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JP2011002586A - 遮音部材 - Google Patents

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JP2011002586A
JP2011002586A JP2009144673A JP2009144673A JP2011002586A JP 2011002586 A JP2011002586 A JP 2011002586A JP 2009144673 A JP2009144673 A JP 2009144673A JP 2009144673 A JP2009144673 A JP 2009144673A JP 2011002586 A JP2011002586 A JP 2011002586A
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Abstract

【課題】環境・資源保全上の問題も解決した上で、透明性を有する遮音部材に適した特性を有する遮音部材を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネート樹脂からなる遮音部材。
【化1】
Figure 2011002586

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂からなる遮音部材に関し、更に詳しくは、バイオマス資源であるイソソルビドを含むポリカーボネート樹脂からなり、透明性を有すると共に、ガラス転移温度、表面硬度が高く、紫外線による変色性が少なく、機械的強度も良好なシート、プレート、フィルム等の形状を有する遮音部材に関するものである。
プラスチックシートは比重が軽く、溶融成形による賦形、及び切断、切削等の加工も容易であることから種々の用途に使用されている。特に透明性を有する遮音部材として、生活用品、交通運輸関連、工業用品、土木工業関連等と各方面で使用されている。具体例として、アーケードの天井シート・プレート、道路等の遮音壁、施設屋根材、又、住宅設備分野では、テラスシート、住宅内装材(各種パーティション等)等が挙げられる。従来、これらの透明性が要求される用途に対しては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等が使用されてきた。ここで、ポリ塩化ビニル樹脂は、廃棄焼却処分時に、ダイオキシンが発生する可能性があるため、環境に対して好ましくなく、最近は使用が減少している。
遮音部材においては、材質が緻密で、単位面積当たりの重量が大きいほど遮音効果(透過損失)が大きい。そのため、遮音材の一般的な例としては、コンクリート、鉄板、石材等があるが、透明性が必要な遮音部材として、ポリカーボネート樹脂は、透明性に優れ、比重も1.2と通常のポリマーの中では大きい部類に属するため遮音特性も良好であり、近年使用量も増加している。
一方、前述の透明性が要求される用途においては、部材としての寸法が大きいため、使用環境によっては、使用環境温度変化に対しての寸法安定性が必要とされ、広範囲の用途に適用されるためにはシートの耐熱性、例えばガラス転移温度(Tg )が重要な因子である。この点からは、非晶性樹脂においては、樹脂のガラス転移温度(Tg )が高いこと、例えば80℃以上、更に好ましく100℃以上であれば、かなりの温度範囲において寸法変化を抑制できるが、ポリアクリレート樹脂のガラス転移温度は80〜90℃であるので、適用される用途に制約がある。ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は130〜150℃であるので、耐熱性の観点からは遮音部材の殆どに適用可能である。
更に、遮音部材は紫外線(UV)抵抗性、高い表面硬度、良好な引張り強さ、高い光学的透明性、良好な衝撃強さ、及び難燃性を持っていることが望ましい。ポリアクリレート樹脂は、紫外線による変色性が少なく、表面硬度が高く、良好な透明性を有しているが、機械的強度がやや劣り、更には難燃性が自消性クラスに到達しないという問題がある。一方、ポリカーボネート樹脂は、機械的強度が優れており、自消性であるが、紫外線による変色性が大きく、表面硬度が低いという問題がある。表面硬度が低いことは、屋外で使用する場合は、使用中に飛砂等により、シート表面が削られるため、透明性の低下、ひどい場合には機械的強度の低下を引き起こす等、表面硬度も遮音部材用途においては重要な特性である。
ところで、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等は、一般的に石油資源から誘導される原料を用いて製造される。しかしながら、近年、石油資源の枯渇が危惧されており、植物等のバイオマス資源から得られる原料を用いたプラスチックからの資材の提供が求められている。又、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が、気候変動等をもたらすことが危惧されていることからも、使用後の廃棄処分においてもカーボンニュートラルな、植物由来モノマーを原料としたプラスチックからの資材の開発が求められている。
従来、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換により、ポリカーボネート樹脂を得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、得られたポリカーボネート樹脂は、褐色であり、満足できるものではない。又、イソソルビドと他のジヒドロキシ化合物との共重合ポリカーボネート樹脂として、芳香族ジヒドロキシ化合物のビスフェノールAを共重合したポリカーボネート樹脂が提案されており(例えば、特許文献2参照)、更に、イソソルビドと脂肪族ジヒドロキシ化合物とを共重合することにより、イソソルビドからなるホモポリカーボネート樹脂の剛直性を改善する試みがなされている(例えば、特許文献3参照)。
一方、脂環式ジヒドロキシ化合物である1,4−シクロヘキサンジメタノールを重合したポリカーボネートとしては、多数提案されている(例えば、特許文献4、5)が、これらのポリカーボネート樹脂の分子量は高々4,000程度と低いものであり、このため、ガラス転移温度が低いものが多い。
このようにイソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂の提案はなされているが、これらの文献に開示されているのは、ガラス転移温度、更には基本的な機械的特性のみで、上述の遮音部材向けに重要な表面硬度等の特性については開示されていない。
英国特許第1079686号明細書 特開昭56−55425号公報 国際公開第04/ 111106号パンフレット 特開平6−145336号公報 特公昭63−12896号公報
上記のように、透明性を有する遮音部材用途に現在広く使用されているポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、及びポリカーボネート樹脂は、該用途向け特性の上で何らかの問題を抱えている上に、より良い未来社会の構築においても環境・石油資源保全という観点から問題を有している。従って、本発明は、環境・資源保全上の問題も解決した上で、透明性を有する遮音部材に適した特性を有する遮音部材を提供することを目的としてなされたものである。
上記課題に鑑み、本発明者らは、ジヒドロキシ化合物として植物由来のモノマーであるイソソルビドを用いたリカーボネート樹脂が、表面硬度が高く、耐候変色性が少なく、又、自消性である点等から、これらの特性が遮音部材に要求される特性に合致することを見出し、発明を完成するに至った。更に、脂環式ジヒドロキシ化合物を共重合したポリカーボネート共重合体は、ガラス転移温度と耐衝撃性のバランスが良好で広範囲の遮音部材に適用されることを見出したものである。
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネート樹脂からなる遮音部材、に存する。
Figure 2011002586
植物由来のモノマーを使用した本発明のポリカーボネート樹脂からなる遮音部材は、環境・石油資源保全上の問題を解決すると共に、透明性が良好であるばかりでなく、表面高度が高く、耐候変色性が小さく、自消性であり、ガラス転移温度と耐衝撃強度のバランスが良好なので、環境・資源保全上の問題も解決した上で、透明性を有する遮音部材に適した特性を有する遮音部材を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とするものであるが、当該ジヒドロキシ化合物の一部を他種類のジヒドロキシ化合物、例えば脂肪族、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位、或いはポリアルキレングリコール等の共重合構成単位に置き換えた共重合体であってもよい。
Figure 2011002586
本発明において、上記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられ、これらは1種が単独で用いられていても、2種以上が組み合わせて用いられていてもよい。
これらのジヒドロキシ化合物のうち、資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、光学特性、成形性の面から最も好ましい。
尚、イソソルビドは酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管や、製造時の取り扱いの際には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、又、脱酸素剤を用いたり、窒素雰囲気下にしたりすることが肝要である。イソソルビドが酸化されると、蟻酸をはじめとする分解物が発生する。例えば、これら分解物を含むイソソルビドを用いてポリカーボネート樹脂を製造すると、得られるポリカーボネート樹脂に着色が発生したり、物性を著しく劣化させる原因となる。又、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られないこともある。又、蟻酸の発生を防止するような安定剤を添加してあるような場合であっても、安定剤の種類によっては、得られるポリカーボネート樹脂に着色が発生したり、物性を著しく劣化させたりする。安定剤としては還元剤や制酸剤が用いられ、このうち還元剤としては、ナトリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライド等が挙げられ、制酸剤としては水酸化ナトリウム等のアルカリが挙げられるが、このようなアルカリ金属塩の添加は、アルカリ金属が重合触媒ともなるので、過剰に添加し過ぎると重合反応を制御できなくなることもある。
酸化分解物を含まないイソソルビドを得るために、必要に応じてイソソルビドを蒸留してもよい。又、イソソルビドの酸化や、分解を防止するために安定剤が配合されている場合も、必要に応じて、イソソルビドを蒸留してもよい。この場合、イソソルビドの蒸留は単蒸留であっても、連続蒸留であってもよく、特に限定されない。雰囲気はアルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気にした後、減圧下で蒸留を実施する。本発明におけるイソソルビドとしては、このような蒸留を行うことにより、蟻酸含有量が20ppm未満、更に10ppm以下、特に5ppm以下であるような高純度のイソソルビドを用いることが好ましい。
一方、本発明におけるポリカーボネート樹脂の前記イソソルビト以外の共重合構成単位のジヒドロキシ化合物としては、直鎖脂肪族、環式脂肪族、芳香族系ジヒドロキシ化合物のいずれでもよい。直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物として、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル1,6−ヘキサンジオール、2, 2, 4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、水素化ジリノレイルグリコール、水素化ジオレイルグリコール等を挙げることができる。
又、本発明に使用できる環式脂肪族(脂環式)ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオール等のヘキサンジオール類、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール等のノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2−アダマンタンジオール類等が挙げられる。これらのうち、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
又、本発明に使用できる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基を有しないビスフェノール化合物;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族環上に置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(sec−ブチル)フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)シクロヘキサン等の芳香族環上に置換基としてアルキル基を有するビスフェノール化合物;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン等の芳香族環を連結する2価基が置換基としてアリール基を有するビスフェノール化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等の芳香族環をエーテル結合で連結したビスフェノール化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等の芳香族環をスルホン結合で連結したビスフェノール化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等の芳香族環をスルフィド結合で連結したビスフェノール化合物等が挙げられるが、好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」と略記することがある。)が挙げられる。
又、共重合構成単位のポリアルキレングリコールとしては、炭素数2〜4のアルコキシル基を1分子あたり2〜40個含有するものが好ましく、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。
これらの共重合構成単位であるヒドロキシ化合物は1種が単独で用いられていてもよく、2種以上が混合して用いられていてもよい。直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物或いはポリアルキレングリコールが共重合成分として用いられている場合、ポリカーボネート樹脂としてのガラス転移温度の低下が激しく、遮音部材としての用途に制約が生じ好ましくない。一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物が単独で用いられているポリカーボネート樹脂は、一般的に高分子量のものを得るのが困難である。一方、環式構造を有するジヒドロキシ化合物との共重合体は比較的高分子量のものを得ることが容易で、特に、環式脂肪族(脂環式)ジヒドロキシ化合物が共重合成分として用いられている場合は、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物との反応性のバランスが良好であり、且つ高分子量化も比較的容易であり、ガラス転移温度の低下も直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物よりも程度が小さく、表面硬度、機械的強度も十分高いという点で望ましい。又、芳香族ジヒドロキシ化合物が共重合成分として用いられている場合にも、比較的高分子量のものを得ることが容易で、且つガラス転移温度の低下も直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物よりも程度が小さく、表面硬度、機械的強度も十分高いという点で望ましい。
一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と環状構造を有するジヒドロキシ化合物に由来する構成単位とが共重合されたポリカーボネート樹脂の詳細を以下に述べるが、他のジヒドロキシ化合物との共重合体についても基本的には類似であり、又、前記特許文献等を参考にしての製造等も可能である。
一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との含有割合については、任意の割合で選択できる。しかし、示差走査熱量測定(DSC)を行ったとき、単一のガラス転移温度を与えるが、本発明におけるポリカーボネート樹脂は、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物の種類や配合比を調整することで、そのガラス転移温度を、用途に応じて、45℃程度から155℃程度まで任意のガラス転移温度を持つ共重合体として得ることができる。
従って、本発明の遮音部材向けには、ガラス転移温度を80℃以上にすることにより、耐熱性(使用可能温度)で70℃以上が確保できることから、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率を適切に選択する必要がある。当該比率は99:1〜30:70(モル%)であるのが好ましく、更には90:10〜40:60(モル%)であるのが好ましく、特には85:15〜45:55(モル%)であるのが好ましい。上記範囲よりも一般式(1)で表わされるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が多く脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が少ないと着色しやすくなり、逆に一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が少なく脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が多いと分子量が上がりにくく、又、ガラス転移温度が低下する傾向がある。
更に、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との含有割合については、任意の割合で選択できる。
本発明の遮音部材向けには、耐熱性(使用可能温度)を高めることが可能であるという点で、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の比率が、全ジヒドロキシ化合物に対して5モル%以上であるのが好ましく、更には10モル%以上であるのが好ましく、特には15モル%以上であるのが好ましい。又、透明性を有する遮音部材は光を透過する特性から光の当たる場所での使用が望まれており、耐光性に優れることが好ましい特性として挙げられるが、十分な耐光性を得られるという点で、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の比率が、全ジヒドロキシ化合物に対して40モル%以下であるのが好ましく、更には35モル%以下であるのが好ましく、特には30モル%以下であるのが好ましい。上記範囲よりも芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が少なくなると、ガラス転移温度が低下して耐熱性が劣るものになるおそれがあり、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位が多くなると、耐光性が低下して光に曝された場合の耐久性が低下するおそれがある。
又、本発明におけるポリカーボネート樹脂の重合度は、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶媒を用い、ポリカーボネート濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度30.0℃±0.1℃で測定した還元粘度(以下、単に「還元粘度」と記す場合がある。)として、0.40dl/g以上であるのが好ましく、特に0.40dl/g以上で2.0dl/g以下であるような重合度であることが好ましい。このポリカーボネート樹脂の還元粘度が極端に低いものでは、遮音部材としての機械的強度が弱く、一方、ポリカーボネート樹脂の還元粘度が大きくなり過ぎると、成形する際の流動性が低下し、サイクル特性を低下させ、成形品の歪みが大きくなり熱により変形し易い傾向がある。従って、本発明におけるポリカーボネート樹脂の還元粘度は、0.40dl/g以上2.0dl/g以下であるのが好ましく、特に0.45dl/g以上1.5dl/g以下の範囲内であることが好ましい。
又、本発明におけるポリカーボネート樹脂は、密度が1.30g/cm3 以上であるのが好ましく、1.32g/cm3 以上であるのが特に好ましい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、一般に用いられる重合方法で製造することができ、その重合方法は、ホスゲンを用いた溶液重合法、炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法のいずれの方法でもよいが、重合触媒の存在下に、ジヒドロキシ化合物を、より環境への毒性の低い炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。
この溶融重合法で用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2011002586
(一般式(2)において、A及びA’は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であり、A及びA’は同一であっても異なっていてもよい。)
註13;加入しました。
上記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートに代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、特に好ましくはジフェニルカーボネート、及び置換ジフェニルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種が単独で用いられていてもよく、2種以上が混合して用いられていてもよい。
炭酸ジエステルは、ジヒドロキシ化合物に対して、0.96〜1.10のモル比率で用いられているのが好ましく、特に好ましくは、0.98〜1.04のモル比率である。このモル比が0.96より小さくなると、製造されたポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシル基が増加して、ポリマーの熱安定性が悪化し、又、モル比が1.10より大きくなると、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望とする分子量のポリカーボネート樹脂の製造が困難となるばかりか、製造されたポリカーボネート樹脂中の残存炭酸ジエステル量が増加し、この残存炭酸ジエステルが、成形時、或いは成形品の臭気の原因となり好ましくない。
又、溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の1種又は2種以上が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物の1種又は2種以上が併用され得るが、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のみが使用されるのが特に好ましい。
重合触媒として用いられるアルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩等が挙げられる。
又、アルカリ土類金属化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。
又、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と併用される塩基性ホウ素化合物の具体例としては、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、及びストロンチウム塩等が挙げられる。
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、及び四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
上記重合触媒の使用量は、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の場合、一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と脂環式ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対して、金属換算量として、通常、0.1〜100μモルの範囲内であり、好ましくは0.5〜50μモルの範囲内であり、更に好ましくは1〜25μモルの範囲内である。重合触媒の使用量が少なすぎると、所望の分子量のポリカーボネート樹脂を製造するのに必要な重合活性が得られず、一方、重合触媒の使用量が多すぎると、得られるポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、副生成物が発生じたりして流動性の低下やゲルの発生が多くなり、目標とする品質のポリカーボネート樹脂の製造が困難になる。
このような本発明におけるポリカーボネート樹脂の製造に当たり、前記一般式(I)で表されるジヒドロキシ化合物等のジヒドロキシ化合物は、固体として供給されてもよいし、加熱して溶融状態として供給されてもよいし、水溶液として供給されてもよい。これらの原料ジヒドロキシ化合物を溶融状態や水溶液で供給する場合、工業的に製造する際、計量や搬送がしやすいという利点がある。
本発明において、一般式(I)で表されるジヒドロキシ化合物或いは共重合成分を重合触媒の存在下で炭酸ジエステルと反応させる方法は、通常、2段階以上の多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応は通常140〜220℃、好ましくは150〜200℃の温度で、通常0. 1〜10時間、好ましくは0.5〜3時間実施される。第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノールを反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応が行われる。
この重縮合反応における減圧において、温度と反応系内の圧力のバランスを制御することが重要である。特に、温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比を狂わせ、重合度が低下することがある。例えば、ジヒドロキシ化合物としてイソソルビドと1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いる場合は、全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%以上の場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールがモノマーのまま留出しやすくなるので、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、更に、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させ、最終的に200Pa以下の圧力で、200〜250℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネート樹脂が得られるため、好ましい。
又、全ジヒドロキシ化合物に対し、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%より少なくなった場合、特に、モル比が30モル%以下となった場合は、1,4−シクロヘキサンジメタノールのモル比が50モル%以上の場合と比べて、急激な粘度上昇が起こるので、例えば、反応系内の圧力が13kPa程度の減圧下までは、温度を1時間あたり40℃以下の昇温速度で上昇させながら反応させ、更に、6.67kPa程度までの圧力下で、温度を1時間あたり40℃以上の昇温速度、好ましくは1時間あたり50℃以上の昇温速度で上昇させながら反応させ、最終的に200Pa以下の減圧下、220から290℃の温度で重縮合反応を行うと、十分に重合度が上昇したポリカーボネート樹脂が得られるため、好ましい。
反応の形式は、バッチ式、連続式、或いはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂を溶融重合法で製造する際に、着色を防止する目的で、リン酸化合物や亜リン酸化合物の1種又は2種以上を重合時に添加することができる。
リン酸化合物としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸トリアルキルの1種又は2種以上が好適に用いられる。これらは、全ヒドロキシ化合物成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下添加することが好ましく、更に好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下添加することが好ましい。リン化合物の添加量が上記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、上記上限より多いと、透明性が低下する原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりする。
又、亜リン酸化合物としては、下記に示す熱安定剤を任意に選択して使用できる。特に、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトの1種又は2種以上が好適に使用できる。これらの亜リン酸化合物は、全ヒドロキシ化合物成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下添加することが好ましく、更に好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下添加することが好ましい。亜リン酸化合物の添加量が上記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、上記上限より多いと、透明性が低下する原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりすることもある。
リン酸化合物と亜リン酸化合物は併用して添加することができるが、その場合の添加量はリン酸化合物と亜リン酸化合物の総量で、先に記載した、全ヒドロキシ化合物成分に対して、0.0001モル%以上0.005モル%以下とすることが好ましく、更に好ましくは0.0003モル%以上0.003モル%以下である。この添加量が上記下限より少ないと、着色防止効果が小さく、上記上限より多いと、透明性が低下する原因となったり、逆に着色を促進させたり、耐熱性を低下させたりすることもある。
又、このようにして製造された本発明におけるポリカーボネート樹脂には、成形時等における分子量の低下や色相の悪化を防止するために熱安定剤の1種又は2種以上が配合されていてもよい。
かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸、及びこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。なかでも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及びベンゼンホスホン酸ジメチルが好ましく使用される。
かかる熱安定剤は、溶融重合時に添加した添加量に加えて更に追加で配合することができる。即ち、適当量の亜リン酸化合物やリン酸化合物を配合して、ポリカーボネート樹脂を得た後に、後に記載する配合方法で、更に亜リン酸化合物を配合すると、重合時の透明性の低下、着色、及び耐熱性の低下を回避して、更に多くの熱安定剤を配合でき、色相の悪化の防止が可能となる。
これらの熱安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.0001〜1重量部が好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.001〜0.2重量部が更に好ましい。
又、本発明におけるポリカーボネート樹脂には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤の1種又は2種以上が配合されていてもよい。
かかる酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
これら酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート100重量部に対して、0.0001〜0.5重量部が好ましい。
又、本発明におけるポリカーボネートには、シート成形時の冷却ロールからのロール離れ、或いは射出成形時の金型からの離型性をより向上させるため等に、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤の1種又は2種以上が配合されていてもよい。
かかる離型剤としては、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、パラフィンワックス、蜜蝋、オレフィン系ワックス、カルボキシ基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価又は多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルが好ましい。かかる一価又は多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。
高級脂肪酸としては、炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸が好ましい。かかる脂肪酸としては、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
かかる離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
又、本発明におけるポリカーボネート樹脂は、紫外線による変色は従来のポリカーボネート樹脂に比較して著しく小さいが、更に改良の目的で、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤の1種又は2種以上が配合されていてもよい。
かかる紫外線吸収剤、光安定剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)等が挙げられる。
かかる紫外線吸収剤、光安定剤の含有量は、ポリカーボネート100重量部に対して、0.01〜2重量部が好ましい。
又、本発明におけるポリカーボネート樹脂には、遮音部材としての黄色味を打ち消すためにブルーイング剤の1種又は2種以が配合されていてもよい。ブルーイング剤としては、従来のポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。
具体的なブルーイング剤としては、例えば、一般名Solvent Violet13[CA. No.(カラーインデックスNo.)60725]、一般名Solvent Violet31[CA. No.68210]、一般名Solvent Violet33[CA. No.60725]、一般名Solvent Blue94[CA. No.61500]、一般名Solvent Violet36[CA. No.68210]、一般名Solvent Blue97[バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]、及び一般名Solvent Blue45[CA. No.61110]等が代表例として挙げられる。
これらブルーイング剤の含有量は、通常、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0. 1×10−4〜2×10−4重量部が好ましい。
又、本発明におけるポリカーボネート樹脂は、上記の添加剤を含有した樹脂組成物であってもよく、上記の添加剤の他、本発明の目的を損なわない範囲で、周知の種々の添加剤、例えば、耐衝撃性改良剤、難燃剤、難燃助剤、加水分解抑制剤、帯電防止剤、発泡剤、染顔料等を含有した樹脂組成物であってもよい。又、例えば、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル、アモルファスポリオレフィン等の合成樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の生分解性樹脂等が混合された樹脂組成物であってもよい。
本発明の遮音部材において、前述のポリカーボネート樹脂と前述のような各種の添加剤等との配合方法としては、例えばタンブラー、V型ブレンダー、スーパーミキサー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等で混合・混練する方法、或いは、例えば塩化メチレン等の共通の良溶媒に溶解させた状態で混合する溶液ブレンド方法等があるが、これは特に限定されるものではなく、通常用いられるブレンド方法であればどのような方法を用いてもよい。
こうして得られる本発明におけるポリカーボネート樹脂は、これに各種添加剤等が添加され、直接に、或いは溶融押出機で一旦ペレット状にしてから、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法等の通常知られている成形方法で、所望形状の遮音部材に成形することができる。
本発明におけるポリカーボネート樹脂の混和性を高めて安定した各物性を得るためには、溶融押出において単軸押出機、二軸押出機を使用するのが好ましい。単軸押出機、二軸押出機を用いる方法は、溶剤等を用いる必要がなく、環境への負荷が小さく、生産性の点からも好適に用いることができる。 本発明の遮音部材を成形するときのポリカーボネート樹脂においては、押出機の溶融混練温度は通常200〜300℃、好ましくは220〜260℃である。溶融混練温度が200℃より低い温度であると、ポリカーボネート樹脂の溶融粘度が高く、押出機への負荷が大きくなり、生産性が低下する。300℃より高いと、ポリカーボネート樹脂の劣化が起こりやすくなり、遮音部材としての色が黄変したり、分子量が低下するため強度が劣化したりする。
押出機を使用する場合、押出時にポリカーボネート樹脂の焼け、異物の混入を防止するため、フィルターを設置することが望ましい。フィルターの異物除去のための目開きは、求められる光学的な精度にも依存するが、100μm以下が好ましい。特に、異物の混入を嫌う場合は、40μm以下、更には10μm以下が好ましい。又、ポリカーボネート樹脂の押出成形等の成形においては、成形中或いは成形後の異物混入を防止するために、クリーンルーム内で実施することが望ましい。
又、押出成形されたポリカーボネート樹脂を冷却しチップ化する際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、HEPAフィルター(JIS Z8112で規定されるフィルターが好ましい。)等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが望ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、更にフィルターにて水中の異物を取り除いた水を使用することが望ましい。用いるフィルターの目開きは種々あるが、10〜0.45μmのフィルターのものが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いた遮音部材を射出成形による成形する場合には、樹脂温度は220〜290℃とし、金型温度は30℃〜120℃として成形するのが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。以下において、ポリカーボネート樹脂の物性乃至特性の評価は次の方法により行った。
(1)還元粘度
ウベローデ型粘度計を用い、溶媒としてフェノールと1,1,2,2,−テトラクロロエタンの重量比1:1の混合溶媒を用い、濃度を1.00g/dlに精密に調整し、温度30.0℃±0.1℃で測定した。
(2)密度
電子比重計(アルファミラージュ(旧ミラージュ貿易)社製「ED−120T」を用いて、水置換法により23℃で測定した。
(3)ガラス転移温度
示差走査熱量計(メトラー社製「DSC822」)を用い、試料約10mgを、10℃/minの昇温速度で加熱して測定し、JIS K7121(1987)に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた折線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求めた。
(4)遮音特性
射出成形機(名機製作所社製「NADEM2000」)を用いて、温度230〜260℃で、150mm×200mm、厚さ4mmの試験片を射出成形した。
一方、コルクシート(アステージ社製、厚さ4mm)をカットし、両面テープで二重にして貼りあわせ、150mm×200mmの四角筒状体で、その各面の外側を型崩れを防ぐために発泡PPシート(アクリサンダー社製、厚さ5mm)で覆った筒状体を2個組み立て、一つの筒状体の一方の底面部側を、内側に衝撃検知器(朝日電器社製「スリムアラームELPA ASA−S11(PW)」)を両面テープでセットしたコルクシートで塞ぎ、他方の底面部側を前記で得られた射出成形試験片で塞ぐ。その上に、もう一つの筒状体を、一方の底面部側を試験片側として試験片を挟み込むように固定し、他方の底面部側に騒音計(リオン社製「NL−21」)をセットし、その状態で衝撃検知器を作動させ、試験片を通して伝わる騒音を騒音計で測定した。尚、試験片を設置しない場合の測定音圧は、103.8dBであった。
(5)耐衝撃強度
前記遮音特性測定の際に用いた射出成形機を用いて試験片を作製し、JIS K7111に準拠してアイゾッド衝撃強度を測定した。
(6)引っ掻き硬度(鉛筆法)試験
前記遮音特性測定の際に用いた射出成形機を用いて試験片を作製し、JIS K5600−5−4に準拠して、鉛筆硬度を6B〜6Hの範囲で測定した。
(7)燃焼性試験
前記遮音特性測定の際に用いた射出成形機を用いて厚さ3mmの試験片を作製し、UL−94規格 水平燃焼性試験(HB)に準拠して測定した。評価方法としては、試験片の片方の端に試験炎を30秒間あてて取り去る方法での燃焼状況の確認を行った。試験片全体に燃え広がらずに、鎮火すれば自消性材料と判断される。
(8)耐候変色試験
前記遮音特性測定の際に作製したのと同様の試験片を用い、三重県四日市市三菱化学(株)四日市事業所内で南面45度の傾斜面に設置して、2006年1月中旬〜10月中旬まで耐候変色試験を実施した。その試験前後の試験片に対して、分光式色差計(日本電色工業社製「SE−2000」)を用いて色差ΔEを測定した。
(9)蟻酸の定量
イソソルビドを純水で100倍希釈してイオンクロマトグラフ(Dionex社製「DX−500型」)で測定した。
実施例1
イソソルビド(ロケットフルーレ社製、蟻酸含有量5ppm)27.7重量部(0.516モル)に対して、1,4−シクロヘキサンジメタノール(イーストマン社製)13.0重量部(0.221モル)、ジフェニルカーボネート(三菱化学社製)59.2重量部(0.752モル)、及び触媒として、炭酸セシウム(和光純薬社製)2.21×10−4重量部(1.84×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
反応容器全体を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を230℃まで、15分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるので、8分で250℃まで昇温し、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られたポリカーボネート樹脂について、上記記載の評価方法により、還元粘度、密度、ガラス転移温度、遮音特性、アイゾッド衝撃強度、鉛筆硬度、燃焼性、及び耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例1
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ユーピロン」)を用い、上記記載の評価方法により、還元粘度、密度、ガラス転移温度、遮音特性、アイゾッド衝撃強度、鉛筆硬度、燃焼性、及び耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例2
ポリアクリル樹脂(三菱レイヨン社製「アクリペットMF」)について、上記記載の評価方法により、還元粘度、密度、ガラス転移温度、遮音特性、アイゾッド衝撃強度、鉛筆硬度、燃焼性、及び耐候変色(ΔE)を評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2011002586
表1より次のことが判明する。
1)従来のポリカーボネート樹脂は、遮音部材用材料としてガラス転移温度、耐衝撃強度は充分過ぎる特性を有しており、又、自消性材料である。しかし、鉛筆硬度はBと低く、又、耐候変色性は劣る。一方、アクリレート樹脂は、鉛筆硬度は2Hと十分な特性であり、又、耐候変色性も優れるが、ガラス転移温度、耐衝撃性は低い値であり、又、易燃焼性である。
2)これに対して、イソソルビドに由来する構成単位を含むポリカーボネート樹脂は、ガラス転移温度、耐衝撃強度は遮音部材用には十分であり、又、従来のポリカーボネート樹脂では劣っていた鉛筆硬度、耐候変色性もアクリレート樹脂並に向上していると共に、アクリレート樹脂の大きな欠点であった燃焼性も自消性クラスに改善されており、遮音部材用には極めて良好な特性を有する。
植物由来のモノマーを使用した本発明のポリカーボネート樹脂からなる遮音部材は、環境・資源保全上の問題も解決した上で、透明性を有する遮音部材としての利用が期待でき、具体的には、表面高度が高く、耐候変色性が小さく、自消性であり、ガラス転移温度と耐衝撃強度のバランスが良好なので、生活用品、交通運輸関連、工業用品、土木工業関連と各方面において、アーケードの天井シート・プレート、道路等の遮音壁、施設屋根材、又、住宅設備分野で、テラスシート、住宅内装材(各種パーティション等)等への利用が期待できる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネート樹脂からなることを特徴とする遮音部材。
    Figure 2011002586
  2. ポリカーボネート樹脂が、更に脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むものである請求項1に記載の遮音部材。
  3. ポリカーボネート樹脂中の前記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位と脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位との比率(モル%)が、99:1〜30:70の範囲である請求項2に記載の遮音部材。
  4. ポリカーボネート樹脂が、更に芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むものである請求項1乃至3にいずれかに記載の遮音部材。
  5. ポリカーボネート樹脂中の芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の比率が、全ジヒドロキシ化合物に対して5〜40モル%の範囲である請求項4に記載の遮音部材。
  6. ポリカーボネート樹脂の密度が1.30g/cm3 以上である請求項1乃至5のいずれかに記載の遮音部材。
  7. ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が80℃以上である請求項1乃至6のいずれかに記載の遮音部材。


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