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JP2011037686A - 水素処理システム - Google Patents

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JP2011037686A
JP2011037686A JP2009188641A JP2009188641A JP2011037686A JP 2011037686 A JP2011037686 A JP 2011037686A JP 2009188641 A JP2009188641 A JP 2009188641A JP 2009188641 A JP2009188641 A JP 2009188641A JP 2011037686 A JP2011037686 A JP 2011037686A
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anode
hydrogen
combustor
electrode
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Tetsuya Yoshida
哲也 吉田
Hirokazu Takahashi
広一 高橋
Hisashi Nagaoka
久史 長岡
Jun Takeuchi
淳 武内
Daisuke Kurashina
大輔 倉品
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】水素精製モードでの運転を停止した後、水素精製モード又は発電モードでの運転を開始したときに、燃焼器の温度が急激に上昇することを防止した水素処理システムを提供する。
【解決手段】電極構造体20をイオンポンプとして機能させる水素精製モードでの運転、又は電極構造体20を燃料電池として機能させる発電モードでの運転を開始したときに、運転制御手段61は、STEP4で前回実行した運転モードが水素精製モードであったか否かを判断し、前記実行した運転モードが水素精製モードであったときには、STEP5で、触媒燃焼器35の温度が所定温度以下となるように、電極構造体20のアノード電極22から触媒燃焼器35へのアノードオフガスの供給量を制限する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、改質装置により生成した改質ガス中の水素を処理する水素処理システムに関する。
従来より、炭化水素を主体とする原燃料を改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質装置と、アノード電極とカソード電極の間に電解質膜を配置して構成された電極構造体(DMS:Dual Mode Stack)とを備えて、改質装置から電極構造体に改質ガスを供給し、電極構造体で改質ガス中の水素を処理する水素処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された水素処理システムにおいては、電極構造体をイオンポンプとして機能させて、改質装置により得られる改質ガスから水素を精製する水素精製モードでの運転と、電極構造体を燃料電池として機能させて、改質ガス中の水素と酸化剤ガスとの反応により電流を出力する発電モードでの運転とが行なわれている。
水素精製モード或いは発電モードでの運転時には、電極構造体での精製又は発電の処理に伴なって改質ガスの水素が消費されるが、改質ガス中の全ての水素が消費されるわけではなく、消費されなかった水素が残存するオフガスが改質装置の燃焼器に排気される。
そして、燃焼器でオフガス中の水素が燃焼し、その燃焼熱により、原燃料と水が供給される熱交換器が加熱されて原燃料と水蒸気との混合燃料が生成され、この混合燃料が改質器に送出されて水蒸気改質により改質ガスが生成される。
特開2009−120421号公報
本願発明者らは、水素精製モードでの運転を停止した後に、水素精製モード又は発電モードでの運転を開始したときに、燃焼器に水素濃度の高いオフガスが供給されて燃焼器の温度が急激に上昇し、改質装置の正常動作が妨げられる場合が生じ得ることを知見した。
そこで、本発明は、水素精製モードでの運転を停止した後、水素精製モード又は発電モードでの運転を開始したときに、燃焼器の温度が急激に上昇することを防止した水素処理システムを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、原燃料を改質して改質ガスを生成すると共に、改質処理の熱源として燃焼器を有する改質装置と、ガス流路を有するアノード電極及びカソード電極を、電解質膜を挟んで配置して構成された電極構造体と、前記アノード電極のガス流路と前記燃焼器間を接続したアノードオフガス流路と、前記アノード電極と前記カソード電極間に所定電圧を印加した状態で、前記アノード電極に前記改質ガスを供給することにより、前記電極構造体をイオンポンプとして機能させて、前記改質ガス中の水素を電解質膜を透過させて前記カソード電極側に移送する水素精製モードでの運転を行う運転制御手段とを備えた水素処理システムの改良に関する。
そして、本発明の第1の態様は、前記アノードオフガス流路を介した前記アノード電極から前記燃焼器への所定時間あたりのガスの供給量を変更するガス供給量変更手段を備え、前記運転制御手段は、前記水素精製モードでの運転を停止した後、次に前記水素精製モードでの運転を開始したときに、前記燃焼器の温度が所定温度以下となるように、前記ガス供給量変更手段により、前記アノード電極から前記燃焼器への前記所定時間あたりの前記オフガスの供給量を制限するガス供給量制限処理を実行することを特徴とする。
かかる本発明において、前記水素精製モードでの運転中は、前記電極構造体のアノード電極に供給された改質ガスから精製される水素は、カソード電極側に昇圧されて送出される。そして、前記水素精製モードでの運転が停止すると、前記電極構造体は、カソード電極のガス流路には昇圧により圧力が高まった水素が充満し、アノード電極のガス流路にはほぼ大気圧に等しい改質ガスが充満した状態となる。
そして、この状態が継続すると、アノード電極とカソード電極間の圧力差により、カソード電極のガス流路に充満した水素が、電解質膜を透過してアノード電極側に移動し、アノード電極のガス流路の水素濃度が高くなる。そのため、前記水素精製モードでの運転を再開したときに、前記アノードオフガス流路を介して、アノード電極から前記燃焼器に水素濃度の高いアノードオフガスが供給される。そして、このように水素濃度の高いアノードオフガスが前記燃焼器に多量に供給されると、前記燃焼器での燃料量が増大して前記燃焼器の温度が急激に上昇する。
そこで、前記運転制御手段により、前記水素精製モードでの運転を停止した後、次に前記水素精製モードでの運転を開始したときには、前記燃焼器の温度が所定温度以下となるように、前記ガス供給量制限処理を実行することによって、前記燃焼器への水素の供給量を減少させて前記燃焼器の急激な温度上昇を防止することができる。
次に、本発明の第2の態様は、前記運転制御手段が、前記水素精製モードでの運転と、前記アノード電極に前記改質ガスを供給すると共に、前記カソード電極に酸化剤ガスを供給することにより、前記電極構造体を燃料電池として機能させて、前記アノード電極と前記カソード電極間に接続された電気負荷に電力を供給する発電モードでの運転とを行い、前記運転制御手段は、前記水素精製モードでの運転を停止した後、次に前記水素精製モードでの運転又は前記発電モードでの運転を開始したときに、前記燃焼器の温度が所定温度以下となるように、前記ガス供給量制限処理を実行することを特徴とする。
かかる本発明において、前記水素精製モードでの運転を停止した後に、前記発電モードでの運転を開始すると、上述した前記水素精製モードでの運転を再開する場合と同様に、前記アノードオフガス流路を介して、前記電極構造体のアノード電極から前記燃焼器に水素濃度の高いアノードオフガスが供給される。
そこで、前記運転制御手段により、前記水素精製モードでの運転を停止した後に、前記水素精製モード又は前記発電モードでの運転を開始するときには、前記ガス流量制限処理を行うことによって、前記燃焼器への水素の供給量を減少させて前記燃焼器の急激な温度上昇を防止することができる。
また、上記第1の態様及び第2の態様において、前記ガス流量変更手段は、前記アノードオフガス流路を介して前記アノード電極から前記燃焼器にガスを流通させるガス流通状態と、前記アノードオフガス流路を介した前記アノード電極から前記燃焼器へのガスの供給を遮断したガス遮断状態とを切り換えるガス流通状態切換手段と、所定周期における前記ガス流通状態と前記ガス遮断状態との比率を変更することによって、前記アノード電極から前記燃焼器への前記所定時間あたりのガスの供給量を変更する状態比率変更手段とからなることを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記ガス流通状態切換手段として、前記ガス流通状態と前記ガス遮断状態とを切り換える簡易な構成(電磁弁等)により、前記ガス流量変更手段を実現することができる。
水素処理システムの水素精製モードでの作動状態を示した説明図。 水素処理システムの発電モードでの作動状態を示した説明図。 水素処理システムの作動フローチャート。 水素処理システムの運転開始時の作動状態を示した説明図。 触媒燃焼器へのアノードオフガスの供給量を制限せずに、運転を開始したときの触媒燃焼器の温度変化を示した説明図。 触媒燃焼器へのアノードオフガスの供給量を制限して、運転を開始したときの触媒燃焼器の温度変化を示した説明図。
本発明の実施形態について、図1〜6を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の水素処理システム10は、燃料電池及びイオンポンプとして機能する電極構造体20(以下、DMS(Dual Mode Stack)20という)、炭化水素を主体とする原燃料(都市ガス等)と水蒸気との混合燃料を改質して改質ガスを生成する改質装置30、DMS20に酸化剤ガスとして空気を供給するブロワ50、DMS20により精製された水素ガスを除湿してさらに精製する水素高純度化処理器55、及び、水素処理システム10の全体的な制御を行うコントローラ60を備えている。なお、水素高純度化処理器55で精製された水素ガスは、図示しない圧縮部により圧縮され、図示しない充填部により燃料電池車両の水素ボンベ等に充填される。
改質装置30は、原燃料に含まれるメタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)等の炭化水素に、水蒸気を混合して混合燃料を生成する熱交換器31、熱交換器31に水蒸気発生用の熱を付与する触媒燃焼器35(本発明の燃焼器に相当する)、混合燃料を水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器32、シフト反応により改質ガス中の一酸化炭素(CO)及び水蒸気を二酸化炭素(CO)及び水素(H)に変換するCO変成器(シフト反応器)33、及び、少量の空気を改質ガスに付加し、選択的に吸収した一酸化炭素と空気中の酸素を反応させて二酸化炭素に変換するCO除去器(選択酸化反応器)34を備えている。
触媒燃焼器35には、触媒燃焼器35の温度を検出する温度センサ35aが設けられている。同様に、改質器32、CO変成器33、及びCO除去器34にも、これらの温度を検出する温度センサ32a,33a,34aが個別に設けられている。
DMS20は、固体高分子電解質膜21をアノード電極22とカソード電極23で挟んだ電解質膜・電極構造部を有し、この電解質膜・電極構造部を図示しないセパレータと交互に積層したスタックを構成している。この場合、電解質膜・電極構造部とセパレータの間にガス流路が形成される。
DMS20は、改質ガスをアノード電極22に供給するためのアノード入口24、アノード電極22から使用済みの改質ガス(アノードオフガス)を排出するためのアノード出口25、カソード電極23に酸化剤ガスとして空気を供給するためのカソード入口27、及び、カソード電極23から使用済みの空気(カソードオフガス)を排出し、又、改質ガスから精製された水素を排出するためのためのカソード出口26を備えている。
アノード入口24とCO除去器34は、改質ガス流路40により接続され、アノード出口25と触媒燃焼器35は、アノードオフガス流路44により接続されている。改質ガス流路40には、三方電磁弁41が配置されている。三方電磁弁41には、アノードオフガス流路44と連通したアノードバイパス流路42が接続されている。
三方電磁弁41は、改質ガス流路40がアノード入口24と連通すると共にアノードバイパス流路42から遮断されたガス流通状態と、改質ガス流路40がアノードバイパス流路42に連通すると共にアノード入口24から遮断されたガス遮断状態とを切換える。なお、三方電磁弁41によって、このようにガス流通状態とガス遮断状態とを切り換える構成が、本発明のガス流通状態切換手段に相当する。
アノードオフガス流路44のアノードバイパス流路42との合流箇所の上流側には、電磁弁43が設けられている。カソード入口27には、カソード入口流路52が接続されている。カソード入口流路52には、電磁弁51とブロワ50が設けられている。
カソード出口26にはカソードオフガス流路45が接続され、カソードオフガス流路45には電磁弁48が設けられている。また、カソードオフガス流路45は、電磁弁48の上流側でカソードパージ流路46と連通し、カソードパージ流路46は電磁弁47を介してアノードオフガス流路44に連通している。カソードオフガス流路45には、水素ガス流路53が接続されており、水素ガス流路53の下流側は、電磁弁54を介して水素高純度化処理器55に接続されている。
コントローラ60は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等により構成された電子ユニットであり、このCPUに水素処理システム10の制御用プログラムを実行させることによって、コントローラ60が、運転制御手段61及び状態比率変更手段62として機能する。
運動制御手段61は、DMS20をイオンポンプとして機能させる水素精製モードでの運転と、DMS20を燃料電池として機能させる発電モードでの運転とを切換えて実行する。以下、水素精製モード及び発電モードでの水素処理システム10の動作について説明する。
先ず、水素精製モードでの運転を行なうときの水素処理システムの動作について、図1を参照して説明する。運転制御手段61は、電磁弁47,48,51を閉弁状態にすると共に、電磁弁43,54を開弁状態とする。また、運転制御手段61は、三方電磁弁41を、改質ガス流路40がアノード入口24に連通すると共にアノードバイパス流路42から遮断されたガス流通状態として、改質装置30からアノード電極22に改質ガスを供給する。
そして、運転制御手段61は、DMS20のアノード電極22とカソード電極23間に、アノード電極22を高電位側として、所定電圧を印加する。これにより、アノード電極22では、以下の式(1)の反応が起こって水素イオン(H)が発生する。
→ 2H+2e・・・・・ (1)
そして、水素イオンは、固体高分子電解質膜21を透過してカソード電極23に移動し、カソード電極23では、以下の式(2)の反応が惹起されると共に、昇圧される。
2H+2e → H・・・・・ (2)
このようにして、アノード電極22からカソード電極23に、水素イオンが移動することにより、改質ガスから高純度の水素ガスが精製される。この水素ガスは、水素ガス流路53を介して水素高純度化処理器55に送出され、水素高純度化処理器55により除湿と精製の処理が施される。
また、アノード電極22で水素イオンが抽出された後の改質ガス(未抽出の水素ガスを含む)は、アノードオフガスとして、アノード出口25からアノードオフガス流路44を経由して触媒燃焼器35に送出される。アノードオフガス中の水素ガスは、触媒燃焼器35で燃焼して燃焼熱が熱交換器31に与えられる。
次に、発電モードでの運転を行うときの水素処理システム10の動作について、図2を参照して説明する。発電モードでは、DMS20のアノード電極22とカソード電極23の間に接続される電気負荷70が利用される。
運転制御手段61は、電磁弁47,54を閉弁状態とすると共に、電磁弁43,48,51を開弁状態とする。また、運転制御手段61は、三方電磁弁41を、改質ガス流路40がアノード入口24に連通されると共にアノードバイパス流路42から遮断されたガス供給状態として、改質装置30からアノード電極22に改質ガスを供給する。
また、運転制御手段61は、ブロワ50を作動させて、カソード入口流路52を介してカソード入口27に空気(酸化剤ガス)を供給する。これにより、DMS20では、アノード電極22で、以下の式(3)の反応が起こり、水素ガス(H)が電子eを放出して水素イオン(H)となる。
→ 2H+2e・・・・・ (3)
水素イオンは、固体高分子電解質膜21中を透過し、カソード電極23において、カソード入口27から供給される空気中の酸素ガス(O)と、カソード電極23に供給される電子eとにより、以下の式(4)の反応が生じて水が生成される。
1/2O+2H+2e→ HO ・・・・・ (4)
そして、上記式(3),(4)に示したように、アノード電極22から電気負荷70を介してカソード電極23に電流が流れ、DMS20から電気負荷70に電力が供給される。
また、アノード電極22で水素イオンが抽出された後の改質ガス(未抽出の水素ガスを含む)は、アノードオフガスとして、アノード出口25からアノードオフガス流路44を経由して触媒燃焼器35に送出される。アノードオフガス中の水素ガスは、触媒燃焼器35で燃焼してその燃焼熱が熱交換器31に与えられる。
次に、図3を参照して、運転制御手段61が、改質装置30による改質ガスの生成を開始して、水素精製モード又は発電モードでの運転を行なうときの処理について説明する。
運転制御手段61は、STEP1で、三方電磁弁41を改質ガス流路40がアノードバイパス流路42に連通すると共にアノード入口24から遮断されたガス遮断状態とする。そして、続くSTEP2で、運転制御手段61は、改質装置30の熱交換器31への原燃料と水の供給を開始する。
ここで、改質装置30の熱交換器31に原燃料と水を供給し、触媒燃焼器35からの熱により熱交換器31を加熱すると、上述したように、改質器32で改質ガスが生成され、改質ガスはCO変成器33及びCO除去器34を経由して改質ガス流路40に送出される。
そして、改質装置30を起動してから改質装置30の動作が安定するまでの間は、改質ガス流路40に送出される改質ガス中のCO濃度が高く、この改質ガスをDMS20のアノード電極22に供給すると、DMS20の固体高分子電解質膜21が劣化するおそれがある。
そこで、運転制御手段61は、STEP3で改質ガス中のCO濃度が所定濃度以下になるまで、図4に示したように、改質装置30のCO除去器34から送出される改質ガスを、STEP1でガス遮断状態とされた三方電磁弁41により、アノードバイパス流路側に流通させる(ベースロード状態)。そして、これにより、CO濃度が高い改質ガスがDMS20のアノード電極22に供給されることを禁止している。
なお、STEP3における改質ガス中のCO濃度が所定濃度以下であるか否かの判断は、温度センサ35aにより検出される触媒燃焼器35の温度及び改質装置30の起動時からの運転時間等に基づいて行われる。また、改質ガス中のCO濃度が所定濃度以下であるか否かの判断を、改質ガスの圧力等の他のパラメータに基づいて行うようにしてもよい。
STEP3で、改質ガス中のCO濃度が所定濃度以下になったときにSTEP4に進み、運転制御手段61は、前回実行した運転モードが水素精製モードであったか否かを判断する。
ここで、水素精製モードでの運転を行なっているときには、上述したように、アノード電極22に供給された改質ガスから精製された水素がカソード電極23に昇圧されて送出される。そして、水素精製モードでの運転が停止した後は、カソード電極23のガス流路には圧力が高まった水素ガスが充満し、アノード電極22のガス流路にはほぼ大気圧に等しい改質ガスが充満した状態となる。
そして、この状態が継続すると、アノード電極22中の改質ガスとカソード電極23中の水素ガスの圧力差により、カソード電極23中の水素ガスがアノード電極22に拡散し、アノード電極22中の改質ガスの水素濃度が高くなる。
このように、アノード電極22中の改質ガスの水素濃度が高い状態で、水素精製モード又は発電モードでの運転を再開すると、アノードオフガス流路44を介して、アノード電極22から触媒燃焼器35に、水素濃度が高く単位体積あたりの熱量が高い改質ガスが供給される。そのため、触媒燃焼器35に供給される改質ガスの熱量が過剰となって、触媒燃焼器35の温度が急激に上昇する。
図5は、このように、触媒燃焼器35に供給されるアノードオフガスの熱量が過剰となって、触媒燃焼器の温度が急激に上昇する様子を示したものであり、横軸が時間(t)に設定され、縦軸が上から順に、触媒燃焼器35の温度(Tb)と三方電磁弁41の連通状態に設定されている。
図中t1は、水素精製モードでの運転が停止した後に、水素精製モード又は発電モードでの運転を開始した時点である。t1で水素精製モード又は発電モードでの運転が開始されると、アノード電極22から触媒燃焼器35に、水素濃度の高いアノードオフガスが供給されて触媒燃焼器35の温度Tbが急激に上昇して、閾値Tth(本発明の所定温度に相当する)を超えている。
そして、このように、触媒燃焼器35の温度が急激に上昇すると、触媒燃焼器35から熱交換器31に付与される熱量が変動して、改質器32で生成される改質ガスの組成が不安定となり、改質ガスのCO濃度が高くなる。その結果、CO濃度が高い改質ガスがDMS20のアノード電極22に供給されて、固体高分子電解質膜21が劣化する。
また、触媒燃焼器35の温度が閾値Tthを超えると、水素処理システム10全体が緊急停止して、水素処理システム10の再起動に時間を要するという不都合がある。
そこで、運転制御手段61は、STEP4で、前回の運転モードが水素精製モードであったときは、図3のSTEP5に進んで「ガス供給量制限処理」を実行する。この「ガス供給量制限処理」は、図6に示したように、三方電磁弁41をガス流通状態とガス遮断状態とに切り換えることによって、アノード電極22から触媒燃焼器35へのアノードオフガスの供給量を制限するものである。
図6は、図5と同様に、横軸を時間(t)に設定し、縦軸を上から順に、触媒燃焼器35の温度(Tb)と三方電磁弁41の状態(Vc)に設定したものである。「ガス供給量制限処理」において、運転制御手段61は、状態比率変更手段62により、触媒燃焼器35の温度Tbが閾値Tth以下となるように、所定周期Cにおける、三方電磁弁41をガス供給状態とする期間Tonと、三方電磁弁41をガス遮断状態とする期間Toffとの比率を変更する。そして、これにより、水素精製モード又は発電モードでの運転が開始する時のアノード電極22から触媒燃焼器35へのオフガスの供給量を制限する。
図6に示したように、水素精製モードでの運転が停止した後に、水素精製モード又は発電モードでの運転を開始した時点t1から「ガス流量制限処理」を行うことによって、触媒燃焼器35の温度Tbの上昇を抑制して、触媒燃焼器35の温度Tbが閾値Tthを超えることを防止することができる。
なお、「ガス流量制限処理」を行う時間、及び所定周期Cにおける三方電磁弁41をガス供給状態とする期間Tonと三方電磁弁41をガス遮断状態とする期間Toffとの比率は、触媒燃焼器35の温度Tbが閾値Tth以下になるように決定する。この場合、「ガス流量制限処理」を行う時間と、所定周期CにおけるTonとToffの比率を、予め実験等により決定した固定値としてもよいし、温度センサ35aの検出温度を監視して、この検出温度が閾値Tthを超えないように変更してもよい。
STEP5の「ガス流量制限処理」を終了するとSTEP6に進み、運転制御手段61は、三方電磁弁41を、改質ガス流路40がアノード入口24に連通されると共にアノードバイパス流路42から遮断されたガス流通状態とする。これにより、CO除去器34から送出される改質ガスが、全てDMS20のアノード電極22に供給される状態となる。
続くSTEP7で、運転制御手段61は、今回行う運転モードの設定が、水素精製モードであるか否かを判断する。そして、今回行う運転モードの設定が水素精製モードであるときはSTEP8に進み、運転制御手段61は、上述した水素製造モードでの運転(図1参照)を行う。一方、今回行う運転モードの設定が発電モードであるときにはSTEP20に分岐し、運転制御手段61は、上述した発電モードでの運転(図2参照)を実行する。
なお、本実施形態では、水素を精製するイオンポンプ及び燃料電池として機能する電極構造体(DMS20)を示したが、イオンポンプとしてのみ機能する電極構造体について、水素精製モードでの運転を停止した後、水素精製モードでの運転を再開するときに、上述した「ガス供給量制限処理」行う場合にも、本発明の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、三方電磁弁41と状態比率変更手段62とにより、本発明のガス流量変更手段を構成したが、アノードオフガス流路44に設けられた電磁弁43を開閉することによって、或いは、電磁弁43に代えて開度可変弁を設けてアノードオフガス流路44の開度を変更することによって、アノード電極22から触媒燃焼器35へのオフガスの供給量を変更する構成としてもよい。
また、本実形態では、本発明の燃焼器として触媒燃焼器35を示したが、バーナを用いてもよい。
10…水素処理システム、20…電極構造体(DMS:Dual Mode Stack)、21…固体高分子電解質膜、22…アノード電極、23…カソード電極、30…改質装置、31…熱交換器、35…触媒燃焼器、41…三方電磁弁、60…コントローラ、61…運転制御手段、62…状態比率変更手段。

Claims (3)

  1. 原燃料を改質して改質ガスを生成すると共に、改質処理の熱源として燃焼器を有する改質装置と、
    ガス流路を有するアノード電極及びカソード電極を、電解質膜を挟んで配置して構成された電極構造体と、
    前記アノード電極のガス流路と前記燃焼器間を接続したアノードオフガス流路と、
    前記アノード電極と前記カソード電極間に所定電圧を印加した状態で、前記アノード電極に前記改質ガスを供給することにより、前記電極構造体をイオンポンプとして機能させて、前記改質ガス中の水素を電解質膜を透過させて前記カソード電極側に移送する水素精製モードでの運転を行う運転制御手段とを備えた水素処理システムにおいて、
    前記アノードオフガス流路を介した前記アノード電極から前記燃焼器への所定時間あたりのガスの供給量を変更するガス供給量変更手段を備え、
    前記運転制御手段は、前記水素精製モードでの運転を停止した後、次に前記水素精製モードでの運転を開始したときに、前記燃焼器の温度が所定温度以下となるように、前記ガス供給量変更手段により、前記アノード電極から前記燃焼器への前記所定時間あたりの前記オフガスの供給量を制限するガス供給量制限処理を実行することを特徴とする水素処理システム。
  2. 原燃料を改質して改質ガスを生成すると共に、改質処理の熱源として燃焼器を有する改質装置と、
    ガス流路を有するアノード電極及びカソード電極を、電解質膜を挟んで配置して構成された電極構造体と、
    前記アノード電極のガス流路と前記燃焼器間を接続したアノードオフガス流路と、
    前記アノード電極と前記カソード電極間に所定電圧を印加した状態で、前記アノード電極に前記改質ガスを供給することにより、前記電極構造体をイオンポンプとして機能させて、前記改質ガス中の水素を電解質膜を透過させて前記カソード電極側に移送する水素精製モードでの運転と、前記アノード電極に前記改質ガスを供給すると共に、前記カソード電極に酸化剤ガスを供給することにより、前記電極構造体を燃料電池として機能させて、前記アノード電極と前記カソード電極間に接続された電気負荷に電力を供給する発電モードでの運転とを行う運転制御手段とを備えた水素処理システムにおいて、
    前記アノードオフガス流路を介した前記アノード電極から前記燃焼器への所定時間あたりのガスの供給量を変更するガス供給量変更手段を備え、
    前記運転制御手段は、前記水素精製モードでの運転を停止した後、次に前記水素精製モードでの運転又は前記発電モードでの運転を開始したときに、前記燃焼器の温度が所定温度以下となるように、前記ガス供給量変更手段により、前記アノード電極から前記燃焼器への前記所定時間あたりの前記オフガスの供給量を制限するガス供給量制限処理を実行することを特徴とする水素処理システム。
  3. 請求項1又は請求項2記載の水素製造装置において、
    前記ガス流量変更手段は、
    前記アノードオフガス流路を介して前記アノード電極から前記燃焼器にガスを流通させるガス流通状態と、前記アノードオフガス流路を介した前記アノード電極から前記燃焼器へのガスの供給を遮断したガス遮断状態とを切り換えるガス流通状態切換手段と、
    所定周期における前記ガス流通状態と前記ガス遮断状態との比率を変更することによって、前記アノード電極から前記燃焼器への前記所定時間あたりのガスの供給量を変更する状態比率変更手段とからなることを特徴とする水素処理システム。
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