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JP2011193066A - 撮像装置 - Google Patents

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JP2011193066A
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Abstract

【課題】シーン判定の利便性を向上させる。
【解決手段】表示画面の点320をタッチすると、点320を基準とする判定領域が設定されて判定領域枠321が表示されると共に該判定領域内の画像データに基づいてシーン判定処理が成され、シーン判定結果が表示される。そのシーン判定結果がユーザ所望のものと相違する場合、ユーザは、点320と異なる点320aを指定することができる。点320aが指定されると、点320aを基準とする判定領域が再設定されて判定領域枠321aが表示されると共に該判定領域内の画像データに基づいて2回目のシーン判定処理が成され、2回目のシーン判定結果が表示される。その後、判定領域枠321a内の位置をタッチすると、2回目のシーン判定結果に応じた撮影条件にて静止画像撮影が成される。
【選択図】図8

Description

本発明は、デジタルスチルカメラ又はデジタルビデオカメラ等の撮像装置に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置で撮影を行う際、特定の撮影シーンでは撮影シーンに応じた最適な撮影条件(シャッタスピード、絞り値、ISO感度等)が存在する。しかし、一般に、撮影条件のマニュアル設定は複雑である。これを考慮し、撮像装置には、撮影シーンを自動的に判定し、撮影条件を自動的に最適化する自動シーン判定機能が搭載されていることが多い。この機能では、撮影範囲内に存在する被写体の種類を判別したり被写体の明るさを検出したりすることで撮影シーンを判定し、判定シーンに基づいて複数の登録撮影モードの中から最適な撮影モードを選択する。そして、選択した撮影モードに従った撮影条件にて撮影を行うことで撮影条件の最適化を図る。
尚、下記特許文献1の方法では、特徴量抽出や顔検出結果に基づき、実際に採用される可能性のある撮影モード(撮像モード)の候補を撮像モード記憶部から複数個抽出して表示し、表示した複数の候補の中から実際に採用する撮影モードをユーザに選択させる。
特開2009−71666号公報
しかしながら、上述したような自動シーン判定では、自動判定されたシーン及びそれに伴って自動選択された撮影モードがユーザの意図したものと異なる、といった事態が生じうる。このような場合、ユーザは、所望するシーン判定結果が得られるまで自動シーン判定を繰り返し実行させる必要があり、結果としてユーザの利便性を損なうことがある。
図16を参照して、この問題を更に説明する。撮像装置の略正面に位置する黄色の葉をつけた木及び撮像装置の右側に位置する赤色の葉をつけた木を撮影範囲内に収めた状態で、ユーザは、紅葉モードで静止画像の撮影を行いたいと考えているものとする。また、撮像装置に設けられたシャッタボタンを半押しすることで自動シーン判定が実行されるものとし、その半押しの解除後に再度シャッタボタンを半押しすると自動シーン判定が再実行されるものとする。
まず、ユーザは、上記の2種類の木を撮影範囲内に収める。そうすると、画像901が表示画面に表示される。画像901を取り囲むドット領域(ドットで満たされた領域)は、表示部の筐体を表している(画像902〜904についても同様)。この状態で、ユーザが半押し操作を成す。この半押し操作をトリガとして成された自動シーン判定の結果、撮影シーンが風景シーンであると判断されると、「風景」の文字が重畳された画像902が表示されるようになる。ユーザは、風景モードでの撮影を希望していないので、撮影方向や撮影画角を変化させながら半押し解除及び再度の半押し操作を繰り返す。画像903は2回目の半押し操作後に表示される画像であり、画像904は3回目の半押し操作後に表示される画像である。3回目の半押し操作後に(即ち、3回目の自動シーン判定後に)ようやく紅葉シーンと判定されたため、その後、ユーザは、静止画像の撮影を行うべくシャッタボタンの全押し操作を成す。
図16の具体例では、画像902が表示されたとき、ユーザは何故風景シーンと判定されたのかが分からない。従って、その後、ユーザは、紅葉シーンと判定されるまで、何の手がかりもなしに半押し及び解除の繰り返しによる試行錯誤を強いられる。自動シーン判定による判定シーン(風景シーン)とユーザの意図するシーン(紅葉シーン)との相違の発生は避けがたいが、ユーザの意図するシーンと異なるシーンが判定された上に、その判定の成された理由が全く分からないと、ユーザは不快感を覚える。よって、自動シーン判定の根拠等を示してやることは、快適な操作感を提供する技術として有益である。
尚、特許文献1の方法を用いれば、多数存在する候補の数をある程度絞り込むことはできるのものの、絞り込んだ候補の中の1つを選択する操作をユーザに強いることになり、特に候補の数が多くなると選択操作が煩雑となるし、ユーザに選択を迷わせる結果を導いてユーザに不快感を覚えさせる。また、特に、様々な被写体が撮影範囲内に存在する複雑な撮影シーンにおいては、ユーザの注目する被写体が撮像装置にとって不明確であるため、表示された撮影モード候補の中にユーザの所望する撮影モードが存在しないことも十分に起こりうる。
そこで本発明は、シーン判定に関して便利な機能を持つ撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る撮像装置は、撮影画像を表示する表示部と、前記撮影画像の画像データに基づいて前記撮影画像の撮影シーンを判定するシーン判定部と、前記シーン判定部の判定結果とともに、前記撮影画像の全体画像領域の一部である、前記シーン判定部の判定結果の元となった特定画像領域の位置を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
これにより、シーン判定結果と同時に、その結果が得られた理由をユーザに直感的に知らしめることが可能となる。
具体的には例えば、当該撮像装置は、前記撮影画像上の指定位置の入力を受け付ける指定受付部を更に備え、前記シーン判定部は、前記指定位置に基づいて前記特定画像領域を設定し、前記特定画像領域の画像データに基づいて前記撮影画像の撮影シーンを判定する。
また例えば、前記指定位置としての第1指定位置に基づいて前記特定画像領域が設定され、前記特定画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の撮影シーンが判定された後、前記第1指定位置と異なる第2指定位置が前記指定受付部に入力された場合、前記シーン判定部は、前記第2指定位置に基づいて前記特定画像領域を再設定し、再設定された特定画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の撮影シーンを再判定する。
これにより、ユーザの希望する判定結果が提供されやすくなる。
また例えば、前記シーン判定部は、前記撮影画像の全体画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の全体の撮影シーンを全体判定シーンとして判定する全体判定部と、前記撮影画像の全体画像領域を複数の分割画像領域に分割し、前記分割画像領域ごとに、当該分割画像領域の画像データから画像特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記全体判定シーンに対応付けられた画像特徴量と各分割画像領域の画像特徴量とを対比することにより、前記複数の分割画像領域の中から前記特定画像領域を選択して設定する特定画像領域設定部と、を備え、前記表示制御部は、前記全体判定シーンを前記シーン判定部の判定結果として前記表示部に表示させるとともに、前記特定画像領域に設定された分割画像領域の位置を前記表示部に表示させる。
そして例えば、前記撮影画像上の指定位置の入力を受け付ける指定受付部を更に備え、前記全体判定シーンの前記表示部への表示の後、前記指定位置の入力が成された場合、前記シーン判定部は、前記指定位置に基づいて前記特定画像領域を再設定し、再設定された特定画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の撮影シーンを再判定する。
これにより、ユーザの希望する判定結果が提供されやすくなる。
本発明によれば、シーン判定に関して便利な機能を持つ撮像装置を提供することが可能である。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
本発明の実施形態に係る撮像装置の概略全体ブロック図である。 図1に示される撮像部の内部構成図である。 図1の撮像装置に内包される部位のブロック図である。 入力画像に判定領域が設定される様子を示した図である。 風景モードにて得られた出力画像及びポートレートモードにて得られた出力画像を示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、撮像装置の動作手順を表すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係り、表示画像の変遷の様子の第1具体例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、表示画像の変遷の様子の第2具体例を示す図である。 任意の二次元画像又は表示画面上に複数の分割ブロックが設定される様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、撮像装置の動作手順を表すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係り、表示画像の変遷の様子の具体例を示す図である。 シーン判定部に登録用メモリが内包される様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、複数の対象ブロック枠が表示される様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、撮像装置の動作手順を表す変形フローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るシーン判定部の内部ブロック図である。 従来の自動シーン判定の動作を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態の幾つかを、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係る撮像装置1の概略全体ブロック図である。撮像装置1は、静止画像を撮影及び記録可能なデジタルスチルカメラ、又は、静止画像及び動画像を撮影及び記録可能なデジタルビデオカメラである。撮像装置1は、携帯電話機などの携帯端末に搭載されるものであっても良い。
撮像装置1は、撮像部11と、AFE(Analog Front End)12と、主制御部13と、内部メモリ14と、表示部15と、記録媒体16と、操作部17と、を備えている。
図2に、撮像部11の内部構成図を示す。撮像部11は、光学系35と、絞り32と、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどから成る撮像素子33と、光学系35や絞り32を駆動制御するためのドライバ34と、を有している。光学系35は、ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31を含む複数枚のレンズから形成される。ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31は光軸方向に移動可能である。ドライバ34は、主制御部13からの制御信号に基づいてズームレンズ30及びフォーカスレンズ31の各位置並びに絞り32の開度を駆動制御することにより、撮像部11の焦点距離(画角)及び焦点位置並びに撮像素子33への入射光量(換言すれば、絞り値)を制御する。
撮像素子33は、光学系35及び絞り32を介して入射した被写体を表す光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号をAFE12に出力する。より具体的には、撮像素子33は、マトリクス状に二次元配列された複数の受光画素を備え、各撮影において、各受光画素は露光時間に応じた電荷量の信号電荷を蓄える。蓄えた信号電荷の電荷量に比例した大きさを有する各受光画素からのアナログ信号は、撮像装置1内で生成される駆動パルスに従って順次AFE12に出力される。
AFE12は、撮像部11(撮像素子33)から出力されるアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。AFE12は、このデジタル信号をRAWデータとして主制御部13に出力する。AFE12における信号増幅の増幅度は、主制御部13によって制御される。
主制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等から成る。主制御部13は、AFE12からのRAWデータに基づいて、撮像部11によって撮影された画像(以下、撮影画像とも言う)を表す画像データを生成する。ここで生成される画像データには、例えば、輝度信号及び色差信号が含まれる。但し、RAWデータそのものも画像データの一種であり、撮像部11から出力されるアナログ信号も画像データの一種である。また、主制御部13は、表示部15の表示内容を制御する表示制御手段としての機能をも備え、表示に必要な制御を表示部15に対して行う。
内部メモリ14は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等にて形成され、撮像装置1内で生成された各種データを一時的に記憶する。表示部15は、液晶ディスプレイパネル等の表示画面を有する表示装置であり、主制御部13の制御の下、撮影された画像や記録媒体16に記録されている画像などを表示する。
表示部15にはタッチパネル19が設けられており、ユーザは、表示部15の表示画面を指等で触れることで撮像装置1に特定の指示を与えることができる。表示部15の表示画面を指等で触れることによる操作をタッチパネル操作と呼ぶ。本明細書において、単に表示及び表示画面と言った場合、それらは、表示部15における表示及び表示画面を指すものとする。指等が表示部15の表示画面が触れたとき、その触れた位置を指し示す座標値が主制御部13に伝達される。
記録媒体16は、カード状半導体メモリや磁気ディスク等の不揮発性メモリであり、主制御部13による制御の下、撮影画像などを記憶する。操作部17は、静止画像の撮影指示を受け付けるシャッタボタン20等を備え、外部からの各種操作を受け付ける。操作部17に対する操作を、タッチパネル操作と区別すべく、ボタン操作とも呼ぶ。操作部17に対する操作内容は、主制御部13に伝達される。
撮像装置1には、ユーザが撮影しようとするシーンを自動的に判定し、撮影条件を自動的に最適化する機能が備えられている。以下、主として、この機能の説明を行う。図3は、この機能の実現に特に関与する部位のブロック図である。シーン判定部51、撮影制御部52、画像処理部53及び表示制御部54は、図1の主制御部13内に設けられている。
シーン判定部51には、入力画像の画像データが与えられる。入力画像とは、撮像部11から出力される画像データに基づく二次元画像を指す。RAWデータそのものが入力画像の画像データであっても良いし、RAWデータに対して所定の画像処理(デモザイキング処理、ノイズ低減処理、色補正処理等)を施して得られる画像データが入力画像の画像データであっても良い。撮像部11は所定のフレームレートで撮影を行うことができるため、入力画像も所定のフレームレートで順次得られる。
シーン判定部51は、入力画像内に判定領域を設定し、判定領域内の画像データに基づいてシーン判定処理を行う。シーン判定部51は、入力画像ごとにシーン判定処理を行うことができる。
図4は、入力画像と判定領域との関係を表している。図4において、符号200は任意の1枚の入力画像を表しており、符号201は入力画像200に設定された判定領域を表している。判定領域201は、入力画像200の全体画像領域そのもの、又は、入力画像200の全体画像領域の一部である。図4では、判定領域201が、入力画像200の全体画像領域の一部であることが想定されている。以下の説明では、図4に示す如く、判定領域201に代表される任意の判定領域の形状が矩形であることを想定する。但し、判定領域201の形状を矩形以外とすることも可能である。
入力画像に対するシーン判定処理は、入力画像からの画像特徴量の抽出、入力画像の被写体の検出、入力画像の色相の分析、入力画像の撮影時における被写体の光源状態の推定等を用いて実行され、その判定に公知の任意の方法(例えば、特開2009−71666号公報に記載の方法)を用いることができる。
複数の登録シーンが予めシーン判定部51に設定されている。複数の登録シーンには、例えば、人物が注目された撮影シーンであるポートレートシーン、風景が注目された撮影シーンである風景シーン、紅葉が注目された撮影シーンである紅葉シーン、動物が注目された撮影シーンである動物シーン、海が注目された撮影シーンである海シーン、日中の撮影状態を表す日中シーン、夜景の撮影状態を表す夜景シーンなどが含まれうる。シーン判定部51は、注目した入力画像の画像データからシーン判定処理に有益な画像特徴量を抽出することで、その注目した入力画像の撮影シーンを上記複数の登録シーンの中から選択し、これによって、注目した入力画像の撮影シーンを判定する。シーン判定部51によって判定された撮影シーンを、判定シーンと呼ぶ。シーン判定部51は、判定シーンを表すシーン判定情報を撮影制御部52及び表示制御部54に与える。
撮影制御部52は、シーン判定情報に基づき、撮影条件を既定する撮影モードを設定する。撮影モードにて既定される撮影条件には、入力画像の撮影時におけるシャッタスピード(即ち、入力画像の画像データを撮像素子33から得るための、撮像素子33の露光時間の長さ)、入力画像の撮影時における絞り値、入力画像の撮影時におけるISO感度、画像処理部53において入力画像に行われるべき画像処理(以下、特定画像処理という)の内容などが含まれる。ISO感度は、ISO(International Organization for Standardization)によって規定された感度を意味し、ISO感度を調節することで入力画像の明るさ(輝度レベル)を調節することができる。実際には、ISO感度に応じてAFE12における信号増幅の増幅度を決定する。撮影制御部52は、撮影モードの設定後、設定した撮影モードの撮影条件で入力画像の画像データが得られるように撮像部11及びAFE12を制御すると共に、画像処理部53を制御する。
画像処理部53は、入力画像に対して特定画像処理を行うことで出力画像(即ち、特定画像処理後の入力画像)を生成する。撮影制御部52にて設定される撮影モードによっては、特定画像処理が何らなされないこともあり、この場合には、出力画像は入力画像そのものとなる。
説明の具体化のため、上記登録シーンの種類がN種類存在するものとする(Nは2以上の整数)。即ち、上記複数の登録シーンの個数がN個であるとする。そして、N種類の登録シーンを第1〜第Nの登録シーンと呼ぶ。任意の整数i及びjに対して、第iの登録シーンと第jの登録シーンは異なる(但し、i≦N且つj≦N)。また、シーン判定部51による判定シーンが第iの登録シーンであるときに、撮影制御部52により設定される撮影モードを第iの撮影モードと呼ぶ。
第1〜第Nの撮影モードに関し、第iの撮影モードによって規定される撮影条件と、第jの撮影モードによって規定される撮影条件は互いに異なる。これは、通常、互いに異なる任意の整数i及びjに対して成立するが(但し、i≦N且つj≦N)、第1〜第Nの撮影モードに含まれるNA個の撮影モードの撮影条件は互いに同じでありうる(換言すれば、そのNA個の撮影モードは互いに同じ撮影モードでありうる)。NAはN未満且つ2以上の整数である。例えば、N=10のとき、第1〜第9の撮影モードについての撮影条件は互いに異なるが、第9及び第10の撮影モードについての撮影条件は互いに同じである、といった場合もある(この場合、NA=2)。
以下、第1〜第Nの登録シーンに含まれる第1〜第4の登録シーンが、夫々、ポートレートシーン、風景シーン、紅葉シーン及び動物シーンであって、且つ、第1〜第4の登録シーンに対応する第1〜第4の撮影モードが、夫々、ポートレートモード、風景モード、紅葉モード及び動物モードであって、且つ、第1〜第4の撮影モードの内、任意の2つの撮影モード間の撮影条件は互いに異なるものとする。
撮影制御部52は、具体的には例えば、ポートレートモード及び風景モード間で絞り値を変えることよって、ポートレートモードにおける被写界深度を風景モードにおける被写界深度よりも浅くする。図5(a)の画像210は、風景モードにて得られた出力画像(又は入力画像)を表し、図5(b)の画像220は、ポートレートモードにて得られた出力画像(又は入力画像)を表す。出力画像210及び220は共通の被写体を撮影したものであるが、被写界深度の相違に基づき、出力画像210では人物も風景も鮮明に現れている一方で、出力画像220では人物は鮮明であるものの風景はぼけている(図5(b)では、山の輪郭線を太くすることでぼけを表現している)。
ポートレートモード及び風景モード間で絞り値を共通にしておく一方で、ポートレートモード及び風景モード間で特定画像処理を異ならせることで、ポートレートモードにおける被写界深度を風景モードにおける被写界深度よりも浅くしても良い。即ち例えば、設定された撮影モードが風景モードである場合には、入力画像に対する特定画像処理に背景ぼかし処理を含めない一方、設定された撮影モードがポートレートモードである場合には、入力画像に対する特定画像処理に背景ぼかし処理を含める。背景ぼかし処理は、入力画像において人物の画像データが存在する画像領域以外の画像領域をぼかす処理(ガウシアンフィルタを用いた空間フィルタリングなど)である。このような、背景ぼかし処理の有無による特定画像処理の相違によっても、ポートレートモードによる出力画像と風景モードによる出力画像間で被写界深度を実質的に異ならせることができる。
また例えば、設定された撮影モードがポートレートモードである場合には、入力画像に対する特定画像処理に肌色補正を含めるようにし、設定された撮影モードが風景モード、紅葉モード及び動物モードである場合には、入力画像に対する特定画像処理に肌色補正を含めないようにしても良い。肌色補正は、人物の顔の画像部分の内、肌色に分類される部分の色を補正する処理である。
また例えば、設定された撮影モードが紅葉モードである場合には、入力画像に対する特定画像処理に赤色補正を含めるようにし、設定された撮影モードがポートレートモード、風景モード及び動物モードである場合には、入力画像に対する特定画像処理に赤色補正を含めないようにしても良い。赤色補正は、赤色に分類される部分の色を補正する処理である。
また例えば、高速シャッタモードとも呼ぶべき動物モードでは、ポートレートモード、風景モード及び紅葉モードよりも、シャッタスピードが速くされる(即ち、入力画像の画像データを撮像素子33から得るための、撮像素子33の露光時間の長さが短くされる)。
図3の表示制御部54は、表示部15の表示内容を制御する部位であり、画像処理部53からの出力画像とシーン判定部51からのシーン判定情報及び判定領域情報とに基づいて表示画像を生成し、表示画像を表示部15の表示画面上に表示させる。判定領域情報とは、判定領域の位置及び大きさを表す情報であり、判定領域情報によって、任意の二次元画像(入力画像、出力画像又は表示画像)上における、判定領域の中心位置、水平方向の大きさ及び垂直方向の大きさが特定される。
図6及び図7を参照して、図3に示される部位の動作を詳細に説明する。図6は、第1実施形態に係る撮像装置1の動作手順を表すフローチャートである。図7は、撮像装置1の第1動作具体例を表している。第1動作具体例では、撮像装置1の略正面に位置する黄色の葉をつけた木及び撮像装置1の右側に位置する赤色の葉をつけた木を撮影範囲内に収めた状態で、ユーザは静止画像の撮影を行おうとしている(後述の図8及び図11に対応する動作具体例でも同様)。また、撮影範囲の中央付近に人物が立っている。図7において、符号311〜315は、夫々、時刻tA1〜tA5における表示画像である。時刻tAi+1は時刻tAiよりも後の時刻である(iは整数)。図7において、表示画像311〜315の夫々を取り囲むドット領域(ドットで満たされた領域)は、表示部15の筐体を表している。
表示画像311は、ステップS11の指定が成される前の表示画像に相当し、表示画像312は、ステップS11の指定が成される時点における表示画像に相当し、表示画像313は、ステップS13〜S15の処理が成される時点における表示画像に相当し、表示画像314は、ステップS16の処理が成される時点における表示画像に相当し、表示画像315は、ステップS17のシャッタ操作が成される時点における表示画像に相当する。図7において、表示画像312、313及び315の夫々の内部に示されている手の絵は、ユーザの手を表している。
上述したように、撮像部11にて入力画像の画像データが所定のフレームレートで取得される。図6に示す各ステップの処理の実行時において、時系列に並ぶ複数の入力画像が撮影によって得られ、その複数の入力画像に基づく複数の表示画像が動画像として表示画面に表示される。ステップS11では、この表示が成されている状態で(例えば図7の画像311が表示されている状態で)、ユーザが注目被写体を指定する。ユーザは、タッチパネル操作にて注目被写体の指定を行うことができる。具体的には、表示画面において注目被写体が表示されている部分をタッチすることで、注目被写体の指定を行うことができる。タッチとは、表示画面上の特定部分を指で触れる操作である。尚、ユーザは、タッチパネル操作ではなく、ボタン操作によって注目被写体の指定を行うこともできる。
今、表示画面上の点320がタッチされたとする(図7の表示画像312の部分を参照)。表示画面上における点320の座標値が指定座標値としてタッチパネル19からシーン判定部51及び撮影制御部52に送られる。指定座標値によって、入力画像、出力画像及び表示画像上における、点320に対応する位置(以下、指定位置と呼ぶ)が規定される。ステップS11の指定の後、ステップS12〜S17の処理が順次実行される。
ステップS12において、撮影制御部52は、指定位置に存在する被写体を注目被写体として認識した上で注目被写体に対するカメラ制御を行う。注目被写体に対するカメラ制御には、注目被写体にピントを合わせるフォーカス制御及び注目被写体の露出を最適化する露光制御などが含まれる。或る特定の被写体の画像データが指定位置に存在しているならば、その特定の被写体が注目被写体として認識されて上記カメラ制御が成される。
ステップS13において、シーン判定部51は、指定位置を基準とする判定領域(特定画像領域)を入力画像に設定する。例えば、指定位置に中心位置を持つ、所定の大きさを有する判定領域を設定する。また例えば、注目被写体の画像データが存在する画像領域を入力画像の全体画像領域から検出及び抽出し、その画像領域を判定領域に設定するようにしても良い。設定された判定領域の位置及び大きさを表す判定領域情報は表示制御部54に送られる。
ステップS11〜S13の処理の実行時点において、表示制御部54は、入力画像をそのまま表示画像として表示することができる。ステップS14において、表示制御部54は入力画像に判定領域枠を重畳した画像を表示画像として表示画面に表示させる。判定領域枠は、判定領域の外枠である。或いは、判定領域の外枠を基準とした枠(例えば、判定領域の外枠を若干縮小又は拡大した枠)が、判定領域枠であっても良い。例えば、ステップS14において、判定領域枠321が重畳された表示画像313を表示する(図7参照)。判定領域枠の表示は、入力画像、出力画像、表示画像又は表示画面上における判定領域の位置及び大きさを、ユーザに視認させる。ステップS14において表示された判定領域枠は、以後、ステップS15〜S17においても表示され続ける。
ステップS15において、シーン判定部51は、入力画像の判定領域内の画像データを抽出し、抽出した画像データに基づいてシーン判定処理を実行する。判定領域内の画像データだけではなく、フォーカス情報や露光情報等をも利用してシーン判定処理を行うようにしても良い。フォーカス情報は、ピントの合っている被写体の、撮像装置1からの距離を表し、露光情報は、入力画像の明るさに関する情報である。シーン判定処理の結果を、以下、シーン判定結果とも呼ぶ。シーン判定結果を表すシーン判定情報は、撮影制御部52及び表示制御部54に送られる。
ステップS16において、表示制御部54は、ステップS15のシーン判定結果を表示部15に表示する(図7の表示画像314を参照)。例えば、入力画像に基づく出力画像と、判定領域枠と、シーン判定結果に応じた判定結果指標とを同時に表示する。判定結果指標は、文字(記号、数字を含む)、図形(アイコンを含む)、又は、それらの組み合わせから成る。更に、ステップS16において、撮影制御部52は、ステップS15のシーン判定結果に応じた撮影条件を以後の撮影に適用する。例えば、ステップS15のシーン判定処理による判定シーンが風景シーンであるならば、以後、他のシーン判定結果が得られるまで、風景モードの撮影条件にて入力画像及び出力画像の生成を行う。
ステップS17において、主制御部13は、シャッタ操作の有無を確認し、シャッタ操作が成された場合にはステップS17からステップS18への遷移が発生する一方、シャッタ操作が成されていない場合にはステップS17からステップS19への遷移が発生する。シャッタ操作とは、表示画面上における、現時点の判定領域内の位置をタッチする操作である(図7参照)。但し、それ以外のタッチパネル操作をシャッタ操作に割り当てるようにしても良いし、ボタン操作(例えば、シャッタボタン20を押す操作)によってシャッタ操作を実現するようにしても良い。
シャッタ操作が成された場合に移行するステップS18では、撮像部11及び画像処理部53を用いて対象画像の撮影が成される。対象画像とは、シャッタ操作直後に得られる入力画像に基づく出力画像である。得られた対象画像の画像データは、記録媒体16に記録される。
一方、ステップS19では、主制御部13により判定領域変更操作の有無が確認され、判定領域変更操作が成されていない場合にはステップS19からステップS17に戻るが、判定領域変更操作が成されている場合にはステップS19からステップS20への遷移が発生する。判定領域変更操作は、ユーザによる判定領域の位置を変更する操作である。但し、判定領域変更操作によって判定領域の大きさを変更することも可能である。判定領域変更操作は、タッチパネル操作で実現されても良いし、ボタン操作で実現されても良い。ステップS20では、判定領域変更操作に従って判定領域が再設定され、その再設定後、ステップS14に戻ってステップS14以降の処理が再度実行される。即ち、再設定された判定領域についての判定領域枠の表示(ステップS14)、再設定された判定領域内の画像データに基づくシーン判定処理及びその結果の表示(ステップS15及びS16)などが実行される。ステップS19及びS20の処理の詳細な具体例は、図8を参照して後述される。
上述した説明と一部重複するが、図6の各ステップの処理に対応させて、図7に示される第1動作具体例を説明する。
時刻tA1では、ユーザによる注目被写体の指定が成されておらず、時刻tA1に撮影された入力画像が表示画像311として表示される。時刻tA2において、ユーザがタッチパネル操作により点320をタッチする(ステップS11)。表示画像312は、時刻tA2に撮影された入力画像である。点320がタッチされたことにより、点320に位置する注目被写体に対してカメラ制御が成されると共に点320を基準として判定領域が設定される(ステップS12及びS13)。この結果、時刻tA3において表示画像313が表示される(ステップS14)。表示画像313は、時刻tA3に得られた入力画像に対して判定領域枠321を重畳した画像である。
その後、点320を基準とする判定領域に対してシーン判定処理が成され(ステップS15)、そのシーン判定結果が表示される(ステップS16)。例えば、表示画像314が表示される。第1動作具体例において、点320を基準とするシーン判定処理の判定シーンは、風景シーンであるとする(図8に対応する、後述の第2動作具体例も同様)。表示画像314は、時刻tA4に得られた入力画像に対して、判定領域枠321と「風景」という文言を重畳した画像である。「風景」という文言は、シーン判定処理による判定シーンが風景シーンであること、或いは、シーン判定結果に基づいて設定された撮影モードが風景モードであることを指し示す判定結果指標の一種である。上述したように、シーン判定結果は、以後の撮影に適用される(ステップS16)。従って、シーン判定処理による判定シーンが風景シーンである場合、時刻tA4以降の入力画像及び出力画像は、他のシーン判定結果が得られるまで、風景モードの撮影条件にて生成される。尚、説明の便宜上、時刻tA3において判定結果指標が表示されていない(即ち、表示画像313に判定結果指標が表示されていない)ことを想定しているが、判定領域枠321は常に判定結果指標と同時に表示されるものであっても良い。
図7に対応する第1動作具体例では、時刻tA5において、ユーザが判定領域枠321内の位置をタッチすることでシャッタ操作を成す。これにより、時刻tA5の直後において、風景モードにより対象画像の撮影が成される。表示画像315は、時刻tA5に得られた入力画像に対して、判定領域枠321と「風景」という文言を重畳した画像であり、図7では、時刻tA5において判定領域枠321内の位置がタッチされる様子が示されている。
図7に示される第1動作具体例と異なる第2動作具体例を説明する。図8は、撮像装置1の第2動作具体例を表している。図8において、符号311〜314は、夫々、図7に示すものと同じ時刻tA1〜tA4における表示画像である。図8において、符号316〜318は、夫々、時刻tA6〜tA8における表示画像である。図8において、表示画像311〜314及び316〜318の夫々を取り囲むドット領域(ドットで満たされた領域)は、表示部15の筐体を表しており、表示画像312、313、316及び318の夫々の内部に示されている手の絵は、ユーザの手を表している。
時刻tA4までの動作(時刻tA4の動作を含む)は、第1及び第2動作具体例間で同じである。但し、第1動作具体例と異なり、第2動作具体例では判定領域変更操作(図6のステップS19参照)が成される。第2動作具体例における時刻tA4以降の動作を説明する。時刻tA4における表示画像314において、判定シーン及び判定シーンに基づく撮影モードが風景シーン及び風景モードであることが示されているが、ユーザは、風景モードで対象画像の撮影が成されることを希望していないことを想定する。この場合、ユーザは、シャッタ操作を成すことなく(ステップS17のN)、判定領域変更操作を成す。判定領域変更操作は、例えば、点320と異なる、表示画面上の点320aをタッチする操作である。
時刻tA4よりも後の時刻である時刻tA6において、表示画面上の点320aがタッチされたとする。そうすると、表示画面上における点320aの座標値が第2指定座標値としてタッチパネル19からシーン判定部51に送られる。第2指定座標値によって、入力画像、出力画像及び表示画像上における、点320aに対応する位置(以下、第2指定位置と呼ぶ)が規定される。点320aの指定による判定領域変更操作が成されると、ステップS20において、シーン判定部51は、第2指定位置を基準として判定領域の再設定を行う。例えば、第2指定位置に中心位置を持つ、所定の大きさを有する判定領域を再設定する。判定領域の再設定の前後において、判定領域の大きさは、不変であっても良いし可変であっても良い。再設定された判定領域の位置及び大きさを表す判定領域情報は表示制御部54に送られる。
判定領域変更操作が成されると、表示画面上における判定領域枠の表示位置も即時変更される(ステップS14)。図8において、矩形枠321aは、変更後の判定領域枠を表している。判定領域枠321aは、再設定された判定領域の外枠である。或いは、再設定された判定領域の外枠を基準とした枠(例えば、再設定された判定領域の外枠を若干縮小又は拡大した枠)が、判定領域枠321aであっても良い。表示画像316は、時刻tA6に得られた入力画像に対して、判定領域枠321aを重畳した画像であり、図8では、表示画面上の点320aがタッチされる様子が示されている。尚、判定領域変更操作の具体的方法は任意に変更可能である。例えば、判定領域枠の中心位置を点320から点320aに移動させることを指示する、判定領域枠のドラッグ及びドロップによって判定領域変更操作を実現してもよい。
判定領域変更操作が成されると、ステップS15におけるシーン判定処理も再度実行される。即ち、判定領域変更操作後に得られる最新の入力画像から、再設定後の判定領域内の画像データを抽出し、抽出した画像データに基づきシーン判定処理を再度実行する(ステップS15)。
この再度のシーン判定処理の結果は、時刻tA7において表示される(ステップS16)。例えば、時刻tA7において表示画像317が表示される。第2動作具体例において、点320aを基準とするシーン判定処理の判定シーンは、紅葉シーンであるとする。表示画像317は、時刻tA7に得られた入力画像に対して、判定領域枠321aと「紅葉」という文言を重畳した画像である。「紅葉」という文言は、シーン判定処理による判定シーンが紅葉シーンであること、或いは、シーン判定結果に基づいて設定された撮影モードが紅葉モードであることを指し示す判定結果指標の一種である。上述したように、シーン判定結果は、以後の撮影に適用される(ステップS16)。従って、再度のシーン判定処理による判定シーンが紅葉シーンである場合、時刻tA7以降の入力画像及び出力画像は、更に他のシーン判定結果が得られるまで、紅葉モードの撮影条件にて生成される。尚、説明の便宜上、時刻tA6において判定結果指標が表示されていないことを想定しているが、判定領域枠321aは常に判定結果指標と同時に表示されるものであっても良い。
図8に対応する第2動作具体例では、時刻tA6における点320aへのタッチを解除した後、時刻tA8において、ユーザが判定領域枠321a内の位置を再びタッチすることでシャッタ操作を成す。これにより、時刻tA8の直後において、紅葉モードにより対象画像の撮影が成される。表示画像318は、時刻tA8に得られた入力画像に対して、判定領域枠321aと「紅葉」という文言を重畳した画像であり、図8では、時刻tA8において判定領域枠321a内の位置がタッチされる様子が示されている。
上記のような動作によれば、対象画像の撮影動作の一環で注目被写体の指定が可能となり、注目被写体にピントを合わせた状態でのシーン判定処理が可能となる。また、シーン判定結果を表示する際、その結果の元となった判定領域の位置を指し示す判定領域枠が同時に表示される。このため、シーン判定結果と同時に、その結果が得られた理由をユーザに直感的に知らしめることが可能となる。一旦得られたシーン判定結果がユーザの所望するものとは異なる場合、ユーザは所望のシーン判定結果が得られるように判定領域の位置を調整することができるが、シーン判定結果の元となる判定領域の位置を表示しておくことで、調整が容易となる。判定領域を何れかの位置に移動させた時にどのようなシーン判定結果が得られるかが、表示画面を見れば概ね予想がつくからである。例えば、紅葉シーンと判定してほしいなら、紅葉が表示されている部分に判定領域を移動させるという、直感的な操作によって撮影シーンの再判定を指示することができる。
また、1回目のシーン判定処理を行った後、判定領域変更操作によって判定領域の再設定が成された際、再設定された判定領域の画像データに基づき2回目のシーン判定処理が実行されるが、2回目のシーン判定処理の結果が1回目のシーン判定処理の結果と必ず相違するように、2回目のシーン判定処理を成すと良い。1回目のシーン判定結果と異なるシーン判定結果を求めてユーザは判定領域変更操作を成すのであるから、1回目及び2回目のシーン判定結果が互いに相違することがユーザの意図に沿う。例えば、1回目のシーン判定処理による判定シーンが第1の登録シーンであった場合、2回目のシーン判定処理では、第2〜第Nの登録シーンの中から判定シーンを選択するようにすればよい。
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る撮像装置の全体的構成は、図1のそれと同じであるため、第2実施形態に係る撮像装置も符号1によって参照する。第2実施形態は、第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2実施形態にて特に述べない事項は、矛盾なき限り、第1実施形態にて述べた事項が第2実施形態にも適用される。
図9の符号500は、任意の二次元画像又は表示画面を表している。符号500が二次元画像である場合、二次元画像500は、上述した入力画像、出力画像又は表示画像である。符号500が二次元画像である場合、二次元画像500を水平及び垂直方向の夫々に三等分することにより、二次元画像500の全体画像領域を9つの分割画像領域とも言うべき9つの分割ブロックBL[1]〜BL[9]に分割する(この場合、分割ブロックBL[1]〜BL[9]は互いに異なる分割画像領域である)。同様に、符号500が表示画面である場合、表示画面500を水平及び垂直方向の夫々に三等分することにより、表示画面500の全体表示領域を9つの分割表示領域とも言うべき9つの分割ブロックBL[1]〜BL[9]に分割する(この場合、分割ブロックBL[1]〜BL[9]は互いに異なる分割表示領域である)。入力画像上の分割ブロックBL[i]、出力画像上の分割ブロックBL[i]及び表示画像上の分割ブロックBL[i]は互いに対応しており、表示画像上の分割ブロックBL[i]内における画像が、表示画面の分割ブロックBL[i]内に表示される。上述したように、iは整数である。
第2実施形態に係る撮像装置1にも、図3に示されるシーン判定部51、撮影制御部52、画像処理部53及び表示制御部54が設けられている。図10及び図11を参照して、図3に示される部位の動作を詳細に説明する。図10は、第2実施形態に係る撮像装置1の動作手順を表すフローチャートである。図11は、第2実施形態に係る撮像装置1の動作具体例を表している。図11において、符号511〜516は、夫々、時刻tB1〜tB6における表示画像である。時刻tBi+1は時刻tBiよりも後の時刻である。図11において、表示画像511〜516の夫々を取り囲むドット領域(ドットで満たされた領域)は、表示部15の筐体を表しており、表示画像512、515及び516の夫々の内部に示されている手の絵は、ユーザの手を表している。
図10に示す各ステップの処理の実行時において、時系列に並ぶ複数の入力画像が撮影によって得られ、その複数の入力画像に基づく複数の表示画像が動画像として表示画面に表示される。ステップS31では、この表示が成されている状態で(例えば図11の画像511が表示されている状態で)、ユーザが注目被写体を指定する。注目被写体の指定方法は、第1実施形態で述べたものと同様である。
今、ステップS31において、表示画面上の点320がタッチされたとする(図11の表示画像512参照)。表示画面上における点320の座標値が指定座標値としてタッチパネル19からシーン判定部51及び撮影制御部52に送られる。指定座標値によって、入力画像、出力画像及び表示画像上における、点320に対応する位置(指定位置)が規定される。ステップS31の指定の後、ステップS32〜S36の処理が順次実行される。ステップS32の処理内容は、ステップS12(図6)のそれと同じである。即ち、ステップS32において、撮影制御部52は、指定位置に存在する被写体を注目被写体として認識した上で注目被写体に対するカメラ制御を行う。
ステップS33において、シーン判定部51は、入力画像の分割ブロックごとに、特徴ベクトル導出処理を実行することで特徴ベクトルを導出する。特徴ベクトルの導出対象となる画像領域又は分割ブロックを特徴評価領域と呼ぶ。特徴ベクトルは、特徴評価領域内の画像の特徴を表しており、特徴評価領域の物体の形状及び色などに応じた画像特徴量である。画像領域の特徴ベクトルを導出する方法として、公知の方法を含む任意の方法をシーン判定部51の特徴ベクトル導出処理に用いることができる。例えば、シーン判定部51は、MPEG(Moving Picture Experts Group)7に規定された方法を用いて特徴評価領域の特徴ベクトルを導出することができる。特徴ベクトルは、J次元の特徴空間に配置されるJ次元ベクトルである(Jは2以上の整数)。
ステップS33では、更に、シーン判定部51により全体シーン判定処理が実行される(図11の表示画像513参照)。全体シーン判定処理とは、入力画像の全体画像領域の画像データに基づき入力画像の全体画像領域を判定領域として設定した上で行うシーン判定処理であり、全体シーン判定処理によって入力画像の全体の撮影シーンが判定される。入力画像の全体画像領域の画像データだけではなく、フォーカス情報や露光情報等をも利用してステップS33の全体シーン判定処理を行うようにしても良い。全体シーン判定処理によって判定された、入力画像の全体の撮影シーンを、全体判定シーンと呼ぶ。
ところで、第1実施形態で述べたように、判定シーン(全体判定シーンを含む)はN個の登録シーンの中から選択されることで決定されるが、各登録シーンに対して登録シーンに対応付けられた特徴ベクトルが予め設定されている。或る登録シーンに対応付けられた特徴ベクトルは、その登録シーンに対応する画像の特徴を表す画像特徴量である。登録シーンごとに設定された特徴ベクトルを、特に登録ベクトルと呼び、第iの登録シーンに対する登録ベクトルをVR[i]にて表す。各登録シーンの登録ベクトルは、図12に示される、シーン判定部51内の登録用メモリ71に保存されている(第1実施形態でも同様)。
ステップS33の全体シーン判定処理では、例えば、入力画像の全体画像領域を特徴評価領域と捉えた上で特徴ベクトル導出処理を実行することにより、入力画像の全体画像領域に対する特徴ベクトルVWを導出し、特徴ベクトルVWに最も近い登録ベクトルを検出することで全体判定シーンを決定する。
より具体的には、まず、特徴ベクトルVWと登録ベクトルVR[i]との距離dW[i]を求める。任意の第1特徴ベクトルと任意の第2特徴ベクトルとの距離は、第1及び第2特徴ベクトルの各始点を特徴空間の原点に配置したときの、特徴空間における第1及び第2特徴ベクトルの終点間の距離(ユークリッド距離)である、と定義される。距離dW[i]を求める演算を、iに1以上且つN以下の各整数を代入した上で個別に実行する。これにより、距離dW[1]〜dW[N]が求められる。そして、距離dW[1]〜dW[N]の内、最も短い距離に対応する登録シーンを全体判定シーンとして設定すればよい。例えば、距離dW[1]〜dW[N]の内、第2の登録シーンに対応する距離dW[2]が最も短いのであれば、登録ベクトルVR[2]が特徴ベクトルVWに最も近い登録ベクトルであり、第2の登録シーン(例えば風景シーン)が全体判定シーンとして決定される。
全体シーン判定処理の結果を、以下、全体シーン判定結果とも呼ぶ。ステップS33の全体シーン判定結果は、シーン判定情報に含められて撮影制御部52及び表示制御部54に伝達される。
ステップS34において、撮影制御部52は、全体シーン判定結果に応じた撮影条件を以後の撮影に適用する。例えば、ステップS33の全体シーン判定処理による全体判定シーンが風景シーンであるならば、以後、他のシーン判定結果(他の全体シーン判定結果を含む)が得られるまで、風景モードの撮影条件にて入力画像及び出力画像の生成を行う。
続くステップS35において、表示制御部54は、ステップS33の全体シーン判定処理の結果を表示部15に表示する。また、ステップS35において、シーン判定部51は、全体判定シーンに最も近い特徴ベクトルを持つ分割ブロックを対象ブロック(特定画像領域)として設定し、対象ブロックが何れの分割ブロックであるかを表示制御部54に伝達する。これを受け、ステップS35において、表示制御部54は、対象ブロック枠も表示部15に表示する。即ち、ステップS35において、入力画像に基づく出力画像と、対象ブロックに応じた対象ブロック枠と、全体シーン判定結果に応じた判定結果指標とが同時に表示される(図11の表示画像514を参照)。更に、表示画像514のように、隣接する分割ブロック間の境界線も併せて表示すると良い(表示画像515及び516についても同様)。
対象ブロック枠は、対象ブロックの外枠である。或いは、対象ブロックの外枠を基準とした枠(例えば、対象ブロックの外枠を若干縮小又は拡大した枠)が、対象ブロック枠であっても良い。例えば、対象ブロックが分割ブロックBL[2]であって且つ全体判定シーンが風景シーンである場合、ステップS35において、図11の表示画像514が表示される。表示画像514は、時刻tB4に得られた入力画像に対して、対象ブロックBL[2]を囲む対象ブロック枠524と「風景」という文言を重畳した画像である。表示画像514における「風景」という文言は、全体判定シーンが風景シーンであること、或いは、全体シーン判定結果に基づきステップS34で設定された撮影モードが風景モードであることを指し示す判定結果指標の一種である。
ステップS35における対象ブロックの設定方法について補足説明する。ステップS33で算出された、分割ブロックBL[i]に対する特徴ベクトルをVDiにて表す。また、説明の具体化のため、全体判定シーンが第2の登録シーンであるものとする。この場合、シーン判定部51は、全体判定シーンに対応する登録ベクトルVR[2]と特徴ベクトルVDiとの距離ddiを求める。距離ddiを求める演算を、iに1以上且つ9以下の各整数を代入した上で個別に実行する。これにより、距離dd1〜dd9が求められる。そして、距離dd1〜dd9の内、最も短い距離に対応する分割ブロックが全体判定シーンに最も近い特徴ベクトルを持つと判断することにより、対象ブロックを設定すれば良い。例えば、距離dd1〜dd9の内、距離dd2が最も短いのであれば、分割ブロックBL[2]が対象ブロックとして設定される。
ステップS35にて設定される対象ブロックについての特徴ベクトルVDiは、ステップS33の全体シーン判定処理の結果に大きく寄与しており、対象ブロックの画像データ(換言すれば、対象ブロックの特徴ベクトルVDi)は、全体シーン判定処理の結果の元(主要因)となる。対象ブロック枠の表示は、入力画像、出力画像、表示画像又は表示画面上における対象ブロックの位置及び大きさを、ユーザに視認させる。ステップS35において表示された対象ブロック枠は、後述のシャッタ操作又は判定領域指定操作が成されるまで、表示され続ける。
尚、ステップS35において、複数の分割ブロックを対象ブロックとして設定し、複数の対象ブロックに対応する複数の対象ブロック枠を表示するようにしても良い。例えば、上述の距離dd1〜dd9の夫々を所定の基準距離dTHと比較し、基準距離dTH以下の距離に対応する分割ブロックを全て対象ブロックとして設定するようにしても良い。例えば、距離dd2及びdd4が基準距離dTH以下であるならば、距離dd2及びdd4に対応する分割ブロックBL[2]及びBL[4]の夫々を対象ブロックとして設定し、図13に示す如く、2つの対象ブロックに応じた2つの対象ブロック枠524及び524’を表示するようにしても良い。
ステップS35に続くステップS36において、主制御部13は、シャッタ操作の有無を確認し、シャッタ操作が成された場合にはステップS36からステップS37への遷移が発生する一方、シャッタ操作が成されていない場合にはステップS36からステップS38への遷移が発生する。ステップS36におけるシャッタ操作とは、表示画面上における、現時点の対象ブロック枠内の位置をタッチする操作である。但し、それ以外のタッチパネル操作をシャッタ操作に割り当てるようにしても良いし、ボタン操作(例えば、シャッタボタン20を押す操作)によってシャッタ操作を実現するようにしても良い。
シャッタ操作が成された場合に移行するステップS37では、撮像部11及び画像処理部53を用いて対象画像の撮影が成される。対象画像とは、シャッタ操作直後に得られる入力画像に基づく出力画像である。得られた対象画像の画像データは、記録媒体16に記録される。
ステップS38では、主制御部13により、判定領域指定操作の有無が確認される。判定領域指定操作が成されていない場合には、ステップS38からステップS36に戻る。一方、判定領域指定操作が成されている場合には、ステップS38からステップS39への遷移が発生してステップS39〜S41の処理が順次実行され、その後、ステップS36に戻る。判定領域指定操作は、ユーザによる判定領域を指定する操作であり、タッチパネル操作で実現されても良いし、ボタン操作で実現されても良い。判定領域指定操作において、ユーザは分割ブロックBL[1]〜BL[9]の中の1つを選択する。ステップS39において、選択された分割ブロックが対象ブロックとして再設定され、再設定された対象ブロックに応じた対象ブロック枠が表示される(図11の表示画像515参照)。
ステップS39に続くステップS40において、シーン判定部51は、ステップS39にて再設定された対象ブロック内の画像データに基づき、シーン判定処理を実行する。再設定された対象ブロック内の画像データだけではなく、フォーカス情報や露光情報等をも利用してステップS40のシーン判定処理を行うようにしても良い。そして、ステップS41において、表示制御部54は、ステップS40のシーン判定結果を表示部15に表示する(図11の表示画像515を参照)。更に、ステップS41において、撮影制御部52は、ステップS40のシーン判定結果に応じた撮影条件を以後の撮影に適用する。例えば、ステップS40のシーン判定処理による判定シーンが紅葉シーンであるならば、以後、他のシーン判定結果が得られるまで、紅葉モードの撮影条件にて入力画像及び出力画像の生成を行う。
ステップS41において、例えば、入力画像に基づく出力画像と、再設定された対象ブロック枠と、ステップS40のシーン判定結果に応じた判定結果指標とを同時に表示する。仮に、再設定された対象ブロックが分割ブロックBL[6]であって且つステップS40のシーン判定結果による判定シーンが紅葉シーンである場合、ステップS41において、図11の表示画像515が表示される。表示画像515は、時刻tB5に得られた入力画像に対して、対象ブロックBL[6]を囲む対象ブロック枠525と「紅葉」という文言を重畳した画像である。表示画像515における「紅葉」という文言は、ステップS40のシーン判定結果による判定シーンが紅葉シーンであること、或いは、ステップS40のシーン判定結果に基づきステップS41で設定された撮影モードが紅葉モードであることを指し示す判定結果指標の一種である。
上述した説明と一部重複するが、図10の各ステップの処理に対応させて、図11に示される動作具体例を説明する。
時刻tB1では、ユーザによる注目被写体の指定が成されておらず、時刻tB1に撮影された入力画像が表示画像511として表示される。時刻tB2において、ユーザがタッチパネル操作により点320をタッチする(ステップS31)。表示画像512は、時刻tB2に撮影された入力画像である。点320がタッチされたことにより点320に位置する注目被写体に対してカメラ制御が成される(ステップS32)。その後、時刻tB3において全体シーン判定処理が実行され(ステップS33)、全体シーン判定結果に応じた撮影条件が適用される一方で(ステップS34)、時刻tB4において全体シーン判定結果が表示される(ステップS35)。即ち、表示画像514が表示される。
仮に、表示画像514が表示されている状態において、対象ブロック枠524内の位置をユーザがタッチすると風景モードにて対象画像の撮影及び記録が成されるが(ステップS36及びS37)、時刻tB4及びtB5間において、ユーザが、表示画面上の分割ブロックBL[6]をタッチすることによる判定領域指定操作を成したとする(ステップS38)。そうすると、対象ブロックは分割ブロックBL[6]に変更され、分割ブロックBL[6]を囲む対象ブロック枠525が対象ブロック枠524の代わりに表示される(ステップS39)。そして、シーン判定部51は、判定領域指定操作が成された時点で撮影された入力画像の分割ブロックBL[6]を判定領域として設定した上で、判定領域内の画像データに基づきシーン判定処理を実行する(ステップS40)。このシーン判定処理による判定シーンが紅葉シーンであるとする。そうすると、図11の表示画像515が表示される(ステップS41)。
判定領域指定操作のためのタッチを解除した後、時刻tB6においてユーザが表示画面上の対象ブロック枠525内の位置を再度タッチすることにより、シャッタ操作を成す。これにより、時刻tB6の直後において、紅葉モードにより対象画像の撮影が成される。
上記のような動作によれば、シーン判定結果(全体シーン判定結果を含む)を表示する際、その結果の元となった画像領域の位置を指し示す対象ブロック枠が同時に表示される。このため、シーン判定結果と同時に、その結果が得られた理由をユーザに直感的に知らしめることが可能となる。一旦得られたシーン判定結果がユーザの所望するものとは異なる場合、ユーザは所望のシーン判定結果が得られるように、シーン判定結果の元となる画像領域の位置を調整することができるが、シーン判定結果の元となる画像領域の位置を表示しておくことで、調整が容易となる。対象ブロックとしての判定領域を或る画像領域に指定した時にどのようなシーン判定結果が得られるかが、表示画面を見れば概ね予想がつくからである。例えば、紅葉シーンと判定してほしいなら、紅葉が表示されている部分を対象ブロック(判定領域)として指定するという、直感的な操作によって撮影シーンの再判定を指示することができる。
また、ステップS33の全体シーン判定処理の後、判定領域指定操作が成されると、ステップS40のシーン判定処理が成されるが、ステップS40のシーン判定処理の結果が全体シーン判定処理の結果と必ず相違するようにステップS40のシーン判定処理を成すと良い。全体シーン判定処理の結果と異なるシーン判定結果を求めてユーザは判定領域指定操作を成すのであるから、それらが互いに相違することがユーザの意図に沿う。単純には例えば、全体シーン判定処理による判定シーンが第1の登録シーンであった場合、ステップS40のシーン判定処理では、第2〜第Nの登録シーンの中から判定シーンを選択するようにすればよい。
また、以下のような方法を採用することもできる。今、図11の動作具体例の如く、全体シーン判定処理による全体判定シーンが風景モードであると共にステップS35にて設定された対象ブロックが分割ブロックBL[2]であり、且つ、判定領域指定操作により再設定された対象ブロックが分割ブロックBL[6]であることを想定する。この場合、ステップS40において、シーン判定部51は、判定領域指定操作が成された時点で撮影された入力画像の分割ブロックBL[6]を判定領域として設定する。そして、その判定領域内の画像データに基づく特徴ベクトル導出処理により当該判定領域に対する特徴ベクトルVAを導出し、特徴ベクトルVAを用いてシーン判定処理を実行する。
第1実施形態で述べたように、第1〜第Nの登録シーンに含まれる第1〜第4の登録シーンが、夫々、ポートレートシーン、風景シーン、紅葉シーン及び動物シーンであるとする。シーン判定部51は、特徴ベクトルVAと登録ベクトルVR[i]との距離dA[i]を求める。距離dA[i]を求める演算を、iに1以上且つN以下の各整数を代入した上で個別に実行する。これにより、距離dA[1]〜dA[N]が求められる。
仮に、登録ベクトルVR[1]〜VR[N]の内、特徴ベクトルVAに最も近い登録ベクトルが、紅葉シーンに対応する登録ベクトルVR[3]である場合、即ち、距離dA[1]〜dA[N]の内、距離dA[3]が最小である場合には、単純に、ステップS40において、第3の登録シーンである紅葉シーンを判定シーンとすれば良い。
一方、仮に、距離dA[1]〜dA[N]の内、風景シーンに対応する距離dA[2]が最小である場合には、距離dA[1]〜dA[N]の内、2番目に小さい距離に対応する登録シーンをステップS40の判定シーンとする。即ち例えば、距離dA[1]〜dA[N]の内、距離dA[2]が最小であって且つ距離dA[3]が2番目に小さいのであれば、ステップS40において、第3の登録シーンである紅葉シーンを判定シーンとする。
この後、更に判定領域指定操作が成された場合(即ち、2回目の判定領域指定操作が成された場合)も同様である。即ち、2回目の判定領域指定操作が成された際、ステップS40において2回目のシーン判定処理が成されるが、この2回目のシーン判定処理の結果が、全体シーン判定処理の結果及びステップS40における1回目のシーン判定処理の結果と必ず相違するように2回目のシーン判定処理を成すと良い。
[フローチャートの変形]
また、図10のステップS33の処理をステップS33aの処理に置き換えても良い。即ち、図10のフローチャートを図14のように変形しても良い。図10のフローチャートにおけるステップS33をステップS33aに置き換えることで、図14のフローチャートが形成される。図14の動作では、ステップS32の処理後、ステップS33aの処理が実行される。ステップS33aの処理内容を説明する。
ステップS33aにおいて、シーン判定部51は、入力画像の分割ブロックごとに特徴ベクトル導出処理を実行することで特徴ベクトルを導出し、導出した特徴ベクトルを用いて、入力画像の分割ブロックごとにシーン判定処理を実行する。即ち、入力画像に設けられた9つの分割ブロックの夫々を判定領域とみなし、分割ブロックごとに当該分割ブロック内の画像データに基づいて、当該分割ブロック内の画像の撮影シーンを判定する。分割ブロック内の画像データだけではなく、フォーカス情報や露光情報等をも利用して分割ブロックごとのシーン判定処理を行うようにしても良い。分割ブロックごとの判定シーンを分割判定シーンと呼び、分割ブロックBL[i]についての分割判定シーンをSD[i]にて表す。
更に、ステップS33aにおいて、シーン判定部51は、分割ブロックごとのシーン判定結果に基づき全体シーン判定処理を行うことにより、入力画像の全体の撮影シーンを判定する。ステップS33aにおいて判定された入力画像の全体の撮影シーンも、全体判定シーンと呼ぶ。
単純には例えば、ステップS33aの全体シーン判定処理において、分割判定シーンSD[1]〜SD[9]の内、最も頻度の多い分割判定シーンを全体判定シーンとして決定することができる。この場合、分割判定シーンSD[1]〜SD[9]の内、6つが風景シーンであって且つ3つが紅葉シーンであるならば全体判定シーンは風景シーンとされ、3つが風景シーンであって且つ6つが紅葉シーンである場合、全体判定シーンは紅葉シーンとされる。
上記頻度と併せて各分割ブロックの特徴ベクトルをも用いることで、全体判定シーンの決定方法を高度化しても良い。例えば、分割ブロックBL[1]〜BL[3]に対する判定シーンが紅葉シーンである一方で分割ブロックBL[4]〜BL[9]に対する判定シーンが風景シーンであるものの、分割ブロックBL[1]〜BL[3]の各特徴ベクトルと紅葉シーンの登録ベクトルVR[3]との距離が著しく小さく且つ分割ブロックBL[4]〜BL[9]の各特徴ベクトルと風景シーンの登録ベクトルVR[2]との距離が比較的大きい場合、入力画像の全体としては、撮影シーンが紅葉シーンらしいと考えられる。従って、このような場合は、全体判定シーンは紅葉シーンであると判断するようにしても良い。ステップS33aの処理後に、ステップS34以降の処理が実行される。
尚、第2実施形態に係るシーン判定部51として利用可能なシーン判定部51aは、図15に示すような構成を持つと考えることができる。シーン判定部51aは、上述の登録用メモリ71と、入力画像の全体画像領域の画像データに基づきステップS33又はS33aの全体シーン判定処理を実行することで全体判定シーンを決定する全体判定部72と、上述の特徴ベクトル導出処理を実行することで任意の特徴ベクトルを導出する特徴ベクトル導出部(特徴量抽出部)73と、何れかの分割ブロックを対象ブロック(特定画像領域)として設定する対象ブロック設定部(特定画像領域設定部)74と、を備える。
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態を説明する。第1及び第2実施形態の記載は、矛盾なき限り、第3実施形態にも適用される。上述の特徴ベクトル間の距離を用いた方法は、第1実施形態にも適用可能である。即ち例えば、第1実施形態に係る第2動作具体例(図8参照)において、以下のように処理することができる。
図8の第2動作具体例では、点320を基準とする判定領域に対して成されたステップS15のシーン判定処理の結果、判定シーンが風景シーンとなる(図6も参照)。その後、時刻tA6において、表示画面上の点320aをタッチすることによる判定領域変更操作が成されると、点320aを基準として判定領域が再設定される。再設定後の判定領域を、便宜上、判定領域321a’と呼ぶ。シーン判定部51は、判定領域変更操作後に得られる最新の入力画像の判定領域321a’を特徴評価領域と捉え、その最新の入力画像の判定領域321a’内の画像データに基づき、該判定領域321a’に対して特徴ベクトル導出処理を実行することにより判定領域321a’の特徴ベクトルVBを導出する。
第1実施形態で述べたように、第1〜第Nの登録シーンに含まれる第1〜第4の登録シーンが、夫々、ポートレートシーン、風景シーン、紅葉シーン及び動物シーンであるとする。シーン判定部51は、特徴ベクトルVBと登録ベクトルVR[i]との距離dB[i]を求める。距離dB[i]を求める演算を、iに1以上且つN以下の各整数を代入した上で個別に実行する。これにより、距離dB[1]〜dB[N]が求められる。
仮に、登録ベクトルVR[1]〜VR[N]の内、特徴ベクトルVBに最も近い登録ベクトルが、紅葉シーンに対応する登録ベクトルVR[3]である場合、即ち、距離dB[1]〜dB[N]の内、距離dB[3]が最小である場合には、単純に、ステップS15の2回目のシーン判定処理において、第3の登録シーンである紅葉シーンを判定シーンとすれば良い。
一方、仮に、距離dB[1]〜dB[N]の内、風景シーンに対応する距離dB[2]が最小である場合には、距離dB[1]〜dB[N]の内、2番目に小さい距離に対応する登録シーンを、ステップS15の2回目のシーン判定処理における判定シーンとする。即ち例えば、距離dB[1]〜dB[N]の内、距離dB[2]が最小であって且つ距離dB[3]が2番目に小さいのであれば、ステップS15の2回目のシーン判定処理において、第3の登録シーンである紅葉シーンを判定シーンとする。
この後、更に判定領域変更操作が成された場合(即ち、3回目の判定領域変更操作が成された場合)も同様である。即ち、3回目の判定領域指定操作が成された際、ステップS15において3回目のシーン判定処理が成されるが、この3回目のシーン判定処理の結果が、ステップS15における1回目及び2回目のシーン判定処理の結果と必ず相違するように3回目のシーン判定処理を成すと良い。
<<変形等>>
上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1及び注釈2を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
上述の説明では、二次元画像又は表示画面に設定される分割ブロックの個数が9となっているが(図9参照)、その個数は9以外であっても良い。
[注釈2]
図1の撮像装置1を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい
1 撮像装置
11 撮像部
15 表示部
30 ズームレンズ
31 フォーカスレンズ
32 絞り
33 撮像素子
51 シーン判定部
52 撮影制御部
53 画像処理部
54 表示制御部

Claims (5)

  1. 撮影画像を表示する表示部と、
    前記撮影画像の画像データに基づいて前記撮影画像の撮影シーンを判定するシーン判定部と、
    前記シーン判定部の判定結果とともに、前記撮影画像の全体画像領域の一部である、前記シーン判定部の判定結果の元となった特定画像領域の位置を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えた
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮影画像上の指定位置の入力を受け付ける指定受付部を更に備え、
    前記シーン判定部は、前記指定位置に基づいて前記特定画像領域を設定し、前記特定画像領域の画像データに基づいて前記撮影画像の撮影シーンを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記指定位置としての第1指定位置に基づいて前記特定画像領域が設定され、前記特定画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の撮影シーンが判定された後、前記第1指定位置と異なる第2指定位置が前記指定受付部に入力された場合、
    前記シーン判定部は、前記第2指定位置に基づいて前記特定画像領域を再設定し、再設定された特定画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の撮影シーンを再判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記シーン判定部は、
    前記撮影画像の全体画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の全体の撮影シーンを全体判定シーンとして判定する全体判定部と、
    前記撮影画像の全体画像領域を複数の分割画像領域に分割し、前記分割画像領域ごとに、当該分割画像領域の画像データから画像特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記全体判定シーンに対応付けられた画像特徴量と各分割画像領域の画像特徴量とを対比することにより、前記複数の分割画像領域の中から前記特定画像領域を選択して設定する特定画像領域設定部と、を備え、
    前記表示制御部は、前記全体判定シーンを前記シーン判定部の判定結果として前記表示部に表示させるとともに、前記特定画像領域に設定された分割画像領域の位置を前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記撮影画像上の指定位置の入力を受け付ける指定受付部を更に備え、
    前記全体判定シーンの前記表示部への表示の後、前記指定位置の入力が成された場合、
    前記シーン判定部は、前記指定位置に基づいて前記特定画像領域を再設定し、再設定された特定画像領域の画像データに基づき前記撮影画像の撮影シーンを再判定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
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