以下、本発明の一実施の形態である写真シール作成装置1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として実行させ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供し、その対価を利用者から受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。
ここで、本明細書における利用者などの用語を定義する。
利用者とは、写真シール作成装置1にてゲームを行う人物を指す。利用者グループとは、写真シール作成装置1にてゲームの各工程(後述する撮影、編集など)を同伴して行う1人以上の利用者の集まりを指す。したがって、利用者グループの用語が単独の利用者を指す場合もあるし、2人以上の利用者達を指す場合もある。ただし、撮影を行うスペースや編集を行うスペースなどの制約により、通常、利用者グループは2乃至4人程度であると想定される。
写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲームにおいて、利用者グループ(上述したように、1人であってもよいし、2人以上であってもよい)は、ゲームの対価(代金)を投入し、自身等らが被写体となって撮影を行い、その結果得られる1枚以上の撮影画像の中から編集対象とするもの(編集対象画像)を1枚以上選択し、これらを順次、編集対象画像として背景や前景となるフレーム画像、手書きの線画やスタンプ画像を合成する編集機能(落書き編集機能)を用いて編集を行うことにより、撮影画像を彩り豊かなもの(編集済み画像)にする。そしてゲーム終了後、利用者グループは、編集済み画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。
写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。写真シール作成装置1を設置した経営者は、写真シール作成装置1を管理・運営し、女子中高校生に代表される利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。よって、店舗等の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。
つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。さらに、各店舗の広さや形状は通常同じでなく、かつ、写真シール作成装置1とともに設置される他のゲーム機等も異なるため、その設置場所の自由度が高ければ高いほどよい。またさらに、利用者が複数回繰り返して利用するようになることが望ましい。
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる必要がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる。ただし、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。つまり、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
例えば、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームをプレイしたことのない人が「プレイしてみたい」と思うような期待度の高い機能を設けることにより利用者数を増加させることができる。また、プレイした利用者が「楽しかった、もう一度プレイしたい」と思うような満足度の高い機能を設けることにより、写真シール作成装置1は、常連の利用者、いわゆる、リピータを増加させ、利用者数をさらに増加させることができる。すなわち、写真シール作成装置1の収益が向上する。
利用者グループにとって、写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームでは、自身を被写体として撮影を行うこと、撮影された画像に落書き編集を行うこと、成果物として写真シールなどを取得することなどの娯楽性がある。
写真シール作成ゲームの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、撮影機能の高画質化、落書き等の編集機能の多機能化、操作性の向上、プレイ時間や待ち時間の調整が挙げられる。
写真シールに対する利用者の満足度を向上させる方法としては、例えば、シール紙の品質向上、高画質印刷、および特殊色印刷等のようなハードウェアの向上や、写真シールにおける編集済み画像のサイズや配置などを工夫することなどが挙げられる。
主な利用者層として想定される女子中高校生は、得られた写真シールを所有物に貼り付けるだけでなく、その写真シールを交換したり、その写真シールを話題にして会話したりする。従って、例えば、写真シールの画像内容が、派手だったり、面白かったり、希少性が高かったり、目新しさがあったりする場合、その画像を利用者自身が気に入るだけでなく、その写真シールを話題として会話が盛り上がることも期待できる。
また、このような写真シールの利用により、写真シール自体が写真シール作成装置1の広告としての役割も果たすことが期待できる。従って、写真シールの娯楽性を向上させることは、単にその利用者の満足度を向上させるだけでなく、他者の期待度を向上させ、評判の広がりによる集客、すなわち、いわゆる口コミによる新規利用者の増加も期待できる。
つまり、写真シール作成ゲームにおいて、利用者らが気に入るような画像を作成できる機能を提供することにより、利用者の写真シール作成ゲームに対する満足度だけでなく、写真シールに対する満足度も向上させることができ、さらに、写真シールの話題性や広告効果等も同時に向上させることができる。
写真シール作成装置1について具体的に説明する。図1は、写真シール作成装置1の外観を示す斜視図である。
この写真シール作成装置1は、図1に示されるように、その筐体10が、撮影ユニット12、編集ユニット13、天井照明ユニット14、および背景カーテンユニット15に大別される。
撮影ユニット12は、写真シール作成ゲームの撮影コースを選択させたり、代金を投入させたり、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を映像や音声で案内(説明)したりする。このような受付けを済ませた後、さらに、撮影ユニット12には、被写体(利用者)を撮影する機能を有しており、後述する内部の空間(撮影空間32(図4))において被写体の撮影が行われる。
この撮影ユニット12は、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bから構成される。
前方ユニット12Aは、撮影空間32における利用者(被写体)と向き合う側に配置されるユニットであり、受付けや撮影を行うための構成(カメラ51、タッチパネルモニタ52、照明装置53など(図5))が設けられている。
前方ユニット12Aの前面は、乳白アクリル板54(図5)が略半円筒形の曲面に形成されており、乳白アクリル板54の背面に設置されている照明装置(蛍光灯など(不図示))からの照射光が被写体に照射される。前方ユニット12Aの構成例については、図5を参照して後述する。
後方ユニット12Bは、撮影空間32(図4)における利用者(被写体)の背後側に配置されるユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bの上部には、例えば、背景に利用する可動式のカーテン(背景カーテン)から成る背景カーテンユニット15が配置される。後方ユニット12Bの構成例については、図6を参照して後述する。
編集ユニット13は、利用者グループが編集画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、タブレット内蔵モニタ62、タッチペン63等(図7))が設けられている。図7を参照して後述するように、編集ユニット13は、2組の利用者グループが同時に編集作業を行うことができるように、対向する2つの面のそれぞれに、落書き編集等を行うための構成が設けられている。
これにより、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを並列的に実行することができる。換言すれば、複数の利用者グループが、同時に写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームをプレイすることができる。なお、より一層、写真シール作成ゲームのプレイの回転率を向上させるため、編集ユニット13に、2組以上の利用者グループが同時に落書き編集を行うことができるよう3つ以上の落書き編集等を行うための構成を設けるようにしてもよい。
天井照明ユニット14は、撮影空間32(図4)の上方に設けられており、撮影タイミングに合わせて撮影空間32に向けて閃光を照射するフラッシュライトを内蔵する。この天井照明ユニット14は、さらに内部に蛍光灯などの照明装置が配置されており、撮影空間32を常時照らすように構成されている。なお、撮影空間32は、簡易的に閉鎖的な空間として構成されており、外部からの光が進入し難く、暗くなりがちであり、利用者の操作性が低下し得る。そこで、天井照明ユニット14が、内蔵する照明装置により撮影空間32を明るく照らすことにより、利用者の操作性の低下を抑止することができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aや後方ユニット12Bにも設けられている。
図2は、図1の写真シール作成装置1を、編集ユニット13側から見た斜視図である。
編集ユニット13は、撮影空間32(図4)に位置している利用者から見て、前方ユニット12Aの背後側に撮影ユニット12に隣接して設置される。編集ユニット13の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者グループが撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース13Aと第2編集インタフェース13Bがそれぞれ設けられている。
つまり、編集ユニット13には、写真シール作成ゲームを行う2組の利用者グループが、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェース13Aおよび13Bが設けられている。これらの編集インタフェースの構成の詳細についても、図7を参照して後述する。
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームの結果として印刷された写真シールが排出される写真シール排出部13Cが設けられている。
図3は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図3に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、側面カーテン21が設けられ、撮影作業が行われる撮影空間32や編集作業が行われる編集空間33(図4)等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、側面カーテン21は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部(待機中の次の利用者グループの利用者など)からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
この側面カーテン21の外部側の面は、通常、写真シール作成装置1自身の宣伝を広告する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画などが描かれている。
以上説明したように、写真シール作成装置1は、複数の利用者グループに対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。また、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の利用者グループに写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各利用者グループは、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させることになる。
次に、写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者グループの空間の移動について説明する。
図4は、ゲーム中の利用者グループの空間移動を、写真シール作成装置1の上方から見下ろした平面図により示したものである。
図4に示されるように、写真シール作成ゲームをプレイしようとする利用者グループ(AまたはA’に位置する利用者グループ)は、写真シール作成装置1の外の待機領域31にて、撮影ユニット12の撮影空間32(図中点線で示される、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bとの間に形成された空間)が空いているかを確認し、空いていればそのまま撮影空間32に入場する。
反対に、撮影ユニット12が先の利用者グループによって使用されている場合、撮影空間32が空くまで待機し、先の利用者グループが撮影を終えて編集ユニット13側に移動し、撮影空間32が空いた後、待機していた利用者グループは、待機領域31から撮影空間32に入場する。
撮影空間32に入場した利用者グループ(Bに位置する利用者グループ)は、前方ユニット12Aの正面に設けられたタッチパネルモニタ52を操作して受付け処理(コースの選択、オプションの追加、代金の投入など)を行った後、自身が被写体となって撮影を実行させる撮影作業(本撮影)を行う。
なお、撮影空間32で受付け処理を行うのではなく、待機領域31にて受付け処理を行うようにしてもよい。その場合、例えば、前方ユニット12Aの側面などに受付け処理のためのユーザインタフェースを設ければよい。
撮影を終えた利用者グループに対しては、得られた撮影画像のうち、編集処理や印刷処理の対象とするために後段に送る複数の編集対象画像の選択が促される。この選択の後、タッチパネルモニタ52に表示される移動案内に従って、撮影空間32から、図中点線で示される、編集作業を行う第1編集空間33A(編集ユニット13の第1編集インタフェース13A側)または第2編集空間33B(編集ユニット13の第2編集インタフェース13B側)のうち、案内された方に移動する。なお、このときの移動案内では、通常、第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bの空いている方に案内される。
第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動した利用者グループ(CまたはC’に位置する利用者)は、落書き編集作業を行う。以下において、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとを個々に区別する必要がない場合、単に編集空間33と称する。
この後、利用者グループは写真シールが印刷されるまで待機し、この待機の間、この編集空間33において利用者グループは、事後接客処理としてのミニゲームを行ったり、携帯端末に撮影画像や編集済み画像を送信したりすることができる。
そして、印刷が終了すると、その旨が利用者グループに案内される。この案内に従い、利用者グループは、写真シール排出部13Cの前方の印刷物受取領域34に移動し、排出された写真シール紙を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、撮影空間32を占めていた利用者グループが第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、撮影空間32が空くので、写真シール作成装置1は、次の新たな利用者グループに撮影空間32を使用させることができる。さらに、第1編集空間33Aの利用者グループ、または第2編集空間33Bの利用者グループが、印刷物受取領域34に移動すると、その編集空間(第1編集空間33Aまたは第2編集空間33B)が空くので、写真シール作成装置1は、それまで撮影空間32にいた利用者グループにその編集空間を使用させることができる。
つまり、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間当たりおよび単位床面積当たりの回転率を向上させるために、待機領域31、撮影空間32、第1編集空間33A、第2編集空間33B、および印刷物受取領域34を用いて、同時に、複数の利用者グループに対して写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客を行うことができる)。
なお、上述した写真シール作成装置1の筐体10の構成は任意であり、上述した以外の構成であってもよい。同様に、多重接客の仕方も任意である。
次に、写真シール作成装置1を構成する各ユニットについて詳述する。
図5は、撮影ユニット12の前方ユニット12Aの正面図である。
同図に示されるように、前方ユニット12Aの正面右下には、利用者が写真シール作成ゲームの代金を投入したり、お釣り等を利用者に返却したりする硬貨投入返却口50が設けられている。
なお、写真シール作成ゲームをプレイするための代金の支払いは硬貨に限定されるものではなく、当然、紙幣でも支払い可能とすることができる。また、実際に流通している現金(硬貨および紙幣)の代わりに、写真シール作成装置1が設置されている遊技施設などで流通されているプリペイドカード、コイン、電子マネーなどでも支払い可能とするようにしてもよい。
また、待機領域31にて待機する次の利用者グループが撮影空間32に入場する前に代金を投入できるようにしてもよい。この場合、硬貨投入返却口50を、例えば、前方ユニット12Aの外側の側面に設けるようにすればよい。さらに、この場合、撮影空間32が空くまで待機領域31にて次の利用者を待機させ、撮影空間32が空いた後に次の利用者グループを撮影空間32に誘導するための音声案内などを出力するようにしてもよい。
前方ユニット12Aの正面には、カメラ51、タッチパネルモニタ52、フラッシュライト53−5およびスピーカ55−1が設けられている。また、前方ユニット12Aの正面横には、フラッシュライト53−1乃至53−4が設けられている。
前方ユニット12Aの正面横および下の壁面は、略半円筒形の曲面に形成された乳白アクリル板54−1乃至54−4により構成されている。
前方ユニット12Aの正面の左右下には、撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置場56−1,56−2が設けられている。
カメラ51は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの撮像素子が採用されており、被写体の光学像を電気信号としての画像データに変換する撮像装置であり、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者を被写体として、写り具合の確認用に動画像を取得するとともに、所定のシャッタータイミングにおいて静止画像を撮影する。カメラ51の数や設置場所については任意である。
なお、カメラ51は、従来の写真シール作成装置に比較して、その設置位置が若干上方に設置されるとともに、広角レンズが使用される。これにより、従来の写真シール作成装置においては困難であった、被写体が立った状態での全身撮影が容易に実現されている。
タッチパネルモニタ52は、CRT(Cathode Ray Tube)、またはLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ123と、それに積層された無色透明のタッチパネル124(例えば、感圧式や電磁誘導式等)(いずれも図9)により構成される。
ディスプレイ123は、受付時に利用者が撮影コースを選択したり、前景や背景を選択したりするための操作画面などを表示し、タッチパネル124は、例えば利用者の指等によるタップ操作を受け付けるようになされている。
また、ディスプレイ123は、シャッタータイミングに先立ち、カメラ51によって取得される被写体の動画像を、背景または前景となる合成用画像が合成された状態で表示する(ライブビュー表示を行う)。ディスプレイ123に表示されたライブビュー表示を見ることにより利用者は、自身の写り具合を確認することができる。また、ディスプレイ123は、撮影結果として、カメラ51により撮影された静止画像に合成用画像を合成した合成静止画像を表示する。
フラッシュライト53−1乃至53−5は、カメラ51による撮影タイミングに合わせて閃光し、被写体を照射する。以下、フラッシュライト53−1乃至53−5を個々に区別する必要がない場合、単にフラッシュライト53と称する。
乳白アクリル板54−1乃至54−4の背後には、撮影空間32を照らす蛍光灯などの照明装置が設けられている。
乳白アクリル板54−1乃至54−4とその背後に設けられた照明装置、および天井照明ユニット14により、側面カーテン21により囲まれた撮影空間32は、光で包まれた試着室であるかのように演出されるので、被写体(利用者)の全身を影なく照射してより美しく撮影することができる。さらに、利用者に対して、撮影空間32が広い、快適、清潔、明るいなどの好印象を与えることができる。
なお、乳白アクリル板54−1乃至54−3の設置を省略し、蛍光灯などの照明装置を利用者から直接見える位置に配置するようにしてもよい。また、フラッシュライト53の代わりに、蛍光灯などの照明装置を配置してもよい。また、さらに、乳白アクリル板54−4の位置(背後を含む)にフラッシュライトを設置するようにしてもよい。
スピーカ55−1乃至55−3(図6)は、写真シール作成ゲームの撮影作業における案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等を適宜出力する。なお、スピーカ55−1乃至55−3の設置場所は任意である。
荷物置場56−1および荷物置場56−2は、撮影時における利用者が手荷物の置き場所として利用できる棚である。荷物置場56−1および荷物置場56−2は、いずれも、撮影の邪魔にならないような位置、すなわち、利用者が撮影ポーズをとる際に邪魔にならず、かつ、フラッシュライト53による閃光照射の妨げとならない位置に設けられている。
利用者は、自身の手荷物を荷物置場56−1または荷物置場56−2に置くことにより、より快適に安心して撮影作業を行うことができる。以下において、荷物置場56−1および荷物置場56−2を個々に区別する必要のない場合、単に荷物置場56と称する。荷物置場56を設けることにより、手荷物を床面に置いたことにより汚してしまったり、利用者が置引きの被害に遭う事態を抑止することができる。
もちろん、前方ユニット12Aの正面12A−1に上述した構成以外のものが設けられるようにしてもよい。
図6は、撮影空間32において被写体となる利用者グループの背面に位置する撮影ユニット12の後方ユニット12Bの正面図である。
同図に示されるように、後方ユニット12Bの左側には、上から順にスピーカ55−2、フラッシュライト53−6、および照明装置57−1が設けられている。同様に、後方ユニット12Bの右側には、上から順にスピーカ55−3、フラッシュライト53−7、および照明装置57−2が設けられている。
なお、フラッシュライト53−6、および照明装置57−1、並びにフラッシュライト53−7、および照明装置57−2は、被写体に向くようやや内側に向けて設けられている。
次に、編集ユニット13の構成について詳述する。
図7は、編集ユニット13に2箇所設けられた編集空間33のうち、一方の第1編集空間33Aの構成例を示す図である。
同図に示すように、第1編集インタフェース13Aの上部には、側面カーテン21等で仕切られているために暗くなっている第1編集空間33A(図4)を照らすための照明装置61が設けられている。
この照明装置61により、側面カーテン21で覆われた編集空間33における利用者の編集作業効率の低下を抑制するとともに、第1編集空間33Aの安全性を向上させることができる。
なお、図7の構成例においては、編集ユニット13の、照明装置61が設けられている第1編集インタフェース13Aの上部が、第2編集空間33B側に貫通しており、照明装置61が第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとで共有されている。つまり、照明装置61は、第1編集空間33Aだけでなく、第2編集空間33Bも照明している。なお、この照明装置61の設置位置および個数は任意である。
第1編集インタフェース13Aには、その正面にタブレット内蔵モニタ62が設けられており、タブレット内蔵モニタ62の左右にはそれぞれタッチペン(タッチペン63−1およびタッチペン63−2)が配置されている。さらに、第1編集インタフェース13Aには、スピーカ64および追加硬貨投入返却口65が設けられている。
タブレット内蔵モニタ62は、CRTやLCD等のディスプレイ141とそれに積層されたタブレット142(いずれも図9)により構成され、ディスプレイ141が撮影空間における撮影作業によって得られた撮影画像を編集するためのGUIである編集画面等を表示し、タブレット142がユーザの操作を入力する。
なお、タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141に表示される編集画面は、利用者グループを構成する複数の利用者それぞれがタッチペン63−1、または63−2を用いて個別に、あるいは共同して落書き編集を行えるよう、編集する画像を同時に2枚表示できるようになされている。この同時に表示される落書き編集の対象となる2枚の画像は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
タブレット内蔵モニタ62のタブレット142は、例えば、感圧式や電磁誘導式の入力デバイスであり、無色透明であって、タッチペン63−1またはタッチペン63−2を用いた利用者からの操作を位置情報に変換する。
このタブレット内蔵モニタ62の左右に設けられたタッチペン63−1および63−2は、所定のアタッチメントにより編集ユニット13に着脱可能に固定されており、利用者グループを構成する複数の利用者が、これらのタッチペンをそれぞれ使用することにより、同時に、写真シール作成作業の編集作業の工程をプレイすることができるようになされている。そして、タッチペン63−1を用いた入力操作であるのか、またはタッチペン63−2を用いた入力操作であるのかも識別される。なお、以下において、タッチペン63−1およびタッチペン63−2を個々に区別する必要がない場合、単にタッチペン63と称する。
タッチペン63は、編集ユニット13内部に設置された制御部101(図9)と有線または無線により電気的に接続されている。タッチペン63は、タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141の表示画面上に重畳された無色透明のタブレット142と連携して動作する。利用者がこれらのタッチペン63を操作して、そのタブレット142をタップ(タッチペン63とタブレット内蔵モニタ62の表示画面を接触(または近接)させること)したり、タブレット142上を移動させたりすることにより、これらは、利用者からの入力を受け付ける入力デバイスとして動作する。なお、タッチペン63の設置本数、設置位置、及び形状等は任意である。
スピーカ64は、例えば、案内音声、効果音、BGM等の音声を出力する。なお、スピーカ64の設置個数、デザイン、および形状等は任意である。
追加硬貨投入返却口65は、利用者グループが編集可能時間を延長させたいとき、写真シールを複数枚追加して印刷させるときなどに追加代金としての硬貨を投入したり、お釣り等を返却したりするために設けられている。なお、この追加代金の支払いも硬貨に限定されるものではなく、当然、紙幣でも支払い可能とすることができる。また、実際に流通している現金(硬貨および紙幣)の代わりに、写真シール作成装置1が設置されている遊技施設などで流通されているプリペイドカード、コイン、電子マネーなどでも支払いができるようしてもよい。
ただし、編集可能時間の延長は、現在、撮影空間32にて撮影作業が行われていない場合(次の利用者がいない場合)、または、もう一方の編集インタフェース(いまの場合、第2編集インタフェース13B)が空いている場合にのみ可能であり、撮影空間32にて撮影作業が行われており、かつ、もう一方の編集インタフェースが利用されている場合には延長できないようにしてもよい。
なお、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成例は、図7に示された第1編集空間33A側の構成例と基本的に同様であるので、その説明は省略する。
図8は、編集ユニット13に設けられた写真シール排出部13Cの構成例を示す図である。
同図に示されるように、写真シール排出部13Cには写真シール排出口71が設けられており、写真シール(編集済みの撮影画像が印刷されたシール紙162)が排出される。なお、写真シールは、編集ユニット13に内蔵されたプリンタ114(図9)により、編集ユニット13が操作されて作成された印刷用の画像がシール紙に印刷されて作成される。
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
図9は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。なお、上述した部位については、同一の符号を付しているので、その説明を省略する。
写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する制御部101を有している。制御部101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部111、編集部113、およびプリンタ114がそれぞれ所定のバスを介して接続されている。
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、制御部101より供給される各種設定情報をその記憶媒体に保存したり、記憶媒体に記録されている設定情報を読み出して制御部101に供給したりする。また、記憶部102には、各利用者グループが作成した写真シール(の画像データ)が記憶される。
通信部103は、制御部101の制御に従い、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク、または単に通信ケーブル(いずれも不図示)を介して、他の通信装置、具体的には、例えば利用者の携帯型電話機、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等と通信を行う。より具体的には、通信部103は、制御部101より供給される送信情報を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信情報を制御部101に供給したりする。
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc(商標))を含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御部101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
ROM106には、制御部101によって実行されるプログラムやデータなどが予め格納されており、ROM106は、制御部101からの制御に従い、プログラムやデータを制御部101に供給する。RAM107は、制御部101が処理するデータやプログラムなどを一時的に保持する。
撮影部111は、撮影ユニット12に関するブロックであり、背景カーテンユニット15、カメラ51、タッチパネルモニタ52、スピーカ55、硬貨処理部121、および照明制御部122を有する。
背景カーテンユニット15は、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、背景として用いられる複数の昇降式カーテンとその制御を行う制御部を有するユニットである。各カーテンは互いに色、模様、絵柄等が異なり、互いに異なる背景となるようになされている。つまり、利用者はカーテンを選択することにより背景の色、模様、絵柄等を選択することができる。
背景カーテンユニット15(の制御部)は、後方ユニット12Bの上部に設けられ、利用者により選択された1つまたは複数のカーテンを、撮影空間32の後方(被写体となる利用者の背後側)に吊設する。このとき、既に吊設されている不要なカーテンは、巻き上げて収納する。実際には、背景カーテンユニット15は、制御部101により制御されて動作し、制御部101より供給される背景制御信号に従ってカーテンを吊設したり収納したりする。
なお、各カーテンの素材、形、大きさ等は任意であり、例えばパネル状や立体形状のものも含む。また、各カーテンの素材、形、大きさ等が、互いに異なるようにしてもよい(全てのカーテンにおいて素材、形、大きさ等が統一されている必要はない)。また、背景カーテンユニット15は、利用者が背景を選択できるようになされていればよく、例えば、スライド式、開閉式、折り畳み式等の昇降式以外のカーテンを用いるようにしてもよい。
さらに、背景として使用されるカーテンは吊設されるのではなく、後方ユニット12Bの撮影空間32側の側面、つまり、撮影空間32において、前方ユニット12Aの正面12A−1に対向する、撮影空間32の背面となる面に張り付けられるようにしてもよい。また、制御部101を介さずに、利用者が手動で、背景カーテンユニット15に用意されたカーテンを選択し、設置するようにしてもよい。
なお、撮影時の背景として、背景カーテンユニット15以外を用いることができるようにしてもよい。例えば、利用者が持参した絵やアイテムを撮影空間32の背面(またはカーテン)に貼り付けることができるようにしてもよいし、利用者が持参した、または、選択した画像を撮影空間32の背面(またはカーテン)に表示または映写するようにしてもよい。
また、1枚のクロマキー用のカーテンを予め撮影空間32の背面に張り付けるか、または、昇降式クロマキー用カーテンを撮影空間32の背面に設けるようにし、合成用の背景画像を複数種類用意して編集処理において利用者が所望する背景画像をカーテンの部分に合成することができるようにしてもよい。
以上のように、何らかの方法で利用者が背景を選択できるようにすることにより、利用者の要求により適した画像を提供することができる。
カメラ51は、制御部101に制御されて、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の被写体(利用者)の撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御部101の制御の下、リアルタイムで利用者の動画像を取り込み、その取り込んだ動画像データを制御部101に供給する。また、カメラ51は、制御部101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像(静止画像)の取得を行い、取得した静止画像データを制御部101に供給する。
タッチパネルモニタ52のディスプレイ123は、制御部101より供給されるRGB信号に基づく画像をそのディスプレイ123に表示する。また、タッチパネルモニタ52のタッチパネル124は、利用者が、自分自身の指等を用いてこのタッチパネルにタップ(接触または近接)すると、その位置情報を制御部101に供給する。制御部101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
スピーカ55は、例えば、制御部101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
硬貨処理部121は、硬貨投入返却口50に投入された硬貨の種類を識別して識別結果を制御部101に通知する。
照明制御部122は、制御部101より供給される照明制御信号に基づいて、フラッシュライト53を閃光させたり、乳白アクリル板54の背後に設けられた照明装置や後方ユニット12Bの照明装置57などを点灯したり、消灯したりする。
編集部113は、編集ユニット13に関するブロックであり、第1編集インタフェース13Aに対応する第1編集部113Aと、第2編集インタフェース13Bに対応する第2編集部113Bよりなる。第1編集部113Aおよび第2編集部113Bは、互いに同一の構成を有しており、以下においては第1編集部113Aについて説明するが、その説明は第2編集部113Bにも適用可能である。
第1編集部113Aは、図7を参照して上述した、タブレット内蔵モニタ62、タッチペン63、およびスピーカ64に加えて、硬貨処理部130を有する。
タブレット内蔵モニタ62は、上述したように、ディスプレイ141とタブレット142により構成される。タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141は、制御部101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮影画像等、編集に関する画像を表示する。
さらに、タブレット内蔵モニタ62のディスプレイ141は、後述する事後接客処理において、ミニゲームの画面を表示したりする。
タブレット内蔵モニタ62のタブレット142は、タッチペン63を用いた利用者によるタブレット142にタップ(接触または近接)する操作に対応して、そのタップされた位置を示す位置情報を制御部101に供給する。制御部101は、その位置情報を解析し、表示画像(GUI等)に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。つまり、撮影画像(撮影画像を用いて作成された合成画像)に対する編集入力は、これらの構成を用いて行われる。
スピーカ64は、制御部101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、BGM等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する音声)を出力する。
硬貨処理部130は、追加硬貨投入返却口65に投入された硬貨の種類を識別して識別結果を制御部101に通知する。
プリンタ114は、内蔵する2つのヘッド151,152により、編集部113により行われた編集作業結果(以下、編集済み画像ともいう)をシール紙162に印刷する。また、プリンタ114は、カッター153を内蔵しており、編集済み画像を印刷したシール紙162を所定の位置で切断して出力する。
すなわち、プリンタ114は、制御部101より第1編集部113Aにより行われた編集作業結果としての編集済み画像の印刷データを取得すると、給紙ユニット161よりシール紙162を取得し、ヘッド151によって編集済み画像を印刷する。また、プリンタ114は、制御部101より第2編集部113Bにより行われた編集作業結果としての編集済み画像の印刷データを取得すると、給紙ユニット161よりシール紙162を取得し、ヘッド152によって編集済み画像を印刷する。
なお、プリンタ114は、いわゆる昇華型プリンタとして構成され、インクリボンに塗布されたシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のインクを、制御部101によって制御されたヘッド151,152により昇華(気化)させてシール紙162に熱転写することで編集済み画像を印刷する。インクリボンには、その長手方向にC,M,Yそれぞれのインクが塗布された領域と、C,M,Yのインクが熱転写されたシール紙162の表面を保護する(オーバーコーティングする)オーバーコート層が積層された領域とが同じ順番で繰り返し設けられている。すなわち、プリンタ114は、制御部101からの印刷制御信号によって熱量が制御されたヘッド151,152によって、C,M,Yのインクを熱転写した上に、オーバーコート層をさらに熱転写することで、表面が保護された写真シールを出力する。
ところで、写真シールの表面の仕上がりは、オーバーコート層の転写熱量(転写温度)によって異なる。より具体的には、転写熱量が低いほど、写真シールの表面は透明度が高くなり(光沢の度合が上がり)、転写熱量が高いほど、写真シールの表面は透明度が低くなる(光沢の度合が下がる)。例えば、転写熱量が所定の熱量より小さい場合、写真シールの表面は透明なオーバーコート層で保護され、転写熱量が所定の熱量より大きい場合、写真シールの表面は半透明なオーバーコート層で保護される。
プリンタ114は、写真シールの印刷を終了すると、その印刷済みのシール紙162を、所定の位置で切断して写真シール排出口71より排出する。この印刷済みのシール紙162が、写真シール作成ゲームの成果物である写真シールとして利用者グループに提供される。
このように、切断済みのシール紙162を排出することにより、利用者はハサミなどでシール紙162を切り分ける必要がなくなるので、利用者の手間を省くことができる。
次に、制御部101について説明する。図10は、制御部101がROM106などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
制御部101は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金に関する処理等を行う事前接客処理部201、利用者グループを撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部202、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部203、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部204、および、編集作業を終了した利用者グループを接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部205を有する。
つまり、制御部101は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
図11は、図10の印刷処理部204の詳細な構成例を示している。印刷処理部204は、印刷制御部211、領域区分部212、および熱量設定部213から構成される。
印刷制御部211は、プリンタ114のヘッド151,152を制御して、編集部113からの編集済み画像(印刷データ)をシール紙162に印刷する処理、熱量設定部213によって設定された転写熱量で、編集済み画像が印刷されたシール紙にオーバーコート層をさらに印刷する処理などを行う。
領域区分部212は、シール紙162に印刷される編集済み画像、またはシール紙162自体を、複数の領域に区分する処理を行う。
熱量設定部213は、領域区分部212によって区分された領域毎に、編集済み画像が印刷されたシール紙にオーバーコート層を印刷するための転写熱量を設定する。例えば、熱量設定部213は、領域区分部212によって区分された複数の領域の少なくとも2以上の領域で、異なる転写熱量を設定する。
次に、写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームの一連の処理について、図12のフローチャートを参照して説明する。
写真シール作成ゲームを行う利用者は、待機領域31から撮影領域32に移動し、撮影ユニット12の前方ユニット12Aに設けられた硬貨投入返却口50にゲームの代金である硬貨を投入することにより支払う。この硬貨投入に応じて硬貨処理部121は、硬貨の種類を識別し識別結果を含む起動信号を制御部101に供給する。制御部101の事前接客処理部201は、ステップS1において、その起動信号に基づいて、代金が投入されたか否かを判定し、正当な代金が投入されたと判定された場合、処理はステップS2に進む。
ステップS2において、撮影処理部202は、撮影部111の各部を制御し、撮影空間32内において行われる、写真シール作成ゲームの撮影作業に関する処理である撮影処理を実行する。撮影作業が終了すると、撮影処理部202は、ステップS3において、撮影作業を終えた撮影空間32内の利用者に対して、画像や音声によって第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bへの移動を促す移動案内処理を行う。
ステップS4において、編集処理部203は、編集空間33に移動した利用者からの、編集部113に対する操作に応じて、撮影処理によって得られた撮影画像に、予め用意された合成用画像を合成したり、文字や線画等を重畳させる編集処理を行う。
編集作業が終了すると、ステップS5において、印刷処理部204は、プリンタ114を制御し、編集作業により得られた編集済み画像をシール紙に印刷する印刷処理を行う。なお、印刷処理については、その詳細を後述する。
ステップS6において、印刷処理部204は、シール紙の印刷枚数を増やす追加印刷用代金が投入されたか否かを判定し、投入されたと判定された場合、処理はステップS7に進む。ステップS7において、印刷処理部204は、追加印刷処理を行い、増やした分のシール紙の印刷処理(追加印刷)を予約する。追加印刷は、通常の印刷処理が終了次第開始される。また、ステップS7においては、ステップS5の印刷処理と同様の処理が行われる。
追加印刷処理が行われると、処理はステップS8に進む。また、ステップS6において、追加印刷用代金が投入されていないと判定された場合、印刷処理部204は、追加印刷処理は行わずに、処理はステップS8に進む。
ステップS8において、事後接客処理部205は、印刷終了待機中の利用者に対して、ミニゲームや画像転送、アンケート入力等のサービスを提供する事後接客処理を行う。
そして事後接客処理が終了すると、事後接客処理部205は、ステップS9において、編集空間33の利用者を印刷物受取領域34に移動させるための移動案内を行う。また、印刷処理が終了すると、印刷処理部204は、ステップS10において、プリンタ114を制御し、印刷済みのシール紙を適宜裁断して写真シール排出口71より排出させる。以上で、写真シール作成ゲームの一連の処理が終了する。
次に、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS5の印刷処理について、図13を参照して詳述する。
ステップS101において、印刷処理部204の印刷制御部211は、プリンタ114のヘッド151(またはヘッド152)を制御して、編集済み画像をシール紙162に印刷させる。より具体的には、印刷制御部211は、プリンタ114に対して、編集済み画像を印刷する旨の印刷制御信号を供給する。プリンタ114のヘッド151(またはヘッド152)は、印刷制御信号に応じた転写熱量(転写温度)で、編集処理部203からの印刷データに基づいて、C,M,Yのインクをシール紙162に熱転写する。
ステップS102において、領域区分部212は、編集処理部203からの印刷データに対応する編集済み画像を、編集済み画像における被写体(利用者)としての人物の領域である人物領域と、それ以外の背景領域とに区分する。
より具体的には、例えば、領域区分部212は、図14に示される、利用者が撮影された編集済み画像に対して、人検出処理や顔検出処理、眼などの顔パーツ検出処理、肌色検出処理等を適用することによって利用者を認識し、人物領域301を検出する。また、領域区分部212は、図14の編集済み画像において、人物領域301以外の領域を、背景領域302として検出する。なお、図14の編集済み画像においては、編集処理による合成用画像、文字や線画等は図示されない。
また、編集済み画像における背景が単色である場合、領域区分部212は、クロマキー処理を行うことで、人物領域301と背景領域302とを検出するようにしてもよい。
ここで、人物領域301と背景領域302とに区分された編集済み画像において、利用者にとって注目させたい(目立たせたい)領域以外の領域(この場合、背景領域302)を、以下、適宜、マスク領域と称する。
ステップS103において、熱量設定部213は、領域区分部212によって区分された領域毎に、編集済み画像が印刷されたシール紙126にオーバーコート層を印刷するための転写熱量を設定する。より具体的には、熱量設定部213は、図14に示される編集済み画像のマスク領域、すなわち背景領域302に、所定の熱量より大きい転写熱量を設定するとともに、マスク領域以外の領域、すなわち人物領域301に、所定の熱量より小さい転写熱量を設定する。
ステップS104において、印刷制御部211は、熱量設定部213によって設定された転写熱量で、編集済み画像が印刷されたシール紙126に、オーバーコート層をさらに印刷する。すなわち、印刷制御部211は、編集済み画像が印刷されたシール紙126にオーバーコート層をさらに熱転写する際、熱量設定部213によって設定された転写熱量に基づいて、ヘッド151(またはヘッド152)の転写熱量(転写温度)を、編集済み画像の画素単位で制御し、オーバーコート層をシール紙126に印刷する。
このように、オーバーコート層が、編集済み画像が印刷されたシール紙126のマスク領域には所定の熱量より大きい転写熱量で、また、マスク領域以外の領域には所定の熱量より小さい転写熱量で印刷されて、印刷処理は終了する。
以上の処理によれば、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、編集済み画像の人物領域301(マスク領域外)の表面は透明なオーバーコート層で、背景領域302(マスク領域)の表面は半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングされる。これによって、利用者による余計な操作を必要とせずに、利用者(被写体)部分がクリアな質感をもつ、見栄えのよい、きれいな仕上がりの写真シールを提供することができる。
なお、図13のフローチャートにおいては、ステップS101において編集済み画像がシール紙162に印刷された後に、ステップS102において編集済み画像が人物領域301と背景領域302とが区分されるようにしたが、ステップS101とステップS102の処理は並行して実行されてもよいし、また、逆の順番で実行されてもよい。
以上においては、領域区分部212が、編集済み画像を人物領域301と背景領域302とに区分するようにしたが、編集済み画像が、編集処理部203の編集処理により撮影画像に予め用意された背景や前景となる合成用画像(合成用背景画像または合成用前景画像)が合成された合成画像である場合、領域区分部212は、合成用画像をマスク領域として編集済み画像(合成画像)を区分するようにもできる。
例えば、合成用画像が、合成用前景画像としてのフレーム画像である場合、領域区分部212は、フレーム画像をマスク領域として編集済み画像(合成画像)を区分するようにしてもよい。
より具体的には、図13のフローチャートのステップS102において、領域区分部212は、図15に示される、フレーム画像(額縁のような画像)が合成された編集済み画像に対して上述した手法を用いて、編集済み画像を、人物領域301、背景領域302、および、フレーム画像のフレーム画像領域303に区分し、フレーム画像領域303をマスク領域とする。
さらに、ステップS103において、熱量設定部213は、図15に示される編集済み画像のマスク領域、すなわちフレーム画像領域303に、所定の熱量より大きい転写熱量を転写熱量を設定するとともに、マスク領域以外の領域、すなわち人物領域301および背景領域302に、所定の熱量より小さい転写熱量を設定する。
このようにして、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、編集済み画像の人物領域301および背景領域302(マスク領域外)の表面は透明なオーバーコート層で、フレーム画像領域303(マスク領域)の表面は半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングされる。したがって、利用者による余計な操作を必要とせずに、額縁に収められた絵画のように見栄えがよく、デザイン性の高い仕上がりの写真シールを提供することができる。
また、例えば、合成用画像が、合成用前景画像としてのスタンプ画像である場合、領域区分部212は、背景画像(合成用背景画像)およびスタンプ画像をマスク領域として編集済み画像(合成画像)を区分するようにしてもよい。
より具体的には、図13のフローチャートのステップS102において、領域区分部212は、図16に示される、楕円環状のフレーム画像が合成された編集済み画像に対して上述した手法を用いて、編集済み画像を、人物領域301、背景領域302、およびスタンプ画像のスタンプ画像領域304に区分し、背景領域302およびスタンプ画像領域304をそれぞれマスク領域とする。
さらに、ステップS103において、熱量設定部213は、図16に示される編集済み画像のマスク領域のうちの背景領域302に、転写熱量を3段階に分けたうちの一番大きい転写熱量を設定するとともに、マスク領域のうちのスタンプ画像領域304には、転写熱量を3段階に分けたうちの中間の転写熱量を設定する。さらに、熱量設定部213は、マスク領域以外の領域、すなわち人物領域301に、転写熱量を3段階に分けたうちの一番小さい転写熱量を設定する。
このようにして、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、編集済み画像の人物領域301(マスク領域外)の表面は透明なオーバーコート層で、背景領域302(マスク領域)の表面は半透明なオーバーコート層で、そして、スタンプ画像領域304(マスク領域)の表面は人物領域301と背景領域302のオーバーコート層の中間の透明度のオーバーコート層でオーバーコーティングされる。したがって、利用者による余計な操作を必要とせずに、被写体、背景画像、およびスタンプ画像の間で立体感を出すことができ、見栄えがよく、完成度の高い写真シールを提供することができる。
なお、以上においては、人物領域301に小さい転写熱量、スタンプ画像領域304に中間の転写熱量、そして背景領域302に大きい転写熱量を設定するようにしたが、各領域に対する転写熱量の設定の仕方は、これに限らず、例えば、人物領域301に大きい転写熱量、スタンプ画像領域304に中間の転写熱量、そして背景領域302に小さい転写熱量を設定するようにしてもよいし、人物領域301に小さい転写熱量、スタンプ画像領域304に大きい転写熱量、そして背景領域302に中間の転写熱量を設定するようにしてもよい。また、デザイン性を考慮した仕上がりとなるように、領域毎に転写熱量を設定するようにしてもよい。
また、以上においては、転写熱量を3段階に設定するようにしているが、3以上の複数段階に設定するようにしてもよい。例えば、同一領域の中でも、複数段階の転写熱量を設定することにより、よりデザイン性に優れた仕上がりの写真シールを提供することができる。
ところで、例えば、合成用画像が、編集画像内の人物の背景や前景に合成される細かな絵柄であるヴェール画像である場合、領域区分部212は、背景画像のみをマスク領域として編集済み画像(合成画像)を区分するようにしてもよい。
より具体的には、図13のフローチャートのステップS102において、領域区分部212は、図17に示される、星形のヴェール画像が合成された編集済み画像に対して上述した手法を用いて、編集済み画像を、人物領域301、背景領域302、および、背景領域302にちりばめられたヴェール画像のヴェール画像領域305に区分し、背景領域302のヴェール画像領域305を除いた領域をマスク領域とする。
さらに、ステップS103において、熱量設定部213は、図17に示される編集済み画像のマスク領域、すなわち背景領域302のヴェール画像領域305を除いた領域に、所定の熱量より大きい転写熱量を設定し、マスク領域以外の領域、すなわち人物領域301およびヴェール画像領域305に、所定の熱量より小さい転写熱量を設定する。
このようにして、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、編集済み画像の人物領域301およびヴェール画像領域305(マスク領域外)の表面は透明なオーバーコート層で、背景領域302(マスク領域)の表面は半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングされる。したがって、利用者による余計な操作を必要とせずに、ヴェール画像に応じた立体感で、見栄えがよく、完成度の高い写真シールを提供することができる。
以上においては、合成用画像として、フレーム画像やスタンプ画像、ヴェール画像が適用されるようにしたが、これに限らず、その他の合成用背景画像や合成用前景画像、例えば、画像(撮影画像)において人物の周囲を装飾するためのオーラ画像等を適用し、その領域について転写熱量を設定するようにしてもよい。
また、以上においては、編集済み画像において区分された領域毎に、転写熱量を設定するようにしたが、シール紙全体を区分した領域毎に、転写熱量を設定するようにしてもよい。
図18は、シール紙全体の例を示す図である。図18に示されるように、シール紙310は、編集処理において利用者の操作によって決定される印刷レイアウトパターンに応じて複数に分割された印刷領域311と、その周囲の縁領域312とからなる。
このような場合、図13のフローチャートのステップS101において、印刷制御部211は、印刷領域311において分割されたそれぞれの領域に、編集済み画像を1つずつ印刷する。
そして、ステップS102において、領域区分部212は、図18で示されるシール紙310を、印刷領域311と縁領域312とに区分し、縁領域312をマスク領域とする。
さらに、ステップS103において、熱量設定部213は、図18のシール紙310におけるマスク領域、すなわち縁領域312に、所定の熱量より大きい転写熱量を設定し、マスク領域以外の領域、すなわち印刷領域311に、所定の熱量より小さい転写熱量を設定する。
このようにして、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、編集済み画像が印刷されている印刷領域311(マスク領域外)の表面は透明なオーバーコート層で、縁領域312(マスク領域)の表面は半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングされる。したがって、利用者による余計な操作を必要とせずに、画像部分がクリアで見栄えのよい写真シールを提供することができるとともに、利用者が、写真シール排出口71に排出されたシール紙310を取り出す際や仲間同士で受け渡す際等に触れる縁の部分において、指紋をつきにくくするようにできる。
以上においては、シール紙全体の縁を半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングする例について説明したが、印刷レイアウトパターンに応じて複数に分割された領域それぞれの画像の縁を半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングするようにもできる。
より具体的には、編集処理(図12のフローチャートのステップS4)において、利用者の操作によって印刷レイアウトパターンが選択される際に、レイアウト選択画面において、シール紙に印刷されるそれぞれの画像について「縁あり」が設定された場合、「縁あり」が設定されたそれぞれの画像の縁が半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングされる。
図19は、編集処理において操作されるレイアウト選択画面の例を示している。図19に示されるレイアウト選択画面340は、利用者に選択された2枚の画像(印刷画像)をシール紙に印刷する場合の画面例である。
レイアウト選択画面340においては、1枚目の印刷画像の印刷画像表示部である印刷画像表示部341−1および2枚目の印刷画像の印刷画像表示部である印刷画像表示部341−2、並びに、1枚目の印刷画像の縁選択部である縁選択部342−1および2枚目の印刷画像の縁選択部である縁選択部342−2が設けられている。すなわち、利用者は縁選択部342−1と342−2を用いて、印刷画像毎に、縁の有無を選択したり、縁の色を変更したりすることができる。
レイアウト選択画面340において、2枚の印刷画像について「縁あり」が選択された場合、図13のフローチャートのステップS101において、印刷制御部211は、図20に示されるような印刷画像をシール紙400に印刷する。
図20のシール紙400においては、印刷領域401内に、印刷画像431,433が印刷されており、それぞれの周囲には、所定の色の縁431A,433Bが印刷されている。なお、シール紙400の印刷領域401以外の図中上側の余白領域402には、印刷画像として選択されていない編集済み画像がおまけ画像として印刷されている。
そして、ステップS102において、領域区分部212は、図20で示されるシール紙400を、印刷画像431,433の印刷画像領域と縁431A,433Bの縁領域とに区分し、縁領域それぞれをマスク領域とする。
さらに、ステップS103において、熱量設定部213は、図20のシール紙400におけるマスク領域、すなわち縁領域に、所定の熱量より大きい転写熱量を設定し、マスク領域以外の領域、すなわち印刷画像領域に、所定の熱量より小さい転写熱量を設定する。
このようにして、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、印刷レイアウトパターンに応じて複数の編集済み画像が印刷された写真シールにおいて、それぞれの編集済み画像が印刷されている印刷領域(マスク領域外)の表面は透明なオーバーコート層で、「縁あり」が設定されたそれぞれの画像の縁領域(マスク領域)の表面は半透明なオーバーコート層でオーバーコーティングされる。したがって、利用者による余計な操作を必要とせずに、画像部分がクリアで見栄えのよい写真シールを提供することができるとともに、利用者が、シール紙400に印刷されている画像を切り分けた後でも、指紋をつきにくくするようにできる。
ところで、一般的に、紫外線等に対する耐候性を有するオーバーコート層は、その転写温度が低い場合(透明な場合)、黄色味を帯びているが、その転写温度が高い場合(半透明な場合)、その表面で乱反射し白っぽく見える。
そこで、図13のフローチャートのステップS101において、印刷制御部211が、編集済み画像をシール紙に印刷する際、編集済み画像のマスク領域に含まれる色を、黄色味を帯びた色に近づけたり、編集済み画像におけるマスク領域のコントラストを下げるようにしてもよい。
このようにして、利用者による写真シールの表面の質感について選択するための操作を必要とせず、例えば、図14で示された編集済み画像においては、人物領域301が、マスク領域である背景領域302と比較して、より強調されて印刷されるようになる。したがって、利用者による余計な操作を必要とせずに、より見栄えのよい写真シールを提供することができる。
以上においては、プリンタ114(図9)として、昇華型プリンタを適用して説明してきたが、熱溶融型プリンタを適用するようにしてもよい。熱溶融型プリンタは、インクリボンに塗布されたインクを溶解させてシール紙162に熱転写することで画像を印刷する。さらに、熱溶融型プリンタは、画像が印刷されたシール紙162の上に、インクリボンに塗布されたオーバーコート層を溶解させてシール紙162に熱転写することでシール紙162の表面を保護する(オーバーコーティングする)。
ところで、熱溶融型プリンタにおいては、オーバーコート層の転写熱量が高いほど、転写されるオーバーコート層の厚さが大きくなる。
ここで、図13のフローチャートのステップS104で説明したように、印刷制御部211が、例えば、図14に示される編集済み画像のマスク領域(背景領域302)に、所定の熱量より大きい転写熱量でオーバーコート層を熱転写し、マスク領域以外の領域(人物領域301)に、所定の熱量より小さい転写熱量でオーバーコート層を熱転写すると、マスク領域においては、オーバーコート層が厚塗りされた状態となり、写真シールの表面に凹凸を形成する、いわゆるエンボス加工を実現することができる。したがって、利用者による余計な操作を必要とせずに、見た目と手触りの立体感がさらに増した、より見栄えのよい写真シールを提供することが可能となる。
なお、上述した説明においては、編集済み画像において、主に利用者(被写体)の領域である人物領域以外をマスク領域とするようにしたが、背景画像や合成用画像を目立たせたい場合には、人物領域をマスク領域とするようにしてもよい。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図9に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア105により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM106や、記憶部102に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。