、ポンプ161が氷蓄熱槽162と冷水器163との間で冷水を循環し、冷水回路160が氷蓄熱槽162に貯えられた冷熱を用いて二次冷媒循環回路182を循環する液体二次冷媒を冷却してもよい。
図4Eを参照して、氷蓄熱ヒートポンプチラー101のデフロスト運転状態を説明する。
デフロスト運転状態において、圧縮機111が運転され、接続状態設定部117〜119は、氷蓄熱運転状態の場合と同様に主回路運転状態を設定する。デフロスト運転状態において、ポンプ161及び184が運転され、ポンプ183が停止する。
デフロスト運転状態において、主回路110は、氷蓄熱槽162から熱を吸収し、外気側熱交換器114において熱を放出する。ポンプ161は、氷蓄熱槽162と冷水器163との間で冷水を循環させる。これにより、冷水回路160は、二次冷媒循環回路182を循環する液体二次冷媒から熱を吸収して主回路110に放出する。主回路110は、冷水回路160(氷蓄熱槽162)から熱を吸収して外気側熱交換器114をデフロストする。
図5を参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の能力及び成績係数と氷蓄熱ヒートポンプチラー101の能力及び成績係数を比較する。これらの能力及び成績係数は、HFC冷媒としてR134aを使用し、圧縮機11、31、及び111として以下のものを使用した場合について計算された。圧縮機11及び111は、50Hzの交流電源を使用した場合において、モータ定格出力が90馬力、押しのけ量が336m3/hであって、25〜100%の範囲で段階制御運転されるスクリュー形式の圧縮機である。圧縮機31は、50Hzの交流電源を使用した場合において、モータ定格出力が15馬力、押しのけ量が40.4m3/hであって、ON−OFF運転されるレシプロ形式の圧縮機である。
冷房運転において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1及び氷蓄熱ヒートポンプチラー101は、能力においても成績係数においても違いはない。これは、図2A及び図4Aに示されるように、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の冷房運転状態と氷蓄熱ヒートポンプチラー101の冷房運転状態に違いがないためである。
図5において、氷蓄熱運転における氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の能力は氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1が氷蓄熱運転を深夜に10時間行った場合の消費電力量を示し、氷蓄熱運転における氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー101の能力は氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー101が氷蓄熱運転を深夜に10時間行った場合の消費電力量を示す。氷蓄熱運転において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の能力及び成績係数は、R134aの直膨により氷蓄熱を行う氷蓄熱ヒートポンプチラー101の能力及び成績係数よりも高い。例えば、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の氷蓄熱運転状態において、R134aが充填された主回路10を蒸発温度−10℃で運転し、−7℃の液体状態の二酸化炭素二次冷媒をポンプ38を用いて循環して氷蓄熱槽62内の水を凍結させる。
熱回収暖房運転において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の能力及び成績係数は、R134aの直膨により氷蓄熱槽162を冷却する氷蓄熱ヒートポンプチラーの能力及び成績係数よりも高い。例えば、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の熱回収暖房運転において、氷蓄熱槽62内に3℃の冷水を貯めるために、R134aが充填された主回路10を蒸発温度−3〜−5℃で運転し、0℃の液体状態の二酸化炭素二次冷媒をポンプ38を用いて循環する。
次に外気を熱源とする暖房運転の場合を説明する。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1は、外気温度が0℃より高いとき、図2Dに示す外気温度が高い場合における外気を熱源とする暖房運転状態で運転され、外気温度が0℃以下のとき、図2Fに示す外気温度が低い場合における外気を熱源とする暖房運転状態で運転される。外気温度が低い場合における外気を熱源とする暖房運転状態において、例えば、主回路10の蒸発温度(カスケード熱交換器16の温度)を−3〜−5℃に設定する。一方、氷蓄熱ヒートポンプチラー101は、外気温度が0℃より高い場合も0℃以下の場合も、図4Dに示す外気を熱源とする暖房運転状態で運転される。
外気温度が7℃のときの暖房運転において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1及び氷蓄熱ヒートポンプチラー101は、能力においても成績係数においても違いはない。これは、図2Dに示される氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房運転状態と図4Dに示される氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房運転状態に違いがないためである。
外気温度が0℃のときの暖房運転において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の能力は氷蓄熱ヒートポンプチラー101の能力より高く、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の成績係数は氷蓄熱ヒートポンプチラー101の成績係数よりわずかに低い。
外気温度が−10℃のときの暖房運転において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の能力及び成績係数は、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の能力及び成績係数よりも高い。これは、氷蓄熱ヒートポンプチラー101においては、主回路110の蒸発温度(外気側熱交換器114の温度)を外気温度である−10℃より低くしなければならないのに対し、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1においては、主回路10及びブースタ回路30をカスケードヒートポンプシステムとして運転することで、主回路10の蒸発温度(カスケード熱交換部位16の温度)を高めに設定できるからである。
図6に示すグラフを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房能力、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房能力、及び負荷の外気温度依存性を説明する。グラフの縦軸は暖房能力及び負荷、グラフの横軸は外気温度である。外気温度が0℃のときの負荷(定格負荷)が100%、外気温度が15℃のときの負荷が0%と定義されている。外気温度が7℃のときの暖房能力(定格暖房能力)が100%と定義されている。負荷は、外気温度が低下すると増加する。氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房能力は、外気温度が0℃より高い場合も0℃以下の場合も、外気温度が低下すると低下する。外気温度が7、0、−10℃において、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房能力は100、85、60%である。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房能力は、外気温度が0℃より高い範囲において、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房能力と一致している。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房能力は、外気温度が0℃以下の範囲において、外気温度が0℃のときの氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房能力より高い一定値をとる。外気温度が7、0、−10℃において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房能力は100、119、119%である。したがって、外気温度が7、0、−10℃において、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房能力は氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房能力の1.0、1.4、2.0倍である。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1は氷蓄熱ヒートポンプチラー101に比べて低外気温度における暖房能力が向上している。
負荷に対して暖房能力が不足する場合、電気ヒータ(不図示)で二次冷媒循環回路81を循環する液体二次冷媒又は二次冷媒循環回路181を循環する液体二次冷媒を加熱する必要があるが、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1は、氷蓄熱ヒートポンプチラー101に比べて、電気ヒータ消費電力が少なくて済む。
図7に示すグラフを参照して、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房成績係数、及び氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房成績係数の外気温度依存性を説明する。グラフの縦軸は暖房成績係数、グラフの横軸は外気温度である。氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房成績係数は、外気温度が0℃より高い場合も0℃以下の場合も、外気温度が低下すると低下する。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房成績係数は、外気温度が0℃より高い範囲において、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房成績係数と一致している。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房成績係数は、外気温度が0℃以下の範囲において、外気温度が0℃のときの氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房成績係数より低い一定値をとる。氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房成績係数は氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房成績係数と−5℃より高く0℃より低いt℃で交差する。外気温度がt℃より高く0℃以下の場合、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房成績係数は、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房成績係数よりわずかに低い。外気温度がt℃より低い場合、氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の暖房成績係数は、氷蓄熱ヒートポンプチラー101の暖房成績係数より高く、外気温度が低いほど暖房成績係数の差が大きくなる。
なお、図5〜図7に示した外気温度が−10℃以下の場合における氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1の能力及び成績係数は、主回路10の蒸発温度(カスケード熱交換部位16の温度)及び凝縮温度(冷温水器15の温度)をそれぞれ−5℃及び50℃に設定し、ブースタ回路30の蒸発温度(外気側熱交換器35の温度)及び凝縮温度(カスケード熱交換部位37の温度)をそれぞれ−25℃及び0℃に設定した場合の計算値である。
氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1は氷蓄熱ヒートポンプチラー101に比べて年間消費電力量が10%削減される。
氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー1においては、HFC冷媒のかわりにアンモニアのような自然冷媒を主回路10に充填することで、HFC冷媒の充填量をゼロにできる。
1…氷蓄熱カスケードヒートポンプチラー
10…主回路
11…圧縮機
11a…吸込口
11b…吐出口
12…膨張弁
13…受液器
13a…上部
13b…下部
14…外気側熱交換器(熱源側熱交換器)
14a、14b…出入口
15…冷温水器
15a、15b…出入口
16…カスケード熱交換部位
16a、16b…出入口
17〜19…接続状態設定部
17a〜17d、18a〜18d、19a〜19c…ポート
21…分岐部
30…ブースタ回路
31…圧縮機
31a…吸込口
31b…吐出口
32、33…膨張弁
34…受液器
34a…上部
34b…下部
35…外気側熱交換器(熱源側熱交換器)
35a、35b…出入口
36…氷蓄熱熱交換器
36a、36b…出入口
37…カスケード熱交換部位
37a、37b…出入口
38…ポンプ
38a…吸込口
38b…吐出口
39…接続状態設定部
39a〜39d…ポート
40〜44…逆止弁
45〜49…分岐部
60…冷水回路
61…ポンプ
61a…吸込口
61b…吐出口
62…氷蓄熱槽
63…冷水器
63a、63b…出入口
70…カスケード熱交換器
81、82…二次冷媒循環回路
83、84…ポンプ
101…氷蓄熱ヒートポンプチラー
110…主回路
111…圧縮機
111a…吸込口
111b…吐出口
112…膨張弁
113…受液器
113a…上部
113b…下部
114…外気側熱交換器(熱源側熱交換器)
114a、114b…出入口
115…冷温水器
115a、115b…出入口
116…氷蓄熱熱交換器(蒸発器)
116a、116b…出入口
117〜119…接続状態設定部
117a〜117d、118a〜118d、119a〜119c…ポート
121…分岐部
160…冷水回路
161…ポンプ
161a…吸込口
161b…吐出口
162…氷蓄熱槽
163…冷水器
163a、163b…出入口
181、182…二次冷媒循環回路
183、184…ポンプ
10…主回路
11…圧縮機
11a…吸込口
11b…吐出口
12…膨張弁
13…受液器
13a…上部
13b…下部
14…外気側熱交換器(熱源側熱交換器)
14a、14b…出入口
15…冷温水器
15a、15b…出入口
16…カスケード熱交換部位
16a、16b…出入口
17〜19…接続状態設定部
17a〜17d、18a〜18d、19a〜19c…ポート
21…分岐部
30…ブースタ回路
31…圧縮機
31a…吸込口
31b…吐出口
32、33…膨張弁
34…受液器
34a…上部
34b…下部
35…外気側熱交換器(熱源側熱交換器)
35a、35b…出入口
36…氷蓄熱熱交換器
36a、36b…出入口
37…カスケード熱交換部位
37a、37b…出入口
38…ポンプ
38a…吸込口
38b…吐出口
39…接続状態設定部
39a〜39d…ポート
40〜44…逆止弁
45〜49…分岐部
60…冷水回路
61…ポンプ
61a…吸込口
61b…吐出口
62…氷蓄熱槽
63…冷水器
63a、63b…出入口
70…カスケード熱交換器
81、82…二次冷媒循環回路
83、84…ポンプ
101…氷蓄熱ヒートポンプチラー
110…主回路
111…圧縮機
111a…吸込口
111b…吐出口
112…膨張弁
113…受液器
113a…上部
113b…下部
114…外気側熱交換器(熱源側熱交換器)
114a、114b…出入口
115…冷温水器
115a、115b…出入口
116…氷蓄熱熱交換器(蒸発器)
116a、116b…出入口
117〜119…接続状態設定部
117a〜117d、118a〜118d、119a〜119c…ポート
121…分岐部
160…冷水回路
161…ポンプ
161a…吸込口
161b…吐出口
162…氷蓄熱槽
163…冷水器
163a、163b…出入口
181、182…二次冷媒循環回路
183、184…ポンプ
Claims (7)
- 第1冷媒が充填された第1回路と、
二酸化炭素冷媒が充填された第2回路と、
冷水回路と、
第1循環回路と、
第2循環回路と
を具備し、
前記第1回路は、
第1圧縮機と、
前記第1冷媒と外気との間で熱交換する第1外気側熱交換器と、
第1膨張弁と、
第1カスケード熱交換部位と、
冷温水器と、
前記第1圧縮機、前記外気側熱交換器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、及び前記冷温水器の第1接続状態を設定する第1接続状態設定手段と
を備え、
前記第2回路は、
第2圧縮機と、
前記二酸化炭素冷媒と外気との間で熱交換する第2外気側熱交換器と、
第2回路第1膨張弁と、
第2回路第2膨張弁と、
前記第1カスケード熱交換部位とともにカスケード熱交換器を形成する第2カスケード熱交換部位と、
受液器と、
前記第2圧縮機、前記第2外気側熱交換器、前記第2回路第1膨張弁、前記第2回路第2膨張弁、前記第2カスケード熱交換部位、及び前記受液器の第2接続状態を設定する第2接続状態設定手段と、
氷蓄熱熱交換器と、
前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する二酸化炭素冷媒ポンプと
を備え、
前記冷水回路は、
前記氷蓄熱熱交換器が設けられた氷蓄熱槽と、
冷水器と、
前記氷蓄熱槽と前記冷水器との間で冷水を循環する冷水ポンプと
を備え、
前記冷温水器において前記第1冷媒と熱交換される第1二次冷媒が前記第1循環回路を循環し、
前記冷水器において前記冷水と熱交換される第2二次冷媒が前記第2循環回路を循環する
ヒートポンプチラー。 - 前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記冷温水器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定し、
前記第2接続状態設定手段は、前記第2圧縮機、前記第2カスケード熱交換部位、前記受液器、前記第2回路第1膨張弁、前記第2外気側熱交換器、前記第2圧縮機の順に前記二酸化炭素冷媒が循環するように前記第2接続状態を設定する
請求項1のヒートポンプチラー。 - 前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記第1外気側熱交換器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定し、
前記受液器及び前記第2カスケード熱交換部位は、前記受液器からの気体状態の前記二酸化炭素冷媒が前記第2カスケード熱交換部位で液体状態となって重力により前記受液器に戻るように接続され、
前記二酸化炭素冷媒ポンプは、前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する
請求項1又は2のヒートポンプチラー。 - 前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記冷温水器、前記第1膨張弁、前記第1カスケード熱交換部位、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定し、
前記受液器及び前記第2カスケード熱交換部位は、前記受液器からの気体状態の前記二酸化炭素冷媒が前記第2カスケード熱交換部位で液体状態となって重力により前記受液器に戻るように接続され、
前記二酸化炭素冷媒ポンプは、前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する
請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートポンプチラー。 - 前記第2接続状態設定手段は、前記第2圧縮機、前記第2外気側熱交換器、前記第2回路第2膨張弁、前記受液器、前記第2圧縮機の順に前記二酸化炭素冷媒が循環するように前記第2接続状態を設定し、
前記二酸化炭素冷媒ポンプは、前記受液器と前記氷蓄熱熱交換器との間で液体状態の前記二酸化炭素冷媒を循環する
請求項1乃至4のいずれかに記載のヒートポンプチラー。 - 前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記冷温水器、前記第1膨張弁、前記第1外気側熱交換器、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定する
請求項1乃至5のいずれかに記載のヒートポンプチラー。 - 前記第1接続状態設定手段は、前記第1圧縮機、前記第1外気側熱交換器、前記第1膨張弁、前記冷温水器、前記第1圧縮機の順に前記第1冷媒が循環するように前記第1接続状態を設定する
請求項1乃至6のいずれかに記載のヒートポンプチラー。
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---|---|---|---|---|
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- 2009-11-16 JP JP2009260999A patent/JP2011106718A/ja not_active Withdrawn
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