Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2011079412A - 燃料遮断弁 - Google Patents

燃料遮断弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2011079412A
JP2011079412A JP2009232970A JP2009232970A JP2011079412A JP 2011079412 A JP2011079412 A JP 2011079412A JP 2009232970 A JP2009232970 A JP 2009232970A JP 2009232970 A JP2009232970 A JP 2009232970A JP 2011079412 A JP2011079412 A JP 2011079412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
float
fuel
opening
housing
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009232970A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyosan Denki Co Ltd
Original Assignee
Kyosan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyosan Denki Co Ltd filed Critical Kyosan Denki Co Ltd
Priority to JP2009232970A priority Critical patent/JP2011079412A/ja
Publication of JP2011079412A publication Critical patent/JP2011079412A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

【課題】フロートの肉厚を厚くすることなく、ハウジング内に急激に燃料が浸入した場合であっても燃料の漏れをより確実に防止することができる燃料遮断弁を提供すること。
【解決手段】燃料タンクに設けられ、前記燃料タンク内とキャニスタとを連通する燃料遮断弁であって、ハウジングと、前記ハウジング内に上下動自在に設けられるフロートと、を有し、前記ハウジングは、前記キャニスタに連通する開口部を有し、前記フロートは、その上方に前記開口部を開閉する弁部材を有し、前記フロートは、その内部に下方が開放されたエア空間を有するとともに、その上方に前記ハウジング内と前記エア空間とを連通する貫通穴を有し、前記エア空間の体積に対する前記貫通穴の面積の割合は、0.63以下である構成。
【選択図】図1

Description

本願発明は、燃料遮断弁、例えば自動車等の燃料タンク内の燃料蒸発ガスをキャニスタへ流出させてキャニスタに吸着させたり、或いは燃料油面上昇時に燃料タンク内の燃料がキャニスタへ流出することを防止する燃料遮断弁に関する。
自動車等には、エンジンの燃焼室に供給するための燃料を貯留する燃料タンクが設けられる。この燃料タンクには、タンク内の燃料の増減に見合う空気が出入り可能なように通気系が設けられる。この通気系は、燃料タンク内とキャニスタとを連通する系として形成されており、仮に燃料タンクが満タン以上になると溢れた燃料がキャニスタ側へ流出してキャニスタを濡らし、キャニスタを使用不能にする。そのため、燃料タンクの上部に満タン制御弁を設けて燃料が満タンになった時、通気系を遮断してエアー及び燃料がキャニスタ側へ流出しないようにしている。
また、燃料タンクには、上記満タン制御弁の他に常時大気に開放し燃料タンク内の圧力変動を調整し、且つ、自動車が傾斜乃至横転等した時に閉じる燃料漏れ防止弁が取り付けられる。上記満タン制御弁及び燃料漏れ防止弁は、それぞれ別々に設けられているが、コストが高騰する等の理由により、両弁の機能を併せ持つ燃料遮断弁が提案されている。
ところで、燃料遮断弁のフロートは、中実であると重くて材料費がかさみ、且つ成型時間を要する等の理由により、薄い肉厚で且つ内部のエア空間の体積を利用して浮力を得られるような中空のフロートが主に用いられている。
内部に中空のエア空間を有するフロートは、軽量であるという利点とともに、フロートの通常の正立状態ではエア空間の空気量が一定であるため、エア空間の空気に起因して発生する一定の浮力を利用して、給油時等のフロートによる閉弁動作を安定的に行うことができるという利点を有する。しかし、例えば、車両が傾斜したり、横転または転倒したりしてフロートを収納するハウジング内に燃料が浸入すると、エア空間の一部或いは全部の空気が燃料により押し出され、その結果、エア空間の浮力が低減し、フロートによる閉弁動作が遅れ、燃料がキャニスタ側に漏れ出るという問題を生じる。
上記のような問題をなくすために、図12に示す燃料遮断弁が提案されている。この燃料遮断弁Aは、ハウジング1及びハウジング1の内部空間2に収納されるフロート3等からなる。
前記ハウジング1は、その上方に上部開口4を有し、その下方に下部開口5を有し、更にその上方周壁面に横穴6を有している。また、ハウジング1の上方外周壁には外方に向かって水平に伸びるフランジ8が形成されており、このフランジ8を燃料タンク7の上壁面に取り付け、フランジ8下方のハウジング1を燃料タンク7内に挿入する形態で配置される。
更に、ハウジング1の前記上部開口4の下面には、シール部9が形成されるとともに、ハウジング1の上方には、一端が上部開口4に連通し、他端が図示しないキャニスタに連通する連結パイプ10が設けられる。なお、図12のものは、実際には上部開口4と連結パイプ10との間にダイヤフラム弁を有するが省略した。
前記フロート3は、上部が閉鎖される円筒状の部材であり、その上部には弁体11が取り付けられる。フロート3の内部空間であるエア空間3aには、スプリング12が設けられ、フロート3の上動を助ける。例えば給油時等に燃料タンク7内の燃料が下部開口5から内部空間2に浸入するとフロート3は上動し、その上部の弁体11を上部開口4の下面のシール部9に当接し、この上部開口4を閉鎖することにより上部開口4から連結パイプ10への燃料の流出を防止する。
そして、フロート3の上部側壁には、やや大きめの貫通穴13が複数個設けられる。この貫通穴13は、燃料タンク7内の燃料が下部開口5から内部空間2に浸入すると、浸入する燃料の早さにかかわらずエア空間3aの空気を速やかにフロート3の外部に排出する機能を有するものである。この貫通穴13を設けることにより、エア空間3aの空気に起因して発生する浮力の作用がなくなり、フロート3をフロート3自体の体積による浮力とスプリング12の付勢力とで上動させて前記上部開口4を閉弁することになる。その結果、フロートの通常の正立状態時でも、或いは車両が傾斜したり横転または転倒した時であっても同様の安定した閉弁特性を得ることができる(特許文献1参照)。
ところで、最近では、燃料タンクが傾斜したり或いは給油時等に、フロートを収納するハウジング内に急激に燃料が浸入する場合に、燃料の漏れを防止することが強く求められている。上記の燃料遮断弁Aでそのような要望に答えるとすれば、フロート3の体積を増やしてフロート3自体の浮力を増やす必要がある。しかしながら、フロート3の体積を増やすために例えば肉厚を厚くするとその分、材料費が高騰するという問題が生じる。
また、急激な燃料の浸入を和らげるために燃料浸入部に遮蔽板を設ける必要があり、その場合、部品点数が増加し、コストが高くなるという問題が生じる。
特許第3393788号
本願発明の目的は、フロートの肉厚を厚くすることなく、また、部品点数を増加することなく、ハウジング内に急激に燃料が浸入した場合であっても燃料の漏れをより確実に防止することができる燃料遮断弁を提供することである。
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
請求項1に係る発明では、燃料タンクに設けられ、前記燃料タンク内とキャニスタとを連通する燃料遮断弁であって、ハウジングと、前記ハウジング内に上下動自在に設けられるフロートと、を有し、前記ハウジングは、前記キャニスタに連通する開口部を有し、前記フロートは、その上方に前記開口部を開閉する弁部材を有し、前記フロートは、その内部に下方が開放されたエア空間を有するとともに、その上方に前記ハウジング内と前記エア空間とを連通する貫通穴を有し、前記エア空間の体積に対する前記貫通穴の面積の割合は、0.63以下であることを特徴とする。
なお、「0.63以下」の「以下」はゼロを含まない意味であり、その下限値は、製作上可能な穴の最小の値になる。ゼロを含まない理由は、上記割合がゼロであると、公知例を含むことになるとともに、後記する図6の燃料上昇速度大時と、図7の燃料上昇速度小時とで、フロートの上昇速度を変えることができなくなるためである。
請求項2に係る発明では、前記貫通穴は、複数個からなることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記貫通穴は、同一円上に等間隔に設けられることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、前記貫通穴は、前記開口部側の開口端が前記開口部より離れるように傾斜状に設けられることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、前記フロートは、その上方に前記弁部材及び小開口部を有するアッパフロートと、前記アッパフロートの下部に、前記アッパフロートと係合し上下動自在に設けられるとともに、その上方に前記小開口部を開閉する第2の弁部材を有するロアフロートを有することを特徴とする。
請求項6に係る発明では、前記貫通穴は、前記ロアフロートに設けられることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、フロート内のエア空間の体積に対する貫通穴の面積の割合を、0.63以下にすることにより、燃料タンクが傾斜したり或いは給油時等に、フロートを収納するハウジング内に急激に燃料が浸入し、フロートのエア空間に流入する燃料量が、エア空間より貫通穴を介して排出される空気量より大になると、エア空間内に浮力が発生し、その浮力がフロートを上動する新たな力として加わるため、フロートの上動速度を早めることができ、早期閉弁するため開口部からキャニスタ側に流出する燃料の漏れ量を低減することができる。また、その結果、従来のようにフロートを肉厚にしてフロート自体の浮力を増大させる必要がなくなり、材料費の高騰という問題をなくすことができる。
そして、フロートを収納するハウジング内に急激に燃料が浸入したとしても、フロート中空部のエア空間に流入する燃料量が、エア空間より貫通穴を介して排出される空気量より以下の場合には、エア空間内に浮力が発生しないため、予め設定されたフロート自体の体積による浮力とスプリングの付勢力とによる閉弁条件で閉弁動作を安定して行うことができる。
請求項2に係る発明では、貫通穴を複数個にすることにより、請求項1に係る発明の効果に加え、例え、1個の貫通穴が詰まるような弊害が生じたとしても残りのもので本願発明の作用を継続して行うことができる。
請求項3に係る発明では、貫通穴を同一円上に等間隔に設けることにより、請求項2に係る発明の効果に加え、フロートの重心を中心に維持することができ、フロートの上下動を安定させることができる。
請求項4に係る発明では、貫通穴を、開口部側の開口端が開口部より離れるように傾斜状に設けることにより、請求項1乃至請求項3に係る発明の効果に加え、貫通穴から排出される空気に混入した燃料が開口部からキャニスタ側に流出する恐れを低減することができる。
請求項5に係る発明では、フロートを、その上方に弁部材及び小開口部を有するアッパフロートと、アッパフロートの下部に、アッパフロートと係合し上下動自在に設けられるとともに、その上方に前記小開口部を開閉する第2の弁部材を有するロアフロートとから形成することにより、満タン制御弁と燃料漏れ防止弁とを一体にした燃料遮断弁においても、請求項1に係る発明の効果と同様の効果を奏することができる。
請求項6に係る発明では、貫通穴をロアフロートに設けることにより、請求項5に係る発明の効果に加え、アッパフロートの高さ分、貫通穴と開口部との距離を長くすることができ、空気に混入した燃料が開口部からキャニスタ側に流出する恐れをより低減することができる。
燃料遮断弁の全体断面図 フロート内のエア空間の算定される体積を概略的に示す図 フロート平面図 図2のA部拡大図であり、貫通穴の算定される面積を概略的に示す図 アッパフロートの斜視図 燃料上昇速度大時のフロートの上動動作を概略的に示す図 燃料上昇速度小時のフロートの上動動作を概略的に示す図 フロートに設ける他の貫通穴を示す図 実験装置の概略図 実験結果を示すグラフ図 実験データを示す図 従来の燃料遮断弁の全体断面図
本願発明の燃料遮断弁は、どのような用途に用いられるものでもよいが、以下においては、自動車用の燃料系に用いられるもので、アッパフロート45及びロアフロート55を有するものについて説明する。燃料遮断弁20は、ハウジング30、ハウジング30内に配置されるアッパフロート45、ロアフロート55、第1の弁部材50及び第2弁部材59等を有する。
ハウジング30は、下方が開放された円筒状の樹脂製部材であり、内部空間31を有する。ハウジング30の上方には、図示しないキャニスタに連通される連結パイプ32が一体に形成され、内部空間31と連結パイプ32との間には開口部33(本願発明の開口部に相当)が形成される。また、開口部33の下方には、第1の弁部材50(本願発明の弁部材に相当)が当接する円形の第1のシール部34が垂下する形態で形成される。
ハウジング30内には、内壁面に沿って垂直方向に複数の縦リブ35が等間隔に設けられており、該縦リブ35は、ハウジング30の内壁面とロアフロート55の外周面との間に空間を確保して燃料蒸発ガス等の通路を形成するとともに、その内周端でロアフロート55の上下動をガイドする。
ハウジング30の底部には、熱溶着等の手段により底部材36が取り付けられる。この底部材36には、燃料等が内部空間31に浸入するための複数の下部開口37が穿設される。この下部開口37は、給油時或いは自動車が傾斜状態にあったり横転した時等に内部空間31に燃料を浸入させるためのもので、内部空間31に浸入する燃料によりアッパフロート45及びロアフロート55を上動させ、アッパフロート45の上部に設けられる前記第1の弁部材50により開口部33を閉鎖し、燃料がキャニスタに流出するのを防止する。なお、底部材36はハウジング30の一部に含めてもよい。
また、ハウジング30の上方の側壁面には、複数個、例えば2個の横穴38が設けられ、燃料タンク40内の燃料蒸発ガスは、この横穴38より、内部空間31に浸入し、開口部33及び連結パイプ32を介し図示しないキャニスタに排出される。
更に、ハウジング30の外周部にはフランジ39が一体に形成される。燃料タンク40の上壁面には取付開口40aが設けられており、燃料遮断弁20は、その下方の部分を取付開口40aより燃料タンク40内に挿入し、フランジ39を燃料タンク40の上壁面に固定する形態で取り付けられる。なお、ハウジング30は、その下方部分をフロートを収納するケース部材とし、連結パイプ32及びフランジ39部分をキャップ部材とするような複数分割構造のものであってもよい。
ハウジング30内には、アッパフロート45及びロアフロート55からなる樹脂製のフロートFが上下動自在に収納される。図5にアッパフロート45の斜視図を示す。アッパフロート45は、円板状部材46及び脚部材47を有する。脚部材47は、円板状部材46の外周底面に複数個、例えば4個ほぼ等間隔に垂下する断面円弧状の部材で、その下端部近傍には、ロアフロート55の小径円筒部57の上部外周面に形成される4個の係止片58が係合する縦長で矩形状の係合溝48が設けられる。
円板状部材46は、上方の小径円板部46aと、下方の大径円板部46bと、小径円板部46aと大径円板部46bとをつなぐ柱状部46cを有する。そして、柱状部46cにはドーナツ状で且つゴム製の第1の弁部材50が嵌合される。この第1の弁部材50は、ロアフロート55が上動した時にハウジング30の上部に形成される第1のシール部34に当接し、燃料等の開口部33側への流出を防止する。この場合、第1の弁部材50は前後左右方向にゆとりをもって嵌合されており、アッパフロート45が傾斜した状態であっても第1の弁部材50と第1のシール部34との密着を良好に行う。
アッパフロート45の小径円板部46aの上壁中央には、筒状中空部51が形成される。この筒状中空部51は中空の環状体であり、その上方先端には上下方向に開口する小径の小開口部52を有するとともに、この小開口部52の下方であって、前記筒状中空部51の上方先端部には第2のシール部53が形成される。
ロアフロート55は、下方開放の中空円筒形状の部材で、下方に大径円筒部56を有し上方に小径円筒部57を有する。大径円筒部56は、その内部に下方開放の大径のエア空間56a(本願発明のエア空間に相当)が形成されるとともに、大径円筒部56の外周部は、ハウジング30の内側面に設けられる垂直な縦リブ35にガイドされる。
小径円筒部57は、大径円筒部56の上壁から上方に延び、その内部に下方開放の上部空間57aが形成されるとともに、その上部外周面には、径方向で且つ外方に張り出した複数個、例えば4個の係止片58がほぼ等間隔に設けられ、更に小径円筒部57の上面中央部には、柱状でその先端が円弧状の第2の弁部材59が立設される。
ロアフロート55と底部材36との間には、スプリング60が介在される。スプリング60はそれ自体ではロアフロート55を上動する力はないが、ハウジング30内に燃料が浸入したとき燃料により発生する浮力とともにロアフロート55を素早く上動する力として作用する。
アッパフロート45とロアフロート55との組立は次のように行われる。まず、アッパフロート45の溝部である柱状部46c内に第1の弁部材50を嵌合する。次いで、ロアフロート55の上部にアッパフロート45を置き、そのままの状態でアッパフロート45の上部から力を加え、アッパフロート45を下動させる。すると脚部材47は係止片58により外方へ広げられ、アッパフロート45はロアフロート55の小径円筒部57の外周上に沿って押し込まれ、ついには4個の脚部材47のそれぞれの係合溝48内に、小径円筒部57の上部外周上に設けられる4個の係止片58が入り込み、両部材はスナップフィット係合される。その時同時にアッパフロート45の筒状中空部51内にロアフロート55の第2の弁部材59が嵌合する。
その結果、アッパフロート45は、ロアフロート55から切り離されることなく、上下動自在に連結されるとともに、ロアフロート55の第2の弁部材59の上部にピボット状に支持される。
前記係合溝48は、長さS(図5参照)を有しており、アッパフロート45の第1の弁部材50が第1のシール部34に当接する開口部33の閉鎖時、ロアフロート55は、その第2の弁部材59がアッパフロート45の小開口部52を閉鎖する位置から開放する位置に亘り略長さSだけ移動可能にされる。
アッパフロート45及びロアフロート55は以下のように作用する。燃料タンク40への給油時等、燃料が下部開口37から内部空間31に侵入すると、アッパフロート45及びロアフロート55は共に上動し、ロアフロート55の小径の第2の弁部材59は、アッパフロート45の第2のシール部53に当接して小開口部52を閉鎖するとともに、アッパフロート45の第1の弁部材50は、開口部33の下方に形成される第1のシール部34に当接して大径の開口部33を閉鎖し、燃料が連結パイプ32を介して図示しないキャニスタに流出するのを防止する。
第1の弁部材50及び第2の弁部材59の閉弁時、燃料タンク40内の圧力により小径の第2の弁部材59が第2のシール部53に当接する力は、大径の第1の弁部材50が第1のシール部34に当接する力よりかなり小さく、燃料タンク40内の圧力が僅かでも低下すると、ロアフロート55は自重で下動し、小径の第2の弁部材59と第2のシール部53との当接が外れ、小開口部52及び横穴38を介して燃料タンク40内は大気に連通する。
その結果、燃料タンク40内の圧は下がり、第1の弁部材50と第1のシール部34との当接が外れ、大径の開口部33が大気に開放するため、燃料タンク40内の圧力は急激に低下する。また、燃料タンク40内の燃料が満タン時、例え、下部開口37が燃料により塞がれていたとしても、燃料タンク40内で発生する燃料蒸発ガスは横穴38より連結パイプ32方向に流れるため、燃料タンク7内の圧力が過度に高くなることはない。
本願発明は、上記ロアフロート55の上壁面(図6及び図7に示すような単一のフロートの場合は、そのフロートFの上壁面)に上下方向に貫通穴65(本願発明の貫通穴に相当)を設けることを特徴にする。貫通穴65は、1つでも複数個でもよく、複数個の場合、ロアフロート55の上壁面の任意の位置に設けてもよいし、図3に示すように同一円上に等間隔に設けてもよい。貫通穴65を同一円上に等間隔に設けると、貫通穴65がフロートの中心に対して均等に配置されるため、フロートの重心を中心に維持することができ、フロートの上下動を安定させることができる。また、貫通穴65は、断面が一定な筒状のみに限定されず、円錐状等の断面が不定なものであってもよく、更に、方向も上下方向に限定されず傾斜方向或いは横方向であってもよい。
本発明者は、燃料タンク40が傾斜したり或いは給油時等に、ハウジング30の内部空間31に急激に燃料が浸入すると、フロートの閉弁動作が遅れ、燃料がキャニスタ側に流出し易くなる課題に対し、燃料タンク40が傾斜したり或いは給油時等に、ロアフロート55のエア空間56aに流入する燃料量が、エア空間56aより貫通穴65を介して排出される空気量を上回るようになると、エア空間56aに浮力(上回る割合が大になれば浮力も大になる)が発生するとの知見に基づいて、請求項1に記載した数値範囲を特徴とする発明を創作したものである。
即ち、本発明者は、フロートのエア空間56aの体積に対する貫通穴65の面積の割合を、0.63以下(ゼロを含まない)にすることにより、エア空間56aで発生する浮力であって、燃料タンク40が傾斜したり或いは給油時等に、燃料が開口部33よりキャニスタ側に流出する前に開口部33を閉鎖することができる大きさの浮力を見いだしたものである。
なお、ここでいうフロートのエア空間56aの算定される体積は、エア空間56aに開口する貫通穴65の下端部に連通するエア空間56aであって、貫通穴65の下端部より下方のエア空間56aの体積で、且つ上方へ空気が流出しないエア空間56aの部分を除いたエア空間56aである。これを図2で示せば、図2(A)のものでは、斜線で示す体積(上部空間57aを除いたエア空間56aの体積)であり、図2(B)のように小径円筒部57が下方に延設されるようなものでは、体積は斜線で示す範囲(上部空間57aを除いたエア空間56aの体積)になる。
また、ここでいう貫通穴65の算定される面積は、図4(A)のように貫通穴65が同径の筒状のものであれば、面積は、斜線で示す横断面積になり、図4(B)のような横断面が異なる例えば円錐状のようなものでは斜線で示すように最小の横断面積になる。
本願発明の数値限定の臨界的意義について図9の実験装置、図10の貫通穴面積/エア空間体積(%)に対する給油漏れ量(mL/test)の特性図及び図11のデータ表を用いて説明する。
実験装置は、給油筒41を有する燃料タンク40の上壁面に燃料遮断弁20を設け、この燃料遮断弁20の連結パイプ32を回収缶44を介してキャニスタ43に連通したものを用いた。そして、給油ガン42から急激に燃料を供給し、燃料遮断弁20から流出する漏れ量を回収缶44で測定した。この場合、給油ガンから急激に燃料を供給する給油量は、アメリカで法的に決められている38L/min(10ガロン/min)と、日本で通常行われている給油量である45L/min(ほぼ最大値)を用いた。
そして、図11で示すように、フロートFのエア空間56aの体積を14cmとし、貫通穴65の面積を0.008cm、0.018cm、0.035cm、0.053cm、0.071cm、0.088cm、0.106cm及び0.141cmのNo(1)〜No(8)の8種類として、それぞれの割合、即ち、0.06%、0.13%、0.25%、0.38%、0.50%、0.63%、0.76%及び1.01%の漏れ量を測定した。
それぞれの割合(%)の漏れ量を図10及び図11に示す。図10に示すように、漏れ量は、No(1)〜No(6)では割合が増えるにつれ急激に増加し、No(6)(割合0.63%)でほぼ最高値を示し、それ以降のNo(7)及びNo(8)ではほぼ横ばいになっている。このように、フロートFのエア空間56aの体積に対する貫通穴65の面積の割合を、0.63以下(ゼロを含まない)にすることにより、漏れ量が急激に低下することが分かる。この理由は、フロートにフロート自体の浮力に加え、エア空間に発生する浮力が加わり、フロートFが早期に閉弁するためである。
図6及び図7で燃料上昇速度大時と燃料上昇速度小時のフロートの上昇動作について述べる。なお、この例では、図1のようなアッパフロート45及びロアフロート55からなるフロートではなく、単一のフロートを用い、フロートのエア空間56aの体積に対する貫通穴65の面積の割合を0.63以下にしたものを用いる。図1のものと比べて相違するのはフロートのみで、それ以外のものは共通であり同じ符号を付す。
図6に、ハウジング30の内部空間31に急激に燃料が浸入する燃料上昇速度大時を示す。図6(A)はフロートFの上動時の状態を、図6(B)はフロートFの閉弁時の状態を、図6(C)はフロートFに作用する浮力の概略を示す。
矢印で示すように下部開口37よりハウジング30の内部空間31に急激に燃料が浸入すると、浸入する燃料は、フロートFとハウジング30の間を開口部33に向かって上動するとともに、フロートFのエア空間56aに入り込む。エア空間56aに入り込む燃料はエア空間56aの空気を貫通穴65より押し出そうと作用するが、貫通穴65が小さく十分な空気の排出が行われないため、エア空間56aの高さhの範囲の体積において図6(C)で斜線で示すような浮力Bが新たに発生し、フロートFに、フロートF自体の浮力Aとスプリング60の付勢力に加え、浮力Bが加わる。その結果、フロートFの上動速度が速まり、開口部33の閉弁時間が短縮され、図6(B)で示す閉弁状態になる。
なお、ハウジング30内に入り込む燃料の高さはH1であり、フロートFの上動速度が速く閉弁時間が短いため、図7(B)で示す高さH2より低くなる。
次いで図7に、ハウジング30の内部空間31に比較的ゆっくり燃料が浸入する燃料上昇速度小時を示す。図7(A)はフロートFの上動時の状態を、図7(B)はフロートFの閉弁時の状態を、図7(C)はフロートFに作用する浮力の概略を示す。
矢印で示すように下部開口37よりハウジング30の内部空間31に比較的ゆっくり燃料が浸入すると、浸入する燃料は、フロートFとハウジング30の間を開口部33に向かって上動するとともに、フロートFのエア空間56aに入り込む。エア空間56aに入り込む燃料はエア空間56aの空気を貫通穴65より押し出し、フロートFとハウジング30の間を上動する燃料とほぼ同じ速度で上昇する。そのため、フロートFに作用する閉弁力は、フロートF自体の浮力Aとスプリング60の付勢力になり、燃料の上昇速度とほぼ同じような速度で上昇する。その結果、フロートFの上動速度は図6のものに比べて遅くなり、閉弁時の燃料高さH2は図6のH1に比べて高くなる。
図8に貫通穴の変形例を示す。貫通穴65はその上方開口部65aがハウジング30の上方の開口部33に近いと、貫通穴65から流出する燃料(例えば空気に含まれる燃料等)が開口部33より流出しやすくなる。この例のものは貫通穴65を、開口部33側の開口端である上方開口部65aが開口部33より離れるように傾斜状に設けるものであり、このような形状にすることにより、上記弊害を低減することができる。なお、貫通穴65はフロートFの側壁面に横方向に設けるものであってもよい。
なお、前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。例えば、燃料遮断弁は、図1のようなアッパフロート及びロアフロートを用いるものではなく、単一のフロートを用いる満タン制御弁及び燃料漏れ防止弁のようなものであってもよい。
20…燃料遮断弁 30…ハウジング
31…内部空間 32…連結パイプ
33…開口部 34…第1のシール部
35…縦リブ 36…底部材
37…下部開口 38…横穴
39…フランジ 40…燃料タンク
40a…取付開口 41…給油筒
42…給油ガン 43…キャニスタ
44…回収缶 45…アッパフロート
46…円板状部材 46a…小径円板部
46b…大径円板部 46c…柱状部
47…脚部材 48…係合溝
50…第1の弁部材 51…筒状中空部
52…小開口部 53…第2のシール部
55…ロアフロート 56…大径円筒部
56a…エア空間 57…小径円筒部
57a…上部空間 58…係止片
59…第2の弁部材 60…スプリング
65…貫通穴 65a…上方開口部
F…フロート

Claims (6)

  1. 燃料タンクに設けられ、前記燃料タンク内とキャニスタとを連通する燃料遮断弁であって、
    ハウジングと、前記ハウジング内に上下動自在に設けられるフロートと、を有し、
    前記ハウジングは、前記キャニスタに連通する開口部を有し、
    前記フロートは、その上方に前記開口部を開閉する弁部材を有し、
    前記フロートは、その内部に下方が開放されたエア空間を有するとともに、その上方に前記ハウジング内と前記エア空間とを連通する貫通穴を有し、
    前記エア空間の体積に対する前記貫通穴の面積の割合は、0.63以下であることを特徴とする燃料遮断弁。
  2. 前記貫通穴は、複数個からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料遮断弁。
  3. 前記貫通穴は、同一円上に等間隔に設けられることを特徴とする請求項2に記載の燃料遮断弁。
  4. 前記貫通穴は、前記開口部側の開口端が前記開口部より離れるように傾斜状に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の燃料遮断弁。
  5. 前記フロートは、その上方に前記弁部材及び小開口部を有するアッパフロートと、前記アッパフロートの下部に、前記アッパフロートと係合し上下動自在に設けられるとともに、その上方に前記小開口部を開閉する第2の弁部材を有するロアフロートを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の燃料遮断弁。
  6. 前記貫通穴は、前記ロアフロートに設けられることを特徴とする請求項5に記載の燃料遮断弁。
JP2009232970A 2009-10-07 2009-10-07 燃料遮断弁 Pending JP2011079412A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009232970A JP2011079412A (ja) 2009-10-07 2009-10-07 燃料遮断弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009232970A JP2011079412A (ja) 2009-10-07 2009-10-07 燃料遮断弁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011079412A true JP2011079412A (ja) 2011-04-21

Family

ID=44073927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009232970A Pending JP2011079412A (ja) 2009-10-07 2009-10-07 燃料遮断弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011079412A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015013550A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 株式会社パイオラックス フロート弁装置
DE102016223957A1 (de) * 2016-12-01 2018-06-07 Kautex Textron Gmbh & Co. Kg Entlüftungsventil für einen Betriebsflüssigkeitsbehälter eines Kraftfahrzeuges
JP2019027351A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 京三電機株式会社 燃料遮断弁

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015013550A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 株式会社パイオラックス フロート弁装置
DE102016223957A1 (de) * 2016-12-01 2018-06-07 Kautex Textron Gmbh & Co. Kg Entlüftungsventil für einen Betriebsflüssigkeitsbehälter eines Kraftfahrzeuges
JP2019027351A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 京三電機株式会社 燃料遮断弁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4975740B2 (ja) 液体タンクの排気回路に用いられるバルブ
JP5678346B2 (ja) 燃料蒸気排出バルブ組立体
JP2011201535A (ja) 燃料タンク用の2重機能のバルブ
JP2007009906A (ja) 燃料タンク用ベントバルブ及び燃料ポンプモジュール
JP2012533015A (ja) ベントバルブ
JP2009202703A (ja) 燃料遮断弁
JP2004257264A (ja) 満タン制御弁構造
US8763626B2 (en) Valve for the venting circuit of a liquid tank
JP5467434B2 (ja) ベントバルブ
JP2007218125A (ja) 燃料遮断弁
JP4517346B2 (ja) 給油中の燃料蒸発ガスの再循環制御システム及び方法
JP2010143498A (ja) 燃料遮断弁
US20090293849A1 (en) Venting device for fuel tank
JP2011079412A (ja) 燃料遮断弁
JP2006015992A (ja) 高応答性燃料タンクロールオーバー/通気バルブ
US10670161B2 (en) Vent control valve for fuel tank
JP2011235772A (ja) 燃料遮断弁
US20130019963A1 (en) Fuel cut-off valve assemblies
JP2011102098A (ja) 燃料遮断弁
JP5888302B2 (ja) バルブ及び燃料タンク構造
JP2017172452A (ja) 燃料タンク用通気制御弁
JP2005138677A (ja) 満タン検知バルブ
JP2017106525A (ja) 燃料タンク用弁装置
JP2010173397A (ja) 燃料遮断弁
JP5370068B2 (ja) 燃料タンク