JP2011196503A - 転がり軸受用密封装置組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが第2の環状部材の円筒部の摺接面から軸方向に離脱するのを抑制する。
【解決手段】スリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42に構成される摺接面42aにおける環状平板部44が配設される軸方向端面とは反対側の端面の周方向の少なくとも一部には、スリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42に構成される摺接面42a側の径方向に向けて突出する突部50が形成されており、突部50により芯金30(第1の環状部材)の弾性シール部材36のシールリップ38がスリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42の摺接面42aから軸方向に離脱することが抑制される。
【選択図】図2
【解決手段】スリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42に構成される摺接面42aにおける環状平板部44が配設される軸方向端面とは反対側の端面の周方向の少なくとも一部には、スリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42に構成される摺接面42a側の径方向に向けて突出する突部50が形成されており、突部50により芯金30(第1の環状部材)の弾性シール部材36のシールリップ38がスリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42の摺接面42aから軸方向に離脱することが抑制される。
【選択図】図2
Description
この発明は転がり軸受用密封装置組立体に関する。詳しくは、転がり軸受の内輪と外輪との間の開口端に組立体として介挿される密封装置組立体が、先端にシールリップを有する弾性シール部材を取付けた第1の環状部材と、該第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップと摺接する摺接面を有する第2の環状部材とからなり、該両環状部材が軸方向から組み合わされて組立てられる転がり軸受用密封装置組立体に関する。
従来、特許文献1及び特許文献2のような転がり軸受用密封装置組立体が知られている。この転がり軸受用密封装置組立体は、転がり軸受装置の内輪と外輪との間の開口端に組立体として介挿される密封装置組立体が、先端にシールリップを有する弾性シール部材を取付けた第1の環状部材と、この第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップと摺接する摺接面を有する第2の環状部材とから構成され、両環状部材が軸方向から組み合わされて組立てられるものである。この転がり軸受用密封装置組立体は第1の環状部材の弾性シール部材と摺接する第2の環状部材の摺接面への異物侵入や弾性シール部材への傷付を防止するため、予め第1の環状部材と第2の環状部材との組合わされた内方にグリースを封入した状態とされて密封性能を備えている。
この転がり軸受用密封装置組立体は、単体の状態で第1の環状部材と第2の環状部材との組合わせが分離しないように、第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが第2の環状部材の摺接面に対し径方向の弾性力の付与、すなわちしめ代(緊迫力)を付与することで固定されている。ところで、近年自動車等の車両の燃費改善を目的に低トルク化の要求が高く、上記転がり軸受用密封装置組立体の第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが第2の環状部材の摺接面に対するしめ代(緊迫力)を小さくすることで低トルク化を図るものが多くなってきている。上記のように、しめ代(緊迫力)を小さくすることは低トルク化が図れるものの転がり軸受用密封装置組立体の単体における第1の環状部材と第2の環状部材との固定力が弱くなってしまう。そのため、転がり軸受用密封装置組立体は、転がり軸受装置の内輪と外輪との間の開口端に圧入する際に、軸方向を上下(第1の環状部材を固定して第2の環状部材を下側にする場合、又は第2の環状部材を固定して第1の環状部材を下側にする場合)にすると、第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが第2の環状部材の摺接面に対し軸方向に離脱してしまい両環状部材が分離してしまうおそれが高くなるという問題を有していた。
ここで、第1の環状部材と第2の環状部材とが分離しない構成として、両環状部材を組合わせた後、第2の環状部材の端面を覆う環状部材を嵌め込んで蓋をすることで第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップを第2の環状部材の摺接面の軸方向に離脱することを防ぐことも考えられるが、新たな構成品を必要とするため材料コスト、製作コストの増大につながるおそれがある。そこで本発明の発明者は鋭意検討の結果、第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップは第2の環状部材の摺接面に対してしめ代(緊迫力)をもって密着して接触していることに着目した。すなわち、第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップは、第2の環状部材の摺接面において密着しているため、この摺接面に僅か突出した構成であっても弾性シール部材のシールリップが引っかかることとなれば摺接面から軸方向に離脱することを抑制することができる。
而して、本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シールリップに対する摺動面を有する第2の環状部材の円筒部自体にシールリップの離脱方向に対して抵抗となる突起形状を設けることにより、第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが第2の環状部材の円筒部の摺接面から軸方向に離脱するのを抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明の転がり軸受用密封装置組立体は次の手段をとる。
先ず、第1の発明に係る転がり軸受用密封装置組立体は、転がり軸受の内輪と外輪との間の開口端に組立体として介挿される密封装置組立体が、先端にシールリップを有する弾性シール部材を取付けた第1の環状部材と、該第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップと摺接する摺接面を有する第2の環状部材とからなり、該両環状部材が軸方向から組み合わされて組立てられる転がり軸受用密封装置組立体であって、前記第1の環状部材及び第2の環状部材は、円筒部と、該円筒部の端部から径方向に延出した環状平板部と、によって断面L型に一体形成され、前記両環状部材の円筒部、環状平板部のそれぞれが互いに対向する位置に配置構成されて断面矩形状に組み合わされており、前記第1の環状部材の弾性シール部材は、その先端のシールリップが前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面に対し径方向の弾性力が付与されて摺接する構成とされており、前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面における前記環状平板部が配設される軸方向端面とは反対側の端面の周方向の少なくとも一部には、前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面側の径方向に向けて突出する突部が形成されており、該突部により前記第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが前記第2の環状部材の円筒部の摺接面から軸方向に離脱することが抑制されることを特徴とする。
先ず、第1の発明に係る転がり軸受用密封装置組立体は、転がり軸受の内輪と外輪との間の開口端に組立体として介挿される密封装置組立体が、先端にシールリップを有する弾性シール部材を取付けた第1の環状部材と、該第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップと摺接する摺接面を有する第2の環状部材とからなり、該両環状部材が軸方向から組み合わされて組立てられる転がり軸受用密封装置組立体であって、前記第1の環状部材及び第2の環状部材は、円筒部と、該円筒部の端部から径方向に延出した環状平板部と、によって断面L型に一体形成され、前記両環状部材の円筒部、環状平板部のそれぞれが互いに対向する位置に配置構成されて断面矩形状に組み合わされており、前記第1の環状部材の弾性シール部材は、その先端のシールリップが前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面に対し径方向の弾性力が付与されて摺接する構成とされており、前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面における前記環状平板部が配設される軸方向端面とは反対側の端面の周方向の少なくとも一部には、前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面側の径方向に向けて突出する突部が形成されており、該突部により前記第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが前記第2の環状部材の円筒部の摺接面から軸方向に離脱することが抑制されることを特徴とする。
この第1の発明によれば、第1の環状部材の弾性シール部材は、その先端のシールリップが第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面に対し径方向の弾性力が付与されて摺接する構成である。そして、第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面における環状平板部が配設される軸方向端面とは反対側の端面の周方向の少なくとも一部には、第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面側の径方向に向けて突出する突部が形成されている。この突部によって、第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが第2の環状部材の円筒部の摺接面から軸方向に離脱することを抑制することができる。
次に、第2の発明に係る転がり軸受用密封装置組立体は、第1の発明の転がり軸受用密封装置組立体であって、前記突部が形成される第2の環状部材の円筒部の端面における前記摺接面の裏面側の面には全周に面取り加工が施されており、前記突部を形成するための第2の環状部材の円筒部の端面への加工は、該突部の前記摺接面側への形成に伴い裏面側にも突部が形成される加工であり、該裏面側に突出して形成される突部の大きさは前記面取り加工が施された径方向深さより浅く突出する大きさとして形成されていることを特徴とする。
この第2の発明によれば、転がり軸受用密封装置組立体は、転がり軸受装置の内輪と外輪との間の開口端に円滑に圧入するために、第2の環状部材の円筒部の端面における摺接面の裏面側の面には全周に面取り加工が施されている。ここで、突部を形成するための第2の環状部材の円筒部の端面への加工は、突部が摺接面側に形成されることに伴い裏面側にも突部が形成される加工である。しかし、裏面側に突出して形成される突部の大きさは面取り加工が施された径方向深さより浅く突出する大きさとして形成されている。そのため、転がり軸受用密封装置組立体は、転がり軸受装置の内輪と外輪との間の開口端に円滑に圧入できると共に、第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面側の径方向に向けて突出する突部を形成することができる。
次に、第3の発明に係る転がり軸受用密封装置組立体は、第1の発明又は第2の発明の転がり軸受用密封装置組立体であって、前記第1の環状部材と第2の環状部材とを軸方向から組み合わせて組立てるに際して、該組立てる際の挿入方向に対して傾斜面を有する圧入治具を第2の環状部材の円筒部の端面に当てがい、第1の環状部材に取付けた弾性シール部材のシールリップを第2の環状部材の円筒部の摺接面に圧入装着し、前記圧入治具の前記第2の環状部材の円筒部の端面に当てがう端面には該円筒部の端面に突部を形成することのできる加工部位が設けられており、前記第2の環状部材の円筒部の摺接面に前記第1の環状部材に取付けた弾性シール部材のシールリップを圧入装着するに際して、圧入治具を第2の環状部材の円筒部の端面に当てがう際に、圧入治具に設けた加工部位により前記突部を加工形成することを特徴とする。
この第3の発明によれば、第1の環状部材と第2の環状部材とを軸方向から組み合わせる圧入治具には、第2の環状部材の円筒部の端面に突部を形成することのできる加工部位が設けられている。そのため、第1の環状部材と第2の環状部材の組み合わせとともに、第2の環状部材の円筒部の端面に突部を形成することができるため、加工コスト、製造コストの抑制を図ることができる。
本発明は上記各発明の手段をとることにより、第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが第2の環状部材の円筒部の摺接面から軸方向に離脱するのを抑制することができる。
この発明を実施するための形態について実施例にしたがって説明する。
この発明の実施例1を図1〜図9にしたがって説明する。なお、本実施例1における各図の図示は理解を容易とするために誇張して図示しており、以降に示す他の実施例に対応する各図においても同様である。
図1に図示されるように、この転がり軸受装置10は、車両の車輪を懸架装置に支持する為に構成されるものである。この転がり軸受装置10は、外周面に内輪軌道面12aを有する内輪12、12と、内周面に複列の外輪軌道面14aを有する外輪14と、複数の転動体16と、この転動体16を内輪軌道面12aと外輪軌道面14aとの間で転動可能に保持する保持器18とから構成されている。この転がり軸受装置10の内部空間にはグリースが封入されており、低摩擦化、低磨耗化を図っている。
そして、上記転がり軸受装置10の内部空間に封入したグリースが外部に漏洩するのを防止すると共に外部からの水、埃、泥等の異物の侵入を防止するために、転がり軸受装置10の内輪12、12と外輪14との間の開口端には、二つの環状部材からなる組立体として構成される転がり軸受用密封装置組立体20が介挿されている。この転がり軸受用密封装置組立体20について説明する。
図1に図示されるように、この転がり軸受装置10は、車両の車輪を懸架装置に支持する為に構成されるものである。この転がり軸受装置10は、外周面に内輪軌道面12aを有する内輪12、12と、内周面に複列の外輪軌道面14aを有する外輪14と、複数の転動体16と、この転動体16を内輪軌道面12aと外輪軌道面14aとの間で転動可能に保持する保持器18とから構成されている。この転がり軸受装置10の内部空間にはグリースが封入されており、低摩擦化、低磨耗化を図っている。
そして、上記転がり軸受装置10の内部空間に封入したグリースが外部に漏洩するのを防止すると共に外部からの水、埃、泥等の異物の侵入を防止するために、転がり軸受装置10の内輪12、12と外輪14との間の開口端には、二つの環状部材からなる組立体として構成される転がり軸受用密封装置組立体20が介挿されている。この転がり軸受用密封装置組立体20について説明する。
図2に図示されるように、この転がり軸受用密封装置組立体20は、概略、先端にシールリップ38を有する弾性シール部材36を取付けた芯金30(第1の環状部材)と、この芯金30に取り付けられた弾性シール部材36のシールリップ38と摺接する摺接面42aを有するスリンガー40(第2の環状部材)とからなる。この芯金30、スリンガー40は共に、金属製の板部材(例えば炭素鋼板)を塑性加工、打抜加工などによって環状に形成されており、円筒部32、42と、円筒部32、42の端部から径方向に延出した環状平板部34、44と、によって断面L型状に一体形成されている。そして、芯金30とスリンガー40の円筒部32、42、環状平板部34、44のそれぞれが互いに対向する位置に配置構成されて軸方向から組み合わされて断面矩形状に組み合わされている。なお、本実施例1の芯金30が本発明の「第1の環状部材」に相当し、本実施例1のスリンガー40が本発明の「第2の環状部材」に相当する。
芯金30と弾性シール部材36について説明する。
図2に図示されるように、芯金30は、外周面が外輪14の内周面に嵌合する円筒部32と、円筒部32の端部から内径方向に延出した環状平板部34と、によって断面L型状に一体形成されている。この芯金30には、外部からの水、埃、泥等の異物の侵入を防止するために弾性シール部材36のシールリップ38が配設されている。この弾性シール部材36のシールリップ38は、例えば、二トリルゴム、アクリルゴム等の合成ゴム、天然ゴム、軟質合成樹脂等を適宜選択することができる。本実施例においては合成ゴムが選択されており、芯金30の環状平板部34に加硫接着によって取り付けられている。この先端の弾性シール部材36のシールリップ38はスリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42及び環状平板部44に摺接することで外部からの水、埃、泥等の異物の侵入を防止する構成とされており、このスリンガー40の円筒部42及び環状平板部44に向かって3方向に突き出し状に形成されている。シールリップ38は、主リップ38a、補助リップ38b、サイドリップ38cの3構成であり、スリンガー40の円筒部42に構成される摺接面42aに対し径方向の弾性力を付与して摺接するのが主リップ38a、補助リップ38bである。また、スリンガー40の環状平板部44に構成される摺接面44aに対し軸方向の弾性力を付与して摺接するのがサイドリップ38cである。
図2に図示されるように、芯金30は、外周面が外輪14の内周面に嵌合する円筒部32と、円筒部32の端部から内径方向に延出した環状平板部34と、によって断面L型状に一体形成されている。この芯金30には、外部からの水、埃、泥等の異物の侵入を防止するために弾性シール部材36のシールリップ38が配設されている。この弾性シール部材36のシールリップ38は、例えば、二トリルゴム、アクリルゴム等の合成ゴム、天然ゴム、軟質合成樹脂等を適宜選択することができる。本実施例においては合成ゴムが選択されており、芯金30の環状平板部34に加硫接着によって取り付けられている。この先端の弾性シール部材36のシールリップ38はスリンガー40(第2の環状部材)の円筒部42及び環状平板部44に摺接することで外部からの水、埃、泥等の異物の侵入を防止する構成とされており、このスリンガー40の円筒部42及び環状平板部44に向かって3方向に突き出し状に形成されている。シールリップ38は、主リップ38a、補助リップ38b、サイドリップ38cの3構成であり、スリンガー40の円筒部42に構成される摺接面42aに対し径方向の弾性力を付与して摺接するのが主リップ38a、補助リップ38bである。また、スリンガー40の環状平板部44に構成される摺接面44aに対し軸方向の弾性力を付与して摺接するのがサイドリップ38cである。
スリンガー40について説明する。
図3に図示されるように、スリンガー40は、円筒部42と、円筒部42の端部から外径方向に延出した環状平板部44と、によって断面L型に一体形成されている。この円筒部42の外周面は芯金30に構成されるシールリップ38のうち、主リップ38a、補助リップ38bと摺接する摺接面42aとして構成されており、裏面側の内周面は内輪12、12の外周面に嵌合する嵌合面42bとして構成されている。また図2で見て嵌合面42bの右端には、内輪12、12の外周面に円滑に嵌合をさせるため全周に面取り加工46が施されている。なお、本実施例1では、この面取り加工46の寸法は次のような寸法が設定されている。スリンガー40の板厚は0.6mmである。この円筒部42の端面から0.4mmの位置から嵌合面42bに対して20度の角度によって面取り加工46が施されている。なお、この本実施例1において示した面取り加工46の寸法は一例であって、スリンガー40全体の大きさ、板厚、材質等によって適宜の寸法に設定されるものである。
図3に図示されるように、スリンガー40は、円筒部42と、円筒部42の端部から外径方向に延出した環状平板部44と、によって断面L型に一体形成されている。この円筒部42の外周面は芯金30に構成されるシールリップ38のうち、主リップ38a、補助リップ38bと摺接する摺接面42aとして構成されており、裏面側の内周面は内輪12、12の外周面に嵌合する嵌合面42bとして構成されている。また図2で見て嵌合面42bの右端には、内輪12、12の外周面に円滑に嵌合をさせるため全周に面取り加工46が施されている。なお、本実施例1では、この面取り加工46の寸法は次のような寸法が設定されている。スリンガー40の板厚は0.6mmである。この円筒部42の端面から0.4mmの位置から嵌合面42bに対して20度の角度によって面取り加工46が施されている。なお、この本実施例1において示した面取り加工46の寸法は一例であって、スリンガー40全体の大きさ、板厚、材質等によって適宜の寸法に設定されるものである。
また、図4及び図5に図示されるように、面取り加工46が施された、図4で見て右端面の周方向の一部には、摺接面42a側の径方向に向けて突出する突部50aがかしめ形成されている。なお、この突部50aが形成される端面は、スリンガー40の円筒部42に構成される摺接面42aにおける環状平板部44が配設される軸方向端面とは反対側の端面である。そして径方向外方の突部50aは、シールリップ38の主リップ38a、補助リップ38bがスリンガー40の円筒部42の摺接面42aから軸方向に離脱することを抑制するために構成されている。この突部50aはスリンガー40の円筒部42の端面の周方向において2つ以上あることが好ましい。更には、等間隔に配設されているのが好ましい。この突部50は、摺接面42a側の形成に伴い裏面側の嵌合面42b側にも突部50bが形成されているが、この突部50bの大きさは、面取り加工46が施された径方向深さより浅く突出する大きさとして形成されている。そのため、この突部50はスリンガー40を内輪12、12の外周面に嵌合させる際に影響を与えない。ここで本実施例1のスリンガー40の円筒部42の面取り加工46が施されることによって径方向深さは、約0.14mmとなる。そのため、本実施例1における突部50bの径方向の大きさは、0.1mmから0.14mm以内であることが好ましい。
図6から図9に図示されるように、上記突部50は芯金30とスリンガー40を組み合わせる圧入治具70を用いて形成される。
この圧入治具70は、芯金30とスリンガー40とを軸方向から同心上に嵌め合わせ、スリンガー40の円筒部42の摺接面42aに芯金30に取付けた弾性シール部材36のシールリップ38を圧入装着するためのものである。図6に図示されるように、この圧入治具70は、概略、軸部72と、拡径軸部74と、当接面76と、傾斜面78と、突起部位80から構成されている。軸部72は芯金30とスリンガー40とを軸方向から同心上に嵌め合わせるために、スリンガー40の円筒部42に挿入可能に、この円筒部42の軸径と略同径に形成されている。拡径軸部74はスリンガー40の円筒部42の嵌合面42bにおける径に対し、スリンガー40の板厚の厚み以上に拡径した軸部72として形成されている。図8及び図9に図示されるように、この拡径軸部74は、芯金30に取り付けられたシールリップ38のうち主リップ38a、補助リップ38bをスリンガー40の摺動面に案内する案内面として構成されている。上記した軸部72と拡径軸部74は同心上に形成されているため段差部が形成される。この段差部が当接面76として構成されている。この当接面76は、圧入治具70の軸部72がスリンガー40の円筒部42に挿入され、スリンガー40の円筒部42の端面がこの当接面76に当てがわれることでスリンガー40を軸方向上に固定する部位である。傾斜面78は芯金30に取り付けられたシールリップ38のうち主リップ38a、補助リップ38bを順次拡径して拡径軸部74の径まで外径方向に弾性変形させて拡径させる面である。図7に図示されるように、突起部位80は当接面76に形成されており、スリンガー40の円筒部42の端面に突部50を形成するためのものである。この突起部位80は、スリンガー40端面に対向する方向に突出して形成されている。そして、スリンガー40の円筒部42の端面が当接面76に当てがわれる際、この突起部位80によって突部50が加工形成される。なお本実施例1における突起部位80が本発明の「加工部位」に相当する。
この圧入治具70は、芯金30とスリンガー40とを軸方向から同心上に嵌め合わせ、スリンガー40の円筒部42の摺接面42aに芯金30に取付けた弾性シール部材36のシールリップ38を圧入装着するためのものである。図6に図示されるように、この圧入治具70は、概略、軸部72と、拡径軸部74と、当接面76と、傾斜面78と、突起部位80から構成されている。軸部72は芯金30とスリンガー40とを軸方向から同心上に嵌め合わせるために、スリンガー40の円筒部42に挿入可能に、この円筒部42の軸径と略同径に形成されている。拡径軸部74はスリンガー40の円筒部42の嵌合面42bにおける径に対し、スリンガー40の板厚の厚み以上に拡径した軸部72として形成されている。図8及び図9に図示されるように、この拡径軸部74は、芯金30に取り付けられたシールリップ38のうち主リップ38a、補助リップ38bをスリンガー40の摺動面に案内する案内面として構成されている。上記した軸部72と拡径軸部74は同心上に形成されているため段差部が形成される。この段差部が当接面76として構成されている。この当接面76は、圧入治具70の軸部72がスリンガー40の円筒部42に挿入され、スリンガー40の円筒部42の端面がこの当接面76に当てがわれることでスリンガー40を軸方向上に固定する部位である。傾斜面78は芯金30に取り付けられたシールリップ38のうち主リップ38a、補助リップ38bを順次拡径して拡径軸部74の径まで外径方向に弾性変形させて拡径させる面である。図7に図示されるように、突起部位80は当接面76に形成されており、スリンガー40の円筒部42の端面に突部50を形成するためのものである。この突起部位80は、スリンガー40端面に対向する方向に突出して形成されている。そして、スリンガー40の円筒部42の端面が当接面76に当てがわれる際、この突起部位80によって突部50が加工形成される。なお本実施例1における突起部位80が本発明の「加工部位」に相当する。
上記構成により、芯金30とスリンガー40とを軸方向から組み合わせる組立て工程は以下のとおりである。図6に図示されるように、先ず圧入治具70の軸部72をスリンガー40の円筒部42に挿入する。図7に図示されるように、このときスリンガー40の円筒部42の端面を圧入治具70の当接面76に向けて挿入して当てがいスリンガー40を固定する。ここで、圧入治具70の当接面76にはスリンガー40の円筒部42の端面に突部50を形成する突起部位80が設けられている。この突起部位80の押圧加工によってスリンガー40の円筒部42の端面に突部50を加工形成する。図8及び図9に図示されるように、芯金30に取付けた弾性シール部材36のシールリップ38を傾斜面78に沿わせて、拡径軸部74の径まで外径方向に弾性変形させたあとスリンガー40の円筒部42の摺接面42aに案内して圧入装着する。こうして、転がり軸受用密封装置組立体20が組立てられる。
上述のように、芯金30とスリンガー40を組み合わせた転がり軸受用密封装置組立体20を組立てる方法について説明したが、以下に説明するように、芯金30とスリンガー40を別々に転がり軸受装置10に嵌合させてもよい。すなわち、スリンガー40を、転がり軸受10の内輪12に仮組みし、上述の治具70とはことなる形状の治具(例えば軸部72が存在せず、拡径軸部74と当接面76と、傾斜面78と、突起部位80から構成される)を、突部50を形成させつつも、スリンガー40とともに軸方向内側に内側に押し込んで、スリンガー40を内輪12に対して位置決めし、その後、芯金30の環状平板部34に治具を用いて軸方向内側に押し込み位置決めする。この方法により、結果的には、上述の転がり軸受用密封装置組立体20を、直接的に転がり軸受10に組付けることができる。この方法は、後述の実施例2についても、同様に適用可能である。
上述のように、芯金30とスリンガー40を組み合わせた転がり軸受用密封装置組立体20を組立てる方法について説明したが、以下に説明するように、芯金30とスリンガー40を別々に転がり軸受装置10に嵌合させてもよい。すなわち、スリンガー40を、転がり軸受10の内輪12に仮組みし、上述の治具70とはことなる形状の治具(例えば軸部72が存在せず、拡径軸部74と当接面76と、傾斜面78と、突起部位80から構成される)を、突部50を形成させつつも、スリンガー40とともに軸方向内側に内側に押し込んで、スリンガー40を内輪12に対して位置決めし、その後、芯金30の環状平板部34に治具を用いて軸方向内側に押し込み位置決めする。この方法により、結果的には、上述の転がり軸受用密封装置組立体20を、直接的に転がり軸受10に組付けることができる。この方法は、後述の実施例2についても、同様に適用可能である。
この実施例1に係る転がり軸受用密封装置組立体20によれば、芯金30の弾性シール部材36は、その先端のシールリップ38がスリンガー40の円筒部42に構成される摺接面42aに対し径方向の弾性力が付与されて摺接する構成である。そして、スリンガー40の円筒部42に構成される摺接面42aにおける環状平板部44が配設される軸方向端面とは反対側の端面の周方向の少なくとも一部には、スリンガー40の円筒部42に構成される摺接面42a側の径方向に向けて突出する突部50aが形成されている。この突部50aによって、芯金30の弾性シール部材36のシールリップ38がスリンガー40の円筒部42の摺接面42aから軸方向に離脱することが抑制される。
また転がり軸受用密封装置組立体20は、転がり軸受装置10の内輪12、12と外輪14との間の開口端に円滑に圧入するために、スリンガー40の円筒部42の端面における摺接面42aの裏面側の面には全周に面取り加工46が施されている。ここで、突部50を形成するためのスリンガー40の円筒部42の端面への加工は、突部50aが摺接面42a側に形成されることに伴い裏面側にも突部50bが形成される加工である。しかし、裏面側に突出して形成される突部50bの大きさは面取り加工46が施された径方向深さより浅く突出する大きさとして形成されている。そのため、転がり軸受用密封装置組立体20は、転がり軸受装置10の内輪12、12と外輪14との間の開口端に円滑に圧入できると共に、スリンガー40の円筒部42に構成される摺接面42a側の径方向に向けて突出する突部50aを形成することができる。
また、芯金30とスリンガー40とを軸方向から組み合わせる圧入治具70には、スリンガー40の円筒部42の端面に突部50を形成することのできる突起部位80が設けられている。そのため、芯金30とスリンガー40の組み合わせとともに、スリンガー40の円筒部42の端面に突部50を形成することができるため、加工コスト、製造コストの抑制を図ることができる。
次に、この発明の実施例2に係る転がり軸受用密封装置組立体220を図10から図14にしたがって説明する。この実施例2は、図10から図12に図示されるように、スリンガー240の円筒部242に構成される摺接面242a側の径方向に向けて突出する突部250aの形状が実施例1と異なっている。実施例2における突部250は、スリンガー240の円筒部242の端面において周方向に直交する平歯状の突起部位280に押圧されて摺接面242a側、嵌合面242b側双方に山形に突出する突部250a、250bとしてかしめ形成されている。図13、図14に図示されるように、実施例2における圧入治具270の当接面276に形成される突起部位280は、スリンガー240の円筒部242の端面に向かって平歯状の突起部位280が突出形成されている。この平歯状の突起部位280は、スリンガー240の円筒部242の周方向に直交する方向で形成されている。なお、スリンガー240の円筒部242の端面における突部250の形状、及び圧入治具270の突起部位280以外の形状は実施例1と共通であり、突部250の形成方法も実施例1と共通であるため、詳細な説明は省略する。この実施例2は、実施例1と同様の作用効果を得ることができるとともに、圧入治具270の突起部位280は平歯状のものであり複雑な形状をしておらず、圧入治具270の製作が容易である。
次に、この発明の実施例3に係る転がり軸受用密封装置組立体320を図15から図19にしたがって説明する。この実施例3では、図15から図17に図示されるように、スリンガー340の円筒部342に構成される摺接面342a側の径方向に向けて突出する突部350の形状が実施例1及び実施例2と異なっている。実施例3における突部350は、スリンガー340の円筒部342の端面において周方向の複数箇所に摺接面342a側に山形状に屈曲する突部350として形成されている。
図18から図19に図示されるように、この突部350は、次のように形成される。先ず、スリンガー340の円筒部342の端面形状は、面取り加工346が施されると共に嵌合面342bから摺接面342aに向かって更に薄肉状の薄肉部位347が加工されている。圧入治具370の当接面376に形成される突起部位380は、スリンガー340の円筒部342の端面に向かって三角錐状に突出形成されている。突部350は、この突起部位380の押圧加工によって薄肉状の薄肉部位347が摺接面342a側にかしめ形成される。なお、スリンガー340の円筒部342の端面における突部350の形状、及び圧入治具370の突起部位380以外の形状は実施例1及び実施例2と共通であり、突部350の形成方法も実施例1及び実施例2と共通であるため、詳細な説明は省略する。この実施例3は、実施例1及び実施例2と同様の作用効果を得ることができる。また、嵌合面342b側へ突部350は形成されない。そのため、スリンガー340の嵌合面342bに形成された面取り加工346の部位への影響を考慮することなく突部350の形状を設定できるという利点がある。
図18から図19に図示されるように、この突部350は、次のように形成される。先ず、スリンガー340の円筒部342の端面形状は、面取り加工346が施されると共に嵌合面342bから摺接面342aに向かって更に薄肉状の薄肉部位347が加工されている。圧入治具370の当接面376に形成される突起部位380は、スリンガー340の円筒部342の端面に向かって三角錐状に突出形成されている。突部350は、この突起部位380の押圧加工によって薄肉状の薄肉部位347が摺接面342a側にかしめ形成される。なお、スリンガー340の円筒部342の端面における突部350の形状、及び圧入治具370の突起部位380以外の形状は実施例1及び実施例2と共通であり、突部350の形成方法も実施例1及び実施例2と共通であるため、詳細な説明は省略する。この実施例3は、実施例1及び実施例2と同様の作用効果を得ることができる。また、嵌合面342b側へ突部350は形成されない。そのため、スリンガー340の嵌合面342bに形成された面取り加工346の部位への影響を考慮することなく突部350の形状を設定できるという利点がある。
次に、この発明の実施例4に係る転がり軸受用密封装置組立体420を図20から図23にしたがって説明する。この実施例4では、図20及び図21に図示されるように、突部350がスリンガー440の円筒部442の全周に形成された構成である。
ここで、一般に芯金30とスリンガー440とが分離しないように、両環状部材を組合わせた後、スリンガー440の端面を摺接面442a側に向けて折り曲げ加工することで断面U字状に形成して分離防止をすることも考えられる。しかしながら、両環状部材を組合わせた後に、スリンガー440端面の折り曲げ加工は難しく、加工コストの増大につながるおそれがある。また、折り曲げ加工を施すと摺接面442aの面精度に影響が生じ密封性能(シール性能)が低下するおそれがあると考えられていた。本実施例4はこのような、この折り曲げ加工の困難性と摺接面442aの面精度への影響を考慮して以下のように突部450を形成するものである。先ず、スリンガー440の円筒部442の端面形状は、実施例3と同様に、面取り加工446と共に端部を薄肉部位447に加工する。
ここで、本実施例4におけるスリンガー440端面は、次のような形状に設定される。図22に図示されるように、スリンガー440の板厚は0.6mmである。この円筒部442の薄肉部位447の板厚tは、0.1mmの〜0.2mmの板厚として設定される。また、軸方向長さLは、t×1.5の長さで設定される。よってLは、0.15〜0.3mmの範囲で形成されている。図22及び図23に図示されるように、圧入治具470の当接面476には、スリンガー440の円筒部442の端部の薄肉部位447に対応する位置には、突起部位480として拡径軸部474の径まで漸次拡径する傾斜面が形成されている。突部450は、この突起部位480の傾斜面の押圧加工によって薄肉部位447が摺接面442a側折り曲げ加工されて形成される。本実施例4では、この折り曲げ加工によって形成される突部450は、摺接面442aから0.1mm以上の高さG(図21参照)を有して形成されている。なお、スリンガー440の円筒部442の端部の薄肉部位447の設定、突部450の形状、圧入治具470の突起部位480の傾斜面の形状は一例であって、スリンガー440全体の大きさ、板厚、材質等によって適宜の寸法に設定されるものである。なお、スリンガー440の円筒部442の端面における突部450の形状、及び圧入治具470の突起部位480以外の形状は実施例1から実施例3と共通であり、突部450の形成方法も実施例1から実施例3と共通であるため、詳細な説明は省略する。この実施例4は、実施例1から実施例3と同様の作用効果を得ることができる。また、スリンガー440の円筒部442の端面全周に突部450を形成することができる。また、スリンガー440の円筒部442の端部に形成された薄肉部位447を押圧加工によって折り曲げ加工を施すため、加工の際に摺接面442aに大きな荷重がかからない。そのため、摺接面442aの面精度に影響が生じにくく密封性能(シール性能)の低下を防ぐことができる。
ここで、一般に芯金30とスリンガー440とが分離しないように、両環状部材を組合わせた後、スリンガー440の端面を摺接面442a側に向けて折り曲げ加工することで断面U字状に形成して分離防止をすることも考えられる。しかしながら、両環状部材を組合わせた後に、スリンガー440端面の折り曲げ加工は難しく、加工コストの増大につながるおそれがある。また、折り曲げ加工を施すと摺接面442aの面精度に影響が生じ密封性能(シール性能)が低下するおそれがあると考えられていた。本実施例4はこのような、この折り曲げ加工の困難性と摺接面442aの面精度への影響を考慮して以下のように突部450を形成するものである。先ず、スリンガー440の円筒部442の端面形状は、実施例3と同様に、面取り加工446と共に端部を薄肉部位447に加工する。
ここで、本実施例4におけるスリンガー440端面は、次のような形状に設定される。図22に図示されるように、スリンガー440の板厚は0.6mmである。この円筒部442の薄肉部位447の板厚tは、0.1mmの〜0.2mmの板厚として設定される。また、軸方向長さLは、t×1.5の長さで設定される。よってLは、0.15〜0.3mmの範囲で形成されている。図22及び図23に図示されるように、圧入治具470の当接面476には、スリンガー440の円筒部442の端部の薄肉部位447に対応する位置には、突起部位480として拡径軸部474の径まで漸次拡径する傾斜面が形成されている。突部450は、この突起部位480の傾斜面の押圧加工によって薄肉部位447が摺接面442a側折り曲げ加工されて形成される。本実施例4では、この折り曲げ加工によって形成される突部450は、摺接面442aから0.1mm以上の高さG(図21参照)を有して形成されている。なお、スリンガー440の円筒部442の端部の薄肉部位447の設定、突部450の形状、圧入治具470の突起部位480の傾斜面の形状は一例であって、スリンガー440全体の大きさ、板厚、材質等によって適宜の寸法に設定されるものである。なお、スリンガー440の円筒部442の端面における突部450の形状、及び圧入治具470の突起部位480以外の形状は実施例1から実施例3と共通であり、突部450の形成方法も実施例1から実施例3と共通であるため、詳細な説明は省略する。この実施例4は、実施例1から実施例3と同様の作用効果を得ることができる。また、スリンガー440の円筒部442の端面全周に突部450を形成することができる。また、スリンガー440の円筒部442の端部に形成された薄肉部位447を押圧加工によって折り曲げ加工を施すため、加工の際に摺接面442aに大きな荷重がかからない。そのため、摺接面442aの面精度に影響が生じにくく密封性能(シール性能)の低下を防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態を実施例1から実施例4について説明したが、本発明の転がり軸受用密封装置組立体は、本実施の形態に限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。
例えば、実施例1から実施例3において突部50、250、350は、芯金30とスリンガー40、240、340を組み合わせる圧入治具70、270、370を用いて形成する例を示した。しかしながらこれに限定されるものではなく、円筒部42、242、342の端面をポンチ等の先端が鋭利な工具によって軸方向から手動で押圧加工することによって形成する構成であってもよい。
例えば、実施例1から実施例3において突部50、250、350は、芯金30とスリンガー40、240、340を組み合わせる圧入治具70、270、370を用いて形成する例を示した。しかしながらこれに限定されるものではなく、円筒部42、242、342の端面をポンチ等の先端が鋭利な工具によって軸方向から手動で押圧加工することによって形成する構成であってもよい。
10 転がり軸受装置
12 内輪
12a 内輪軌道面
14 外輪
14a 外輪軌道面
16 転動体
18 保持器
20 転がり軸受用密封装置組立体
30 芯金
32 円筒部
34 環状平板部
36 弾性シール部材
38 シールリップ
38a 主リップ
38b 補助リップ
38c サイドリップ
40 スリンガー
42 円筒部
42a 摺接面
42b 嵌合面
44 環状平板部
44a 摺接面
46 面取り加工
50 突部
50a 突部
50b 突部
70 圧入治具
72 軸部
74 拡径軸部
76 当接面
78 傾斜面
80 突起部位
220 転がり軸受用密封装置組立体
240 スリンガー
242 円筒部
242a 摺接面
242b 嵌合面
250 突部
250a 突部
250b 突部
270 圧入治具
276 当接面
280 突起部位
320 転がり軸受用密封装置組立体
340 スリンガー
342 円筒部
342a 摺接面
342b 嵌合面
346 面取り加工
347 薄肉部位
350 突部
370 圧入治具
376 当接面
380 突起部位
420 転がり軸受用密封装置組立体
440 スリンガー
442 円筒部
442a 摺接面
446 面取り加工
447 薄肉部位
450 突部
470 圧入治具
474 拡径軸部
476 当接面
480 突起部位
12 内輪
12a 内輪軌道面
14 外輪
14a 外輪軌道面
16 転動体
18 保持器
20 転がり軸受用密封装置組立体
30 芯金
32 円筒部
34 環状平板部
36 弾性シール部材
38 シールリップ
38a 主リップ
38b 補助リップ
38c サイドリップ
40 スリンガー
42 円筒部
42a 摺接面
42b 嵌合面
44 環状平板部
44a 摺接面
46 面取り加工
50 突部
50a 突部
50b 突部
70 圧入治具
72 軸部
74 拡径軸部
76 当接面
78 傾斜面
80 突起部位
220 転がり軸受用密封装置組立体
240 スリンガー
242 円筒部
242a 摺接面
242b 嵌合面
250 突部
250a 突部
250b 突部
270 圧入治具
276 当接面
280 突起部位
320 転がり軸受用密封装置組立体
340 スリンガー
342 円筒部
342a 摺接面
342b 嵌合面
346 面取り加工
347 薄肉部位
350 突部
370 圧入治具
376 当接面
380 突起部位
420 転がり軸受用密封装置組立体
440 スリンガー
442 円筒部
442a 摺接面
446 面取り加工
447 薄肉部位
450 突部
470 圧入治具
474 拡径軸部
476 当接面
480 突起部位
Claims (3)
- 転がり軸受の内輪と外輪との間の開口端に組立体として介挿される密封装置組立体が、先端にシールリップを有する弾性シール部材を取付けた第1の環状部材と、該第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップと摺接する摺接面を有する第2の環状部材とからなり、該両環状部材が軸方向から組み合わされて組立てられる転がり軸受用密封装置組立体であって、
前記第1の環状部材及び第2の環状部材は、円筒部と、該円筒部の端部から径方向に延出した環状平板部と、によって断面L型に一体形成され、前記両環状部材の円筒部、環状平板部のそれぞれが互いに対向する位置に配置構成されて断面矩形状に組み合わされており、
前記第1の環状部材の弾性シール部材は、その先端のシールリップが前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面に対し径方向の弾性力が付与されて摺接する構成とされており、
前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面における前記環状平板部が配設される軸方向端面とは反対側の端面の周方向の少なくとも一部には、前記第2の環状部材の円筒部に構成される摺接面側の径方向に向けて突出する突部が形成されており、
該突部により前記第1の環状部材の弾性シール部材のシールリップが前記第2の環状部材の円筒部の摺接面から軸方向に離脱することが抑制されることを特徴とする転がり軸受用密封装置組立体。 - 請求項1に記載の転がり軸受用密封装置組立体であって、
前記突部が形成される第2の環状部材の円筒部の端面における前記摺接面の裏面側の面には全周に面取り加工が施されており、
前記突部を形成するための第2の環状部材の円筒部の端面への加工は、該突部の前記摺接面側への形成に伴い裏面側にも突部が形成される加工であり、該裏面側に突出して形成される突部の大きさは前記面取り加工が施された径方向深さより浅く突出する大きさとして形成されていることを特徴とする転がり軸受用密封装置組立体。 - 請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受用密封装置組立体であって、
前記第1の環状部材と第2の環状部材とを軸方向から組み合わせて組立てるに際して、
該組立てる際の挿入方向に対して傾斜面を有する圧入治具を第2の環状部材の円筒部の端面に当てがい、第1の環状部材に取付けた弾性シール部材のシールリップを第2の環状部材の円筒部の摺接面に圧入装着し、
前記圧入治具の前記第2の環状部材の円筒部の端面に当てがう端面には該円筒部の端面に突部を形成することのできる加工部位が設けられており、前記第2の環状部材の円筒部の摺接面に前記第1の環状部材に取付けた弾性シール部材のシールリップを圧入装着するに際して、圧入治具を第2の環状部材の円筒部の端面に当てがう際に、圧入治具に設けた加工部位により前記突部を加工形成することを特徴とする転がり軸受用密封装置組立体。
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