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JP2011082545A - 熱処理装置、熱処理方法、半導体装置の製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents

熱処理装置、熱処理方法、半導体装置の製造方法および表示装置の製造方法 Download PDF

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JP2011082545A JP2010260961A JP2010260961A JP2011082545A JP 2011082545 A JP2011082545 A JP 2011082545A JP 2010260961 A JP2010260961 A JP 2010260961A JP 2010260961 A JP2010260961 A JP 2010260961A JP 2011082545 A JP2011082545 A JP 2011082545A
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暁夫 町田
Toshio Fujino
敏夫 藤野
Masahiro Kono
正洋 河野
Katsuji Takagi
勝治 高木
Shinsuke Haga
伸介 芳賀
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Abstract

【課題】エネルギービームを用いた半導体膜の熱処理によって半導体素子を形成するにあたり、スループットを向上する。
【解決手段】本発明は、処理対象となる半導体膜11を備えた基板10を載置するステージ20と、ステージ20に載置された基板10の半導体膜11上に、複数のエネルギービームの照射点が一定間隔で並ぶようエネルギービームBを供給する供給部30と、供給部30によって供給される複数のエネルギービームBの照射点の並びと平行とならない方向に複数のエネルギービームBと基板10とを相対移動させ、複数のエネルギービームBの照射点を半導体膜11上で並列に走査し、半導体膜11の熱処理を制御する制御部40とを有する半導体処理装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に設けられた半導体膜にエネルギービームを照射し、熱処理による結晶化を図る半導体処理装置および半導体処理方法に関する。
液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)表示装置のようなフラット型表示装置においては、複数画素のアクティブマトリックス表示を行うためのスイッチング素子として、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)が用いられている。
薄膜トランジスタには、多結晶シリコン(poly-Si)あるいは微結晶シリコン(μc-Si)などを活性領域に用いたもの(多結晶シリコンTFT)と、非晶質シリコン(アモルファスSi)を活性領域に用いたもの(非晶質シリコンTFT)とがある。このうち、多結晶シリコンTFTは、非晶質シリコンTFTと比較してキャリアの移動度が10倍から100倍程度大きいという特徴があり、スイッチング素子の構成材料として非常に優れた特性を有している。
一方で、従来の液晶駆動の画素用スイッチング素子では、このように高い移動度は必要とされていなかったため、一般的に非晶質シリコンTFTが画素用スイッチとして用いられている。しかし、次世代TFTで駆動が期待される有機ELやハイフレーム用途では非晶質シリコンTFTより高い移動度を持った素子が望まれている。
しかし、多結晶シリコンTFTの特性は、トランジスタの心臓部であるチャネル領域に、結晶領域と結晶粒界領域との両方が存在することに起因して、移動度や閾値電圧等の素子ばらつきが生じやすい。この移動度とばらつきとの間にはトレードオフの相関関係があり、移動度が高くなると素子ばらつきが大きくなると言われている。
このような多結晶シリコンTFT特有の結晶粒界に起因する関係について、多くの研究がなされている。
例えば、特許文献1では、繰り返し照射での結晶方位の制御方法のほかに、回折格子マスク越しにエキシマレーザを照射する技術が開示されている。つまり、回折格子マスクにより強度変調された最小強度点を起点に結晶成長が起こり、最大光強度点に結晶粒界の位置を制御することで結晶粒界の位置制御を行うものである。
一方、別の技術では、レーザを走査しながら結晶化する手法が開示されている。その一例として、特許文献2のSELAX(Selectively Enlarging Laser Crystallization)法が開示されている。この方法は、連続発振(CW)レーザや、パルス周波数が極めて高い数十MHz以上の擬似CWレーザ光を用い、これを基板に成膜したシリコン膜に対して一方向に相対移動(走査)するものである。
このレーザの走査により、結晶が一方向に沿って成長する。結晶粒界は成長方向に対し、ほぼ平行に形成される。したがって、結晶成長方向の電気伝導は、キャリアが横断する結晶粒界の密度が低下するため、移動度を高くすることができる。
一方で、チャネル部分がより単結晶に近づけば近づくほど、面内結晶方位の差や面方位の微妙な角度差、そして内部欠陥の差というものの差がより顕著に現れるため、素子ばらつきの抑制にはさらに高品質の単結晶Si基板並みの結晶膜の形成が必要となってくる。
こうした中、チャネル内のシリコンを単結晶にするのではなく、キャリアが結晶横断する結晶粒界の数を制御した多結晶を構成する技術が特許文献3で公開されている。また、特許文献4によれば、スポットのレーザをチャネル領域に等ピッチで走査させることで結晶粒界を形成している。その結果、移動度が比較的高いながら、素子ばらつきの少ないトランジスタの形成が可能となっている。
特開2004−87535号公報 特開2004−87667号公報 特開2007−281422号公報 特開2007−281420号公報
しかしながら、これらの手法の問題の一つとして、スループットを高められないという問題がある。つまり、スポット径の小さなビームでチャネル内のシリコン膜の結晶化を行うためには、何度もビームを走査する必要があり、生産性向上の妨げとなっている。
本発明は、エネルギービームを用いた半導体膜の熱処理によって半導体素子を形成するにあたり、スループットを向上できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、処理対象となる半導体膜を備えた基板を載置するステージと、ステージに載置された基板の半導体膜上に、複数のエネルギービームの照射点が一定間隔で並ぶようエネルギービームを供給する供給部と、供給部によって供給される複数のエネルギービームの照射点の並びと平行とならない方向に複数のエネルギービームと基板とを相対移動させ、複数のエネルギービームの照射点を半導体膜上で並列に走査し、半導体膜の熱処理を制御する制御部とを有する半導体処理装置である。
また、本発明は、処理対象となる基板に設けられた半導体膜上に、複数のエネルギービームの照射点が一定間隔で並ぶようエネルギービームを供給する工程と、供給される複数のエネルギービームの照射点の並びと平行とならない方向に複数のエネルギービームと基板とを相対移動させ、複数のエネルギービームの照射点を半導体膜上で並列に走査し、半導体膜の熱処理を制御する工程とを有する半導体処理方法である。
このような本発明では、複数のエネルギービームの照射点が一定間隔で並び、基板上を並列で走査することから、1つのビーム照射点を走査する場合に比べて同時に処理できる領域を増やすことができる。
本発明によれば、エネルギービームを用いた半導体膜の熱処理によって半導体素子を形成するにあたり、スループットを向上することが可能となる。
本実施形態に係る半導体処理装置の概略構成を説明する図である。 本実施形態に係る半導体処理装置の具体例を説明する構成図である。 回折格子を説明する模式断面図である。 エネルギービームの照射点の並びの方向について説明する模式図である。 レーザアニール後の結晶の状態を示す模式図である。 回折格子によって形成されるレーザ光のビームスポット径について説明する模式図である。 ビームの相対放射強度によるプロファイルを示す図である。 1.2μmのビーム径において半導体膜を熱処理した場合のビームエネルギーと結晶粒の大きさとの関係を示す図である。 回折格子によって形成されるレーザ光のビームプロファイルについて説明する模式図である。 ビームスポットの並びとスキャン方向との角度を説明する模式図である。 エネルギービームであるレーザ光の分割方法について説明する模式図である。 エネルギービームであるレーザ光の分割方法について説明する模式図である。 本実施形態によるレーザ光の照射におけるスキャン方向を説明する模式図である。 折り返しスキャンした場合の結晶粒の状態を示す模式図である。 薄膜半導体装置の製造方法を説明する図(その1)である。 薄膜半導体装置の製造方法を説明する図(その2)である。 薄膜半導体装置の製造方法を説明する図(その3)である。 薄膜半導体装置の製造方法を説明する図(その4)である。 薄膜半導体装置の製造方法を説明する図(その5)である。 薄膜半導体装置の製造方法を説明する図(その6)である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで説明する実施形態の半導体処理装置は、いわゆる半導体薄膜の結晶化活性化等の工程において、基板上に形成されたシリコンやゲルマニウム等の非晶質半導体膜を結晶化、活性化するために用いられる装置である。
<半導体処理装置の概略構成>
図1は、本実施形態に係る半導体処理装置の概略構成を説明する図である。本実施形態に係る半導体処理装置は、処理対象となる半導体膜11を備えた基板10を載置するステージ20、エネルギービームを供給する供給部30、ステージ20およびエネルギービームの照射についての制御を行う制御部40を備えている。
ステージ20は、基板10を載置した状態で縦横(XY)方向に移動できる機能を備えている。また、必要に応じて高さ(Z)方向に移動できる機能や、回転(θ)方向に移動できる機能を備えている。
供給部30は、ステージ20に載置された基板10の半導体膜11上に、複数のエネルギービームBの照射点が一定間隔で並ぶようエネルギービームを供給する部分である。エネルギービームBとしてはレーザ光が用いられる。したがって、供給部30には、レーザ光を出射する光源部、および光源から出射されたレーザ光を成形するビーム成形部、レーザ光を複数のエネルギービームBに分割する分割部を備えている。
制御部40は、ステージ20のXY方向、必要に応じてZ方向、θ方向の移動を制御するとともに、供給部30に対して指示を与え、エネルギービームBのエネルギー量を制御する。これにより、基板10の半導体膜10に対する熱処理の状態を制御している。
<半導体処理装置の具体例>
図2は、本実施形態に係る半導体処理装置の具体例を説明する構成図である。この図に示す半導体処理装置は、基板10を載置するステージ20、レーザ光を発振する光源部31、レーザ光の合成部、レーザ光の照射形状を整形するビーム整形部32、レーザ光に強度変調をつけて分割を行う分割部となる回折格子マスク照射部33を備えている。ここで、光源部31、ビーム整形部32、回折格子マスク照射部33が図1に示す供給部30内に設けられ、これらとステージ20とを制御部40が制御する構成となっている。
上記構成のうち、ステージ20は、当該ステージ20上に載置した基板10を水平に保ち、その水平面内におけるX−Y方向に基板を自在に移動・走査させることが可能なスライダを設けた構成となっている。ここで、このステージ20上に載置される基板10が可撓性を有してフレキシブルに屈曲する場合、ステージ20はその端部にロール・ツー・ロールの基板巻き取り機構を設け、基板10を走査させる一方向(例えば±Y方向)に基板10を巻き取り自在に構成したものであっても良い。
光源部31は、半導体レーザ発振器で構成されている。半導体レーザ発振器としては、この半導体処理装置を用いてどのような処理を行うかによって適切な特性と波長をもつレーザ光を発振するものが選択される。
例えば、この半導体処理装置を非晶質シリコンからなる半導体薄膜の結晶化および活性化に用いる場合、レーザの安定性や、半導体膜の吸収係数を考慮し、発振波長が350nm〜470nmの波長を含む、GaおよびNを含む化合物半導体レーザ発振器が用いられる。また、チタンサファイアレーザの第二高調波、Nd:YVO4、Nd:YAGレーザの第二高調波等の半導体レーザや固体レーザ、ガスレーザでは、Krガスレーザ等が好適に用いられる。
また、ビーム成形部32は、光源部31から発振されたガウシアン形状に近いプロファイルを持つレーザ光の各領域をシリンドリカルまたはハニカムレンズで切り取り、重ね合わせてトップハット型の所定のビーム形状に整形することを可能としている。
具体的には、光源部31から出射されたレーザ光を反射するミラーと、ミラーで反射したレーザ光を平行光にするレンズと、平行光をトップハット型の成形するホモジナイザおよびレンズと、トップハット型のレーザ光を回折格子マスク照射部33の回折格子へ導くミラーとを備えている。
これら光学系(光学ヘッドとも言う。)はコンパクトに構成されており、必要に応じて基板10上の一軸方向に高速かつ等速で移動することができるよう、リニア駆動型のスライダ上に形成されてもよい。この場合、小型の半導体レーザ等を使う場合以外は光ファイバ等で前述のビーム合成部前まで導入するように設計することで、光学ヘッド部の荷重や大きさを減少させることが望ましい。
ビーム成形部32でトップハット型のビーム形状に整形されたレーザ光は、回折格子マスク照射部33の回折格子によって変調され、複数の照射点が一定間隔で並ぶエネルギービームとなる。
図3は、回折格子を説明する模式断面図である。回折格子は、ガラス基板の一方面に直線状の凹凸が所定ピッチ(格子ピッチ)で並んだもので、入射される半導体レーザ光を干渉縞によって強度変調するものである。本実施形態では、格子ピッチaが例えば0.4〜2.0μmであり、干渉のピッチdがa/2となっている。
このような回折格子を用いてトップハット型のレーザ光を変調し、干渉のピッチによる多数のビームの照射点(ビームスポット)の並びを形成する。本実施形態の半導体処理装置では、この多数のビームスポットを基板上に並列で照射することになる。
ここで、光学ヘッド側を固定して使用する場合は、前述のステージ20を回折格子のピッチ方向に平行とならない方向に移動させるよう構成する。これにより、回折格子で変調させた最大強度点(ビームスポット)がステージ20上に載置された基板10上に設計される半導体装置のチャネル部を横切るようセッティングできることになる。
すなわち、このような構成においてレーザ光は、基板10上に強度分布を持ちながら結像されつつ基板10上を一方向(例えば、X方向)に走査される構成となる。
また、複数のビームスポットを基板10上のチャネル領域に特定して照射することで、全体の処理速度を上げることができる。このため、基板10上の所定位置に設けられたアライメントマークを観察できる観察部があることが望ましい。観察部は光学ヘッドとの位置関係が保たれている限りにおいて、光学ヘッドとは別の部分にあっても構わない。
観察部は、基板表面にあらかじめ記された同一の基準点となるアライメントマークをモニタするための部分であり、この観察部は、照明光を照射する照明光源、照明光源から照射された照明光整形する整形部、整形部で整形した照明光を照明光の反射光を受光する撮像部、撮像部で検出された像を映し出すためのモニタ等で構成されている。
ここで、ステージ20および供給部30から成る処理ユニットは各ユニット間の調整が可能な範囲で数を増やして設けてもよい。配列された各処理ユニット並列処理を行うことでスループットはさらに良くなる。
<半導体処理方法>
以上のような構成の半導体処理装置で、薄膜トランジスタ等の半導体装置を製造するには、次のような手順となる。先ず、供給部30の光源部31でエネルギービームであるレーザ光を生成し、ビーム成形部32および回折格子マスク照射部33を介して複数の照射点が一定間隔に並ぶレーザ光を基板上に照射する。
この状態で、複数照射点のレーザ光を基板上でX方向へ走査するため、ステージ20の駆動または光学ヘッドの駆動によって相対的な移動を行う。これにより、基板10の半導体膜11上には、一定間隔で複数の照射点が並ぶレーザ光を並列で走査できることになる。
その後、当該ステージ20上の基板10をY方向に移動させつつ、繰り返しレーザ光のX方向へのスキャン照射を行っていく。これにより、基板10上のXY二次元の任意の位置に対してレーザ光を照射した処理を行うことができる。
この半導体処理装置によれば、ステージ20上に載置された基板10に対してレーザ光を相対的に走査させるが、これにより、例えば、0.1m/秒を越える高速で基板10に対してレーザ光を走査し、基板10に対してレーザ光の連続照射を行うことができる。そして、基板10に対するレーザ光の移動速度、エネルギー量によって、基板10に対する熱的負荷を軽減させるといったアニール工程を行うこともできる。
その結果、レーザ光の移動速度を高速で調整する、もしくはエネルギー量を少なくすることによって、基板10に対する熱的負荷を軽減させたアニール工程を行うことが可能になる。例えば、基板10上の半導体薄膜を結晶化するためのアニール処理において、さらに耐熱性の低いプラスチック基板等を用いることも可能になる。これにより、例えば、薄膜半導体装置の製造工程において、可撓性を備えた基板を用いるロール・ツー・ロールでの設備費用を抑えた量産プロセスを実現することができる。
また、レーザ光を照射する基板10上には、あらかじめ電極パターン等がパターニングしている場合や基板自体がかなりうねっているものもある。したがって、レーザ光のフォーカスを常に最適化する機構がない場合は、かなりのフォーカス深度のあるレーザで照射する必要がある。集光性の高いレーザ対物レンズを用いる場合は、フォーカスサーボ機能をもった素子で照射エリアを事前にモニタし、先読みした領域にアニール用のレーザ光が来たときに、最適なフォーカス位置に来るように制御させることもできる。
<エネルギービームの照射点の並びの方向>
図4は、エネルギービームの照射点の並びの方向について説明する模式図である。本実施形態では、複数の照射点が一定間隔で並ぶエネルギービームを基板に照射するにあたり、複数の照射点の並びの方向を、スキャンの方向に対して傾斜させている。図4に示す例では、図中四角枠で囲む領域が複数の照射点によるレーザ光照射領域であり、図中矢印がスキャン方向を示している。このように、複数の照射点の並びの方向がスキャン方向に対して傾斜していることで、各照射点におけるスキャンの列について、ビームスポットの当たるタイミングに時間差が生じ、図中三日月型で示される結晶粒を的確に形成できるようになる。
ここで、結晶粒は次のように形成される。すなわち、レーザ光の照射点(ビームスポット)が半導体膜上に照射されると、熱エネルギーによって半導体膜の一部もしくは全体が完全溶融する。したがって、ビームスポットと走査すると、半導体膜が完全溶融した走査路においては、レーザ光の通過にともなって凝固が進み、レーザ光の走査中心に沿って結晶粒が配列形成される。
この際、レーザ光のビームプロファイルを中央部が高く周辺部が低い分布を持たせた例えばガウシアン形状的プロファイルとすることで、レーザ光の照射部分の温度は、レーザ光のビームプロファイル(Beam Profile)のガウシアン形状的プロファイルに対応し、レーザ光の走査中心で最も高く、両端で最も低くなる。そのため、レーザ光を走査方向に走査しながら照射することにより、半導体膜が完全溶融した走査路において、走査中心と離れた遠い位置(レーザ光の走査路の両側端)から結晶凝固が開始され、走査路の両側端に一定数の結晶の種が発生する。
そして、さらにレーザ光の走査を進めることにより、走査中心側に向かって走査方向に凝固が進められ、結晶の種が走査方向に向かって走査中心側に引っ張られる状態で凝固が進み、走査中心が最後に結晶化される。
この際、走査中心において凝固が会合するように、上述した照射条件の範囲でさらにレーザ光の走査速度および出力を調整しても良い。これにより、走査中心から走査路の両側に向かって末広がりに広がる半三日月状、つまり三日月を線対称となる線で2分割した形状の結晶粒が得られる。
本実施形態では、一定間隔に並ぶ複数の照射点を並列で走査することから、並びの方向をスキャン方向に対して傾斜させることで、隣接する照射点の走査路ごと時間差で溶融、凝固が連続して行われ、これによって上記三日月型の結晶粒が形成されることになる。
図5は、レーザアニール後の結晶の状態を示す模式図である。本実施形態では、回折格子によってレーザ光を干渉させ強度変調を行い、複数の照射点を形成しているため、干渉ポイント(ビームスポット)の位置に対応して干渉ポイントの数nに対応した結晶粒界aが形成されることになる。また、隣接する干渉ポイントの間、すなわち、結晶粒界aの間には三日月型の結晶粒bが形成される。
したがって、薄膜トランジスタを形成する場合、薄膜トランジスタのチャネル部となる半導体膜の領域について、結晶粒界aがチャネル長方向に周期的に設けられるよう複数の照射点の間隔、走査速度、エネルギー量を制御する。これにより、チャネル部に複数の結晶粒界aが形成され、キャリア移動度を保てる範囲で薄膜トランジスタの特性を均一化できるようになる。具体的には、チャネル長方向に数十本(例えば、50本程度)の結晶粒界aが周期的に設けられるよう設定するとよい。
<ビームスポットについて>
ここで、回折格子によって強調されるレーザ光のビームスポットについて説明する。図6は、回折格子によって形成されるレーザ光のビームスポット径について説明する模式図である。ここで、Δxは回折格子に入射されるレーザ光の幅、λはレーザ光の波長、dは回折格子のピッチである。この場合、回折格子によってレーザ光が収束するための距離gは、
g={√(d2−λ2)/2λ}・Δx
によって示される。
また、回折格子に垂直に入射したレーザ光が回折して出射する際の角度をθとした場合、回折格子によって強調して表れる干渉縞のピッチPは、
P=λ/2sinθ=λ/2(λ/d)=d/2
によって示される。
回折格子によって形成されるレーザ光のビームスポットは、ガウシアン形状に近似されるプロファイルとなる。図7は、ビームの相対放射強度によるプロファイルを示す図である。一般に、相対放射強度のプロファイルがガウシアン形状に近似されるビームスポットでは、相対放射強度のピーク値が1/e2(eは自然対数の底)、すなわち13.5%となった位置での径をビーム径φと定義している。
図8は、上記の定義による1.2μmのビーム径φにおいて半導体膜を熱処理した場合のビームエネルギーと結晶粒の大きさとの関係を示す図である。この図から分かるように、レーザ光照射による半導体膜の熱処理によって形成される結晶粒の大きさは、ほとんどビーム径以下となっている。本実施形態では、このような性質を利用し、複数のレーザ光におけるビームスポットをガウシアン形状となるよう例えば回折格子と基板との間隔、エネルギー量の設定を行い、形成される結晶粒のサイズを的確にコントロールしている。
図9は、回折格子によって形成されるレーザ光のビームプロファイルについて説明する模式図である。図9(a)に示すように、回折格子によって形成される複数のレーザ光のピッチは、回折格子のピッチをdとした場合、d/2となる。
また、先に説明した回折格子と基板との距離によって、各レーザ光のビームプロファイルはガウシアン形状に近似されるプロファイルとなる。本実施形態では、図9(b)に示すように、回折格子によって形成される複数のレーザ光のビームプロファイルとして、相対放射強度のピーク値を貫く軸を中心として、どの回転角度の断面もガウシアン形状に近似されるプロファイルとなるビームを形成している。
すなわち、本実施形態では、複数の照射点(ビームスポット)が一定間隔で並ぶレーザ光を基板に照射するにあたり、ビームスポットの並びの方向をスキャン方向に対して傾斜させている。この際、各ビームスポットはスキャン方向に沿った走査路上を進むため、走査路上でのエネルギー分布は、ビームプロファイルをスキャン方向と垂直な方向に沿った断面形状と等価となる。
したがって、ビームプロファイルのピーク値を貫く軸を中心として、どの回転角度の断面であってもガウシアン形状に近似されるプロファイルとなるビームにすることで、ビームスポットの並びとスキャン方向とに所定の角度がついていても、走査路上で常に一定のガウシアン形状に近似されるプロファイルから成るビームプロファイルを得ることができる。つまり、走査路上でビームプロファイルのピーク位置が走査路に沿った直線状となり、走査路上で熱エネルギーの分布を一定するにすることができる。
また、図9(c)に示すように、一定間隔でビームスポットが並ぶレーザ光を走査して照射するにあたり、各ビームスポットの間にレーザ光が照射されない隙間が発生しないよう、隣接する2つのビームスポットを互いに左右で接する接線Sを想定する。そして、その接線Sをスキャン方向とするようビームスポットの並びとスキャン方向(接線S)との角度θを設定する。
図10は、ビームスポットの並びとスキャン方向との角度を説明する模式図である。先に説明した、隣接する2つのビームスポットを互いに左右で接する接線Sを想定し、この接線Sの方向をスキャン方向とすると、ビームスポットの並びの方向をスキャン方向に対してθだけ傾斜させることになる。
これにより、各ビームスポットによる走査路はビームが当たらない隙間が発生せず、レーザ光が照射される領域の全域についてレーザ光が照射され、熱処理を施すことができるようになる。傾斜されることで、各ビームスポットのスキャン方向に沿った照射位置に時間差が発生し、これによって三日月状の結晶粒bおよび結晶粒界aを形成することが可能となる。
<エネルギービームの分割方法>
図11〜図12は、エネルギービームであるレーザ光の分割方法について説明する模式図である。先に説明したように、一定の間隔から成る照射点を有するようレーザ光を分割する方法として、1つの回折格子を用いる例を示したが、これ以外の方法で分割することもできる。
図11(a)に示す例は、2つの回折格子を重ね、多重干渉を利用するものである。また、図11(b)に示す例は、レーザ光をハーフミラーによって2つの光路に分岐し、2光路の光線によって干渉を起こさせるものである。
また、図12(a)に示す例は、複数の光ファイバを直線状に配置したもので、各光ファイバにレーザ光を入射して、各光ファイバの端面からレーザ光を出射するものである。これにより、各光ファイバのピッチによってビームスポットの間隔を設定できることになる。また、図12(b)に示す例は、マルチエミッションレーザを用いるものである。マルチエミッションレーザは、一つの基板に複数の発光点を形成したレーザ素子である。これにより、製造時のピッチに応じて多点からレーザ光を出射し、これを基板に照射することになる。
いずれの例であっても、レーザ光の複数の照射点の並びと平行とならない方向に、レーザ光と基板とを相対移動させる。また、複数の照射点の並びと走査方向との間に所定の角度を設ける場合には、上記の分割手段を備えた光学ユニットもしくは基板が載置されるステージを回転させることで対応すればよい。
<スループット向上について>
図13は、本実施形態によるレーザ光の照射におけるスキャン方向を説明する模式図である。複数本のレーザ光の並びによって1回の走査路列Nが形成される場合、本実施形態では、先ず、矢印A1からA2、A3、A4、A5の順でスキャンしていく。
次に、次段の列のスキャンを行うにあたり、矢印A5から折り返して先とは反対方向となる矢印B1、B2、B3、B4、B5の順でスキャンしていく。さらに、次段の列のスキャンを行うにあたり、矢印B5から折り返して先とは反対方向となる矢印C1、C2、C3、C4、C5の順でスキャンしていく。
このように、その列のスキャンが終了したら、次段の列については折り返して反対方向に順次スキャンしていく。これにより、スキャンの列ごとに同じ位置まで戻る必要がなく、光学ヘッドもしくはステージの移動距離を最短で済ませることができ、スキャンする際のスループットを向上できるようになる。
図14は、折り返しスキャンした場合の結晶粒の状態を示す模式図である。1回の走査路列Nのスキャンについて、矢印A方向と矢印B方向とではスキャン方向が反対となるため、三日月型の結晶粒の方向が反対となっている。また、矢印B方向と矢印C方向とではスキャン方向が反対となるため、三日月型の結晶粒の方向が反対となっている。このように、スキャン方向によって結晶粒の三日月型の方向が交互に反対となる。
<薄膜半導体装置の製造方法>
次に、以上のような結晶化方法に続けて行われる薄膜半導体装置の製造方法を説明する。ここでは、同一の基板上に複数の薄膜トランジスタTFTを設けてなる半導体装置の製造方法を説明する。なお、図面においては、主に1つの薄膜トランジスタ形成部分のみを図示する。
先ず、図15(a)に示すように、基板1上の半導体薄膜3に設定した各活性領域3aの全面を、上述した結晶化方法によって選択的に結晶化する。そして、それぞれの活性領域3a内に、活性領域3aを横切る状態で帯状の結晶粒bを形成する。これにより、活性領域3aを横切る状態で、幅W1(=数100nm)で周期的に配列された結晶粒界aを配列させる。この際、帯状の結晶粒bの長さは、薄膜トランジスタの規格に合わせて数μm〜数100μm程度とする。
次に、図15(b)に示すように、結晶化させた活性領域3aを残すような所定形状に半導体薄膜3をパターンエッチングし、各活性領域3aを所定形状の島状に分割して素子分離する。
この場合、図示したように、活性領域3aの周囲に結晶化させていない半導体薄膜3部分が残らないように、半導体薄膜3をパターンエッチングしても良い。また、活性領域3aの周囲に結晶化させていない半導体薄膜3部分が残るように、半導体薄膜3をパターンエッチングしても良い。この場合、島状にパターニングされた領域内の結晶化された領域の全てが活性領域となり、その周囲に残された非結晶の領域は分離領域となる。
なお、このような半導体薄膜3のパターンエッチングは、上述した結晶化工程の前に行っても良い。この場合、活性領域3aの予定となる領域を含む島状にパターニングされた各半導体薄膜3に対して、上述した結晶化工程が施されることになる。
次に、パターニングされた活性領域3aを覆う状態で基板1の上部にゲート絶縁膜(図示省略)を形成する。このゲート絶縁膜は、酸化シリコンや窒化シリコンからなるもので良く、通常のPE−CVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)による公知の方法で成膜可能であり、この他にも塗布型の絶縁層として公知のSOG(Spin on Glass)等の成膜を行っても良い。尚、このゲート絶縁膜の形成は、半導体薄膜3をパターンエッチングする前に行っても良い。
次に、図16に示すように、島状に分割した各活性領域3aの中央部を横切る形状のゲート電極5を、ゲート絶縁膜上に形成する。ここでは、結晶粒界aの延設方向(帯状の結晶粒bの延設方向)に沿って、ゲート電極5を形成することが重要である。図3におけるA部の拡大図を図17に示す。
これらの図に示すように、ゲート電極5は、活性領域3aにおいて所定の幅Wに設計された部分を横切るように設けられており、ゲート電極5が横切る部分の活性領域3aの幅がチャネル幅Wとなる。つまり、結晶粒界aは、ゲート電極5下方のチャネル部Cを、チャネル幅Wの方向に横切る状態で設けられることになる。
また、ゲート電極5の線幅(すなわちチャネル長Lに対応する)は、ここで形成する薄膜トランジスタの規格に基づいて設計されており、その下方に所定本数の結晶粒界aがチャネル部Cをチャネル幅W方向に横切るように配置されるよう設定されていることとする。そして、同一特性の薄膜トランジスタであれば、チャネル部Cには、略同一本数の結晶粒界aが設けられていることが重要である。ここで略同一本数とは、所定本数に対して±1本の範囲であることが好ましい。
チャネル部Cに設けられる結晶粒界aの数は、所定本数に対する実際の本数の割合のバラツキが小さいほど、薄膜トランジスタの特性バラツキを均一化できる。このため、チャネル部Cに設けられる結晶粒界aの本数は2本以上で多いほうが良い。
具体的には、後の実施例でも説明するように、チャネル部Cには、チャネル幅W方向に延設された結晶粒界aが25本程度設けられるように、チャネル長Lに合わせて結晶粒bの幅W1(すなわち結晶粒界のピッチ)が設定されることが好ましい。
ただし、チャネル部Cにおいてチャネル長L方向を横切る結晶粒界aが多いほど、チャネル長L方向におけるキャリア移動度が低くなるため、キャリア移動度がある程度高く保たれる範囲で結晶粒界aの本数が多いほど良い。
また以上のように、各活性領域3aに設けられた結晶粒界aに対して所定状態としてゲート電極5を形成することが重要である。このため、先の結晶化工程においては、図18に示すように、ゲート電極5の配線方向に合わせてそれぞれの活性領域3aにおけるレーザ光の走査方向を設定し、帯状の結晶粒bとその結晶粒界aの延設方向をゲート電極5の配線方向に一致させることとする。
以上のゲート電極5を形成する際には、先ず、スパッタ法または蒸着法により、例えばアルミニウムからなる電極材料層を成膜し、次にリソグラフィー法によってこの電極材料層上にレジストパターンを形成する。その後、このレジストパターンをマスクに用いて電極材料層をエッチングすることにより、ゲート電極5をパターン形成する。
なお、ゲート電極5の形成は、このような手順に限定されることはなく、例えば金属微粒子を塗布して印刷する手法であっても良い。また、ゲート電極5を形成する際の電極材料層のエッチングにおいては、続けてゲート絶縁膜をエッチングしても良い。
次に、図19の断面図に示すように、ゲート電極5をマスクに用いたイオンインプランテーションとその後のアニール処理により、活性領域3aに自己整合的に不純物が導入されたソース・ドレイン7を形成する。なお、図19は、図16におけるX−X’方向の断面に対応している。
これにより、ゲート電極5の下方には結晶化された活性領域3aにおいて不純物が導入されない部分からなるチャネル部Cが形成される。これらのソース・ドレイン7およびゲート電極5の下方のチャネル部Cは、半導体薄膜3を結晶化させた多結晶シリコンで構成されるため、以上によって多結晶シリコン薄膜を用いたトップゲート型の薄膜トランジスタTFT(すなわち多結晶シリコンTFT)が同一基板1上に複数設けられた薄膜半導体装置10が得られる。
そして、このような薄膜トランジスタTFTをスイッチング素子として用いた表示装置として、例えば液晶表示装置を作製する場合には、さらに以下の工程を行う。
先ず、図20(a)に示すように、薄膜半導体装置100の基板1上に、薄膜トランジスタTFTを覆う状態で層間絶縁膜210を形成する。次に、この層間絶縁膜210に薄膜トランジスタTFTのソース・ドレイン7に達する接続孔210aを形成する。そして、この接続孔210aを介してソース・ドレイン7に接続された配線230を、層間絶縁膜210上に形成する。
次いで、配線230を覆う状態で平坦化絶縁膜250を形成し、配線230に達する接続孔250aを平坦化絶縁膜250に形成する。次に、この接続孔250aと配線230を介してソース・ドレイン7に接続された画素電極270を、平坦化絶縁膜250上に形成する。この画素電極270は、液晶表示装置の表示タイプによって透明電極または反射電極として形成する。なお、図面は1画素の要部断面となっている。
その後、ここでの図示は省略したが、画素電極270を覆う配向膜を平坦化絶縁膜上に形成し、駆動基板290を完成させる。
一方、図20(b)に示すように、駆動基板290に対向配置させる対向基板310を用意する。この対向基板310は、透明基板330上に共通電極35を設け、さらにここでの図示を省略した配向膜で共通電極350を覆ってなる。なお、共通電極35は透明電極からなることとする。
そして、駆動基板290と対向基板310とを、画素電極270と共通電極350とを向かい合わせた状態で、スペーサ370を介して対向配置する。そして、スペーサ370によって所定間隔に保たれた基板290,310間に液晶相LCを充填封止し、液晶表示装置410を完成させる。
なお、上記構成の駆動基板290を用いて有機EL表示装置を作製する場合には、駆動基板290に設けられた画素電極を陽極(または陰極)とし、この画素電極上に正孔注入層、発光層、電子輸送層などの必要機能を有する有機層を積層させ、さらに有機層上に共通電極を陰極(または陽極)として形成することとする。
以上説明した本実施形態の結晶化方法を用いて得られた薄膜半導体装置100は、図16および図17を参照すると、ゲート電極5に沿って延設された結晶粒界aが、チャネル部Cを横切るとともにチャネル長L方向に周期的に配置された構成となる。これにより、チャネル部Cを通過するキャリアは、必ず所定の幅W1で配置された結晶粒界aを横切って移動することになる。
したがって、この幅(すなわち帯状の結晶粒bの幅W1)を制御することにより、薄膜半導体装置1における薄膜トランジスタTFTのトランジスタ特性(キャリア移動度)を精度良好に制御することが可能になる。つまり、帯状の結晶粒bの幅W1やチャネル部Cに配置される帯状の結晶粒bの数(すなわち結晶粒界aの数)を一致させることで、複数の素子においてのキャリア移動度のばらつきが抑えられる。
しかも、結晶粒界a−a間の結晶状態は、同一の結晶粒bで構成されている。このため、非晶質の領域を含まず素子特性の劣化が抑えられるとともに、チャネル長L方向のキャリア移動度が高く維持される。
したがって、このような薄膜半導体装置に形成された各薄膜トランジスタTFTを画素のスイッチング素子として用いて表示装置を構成することにより、表示部での輝度ムラや色ムラを防止することが可能になる。
なお、上述した実施形態においては、本発明の半導体処理方法を適用して薄膜トランジスタを備えた薄膜半導体装置を作製する方法を説明した。しかしながら、本発明の半導体処理方法は薄膜トランジスタの製造方法への適用に限定されることはなく、他の電子素子の製造方法にも適用可能である。どの場合であっても、結晶粒界aを横切る方向に電流を流すように設定することにより、特性精度の良好な電子素子を得ることができる。
さらに、以上の実施形態で例示した材料、原料、プロセス、および数値などはあくまでも一例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる材料、原料、プロセス、および数値を用いても良い。
10…基板、11…半導体膜、20…ステージ、30…供給部、40…制御部、31…光源部、32…ビーム整形部、33…回折格子マスク照射部

Claims (20)

  1. 処理対象となる半導体膜を備えた基板を載置するステージと、
    ステージに載置された基板の半導体膜上に複数のエネルギービームスポットが一定間隔で第1の方向に沿って並ぶように、エネルギービームを供給する供給部と、
    第1の方向と異なる第2の方向に沿って、複数のエネルギービームスポットと基板とを相対移動させる制御部、
    とを備え、
    隣接するエネルギービームスポットの間には隙間があり、
    第1の方向と第2の方向とが成す角度は鋭角である熱処理装置。
  2. 第2の方向に沿って延びる結晶粒界を複数形成する請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 隣接する2つのエネルギービームスポットの間隔をd、第1の方向と第2の方向とが成す角度をθとしたとき、隣接する2つの結晶粒界の間隔はd・sin(θ)である請求項2に記載の熱処理装置。
  4. 第2の方向に沿って並んだ三日月形状を成す結晶粒を、結晶粒界の間に配列させる請求項2又は請求項3に記載の熱処理装置。
  5. 第2の方向と直角な第3の方向において、相対移動の速さに応じた時間差で、半導体膜の溶融、凝固を行わせる請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の熱処理装置。
  6. 第2の方向は、隣接する2つのエネルギービームスポットの共通内接線の方向である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の熱処理装置。
  7. エネルギービームスポットは、中央部が高く、周辺部が低いビームプロファイルを有する請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の熱処理装置。
  8. エネルギービームは、波長が350nm乃至470nmのレーザ光である請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の熱処理装置。
  9. エネルギービームは、GaN系化合物の半導体レーザ発振器から発振されるレーザ光である請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の熱処理装置。
  10. 供給部は、エネルギービームを出射する光源部、および光源部から出射されたエネルギービームを複数のエネルギービームに分割する回折格子とを有する請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の熱処理装置。
  11. 供給部は、エネルギービームを出射する光源部および直線状に配置された複数本の光ファイバを有し、光源部から出射されたエネルギービームを複数本の光ファイバの各入射端に入射してその各出射端からエネルギービームを出射する請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の熱処理装置。
  12. 半導体膜上に複数のエネルギービームスポットが一定間隔で第1の方向に沿って並ぶように、エネルギービームを半導体膜上に供給しながら、第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数のエネルギービームスポットと半導体膜とを相対移動させて、半導体膜の熱処理を行う熱処理方法であって、
    隣接するエネルギービームスポットの間に隙間をもたせ、
    第1の方向と第2の方向とが成す角度を鋭角にする熱処理方法。
  13. 半導体装置のチャネル部となる半導体膜の領域上に複数のエネルギービームスポットが一定間隔で第1の方向に沿って並ぶように、エネルギービームを半導体膜の領域上に供給しながら、第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数のエネルギービームスポットと半導体膜とを相対移動させて半導体膜を結晶化する半導体装置の製造方法であって、
    隣接するエネルギービームスポットの間に隙間をもたせ、
    第1の方向と第2の方向とが成す角度を鋭角にする半導体装置の製造方法。
  14. 第2の方向に沿って延びるゲート電極を、半導体膜の結晶化された領域と対応して形成する請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 半導体膜の結晶化された領域の上方にゲート電極を形成する請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 第2の方向に沿って延びる結晶粒界を複数形成する請求項13乃至請求項15の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  17. チャネル長は、第2の方向と直角な第3の方向である請求項15又は請求項16に記載の記載の半導体装置の製造方法。
  18. 結晶粒界を周期的に設けるように、複数のエネルギービームスポットの間隔、第1の方向と第2の方向とが成す角度、相対移動の速さ、エネルギービームスポットのエネルギー量を設定する請求項17に記載の記載の半導体装置の製造方法。
  19. 第2の方向を、エネルギービームスポットが照射される領域の各段ごと相対する方向に折り返す請求項13乃至請求項18の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  20. 画素のスイッチング素子としての薄膜トランジスタを有する表示装置の製造方法であって、
    薄膜トランジスタのチャネル部となる半導体膜の領域上に複数のエネルギービームスポットが一定間隔で第1の方向に沿って並ぶように、エネルギービームを半導体膜の領域上に供給しながら、第1の方向と異なる第2の方向に沿って複数のエネルギービームスポットと半導体膜とを相対移動させて半導体膜を結晶化する工程を備え、
    隣接するエネルギービームスポットの間に隙間をもたせ、
    第1の方向と第2の方向とが成す角度を鋭角にする表示装置の製造方法。
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