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JP2011181302A - 燃料電池 - Google Patents

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JP2011181302A JP2010043795A JP2010043795A JP2011181302A JP 2011181302 A JP2011181302 A JP 2011181302A JP 2010043795 A JP2010043795 A JP 2010043795A JP 2010043795 A JP2010043795 A JP 2010043795A JP 2011181302 A JP2011181302 A JP 2011181302A
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晃一郎 池田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】カウンターフロー型の燃料電池において、高温運転条件下においても、電解質膜の乾燥を抑制することにより、発電性能の低下を抑制する。
【解決手段】アノードに供給される燃料ガスの流れとカソードに供給される酸化ガスの流れとが対向する向きとなるカウンターフロー型の燃料電池である。電解質膜と、電解質膜の両面上に、それぞれ、触媒電極層と、ガス拡散層と、を備える膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する燃料ガス流路部および酸化ガス流路部と、を備える。燃料ガス流路部は、燃料ガス流路部内の燃料ガス供給流路の下流端部分を、燃料ガス排出口に連通する第1の端部と、燃料ガス排出口と連通しない閉端部として構成された第2の端部に分岐する遮蔽壁を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、固体高分子電解質型の燃料電池に関し、特に、カウンターフロー型のガス流路を有する燃料電池において、高温運転時においても良好な特性を示す燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料ガスとしての水素と酸化ガスとしての酸素(O)との電気化学反応によって発電する装置である。なお、以下では、燃料ガスや酸化ガスを、特に区別することなく単に「反応ガス」あるいは「ガス」と呼ぶ場合もある。この燃料電池は、プロトン(H)伝導性を有する固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)の両面に、それぞれ触媒電極層を接合し、さらに、それぞれガス拡散層を配置した膜電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)を有しており、ガス拡散層に当接する面に反応ガスの流路が設けられている。
反応ガスの流路の構造としては、アノードに供給する燃料ガスとカソードに供給する酸化ガスとが対向する向きに流れる(以下、「対向流」、あるいは、「カウンターフロー」と呼ぶ)ように構成された構造のものがある。このカウンターフロー型のガス流路を有する燃料電池においては、例えば、アノードのガスの排出口付近のガス流路から、これに対向するカソードのガスの供給口付近へとMEAのアノード側からカソード側のMEAへ移動してくる水の量が少なく、MEAを構成する電解質膜の乾燥による発電性能の低下が問題となる。特に、高温運転条件化においては、滞留する液水が存在せず水は水蒸気となっており、排出されるガスとともに外部へ排出されやすいため、この問題が顕著に現れる。
特開2009−009724号公報 特開2005−093244号公報 特開2006−040563号公報
そこで、本発明は、カウンターフロー型の燃料電池において、高温運転条件下においても、電解質膜の乾燥を抑制することにより、発電性能の低下を抑制することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
アノードに供給される燃料ガスの流れとカソードに供給される酸化ガスの流れとが対向する向きとなるカウンターフロー型の燃料電池であって、
電解質膜と、前記電解質膜の両面上に、それぞれ、触媒電極層と、ガス拡散層と、を備える膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持する燃料ガス流路部および酸化ガス流路部と、
を備え、
前記燃料ガス流路部は、前記燃料ガス流路部内の燃料ガス供給流路の下流端部分を、燃料ガス排出口に連通する第1の端部と、前記燃料ガス排出口と連通しない閉端部として構成された第2の端部に分岐する遮蔽壁を有する
ことを特徴とする燃料電池。
カウンターフロー型の燃料電池では、例えば、高温・低加湿運転あるいは高温・無加湿運転(以下、単に「高温運転」と呼ぶ)条件下において、アノードに供給される燃料ガスの排出口に対向するカソードに供給される酸化ガスの供給口付近の電解質膜がもっとも乾燥するため、電解質膜の性能低下を招き発電性能が低下する。本発明の燃料電池では、第2の端部に供給される燃料ガスが発電により消費されるに従って、燃料ガスとともに水蒸気が供給され、第2の端部における水蒸気の濃度が上昇することになる。これにより、第2の端部に対向する酸化ガスの供給口付近の電解質膜に吸水される水蒸気の吸水速度が上昇し、電解質膜の湿度を上昇させることが可能となる。この結果、高温運転条件下においても、酸化ガスの供給口付近の電解質膜の乾燥を抑制し、発電性能の低下を抑制することが可能となる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記燃料ガス流路部および前記酸化ガス流路部のガス流路は多孔体流路によって構成されており、
前記第2の端部は、前記燃料ガス供給流路内の前記燃料ガスの流れ方向に直交する厚み方向の中間部分に、前記燃料ガス供給流路の下流端部から上流方向に向かって、前記遮蔽壁を形成することにより、前記燃料ガス排出口に対して連通しないで遮蔽されるように設けられた前記遮蔽壁と前記膜電極接合体との間の遮蔽領域である
ことを特徴とする燃料電池。
このようにすれば、第2の端部を、燃料ガス供給流路中に燃料ガス排出口と連通しないように遮蔽された遮蔽領域を設けることができる。また、遮蔽壁の長さを調整することにより、遮蔽領域の燃料ガスの流れ方向についての長さを調整することができる。
[適用例3]
適用例2記載の燃料電池であって、
前記遮蔽壁の前記燃料ガス供給流路の流れ方向についての長さは、前記燃料ガス供給流路の長さに対して、約3%〜約8%の長さの範囲内である
ことを特徴とする燃料電池。
このようにすれば、効率よく電解質膜の湿度を上昇させることが可能である。
[適用例4]
適用例1記載の燃料電池であって、
前記燃料ガス流路部は、下流端が閉塞された溝状のガス供給用流路と上流端が閉塞された溝状のガス排出用流路の2種類のガス流路に分離して構成されており、
前記第2の端部は、前記ガス供給用流路の溝状の流路の下流側の一部を分断するように前記遮蔽壁を設けることにより形成された溝状の遮蔽領域である
ことを特徴とする燃料電池。
このようにしても、燃料ガス供給流路中に、燃料ガス排出口と連通しない閉端部として構成された第2の端部を遮蔽領域として形成することができる。また、遮蔽壁の設ける位置を調整することにより、遮蔽領域の燃料ガスの流れ方向についての長さを調整することができる。
本発明の第1の実施形態としての燃料電池を構成する燃料電池セルの概略構成を表わす断面模式図である。 アノード側のガス流路部の概略構造を示す斜視図である。 流路遮蔽領域の作用・効果について示す説明図である。 実施例として製造した燃料電池セルの発電性能を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態としての燃料電池を構成する燃料電池セルの概略構成を表す断面模式図である。 アノード側のセパレータに形成されているガス流路部の概略構造を示す斜視図である。
A.第1の実施形態:
図1は、本発明の第1の実施形態としての燃料電池を構成する燃料電池セルの概略構成を表わす断面模式図である。この燃料電池セル100は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10のアノード側に設けられた燃料ガスのガス流路部20Aおよびセパレータ30Aと、膜電極接合体10のカソード側に設けられた酸化ガスのガス流路部20Cおよびセパレータ30Cと、を備えている。
膜電極接合体10は、電解質層12と、電解質層12のアノード側の面上に形成される触媒電極層14Aおよびカソード側の面上に形成される触媒電極層14Cと、上記各触媒電極層に隣接して設けられたアノード側のガス拡散層16Aおよびカソード側のガス拡散層16Cと、で構成されている。なお、触媒電極層およびガス拡散層を纏めてガス拡散電極あるいはガス拡散電極層とも呼ぶ。
電解質層12は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す。この電解質層12としては、例えば、ナフィオン膜(デュポン社製)が利用される。
アノード側の触媒電極層14Aおよびカソード側の触媒電極層14Cは、電気化学反応を促進する触媒金属と、プロトン伝導性を有する電解質と、電子伝導性を有するカーボン粒子と、を備える。触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、あるいはPtと他の金属とから成る合金(例えばコバルトやニッケルを混合したPt合金)を用いることができる。また、電解質としては、電解質層12と同様に、スルホン酸基を介して水和プロトンを伝導するフッ素系樹脂、例えば、ナフィオン溶液を用いている。上記触媒金属はカーボン粒子上に担持されており、各触媒電極層では、触媒金属を担持したカーボン粒子(触媒粒子)と電解質とが混在している。触媒金属を担持するためのカーボン粒子(以下、「担持用カーボン粒子」と呼ぶ。)は、一般に市販されているカーボン粒子(カーボン粉末)を加熱処理することにより自身の撥水性が高められた撥水化カーボン粒子が用いられる。本例では、触媒電極層14A,14Cは、電解質溶液とPt触媒を担持したカーボンブラック(全重量にあいするPT重量比65%)とを混合した触媒電極層インク(触媒粉中のカーボンブラックと電解質の質量比は1.0:0.8)を電解質層12を形成する電解質膜上に塗布することにより形成されている。
ガス拡散層16A,16Cは、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、あるいは、金属メッシュや発泡金属などの金属多孔質体によって構成することができる。
ガス流路部20A,20Cも、ガス透過性を有する導電性部材、発砲金属や金属メッシュ、エキスパンドメタルなどの金属製多孔体を用いて形成される。例えば、チタン(Ti)製の多孔体を用いることができる。ガス流路部20A,20Cは、膜電極接合体10とセパレータ30A,30Cとの間に形成される空間全体を占めるように配設されており、内部に形成される多数の空間は、電気化学反応に供されるガス(反応ガス、すなわち、燃料ガスまたは酸化ガス)が通過する燃料電池セル内のガス流路として機能する。上述したガス拡散層においても、内部に形成される空間をガスが通過するが、本実施例では、ガス流路部20A,20Cが、燃料電池セル100に供給されたガスが通過する主たる空間を形成する。ガス流路部20A,20Cのうち、特に、アノード側のガス流路部20Aは、以下で説明する構造を有している。
図2は、アノード側のガス流路部20Aの概略構造を示す斜視図である。図2示すように、このガス流路部20Aには、流路方向の下流端の部分で厚さ方向の中間部分に、シール部20AWが形成されている。そして、ガス流路部20Aの構成するガス供給流路は、シール部20AWによって、ガス排出口30AOに連通する第1の端部20AP1と、シール部20WAとガス拡散層16Aとの間の領域で、ガス排出口30AOに連通しない閉端部である第2の端部20AP2とに分岐されている。このシール部20AWの流路方向の長さLsは、流路長Laに対して約3%〜約8%の割合で形成される。このシール部20AWの長さLsについては、後述する。なお、このシール部20AWが本実施例における本発明の遮蔽壁に相当する。
ガス流路部20Aは、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、2つのガス流路部材20Apa、20Apbを用意し、シール部20AWに対応する部分にフッ素樹脂を含浸させる。そして、フッ素樹脂含浸部を向かい合わせて貼り合わせることにより、貼り合わされたフッ素樹脂含浸部分がシール部20AWとなり、ガス流路部20Aを作製することができる。
膜電極接合体10の外周縁には、シリコンゴムなどの樹脂部材によって、流体の漏洩を抑制するためのシール部18が設けられている。具体的には、シール部18は、アノード側のガス流路部20Aからカソード側のガス流路部20Cまでの外周端部を被覆するように設けられている。
セパレータ30A,30Cは、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、プレス成形した金属板によって形成することができ、膜電極接合体10、ガス流路部20A、20Cをシール部18と組み合わさって遮蔽するとともに、膜電極接合体10により発生する電気を集電する集電体として機能する。
アノード側のセパレータ30Aには、燃料ガスのガス流路部20Aの一方の端部に対応する位置に燃料ガスのガス流路部20Aへのガス供給口30AIが形成されており、他方の端部にはガス流路部20Aからの燃料ガスのガス排出口30AOが形成されている。これに対して、カソード側のセパレータ30Cには、燃料のガス排出口30AOに対向する位置に、酸化ガスのガス流路部20Cへのガス供給口30CIが形成されており、燃料ガスのガス供給口30AIに対向する位置に、ガス流路部20Cからのカ酸化ガスのガス排出口30COが形成されている。すなわち、燃料ガスと酸化ガスの流れはカウンターフローの構造となる。
なお、通常燃料電池は、燃料電池セル100を複数積層したスタック構造を有しており、このスタック構造の外周部には、燃料電池セル100の積層方向と平行であって反応ガス(燃料ガスあるいは酸化ガス)や冷媒が流通する複数のマニホールドが設けられている(図示せず)。これら複数のマニホールドのうちの燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、各燃料電池セル100に分配され、電気化学反応に供されつつ各燃料電池セルの燃料ガス用のガス流路を通過し、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合する。同様に、酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、各燃料電池セル100に分配され、電気化学反応に供されつつ各燃料電池セルの酸化ガス用のガス流路を通過し、その後、酸化ガス排出マニホールドに集合する。
なお、図示は省略しているが、スタック構造の内部温度を調節するために、各燃料電池セル間に、冷媒の通過する冷媒流路が形成された冷媒流路形成部が設けられる。冷媒流路形成部は、隣り合う燃料電池セルの間において、一方の燃料電池セルが備えるセパレータ30A、30Cと、これに隣接して設けられる他方の燃料電池セルのセパレータ30C,30Aとの間に設ければよい。
上記燃料電池セル100では、ガス供給口30AIからアノード側のガス流路部20Aに供給された燃料ガスとしての水素は、多孔体中を拡散しつつ、ガス流路部20Aのガス供給流路中を上流から下流へ流れることになる。この過程において、ガス拡散層16Aへ到達した水素は、ガス拡散層16A中を拡散して触媒電極層14Aに供給される。触媒電極層14Aに供給された水素は触媒電極層14Aによる電気化学反応に寄与される。
シール部20AWの設けられている位置まで流れてきた水素は、基本的には、セパレータ30A側の第1の端部20AP1を流れて、ガス排出口30AOから排出される。シール部20AWとガス拡散層16Aとの間の第2の端部20AP2には、ガス拡散層16Aの下層にある触媒電極層14Aで電気化学反応に寄与されて消費された水素に応じて不足した水素を補うように、一部の水素が、拡散によって供給される。なお、以下では、この第2の端部20AP2を「流路遮蔽領域」とも呼ぶ。
図3は、流路遮蔽領域の作用・効果について示す説明図であり、図3(A)は流路遮蔽領域がない従来の場合、図3(B)は流路遮蔽領域の長さ(以下、「遮蔽領域長」と呼ぶ)が適切な範囲の場合、図3(C)は遮蔽領域長が適切な範囲よりも長い場合を示している。
カウンターフロー型の場合、高温・低加湿運転あるいは高温・無加湿運転のような運転(以下、単に「高温運転」と呼ぶ)条件下では、通常、カソードのガスの供給口側(上流側)の膜電極接合体部分が最も乾燥する。この理由は以下の通りである。カソードのガスの供給口から供給される酸化ガスは、高温運転条件下では無加湿あるいは低加湿状態であるのに対して、下流側では電気化学反応により水が生成されるため、酸化ガスのガス流路においては下流に比べて上流のほうが、ガスが乾燥している。このため、酸化ガスのガス流路の上流ほど、ガス流路を流れるガスが膜電極接合体に含まれる水分を蒸発させる度合いが高くなり、膜電極接合体の乾燥の度合いが高くなるからである。
上記したカソードのガス供給口側(上流側)の膜電極接合体の乾燥を抑制するために、膜電極接合体ではアノード側のガス流路に含まれる水分を吸水することになる。この吸水速度はアノードの燃料ガスのガス流路における湿度が高いほど速くなる。従って、カソードのガス供給口側(上流側)の乾燥を防ぐためには、アノードのガス排出口側(下流側)の湿度を上昇させることが望まれる。そして、カソードのガス供給口付近での膜電極接合体からの水分の蒸発速度に対して、アノードのガス排出口付近における膜電極接合体の吸水速度が遅くならないことが望まれる。膜電極接合体の吸水速度が膜電極接合体からの水分の蒸発速度を下回らなければ、膜電極接合体の湿潤状態が維持され、発電性能の低下を抑制することができるからである。
ここで、図3(A)に示すように、従来の場合には、アノードの上端端から下流端に向かって水素濃度が減少するとともに、カソードの乾燥の度合いが高くなるにつれて、アノードのガス流路中に含まれる水蒸気(高温運転下では液水ではなく水蒸気としてガス流路中に存在する)も減少する。この水蒸気の傾きが膜電極接合体の吸水速度に相当する。
本実施例のようにシール部20AWによる流路遮蔽領域を有する構造の場合には、この流路遮蔽領域の遮蔽領域長が適切な範囲(後述するように、流路長の約3%〜約8%の範囲)であれば、図3(B)に示すように、流路遮蔽領域の上流端における水素濃度が減少し、水蒸気濃度が上昇することにより、アノードでの膜電極接合体10の吸水速度が上昇することになる。これは、流路遮蔽領域への燃料ガスとしての水素の供給は、上述したように、電気化学反応によって消費した水素を補うように、拡散によってのみ行なわれるため、流路遮蔽領域には余分な水素は供給されなくなって水素濃度が減少し、その分水蒸気濃度が上昇することになるからである。これにより、流路遮蔽領域の下流端での吸水量が増加して、膜電極接合体の湿度の上昇を高めることができ、乾燥を抑制することが可能となる。この結果、アノードのガスの排出口付近における膜電極接合体の吸水速度がカソードのガスの供給口付近での膜電極接合体からの水分の蒸発速度を下回らないようにすることができ、発電性能の低下を抑制して、発電を継続させることが可能となる。
ただし、図3(C)に示すように、流路遮蔽領域の遮蔽領域長を適切な範囲よりも長くすると、水素の消費に比べて水蒸気が膜電極接合体に吸水される割合が増加してしまい、水蒸気濃度の減少が早くなってしまうので、遮蔽領域下流端における吸水量が不足することになる。この結果、アノード側のガスの排出口付近における膜電極接合体の吸水速度がカソードのガス供給口付近での膜電極接合体からの水分の蒸発速度を下回ってしまうことになり、発電性能の低下を抑制することができなくなる。
なお、流路遮蔽領域の遮蔽領域長が適切範囲より短い場合には、流路遮蔽領域の上流端での水蒸気量をあまり上昇させることができず、吸水速度を高めることができなくなるため、流路遮蔽領域の遮蔽領域長を適切な範囲よりも長い場合と同様に、アノード側のガス排出口付近における膜電極接合体の吸水速度がカソードのガス供給口付近での膜電極接合体からの水分の蒸発速度を下回ってしまうことになり、発電性能の低下を抑制することができなくなる。
図4は、実施例として製造した燃料電池セルの発電性能を示すグラフである。実施例1は、シール部20AW、すなわち、流路遮蔽領域の流路方向の長さLsが流路長Laに対して8%の場合を示し、実施例2は3%の場合を示している。比較例1は、シール部20AWの流路方向の長さLsが流路長Laに対して0%、すなわち、流路遮蔽領域がない従来例の場合を示し、比較例2は15%の場合を示している。なお、評価条件としては、酸化ガスの化学量論比として、空気150%,湿度0%、燃料ガスの化学量論比として、水素150%,湿度0%とし、常温から除々に上昇させて、セル温度[℃]に対するセル電圧[V]を測定するものとした。
図4に示すように、セル温度95℃の高温運転下において、比較例1(従来例)の場合ではセル電圧が175mVまで低下し、比較例2(遮蔽領域長:15%)では、335mVまで低下するのに対して、実施例1(遮蔽領域長:8%)の場合には405mVで、実施例2(遮蔽領域長:3%)の場合には420mVとなり、流路長Laに対する遮蔽領域長Lsが3%〜8%の範囲内においては、発電性能の低下が改善され、高温・低加湿運転や高温・無加湿運転のような高温運転下における発電性能が向上していることがわかる。
以上説明したように、本実施例によれば、カウンターフロー型の燃料電池において、高温・低加湿運転や高温・無加湿運転のような高温運転条件下においても、膜電極接合体(より厳密には電解質膜)の乾燥を抑制することにより、発電性能の低下を抑制することが可能である。
B.第2の実施形態
図5は、本発明の第2の実施形態としての燃料電池を構成する燃料電池セルの概略構成を表す断面模式図である。この燃料電池セル100aでは、第1の実施形態の燃料電池セル100では、膜電極接合体10のガス拡散層16A,16Cとセパレータ30A,30Cとの間に、ガス流路部20A,20Cが別体で構成されていたのに対して、セパレータ30Aa,30Caのガス拡散層16A,16Cに接する面に溝流路を形成することによりガス流路部20Aa,20Caが構成されている。
カソード側のガス流路部20Caは、従来のセパレータに形成されている溝流路と同じであり、酸化ガスとしての空気(厳密には酸素)のガス供給口30CaIとガス排出口30Caoとを接続する溝状の流路により構成されている。
図6は、アノード側のセパレータ30Aaに形成されているガス流路部20Aaの概略構造を示す斜視図である。アノード側のガス流路部20Aaは、ガス供給口30AaIから供給される燃料ガスとしての水素が流れ、下流端が閉塞された溝状のガス供給流路20AaIと、上流端が閉塞され、ガス排出口30AaOから排出される水素が流れる溝状のガス排出流路20AaOとに分離されている。そして、ガス供給流路20AaIおよびガス排出流路20AaOは、ガス排出流路20AaOがガス供給流と20AaIの下流端(閉塞部)を挟んで交互に配列された構造を有している。また、ガス供給流路20AaIの下流端を閉塞する遮蔽壁20AaWの先には閉塞された独立溝20AaPが形成されている。
本実施例の燃料電池セル100aでは、アノード側のセパレータ30aのガス供給口30AaIからガス供給流路20AaIに供給された燃料ガスとしての水素は、上流から下流へ流れるとともに、ガスの圧力によりガス拡散層16Aに押し流される。そして、ガス拡散層16Aに押し流された水素は、ガス拡散層16A内を拡散して、触媒電極層14Aに供給されて触媒電極層14Aによる電気化学反応に寄与される。触媒電極層14Aに供給されなかった水素や触媒電極層14Aによる電気化学反応に寄与されなかった水素は、ガス排出流路20AaOに押し流されてガス排出流路20AaOをガス排出口30AaOへ向けて流れ、ガス排出口30AaOから排出される。
ガス供給流路20AaIから拡散層16に押し流され、電気化学反応に寄与されずにガス排出流路20AaOへ押し流される水素の一部は、独立溝20AaPに蓄積される。そして、独立溝20AaPに蓄えられた水素は、独立溝20AaPに対向する位置のガス拡散層16Aを介して触媒電極層14Aに供給され、電気化学反応に寄与されて消費される。独立溝20AaPに蓄積された水素が消費されると、消費された水素に応じて不足した水素を補うように、ガス排出流路20AaOへ押し流される水素の一部が独立溝に蓄積される。このとき、水素の補給とともに水蒸気も供給されるため、独立溝20AaPの水蒸気濃度が高められることになる。この結果、独立溝20AaPの領域では、第1実施例において図3を用いて説明した膜電極接合体の吸水速度を高めることができ、カソード側の乾燥を抑制することが可能となる。これにより、高温・低加湿運転や高温・無加湿運転のような高温運転下における発電性能の低下を抑制することができる。
以上の説明からわかるように、独立溝20AaPが本実施例における本発明の「閉塞された溝領域」すなわち「遮蔽領域」に相当する。
なお、独立溝20AaPの、流路長に対する長さは、第1実施例と同様に約3%〜約8%の範囲であることが好ましい。
C.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上記第1実施例では、アノード側のガスの下流端に遮蔽壁であるシール部20AWを設けた構成を説明している。しかしながら、カソード側のガスの下流端に同様に遮蔽壁を設ける構成としてもよい。
また、上記第2実施例では、カソード側のガス流路部20Caは従来の溝流路構造として説明しているが、アノードと同様に、ガス供給流路とガス排出流路とが分離され、交互に配列された構成としてもよい。そして、ガス供給流路の下流端の先に遮蔽領域となる閉塞された溝領域を設ける構成としてもよい。
また、上記第1実施例における遮蔽壁に相当するシール部20AWや第2実施例における遮蔽壁20AaWを、樹脂埋めすることにより作製するようにしてもよい。このようにすれば、低温運転時において、樹脂が収縮することによりガス流路を確保することが可能となり、部分的な水素欠状態を抑制することが可能である。
また、上記実施例における流路遮蔽領域に対向するアノード側の輪触媒電極層にはIrやRu等の白金属元素を添加し、カソード側の触媒電極層にはIrO2を用いることが好ましい。このようにすれば、低温運転時において、部分水素欠状態が発生した場合における触媒層の劣化を抑制することが可能である。
10…膜電極接合体
12…電解質層
14A…触媒電極層
14C…触媒電極層
16A…ガス拡散層
16C…ガス拡散層
18…シール部
20AaI…ガス供給流路
20AaO…ガス排出流路
20AaW…遮蔽壁
20AaP…独立溝(流路遮蔽領域)
20AP2…ガス流路部分(流路遮蔽領域)
20AP1…ガス流路部分
20A…ガス流路部
20C…ガス流路部
20AW…シール部
20Aa…ガス流路部
20Apa…ガス流路部材
20Apb…ガス流路部材
20Ca…ガス流路部
30AI…ガス供給口
30AO…ガス排出口
30Cao…ガス排出口
30AaO…ガス排出口
30AaI…ガス供給口
30CaI…ガス供給口
30A…セパレータ
30C…セパレータ
30Aa…セパレータ
30Ca…セパレータ
100…燃料電池セル
100a…燃料電池セル

Claims (4)

  1. アノードに供給される燃料ガスの流れとカソードに供給される酸化ガスの流れとが対向する向きとなるカウンターフロー型の燃料電池であって、
    電解質膜と、前記電解質膜の両面上に、それぞれ、触媒電極層と、ガス拡散層と、を備える膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持する燃料ガス流路部および酸化ガス流路部と、
    を備え、
    前記燃料ガス流路部は、前記燃料ガス流路部内の燃料ガス供給流路の下流端部分を、燃料ガス排出口に連通する第1の端部と、前記燃料ガス排出口と連通しない閉端部として構成された第2の端部に分岐する遮蔽壁を有する
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記燃料ガス流路部および前記酸化ガス流路部のガス流路は多孔体流路によって構成されており、
    前記第2の端部は、前記燃料ガス供給流路内の前記燃料ガスの流れ方向に直交する厚み方向の中間部分に、前記燃料ガス供給流路の下流端部から上流方向に向かって、前記遮蔽壁を形成することにより、前記燃料ガス排出口に対して連通しないで遮蔽されるように設けられた前記遮蔽壁と前記膜電極接合体との間の遮蔽領域である
    ことを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池であって、
    前記遮蔽壁の前記燃料ガス供給流路の流れ方向についての長さは、前記燃料ガス供給流路の長さに対して、約3%〜約8%の長さの範囲内である
    ことを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記燃料ガス流路部は、下流端が閉塞された溝状のガス供給用流路と上流端が閉塞された溝状のガス排出用流路の2種類のガス流路に分離して構成されており、
    前記第2の端部は、前記ガス供給用流路の溝状の流路の下流側の一部を分断するように前記遮蔽壁を設けることにより形成された溝状の遮蔽領域である
    ことを特徴とする燃料電池。
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