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JP2011094644A - 高圧ガスタンクの製造方法と製造装置 - Google Patents

高圧ガスタンクの製造方法と製造装置 Download PDF

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JP2011094644A JP2009246536A JP2009246536A JP2011094644A JP 2011094644 A JP2011094644 A JP 2011094644A JP 2009246536 A JP2009246536 A JP 2009246536A JP 2009246536 A JP2009246536 A JP 2009246536A JP 2011094644 A JP2011094644 A JP 2011094644A
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thermosetting
fiber reinforced
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Takeshi Hatta
健 八田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】繊維強化樹脂層を樹脂製ライナーの外周に形成した高圧ガスタンクの形状維持に有益な新たな製造手法を提供する。
【解決手段】中間生成品タンク12は、樹脂容器製のライナー10の外周に熱硬化前のエポキシ樹脂を含浸した繊維強化樹脂層20を備える。繊維強化樹脂層20のエポキシ樹脂の熱硬化に際しては、タンク軸支シャフト112にて軸支した中間生成品タンク12にライナー軸方向に沿った超音波振動を付与しつつ、中間生成品タンク12を加熱してエポキシ樹脂を熱硬化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧ガスタンクの製造方法と製造装置に関するものである。
従来、高圧ガスタンクの製造方法について、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、ライナーとしての金属製タンクの外面に帯状の炭素繊維強化プラスチック材を複数層にわたって巻き付けてなる複合高圧タンクの製作方法が記載されている。
近年では、燃料ガスの燃焼エネルギや、燃料ガスの電気化学反応によって発電された電気エネルギによって駆動する車両が開発されており、高圧ガスタンクには、天然ガスや水素等の燃料ガスが貯蔵され、車両に搭載される場合がある。このため、高圧ガスタンクの軽量化が求められており、炭素繊維強化プラスチックや、ガラス繊維強化プラスチック(以下、これらを総称して、繊維強化樹脂層と呼ぶ)で被覆するライナーとして、樹脂製容器を用いることが検討されている。
一般に、このような高圧ガスタンクは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸した繊維強化樹脂層をライナー外周に形成する。こうした繊維強化樹脂層の形成に際しては、熱硬化性樹脂を含浸した繊維を樹脂製容器の外周に繰り返し巻き付けて繊維強化樹脂層とし、その後に、当該樹脂層に含まれる熱硬化樹脂を熱硬化させる。これにより、樹脂製容器のライナーを繊維強化樹脂層で被覆した高圧ガスタンクが製造される。
特開2001−153296号公報
ところで、ライナー外周への上述した繊維強化樹脂層の形成に用いられる熱硬化性樹脂は、その熱硬化の間に与えられる熱により低粘度となった後に熱硬化し、この熱硬化を起こす際に接着剤として機能する。ライナーにあっては、樹脂製である都合上、熱硬化の間に熱収縮を起こす。このため、ライナー表面と繊維強化樹脂層の最下層との間には隙間が生じ、その隙間に入り込んだ熱硬化性樹脂は、ライナーと繊維強化樹脂層とを固着させる。こうした熱硬化性樹脂によるライナー固着がライナー外周において部分的に起きると、タンク使用期間においてその部分的なライナー固着部位の接着界面に応力の集中が起きやすくなる。ライナーは、軽量化のために樹脂製とされた上で薄肉とされることから、上記した部分的な応力集中によるライナーの変形が危惧されるに至った。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、熱硬化性樹脂の熱硬化を経て繊維強化樹脂層をライナー外周に形成した高圧ガスタンクの形状維持に有益な新たな製造手法を提供することを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:高圧ガスタンクの製造方法]
高圧ガスタンクの製造方法であって、
樹脂製容器をライナーとして用意する工程と、
前記ライナーの外周に、熱硬化性樹脂を含浸した繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、
前記繊維強化樹脂層の形成済みの前記ライナーを軸支し、該軸支したライナーにライナー軸方向に沿った振動を付与しつつ前記繊維強化樹脂層を熱硬化させる熱硬化工程とを備える
ことを要旨とする。
上記構成を備える高圧ガスタンクの製造方法では、樹脂性容器のライナー外周に繊維強化樹脂層を形成した後に、軸支したライナーにライナー軸方向に沿った振動を付与しつつ、繊維強化樹脂層に含まれる熱硬化性樹脂を熱硬化させる。このため、ライナー表面と繊維強化樹脂層の最下層との間に生じた隙間に、熱硬化前で低粘度の熱硬化性樹脂が入り込んでも、その樹脂は、ライナー軸方向に沿った振動に伴う力を受けて、部分的に留まり難くなる。この結果、熱硬化した熱硬化性樹脂によるライナー固着は、ライナー外周において部分的に起きる可能性は低くなり、ライナー外周においてほぼ均等化する。よって、上記構成を備える高圧ガスタンクの製造方法によれば、ライナーと繊維強化樹脂層の接着界面における応力集中を抑制でき、高圧ガスタンクの形状維持に寄与できる。
軸支したライナーにライナー軸方向に沿った振動を付与するには、振動発生源、例えば超音波振動発振機をライナーの軸支軸端面に装着することが簡便である。
本発明は、上述した高圧ガスタンクの製造方法としての構成の他、この製造方法によって製造された高圧ガスタンクや、高圧ガスタンクの製造装置の発明として構成することもできる。
本発明の一実施例としての高圧ガスタンクの製造工程を模式的に示す説明図である。 熱硬化炉100における中間生成品タンク12の保持の様子を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例としての高圧ガスタンクの製造工程を模式的に示す説明図である。本実施例では、高圧ガスタンクを、高圧水素を貯蔵する高圧水素タンクとした。
本実施例のタンク製造工程では、まず、図1(a)に示したように、樹脂製容器をライナー10として用意する。本実施例では、樹脂容器として、ナイロン系樹脂からなる樹脂製容器を用いるものとした。樹脂容器として、他の樹脂からなる樹脂容器を用いるものとしてもよい。
次に、図1(b)に示したように、ライナー10の外周部に、繊維強化樹脂層20を形成する(繊維強化樹脂層形成工程)。本実施例では、繊維強化樹脂層形成工程として、ライナーの外周部に、フィラメント・ワインディング法(FW法)によって、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂を含浸したカーボン繊維を繰り返し巻き付けることにより、カーボン繊維層を形成する(図1(b−1))。その後、カーボン繊維層外周部に、さらに、フィラメント・ワインディング法(FW法)によって、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂を含浸したガラス繊維を繰り返し巻き付けることにより、ガラス繊維層をカーボン繊維層に重ねて形成する(図1(b−2))。こうして重なったカーボン繊維層とガラス繊維層が、ライナー外周表面の繊維強化樹脂層20となり、樹脂層形成済みの中間生成品タンク12が得られる。ガラス繊維層はカーボン繊維層よりも機械的強度が高いため、高圧水素タンクの機械的強度を高くすることができる。エポキシ樹脂に代えて、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
上述した繊維強化樹脂層形成工程では、ライナー10の外周にカーボン繊維とガラス繊維を重ねて繰り返し巻き付けて、カーボン繊維層とガラス繊維層を形成するが、その際に、ガラス繊維層の表面には、過剰なエポキシ樹脂が浮き出す。この浮き出したエポキシ樹脂は、後述の熱硬化工程を経て繊維強化樹脂層の最外周部で熱硬化して樹脂熱硬化層(エポキシ樹脂硬化層)となる。そして、樹脂浮き出しの程度は、FW法により繊維巻き付けの条件、例えば、巻き取り速度や樹脂含浸の程度等によって定まり、通常は1〜2mmと想定され、この厚みで樹脂熱硬化層(エポキシ樹脂硬化層)が形成されることになる。ライナー10の外周表面の側では、図1(b)に示す繊維強化樹脂層形成工程において、カーボン繊維層が熱硬化前のエポキシ樹脂を含浸した状態でライナー外周表面にほぼ密着している。なお、本実施例では、カーボン繊維とこれに重なるガラス繊維とで繊維強化樹脂層20を形成したが、カーボン繊維での繊維強化樹脂層20の形成、ガラス繊維での繊維強化樹脂層20の形成とすることもできる。また、アラミド繊維での繊維強化樹脂層20の形成を行うようにすることもできる。
繊維強化樹脂層20の形成に続いては、熱硬化を行う。図2は熱硬化炉100における中間生成品タンク12の保持の様子を模式的に示す説明図である。熱硬化工程では、図1(c)と図2に示す熱硬化炉100を用いる。この熱硬化炉100は、架台110にタンク軸支シャフト112を回転可能に軸支する他、軸支済みのタンク軸支シャフト112の炉内上方に長尺状の放熱ヒーター114を備える。よって、熱硬化炉100は、中間生成品タンク12をタンク軸方向において均等に加熱する。また、熱硬化炉100は、タンク軸支シャフト112の図における右端において、タンク軸支シャフト112をチャック116を経てタンク回転機構118に連結する。タンク回転機構118は、超音波振動発振機120を内蔵し、この発振機は、タンク軸支シャフト112にシャフト右端面からシャフト軸方向に沿った超音波振動を付与する。このため、タンク軸支シャフト112の装着を経て熱硬化炉100にセットされた中間生成品タンク12は、タンク軸支シャフト112を介して、図中矢印Aに示すようにライナー軸方向に沿って超音波振動しつつ、ライナー軸周りに回転する。
上記した熱硬化炉100を用いた熱硬化工程では、熱硬化炉100への搬入に先だち、樹脂層形成済みの中間生成品タンク12にタンク軸支シャフト112を装着する。タンク軸支シャフト112は、中間生成品タンク12の両端の口金14に挿入され、タンク両端からシャフトを出した状態で、架台110に軸支される。こうして中間生成品タンク12を軸支した後、熱硬化炉100は、超音波振動発振機120によるタンク軸支シャフト112を介した中間生成品タンク12への軸方向の超音波振動付与と、タンク回転機構118によるタンク軸支シャフト112を介した回転付与と、放熱ヒーター114による熱放射とを並行して実施する。このため、中間生成品タンク12は、ライナー軸方向に沿って超音波振動しつつ回転しながら熱放射を受けることになる。この熱放射により、中間生成品タンク12を構成するライナー10は、樹脂製であるために熱収縮を起こし、繊維強化樹脂層20のエポキシ樹脂は、低粘度となった上で熱硬化する。繊維強化樹脂層20の熱硬化後に冷却養生を経ることで、ライナー10の外周にエポキシ樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層20を有する高圧水素タンク30が得られる。
以上説明したように、本実施例の製造方法では、繊維強化樹脂層20のエポキシ樹脂の熱硬化に際して、中間生成品タンク12を回転させつつ放熱するだけではなく、熱硬化のための放熱の際に、中間生成品タンク12にライナー軸方向に沿った超音波振動を付与する。よって、次の利点がある。
エポキシ樹脂は、図1に中間生成品タンク12の一部を破断して模式的に示すように、ライナー10の外周表面で繊維巻回が層状となった繊維強化樹脂層20の各層の繊維に含浸されて各層間にも浸み込む他、低粘度であるために、熱収縮したライナー10の外周表面と繊維強化樹脂層20の最下層との間に生じた隙間にも入り込む。これらのエポキシ樹脂は、放熱ヒーター114からの放熱を受けて低粘度化を経て熱硬化するが、低粘度の状態にある間は元より熱硬化の間においても、ライナー軸方向に沿った超音波振動に伴う力を受ける。このため、熱硬化前で低粘度のエポキシ樹脂は、熱収縮したライナー10の外周表面と繊維強化樹脂層20の最下層との間隙に入り込んでも、その入り込んだ間隙に部分的に留まる様なことはなく、ライナー10の外周表面に沿って広がることになる。このため、熱硬化したエポキシ樹脂によるライナー10と繊維強化樹脂層20との固着は、ライナー外周において部分的に起きる難くなり、ライナー外周においてほぼ均等化する。この結果、本実施例の高圧ガスタンクの製造方法によれば、ライナー10と繊維強化樹脂層20の接着界面における応力集中を抑制でき、高圧水素タンク30の形状を高い実効性で維持できる。
また、本実施例では、中間生成品タンク12にライナー軸方向に沿った振動を付与するに当たり、タンク軸支シャフト112の端部に超音波振動発振機120を装着して当該発振機にて超音波振動をタンク軸支シャフト112を介して中間生成品タンク12に伝搬するだけに過ぎない。このため、中間生成品タンク12にライナー軸方向に沿った振動を容易且つ確実に付与でき、簡便である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、中間生成品タンク12に付与するライナー軸方向に沿った振動を、タンク軸支シャフト112の端部に装着した超音波振動発振機120で起こすようにしたが、タンク軸支シャフト112の端部に往復駆動するピストン装置を装着するようにすることもできる。
また、高圧水素タンク30の製造工程の繊維強化樹脂層形成工程(図1(b))において、カーボン繊維とガラス繊維とをそれぞれフィラメント・ワインディング法によってライナー10に繰り返し巻き付けて繊維強化樹脂層20を形成するものとしたが、本発明は、これに限られない。この繊維強化樹脂層形成工程において、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維(糸)の代わりに、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた織布をライナー10の外周に重ねて巻き付けるようにしてもよい。
上記実施例では、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を用いるものとしたが、他の熱硬化性樹脂を用いるものとしてもよい。
上記実施例では、高圧ガスタンクは、高圧水素タンク30であるものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、天然ガス等、他の高圧ガスを貯蔵する高圧ガスタンクとしてもよい。
10…ライナー
12…中間生成品タンク
14…口金
20…繊維強化樹脂層
30…高圧水素タンク
100…熱硬化炉
110…架台
112…タンク軸支シャフト
114…放熱ヒーター
116…チャック
118…タンク回転機構
120…超音波振動発振機

Claims (2)

  1. 高圧ガスタンクの製造方法であって、
    樹脂製容器をライナーとして用意する工程と、
    前記ライナーの外周に、熱硬化性樹脂を含浸した繊維強化樹脂層を形成する繊維強化樹脂層形成工程と、
    前記繊維強化樹脂層の形成済みの前記ライナーを軸支し、該軸支したライナーにライナー軸方向に沿った振動を付与しつつ前記繊維強化樹脂層を熱硬化させる熱硬化工程とを備える
    高圧ガスタンクの製造方法。
  2. 樹脂製容器をライナーとして該ライナーの外周に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層を有する高圧ガスタンクの製造に用いる装置であって、
    熱硬化前の前記繊維強化樹脂層を外周に形成済みの前記ライナーを軸支した上で、該軸支したライナーにライナー軸方向に沿った振動を付与するライナー軸支手段と、
    該ライナー軸支手段に軸支された前記ライナーを加熱して、前記繊維強化樹脂層を熱硬化させる熱硬化手段とを備える
    高圧ガスタンクの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015217573A (ja) * 2014-05-16 2015-12-07 トヨタ自動車株式会社 タンクの製造方法
JP2015217607A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 トヨタ自動車株式会社 貯蔵タンクの製造方法

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