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JP2011094070A - ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法 Download PDF

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隆義 田中
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Abstract

【課題】ウェルドライン融着部の視認性が低減され、ウェルドラインの左右において明度差が視認されず、良好なメタリック調外観や銀河調外観を有する成形品が得られ、かつ耐熱性及び機械的特性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、これを成形してなる樹脂成形品及び該成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜90質量%、(B)前記芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.02以下のガラス繊維5〜20質量%、及び(C)ポリメチルメタクリレート樹脂5〜25質量%からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、(D)(D−1)平均粒径が10μm以上60μm未満である光沢粒子0.005〜1.5質量部と、(D−2)平均粒径が60〜300μmである光沢粒子0.005〜5質量部、及び(E)平均粒径が0.05〜3μmである酸化チタン0.05〜0.4質量部を含むポリカーボネート樹脂組成物、これを成形してなる樹脂成形品及びその製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物、それを用いたポリカーボネート樹脂成形品、及び該樹脂成形品の製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリカーボネートの耐熱性及び機械的特性を活かしつつ、メタリック調外観や銀河調外観等を有するテレビ、冷蔵庫、掃除機等の意匠外観が要求される構造部材分野に好適であるポリカーボネート樹脂組成物、この樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形品、及び該樹脂成形品の製造方法に関する。
ポリカーボネート樹脂成形品は、透明性、耐熱性及び機械的特性に優れていることから、電気・電子分野、機械分野、自動車分野等における工業用透明材料として、また、レンズや光学ディスク等の光学用材料等として幅広く用いられている。
また、ポリカーボネート樹脂成形品において、さらに高い機械的特性が必要な場合にはガラスフィラー等を添加し、さらに、メタリック調外観や銀河調外観(全体が夜空に星を散りばめたようにキラめく外観)等の高い意匠外観が必要な場合には、光沢粒子等を添加することが知られている。
しかし、ガラスフィラーとして一般に使用されるEガラスを添加すると屈折率の差によって透明性を得ることができない。また、光沢粒子を添加したポリカーボネート樹脂組成物を樹脂成形する際、溶融樹脂同士が合流して溶着する部分でウェルドラインが発生し、融着ライン及び融着ラインを境とした左右の明度差(粉宅粒子の配向)が生じ、商品としての価値が激減する。
ガラスフィラーを含有し透明性の改良が検討されたポリカーボネート樹脂組成物としては、例えば、(1)末端停止剤として、ヒドロキシアラルキルアルコールとラクトンとの反応生成物を用いたポリカーボネート樹脂組成物と、該ポリカーボネート樹脂組成物との屈折率の差が0.01以下であるガラスフィラーを含む樹脂組成物(特許文献1参照)、(2)ポリカーボネート樹脂と、該ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.015以下であるガラスフィラー及びポリカプロラクトンからなる樹脂組成物(特許文献2参照)、(3)ガラスフィラー組成物中にZrO2、TiO2、BaO、ZnO等を特定の割合で含有させ、屈折率をポリカーボネート樹脂に近づけたガラス組成物(特許文献3参照)等が提案されている。
しかしながら、特許文献1〜3の場合には、ウェルドライン及び光沢粒子の配向の低減という課題については何ら記載がない。
また、光沢粒子を含有し透明性の改良が検討されたポリカーボネート樹脂組成物としては、例えば、光沢粒子として、(4)平均粒子径10〜300μm、アスペクト比1/8〜1の形状を有する粒子を含む樹脂組成物(特許文献4参照)、(5)四角形で一角に切り欠きを設けた金属微粒子を含む樹脂組成物(特許文献5参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献4及び5のような光沢粒子自体の形状のみよって、ウェルドラインの発生を抑制させることはもちろん、ウェルドラインを境とする左右の明度差を低減させるとういう観点からでは十分満足できるものは得ることができない。
特開平7−118514号公報 特開平9−165506号公報 特開平5−155638号公報 特公平6−99594号公報 特開平7−53768号公報
本発明は、ウェルドライン融着部の視認性が低減され、ウェルドラインの左右において明度差が視認されず、良好なメタリック調外観や銀河調外観を有する成形品が得られ、かつ耐熱性及び機械的特性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、この樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形品、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂、該芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が特定の範囲であるガラス繊維、及びポリメチルメタクリレート樹脂からなるガラス繊維含有樹脂成分に、異なる粒径範囲を有する2種の光沢粒子及び特定の平均粒径を有する酸化チタンをそれぞれ所定割合で含有させたポリカーボネート樹脂組成物、この樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法により、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記のポリカーボネート樹脂組成物、この樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂及びその製造方法を提供するものである。
1.(A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜90質量%、(B)前記芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.02以下のガラス繊維5〜20質量%、及び(C)ポリメチルメタクリレート樹脂5〜25質量%からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、(D)(D−1)平均粒径が10μm以上60μm未満である光沢粒子0.005〜1.5質量部と、(D−2)平均粒径が60〜300μmである光沢粒子0.005〜5質量部、及び(E)平均粒径が0.05〜3μmである酸化チタン0.05〜0.4質量部を含むポリカーボネート樹脂組成物。
2.(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分中、(A)成分としてポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を10〜80質量%含む上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中、ポリオルガノシロキサン部の含有量が0.3〜5質量%である上記2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.(B)成分のガラス繊維が屈折率1.583〜1.587である上記1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5.(D)成分の光沢粒子が、マイカ、金属粒子、金属硫化物粒子、表面が金属又は金属酸化物で被覆された粒子、表面が金属又は金属酸化物で被覆されたガラスフレークからなる群より選ばれる1種又は2種以上である上記1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
6.(D)成分における(D−1)成分と(D−2)成分との質量比が1:1〜1:7であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
7.(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、さらに(F)着色剤0.0001〜1質量部を含む上記1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
8.(F)成分の着色剤が、アルミ粉粒子である上記7に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
9.アルミ粉粒子の平均粒径が30〜80μmである上記8に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
10.上記1〜9のいずれかに記載のポリカーボネ−ト樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形品。
11.金型温度120℃以上で射出成形してなる上記10に記載のポリカーボネート樹脂成形品。
12.上記1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を金型温度120℃以上で射出成形することを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
本発明によれば、優れた耐熱性及び機械的特性を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供することができる。また、該樹脂組成物はポリメチルメタクリレート樹脂を含むことによりメタリック感の発現効果を助長することができ、さらにウェルドライン発生の要因と考えられる光沢粒子の含有量を減量することができるので、該樹脂組成物を用いて得られる成形品は、ウェルドライン融着部の視認性が低減され、ウェルドラインの左右において明度差が視認されず、メタリック調外観や銀河調外観に優れたものである。さらに、本発明によれば、該成形品を得ることができる製造方法をも提供することができる。
[ポリカーボネート樹脂組成物]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)前記芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.02以下のガラス繊維、(C)ポリメチルメタクリレート樹脂、(D)光沢粒子として(D−1)平均粒径が10μm以上60μm未満である光沢粒子と、(D−2)平均粒径が60〜300μmである光沢粒子、及び(E)平均粒径が0.05〜3μmである酸化チタンを必須成分として含む。
((A)芳香族ポリカーボネート樹脂)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物においては、(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂として、具体的には、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。
(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂は、その製造方法に特に制限はなく、従来の各種方法により製造されたものを用いることができる。例えば、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法(界面重縮合法)又は溶融法(エステル交換法)により製造されたもの、すなわち、末端停止剤の存在下に、二価フェノールとホスゲンを反応させる界面重縮合法、又は末端停止剤の存在下に、二価フェノールとジフェニルカーボネート等とのエステル交換法等により反応させて製造されたものを用いることができる。
二価フェノールとしては、様々なものを挙げることができるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド及びビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等を挙げることができる。この他、ハイドロキノン、レゾルシン及びカテコール等を挙げることもできる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系のものが好ましく、特にビスフェノールAが好適である。
一方、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメート等であり、具体的にはホスゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等である。
なお、この芳香族ポリカーボネート樹脂は、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメリット酸及びイサチンビス(o−クレゾール)等がある。
本発明において、(A)成分の粘度平均分子量は(Mv)は、通常10,000〜50,000、好ましくは13,000〜35,000、さらに好ましくは15,000〜20,000である。
この粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式にて算出するものである。
[η]=1.23×10-5Mv0.83
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂における分子末端基については特に制限はなく、従来公知の末端停止剤である一価のフェノール由来の基であってもよいが、炭素数が10〜35のアルキル基を有する一価のフェノール由来の基であることが好ましい。分子末端が、炭素数10以上のアルキル基を有するフェノール由来の基であれば、得られるポリカーボネート樹脂組成物は良好な流動性を有し、また、炭素数35以下のアルキル基を有するフェノール由来の基であれば、得られるポリカーボネート樹脂組成物は耐熱性及び耐衝撃性が良好なものとなる。
炭素数10〜35のアルキル基を有する一価のフェノールとしては、例えばデシルフェノール、ウンデシルフェノール、ドデシルフェノール、トリデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ペンタデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、ヘプタデシルフェノール、オクタデシルフェノール、ノナデシルフェノール、イコシルフェノール、ドコシルフェノール、テトラコシルフェノール、ヘキサコシルフェノール、オクタコシルフェノール、トリアコンチルフェノール、ドトリアコンチルフェノール及びペンタトリアコンチルフェノール等が挙げられる。
これらのアルキルフェノールのアルキル基は、水酸基に対して、o−、m−、p−のいずれの位置であってもよいが、p−の位置が好ましい。また、アルキル基は、直鎖状、分岐状又はこれらの混合物であってもよい。
この置換基としては、少なくとも1個が前記の炭素数10〜35のアルキル基であればよく、他の4個は特に制限はなく、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子又は無置換であってもよい。
炭素数が10〜35のアルキル基を有する一価のフェノールによる末端封止は、片末端及び両末端のいずれでもよく、また、末端変性率は、得られるポリカーボネート樹脂組成物の高流動化の観点から、全末端に対して20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。すなわち、他の末端は、水酸基末端、又は下記の他の末端停止剤を用いて封止された末端であってもよい。
ここで、他の末端停止剤としては、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造で常用されているフェノール、p−クレゾ−ル、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、p−tert−アミルフェノール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、及びペンタブロモフェノール等を挙げることができる。中でも、環境問題からハロゲンを含まない化合物が好ましい。
また、本発明の(A)成分としては、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、PC−POS共重合体と略記する場合がある。)を含む芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。
具体的には、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分中、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の含有量が10〜80質量%であることが好ましい。含有量が10質量%以上であれば、良好な剛性を有するポリカーボネート樹脂組成物とすることができ、80質量%以下であれば比重が大きすぎることなく、かつ良好な耐衝撃性を有するポリカーボネート樹脂組成物とすることができる。
PC−POS共重合体は、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキサン部からなるものであり、例えば、予め製造されたポリカーボネート部を構成するポリカーボネートオリゴマー(以下、PCオリゴマーと略称する。)と、ポリオルガノシロキサン部(セグメント)を構成する末端にo−アリルフェノール残基、p−ヒドロキシスチレン残基、オイゲノール残基等の反応性基を有するポリオルガノシロキサンとを、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等の溶媒に溶解させ、二価フェノールの苛性アルカリ水溶液を加え、触媒として、第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等)を用い、末端停止剤の存在下、界面重縮合反応することにより製造することができる。
このPC−POS共重合体の製造に使用されるPCオリゴマーは、例えば塩化メチレン等の溶媒中で、前述の二価フェノールとホスゲン等のカーボネート前駆体とを反応させることにより、又は二価フェノールと炭酸エステル化合物、例えばジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とを反応させることによって容易に製造することができる。
また、炭酸エステル化合物としては、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートやジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートを挙げることができる。
PC−POS共重合体の製造に供されるPCオリゴマーは、前述の二価フェノール一種を用いたホモオリゴマーであってもよく、また二種以上を用いたコオリゴマーであってもよい。
さらに、多官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用して得られる熱可塑性ランダム分岐オリゴマーであってもよい。
その場合、分岐剤(多官能性芳香族化合物)として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(4’’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等を使用することができる。
このPC−POS共重合体は、例えば、特開平3−292359号公報、特開平4−202465号公報、特開平8−81620号公報、特開平8−302178号公報及び特開平10−7897号公報等に開示されている。
PC−POS共重合体としては、ポリカーボネート部の重合度が、3〜100程度、ポリオルガノシロキサン部の重合度が2〜500程度のものが好ましく用いられる。
また、PC−POS共重合体におけるポリオルガノシロキサン部の含有量は、得られるポリカーボネート樹脂組成物に対する難燃性付与効果及び経済性のバランス等の観点から、0.3〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜4質量%とする。
さらに、PC−POS共重合体の粘度平均分子量(Mv)は、通常5,000〜100,000、好ましくは10,000〜30,000、より好ましくは12,000〜30,000である。ここで、これらの粘度平均分子量(Mv)は、前記の一般ポリカーボネート樹脂と同様に求めることができる。
PC−POS共重合体におけるポリオルガノシロキサン部としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等からなるセグメントが好ましく、ポリジメチルシロキサンセグメントが特に好ましい。
(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂は、前記の芳香族ポリカーボネート樹脂及びPC−POS共重合体以外に、本発明の目的が損なわれない範囲で、テレフタル酸等の2官能性カルボン酸、又はそのエステル形成誘導体等のエステル前駆体の存在下でポリカーボネートの重合を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂等の共重合樹脂、あるいはその他のポリカーボネート樹脂を適宣含有することができる。
((B)ガラス繊維)
本発明における(B)成分であるガラス繊維は、その屈折率と(A)成分である芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率との差が0.02以下である。特に(B)成分の屈折率と(A)成分の屈折率とが同じであることが好ましい。(B)成分の屈折率と(A)成分の屈折率との差が0.02を超えると、ポリカーボネート樹脂組成物を用いて得られた成形品の銀河調あるいはメタリック調外観が不充分となる。
本発明において、(B)成分としては、屈折率が1.583〜1.587であるものを使用することができる。
上記のようなガラス繊維を構成するガラスとしては、以下に示す組成を有する「ガラスI」及び「ガラスII」を挙げることができる。
「ガラスI」は、二酸化ケイ素(SiO2)50〜60質量%、酸化アルミニウム(Al23)10〜15質量%、酸化カルシウム(CaO)15〜25質量%、酸化チタン(TiO2)2〜10質量%、酸化ホウ素(B23)2〜8質量%、酸化マグネシウム(MgO)0〜5質量%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5質量%、酸化バリウム(BaO)0〜5質量%、酸化ジルコニウム(ZrO2)0〜5質量%、酸化リチウム(Li2O)0〜2質量%、酸化ナトリウム(Na2O)0〜2質量%、酸化カリウム(K2O)0〜2質量%を含有し、かつ、前記酸化リチウム(Li2O)と前記酸化ナトリウム(Na2O)と前記酸化カリウム(K2O)との合計が0〜2質量%である組成からなるものが好ましい。
一方、「ガラスII」は、二酸化ケイ素(SiO2)50〜60質量%、酸化アルミニウム(Al23)10〜15質量%、酸化カルシウム(CaO)15〜25質量%、酸化チタン(TiO2)2〜5質量%、酸化マグネシウム(MgO)0〜5質量%、酸化亜鉛(ZnO)0〜5質量%、酸化バリウム(BaO)0〜5質量%、酸化ジルコニウム(ZrO2)2〜5質量%、酸化リチウム(Li2O)0〜2質量%、酸化ナトリウム(Na2O)0〜2質量%、酸化カリウム(K2O)0〜2質量%を含有し、酸化ホウ素(B23)を実質的に含有せず、かつ、前記酸化リチウム(Li2O)と前記酸化ナトリウム(Na2O)と前記酸化カリウム(K2O)との合計が0〜2質量%である組成からなるものが好ましい。
「ガラスI及びII」において、SiO2の含有量は、ガラス繊維の強度及びガラス製造時の溶解性の観点から、50〜60質量%であることが好ましい。Al23の含有量は、耐水性等の化学的耐久性及びガラス製造時の溶解性の観点から、10〜15質量%であることが好ましい。CaOの含有量は、ガラス製造時の溶解性及び結晶化抑制の観点から、15〜25質量%であることが好ましい。
「ガラスI」においては、Eガラスのように、B23を2〜8質量%含有することができる。この場合、TiO2の含有量は、屈折率の向上効果及び失透抑制等の観点から、2〜10質量%であることが好ましい。
また、「ガラスII」においては、耐酸性や耐アルカリ性に優れるECRガラス組成のように、B23を実質的に含有しないことが好ましい。この場合、TiO2の含有量は、屈折率の調整の観点から、2〜5質量%であることが好ましい。また、ZrO2の含有量は、屈折率の増大、化学的耐久性の向上及びガラス製造時の溶解性の観点から、2〜5質量%であることが好ましい。
「ガラスI及びII」において、MgOは任意成分であり、引張り強度等の耐久性の向上及びガラス製造時の溶解性の観点から、0〜5質量%程度含有させることができる。また、ZnO及びBaOは任意成分であり、屈折率の増大、失透の抑制の観点から、それぞれ0〜5質量%程度含有させることができる。
「ガラスI」においては、ZrO2は任意成分であり、屈折率の増大及びガラス製造時の溶解性の観点から、0〜5質量%程度含有させることができる。
「ガラスI及びII」において、アルカリ成分であるLi2O、Na2O、K2Oは任意成分であり、それぞれ0〜2質量%程度含有させることができ、かつそれらの合計含有量は0〜2質量%であることが好ましい。この合計含有量が2質量%以下であれば、耐水性の低下を抑制することができる。
このように、「ガラスI及びII」は、アルカリ成分が少ないので、(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の分解による分子量低下を抑制し、成形品の物性低下を防止することができる。
「ガラスI及びII」においては、前記のガラス成分以外に、紡糸性、耐水性等に悪影響を及ばさない範囲で、例えば、ガラスの屈折率を上げる成分として、ランタン(La)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)又はタングステン(W)等の元素を含む酸化物を含んでもよい。また、ガラスの黄色を消色する成分として、コバルト(Co)、銅(Cu)又はネオジウム(Nd)等の元素を含む酸化物を含んでもよい。
また、「ガラスI及びII」の製造に使用されるガラス原料には、着色を抑えるために、不純物として、酸化物基準でFe23含有量が、ガラス全体に対して0.01質量%未満であることが好ましい。
(B)成分であるガラス繊維は、従来公知のガラス長繊維の紡糸方法を用いて得ることができる。例えば、溶融炉でガラス原料を連続的にガラス化してフォアハースに導き、フォアハースの底部にブッシングを取り付けて紡糸するダイレクトメルト(DM)法、又は、溶融したガラスをマーブル、カレット、棒状に加工してから再溶融して紡糸する再溶融法等の各種の方法を用いてガラスを繊維化することができる。
ガラス繊維の径に特に制限はないが、通常3〜25μm程度のものが好ましく用いられる。径が3μm以上であれば、乱反射を抑制して成形品の透明性の低下を防止することができ、また、25μm以下であれば、良好な強度を有する成形品を得ることができる。
本発明において、ポリカーボネート樹脂組成物のペレット中又は成形品中のガラス繊維の平均長さは300μm以上、好ましくは350μm以上である。ガラス繊維長の平均長さが300μm未満であると、ウェルドライン左右での明度差を低減する効果が得られにくくなる傾向が出てくる。なお、平均長さは、樹脂組成物のペレット又は成形品の一部を電気炉で空気中600℃、2時間焼却し、燃焼残渣を顕微鏡観察等により測定することができる。
また、(B)成分は、(A)成分である芳香族ポリカーボネート樹脂との親和性を高め、密着性を向上させて、空隙形成による成形品の透明性や強度の低下を抑制するために、カップリング剤により表面処理することが好ましい。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、ボラン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤又はチタネート系カップリング剤等を使用することができる。特に芳香族ポリカーボネート樹脂とガラスとの接着性が良好である点からシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。
このシラン系カップリング剤の具体例としては、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−(4,5−ジヒドロイミダゾリル)プロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア等が挙げられる。これらの中で好ましいのは、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシラン、エポキシシランである。
このようなカップリング剤を用いて前記ガラス繊維の表面処理を行うには、通常の公知の方法で行うことができ、特に制限はない。例えば、上記カップリング剤の有機溶媒溶液あるいは懸濁液をいわゆるサイジング剤としてガラス繊維に塗布するサイジング処理法、あるいはヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、レーディゲミキサー、V型ブレンダー等を用いての乾式混合法、スプレー法、インテグラルブレンド法、ドライコンセントレート法等、適宣な方法にて行うことができるが、サイジング処理法、乾式混合法、スプレー法により行うことが望ましい。
(B)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分中、5〜20質量%、好ましくは5〜15質量%である。含有量が5質量%未満であると剛性等の機械的特性の向上効果を得ることができず、20質量%超であると比重が大きくなると共に、耐衝撃性、流動性が低下する。
((C)ポリメチルメタクリレート)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(C)成分であるポリメチルメタクリレートを含有することにより、メタリック感の発現効果を助長することができため、(D)光沢粒子の含有量を減らすことができ、樹脂成形品におけるウェルドライン発生を低減できると共に、ウェルドラインを境とした左右の明度差を低減することができる。
(C)成分として使用することができるポリメチルメタクリレートとしては、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよく、本発明の目的が損なわれなければ、メタクリル酸メチルを主成分とし、これに他のビニルモノマー、例えばアクリル酸エステル、他のメタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル等の1種又は2種以上共重合した共重合体であってもよい。
(C)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分中、5〜25質量%、好ましくは5〜15質量%である。含有量が5質量%未満であると(D)成分である光沢粒子の含有量が増加し、ウェルドラインを境とした左右の明度差を低減させることが困難となり、25質量%超であると(A)成分である芳香族ポリカーボネート樹脂の特性、特に耐衝撃性、耐熱性が損なわれる。また、25質量%を超えると、成形過程で(A)成分と(C)成分の適正成形温度差が異なることから、(C)成分の熱分解等による成形品外観欠陥が生じる恐れがある。
((D)光沢粒子)
本発明における(D)成分である光沢粒子としては、マイカ、金属粒子、金属硫化物粒子、表面を金属又は金属酸化物で被覆された粒子、表面を金属又は金属酸化物で被覆されたガラスフレークを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属粒子の具体例としては、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属粉末、表面を金属又は金属酸化物で被覆された粒子の具体例としては、酸化チタンで被覆された雲母チタン、三塩化ビスマスで被覆された雲母のような金属酸化被膜雲母系のもの、金属硫化物粒子の具体例としては、硫化ニッケル、硫化コバルト、硫化マンガン、等の金属硫化物粉末、及び表面を金属又は金属酸化物で被覆したガラスフレークに用いられる金属としては、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、銅、クロム、錫、チタン、ケイ素等を、それぞれ挙げることができる。
ここで、一般に、平均粒径が小さい光沢粒子の場合、配向は目立たないがメタリック感に劣るという特性を有している。これに対して、平均粒径が大きい光沢粒子の場合、メタリック感は優れているが配向が目立つという特性を有している。また、光沢粒子の大きさや含有量によって樹脂成形品のウェルドライン発生やこれを境とする左右の明度差等の品質欠点が起こる。そのため、使用する光沢粒子の大きさを選択し、これらの含有割合を特定することが重要となる。すなわち、下記のとおり光沢粒子について(D−1)成分及び(D−2)成分の2種類の異なる平均粒径範囲を特定し、これら2種類の光沢粒子の含有量を特定の割合となるように併用することにより、メタリック感を出すとともに光沢粒子自体の配向を低減させ、かつウェルドライン発生やこれを境とする左右の明度差の低減させることができる。
(D−1)成分である光沢粒子の平均粒径は10μm以上60μm未満であり、(D−2)成分である光沢粒子の平均粒径は60μm〜300μmである。
平均粒径は、たとえば、レーザー回折粒度分布測定装置(MALVERN社製、MASTER SIZER 2000)を用いて、光沢粒子濃度0.1質量%のケロシン系溶液にて、粒度分布を測定し、その結果から平均粒径を求めることができる。
(D−1)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、0.005〜1.5質量部、好ましくは0.01〜0.1質量部である。(D−2)成分の含有量は、上記ガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、0.005〜5質量部、好ましくは0.05〜2質量部である。(D−1)成分及び(D−2)成分が0.005質量部未満であると、銀河調外観やメタリック調外観が形成されず、ウェルドライン発生やこれを境とする左右の明度差を低減させることができない。また、(D−1)成分を1.5質量部超とし、(D−2)成分を5質量部超とすると、光沢粒子自身が成形物の表面に浮き出る量が多くなり外観が損なわれ、ウェルドラインが形成されこれを境とする左右の明度差が生じ易くなる。
また、ウェルドラインを境とする左右の明度差の観点からポリカーボネート樹脂組成物に含まれる(D−1)成分と(D−2)成分との質量比が1:1〜1:7の範囲内であることが好ましい。
((E)酸化チタン)
本発明において、(E)成分である酸化チタンの平均粒径は0.05〜3μmである。平均粒径が0.05μm未満であるとウェルドラインが目視し易くなり、視認性低減の効果を得ることができず、3μm超であると樹脂組成物中での分散性に劣る。好ましい平均粒径は0.1〜0.5μmである。
本発明において使用される(E)成分は、通常微粉末の形態で使用され、ルチル型及びアナターゼ型のいずれでもよいが、熱安定性、耐候性等の点でルチル型が好ましい。また、その微粉末粒子の形状は特に限定されるものではなく、鱗片状、球状、不定形等を適宜選択使用できる。
また、(E)成分として使用される酸化チタンは、アルミニウム及び/又は珪素の含水酸化物の他、アミン化合物、ポリオール化合物等で表面処理したものであってもよい。この処理をすることによりポリカーボネート樹脂組成物中での均一分散性及びその分散状態の安定性が向上して均一な組成物を製造することができる。アルミニウムや珪素の含水酸化物、アミン化合物及びポリオール化合物としては、それぞれアルミナ含水物、シリカ含水物、トリエタノールアミン及びトリメチロールエタン等を例示することができる。上記表面処理における処理方法自体は特に限定されるものではなく、任意の方法が適宜採られる。この処理により酸化チタン粒子表面に付与される表面処理剤の量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の成形性を考慮すれば酸化チタンに対し、通常、0.1〜10.0質量%程度が適当である。
(E)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、0.05〜0.4質量部、好ましくは0.05〜0.3質量部である。含有量が0.05質量部未満であるとウェルドラインが目視し易くなり、視認性を低減させることができない。一方、含有量が0.4質量部超であるとメタリック感が損なわれる。ウェルドラインの視認性は、酸化チタンの粒子が大きいものを多く含有させるほど改善することができるが、一方で成形品のメタリック感が損なわれるため、光沢粒子の含有量が多くする必要があるが、その結果ウェルドラインを境とした左右の明度差が大きくなってしまう。
((F)着色剤)
本発明においては、着色した成形品が所望される場合には、(F)成分である着色剤を含有させることができる。
(F)成分の着色剤としては、所望される着色によるが、例えばシルバーメタリック調のベース色を発現させるためには、アルミ粉粒子を用いることが好ましい。シルバーメタリック調を発現させるためにアルミ粉粒子を用いる場合、光沢粒子と同様の働きをするため、適当な大きさの粒子を選択する必要があり、あまり大きすぎるとゲル発生の原因となりやすいため、アルミ粉粒子の平均粒径は30〜80μm程度であることが好ましい。
(F)成分の含有量は、成形品の色合いによって適宜調整すればよいが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、通常0.0001〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3質量部である。例えば、アルミ粉粒子を使用した場合、含有量が0.0001質量部以上であれば少なすぎて白色に見えることもなく、1質量部以下であれば多すぎて濃灰色に見えることがなく、上記範囲内であれば通常所望のシルバーメタリック調を得られる。
また、上記アルミ粉粒子以外にも、(F)成分として使用することができる着色剤としては、例えばメチン系染料、ピラゾロン系染料、ペリノン系染料、アゾ系染料、キノフタロン系染料、アンスラキノン系染料等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐久性等の観点からアンスラキノン系のオレンジ染料やグリーン染料を単独で、または混合して使用することができる。
(その他の任意成分)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、前記の(A)〜(F)成分以外に、汎用ポリスチレン系樹脂(GPPS)を含有させることができる。GPPSは(C)ポリメチルメタクリレート樹脂と同様に、メタリック感発現を助長する効果を示すため、本発明の目的が損なわれない範囲で必要量を適宜含有させることができる。
また、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、離型剤、安定化剤(酸化防止剤)、紫外線吸収剤、帯電防止剤、及び蛍光増白剤等の添加剤を適宜含有させることができる。
必要に応じて添加される離型剤としては、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステルを挙げることができる。このような高級脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価又は多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステル又は完全エステルであるものが好ましい。一価又は多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル又は完全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでもステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。
これらの離型剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部程度である。
必要に応じて添加される安定化剤(酸化防止剤)としては、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばトリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネートジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。その添加量は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、通常0.05〜1.0質量部程度である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤等を用いることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシ−α−クミル)−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。中でも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
トリアジン系の紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系の例えば商品名チヌビン400(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)が好ましい。
ベンゾオキサジン系の紫外線吸収剤としては、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(1−又は2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6又は1,5−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、1,3,5−トリス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン等が挙げられるが、中でも2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられ、なかでも2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンが好ましい。
これらの紫外線吸収剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。その添加量は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、通常0.05〜2.0質量部程度である。
帯電防止剤としては、例えば炭素数14〜30の脂肪酸のモノグリセリド、具体的にはステアリン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド等を、あるいはポリアミドポリエーテルブロック共重合体等を用いることができる。
蛍光増白剤としては、例えばスチルベン系、ベンズイミタゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。具体的には、ユビテック(商品名 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、OB−1(商品名 イーストマンケミカル社製)、TBO(商品名 住友精化(株)製)、ケイコール(商品名 日本曹達(株)製)、カヤライト(商品名 日本化薬(株)製)、リューコプアEGM(商品名 クラリアントジャパン(株)製)等の市販品を用いることができる。
(調整方法)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の調製方法に特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、前記の(A)〜(F)成分及び必要に応じてその他の任意成分を、それぞれ所定の割合で配合し、混練することにより調製することができる。
配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機及びコニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常240〜300℃の範囲で適宜選定される。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の含有成分は、あらかじめ、該芳香族ポリカーボネート樹脂の一部と溶融混練したもの、すなわち、マスターバッチとして添加することもできる。
このようにして調製された本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
[ポリカーボネート樹脂成形品及びその製造方法]
次に、本発明のポリカーボネート樹脂成形品について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、前述の本発明のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形法等の方法で成形してなるものである。その際、ポリカーボネート成形品の厚さは好ましくは0.3〜10mm程度とし、該成形品の用途によって、前記範囲から適宜選定される。
本発明のポリカーボネート樹脂成形品の製造方法に特に制限はなく、従来公知の各種成形方法、例えば射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等を用いることができるが、金型温度120℃以上、好ましくは120℃〜140℃で射出成形することが好ましい。この際、射出成形における樹脂温度は、通常240〜300℃程度、好ましくは260〜280℃である。
金型温度120℃以上、好ましくは120℃〜140℃で射出成形することにより、ガラス繊維が沈み、良好な外観が得られる等のメリットが得られる。より好ましい金型温度は、125℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは130℃〜140℃である。成形原料である本発明のPC樹脂組成物は、前記溶融混練方法により、ペレット状にして使用することが好ましい。なお、射出成形方法としては、外観のヒケ防止のため、又は軽量化のためのガス注入成形を採用することができる。
このようにして得られた本発明のポリカーボネート樹脂成形品では、ウェルドラインの発生が低減されたものであり、たとえウェルドラインができたとしても、その左右における明度差を視認できず、成形品の表面全体に良好なメタリック調外観または銀河調外観が得られる。
なお、ウェルドラインの左右における明度差の測定方法は、試験片に斜め45°からデイライトを照射し、ウェルドラインの左右を目視観察することによって行うことができる。
本発明はまた、前述したとおりの本発明のポリカーボネート樹脂組成物を金型温度120℃以上、好ましくは120℃〜140℃で射出成形してなる成形品を作製することを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品の製造方法をも提供する。
本発明のポリカーボネート樹脂成形品は、例えば、
(1)テレビ、ラジオカセット、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、オーディオプレーヤー、DVDプレーヤー、エアコンディショナ、携帯電話、ディスプレイ、コンピュータ、レジスター、電卓、複写機、プリンター、ファクシミリ等の各種部品、外板及びハウジング材等の電気・電子機器用部品、
(2)PDA、カメラ、スライドプロジェクター、時計、計測器、表示器械等の精密機械等のケース及びカバー類等の精密機器用部品、
(3)インスツルメントパネル、アッパーガーニッシュ、ラジエータグリル、スピーカーグリル、ホイールカバー、サンルーフ、ヘッドランプリフレクター、ドアバイザー、スポイラー、リアウィンド、サイドウィンド等の自動車内装材、外装品及び車体部品等の自動車用部品、
(4)イス、テーブル、机、ブラインド、照明カバー、インテリア器具類等の家具用部品
等として好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例と比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
なお、下記の実施例と比較例で得られたポリカーボネート樹脂組成物のペレットを用い、以下のようにして試験片を成形して、諸特性を評価した。
[評価試験]
(1)機械的特性
ペレットを100t射出成形機[東芝機械(株)製、機種名「IS100E」]を用いて、金型温度130℃、樹脂温度280℃で射出成形し、所定形状の各試験片を作製した。各試験片について、引張特性(破断強度、伸び)を、ASTM D638に準拠して測定し、曲げ特性(強度、弾性率)を、ASTM 790に準拠して測定した。
またIzod衝撃強度をASTM D256に準拠して測定した。
(2)物理特性(荷重撓み温度、比重)
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを100t射出成形機[東芝機械(株)製、機種名「IS100E」]を用いて金型温度130℃、樹脂温度280℃で射出成形し、所定形状の各試験片を作製した。
各試験片について、荷重撓み温度をASTM D648に準拠して測定して耐熱性の指標とした。比重はASTM D792に準拠して測定した。
(3)ウェルドライン左右の明度差
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを100t射出成形機[住友重機械工業(株)製、機種名「SG100M−HP」]を用いて、2点ゲートを有する金型で、金型温度130℃で射出成形し、ウェルドラインを有する80×80×2mmの試験片を作製した。こうして得られた試験片に斜め45°からデイライトを照射し、ウェルドラインの左右で光沢粒子の明度差が視認できるかどうかを測定し、次の5段階の基準により評価した。
5:視認できない、4:殆んど視認できない、3:やや目立つ、2:目立つ、1:はっきり視認できる
(4)ウェルドライン
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを100t射出成形機[東芝機械(株)製、機種名「IS100E」]を用いて、金型温度130℃、樹脂温度280℃で射出成形し、所定形状の試験片を作製した。試験片の表面外観を目視観察してウェルドブラックラインについて次の5段階の基準により評価した。
5:視認できない、4:殆んど視認できない、3:やや目立つ、2:目立つ、1:はっきり視認できる
(5)メタリック感
上記ウェルドライン評価試験の試験片と同様に作製した試験片の表面外観を目視観察して本発明の目的とするメタリック感を有する外観であるかを次の5段階の基準により評価した。
5:メタリック感が十分である、4:メタリック感が良好である、3:メタリック感がある、2:メタリック感が殆んどない、1:メタリック感なし
[樹脂組成成分]
ポリカーボネート樹脂組成物のペレット作製に用いた各成分を以下に示す。
((A)成分)
・芳香族PC樹脂:粘度平均分子量17000であるビスフェノールAポリカーボネート〔出光興産(株)製、商品名「タフロンFN1700A」、屈折率1.585〕
・PC−PDMS:ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体〔粘度平均分子量18,500、PDMS部含有量4.8質量%、PDMS部鎖長(n)90、屈折率1.574〜1.576〕
((B)成分)
・ガラス繊維:〔旭ファイバーグラス(株)製、商品名「KK03NAFT737−S1」、屈折率1.585〕
((C)成分)
・PMMA:ポリメチルメタクリレート〔住友化学(株)製、商品名「スミペックMGSS」〕
((D)成分)
・(D−1)光沢粒子1:チタニアをコーティングした平均粒径40μmのガラスフレーク〔日本板硝子(株)製、商品名「MC1040RS」〕
・(D−2)光沢粒子2:シルバーをコーティングした平均粒径90μmのガラスフレーク〔日本板硝子(株)製、商品名「MC5090RS」〕
・(D−1)光沢粒子3:平均粒径50μm〔MERCK社製、商品名「Xirallic T5010」〕
・(D−2)光沢粒子4:平均粒径100μm〔MERCK社製、商品名「Miraval 5311」〕
((E)成分)
・酸化チタン:ルチル型酸化チタン、平均粒径0.2μm〔石原産業(株)製、商品名「CR60−2」〕
((F)成分)
・着色剤(アルミニウム粉粒子):平均粒径35μm〔日本防湿工業(株)製、商品名「NJ80」〕
[実施例1〜11及び比較例1〜11]
表1及び2に示す配合割合で、各成分を混合し、2軸押出し機[東芝機械(株)製、機種名「TEM−35B」]を用い、280℃にて溶融混練することにより、各ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを作製した。この各ペレットを用い、前述した評価試験をおこなった。その結果を併せて表1及び2に示す。
Figure 2011094070
Figure 2011094070
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、優れた耐熱性及び機械的強度を有するものであり、該樹脂組成物を用いた樹脂成形品は上記特性を維持しつつ、ウェルドラインの発生が低減されたものであり、ウェルドラインができたとしても、その左右における明度差を視認できず、成形品の表面全体に良好なメタリック調外観または銀河調外観が得られる。そのため、テレビ、冷蔵庫、掃除機等の意匠外観が要求される構造部材分野における用途に好適に用いられる。

Claims (12)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂60〜90質量%、(B)前記芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が0.02以下のガラス繊維5〜20質量%、及び(C)ポリメチルメタクリレート樹脂5〜25質量%からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、(D)(D−1)平均粒径が10μm以上60μm未満である光沢粒子0.005〜1.5質量部と、(D−2)平均粒径が60〜300μmである光沢粒子0.005〜5質量部、及び(E)平均粒径が0.05〜3μmである酸化チタン0.05〜0.4質量部を含むポリカーボネート樹脂組成物。
  2. (A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分中、(A)成分としてポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を10〜80質量%含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中、ポリオルガノシロキサン部の含有量が0.3〜5質量%である請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. (B)成分のガラス繊維が屈折率1.583〜1.587である請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. (D)成分の光沢粒子が、マイカ、金属粒子、金属硫化物粒子、表面が金属又は金属酸化物で被覆された粒子、表面が金属又は金属酸化物で被覆されたガラスフレークからなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. (D)成分における(D−1)成分と(D−2)成分との質量比が1:1〜1:7であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. (A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるガラス繊維含有樹脂成分100質量部に対して、さらに(F)着色剤0.0001〜1質量部を含む請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  8. (F)成分の着色剤が、アルミ粉粒子である請求項7に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  9. アルミ粉粒子の平均粒径が30〜80μmである請求項8に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のポリカーボネ−ト樹脂組成物を成形してなるポリカーボネート樹脂成形品。
  11. 金型温度120℃以上で射出成形してなる請求項10に記載のポリカーボネート樹脂成形品。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を金型温度120℃以上で射出成形することを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品の製造方法。
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