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JP2011158143A - 空気清浄装置、及び加湿機の制御方法 - Google Patents

空気清浄装置、及び加湿機の制御方法 Download PDF

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JP2011158143A JP2010019151A JP2010019151A JP2011158143A JP 2011158143 A JP2011158143 A JP 2011158143A JP 2010019151 A JP2010019151 A JP 2010019151A JP 2010019151 A JP2010019151 A JP 2010019151A JP 2011158143 A JP2011158143 A JP 2011158143A
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Daisuke Suzuki
大輔 鈴木
Keiko Kurokawa
圭子 黒河
Masahiro Izeki
正博 井関
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Abstract

【課題】各種の有害微生物の種類などを効果的に死滅させることができるとともに、紫外線照射による各部の劣化及び紫外線用光源の耐久性を最小限に抑えることができる、空気清浄装置、及び加湿機の制御方法を提供する。
【解決手段】空気吸込口1B及び吐出口1Cを有するケース本体1Aの内部に、除菌用の液体に下端部が浸漬する状態で、ローラ4B,4C間に張架されて回動する無端ベルト状のフィルタ4と、フィルタ4を通過した空気を送出させる送風用のファン5と、ケース本体1Aの内部のフィルタ4のR状に湾曲した部分の近傍に、フィルタのR状の部分に臨む状態で、フィルタ4への紫外線照射を行うための紫外線を出射する光源21を有する除菌装置20と、を備えた空気清浄装置の制御方法であって、フィルタ4の回動動作速度、除菌装置20の光源21の照射光度、及びこの光源21での紫外線照射時間が選択又は設定された定時除菌モードでの除菌動作を、通常の空気清浄運転時に、所定の時間間隔で行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気清浄装置、及び加湿機に係り、特に高い除菌機能を有する空気清浄装置、及び加湿機の制御方法に関するものである。
従来、室内の空気を浄化する空気清浄装置として、高性能空気清浄フィルタを搭載して空気中の微細な塵埃や臭いを捕集して空気を浄化する空気清浄機が普及しているが、空気清浄機は圧力損失の大きなフィルタを搭載しているため、大きな風量を処理しにくい、目詰まりにより通風抵抗が大きくなったり活性炭が飽和して臭いの吸着性能が劣化した場合にフィルタ交換が必要、別に加湿機構を組み合わせないと加湿ができない、等の課題があった。
その課題を解決する空気清浄装置として、上下方向にフィルタを不動状態で設置するとともに、このフィルタの下部に電解液を浸漬させて、その電解液を吸い上げるように構成した気液接触型除菌装置(VW;Virus Washer)が提案され開発されている。ところが、このタイプのものは、長期間の動作や使用環境によって、フィルタに汚れが多く付着すると、これが浸漬する電解液まで汚損されてしまい、電解液による除菌作用が十分に機能できない、といった事態が発生する虞があった。
そこで、例えば特許文献1に記載のものなども知られている。
即ち、この空気清浄装置は、図5及び図6に示すように、空気入り口101から流入する空気中の塵埃を捕集する集塵フィルタ102と、集塵フィルタ102に捕集された塵埃を除去する回転ブラシ103、吸引ノズル104とを備え、集塵フィルタ102は、室内側に露出すると共に空気入り口101のカバーを兼ねるように構成したものであって、集塵フィルタ102を回転ブラシ103、吸引ノズル104で自動清掃することで、集塵フィルタ102に付着した塵埃を自動的に除去するのに加え、空気入り口101に吸込みグリルなどが無いので、清掃の省力化を図ることができるようになっている。
また、この空気清浄装置にあっては、清掃ユニットカバー105の内部には、清掃手段の掃き取り手段である回転ブラシ103と、吸引手段の吸引ノズル104と、光源である紫外線ランプ106とが配置されている。また、清掃ユニットカバー105の内壁には、紫外線ランプ106からの光を反射する反射層107が設けられている。従って、この紫外線ランプ106を波長254nm付近の紫外線を含む出射特性とすることで、直接菌に作用して除菌を行うことができる。また、この空気清浄装置は、清掃ユニットカバー105の内壁に反射層107を設けるとともに、回転ブラシ103、吸引ノズル104を清掃ユニットカバー105内に一つにまとめた構造とすることで、塵の飛散を防ぐとともに、空気清浄装置内への紫外線の漏れを防いで空気清浄装置内の樹脂部品等の劣化を抑えることで、空気清浄装置の信頼性を向上させることができる。
特開2006−153289号公報
しかしながら、この除菌対象となる生物については、例えば各種のカビにあっては、殺菌に必要となる紫外線の照射光量が一律ではなく、青カビでは22.2[mW・秒/cm]、クロコウジカビでは264[mW・秒/cm]などというように、紫外線の照射光量には相当量の幅がある。
そこで、紫外線に対する耐性の強いカビなどについては、紫外線照射量を増大させるために、できるだけランプの光度(カンデラ)を高めるような状態で紫外線ランプを点灯させたり、紫外線ランプを長時間照射させることも考えられるが、あまり光度を高めるたり長時間ランプを点灯させると、照射される装置内部に設けた各部が多量の紫外線に晒されて劣化やすくなるといった、弊害を生じる虞もある。
本発明は、上記した事情に鑑み、各種の有害微生物の種類などを効果的に死滅させることができるとともに、紫外線照射による各部の劣化及び紫外線用光源の耐久性を最小限に抑えることができる、空気清浄装置、及び加湿機の制御方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、
(1)本発明の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法は、空気吸込口及び吐出口を有するケース本体の内部に、
除菌用、脱臭用、又は有害化学物質を除去する液体に下端部が浸漬する状態で、ローラ間に張架されて回動する無端ベルト状のフィルタと、
前記フィルタを通過した空気を送出させる送風用のファンと、
前記ケース本体の内部の前記フィルタのR状に湾曲した部分の近傍に、前記フィルタのR状の部分に臨む状態で、前記フィルタへの紫外線照射を行うための紫外線を出射する光源を有する除菌装置と、
前記ファン部、前記フィルタを駆動するモータ、及び前記除菌装置を制御する制御部と、
を備えた空気清浄装置、及び加湿機の制御方法であって、
前記フィルタの回動動作速度、前記除菌装置の光源の照射光度、及びこの光源での紫外線照射時間が選択又は設定された定時除菌モードでの除菌動作を、通常の空気清浄運転時に、所定の時間間隔で行う、ことを特徴とする。
この構成によれば、フィルタに付着した除菌対象物となる有害微生物の種類に応じて、フィルタの回動動作速度、除菌装置の光源の照射光度、及び照射時間のいずれかを変更して、除菌対象物となる有害微生物への紫外線照射量を調整可能としたので、例えば除菌するのに必要な照射量が少なくて済む種類の有害微生物に対して過大な紫外線量を照射させてしまう、といった無駄を回避することができる。これによって、例えば、除菌装置の光源の照射光度及び照射時間のいずれかを削減する方法で紫外線の照射量を削減させる場合には、紫外線が空気清浄装置内部の除菌装置の近傍の各部位の劣化の回避、光源の寿命向上などをもたらすことができる。
(2)また、本発明の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法は、空気吸込口及び吐出口を有するケース本体の内部に、
塩化物イオンを含む水(水道水など)を電解して電解水とする電解部と、
電解水を貯留するトレイ部と、
電解部で生成した電解水を保水し気液接触させる、無端ベルト状のフィルタを回転可能な状態で、上下に設けた一対のローラに張架させたフィルタ部と、
前記フィルタ部のフィルタを通過した空気を送出させる送風用のファン部と、
前記フィルタ部のフィルタを回転させる駆動部と、
前記フィルタのR状に湾曲した部分の近傍上部に、前記フィルタのR状の部分に臨む状態で設けた前記フィルタへの紫外線照射を行うための紫外線を出射する光源を有する除菌装置と、
前記ファン部、駆動部のモータ、及び除菌装置を制御する制御部と、
を備えた空気清浄装置、及び加湿機の制御方法であって、
前記フィルタの回動動作速度、前記除菌装置の光源の照射光度、及びこの光源での紫外線照射時間が選択又は設定された定時除菌モードでの除菌動作を、通常の空気清浄運転時に、所定の時間間隔で行う、ことを特徴とする。
この構成によれば、フィルタ部で電解水と空気を接触させて電解水により空気の除菌浄化を行うとともに、上記(1)の場合と同様、フィルタに付着した除菌対象物となる有害微生物の種類に応じて、フィルタの回動動作速度、除菌装置の光源の照射光度、及び照射時間のいずれかを変更して、除菌対象物となる有害微生物への紫外線照射量を調整可能としたので、例えば除菌するのに必要な照射量が少なくて済む種類の有害微生物に対して過大な紫外線量を照射させてしまう、といった無駄を回避することができる。これによって、例えば、除菌装置の光源の照射光度及び照射時間のいずれかを削減する方法で紫外線の照射量を削減させる場合には、紫外線が空気清浄装置内部の除菌装置の近傍の各部位の劣化の回避、光源の寿命向上などをもたらすことができる。
(3)また、本発明の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法は、上記(1)又は(2)の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法において、空気清浄運転動作の停止中に、所定の間隔で保守除菌モードでの除菌動作を定期的に行う、ことを特徴とする。
この構成によれば、運転動作停止中にもフィルタを長期間に亘って清潔に保持することができる。
(4)また、本発明の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法は、上記(3)の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法において、前記空気清浄装置の運転動作停止中の前記保守除菌モードでの除菌動作を毎回停止させてから、さらに前記ファン部を特定時間(遅延)動作させ、フィルタの乾燥動作を毎回行う、ことを特徴とする。
この構成によれば、運転動作停止中に、フィルタを長期間に亘ってさらに清潔に保持することができる。
本発明の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法は、フィルタに付着した除菌対象物となる有害微生物の種類に応じて、フィルタの回動動作速度、除菌装置の光源の照射光度、及び照射時間のいずれかを変更して、除菌対象物となる有害微生物への紫外線照射量を調整可能としたので、例えば殺菌するのに必要な照射量が少なくて済む種類の有害微生物に対して過大な紫外線量を照射させてしまう、といった無駄を回避することができる。これによって、例えば、除菌装置の光源の照射光度及び照射時間のいずれかを低減させる方法で紫外線の照射量を削減させると、紫外線が空気清浄装置内部の除菌装置の近傍の各部位の劣化の回避、光源の寿命向上などをもたらすことができる、という利点がある。
本発明の空気清浄装置の全体構成を示す概略線図である。 図1の空気清浄装置の側断面図である。 本発明の空気清浄装置の要部の作用を示す説明図である。 本発明の空気清浄装置における制御方法に用いる電気的構成を示すブロック図である。 従来の空気清浄装置の構成を示す斜視図である。 その断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気清浄装置1を示すものであり、この空気清浄装置1は、ケース本体1Aと、フロントパネル2と、給水タンク3と、フィルタ部に設けたフィルタ4と、ファン部に設けた送風ファン5と、電解部を構成する除菌用電極6と、トレイ部を構成するトレイ7と、受皿8と、光源9と、エアーフィルタ10と、図示外の駆動部を制御する制御部11と、タイマ12(図4参照)などとからなる主要な構成要素を備えている。さらに、本発明では、特に紫外線(UV)を用いた除菌装置20を備えている。
このように構成された本実施形態の空気清浄装置1では、空気吸込口1Bから送風ファン5で強制的に取り込んだ外部からの空気を、トレイ7に貯留された除菌用の液体(この場合には、次亜塩素酸(HClO)が生成された水)に下部が浸漬されたフィルタ4に通すことによって加湿された空気を形成し、その加湿された空気を吹出口1Cから外部へ排出させている。
また、詳細は後述するが、例えば、毎日特定時間内での空気清浄運転を定期的に行うような場合には、例えば、毎日、その運転停止動作直後などに、一定時間だけフィルタ4及び除菌装置20を運転させる(必要があれば、その後にさらに送風ファン5の一定時間運転させる)などの除菌動作を行う(以下、これを「定時除菌動作モード」とよぶ)。
また、例えば長期間に亘って空気清浄運転を行わないような場合にも、自動運転により、一定期間間隔で、一定時間だけフィルタ4及び除菌装置20を運転させる(必要があれば、その後にさらに送風ファン5の一定時間運転させる)などの除菌動作を行う(以下、これを「保守除菌動作モード」とよぶ)。これによって、長期間の不在などのときに、万一、フィルタ4にカビ、細菌、ウイルスなどが付着したような場合でも、除菌装置20によって、付着したこれらの微生物を死滅させることができるようになっている。
ケース本体1Aは、大略構成として、図1に示すように、内部に、給水タンク室S、送風ファン室S、フィルタ室S、エアーフィルタ室S、制御室S、光源室Sを設けている。また、ケース本体1Aは、背面に網目状の空気吸込口1B及び上面にルーバ1Fを付設した吹出口1Cをそれぞれ有するとともに、正面(フロント面)に給水タンク3を出し入れするための開放口1Dを設けており、さらに上面には操作パネル部1E(図2参照)が設置されている。
操作パネル部1Eには、電源スイッチ11Aなどの他に、例えばフィルタ4に付着した除菌対象となる有害微生物(例えば、カビの種類など)に応じて、或いは室内の汚れの変化、季節的な変化(カビが発生する時期)、使用環境の変化などに対応して、除菌能力を適宜変更させるために、除菌装置20の後述する光源21の点灯動作やその点灯動作時間を適宜変更可能とするパワー切替スイッチ11B(図4参照)を備える。
例えば、比較的清浄でカビ増殖が少ない環境で使用する場合には、パワー切替スイッチ11Bを弱めに設定することで、必要最小限に抑えた紫外線光量(例えば、22.2[mW・sec/cm]程度)をフィルタ4に照射する一方、耐性カビが多く増殖するような環境で使用する場合、多目の紫外線光量(例えば、264[mW・sec/cm]程度)をフィルタ4に照射すればよい。
これにより、無駄な紫外線を除菌装置20の周辺に照射させてしまい、これら周辺部が余分な紫外線で劣化したり、光源21であるUVランプの耐久性が低下する、といったことを回避できるようになる。
給水タンク3は、後述する除菌用電極6による化学反応により除菌作用を有する液体(例えば、電解水など)、本実施形態では次亜塩素酸HClOを生成させるため、塩化物イオン(Cl)を含有する水(水道水)を収容するものである。なお、本実施形態では、図1に示すように、給水タンク室Sにおいて透明なタンク内部に水道水(或いは塩素殺菌された水など)が収容されている。
フィルタ4は、所定湿度に加湿され、かつ、除菌された空気を生成して空気清浄装置1の外部へ送り出すためのものであり、適宜の材料(例えば、所要の繊維材料を比較的粗いメッシュ状に編みあげたもの)で形成された無端ベルトで構成されており、図1に示すように、フィルタ室Sにおいて、ケース本体1A内の給水タンク3の近傍のトレイ7の液皿7Bに貯められた除菌液に下端部が浸漬する状態で設置されている。本実施形態のフィルタ4は、図1に示すように、フィルタユニット4Aの上下に配置した一対のローラ4B,4Cの間に張架されており、いずれか一方のローラと物理的に連結されるとともに制御部11で制御される駆動部に設けた図4に示すステップモータ41によって回転駆動する。
送風ファン5は、図1に示すように、フィルタ4を通過してきた空気を強制的に吸引するとともに、この空気を吹出口1Cから外部へ送出するものであり、フィルタ4の近傍の送風ファン室Sに設置されている。
また、この送風ファン5は、長期間不在などのときのように長期間運転動作を行わないときに、フィルタ4の回動動作と除菌装置20を所定時間だけ自動運転させた後で、回動停止するフィルタ4に対して乾燥させるため、制御部11の制御によって一定時間だけ自動運転を行うことが可能になっている。
除菌用電極6は、前述した給水タンク3内の水から除菌作用を有する電解液である、例えば次亜塩素酸(以下、除菌液とよぶ)を生成させるために、トレイ7の液皿7Bに貯水された除菌液中に浸漬されている。本実施形態の除菌用電極6は、フィルタ4を収容・保持するフィルタユニット4Aの下部から吊下された状態で一対以上の電極が設置されており、配線の一部となる導電性金属6Aなどを介して制御部11側と電気的な接続が図られている。
トレイ7は、図1に示すように、ケース本体1Aの底部において、給水タンク室Sからフィルタ室Sの下部にかけて設置されている。
液皿7Bには、給水タンク3から送り出された水道水から除菌液が生成されて貯められており、適宜のタイミングで回転駆動されている無端ベルト状のフィルタ4の下部領域がこの除菌液に常時浸漬されている。
受皿8は、フィルタ室Sの下部に設置されており、普段、フィルタ室Sにフィルタユニット4Aが収容されている状態のときには、図6に示すように、縦方向に起立した状態でフィルタ室S内に収容されている。
エアーフィルタ10は、図1に示すように、外部から取り込んでフィルタ4を通過する前の空気の浄化を行うものであり、フィルタ室Sに臨むケース本体1A内部の背面側において、空気吸込口1Bに対向配置されている。
制御部11は、各種制御を司る電気系統の各種電子部品などが制御ボックス内に収容されてユニット化(またはモジュール化)されている。
本発明の制御部は、図4に示すように、タイマ12、ファン5、UVランプ21、除菌用電極6、フィルタ回動用のステップモータ41、電源スイッチ11A、パワー切替スイッチ11Bなどと接続されており、前述した定時除菌動作モードや保守除菌動作モードに応じて、これらの電子・電気器機などを適宜作動・制御させるように構成されている。
次に、特に本発明の特徴的な構成要素である除菌装置20について、その構成を説明する。
図3は、除菌装置20を示すものであり、この除菌装置20は、フィルタ4のR状に湾曲した上部(以下、R部とよぶ)に近接し、かつ、このR部に臨む状態でフィルタ4への紫外線照射を行うようになっている。本実施形態の除菌装置20は、光源21と、反射ミラー22と、を備えており、トレイ7の液皿7Bに貯水された電解水である除菌液(HClO)による殺菌メカニズムとは全く異なる殺菌特性を備えた、紫外線を用いた殺菌メカニズムで、カビやインフルエンザウイルスなどを死滅させる。
光源21は、フィルタ4を構成する無端ベルトを上部側で架設して支持する上部ローラ4Bの少なくとも回転中心位置Oよりも上側位置であって、無端ベルト上部の(R状に湾曲した)R部の表面部分に対して所要量の紫外線を照射するようになっており、所要の短波長を出射する紫外線照射ランプ(UVランプ)で構成されている。なお、この紫外線を照射させる光源21には、特にこの紫外線照射ランプに限定されるものではなく、例えば所要の波長(例えば、凡そ250nm前後)の紫外線を出射するLEDなどでも可能であるが、この場合には、紫外線照射ランプに比べて指向性が強いので、例えばフィルタ4の幅(Y)方向に平行に複数設置するようにするのが好ましい。
また、この光源21は、制御部11によるタイマ12での制御によって動作が制御されており、例えばフィルタ4を回転駆動させるステップモータ41の駆動動作と連動して或いはステップモータ41動作中の時間内の適宜のタイミングで点灯動作させ、所要の紫外線光量をフィルタ4に順次照射させるように動作する。これにより、特にフィルタ4を構成する繊維間の隙間まで十分な紫外線照射が行われ、その結果、高い除菌作用が発揮できるようになっている。
なお、この光源21は、安全性を考慮して、ケース本体1Aの奥部(−X)方向に向けた状態でフィルタ4に対向配置させることで、危険な紫外線がケース本体1A外部へ向けて出射するのを回避している。
反射ミラー22は、光源21からの紫外線を入射させ、フィルタ4を構成する無端ベルトの(R状に湾曲した)R部の表面部分及びその近傍に向けて反射させるものであり、これによって、フィルタ4に対して例えば光源21の設置される一面側とは反対側の部分に至るまで、紫外線が十分な時間照射される。
本実施形態の反射ミラー22は、鏡面加工された適宜の材料(例えば、鏡面加工されたアルミニウムなど)を光源21に向けて凹状に湾曲させてあるが、ここでの反射紫外線がR部に効果的に照射されるように、その形状を最適な関数形状に合わせて、固有形状に形成すれば一層効果的である。
なお、本実施形態の除菌装置20にあっては、上部ローラ4Bの表面23にも鏡面加工を施すことによって反射手段としての機能を付加しており、光源21からの紫外線がフィルタ4の繊維の隙間などを通過してしまった場合にも、これを反射させることによって、フィルタ4の外側面だけでなく上部ローラ4Bに対面する内側面にも紫外線を照射できる。
また、本実施形態では、反射ミラー42及び上部ローラ4Bに対して、長期間の使用に伴ってさびなどの腐食が発生するのを防止するために、紫外線を透過する適宜の防食皮膜を鏡面加工面上に成膜させるような構成としてもよい。
次に、本実施形態の除菌装置20の作用について説明する。
制御部11による駆動制御で図示外のステップモータが回転駆動し、このモータに連結する上部ローラ4Bが強制回転することで、この上部ローラ4B及び下部ローラ4C間に架設されたフィルタ4が所定方向に回動される。即ち、本実施形態では、図1において反時計方向に回動するフィルタ4に対して、制御部11による制御が行われ、少なくとも、フィルタ4の回動動作中の所要時間だけ除菌装置20が動作する。つまり、所定の回動数だけフィルタ4が回動する際に、この回動動作に合わせて、除菌装置20が動作して光源21が点灯するので、この光源21から所定波長の紫外線が上部ローラ4B近傍からフィルタ4に向けて照射される。
これによって、図3に示すように、大部分の紫外線が直接フィルタ4の湾曲したR部に照射される一方、直接照射されなかった残りの紫外線はその殆どが反射ミラー22に入射してここで反射されてから、フィルタ4のR部へ再び向かう。従って、光源21から出射する紫外線はその殆どが直接的に又は間接的にフィルタ4へ照射されることになる。
ところで、除菌装置20を近傍に設けてあるフィルタ4のR状に湾曲したR部では、このフィルタ4を構成する繊維の向きがフィルタ4の移動動作とともに略180度回動していくので、その繊維およびその間の隙間もこれに伴って除菌装置20に対する向きが大きく変動する。その結果、その繊維外周面の隙間を臨む部分などへの紫外線の照射方向も刻々と変化させることができる。従って、フィルタ4の表面ばかりかそのフィルタ4を構成する繊維において、フラットな状態では外部に露出することがなく普段は外部から見えにくい、繊維間の隙間に臨む厚さ方向の中間部分の外面部位に対してまでも、多様な方向から紫外線を照射させることができるようになるわけである。
さらに、そのフィルタの繊維の間(隙間)を通過したために、フィルタ4に到達できなかった紫外線についても、上部ロータ4Bの表面に設けた鏡面加工による反射機能を利用して効果的な反射が行われるので、そこで反射した紫外線はこの上部ロータ4Bに対面・接触するフィルタ4の内側面にも照射させることができる。このようにして、フィルタ4の表裏面の各部位にむらなく十分な量の紫外線を照射させることができるので、紫外線による高い除菌作用を発揮できるようになるわけである。
次に、本発明に係る空気清浄装置1の制御方法について、説明する。
1)通常の空気清浄運転モード;
本発明の空気浄化装置は、電源スイッチ11Aを投入すると、制御部11の動作によって、駆動部のステップモータ41によりフィルタ4及びファン5が回転し、外部の空気が背面側の空気吸込口1Bからケース本体1A内部へ取り込まれてフィルタ4を通過する。即ち、この外部から取り込んだ空気は、フィルタ4を通過する際、このフィルタ4で浄化されるとともに、この浄化された空気がファン5によって上面側の吹出口1Cからケース本体1A外部へ再び送り出されていく。
なお、フィルタ4は、無端ベルト状を有して上下のローラ4B,4C間に緊張状態に架設されて適宜のタイミングで回転することにより、液皿7B内の除菌液に順次浸漬されていくことで、電解水による殺菌メカニズムを利用したフィルタ4の除菌が行われる。
2)定時除菌動作モードでの運転;
通常の空気清浄運転時には、制御部20の制御により、タイマ12からの時間信号によって、一定時間間隔で(例えば毎日、毎時午後12時に)、除菌装置20の光源(UVランプ)21、及びステップモータ41が所定時間だけ動作して、回動するフィルタ4に対して光源21が所定の光度で作動し、所要量の紫外線がフィルタ4に対して照射される。
また、本発明では、このような定時除菌動作モードでの運転について、例えばフィルタ4に付着した除菌対象となる有害微生物(の種類)に応じて、或いは室内の汚れの変化や季節的にカビの多く発生する時期などに対応して、パワー切替スイッチ11Bを適宜に調整することで、除菌能力を適宜変更(または選択)させることができる。これにより、少なくとも、フィルタ4の回動動作速度、除菌装置20の光源(UVランプ)21の照射光度、及び照射時間のいずれかを変更することで、最適な照射量の紫外線を切り替えてフィルタに照射して、定時除菌動作モードでの除菌動作を行うことができる。その結果、トレイ7の液皿7Bに貯水された電解水である除菌液(HClO)による殺菌メカニズムとは全く異なる殺菌特性を備えた、紫外線を用いた殺菌メカニズムで、カビ、細菌、インフルエンザウイルスなどを死滅させることができる。しかも、トレイ7の液皿7Bに貯水された電解水である除菌液(HClO)が汚損されてこの電解水による殺菌メカニズムが有効に機能していない場合であっても、この紫外線を用いた殺菌メカニズムがこれを補償することができるので、安定した除菌効果が得られる。
3)保守除菌動作モードでの運転;
通常の空気清浄運転モードを停止・終了したときには、この運転動作停止中に、除菌装置20による保守除菌動作モードでの除菌動作が所定の時間間隔で定期的に繰り返し行われる。即ち、例えば、タイマ12による時間信号に基づき、制御部11からは、数日間隔(或いは毎日でもよい)で所定の制御信号がステップモータ41及び除菌装置20の光源21に出力され、所定の時間だけこれらが動作するので、回動動作中のフィルタ4に対して光源21から所要量の紫外線が照射される。
また、この保守除菌動作モードでの運転が終了すると、さらにファン部を、特定時間(遅延)動作させてフィルタ4への乾燥作業を行う。即ち、制御部11からの制御信号がファン5に一定時間だけ出力され、紫外線照射されて有害微生物(例えば各種のカビなど)付着されていた場合にはこれが除菌されて清浄な状態となって回動動作が停止しているフィルタ4に対して、含有する湿気が除去され乾燥状態となる。なお、このファン5については、特定時間(遅延)動作させてフィルタ4への乾燥動作を行うこともできる。
なお、この保守除菌動作モードでの運転の際にも、定時除菌動作モードでの運転と同様に、例えばフィルタ4に付着した除菌対象となる有害微生物(の種類)に応じて、或いは室内の汚れの変化や季節的にカビの多く発生する時期などに対応して、パワー切替スイッチ11Bを予め適宜に調整しておくことで、除菌能力を適宜変更(または選択)させておくことができる。これにより、少なくとも、フィルタ4の回動動作速度、除菌装置20の光源(UVランプ)21の照射光度、及び照射時間のいずれかを変更し、最適な照射量の紫外線を切り替えた状態でフィルタに照射して、保守除菌動作モードでの除菌動作を行うことができる。
従って、本実施形態によれば、通常の空気清浄運転時には、定時除菌モードでの除菌動作を行う際に、例えばフィルタ4に付着した除菌対象となる有害微生物の種類に応じて、少なくとも、フィルタ4の回動動作速度、除菌装置20の光源21の照射光度、及び光源21での紫外線の照射時間のいずれかを変更(切り替える)することが可能である。
従って、例えば除菌するのに必要な照射量が少なくて済む種類の有害微生物に対して過大な紫外線量を照射させてしまう、といった無駄を回避することができる。これによって、例えば、除菌装置の光源の照射光度及び照射時間のいずれかを削減する方法で紫外線の照射量を削減させる場合には、紫外線が空気清浄装置内部の除菌装置の近傍の各部位の劣化の回避、光源の寿命向上などをもたらすことができる。
また、本実施形態によれば、保守除菌動作モードでの運転の際にも、同様に、例えばフィルタ4に付着した除菌対象となる有害微生物の種類に応じて、少なくとも、フィルタ4の回動動作速度、除菌装置20の光源21の照射光度、及び光源21での紫外線の照射時間のいずれかを変更(切り替える)することが可能である。その結果、除菌装置の光源の照射光度及び照射時間のいずれかを削減する方法で紫外線の照射量を削減させる場合には、紫外線が空気清浄装置内部の除菌装置の近傍の各部位の劣化の回避、光源の寿命向上などをもたらすことができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。従って、本発明は空気清浄装置を備える加湿機にも適用できるし、加湿機にも適用できることはいうまでもない。
即ち、本実施形態では、除菌機能を付与するため、除菌用の液体として、水道水に含まれる塩化物イオンを利用し、電極を用いて電気的な化学反応で次亜塩素酸(除菌液)を生成する構成としたが、本発明では特にこれに限定されるものではない。即ち、本発明の空気清浄装置を、例えばホルムアルデヒド,トルエン、VOC(Volatile Organic Compound;揮発性有機化合物)、などの有害化学物質や臭気物質を除去する、つまり化学物質除去機能を有する空気浄化装置として構成する場合には、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ性を有する機能水や活性炭など吸着性のある適宜の成分を含む薬液を使用することで、脱臭機能を有する空気浄化装置として使用することも可能である。
本発明の空気清浄装置、及び加湿機は、フィルタに付着した除菌対象物となる有害微生物の種類に応じて、フィルタの回動動作速度、除菌装置の光源の照射光度、及び照射時間のいずれかを変更して、除菌対象物となる有害微生物への紫外線照射量を調整可能としたので、例えば除菌するのに必要な照射量が少なくて済む種類の有害微生物に対して過大な紫外線量を照射させてしまう、といった無駄を回避することができ、紫外線が空気清浄装置内部の除菌装置の近傍の各部位の劣化の回避、光源の寿命向上などが可能となり、便宜である。
1 空気清浄装置
1A ケース本体
1B 空気吸込口
1C 吹出口
1D 開放口
2 フロントパネル
3 給水タンク
4 フィルタ
4A フィルタユニット
4B (上部)ローラ
4C (下部)ローラ
5 送風ファン
6 除菌用電極
7 トレイ
7B 液皿
8 受皿
9 光源(LED)
10 エアーフィルタ
11 制御部
11A 電源スイッチ
11B パワー切替スイッチ
12 タイマ
20 除菌装置
21 光源(紫外線照射ランプ)
22 反射ミラー
23 上部ローラの表面(反射手段)
41 ステップモータ

Claims (8)

  1. 空気吸込口及び吐出口を有するケース本体の内部に、
    除菌用、脱臭用、又は有害化学物質を除去する液体に下端部が浸漬する状態で、ローラ間に張架されて回動する無端ベルト状のフィルタと、
    前記フィルタを通過した空気を送出させる送風用のファンと、
    前記ケース本体の内部の前記フィルタのR状に湾曲した部分の近傍に、前記フィルタのR状の部分に臨む状態で、前記フィルタへの紫外線照射を行うための紫外線を出射する光源を有する除菌装置と、
    前記ファン部、前記フィルタを駆動するモータ、及び前記除菌装置を制御する、タイマを備えた制御部と、
    を備えた空気清浄装置、及び加湿機の制御方法であって、
    前記フィルタの回動動作速度、前記除菌装置の光源の照射光度、及びこの光源での紫外線照射時間が選択又は設定された定時除菌モードでの除菌動作を、通常の空気清浄運転時に、所定の時間間隔で行うことを特徴とする空気清浄装置、及び加湿機の制御方法。
  2. 空気吸込口及び吐出口を有するケース本体の内部に、
    水道水など塩化物イオンを含む水を電解して電解水とする電解部と、
    電解水を貯留するトレイ部と、
    電解部で生成した電解水を保水し気液接触させる、無端ベルト状のフィルタを回転可能な状態で、上下に設けた一対のローラに張架させたフィルタ部と、
    前記フィルタ部のフィルタを通過した空気を送出させる送風用のファン部と、
    前記フィルタ部のフィルタを回転させる駆動部と、
    前記フィルタのR状に湾曲した部分の近傍上部に、前記フィルタのR状の部分に臨む状態で設けた前記フィルタへの紫外線照射を行うための紫外線を出射する光源を有する除菌装置と、
    前記ファン部、駆動部のモータ、及び除菌装置を制御する、タイマを備えた制御部と、
    を備えた空気清浄装置、及び加湿機の制御方法であって、
    前記フィルタの回動動作速度、前記除菌装置の光源の照射光度、及びこの光源での紫外線照射時間が選択又は設定された定時除菌モードでの除菌動作を、通常の空気清浄運転時に、所定の時間間隔で行うことを特徴とする空気清浄装置、及び加湿機の制御方法。
  3. 空気清浄運転動作の停止中に、所定の間隔で保守除菌モードでの除菌動作を定期的に行う請求項1又は2に記載の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法。
  4. 前記空気清浄装置の運転動作停止中の前記保守除菌モードでの除菌動作を毎回停止させてから、さらに前記ファン部を特定時間(遅延)動作させ、フィルタの乾燥動作を毎回行う、請求項3に記載の空気清浄装置、及び加湿機の制御方法。
  5. 空気吸込口及び吐出口を有するケース本体の内部に、除菌用の液体に下端部が浸漬する状態で、ローラ間に張架されて回動する無端ベルト状のフィルタを駆動する駆動部と、
    前記フィルタを通過した空気を送出させる送風用のファン部と、
    前記ケース本体の内部の前記フィルタのR状に湾曲した部分の近傍に、前記フィルタのR状の部分に臨む状態で、前記フィルタへの紫外線照射を行うための紫外線を出射する光源を有する除菌装置と、
    前記ファン部、駆動部のモータ、及び除菌装置を制御する、タイマを備えた制御部と、
    を備えた空気清浄装置、及び加湿機において、
    前記制御部は、前記駆動部のモータ及び前記除菌装置の制御により、前記フィルタの回動動作速度、除菌装置の光源の照射光度、及びこの光源での紫外線照射時間が選択又は設定された定時除菌モードでの除菌装置による除菌動作を、通常の空気清浄運転時に、所定の時間間隔で行うことを特徴とする空気清浄装置、及び加湿機の制御装置。
  6. 空気吸込口及び吐出口を有するケース本体の内部に、
    水道水を電解して電解水とする電解部と、
    電解水を貯留するトレイ部と、
    電解部で生成した電解水を保水し気液接触させる、無端ベルト状のフィルタを回転可能な状態で、上下に設けた一対のローラに張架させたフィルタ部と、
    前記フィルタ部のフィルタを通過した空気を送出させる送風用のファン部と、
    前記フィルタ部のフィルタを回転させる駆動部と、
    前記フィルタのR状に湾曲した部分の近傍上部に、前記フィルタのR状の部分に臨む状態で設けた前記フィルタへの紫外線照射を行うための紫外線を出射する光源を有する除菌装置と、
    前記ファン部、駆動部のモータ、及び除菌装置を制御する、タイマを備えた制御部と、
    を備えた空気清浄装置、及び加湿機において、
    前記制御部は、前記駆動部のモータ及び前記除菌装置の制御により、前記フィルタの回動動作速度、除菌装置の光源の照射光度、及びこの光源での紫外線照射時間が選択又は設定された定時除菌モードでの除菌装置による除菌動作を、通常の空気清浄運転時に、所定の時間間隔で行うことを特徴とする空気清浄装置、及び加湿機の制御装置。
  7. 前記制御部は、空気清浄運転動作の停止中に、所定の間隔で保守除菌モードでの除菌動作を定期的に行う、請求項5又は6に記載の空気清浄装置、及び加湿機の制御装置。
  8. 前記制御部は、前記空気清浄装置の運転動作停止中の前記保守除菌モードでの除菌動作を毎回停止させてから、さらに前記ファン部を特定時間(遅延)動作させ、フィルタの乾燥動作を毎回行う、請求項7に記載の空気清浄装置、及び加湿機の制御装置。
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