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JP2011165691A - 減圧乾燥方法及び減圧乾燥装置 - Google Patents

減圧乾燥方法及び減圧乾燥装置 Download PDF

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JP2011165691A JP2010023045A JP2010023045A JP2011165691A JP 2011165691 A JP2011165691 A JP 2011165691A JP 2010023045 A JP2010023045 A JP 2010023045A JP 2010023045 A JP2010023045 A JP 2010023045A JP 2011165691 A JP2011165691 A JP 2011165691A
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豊 麻生
Kazuya Iwanaga
和也 岩永
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Abstract

【課題】被処理基板に形成された塗布膜に乾燥処理を施す減圧乾燥装置において、乾燥処理後の塗布膜の面内均一性を向上し、配線パターン形成過程における前記塗布膜の残膜厚及び線幅の均一性を向上する。
【解決手段】塗布膜が形成された基板Gをチャンバ2に収容し、前記チャンバ内を減圧環境とする工程において、前記チャンバ内の圧力を第一の減圧速度v1で減圧し、前記溶剤の蒸気圧Peよりも高く、少なくとも前記溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値P1とするステップと、前記第一の圧力値から少なくとも前記溶剤の蒸気圧となるまで、前記第一の減圧速度よりも低い第二の減圧速度v2で緩やかに減圧するステップとを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、塗布液が塗布された被処理基板を減圧環境下に置くことにより、前記基板上の塗布膜に乾燥処理を施す減圧乾燥方法及び減圧乾燥装置に関する。
例えば、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造においては、いわゆるフォトリソグラフィ工程により回路パターンを形成することが行われている。
前記フォトリソグラフィ工程は、具体的には次のように行われる。
先ず、ガラス基板等の被処理基板に所定の膜を成膜した後、塗布液であるフォトレジスト(以下、レジストと呼ぶ)が塗布されレジスト膜が形成される。そして、回路パターンに対応してレジスト膜が露光され、これが現像処理される。
このようなフォトリソグラフィ工程にあっては、図8(a)に示すようにレジストパターンRに異なる膜厚(厚膜部R1と薄膜部R2)を持たせ、これを利用して複数回のエッチング処理を行うことによりフォトマスク数、及び工程数を低減することが可能である。尚、そのようなレジストパターンRは、1枚で光の透過率が異なる部分を有するハーフトーンマスクを用いるハーフ(ハーフトーン)露光処理によって得ることができる。
このハーフ露光が適用されたレジストパターンRを用いた場合の回路パターン形成工程について図8(a)〜(e)を用いて具体的に説明する。
例えば、図8(a)において、ガラス基板G上に、ゲート電極200、絶縁層201、a−Si層(ノンドープアモルファスSi層)202aとn+a−Si層202b(リンドープアモルファスSi層)からなるSi層202、電極を形成するためのメタル層203が順に積層されている。
また、メタル層205上には、前記ハーフ露光処理、及び現像処理により得られたレジストパターンRが形成される。
このレジストパターンR(厚膜部R1及び薄膜部R2)の形成後、図8(b)に示すように、このレジストパターンRをマスクとして、メタル膜のエッチング(1回目のエッチング)が行われる。
次いで、レジストパターンR全体に対し、プラズマ中でアッシング(灰化)処理が施される。これにより、図8(c)に示すように、膜厚が半分程度に減膜されたレジストパターンR3が得られる。
そして、図8(d)に示すように、このレジストパターンR3をマスクとして利用し、露出するメタル膜203やSi層202に対するエッチング(2回目のエッチング)が行われ、最後に図8(e)に示すようにレジストR3を除去することにより回路パターンが得られる。
ところで、前記レジストパターンRを形成するためのハーフ露光処理の前段工程においては、基板面へのレジスト液の塗布処理後、塗布されたレジスト膜を減圧環境下で乾燥させる減圧乾燥処理が行われる。
この減圧乾燥処理にあっては、レジスト液が塗布された基板をチャンバ内に収容し、チャンバ内をレジスト液中の溶剤の蒸気圧まで減圧し、所定時間の間、レジスト中の溶剤を蒸発させることにより乾燥処理を行うものである。
尚、基板に塗布されたレジスト液などの塗布液を減圧乾燥する減圧乾燥装置については、特許文献1に開示されている。
特開2004−47797号公報
しかしながら、本願発明者らは、従来行われている減圧乾燥処理のように、その開始時にチャンバ内の圧力を溶剤の蒸気圧まで減圧すると、図9の測定結果に示すようにレジスト膜から溶剤が突沸的に蒸発し(25sec付近)、これが減圧乾燥後のレジスト膜の均一性に悪影響を及ぼすことを知見した。
更には、前記したようにハーフ露光処理によって厚膜部R1及び薄膜部R2を有するレジストパターンRを形成し、それを図8(c)のようにアッシング処理した場合に、残膜として得られたレジストパターンR3(図8(c))に、前記レジスト膜の不均一性により、ばらつきが生じることを知見するに至った。
具体的には、基板面内において、図10(a)に示すように残膜パターンの膜厚、線幅が小さすぎる部位と、図10(b)に示すように大きすぎる部位とが混在するという課題があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、被処理基板に形成された塗布膜に乾燥処理を施す減圧乾燥装置において、乾燥処理後の塗布膜の面内均一性を向上し、配線パターン形成過程における前記塗布膜の残膜厚及び線幅の均一性を向上することのできる減圧乾燥方法及び減圧乾燥装置を提供する。
前記した課題を解決するために、本発明に係る減圧乾燥方法は、塗布膜が形成された被処理基板を減圧環境下に置いて前記塗布膜中の溶剤を蒸発させ、前記塗布膜の乾燥処理を施す減圧乾燥方法であって、塗布膜が形成された前記基板をチャンバに収容し、前記チャンバ内を減圧環境とする工程において、前記チャンバ内の圧力を第一の減圧速度で減圧し、前記溶剤の蒸気圧よりも高く、少なくとも前記溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値とするステップと、前記第一の圧力値から少なくとも前記溶剤の蒸気圧となるまで、前記第一の減圧速度よりも低い第二の減圧速度で緩やかに減圧するステップとを含むことに特徴を有する。
尚、前記チャンバ内の圧力を前記溶剤の蒸気圧とするステップの後、更に、前記第二の減圧速度で減圧し、前記溶剤の蒸気圧よりも低い第二の圧力値とするステップを実施することが望ましい。
このような方法によれば、チャンバ内の圧力が溶剤の蒸気圧よりも高く、少なくとも前記溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値の時点から、より低速度の緩やかな第二の減圧速度により減圧が行われる。
この制御により、基板面付近における圧力値は、ばらつくことなく面内均一な状態を維持して緩やかに減圧され、溶剤の蒸気圧に達する。
その結果、塗布膜からの溶剤の突沸的な蒸発が抑制され、低速度での溶剤の蒸発を行うことができ、レジストの乾燥状態を均一にすることができる。
また、レジストの乾燥状態が均一になることにより、例えばハーフ露光処理を用いた場合の配線パターン形成過程におけるパターン残膜厚及び線幅の均一性を向上することができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る減圧乾燥装置は、塗布膜が形成された被処理基板を減圧環境下に置いて前記塗布膜中の溶剤を蒸発させ、前記塗布膜の乾燥処理を施す減圧乾燥装置であって、塗布膜が形成された前記基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内を排気する排気手段と、前記チャンバからの排気量を調整する排気量調整手段と、前記チャンバ内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の検出結果に基づき、前記排気量調整手段による排気調整量を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記チャンバ内の圧力が、前記溶剤の蒸気圧よりも高く、少なくとも前記溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値となるまでは第一の減圧速度で減圧するよう前記排気量調整手段を制御し、前記第一の圧力値から少なくとも前記溶剤の蒸気圧となるまでは、前記第一の減圧速度よりも低い第二の減圧速度で緩やかに減圧するよう前記排気量調整手段を制御することに特徴を有する。
尚、前記制御手段は、前記チャンバ内の圧力が、前記溶剤の蒸気圧よりも低い第二の圧力値となるまで前記第二の減圧速度で緩やかに減圧するよう前記排気量調整手段を制御することが望ましい。
このような構成によれば、塗布膜からの溶剤の突沸的な蒸発が抑制され、低速度での溶剤の蒸発を行うことができ、レジストの乾燥状態を均一にすることができる。
また、レジストの乾燥状態が均一になることにより、例えばハーフ露光処理を用いた場合の配線パターン形成過程におけるパターン残膜厚及び線幅の均一性を向上することができる。
本発明によれば、被処理基板に形成された塗布膜に乾燥処理を施す減圧乾燥装置において、乾燥処理後の塗布膜の面内均一性を向上し、配線パターン形成過程における前記塗布膜の残膜厚及び線幅の均一性を向上することのできる減圧乾燥方法及び減圧乾燥装置を得ることができる。
図1は、本発明にかかる一実施形態の全体概略構成を示す断面図である。 図2は、本発明にかかる一実施形態の動作を示すフローである。 図3は、本発明にかかる一実施形態において、チャンバ内の減圧制御を示すグラフである。 図4は、本発明にかかる実施例1−4において、チャンバ内の圧力変化を示すグラフである。 図5は、本発明にかかる実施例1−4において、レジストの溶剤の蒸発速度の変化を示すグラフである。 図6は、本発明にかかる実施例5−7において、チャンバ内の圧力変化を示すグラフである。 図7は、本発明にかかる実施例5−7において、レジストの溶剤の蒸発速度の変化を示すグラフである。 図8(a)〜(e)は、ハーフ露光処理を用いた配線パターンの一連の形成工程を説明するための断面図である。 図9は、従来の減圧乾燥方法を用いた場合の測定結果であって、チャンバ内の圧力変化、及びレジストの溶剤の蒸発速度の変化を示すグラフである。 図10(a),(b)は、ハーフ露光処理を用いた配線パターンの形成工程において、レジストパターン残膜のばらつきを説明するための断面図である。
以下、本発明の減圧乾燥方法及び減圧乾燥装置にかかる一実施形態を、図1乃至図3に基づき説明する。
図1に示すように、この減圧乾燥装置1は、その内部空間を気密に維持するためのチャンバ2を備え、このチャンバ2は、下部チャンバ2aと、その上を覆うように昇降移動可能に設けられた上部チャンバ2bとを備えている。
下部チャンバ2aには、被処理基板であるガラス基板Gを載置するためのステージ4が設けられ、このステージ4は、基板搬入出を容易にするために、昇降可能なシャフト6によって支持されている。ステージ4上には、基板Gを載置するための複数の固定ピン5が設けられ、これら複数の固定ピン5は、ステージ4上に分散配置されている。尚、この固定ピン5は、基板Gと実質的に同じ材質(本実施形態ではガラス)で形成されていることが好ましい。
また、下部チャンバ2aの各コーナー部には、4個の排気口10(図1では、そのうち2つを示す)が設けられている。各排気口10には排気管11が連通し、排気管11は排気ポンプ17(排気手段)に接続されている。即ち、下部チャンバ2aに上部チャンバ2bが密着してチャンバ2内が気密状態とされ、排気ポンプ17により排気管11を通じて排気することにより、チャンバ2内が減圧されて所定の真空状態となされるように構成されている。
排気管11の途中には、流量調整バルブ15(排気量調整手段)とメインバルブ16とが設けられている。前記流量調整バルブ15は、コンピュータからなる制御部20によって、そのバルブ開度が制御され、この開度に応じてチャンバ2内からの排気量が決められる。
また、排気管11には、チャンバ2内の圧力検出を行うための圧力検出部18(圧力検出手段)が設けられており、制御部20は圧力検出部18の検出結果に基づき流量調整バルブ15のバルブ開度を設定するようになされている。
また、制御部20は、チャンバ2内の減圧を一定の制御に基づいて行うために、所定の制御プログラムを記憶し、減圧乾燥処理の開始時にこの制御プログラムが実行されるようになされている。
尚、この制御プログラムは、図3に示すように時間経過に伴い、チャンバ2内の圧力が変化するように制御を行うようになされている。また、この図3に実線で示す圧力線にあっては、直線的に圧力変化するものとしているが、それに限らず一点鎖線で示すように曲線的に変化させる制御を行ってもよい。
続いて、前記制御プログラムを用いた減圧乾燥処理について説明する。
前段工程において、基板Gの被処理面に塗布液であるレジスト液が塗布されると、減圧乾燥装置1に前記基板Gが搬入され、ステージ4上に載置される。
また、下部チャンバ2aに対して上部チャンバ2bが閉じられ、気密状態のチャンバ2内に基板Gが収容される(図2のステップS1)。
チャンバ2内が気密状態となされると、排気ポンプ17が駆動されると共にメインバルブ16が開かれ、図3の時点t0からチャンバ2内の排気が開始される。
ここで先ず制御部20は、流量調整バルブ15の開度を調整することによって、図3に示すようにチャンバ2内を第一の減圧速度v1で減圧し、チャンバ2内の圧力をレジスト液の溶剤(例えばPGMEA)の蒸気圧Peよりも高い第一の圧力値P1(例えば図3の時点t1における400Pa)とする(図2のステップS2)。尚、この第一の圧力値P1は、溶剤が突沸的に蒸発する圧力値よりも高く、前記溶剤が突沸的に蒸発することがない、例えば、溶剤が全く蒸発しない場合、及び多少蒸発する場合(例えば、図5の30sec付近の蒸発速度の場合)を含む圧力値である。また、ここでいう溶剤の蒸気圧とは、減圧環境下における蒸気圧の値を示す。
チャンバ2内の圧力が第一の圧力値P1に達すると、制御部20は流量調整バルブ15の開度を閉じる方向に調整し、排気量を減少させることによって、前記第一の減圧速度v1よりも遅い第二の減圧速度v2で緩やかに減圧を行う(図2のステップS3)。
この第二の減圧速度v2による緩やかな減圧制御は、図3に示すように第一の圧力値P1の時点t1から第二の圧力値P2(例えば250Pa)の時点t3となるまで行われる。
尚、前記第二の圧力値P2は、レジストの溶剤の蒸気圧Peよりも低い値であり、前記第二の減圧速度v2により緩やかに減圧を続けた場合にレジスト中の溶剤の蒸発が完了する時点t3での圧力値である。前記第一の圧力値P1、第二の圧力値P2は、溶剤の種類等の諸条件に応じて予め設定されている。
ここで、制御部20は、チャンバ2内の圧力が第一の圧力値P1から第二の圧力値P2に減圧されるまで間、圧力検出部18の検出結果に基づき、チャンバ2内の減圧速度が前記第二の減速速度v2付近(所定範囲内)にあるか否かを監視する(図2のステップS4)。
そして、チャンバ2内の減圧速度が所定範囲よりも小さい場合には(図2のステップS5)、排気流量が増加するよう流量調整バルブ15の開度を大きくする(図2のステップS6)。一方、チャンバ2内の減圧速度が所定範囲よりも大きい場合には(図2のステップS5)、排気流量が減少するよう流量調整バルブ15の開度を小さくする(図2のステップS7)。
また、図3に示すように、チャンバ2内の圧力が第一の圧力値P1から第二の圧力値P2に緩やかに減圧される間の時点t2において、チャンバ2内の圧力は溶剤の蒸気圧Peに達する。
このため、チャンバ2内の圧力が緩やかに蒸気圧Peに達する時点t2の少し前から、溶剤の蒸発が(突沸することなく)低速度で開始され、更に第二の圧力P2に達するまでの間、時間をかけて安定した蒸発速度で溶剤の蒸発が進行する。
そしてチャンバ2内の圧力が第二の圧力値P2まで減圧されると(図2のステップS8)、レジスト中の溶剤の蒸発が略完了し、制御部20は排気ポンプ17の駆動を停止し、減圧乾燥処理を終了する(図2のステップS9)。
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、チャンバ2内の圧力がレジストの溶剤の蒸気圧よりも高く、少なくとも前記溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値P1の時点t1から、より低速度の緩やかな減圧速度v2により減圧が行われる。
この制御により、基板面付近における圧力は、ばらつくことなく面内均一な状態を維持して緩やかに減圧され、溶剤の蒸気圧に達する。
その結果、レジスト膜からの溶剤の突沸的な蒸発が抑制され、低速度での溶剤の蒸発を行うことができ、レジストの乾燥状態を均一にすることができる。
また、レジストの乾燥状態が均一になることにより、例えばハーフ露光処理を用いた場合の配線パターン形成過程におけるレジストパターンの残膜厚及び線幅の均一性を向上することができる。
尚、前記実施の形態においては、減圧乾燥装置1において排気量調整手段として流量調整バルブ15を設け、その開度を調整することによりチャンバ2からの排気量の制御を行う構成としたが、本発明にあっては、その構成に限定されるものではない。
例えば、流量調整バルブ15に替えて、排気管11内にエアを流し込むエア導入手段(図示せず)を設け、そのエア導入量を調整することにより排気量の制御を行う構成としてもよい。
また、図3を用いて説明したように、圧力制御にあっては、第一の圧力値P1と第二の圧力値P2とを設定し、それらの圧力値に達するまでの減圧速度を制御するようにしたが、更に圧力値の設定数を増やし、より細かく減圧速度を制御してもよい。
例えば、図3に示すように第一の圧力値P1の付近に、さらに第三の圧力値P3、第四の圧力値P4を追加し、第一の圧力値P1に達するまでの減圧制御をより細かく行ってもよい。また、例えば、第一の気圧値P1と第二の気圧値P2との間に、第五の気圧値P5、第六の気圧値P6を設け、蒸気圧Pe付近の減圧制御をより細かく行ってもよい。
また、前記実施の形態においては、チャンバ2内において、基板Gをステージ4上に載置する構成としたが、その構成に限定されるものではなく、例えば、支持ピン、或いは搬送コロ(ローラ)上に載置する構成であってもよい。
続いて、本発明に係る塗布膜形成方向及び塗布膜形成装置について、実施例に基づきさらに説明する。
[実施例1−4]
実施例1−4では、レジスト塗布されたガラス基板を気密状態のチャンバ内に収容し、前記実施形態における第一の圧力値P1に相当する圧力値(400Pa)まで減圧した状態から、所定時間をかけて、第二の圧力値P2に相当する所定の圧力値まで減圧した。そして、400Paから第二の圧力値P2まで減圧する間に、溶剤の蒸発速度がどのように変化するか検証した。
尚、レジストにはAZ−SR210(AZ社)、溶剤にはPGMEAを用い、レジスト膜の塗布膜厚は1.5μmとした。
また、前記第二の圧力値P2に相当する圧力値を、実施例1では250Pa、実施例2では200Pa、実施例3では150Pa、実施例4では100Paとした。
各実施例1−4におけるチャンバ内の圧力変化を図4に示す。また、そのときのレジスト溶剤の蒸発速度の変化を図5に示す。
図5から、最も減圧速度が緩やかな実施例1(400Pa→250Pa)の場合に、溶剤の蒸発速度の変化が最も少なく、突沸的な蒸発が発生しないため好ましいことが確認された。
[実施例5−7]
実施例5−7では、前記実施形態における第一の圧力値P1に相当する圧力値を400Paとし、第二の圧力値P2に相当する所定の圧力値を250Paとし、400Paから250Paまで減圧するまでの時間によって溶剤の蒸発速度がどのように変化するか検証した。
尚、レジスト、溶剤、及び塗布膜厚は、実施例1−4と同じとした。
また、400Paから250Paまで減圧するまでの時間を、実施例5では35sec、実施例6では25sec、実施例7では15secとした。
各実施例5−7におけるチャンバ内の圧力変化を図6に示す。また、そのときのレジスト溶剤の蒸発速度の変化を図7に示す。
図7から、最も時間をかけることによって減圧速度が緩やかな実施例5の場合に、溶剤の蒸発速度の変化が最も少なく、突沸的な蒸発が発生しないため好ましいことが確認された。
以上の実施例1−7の結果から、少なくともレジスト液の溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値P1から、時間をかけて緩やかに減圧を行うことによって、レジスト膜からの溶剤の突沸的な蒸発が抑制され、低速度での溶剤の蒸発を行うことができると確認した。
[実施例8]
実施例8では、前記実施形態における第一の圧力値P1に相当する圧力値を400Paとし、第二の圧力値P2に相当する所定の圧力値を250Paとし、400Paから250Paまで減圧した。
その結果得られたレジスト膜を用いてハーフ露光処理を行い、得られたレジストパターンのパターン線幅、及び残膜厚について、基板面内の25のポイントで測定を行い、変動幅(ばらつき)を求めた。また、各測定ポイントにおいて、レジストパターン断面のテーパ角度(基板面に対する傾斜角:図8(c)に示すθ角)を測定し、それらの平均値を求めた。
また、比較例1として、従来の減圧乾燥方法、即ちチャンバ内をレジストの溶剤の蒸気圧まで急激に減圧し、その圧力を維持することによって乾燥処理を行った基板について、実施例8と同様に変動幅、及びテーパ角度を求めた。
尚、実施例8及び比較例1におけるレジストにはAZ−SR210、溶剤にはPGMEAを用い、レジスト膜の塗布膜厚は2.2μmとした。
実施例8、及び比較例1の結果を表1に示す。
Figure 2011165691
表1に示すように本発明に係る減圧乾燥方法を適用した実施例8によれば、従来方法を適用した比較例1の結果よりもレジストパターンの残膜厚、線幅ともに変動幅(ばらつき)が低減され、従来よりも基板面内での均一性が向上することを確認した。
また、テーパ角度は、実施例8では比較例1よりも小さくなり、この検証結果から、第一の圧力値P1〜蒸気圧Peの傾き(蒸発速度)を制御することでレジストパターンのテーパ角度を任意に制御できることを確認した。
1 減圧乾燥装置
2 チャンバ
2a 下部チャンバ
2b 上部チャンバ
4 ステージ
5 固定ピン
6 昇降シャフト
10 排気口
11 排気管
15 流量調整バルブ(排気量調整手段)
16 メインバルブ
17 排気ポンプ(排気手段)
20 制御部
G ガラス基板(被処理基板)
P1 第一の圧力値
P2 第二の圧力値
Pe 溶剤の蒸気圧
v1 第一の減圧速度
v2 第二の減圧速度

Claims (4)

  1. 塗布膜が形成された被処理基板を減圧環境下に置いて前記塗布膜中の溶剤を蒸発させ、前記塗布膜の乾燥処理を施す減圧乾燥方法であって、
    塗布膜が形成された前記基板をチャンバに収容し、前記チャンバ内を減圧環境とする工程において、
    前記チャンバ内の圧力を第一の減圧速度で減圧し、前記溶剤の蒸気圧よりも高く、少なくとも前記溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値とするステップと、
    前記第一の圧力値から少なくとも前記溶剤の蒸気圧となるまで、前記第一の減圧速度よりも低い第二の減圧速度で緩やかに減圧するステップとを含むことを特徴とする減圧乾燥方法。
  2. 前記チャンバ内の圧力を前記溶剤の蒸気圧とするステップの後、
    更に、前記第二の減圧速度で減圧し、前記溶剤の蒸気圧よりも低い第二の圧力値とするステップを実施することを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成方法。
  3. 塗布膜が形成された被処理基板を減圧環境下に置いて前記塗布膜中の溶剤を蒸発させ、前記塗布膜の乾燥処理を施す減圧乾燥装置であって、
    塗布膜が形成された前記基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内を排気する排気手段と、前記チャンバからの排気量を調整する排気量調整手段と、前記チャンバ内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の検出結果に基づき、前記排気量調整手段による排気調整量を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記チャンバ内の圧力が、前記溶剤の蒸気圧よりも高く、少なくとも前記溶剤が突沸的に蒸発することのない第一の圧力値となるまでは第一の減圧速度で減圧するよう前記排気量調整手段を制御し、
    前記第一の圧力値から少なくとも前記溶剤の蒸気圧となるまでは、前記第一の減圧速度よりも低い第二の減圧速度で緩やかに減圧するよう前記排気量調整手段を制御することを特徴とする減圧乾燥装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記チャンバ内の圧力が、前記溶剤の蒸気圧よりも低い第二の圧力値となるまで前記第二の減圧速度で緩やかに減圧するよう前記排気量調整手段を制御することを特徴とする請求項3に記載された減圧乾燥装置。
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