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JP2011180550A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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JP2011180550A
JP2011180550A JP2010047509A JP2010047509A JP2011180550A JP 2011180550 A JP2011180550 A JP 2011180550A JP 2010047509 A JP2010047509 A JP 2010047509A JP 2010047509 A JP2010047509 A JP 2010047509A JP 2011180550 A JP2011180550 A JP 2011180550A
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Abstract

【課題】液晶装置等の電気光学装置において、高品質な画像を表示可能とする。
【解決手段】電気光学装置は、画素領域(10a)に、第1方向に沿って延在する走査線(11)と、第2方向に沿って延在するデータ線(6a)と、画素領域の周囲に位置する周辺領域に、データ線に電気的に接続するように設けられたスイッチング素子(300)と、第1方向に沿って延在する第1配線(210)と、第2方向に沿って延在する第2配線(310)とを有しており、スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線と、第2方向に沿って延在しており、スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線(220)とを備える。第1配線及び第2配線は、互いに異なる層に設けられており、制御信号配線は、第2配線と重ならないように設けられていると共に、第1配線と前記第2配線との間の層に設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクター等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置として、例えば基板上に、画素電極と、該画素電極の選択的な駆動を行うための画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)、並びに走査線及びデータ線とを備えており、アクティブマトリクス駆動を行うものがある。
このような電気光学装置では、例えば複数のデータ線に対応する画像信号が一の画像信号配線を介してまとめてサンプリング回路に供給される。サンプリング回路に供給された画像信号は、供給されるべきデータ線に応じたタイミングでサンプリングスイッチのオンオフが切替えられることで、各データ線へと振り分けられる(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開平5−307165号公報 特開2003−122271号公報
しかしながら、上述したサンプリング回路を有するような装置では、画像信号を供給する画像信号配線と、サンプリングスイッチのオンオフを切替える制御信号(言い換えれば、ゲート信号)を供給する制御信号配線との間に、比較的大きい寄生容量が発生してしまうおそれがある。また、互いに異なる画像信号が供給される2つの画像信号配線間においても、同様に寄生容量が発生してしまうおそれがある。
このような寄生容量は、例えば消費電力の増加の原因となる場合がある。更には、複数の配線間で寄生容量のばらつきが生じてしまうことで、系列スジ等の表示上の不具合が発生してしまうおそれがある。即ち、上述した技術には、高品質な画像を表示することが困難であるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、高品質な画像を表示することが可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、画素領域に、第1方向に沿って延在する走査線と、前記第1方向と交わる第2方向に沿って延在するデータ線と、前記画素領域の周囲に位置する周辺領域に、前記データ線に電気的に接続するように設けられたスイッチング素子と、前記第1方向に沿って延在する第1配線と、前記第2方向に沿って延在すると共に前記第1配線及び前記スイッチング素子に夫々電気的に接続される第2配線とを有しており、前記スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線と、前記第2方向に沿って延在しており、前記スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線とを備え、第1配線及び前記第2配線は、互いに異なる層に設けられており、前記制御信号配線は、前記第2配線と重ならないように設けられていると共に、前記第1配線と前記第2配線との間の層に設けられている。
本発明の電気光学装置では、基板上に、例えば走査線及びデータ線等の配線や、画素スイッチング用のTFT等の電子素子が、絶縁膜を介して相互に絶縁されつつ必要に応じて積層されることで画素電極を駆動するための回路が構成され、その上層側に複数の画素電極が設けられている。
走査線は、画素領域において第1方向に延在するように設けられており、データ線は第1の方向と交わる第2方向に延在するように設けられている。即ち、走査線及びデータ線は、互いに交わるように設けられている。画素電極は、例えば走査線及びデータ線の交わりに対応するように画素毎に設けられる。
本発明の電気光学装置の動作時には、例えば、走査線を通じて、画素電極に電気的に接続された画素スイッチング用のTFTのスイッチング動作が制御されると共に、データ線を通じて画像信号が供給されることで、該TFTを介して、画素電極に対し画像信号に応じた電圧が印加される。これにより、複数の画素電極が配列された画素領域における画像表示が可能となる。
本発明の電気光学装置では更に、画素領域の周囲に位置する周辺領域に、データ線に電気的に接続するように設けられたスイッチング素子と、スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線と、スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線とが設けられている。このような構成によれば、制御信号配線を介して供給される制御信号に応じてスイッチング素子のスイッチング動作が制御されると共に、画像信号配線を介して画像信号が供給されることで、データ線に対し画像信号が供給される。
より具体的には、画像信号配線は、例えばデータ線の総数に対して少ない本数とされており、複数のデータ線に供給すべき画像信号を、一の画像信号配線によってまとめて供給できるように構成されている。スイッチング素子はデータ線毎に設けられており、各データ線に応じたタイミングでオンオフが切替えられる。これにより、まとめて供給された画像信号は、供給すべきデータ線の各々へと振り分けられる。
本発明では、画像信号配線は、第1方向(即ち、走査線方向)に沿って延在する第1配線と、第2方向(即ち、データ線方向)に沿って延在すると第2配線とを有している。即ち、画像信号線は、互いに異なる方向に延在する2つの配線を有するように構成されている。第2配線は、第1配線及びスイッチング素子に夫々電気的に接続されている。このため画像信号は、第1配線、第2配線の順で伝達されスイッチング素子へと供給される。
一方、制御信号配線は、第2方向に沿って延在するように延在するように設けられている。即ち、制御信号配線は、画像信号配線における第2配線と同じ方向に沿うように設けられる。
ここで本発明では特に、画像信号配線における第1配線及び第2配線は、互いに異なる層に設けられている。第1配線と第2配線との間には、例えば層間絶縁膜が形成されており、該層間絶縁膜を貫通するコンタクトホール等によって、第1配線及び第2配線が互いに電気的に接続されている。尚、典型的には、第1配線は上層側の層、第2配線は下層側の層として形成される。
本発明では更に、制御信号配線は、画像信号配線における第2配線と重ならないように設けられていると共に、第1配線と第2配線との間の層に設けられている。即ち、制御信号配線、第1配線及び第2配線は、夫々異なる層に設けられている。このような積層構造によれば、画像信号配線における第1配線と第2配線との距離を大きくすることができる。即ち、中間の層に制御信号配線が設けられる分、第1配線と第2配線とを離して設けることができる。
第1配線と第2配線との距離が大きくなることで、互いに異なる画像信号を供給する第1配線と第2配線との間に発生する寄生容量を小さくすることができる。具体的には、一の第1配線と、該一の第1配線と電気的に接続される一の第2配線とは異なる他の第2配線との間に発生する寄生容量を小さくすることができる。
加えて本発明では、第2配線と制御信号配線とが異なる層に設けられているため、第2配線と制御信号配線との間に発生する寄生容量も小さくすることができる。第2配線及び制御信号配線は、互いに同じ方向(即ち、第2方向)に沿うように設けられているため、寄生容量が発生してしまうおそれのある箇所が多い。しかしながら、上述したように、互いに異なる層に設けることで、確実に寄生容量を小さくすることができる。また、第2配線と制御信号配線とは互いに重ならないように設けられているため、第2配線及び制御信号配線間の距離はより大きくされる。従って、寄生容量を効果的に小さくすることができる。
上述した寄生容量は、例えば消費電力の増加の原因となる場合がある。更には、複数の配線間で寄生容量のばらつきが生じてしまうことで、系列スジ等の表示上の不具合が発生してしまうおそれがある。これに対し、本発明の電気光学装置では、画像信号配線及び制御信号配線において寄生容量が小さくされているため、装置の消費電力を低減することができる。また、寄生容量が小さくされることでばらつきも抑制され、表示上の不具合も低減することができる。
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、低消費電力で、高品質な画像を表示することが可能である。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記第2配線は、前記第1配線より前記制御信号配線から離れた層に設けられている。
この態様によれば、画像信号配線における第2配線と制御信号線との距離が、第1配線と制御信号配線との距離より大きくされる。ここで特に、上述したように、第2配線と制御信号線との間には寄生容量が比較的発生し易い。よって、第2配線と制御信号線との距離を大きくすれば、極めて効率的に寄生容量を小さくすることが可能である。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記制御信号配線は、前記データ線と同一層として形成されている。
この態様によれば、制御信号配線とデータ線とが同一層として形成されるため、積層数を増やすことなく上述した構成を実現できる。即ち、装置構成や製造工程の複雑化、製造コストの増大を防止することができる。
尚、ここでの「同一層」とは、同一の成膜工程によって形成される層のことを意味しており、以下の態様においても同様である。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素領域に、蓄積容量を形成するための容量電位を供給する容量線を備え、前記第1配線は、前記容量線と同一層として形成されている。
この態様によれば、画素領域において蓄積容量が形成されており、該蓄積容量には、容量線を介して容量電位が供給されている。容量線は、例えば蓄積容量を形成する2つの電極のうち、画素電極と電気的に接続されない方の電極に容量電位を供給する。本態様の構成によれば、第1配線と容量線とが同一層として形成されるため、積層数を増やすことなく上述した構成を実現できる。即ち、装置構成や製造工程の複雑化、製造コストの増大を防止することができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記画素領域に、上部容量電極、下部容量電極及び容量絶縁膜からなる蓄積容量を備え、前記第2配線は、前記上部容量電極と同一層として形成されている。
この態様によれば、画素領域において、上部容量電極及び下部容量電極が容量絶縁膜を介して対向配置されることにより蓄積容量が形成される。蓄積容量は、例えば画素電極と電気的に接続されており、画素電極の電位を一時的に保持する保持容量として機能する。本態様の構成によれば、第2配線と上部容量電極とが同一層として形成されるため、積層数を増やすことなく上述した構成を実現できる。即ち、装置構成や製造工程の複雑化、製造コストの増大を防止することができる。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品質な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパーなどの電気泳動装置等も実現することも可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示す平面図である。 図1のH−H´線断面図である。 実施形態に係る電気光学装置の画像表示領域に設けられる各種素子、配線等の等価回路図である。 画素部の具体的な構成を透過的に示す平面図である。 図4のA−A´線断面図である。 サンプリング回路の具体的な構成を示す平面図である。 図6のB−B´線断面図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクターの構成を示す平面図である。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<電気光学装置>
本実施形態に係る電気光学装置について図1から図7を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例として駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を挙げて説明する。
先ず、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H´線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板や、シリコン基板等である。対向基板20は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により、相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。尚、ギャップ材を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。尚、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、サンプリング回路7、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
TFTアレイ基板10上における対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域には、両基板間を上下導通材で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図2では図示を省略してあるが、この積層構造の上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。尚、画素電極9aをアルミニウム等の反射性を有する材料から構成すれば、反射型の電気光学装置を実現することもできる。
画素電極9aは、対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上には、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が、例えばプロジェクター用のランプや直視用のバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
遮光膜23上には、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向するように形成されている。また遮光膜23上には、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図2には図示しないカラーフィルターが形成されるようにしてもよい。対向基板20の対向面上における、対向電極21上には、配向膜22が形成されている。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、上述したデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、本実施形態に係る電気光学装置の画素部の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、本実施形態に係る電気光学装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートには、走査線11が電気的に接続されており、本実施形態に係る電気光学装置は、所定のタイミングで、走査線11にパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカーの低減といった表示特性の向上が可能となる。
次に、上述の動作を実現する画素部の具体的な構成について、図4及び図5を参照して説明する。ここに図4は、画素部の具体的な構成を透過的に示す平面図である。また図5は、図4のA−A’線断面図である。尚、図4及び図5では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。また図4では、説明の便宜上、半導体層より下層側及びデータ線より上層側の各層についての図示を省略している。
図4及び図5において、TFT30は、半導体層1aと、ゲート電極3bとを含んで構成されている。
半導体層1aは、例えばポリシリコンからなり、Y方向に沿ったチャネル長を有するチャネル領域1a’、データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1c並びにデータ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eからなる。即ち、TFT30はLDD構造を有している。
データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eは、チャネル領域1a’を基準として、Y方向に沿ってほぼミラー対称に形成されている。データ線側LDD領域1bは、チャネル領域1a’及びデータ線側ソースドレイン領域1d間に形成されている。画素電極側LDD領域1cは、チャネル領域1a’及び画素電極側ソースドレイン領域1e間に形成されている。データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1c、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eは、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体層1aに不純物を打ち込んでなる不純物領域である。データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1cはそれぞれ、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eよりも不純物の少ない低濃度な不純物領域として形成されている。このような不純物領域によれば、TFT30の非動作時において、ソース領域及びドレイン領域間に流れるオフ電流を低減し、且つTFT30の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。尚、TFT30は、LDD構造を有することが好ましいが、データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1cに不純物打ち込みを行わないオフセット構造であってもよいし、ゲート電極をマスクとして不純物を高濃度に打ち込んでデータ線側ソースドレイン領域及び画素電極側ソースドレイン領域を形成する自己整合型であってもよい。
ゲート電極3bは、例えば導電性ポリシリコンから形成されており、部分的に半導体層1aのチャネル領域1a’と対向するように形成されている。ゲート電極3b及び半導体層1a間は、ゲート絶縁膜2によって絶縁されている。また、ゲート電極3bと同層には、第1中継層91が形成されている。
図5において、TFTアレイ基板10上のTFT30よりも下地絶縁膜12を介して下層側には、走査線11が設けられている。走査線11は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等の遮光性材料からなる。走査線11は、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクター等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などである、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光から、TFT30のチャネル領域1a’及びその周辺を遮光する下側遮光膜としても機能する。
図4において、走査線11は、コンタクトホール82a及び82bを介してゲート電極3bと電気的に接続されている。これにより、ゲート電極3bには、走査線11によって伝達されるゲート信号が供給される。
図5において下地絶縁膜12は、走査線11からTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。
TFTアレイ基板10上のTFT30よりも第1層間絶縁膜41を介して上層側には、蓄積容量70が設けられている。蓄積容量70は、下部容量電極71と上部容量電極72が誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
上部容量電極72は、後述する容量線300を介して定電位源と電気的に接続され、固定電位に維持された固定電位側容量電極である。上部容量電極72は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等の金属又は合金を含んだ非透明な金属膜から形成されており、TFT30を遮光する上側遮光膜(内蔵遮光膜)としても機能する。尚、上部容量電極72は、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等から構成されていてもよい。この場合には、上部容量電極72の内臓遮光膜としての機能を高めることができる。
下部容量電極71は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域1e及び画素電極9aに電気的に接続された画素電位側容量電極である。より具体的には、下部容量電極71は、コンタクトホール83を介して画素電極側ソースドレイン領域1eと電気的に接続されると共に、コンタクトホール84を介して第1中継層91に電気的に接続されている。第1中継層91は、コンタクトホール85を介して第2中継層92に電気的に接続されている。第2中継層92は、コンタクトホール86を介して第3中継層93に電気的に接続されている。第3中継層93は、コンタクトホール87を介して画素電極9aに電気的に接続されている。即ち、下部容量電極71は、第1中継層91、第2中継層92及び第3中継層93と共に、画素電極側ソースドレイン領域1e及び画素電極9a間の電気的な接続を中継する。尚、下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極71とTFT30との間に配置される、光吸収層或いは遮光膜としての機能も有する。
誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン(SiO2)膜、或いは窒化シリコン(SiN)膜等から構成された単層構造、或いは多層構造を有している。
TFTアレイ基板10上の蓄積容量70よりも第2層間絶縁膜42を介して上層側には、データ線6a、第2中継層92が設けられている。
データ線6aは、半導体層1aのデータ線側ソースドレイン領域1dに、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42及び第3層間絶縁膜43を貫通するコンタクトホール81を介して電気的に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30を遮光する機能も有している。
第2中継層92は、第3層間絶縁膜43上においてデータ線6aと同層に形成されている。データ線6a及び第2中継層92は、例えば金属膜等の導電材料で構成される薄膜を、第3層間絶縁膜43上に薄膜形成法を用いて形成しておき、当該薄膜を部分的に除去、即ちパターニングすることによって相互に離間させた状態で形成される。このように、データ線6a及び第2中継層92を同一工程で形成すれば、装置の製造プロセスを簡便にできる。
TFTアレイ基板10上のデータ線6aよりも第3層間絶縁膜43を介して上層側には、容量線300及び第3中継層93が設けられている。
容量線300は、例えばアルミニウム等の金属を含んで構成されており、上述したように、上部容量電極に対して固定電位を供給する。一方で、容量線300と同層に形成された第3中継層93は、半導体層1aにおける画素電極側ソースドレイン領域1eと画素電極9aとの電気的導通を中継している。
画素電極9aは、容量線300よりも第4層間絶縁膜44を介して上層側に形成されている。画素電極9aは、第3中継層93,第2中継層92,第1中継層、及び下部容量電極71を介して半導体層1aの画素電極側ソースドレイン領域1eに電気的に接続されている。画素電極9aと第3中継層93とを電気的に接続するコンタクトホール87は、第5層間絶縁層45を貫通するように形成された孔部の内壁にITO等の画素電極9aを構成する導電材料が成膜されることによって形成されている。画素電極9aの上側表面には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜が設けられている。
上述した画素部の構成は各画素部に共通であり、画像表示領域10a(図1参照)には、かかる画素部が周期的に形成されている。
次に、本実施形態に係る電気光学装置におけるサンプリング回路7(図1参照)の具体的な構成について、図6及び図7を参照して説明する。ここに図6は、サンプリング回路の具体的な構成を示す平面図である。また図7は、図6のB−B´線断面図である。
図6において、画像信号は、画像信号線210を介してサンプリング回路7に供給される。画像信号線210は、X方向に沿って6本設けられており、夫々異なる画像信号(VID1〜VID6)を供給する。画像信号線210は、本発明の「第1配線」の一例である。
画像信号線210は、Y方向に延びる引き出し配線310を介して、サンプリングスイッチ350に電気的に接続されている。引き出し配線310は、サンプリングスイッチ350のソース領域に電気的に接続されている。尚、ここでの引き出し配線310は、本発明の「第2配線」の一例であり、サンプリングスイッチ350は、本発明の「スイッチング素子」の一例である。
サンプリングスイッチ7のドレイン領域には、画像信号出力線320が電気的に接続されている。画像信号出力線320は、サンプリングスイッチ7とは反対側の端部においてデータ線6aと電気的に接続されている。よって、サンプリングスイッチ7から出力された画像信号は、データ線6aへと供給される。
サンプリングスイッチ7のゲートには、制御信号配線220を介して制御信号が供給される。サンプリングスイッチ7は、この制御信号に応じたタイミングでオンオフが切替えられ、オンとされた場合に、引き出し配線310から供給された画像信号が、画像信号出力線320を介して出力される。これにより、極めて多くのデータ線6aに対して、6本の画像信号線210による画像信号の供給が可能となる。
図7において、引き出し配線310は、第1層間絶縁膜41上に形成されている。即ち、引き出し配線310は、蓄積容量70を構成する上部容量電極72(図5参照)と同一層に形成されている。また、制御信号配線220は、第2層間絶縁膜42上に形成されている。即ち、制御信号配線220は、データ線6aと同一層に形成されている。画像信号線210は、第3層間絶縁膜43上に形成されている。即ち、画像信号線210は、容量線300と同一層に形成されている。
本実施形態に係る電気光学装置では特に、画像信号を供給する画像信号線210及び引き出し配線310の間の層に制御信号配線220が設けられている。このような積層構造によれば、制御信号配線220が、画像信号線210より上層側或いは引き出し配線310より下層側に設けられる場合と比べて、画像信号線210及び引き出し配線310間の距離L1を大きくすることができる。
画像信号線210及び引き出し配線310間の距離L1が大きくなることで、互いに異なる画像信号を供給する画像信号線210及び引き出し配線310間との間に発生する寄生容量を小さくすることができる。具体的には、コンタクトホール400を介して互いに電気的に接続されていない画像信号線210及び引き出し配線310間に発生する寄生容量を小さくすることができる。
本実施形態では更に、引き出し配線310と制御信号配線220とが異なる層に設けられているため、引き出し配線310と制御信号配線220との間に発生する寄生容量も小さくすることができる。引き出し配線310と制御信号配線220、図6に示すように互いに同じ方向(即ち、Y方向)に沿うように設けられているため、寄生容量が発生してしまうおそれのある箇所が多い。しかしながら、互いに異なる層に設けることで、確実に寄生容量を小さくすることができる。また、引き出し配線310と制御信号配線220とは互いに重ならないように設けられているため、引き出し配線310及び制御信号配線220間の距離L2はより大きくされる。従って、寄生容量を効果的に小さくすることができる。
加えて本実施形態では、第2層間絶縁膜42の厚みが、第3層間絶縁膜43の厚みより大きくなるように構成されている。即ち、画像信号線210及び制御信号配線220間の距離L3より、引き出し配線310及び制御信号配線220間の距離L4が大きくされている。引き出し配線310及び制御信号配線220間には、上述したように寄生容量が比較的発生し易い。よって、引き出し配線310及び制御信号配線220間の距離L4を大きくすれば、極めて効率的に寄生容量を小さくすることが可能である。
上述した寄生容量は、例えば消費電力の増加の原因となる場合がある。更には、複数の配線間で寄生容量のばらつきが生じてしまうことで、系列スジ等の表示上の不具合が発生してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、画像信号線210、引き出し配線310及び制御信号配線220の間に発生する寄生容量が小さくされているため、装置の消費電力を低減することができる。また、寄生容量が小さくされることでばらつきも抑制され、表示上の不具合も低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気光学装置によれば、低消費電力で、高品質な画像を表示することが可能である。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図8は、プロジェクターの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクターについて説明する。
図8に示されるように、プロジェクター1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルターを設ける必要はない。
尚、図8を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダー型、モニタ直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1a…半導体層、3b…ゲート電極、6a…データ線、7…サンプリング回路、9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、11…走査線、20…対向基板、30…TFT、50…液晶層、70…蓄積容量、71…下部容量電極、72…上部容量電極、75…誘電体膜、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、210…画像信号線、220…制御信号配線、300…容量線、310…引き出し配線、320…画像信号出力線、350…サンプリングスイッチ

Claims (6)

  1. 画素領域に、
    第1方向に沿って延在する走査線と、
    前記第1方向と交わる第2方向に沿って延在するデータ線と、
    前記画素領域の周囲に位置する周辺領域に、
    前記データ線に電気的に接続するように設けられたスイッチング素子と、
    前記第1方向に沿って延在する第1配線と、前記第2方向に沿って延在すると共に前記第1配線及び前記スイッチング素子に夫々電気的に接続される第2配線とを有しており、前記スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線と、
    前記第2方向に沿って延在しており、前記スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線と
    を備え、
    第1配線及び前記第2配線は、互いに異なる層に設けられており、
    前記制御信号配線は、前記第2配線と重ならないように設けられていると共に、前記第1配線と前記第2配線との間の層に設けられている
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記第2配線は、前記第1配線より前記制御信号配線から離れた層に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記制御信号配線は、前記データ線と同一層として形成されていることを特徴とした請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記画素領域に、
    蓄積容量を形成するための容量電位を供給する容量線を備え、
    前記第1配線は、前記容量線と同一層として形成されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記画素領域に、
    上部容量電極、下部容量電極及び容量絶縁膜からなる蓄積容量を備え、
    前記第2配線は、前記上部容量電極と同一層として形成されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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