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JP2011079322A - 画像処理方法及び画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法及び画像処理装置 Download PDF

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JP2011079322A JP2010256445A JP2010256445A JP2011079322A JP 2011079322 A JP2011079322 A JP 2011079322A JP 2010256445 A JP2010256445 A JP 2010256445A JP 2010256445 A JP2010256445 A JP 2010256445A JP 2011079322 A JP2011079322 A JP 2011079322A
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隆 中村
Akihiko Nakaya
明彦 仲谷
Minoko Kato
美乃子 加藤
Rie Kajiwara
理恵 梶原
Hisanori Washimi
尚紀 鷲見
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Makoto Torigoe
真 鳥越
Okinobu Tsuchiya
興宜 土屋
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Abstract

【課題】 グレースケール(モノクロ)画像を形成にするにあたり、僅かな吐出量ばらつきが発生した場合であっても、「発色ずれ」や「色転び」の影響が抑制された高品位なグレースケール画像を形成する。
【解決手段】 グレースケール(モノクロ)モードが設定された場合、輝度信号の全範囲について、無彩色ドットに対応した濃度信号が小さな有彩色ドットに対応した濃度信号よりも大きな値となるように、輝度信号に基づいて無彩色ドットと小さな有彩色ドット夫々に対応した濃度信号を生成する。これにより、無彩ドットを記録した際に発生する僅かな「発色ずれ」も、色ズレの方向と逆の色相を有する小さな有彩色ドットによって補正することができ、「発色ずれ」や「色転び」の抑制された高品位なグレースケール画像を形成できるようになる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、高品位なグレースケール画像を形成するための画像処理方法および画像処理装置に関するものである。
カラー画像を出力可能な記録装置として、複数色のインクを搭載したインクジェット記録装置が挙げられる。インクジェット記録装置のように、減法混色で画像を形成する場合、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の3色を、基本色として用いるのが一般である。このような色構成においては、シアン、マゼンタおよびイエローの色相表現が可能なばかりでなく、例えばマゼンタとイエローを重ね合わせることによって、レッド(R)を表現することが出来るのである。更に、重ね合わせる際の各インクの割合などを段階的に調整することで、ほぼ全ての色空間を表現することが可能となっている。
しかしながら、実際に適用されている基本色の色材(C、M、Y)が、色空間における理想的なC、M、Yの座標に位置することは稀である。各色材が位置する座標は、それぞれ微妙に理想的な位置から外れており、また、記録する記録媒体の種類によっても、その外れ方は様々である。更に、階調が上昇するにつれて、記録するインクの量が増加していった場合にも、色空間内に形成される軌跡は、彩度が上昇する方向へ一直線に延びているわけではない。基本的に、ある階調値を過ぎた時点からは、記録するインクの量が多くなるほど、その彩度は低下する傾向にあると言える。このように、実際の記録画像が、色空間における所望の位置座標から外れて表現される現象は、インクジェット記録装置を含む多くの記録装置で起こりがちな現象である。以下、このような現象を「発色ずれ」と称することとする。
「発色ずれ」が発生する記録装置では、適用するインクや記録媒体の特徴に応じて記録データに補正をかけ、極力所望の発色が表現できるような調整が行われている。しかしながら、表現可能な色相の中でも、無彩色であるブラックやグレーは、特に調整が困難である。グレースケールにおいては、各色のインクの量が微妙に増減するだけでも、その色相が大きく動き、見た目にも確認されやすい。また、基本的にブラックは、基本の3色を重ね合わせることによって表現可能であるが、3色のインクを最大限に記録しても、所望の濃度に到達しない場合が多い。よって、近年のインクジェット記録装置においては、基本の3色のほかにブラックインクも同時に搭載し、グレースケールを表現する場合には、ブラックインクのみを用いるか、或いは基本色と同時にブラックインクを併用して記録を行う方法が採用されている。また、特にブラックの濃度を確保するために、ブラックのみ顔料インクを用い、基本の3色については染料インクを適用する技術も既に提案されている(例えば特許文献1参照)。
図1は、特許文献1に記載のインクジェット記録装置において、グレースケール画像を記録する場合の、各インク色の出力値を示したものである。横軸は、白(255)から黒(0)に至る輝度信号の値を示している。輝度信号値の値が左端の255(白)に近いほど出力結果が低濃度となり、輝度信号値の値が右端の0(黒)に近いほど出力結果が高濃度となる。従って、この横軸は、実際に出力されるグレースケール画像の最低濃度から最高濃度に至る全濃度範囲(全階調範囲)に相当する範囲を表しているともいえる。一方、縦軸は、各輝度信号の値に対応して出力される各インク色の出力濃度信号値(0〜255)を示している。出力濃度信号値は、最低濃度を示す0(白)から最高濃度を示す255(黒)に至る範囲内のいずれかの値を取る。図1によれば、低濃度領域では、C、M、Yの3色でグレー画像を形成している。3色の出力値が互いに異なるのは、「発色ずれ」を防ぐために各色間でバランスを取るためである。同図によれば高濃度領域においてブラックインク(K)の使用が開始されており、最高濃度領域(輝度信号=0)においては128程度の出力濃度信号値となっている。ここでは、ブラックインクが顔料である場合として、図1の例を説明したが、グレースケール画像を記録する場合の、一般的な出力曲線が、このような形状に限定されている訳ではない。ブラックインクの使用を開始するタイミングは、図1のタイミングよりも大きい場合もあれば小さい場合もある。また、最高濃度(輝度信号値=0)におけるブラックの出力濃度信号値が、例えば255にまで達する場合もある。カラーインクにおいても、図1のように単調増加する必要性はなく、例えばブラックインクが使用された時点からブラックインクの増加に伴い、徐々に減少していく場合もある。
ところで、近年のインクジェット記録装置においては、銀塩写真に匹敵するような滑らかで高発色な画像が求められており、これに対応するために様々な技術開発も進められて来ている。銀塩写真と比較した場合、従来のインクジェット記録装置で最も問題となったのは、出力画像が観察者に与える粒状感であった。粒状感とは、記録媒体に記録されたインクドットが、目視で確認できる程度に目立った場合に、観察者に与えるザラツキ感のようなもので、粒状感のある画像は銀塩写真と比べてより低品質な印象を与えていた。
このような粒状感を低減するために、近年のインクジェット記録装置においては、同系色でありながら、濃度の異なる複数種類のインクを同時に搭載した形態のものが多く提供されている。
図2は、同系色について濃度の異なる複数種類のインクを同時に搭載したインクジェット記録装置において、グレースケール画像を記録する場合の、各インク色の出力濃度信号値を図1と同様に示したものである。ここでは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のほかに、より色材濃度の低いライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(LM)を用いている。図によれば、低濃度領域では、LC、LMおよびYの3色を用いてグレースケール画像を形成している。低濃度から高濃度へと徐々に濃度が上昇していく過程では、ドットが離散的に記録されがちであるので、より濃度の低いインクを用いて粒状感を低減する。淡色のインクで形成されるインクドットは、記録媒体上で目立ちにくいので、これを利用するのである。
同様に粒状感を低減する目的で、同色で吐出量の異なるインク(同色でサイズの異なるドット)を用いて画像形成を行うインクジェット記録装置も数多く提案されている(例えば特許文献2参照)。例えば、粒状感を低減するために、ライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(LM)を用いるのではなく、小シアン(SC)および小マゼンタ(SM)を用いるのである。そして、これら小シアン(SC)および小マゼンタ(SM)を、図2で示したライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(LM)と略同じように使用することで、粒状感を低減するのである。
図2に示されるように、中濃度あたりの領域では、LM(またはSM)およびLC(またはSC)の出力値が最大値に近くなり、これらのインクの組み合わせではこれ以上の濃度を表現することが困難になる。一方、記録媒体上では多くのドットが埋め尽くされた状態となっているので、単独ドットによる粒状感は目立ちにくくなる。よって、この段階からは、C、M、更にはKを徐々に追加して行くことにより、粒状感を低減させた状態で、濃度を上昇させて行くことが出来る。同時に、LC(またはSM)、LM(またはSC)およびYについては、出力値を徐々に減少させて行く。最終的には、Kの出力値が他のインクのどれよりも高い値を取ることにより、高濃度で好適な色相のブラックを表現することが出来るのである。
特開2000−198227号公報 特開10−16251号広報
ところで、近年のインクジェット記録装置においては、銀塩写真に相当する画質が求めるようになってきており、これはグレースケール画像であっても例外ではない。銀塩写真に匹敵するレベルのグレースケール画像を得るために、本発明者が鋭意検討した結果、図1や図2に示した従来のモノクロモードでは「発色ずれ」や「色転び」を抑制しきれない場合があることを見出した。すなわち、近年、高画質化のためにインク滴の少量化が進んでいるが、インク滴が少量化されると、インク吐出量のバラツキが画質に大きく影響するようになる。特に、グレースケール画像は吐出量バラツキに伴う画質劣化が顕著であり、図2に示す従来のモノクロモードでは「発色ずれ」を起こして、無視できない程度にグレーバランスを崩してしまう場合がある。更に「発色ずれ」のずれ量やその方向は不安定であり、一律な階調変化や色相変化の中で、急激に発色が転移してしまう現象(以下、「色転び」と称する)も招く場合がある。特に、図2を用いて説明したように、低濃度領域から高濃度領域へと、支配的なインクが移り変わっていく過程において、上記「色転び」は発生し易いと言える。
以上のように、図2に示すような従来のモノクロモードは「発色ズレ」や「色転び」を抑制しきれない。そして、このようなグレースケール画像における「発色ずれ」や「色転び」は鑑賞者に不快感を与えるので、より高画質なグレースケール画像を達成するためには上記「発色ずれ」や「色転び」を改善することが不可欠である。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、「発色ずれ」や「色転び」の影響が抑制され、良好なグレースケール画像を形成可能な画像処理方法および画像処理装置を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、少なくとも、無彩色ドット、第1の種類の有彩色ドット、当該第1の種類の有彩色ドットと同色あるいは同系色で且つ当該第1の種類の有彩色ドットよりも記録濃度の低い第2の種類の有彩色ドット、前記第1の種類の有彩色ドットとは異なる色を有する第3の種類の有彩色ドット、当該第3の種類の有彩色ドットと同色あるいは同系色で且つ当該第3の種類の有彩色ドットよりも記録濃度の低い第4の種類の有彩色ドット、前記第1および第3の種類の有彩色ドットとは異なる色を有する第5の種類の有彩色ドットを記録可能であって、モノクロモードまたはカラーモードにより画像を形成可能な記録装置において行われる画像形成に必要な信号を生成するための画像処理方法であって、
前記モノクロモードにより形成される画像に対応した輝度信号に基づいて当該画像を形成するための前記無彩色ドット、前記第2の種類の有彩色ドットおよび前記第4の種類の有彩色ドット夫々に対応した濃度信号を少なくとも生成する第1の画像処理工程と、
前記カラーモードにより形成される画像に対応した輝度信号に基づいて当該画像を形成するための前記無彩色ドット、前記前記第1の種類の有彩色ドット、前記第2の種類の有彩色ドット、前記第3の種類の有彩色ドット、および前記第4の種類の有彩色ドット、および前記第5の種類の有彩色ドット夫々に対応した濃度信号を少なくとも生成する第2の画像処理工程と、を有し、
前記第1の画像処理工程は、前記第1および第3の有彩色ドットに対応する濃度信号が生成されることなく、前記輝度信号の全範囲について、前記無彩色ドットが前記第2および第4の種類の有彩色ドットよりも多くなり、且つ前記第2および第4の種類の有彩色ドットに対応する濃度信号それぞれが単調増加するように、前記輝度信号に基づいて前記濃度信号を生成し、
前記第2の画像処理工程は、前記第1、第2、第3、第4、および第5の有彩色ドットに対応する濃度信号が生成されるように、前記輝度信号に基づいて前記濃度信号を生成することを特徴とする。
また、別の本発明は、少なくとも、無彩色ドット、第1の種類の有彩色ドットと同色あるいは同系色で且つ当該第1の種類の有彩色ドットよりも記録濃度の低い第2の種類の有彩色ドット、および前記第1の種類の有彩色ドットとは異なる色を有する第3の種類の有彩色ドットと同色あるいは同系色で且つ当該第3の種類の有彩色ドットよりも記録濃度の低い第4の種類の有彩色ドットに対応する濃度信号を生成するための画像処理方法であって、画像をモノクロで形成するためのモノクロモードを設定する工程と、前記モノクロモードが設定された場合に実行される処理であって、形成すべき画像に対応した輝度信号に基づいて当該画像の形成に必要な前記無彩色ドット、前記第2の種類の有彩色ドットおよび前記第4の種類の有彩色ドット夫々に対応した濃度信号を少なくとも生成する画像処理工程とを有し、前記画像処理工程は、前記輝度信号の全範囲について、前記無彩色ドットに対応する濃度信号が前記第2および第4の種類の有彩色ドット夫々に対応する濃度信号よりも大きな値となるように、前記輝度信号に基づいて前記濃度信号を生成することを特徴とする。
また、別の本発明は、画像処理装置であって、上述した画像処理方法を実行可能な画像処理手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体に無彩色の色材を記録した際に発生する僅かな「発色ずれ」を細かく補正することができ、全濃度領域(全輝度領域)において「発色ずれ」や「色転び」の抑制された安定したグレースケールを表現することが可能となる。
グレースケール画像を4色のインクで記録する場合の、各インク色の出力値を示した図である。 グレースケール画像を6色のインクで記録する場合の、各インク色の出力値を示した図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録装置の内部構成図である。 記録ヘッドの吐出口の配列状態を説明するための模式図である。 本発明の実施形態で適用する画像処理システムを説明するためのブロック図である。 画像データの変換処理の工程を説明するためのブロック図である。 記録開始コマンドが入力されてから、実際に記録装置が記録動作を実行するまでの工程を説明するためのフローチャートである。 記録モードを設定する際に、CRTに表示される画面の例である。 本発明の色変換処理2の一例を説明するための図である。 本発明の色変換処理2の一例を説明するための図である。 本発明の色変換処理1の一例を説明するための図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図3は本発明に適用可能なインクジェット記録装置の内部構成図である。1は紙或いはプラスチックシート等の記録媒体である。記録前、記録媒体1は、不図示のカセット等に複数枚積層されており、記録が開始されると不図示の給紙ローラによって、記録装置本体内に1枚ずつ供給される。3は第1搬送ローラ対、4は第2搬送ローラ対であり、両者は所定の間隔を隔てて図の様に配置されている。第1搬送ローラ対3および第2搬送ローラ対4は、夫々個々のステッピングモータ(図示せず)によって駆動され、これらローラ対に挟持された記録媒体1を矢印A方向に所定量ずつ搬送する。
5a〜5dは、インクジェット記録ヘッド11にインクを供給するためのインクタンクであり、5aはブラック(K)、5bはシアン、5cはマゼンタ、および5dはイエロー(Y)のインクをそれぞれ収容している。記録ヘッド11よりインクを吐出する吐出口面は、第1搬送ローラ対3および第2搬送ローラ対4により挟持されて、ある程度の張力を持った記録媒体1に対向して配置されている。全4色のインクを吐出する記録ヘッド11は、各色で独立に構成されていても良いし、一体的に構成されていても良い。
記録ヘッド11およびインクタンク5は、キャリッジ6に着脱可能に搭載可能となっている。10はキャリッジモータであり、2つのプーリ8a、8bおよびベルト7を介することにより、キャリッジ6を矢印B方向に往復移動させることが可能である。この際、キャリッジ6は、ガイドシャフト9によってその走査方向が案内指示されている。
2は、記録ヘッド11のメンテナンス処理を行うための回復装置である。記録ヘッド11は必要に応じて回復装置2が配備されたホームポジションに移動し、回復装置2は記録ヘッド11の吐出口に生じたインク詰まりを除去するなどの回復処理を行う。
記録を行う際、キャリッジ6は矢印B方向へ所定の速度で移動し、記録ヘッド11からは画像データに応じて適切なタイミングでインク滴が吐出される。記録ヘッド11による1回の記録走査が終了すると、搬送ローラ対3および4は記録媒体1を矢印A方向に所定量だけ搬送する。このような記録走査と記録媒体の搬送とを交互に行うことにより、記録媒体1には順次画像が形成されていく。なお、記録媒体の搬送方向である矢印A方向は、ヘッドの走査方向である矢印B方向に対して直交している。
図4は、記録ヘッド11の吐出口の配列状態を説明するための模式図である。各色の吐出口列はキャリッジの走査方向である矢印Bに対し、インクタンク5と同様の順番(KCMYの順)で図の様に配列されている。図4では、インクタンク5aから供給されるブラックインクを吐出するブラック吐出口列は省略している。不図示のブラックインク吐出口列の右側には、インクタンク5bから供給されるシアンインクを大液滴として吐出する大シアンインク吐出口列11C、同じくシアンインクを小液滴として吐出する小シアンインク吐出口列11SCが配置される。また、小シアンインク吐出口列11SCの右側には、インクタンク5cから供給されるマゼンタインクを大液滴として吐出する大マゼンタインク吐出口列11M、同じくマゼンタインクを小液滴として吐出する小マゼンタインク吐出口列11SMが配置される。更に、小マゼンタインク吐出口列11SMの右側には、インクタンク5cから供給されるイエローインクを大液滴として吐出する大マゼンタインク吐出口列11Y、同じくイエローインクを小液滴として吐出する小イエローインク吐出口列11SYが配置される。これら各色の吐出口列を構成する吐出口は、記録媒体搬送方向と略同じ方向に沿って、約42μmのピッチで512個ずつ配列されている。よって、記録ヘッド11が1回の記録走査を行うことにより、記録媒体には600dpi(ドット/インチ;参考値)の解像度を有し且つ高さ約21.6mmを有する画像が形成される。
本実施形態において、小シアンインク吐出口列11SC、小マゼンタインク吐出口11SM、小イエローインク吐出口列11SYの各吐出口からは、約1ngのインク滴が吐出されるものとする。一方、大シアンインク吐出口列11C、大マゼンタインク吐出口11M、大イエローインク吐出口列11Yの各吐出口からは約5ngのインク滴が吐出されるものとする。またブラック(K)インク吐出口列の吐出口からは、約5ngのインク滴が吐出されるものとする。
なお、本発明で適用可能な小液滴の有彩色インクは1ng以下の吐出量である必然性はないが、1ng以下であればより好ましい。本実施形態においてこの1ngという値は、「5ngの吐出量で形成されたブラックドットの画像に対して、小シアン(SC)、小マゼンタ(SM)の各ドットを記録媒体に離散的に記録した場合、一般的な明視距離において小シアン(SC)、小マゼンタ(SM)の各ドットの粒状感が殆ど問題にならず、且つ「調色」する際に、小シアン(SC)、小マゼンタ(SM)の各ドットによって、CIE−L*a*b*空間内でL*の変化が測定器によって無視できるほど小さく、a*b*平面上で変化する値が測定器によって識別可能な最小の値を実現する値」である。ここで前記測定器とは、例えばGretag Mcbeth社の分光光度計Spctrolino等の測定器である。 本実施形態では、グレースケール画像を記録する場合に、支配的に用いるインクKとし、「調色」に用いるインクをSCおよびSMとして、以下の説明を進める。
図5は、本実施形態で適用する画像処理システムを説明するためのブロック図である。ホストコンピュータ101には、CPU102、メモリ103、外部記憶104、入カ部105、CRT108、およびインターフェイス106などが備えられている。
CPU102は、外部記憶104に格納されたプログラムを実行することにより、後述する様々な画像データの変換処理や、記録に係る処理全般を行う。メモリ103は、変換処理を行う際のワークエリアとして、また、画像データの一時的な記憶領域として用いられる。なお、画像データの変換処理などを実行するためのプログラムは、不図示の外部装置などからホストコンピュータ101に供給される形態であっても良い。ユーザはCRT108を確認しながら、入力部105を用いて各種コマンドを入力する。
ホストコンピュータ101は、インターフェイス106を介してインクジェット記録装置107と接続されており、CPU102は、変換処理を施した画像データをインクジェット記録装置107に送信して記録を実行させる。
図6は、本実施形態のCPU102が行う、画像データの変換処理の工程を説明するためのブロック図である。本実施形態では、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の輝度信号で表される8ビット(256階調)の画像データを、最終的にはインクジェット記録装置で記録可能な各インク色に対応する1ビットデータに変換する。具体的には、RGBの8ビットデータを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、小シアン(SC)、小マゼンタ(SM)、小イエロー(SY)、およびブラック(K)の1ビットデータに変換する。
各色8ビットで構成されるRGBの輝度信号は、まず色変換処理部201に入力され、C、M、Y、SC、SM、SYおよびKの濃度信号に変換される。ここでは、3次元の色変換処理ルックアップテーブル(LUT)が利用されている。すなわち、CPU102は、ルックアップテーブルを参照することにより、入力されたRGB信号値の組み合わせに対応した、C、M、Y、SC、SM、SYおよびKで表現される濃度信号値を求めるのである。但し、ルックアップテーブルには、特定且つ離散的なRGB信号に対する濃度信号しか保持されておらず、各色256段階で表現されるRGBの全ての組み合わせに、そのまま対応可能なわけではない。本実施形態において、保持されていない色領域のRGB信号に対しては、保持している複数のデータを用いて、補間処理で求めることとする。ここで行われる補間処理方法は公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。色変換処理201で取得される濃度信号の値は、入力値である輝度信号値と同様に8bitで表現され、256段階の階調値を有する濃度データとして出力される。
色変換処理201が施された画像データは、次に、出力γ補正202による変換処理が行われる。出力γ補正部202では、最終的に記録媒体で表現される光学濃度が、入力される濃度信号に対し線形性を保つように、インク色ごとに補正をかける。ここでは各色独立に用意された1次元のルックアップテーブルが参照され、出力γ補正202からの出力信号は、入力値と同様に8bitの濃度データとなっている。
出力γ補正202から出力された8bitの濃度データは、次に量子化処理203が施される。この量子化処理203では、C、M、Y、SC、SM、SYおよびKの8bitデータがC、M、Y、SC、SM、SYおよびKの1bitデータに変換される。よって、記録媒体の各記録画素では、使用されるインク種に応じて、それぞれのインク滴を記録するか否かの2段階で濃度が表現される。複数の記録画素が集まったある程度の広さを持つ領域では、インク滴が記録された記録画素の数によってマクロ的に濃度が表現される。このような濃度表現方法を一般に面積階調法と呼ぶが、面積階調法を適用する記録装置においては、本実施形態の様に、多値データを2値データに変換するための量子化処理が必要になってくる。量子化処理の方法にはいくつかあるが、公知の誤差拡散法やディザ法などを適用することが出来る。量子化処理203で量子化された各色1bitの画像データは、インクジェット記録装置に転送される。
以上説明した色変換処理201、出力γ補正202および量子化処理203における最適な変換方法は、記録媒体の種類や記録する画像の種類等によって異なる。特に、色変換処理201と出力γ補正202で用いられるルックアップテーブルは、記録媒体の種類ごとに用意されているのが一般となっている。
図7は、ユーザが記録を開始するコマンドを入力してから、実際に記録装置が記録動作を実行するまでの工程を説明するためのフローチャートである。ユーザが記録の開始を指示すると、CPU102は記録モードを選択するための画面をCRT108に表示する(ステップS1)。
図8は、ステップS1でCRT108に表示される画面の例を示したものである。一般的なインクジェット記録装置では、複数種類の記録媒体に記録が可能であり、それぞれの記録媒体に応じて適切な記録方法が用意されている。記録方法の切り替えは、記録モードを設定することで行われるが、この記録モードの設定は、ユーザが図8に示すような画面を確認しながら、いくつかの条件を入力して行われることが多い。本実施形態において、ユーザは、オートパレット81で、どのような種類の画像を記録するのか(文書か、写真か等)を設定する。また、用紙の種類82で、どの種類の記録媒体に記録を行うかを設定する。更に、グレースケール印刷83のチェックボックスをチェックすることにより、所望の画像をグレースケールで記録するか否かの設定も行う。
再び図7を参照する。続くステップS2では、設定された記録モードが、モノクロモード(ここでは、特に、モノクロ写真モード)であるか否かを判断する。本実施形態で規定する「モノクロモード」とは、チェックボックス83によってグレースケール印刷が選択された全ての場合において設定される記録モードではなく、モノクロームの写真を出力すると判断された場合のみ適用されるモードである。従って、本実施形態においては、モノクロモードのことを特に「モノクロ写真モード」と称する。この「モノクロ写真モード」は、チェックボックス83によってグレースケール印刷が選択され、且つ、用紙の種類82においてプロフォトペーパーが選択された場合にのみ設定される。
ステップS2でモノクロ写真モードと判断された場合、ステップS6に進み、RGBで表現されるカラー情報を放棄する。すなわち、RGBの画像信号をグレートーン(R=G=B)の輝度信号に変換する。変換方法としては、求める無彩色の輝度信号値をLとすると、例えば、L=0.3R+0.6G+0.1Bという変換式を用い、RGBを全てLに置き換えることによって行うことが出来る。その後ステップS7に進み、モノクロ写真モード固有の変換処理2を実行する。ここで、モノクロ写真モード固有の変換処理2とは、モノクロモード専用の色変換処理テーブルを用いて、後述する図9で示されるようなインクの組み合わせでグレースケール画像が記録されるように画像処理を行うものである。詳しくは、低濃度領域から高濃度領域に至る全濃度領域においてブラックインクが他色インクよりも多く使用されるように、上記ブラックおよび他色インクに対応した多値の濃度信号を生成する。特に、本実施形態の色変換処理2では、図9に示されるように、全濃度領域においてブラックKを支配的に使用し、「調色」のために小シアンSCおよび小マゼンタSMを使用する点を特徴としている。なお、変換処理2には、図6を用いて説明した一連の画像データ変換工程が含まれている。
一方、ステップS2でモノクロ写真モードではないと判断された場合、ステップS3に進み、ステップS1にて、グレースケール印刷のチェックボックス83がチェックされたか否かを判断する。チェックされていた場合、ステップS4へ進み、RGBの画像信号をグレートーン(R=G=B)の輝度信号に変換する。その後ステップS5へ進む。一方、グレースケール印刷のチェックボックス83がチェックされていなかった場合には、そのままステップS5へ進む。
ステップS5では、画像データに対し変換処理1を実行する。変換処理1にも、変換処理2と同様、一連の画像データ変換工程が含まれているが、その内容は変換処理2とは異なったものとなっている。具体的には、ステップS4を経ずにステップS5へ至った場合、ステップS5の変換処理1では、従来から公知のカラーモード用の色変換処理テーブルを用いて、カラー画像を記録するのに必要な各色インクに対応した多値の濃度信号を生成する。一方、ステップS4を経てステップS5へ至った場合、ステップS5の変換処理1では、図11に示されるようにグレースケール画像を記録するのに必要な各色インクに対応した多値の濃度信号を生成する。この図11によれば、図2に示した従来の色変換テーブルに類似するように、低濃度領域〜中間濃度領域では記録濃度の低いカラードットだけを使用し、中間濃度領域〜高濃度領域では記録濃度の高いカラードットとブラックドットも使用するのである。具体的には、低濃度領域〜中間濃度領域では小カラードットSC、SM、SYだけを用いて画像形成を行い、中間濃度領域〜高濃度領域では大カラードットC、M、YとブラックドットKも使用して画像形成を行うのである。
ステップS5およびステップS7によって変換処理が行われた画像データは、2値のデータとしてインクジェット記録装置へと転送される(ステップS8)。
本実施形態において、モノクロ写真モードが設定されるのは、記録媒体がプロフォトペーパーの場合のみである。よって、ステップS7で施される変換処理2では、プロフォトペーパー専用の処理方法が適用されている。一方、モノクロ写真モードではないと判断された後に、ステップS5で行われる変換処理1は、複数種類の記録媒体に対応可能となっている。すなわち、色変換処理や出力γ補正は、記録媒体ごとに異なるルックアップテーブルが用意されおり、変換処理1では、それぞれの記録媒体に対応した変換方法が適用される。ここでは特にモノクロ写真モードと他のモードとの比較を行うために、図7のように2つに分岐される構成で説明を行った。
図9は、変換処理2における色変換処理を説明するための図である。横軸は、白(255)から黒(0)に至る輝度信号の値を示している。ここで、輝度信号値の値が左端の255(白)に近いほど出力結果が低濃度となり、輝度信号値の値が右端の0(黒)に近いほど出力結果が高濃度となる。従って、この横軸は、実際に出力されるグレースケール画像の最低濃度から最高濃度に至る全濃度範囲(全階調範囲)に相当する範囲を表しているともいえる。一方、縦軸は、各輝度信号の値に対応して出力される各インク色の濃度信号を示しており、最低濃度を示す0(白)から最高濃度を示す255(黒)に至る範囲の濃度信号を表している。濃度信号の値が高いほど、単位領域あたりのブラックインクの付与量が多くなる。
本実施形態で最も特徴的なことは、モノクロ写真モードにおいて図9で示すような色変換処理を行うことである。一方、変換処理1は、従来のカラーモードあるいはモノクロモード(図2参照)と類似する色変換処理を行う。特に、グレースケール画像を記録する場合、図2に示される従来の色変換処理に類似する色変換処理、具体的には図11で示すような色変換処理を行う。
さて、図2から判るように、従来のモノクロモードでは、信号値の増減が単調ではなく、所々で各色間の交差が起こっている。このような状態は、背景技術の項でも説明したように、「色転び」が発生しやすい状況を生み出してしまう。特に本実施形態のように、吐出量の小さな記録ヘッドを用いた場合には「色転び」がより顕著に現れ、モノクロ写真モードのように安定したモノトーンの画像が要求される場合において、大きな画像弊害となってしまう。
これに対し、図9によれば、濃度値の低いハイライト領域においても、また濃度の高い高濃度領域においても、安定してブラックが他のインク色よりも高い出力値を維持し、且つ単調に増加している。つまり、ブラックインクが常に支配的な状態になっているため、支配的なインクが移り変わっていく過程で生じる「色転び」が起こりずらい。なお、ここでのブラックは、輝度γ≒1.8となるような曲線が例として示されているが、輝度γの値はこれに限ったものではない。
この図9において、支配的に使用されるブラックインクと共に用いる有彩色インクは、小シアンおよび小マゼンタの2色のみである。これら2色の有彩色インクに対応する出力信号値は、ブラックインクに対応する出力信号値に比べて、常に低いレベルを保っている。本実施形態において、これら2色の有彩色は、「発色ずれ」を補正するために加えられている。既に述べたように、シアン、マゼンタおよびイエローの基本色によって無彩色のグレーを表現することは困難であり、また無彩色を表現するためにブラックを用いたとしても、記録媒体の種類によっては、「発色ずれ」が生じてしまう場合も少なくない。本実施形態においては、プロフォトペーパーにブラックインクを記録した際に生じる僅かな「発色ずれ」を補正するために、小シアンおよび小マゼンタの有彩色を適用しているのである。このように、支配色であるブラックインクの「発色ずれ」を補正するために、ブラックよりも少量の有彩色インクを併用することは、モノクロームの写真を極力無彩色で実現するために工夫された、新たな手法と言える。
特に、本実施形態では、「調色」のための有彩色ドットとして、小ドット(ここでは、SC,SM)を適用しているため、大ドット(例えば、C、M)だけを適用した場合に比べて、「発色ずれ」を高精度に補正できる。これについて具体的に説明する。有彩色の大ドット(例えば、C、M)だけを用いて「調色」を行うと、1個の有彩色ドットの影響が大き過ぎるが故に、グレースケール画像の色味を所望の色味に合わせ込むのが難しい。具体的には、CIE−L*a*b*空間のような均等色空間におけるa*b*平面内で所望の色味を再現しようとしたとき、大ドットだけでは、所望の色味を示す値に微調整するのが困難である。一方、上述した本実施形態では、色味に与える影響が比較的小さい小ドットを適用しているため、所望の色味に高精度に合わせ込むことができ、「発色ずれ」の細かい補正が可能となる。
また、「調色」のために有彩色の小ドット(ここでは、SC,SM)を用いる他の利点としては、小ドット自体が視認されにくいが故に、付加した小ドットに起因する画像劣化が殆ど発生しないことである。すなわち、インクジェット記録装置では、インクの着弾位置ズレがよく発生する。従って、有彩色ドットに着弾ズレが生じ、付加した有彩色ドットがブラックドットと重ならないような不具合が生じる場合も有り得る。しかし、このような不具合が生じた場合であっても、付加する有彩色ドットが小ドットであるため、着弾ズレが生じた有彩色ドット自体は殆ど視認されず、それに伴う画像劣化も招かずに済む。
これら有彩色のインクは、低濃度領域であってもブラックが記録されれば記録される。但し、粒状感を低減する役割や、互いにバランスを取りながらグレーを形成する基本色としての役割は担っていないので、濃度値が変化しても出力曲線は単調に増加するのみである。よって、「調色」のための有彩色ドット(SC、SM)の信号値が支配色であるブラック(K)の信号値と交差することもなく、図2で説明した従来のモノクロモードのように「色転び」が起きる懸念も殆ど無くなるのである。
本実施形態のように、ハイライト領域からブラックインクを積極的に記録することは、粒状感を悪化させる恐れがあることは既に述べた。しかしながら、本実施形態のように1ドット当たりの吐出量が充分少なく、明視距離では記録されたドットが殆ど感知されない状況においては、粒状感よりも、むしろ「色転び」のほうが大きな画像問題となりやすい。本発明者らは、高品位な写真画質を実現しようとする場合において、適用するインク滴の量に応じて、「粒状感」や「色転び」のような画像弊害の度合いが変異することに着目した。そして、記録媒体でのドットの大きさが問題視されない程度に充分小さければ、これまで最も問題視されていた粒状感よりも、「色転び」を抑制するほうが重要と判断したのである。
記録媒体に着弾したドットの大きさやその目立ち具合は、記録媒体の色味や特性などに応じて変わる。よって、「どのくらいの吐出量であれば、粒状感が問題視されないか」について、一概に断定することは出来ない。しかし、一般に提供されているインクジェット記録装置やこれに適応可能な記録媒体より判断すると、1ドット当たり5ng以下であれば殆ど問題なく、2ng以下であればより好ましいと言える。但し、本発明は、5ng以下のインク吐出量のものに限定されるものではない(変形例)。
前述では、出力しようとする画像が写真と推測される場合にのみ、すなわち、「モノクロ写真モード」が選択される場合にのみ、本実施形態特有の色変換処理(変換処理2)を実行する例について説明した。しかし、本実施形態はこの例に限られるものではない。出力しようとする画像が写真以外であっても、グレースケール印刷が選択されていれば、変換処理2を機能させる形態であってもよい。要するに、本実施形態は、出力しようとする画像が写真かどうかは問わず、画像をグレースケールで出力するためのモノクロモードが選択されたときに変換処理2を機能させる構成としてもよい。この構成によれば、出力対象の画像がモノクロ写真である場合に限られず、グレースケール画像全般である場合に、「発色ずれ」や「色転び」の影響を抑制することができる。
(変形例1)
前述では、モノクロモードでの「発色ずれ」の補正に用いられる有彩色インクとして小シアン(SC)および小マゼンタ(SM)を適用する例(図9参照)について説明したが、本実施形態はこの例に限られるものではない。補正に適用する有彩色インクやその曲線の形状は、記録媒体の種類などに応じて適宜設定されれば良い。例えば、所定の記録媒体にブラック単色で記録した際にその色味がシアンに偏っていれば、図10に示されるように小イエロー(SY)と小マゼンタ(SM)を補正に適用する有彩色インクとして設定すればよい。また、別の例としては、小シアン(SC)と小イエロー(SY)の組み合わせも考えられる。更に別の例としては、3色の小ドット(SC、SM、SY)のいずれか1種類だけを適用する形態や、3色の小ドット(SC、SM、SY)全てを適用する形態も考えられる。
また、本実施形態では、補正に適用する有彩色ドットとして、小ドットの代わりに、色材濃度の薄いライトインクのドットを用いることも可能である。ここで、記録装置で使用可能な有彩色ドットがシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトイエロー(Ly)であった場合を考える。この場合、補正に適用する有彩色ドットとしては、3色のライトインク(Lc、Lm、Ly)のうち1つ以上を組合せて適用することが好ましい。例えば、支配的に使用されるブラックを、ライトシアン(Lc)およびライトマゼンタ(Lm)で調色する形態が考えられる。このように「発色ずれ」の補正に用いる有彩色インクとして、ライトインク(例えば、Lc、Lm、Ly等)のドットを適用した場合であっても、小ドットを適用した上述の形態と同等の効果を得ることができる。
また、上記7色(CMYKScSmSy、CMYKLcLmLy)のインク以外に、例えばレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のような、新たなインクを同時に用い、これらがブラック補正用に利用される構成であっても本実施形態は有効である。
更に、補正用のインクの種類は2色に限定されるものではなく、1色あるいは3色以上に渡って活用されても構わない。
いずれにせよ、所望の記録媒体にブラックインクが単色で記録される際に生じる特有の彩度を打ち消す方向の色成分を有する有彩色インクを少なくとも1種類選択し、こうして選択された有彩色インクが、グレースケールの全濃度領域においてブラックインクよりも少ない量で使用されるよう設定されている構成であれば、本実施形態に包含される。
以上述べたように本実施形態によれば、モノクロモードが設定された場合、低濃度領域から高濃度領域に至る全濃度領域においてブラックインクと少なくとも1種の他色インク(例えば、小シアン)が使用されるように画像処理を行っている。そして、その画像処理の際にはブラックインクが他色インクよりも支配的に使用されるように処理しているので、「発色ずれ」や「色転び」の影響を抑制することができる。特に、本実施形態では、調色のために使用する「他色インクのドット」として、小トッドあるいはライトドットのような記録濃度の低いドットを適用しているため、高精度な補正が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下では、第2の実施形態における特徴事項についてのみ説明し、それ以外は上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
この第2の実施形態は、本発明特有の色変換処理(変換処理2)を実行するモノクロモードとして、無彩色インクと共に使用される有彩色インクの種類が異なる複数種類のモノクロモードを備えた点を特徴としている。具体的には、図9に示されるように、ブラック、小シアン、小マゼンタのインクを用いてグレースケース画像を出力するモノクロモード(第1のモノクロモード)と、図10に示されるように、ブラック、小イエロー、小マゼンタのインクを用いてグレースケース画像を出力するモノクロモード(第2のモノクロモード)とを含む複数種類のモノクロモードを備えている。
このような複数種類のモノクロモードを備える理由は、ユーザによって、視覚的に好ましいと感じるグレースケール画像が微妙に異なるからである。すなわち、同じ種類の記録媒体(例えば、普通紙)に対して第1および第2のモノクロモードそれぞれで記録した第1および第2のグレースケール画像のうち、視覚的により好ましいと感じる方の画像をユーザに選択させると、あるユーザは第1のグレースケール画像を選択し、また別のユーザは第2のグレースケール画像の方を選択する、といった現象がみられる。例えば、第1のモノクロモードは第2のモノクロモードに比してシアンの使用量が多いため、第1のグレースケール画像は第2のグレースケール画像よりも相対的に冷たい感じの画像となりやすい。よって、冷たい感じの画像を好むユーザは第1のグレースケールモードを選択する、と推測される。一方、第2のモノクロモードは第1のモノクロモードに比してイエローの使用量が多いため、第2のグレースケール画像は第1のグレースケールよりも相対的に温かい感じの画像となりやすい。よって、温かい感じの画像を好むユーザは第2のグレースケールモードを選択する、と推測される。従って、グレースケール画像に含ませる有彩色インクの種類を異ならせた複数種類のモノクロモードを備えることで、幅広いユーザの好みに対応できるようになる。
さて、ここで、本実施形態における処理の流れについて図7を援用しながら簡単に説明する。なお、本実施形態の処理は、上述した図7のフローチャートと概略同じであるため、図7と異なる箇所(ステップS1、ステップS2、ステップS7)だけを図7を援用しながら説明していく。
まず、ステップS1において、ユーザは、ホストコンピュータのCRT108に表示されるドライバ画面でモノクロモードの設定を行う。本実施形態では、グレースケール印刷を選択するためのチェックボックスとして、「第1のグレースケール印刷」および「第2のグレースケール印刷」といった2種類のチェックボックスが設けられている。従って、ユーザは、これらチェックボックスをチェックすることで、所望のモノクロモードを選択できるようになっている。例えば、温黒調画像よりも冷黒調画像を好むユーザであれば、相対的に冷黒調画像となりやすい第1のモノクロモードを選択すればよい。反対に、冷黒調画像よりも温黒調画像を好むユーザであれば、相対的に温黒調画像となりやすい第2のモノクロモードを選択すればよい。
続くステップS2では、設定された記録モードが、第1あるいは第2のモノクロモード等のモノクロモードであるか否かを判断する。本実施形態で規定する「モノクロモード」とは、チェックボックス83によって「第1のグレースケール印刷」あるいは「第2のグレースケール印刷」が選択されているか否かにより判断する。
ステップS2でモノクロモードと判断された場合、ステップS6を経てステップS7へ進み、モノクロモード固有の変換処理2を実行する。ここで、ステップS7で行われるモノクロ写真モード固有の変換処理2としては、変換処理2Aと変換処理2Bが存在する。ステップS2において第1のモノクロモードが選択されていれば変換処理2Aが実行され、一方、ステップS2において第2のモノクロモードが選択されていれば変換処理2Bが実行される。
変換処理2Aは、第1のモノクロモード専用の色変換処理テーブルを用いて、上述した図9で示されるようなインクの組み合わせでグレースケール画像が記録されるように画像処理を行うものである。詳しくは、低濃度領域から高濃度領域に至る全濃度領域においてブラックインクが小シアンおよび小マゼンタのインクよりも多く使用されるように、上記ブラック、小シアン、小マゼンタのインクに対応した多値の濃度信号を生成する。一方、変換処理2Bは、第2のモノクロモード専用の色変換処理テーブルを用いて、上述した図10で示されるようなインクの組み合わせでグレースケール画像が記録されるように画像処理を行うものである。詳しくは、低濃度領域から高濃度領域に至る全濃度領域においてブラックインクが小イエローおよび小マゼンタのインクよりも多く使用されるように、上記ブラック、小イエロー、小マゼンタのインクに対応した多値の濃度信号を生成する。
なお、本実施形態では、第1および第2のモノクロモードそれぞれで使用される有彩色インクとして、小シアンおよび小マゼンタの組み合わせ、および小イエローおよび小マゼンタの組み合わせを適用する場合について例示した。しかし、本実施形態において適用可能な有彩色インクの種類はこの組み合わせに限定されるものではなく、例えば、1種類であってもよいし、また、2種類の場合でも他の組み合わせであってもよい。
また、備えるモノクロモードの種類は2種類以上であってもよい。例えば、第3のモノクロモードとして、無彩色(ブラック)、小シアンおよび小イエローのインクを使用するモノクロモードを追加してもよい。また、図7の変換処理1で使用される色変換処理テーブルを用いて、図11に示されるようなインク種を使用するモノクロモードを追加してもよい。
本実施形態によれば、本発明特有の色変換処理(変換処理2)を実行するモノクロモードとして、無彩色インクと共に使用される有彩色インクの種類が異なる複数種類のモノクロモードを備えているため、色味を異なせたグレースケース画像を記録することができる。従って、上記第1の実施形態の効果に加え、ユーザの好みに幅広く対応できるようになる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。以下では、第3の実施形態における特徴事項についてのみ説明し、それ以外は上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
この第3の実施形態は、無彩色インクと共に使用される有彩色インクの種類が異なる複数種類のモノクロモードを備え、これら複数種類のモノクロモードそれぞれを記録媒体の種類に対応付けている点を特徴としている。具体的には、使用する記録媒体の種類が第1の記録媒体(例えば、プロフォトペーパー)のときには第1のモノクロモードを選択し、使用する記録媒体の種類が第2の記録媒体(例えば、スーパーフォトペーパー)のときには第2のモノクロモードを選択する。ここで、第1のモノクロモードとは、図9に示されるように、ブラック、小シアン、小マゼンタのインクを用いてグレースケース画像を出力するモードを指す。一方、第2のモノクロモードとは、図10に示されるように、ブラック、小イエロー、小マゼンタのインクを用いてグレースケース画像を出力するモードを指す。
このような複数種類のモノクロモードを記録媒体の種類に対応付けて備える理由は、以下の通りである。すなわち、同じ白色の記録媒体であっても、その白色は記録媒体の種類毎に微妙に異なる。従って、同じ種類のインクでグレースケース画像を記録していたのでは、異なる種類の記録媒体では異なる色味のグレースケール画像となってしまう。市場においては、写真画像を記録するような特定の記録媒体については、記録媒体の種類によらず同じ色味のグレースケール画像を得たい、との要望がある。そこで、記録媒体の種類によらず、同じグレースケール画像を表現できるようにするために、記録媒体の種類(プロフォトペーパー、スーパーフォトペーパー)に対応したモノクロモード(第1のモノクロモード、第2のモノクロモード)を設けている。
さて、ここで、本実施形態における処理の流れについて図7を援用しながら簡単に説明する。なお、本実施形態の処理は、上述した図7のフローチャートと概略同じであるため、図7と異なる箇所(ステップS2、ステップS7)だけを図7を援用しながら説明していく。
ステップS2では、設定された記録モードがモノクロモードであるか否かを判断する。本実施形態で規定する「モノクロモード」とは、チェックボックス83にてグレースケール印刷が選択され、且つ用紙の種類82においてプロフォトペーパーあるいはスーパーフォトペーパーが選択された場合に設定されるモードである。詳しくは、チェックボックス83にてグレースケール印刷が選択され、且つ用紙の種類82においてプロフォトペーパーが選択された場合は、「第1のモノクロモード」が設定される。一方、チェックボックス83にてグレースケール印刷が選択され、且つ用紙の種類82においてスーパーフォトペーパーが選択された場合は、「第2のモノクロモード」設定される。
ステップS2でモノクロモードと判断された場合、ステップS6を経てステップS7へ進み、モノクロモード固有の変換処理2を実行する。ここで、ステップS7で行われるモノクロ写真モード固有の変換処理2としては、変換処理2Aと変換処理2Bが存在する。ステップS2において第1のモノクロモードが選択されていれば変換処理2Aが実行され、一方、ステップS2において第2のモノクロモードが選択されていれば変換処理2Bが実行される。
変換処理2Aは、第1のモノクロモード専用の色変換処理テーブルを用いて、上述した図9で示されるようなインクの組み合わせでグレースケール画像が記録されるように画像処理を行うものである。詳しくは、低濃度領域から高濃度領域に至る全濃度領域においてブラックインクが小シアンおよび小マゼンタのインクよりも多く使用されるように、上記ブラック、小シアン、小マゼンタのインクに対応した多値の濃度信号を生成する。そして、このように生成された多値の濃度信号に基づいてプロフォトペーパーに対してグレースケール画像を記録する。一方、変換処理2Bは、第2のモノクロモード専用の色変換処理テーブルを用いて、上述した図10で示されるようなインクの組み合わせでグレースケール画像が記録されるように画像処理を行うものである。詳しくは、低濃度領域から高濃度領域に至る全濃度領域においてブラックインクが小イエローおよび小マゼンタのインクよりも多く使用されるように、上記ブラック、小イエロー、小マゼンタのインクに対応した多値の濃度信号を生成する。そして、このように生成された多値の濃度信号に基づいてスーパーフォトペーパーに対してグレースケール画像を記録する。
以上のようにしてプロフォトペーパーおよびスーパーフォトペーパーそれぞれに形成されたグレースケール画像はほぼ同じ色味を呈するようになる。従って、写真画像を記録するような特定の記録媒体について、記録媒体の種類によらず、ほぼ同じ色味のグレースケール画像を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、プロフォトペーパーおよびスーパーフォトペーパーの2種類の記録媒体に対応した2種類のモノクロモードを設ける例について説明したが、本実施形態はこの例に限られるものではない。例えば、プロフォトペーパーおよびスーパーフォトペーパー以外の他の記録媒体に対応した第3のモノクロモードを更に設けるようにしてもよい。その場合も、プロフォトペーパーやスーパーフォトペーパーで得られるグレースケール画像の色味と同じくするように、無彩色インクと共に使用する有彩色インクを選択すればよい。
本実施形態では、本発明特有の色変換処理(変換処理2)を実行するモノクロモードとして、無彩色インクと共に使用される有彩色インクの種類が異なる複数種類のモノクロモードを記録媒体の種類に対応付けて備えている。このため、これらモノクロモードに対応付けられる特定の記録媒体については、記録媒体同士での色味を同じくしたグレースケール画像を得ることができる。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、モノクロ写真を出力する場合、図9や図10に示されるように低濃度領域から高濃度領域に至る全濃度領域(具体的には、輝度信号の全範囲)について無彩色インク(具体的には、ブラックインク)と小液滴の有彩色インク(具体的には、小シアン、小マゼンタ、小イエロー等)が使用されるように画像処理を行い、その画像処理の際には無彩色インクが有彩色インクよりも支配的に使用されるように処理している。しかし、有彩色インクは必ずしも全濃度領域で使用される必要性はなく、一部の濃度領域だけで使用される形態であってもよい。
そこで、本実施形態では、モノクロモードの色変換処理(変換処理2)として、輝度信号の一部の範囲(一部の濃度領域)についてだけ有彩色インクを使用する構成としている。但し、輝度信号のどの範囲においても、無彩色インクが有彩色インクよりも支配的に使用されるように処理する点に関しては、上記第1〜第3の実施形態と同様である。
次に、本実施形態が有効に適用されるケースについて例示する。
「無彩色」とは、厳密に言えば、CIE−L*a*b*空間におけるa*b*平面においてa*=b*=0を指す。しかしながら、インクジェットプリンタで使用される「無彩色インク」がa*=b*=0となっていることは稀で、実際にはa*≠0且つb*≠0となっていることが多く、若干色が付いている。このような若干の色は、ドットが疎の場合には視覚的に認識できないが、ドットが密になるとその色が視覚的に認識できるようになってくる。このような場合、ハイライト部で有彩色インクを使用する利点は殆どなく、中濃度域〜高濃度域だけで有彩色インクを使用すればよい。そこで、本実施形態では、中濃度域〜高濃度域だけで有彩色インクが使用されるように画像処理を行う構成にしている。勿論、その画像処理の際には、中〜高濃度域において有彩色インクよりも無彩色インクの使用量が多くなるように画像処理を行う構成にしている。更には、有彩色インクとしては、小シアン(SC)、小マゼンタ(SM)、小イエロー(SY)のうちの少なくとも1種が使用されるように構成している。以上の本実施形態によれば、グレーラインにおける「色ずれ」を軽減しつつも、有彩色インクの使用量を低減できる。また、上述の第1〜第3の実施形態と同様、「発色ズレ」の補正のために「小ドット」を使用しているので、「大ドット」を使用する場合に比べて、細かい補正が可能となる。
(第5の実施形態)
第1〜第4の実施形態では、モノクロ写真を出力する場合、図9や図10に示されるように無彩色インクと小液滴の有彩色インクが使用されるように画像処理を行っている。そして、その画像処理の際には、無彩色インクが有彩色インクよりも支配的に使用されるように処理している。しかし、全濃度領域で小液滴の有彩色インクのみが使用される必要性はなく、一部の濃度領域では大液滴の有彩色も併用される形態であってもよい。
そこで、本実施形態では、モノクロモードの色変換処理(変換処理2)として、輝度信号の一部の範囲(一部の濃度領域)については「大カラードット(例えば、シアンC、マゼンタM、イエローY)」を使用する構成としている。具体的には、低濃度領域〜中濃度領域では調色用に小カラードットだけを使用し、中濃度領域〜高濃度領域では調色用に小カラードットと大カラードットを併用するのである。但し、輝度信号のどの範囲においても、無彩色インクが有彩色インクよりも支配的に使用されるように処理する点に関しては、上記第1〜第4の実施形態と同様である。
次に、本実施形態が有効に適用されるケースについて例示する。
高濃度領域で「調色」する際には、「小ドット」のみでは所望の色味を得ることができない場合がある。すなわち、高濃度領域では無彩色インク(ブラックインク)が多量に打ち込まれており、有彩色の小ドットだけで調色しても、ブラック画像を所望の色味に調整し切れない場合がある。このような場合、高濃度領域を有彩色の小ドットだけで調色することはあまり有効ではない。
一方、高濃度領域では既に十分な量の無彩色インクが打ち込まれているため、粒状感は殆ど目立たず、寧ろ「発色ずれ」、「色転び」が鑑賞者に不快感を与えている。そこで、高濃度領域では「大ドット」を用いて所望の色味近傍までを再現し、更に細かい色味調整を「小ドット」で行うのが有効である。これにより、所望の色味を高速且つ高精度に実現するのである。
(第6の実施形態)
第5の実施形態では、モノクロモードにおいて、輝度信号の全範囲について小カラードットを使用し、輝度信号の全範囲のうちの一部について大カラードットを使用している。しかし、調色のために小カラードットと大カラードットを併用する形態は上記第5の実施形態に限られるものではない。
上述した通り、低濃度領域では無彩色インクの色ズレは知覚されにくい。従って、低濃度領域では有彩色インク(小カラードット)を使用しないようにする。一方、高濃度領域では無彩色インクの色ズレが知覚されやすい。従って、高濃度領域では有彩色インクを使用するようにする。更に、高濃度領域で使用する有彩色インクとして、小カラードットと大カラードットを併用する。
このように本実施形態では、輝度信号の一部の範囲(一部の濃度領域)についてのみ、小カラードットと大カラードットを併用する点を特徴とする。
(第7の実施形態)
上述の実施形態では、シアンドットおよびマゼンタドットのみならず、イエロードットについても記録濃度の異なる複数種類のドットを用いることとして説明した。具体的には、サイズの異なるイエロードットを用いる形態(大小イエロードット、大中小イエロードット)や、色材濃度の異なるイエロードットを用いる形態(濃淡イエロードット、濃中淡イエロードット)について例示した。しかし、イエロードットは高明度で知覚されにくいため、記録濃度が異なる複数種類のドットを設ける効果が他色に比べて低い。このため、イエロードットについては1種類だけしか設けない形態も十分想定される。本発明は、このようにイエロードットを1種類しか備えない形態に対しても適用可能である。
本実施形態では、モノクロモードが設定された場合、ブラックインクを支配的に使用し且つ調色のために小シアンドットとイエロードットの組合せ、あるいは小マゼンタドットとイエロードットの組合せを使用する点を特徴とする。
例えば、図10のように、調色用にマゼンタとイエローを用いるモノクロモードを実行する場合、マゼンタについては小マゼンタトッドを使用し、イエローについては単一種類のイエロードットを使用する。この際、イエロードットのサイズは特に制限されるものでは無く、例えば、小マゼンタと同様のサイズであってもよいし、大マゼンタと同様のサイズであってもよいし、あるいはそれらの中間のサイズであってもよい。なお、調色のために小シアンドットとイエロードットを用いる場合も同様である。
本実施形態によれば、イエローインクの種類を低減しつつも、ブラックインクによる色ズレを抑制できる、という利点がある。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、同色でサイズの異なる有彩色ドットとして、大ドットおよび小ドット(例えば、CとSC)の2種類を用いる形態について説明したが、本発明で使用可能なドット径の種類は2種類に限られるものではない。例えば、大ドット(大C)・中ドット(中C)・小ドット(小C)の3種類あるいはそれ以上の種類を用いることもできる。
なお、これら同色でサイズの異なるドットは互いに記録濃度が異なる。従って、「同色でサイズの異なるドット」は、「同色で記録濃度が異なるドット」とも称することができる。
また、同様に、上記実施形態では、同系色で濃度の異なる有彩色インクとして、濃インクおよび淡インク(例えば、CとLC)の2種類を用いる形態について説明したが、本発明で使用可能な濃淡インクは2種類に限られるものではない。例えば、濃インク(濃C)・中インク(中C)・淡インク(淡C)の3種類あるいはそれ以上の種類を用いることもできる。
なお、これら同系色で濃度の異なるインクによる濃淡ドットは互いに記録濃度が異なる。従って、「同系色の濃淡インクのドット」は、「同系色で記録濃度が異なるドット」とも称することができる。
このように本発明は、同色あるいは同系色で記録濃度が異なる有彩色ドットを用いる形態に適用可能である。そして、特に、モノクロモードにおける「調色」のための有彩色ドットとして、少なくとも相対的に記録濃度が低いドット(小ドットあるいは淡ドット)を適用する点に特徴がある。
このような相対的に記録濃度の低い有彩色ドット(小ドットあるいは淡ドット)は、図9や図10のように低濃度領域から高濃度領域に至る全範囲で使用されることは必須ではない。無彩色インク(ブラック)の特性にも依存するが、無彩色インクの色ズレがあまり知覚されない低濃度領域では有彩色インクを使用せず、無彩色インクの色ズレが知覚されやすくなる高濃度領域から有彩色インクを使用し始める形態であってもよい。
なお、調色用の有彩色ドットを2種類以上使用する場合、それら種類毎に適用する濃度範囲を異ならせる場合もある。例えば、図10のように小マゼンタドットと小イエロードットを使用する場合、小マゼンタドットは低濃度領域から高濃度領域に至る全範囲で使用し、小イエロードットは低濃度領域では使用せずに高濃度領域から使用するような形態も考えられる。
なお、以上の実施形態においては、図5で示した構成のインクジェット記録システムを用いて説明を加えてきたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。図5に示される各構成は、ホストコンピュータとインクジェット記録装置のどちらに備わっていても良いし、全てが一体的に構成された画像形成システムであってもよい。
また、上記では、図6で説明した変換処理の全てをホストコンピュータ107のCPU102が行う方法で説明を加えてきたが、例えば処理の一部または全部がインクジェット記録装置107にて行われる構成であっても構わない。また、図7で説明した記録モードの入力や設定が、インクジェット記録装置にて行われる構成であってもよい。
更に、図8で説明した記録モード設定のための画面も、記載した内容に限定されるわけではない。図8では、グレースケール印刷を選択するためのチェックボックス83が用意されていたが、例えば、ユーザ自身が画面上で出力画像の色相および彩度を設定できる構成としてもよい。このような構成の場合、所定の色相および彩度が設定されたときに、グレースケールモードが設定されたと判断すればよい。
上記実施形態においては、7色のインクを吐出可能なインクジェット記録装置を用いて説明を加えてきたが、本発明は、インクジェット記録装置以外の記録装置であっても、複数の色材を用いてカラー画像を表現可能であれば、有効に適用することが出来る。但し、「発色ずれ」、「色転び」さらに「粒状感」といった現象は、インクジェット記録装置における特徴的な画像弊害である。よって本発明は、インクジェット記録装置を適用した場合に、特に有効に活用されるであろう。インクジェット記録ヘッドからインクを吐出させる方法は、既に様々なものが提案されている。但し本発明では、特に小液滴のインク滴を高精細に記録可能な場合にその効果が発揮されやすい。よって、記録ヘッドとしては、電気熱変換素子を具備した多数の記録素子を高密度に配置させた構成がより好ましいと言える。
81 オートパレット
82 用紙の種類
83 グレースケール印刷チェックボックス
101 ホストコンピュータ
102 CPU
103 メモリ
104 外部記憶
105 入力部
106 インターフェイス
107 インクジェット記録装置
201 色変換処理
202 出力γ補正
203 量子化処理

Claims (5)

  1. 少なくとも、無彩色ドット、第1の種類の有彩色ドット、当該第1の種類の有彩色ドットと同色あるいは同系色で且つ当該第1の種類の有彩色ドットよりも記録濃度の低い第2の種類の有彩色ドット、前記第1の種類の有彩色ドットとは異なる色を有する第3の種類の有彩色ドット、当該第3の種類の有彩色ドットと同色あるいは同系色で且つ当該第3の種類の有彩色ドットよりも記録濃度の低い第4の種類の有彩色ドット、前記第1および第3の種類の有彩色ドットとは異なる色を有する第5の種類の有彩色ドットを記録可能であって、モノクロモードまたはカラーモードにより画像を形成可能な記録装置において行われる画像形成に必要な信号を生成するための画像処理方法であって、
    前記モノクロモードにより形成される画像に対応した輝度信号に基づいて当該画像を形成するための前記無彩色ドット、前記第2の種類の有彩色ドットおよび前記第4の種類の有彩色ドット夫々に対応した濃度信号を少なくとも生成する第1の画像処理工程と、
    前記カラーモードにより形成される画像に対応した輝度信号に基づいて当該画像を形成するための前記無彩色ドット、前記前記第1の種類の有彩色ドット、前記第2の種類の有彩色ドット、前記第3の種類の有彩色ドット、および前記第4の種類の有彩色ドット、および前記第5の種類の有彩色ドット夫々に対応した濃度信号を少なくとも生成する第2の画像処理工程と、を有し、
    前記第1の画像処理工程は、前記第1および第3の有彩色ドットに対応する濃度信号が生成されることなく、前記輝度信号の全範囲について、前記無彩色ドットが前記第2および第4の種類の有彩色ドットよりも多くなり、且つ前記第2および第4の種類の有彩色ドットに対応する濃度信号それぞれが単調増加するように、前記輝度信号に基づいて前記濃度信号を生成し、
    前記第2の画像処理工程は、前記第1、第2、第3、第4、および第5の有彩色ドットに対応する濃度信号が生成されるように、前記輝度信号に基づいて前記濃度信号を生成することを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記第1の画像処理工程は、前記輝度信号の全範囲のうちの少なくとも一部の範囲について、前記第2の種類の有彩色ドットに対応する濃度信号を生成し、
    前記輝度信号の全範囲のうちの少なくとも一部の範囲について、前記第4の種類の有彩色ドットに対応する濃度信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記第1の画像処理工程は、前記輝度信号の全範囲について、前記第2および第4の種類の有彩色ドットに対応する濃度信号の大小関係が変わることなく、それぞれが単調増加するように、前記第2、第4の種類の有彩色ドットに対応する濃度信号を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
  4. 前記第1、第2の種類の有彩色ドットはシアンのドット、前記第3、第4の種類の有彩色ドットはマゼンタのドット、前記第5の種類の有彩色ドットはイエローのドットであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像処理方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の画像処理方法を実行可能な画像処理手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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