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JP2011062130A - 活魚類の輸送方法及びその輸送装置、これらを利用した養魚システム - Google Patents

活魚類の輸送方法及びその輸送装置、これらを利用した養魚システム Download PDF

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Abstract

【課題】マグロの稚魚等の輸送に際し、広大な回遊空間を確保して共食い防止、ストレス解消、個体それぞれの損傷防止等を図り、輸送中でも生育を促進できるようにする。
【解決手段】支持部材として立脚した複数のコア柱体10それぞれの周囲を半ば巻回するように、また交互に左右の旋回方向を変更しながら連続したエンドレス状の密閉された流水路20を形成し、この流水路20中で一方向にのみ流れる水流を生成し、この水流中で活魚Fを生育しながら輸送する。流水路20は、並列配置したコア柱体10それぞれの外周に沿っている円弧状の周回部22と、この周回部22の端部部位では上下に少なくとも周回部22の高さ間隔で段差を設定して、一方の周回部22の端部は他方の周回部22の端部に上下方向で傾斜接続していて、コア柱体10相互の間で平面から見て互いに交差させた状態にある周回接続部23とを一体状に連続することで構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は主としてマグロの稚魚(ヨコワ)を活きたままで、しかもその成長を阻害せずに輸送あるいは陸上で養殖するに好適なものとし、また個体のそれぞれを損傷させることなく生育させる養魚槽としても使用可能な活魚類の輸送方法及びその輸送装置、これらを利用した養魚システムに関する。
従来から各種の魚介類を活きたままで輸送し、またそのための種々の方法、装置が提案されている。例えば特許文献1に示す大型魚の保冷輸送方法であり、特許文献2に示す生きている魚介を運搬する方法及び装置であり、特許文献3に示す活魚の運動機能の抑制方法および抑制処理された活魚の保存方法であり、特許文献4に示されたマグロの異常行動防止方法である。
特許文献1に示された方法は、マグロ等の大型魚を吸水性シートにて構成された保冷シートで包み、この保冷シートに形成の分包部に封入の吸水性樹脂から冷気を発してマグロを保冷状態にし、分包部内の発泡樹脂によってマグロの魚体の傷付きを防止するとする。特許文献2に示された方法及び装置は、水を張った貯蔵容器に、生物を生かしておくに使用される様々な技術的機器例えば酸素供給システム、塩分・pH調節システム、水品質制御システムを輸送モジュールに接続するのであり、この輸送モジュールは標準の輸送コンテナに適合するように設計されるとする。特許文献3に示された抑制方法、保存方法は、針状の道具で魚の鰓蓋の上端部附近を刺突して脊髄に刺すに際し、低周波電流により魚を一時的に麻痺させるとする。特許文献4に示された異常行動防止方法は、環境と接する水槽壁面の透明化、視覚刺激緩衝材の設置、環境中への有色微粒子の存在化等で視覚刺激を緩和して異常行動を防止し、また視覚刺激で水槽面への衝突死を防止するとする。
特開平5−308896号公報 特表2005−506069号公報 特開2005−2300021号公報 特開2006−197875号公報
このような従来の方法、装置、システム等はいずれも一般的な活魚更にはマグロを輸送するに用いられるのであり、特に稚魚の段階における共食いを防止しながら輸送すること、また生育を促進させること等は特に考慮されていない。例えば特許文献1では大型に生育されたマグロを対象としており、多数の稚魚それぞれに個別に対応するには不適当である。特許文献2では貯蔵容器自体が一定容積しか備えていないから、常時回遊する例えばマグロ等を入れる場合には、広い回遊空間を確保できず、しかも魚体表面を傷付けるおそれが十分にある。特許文献3では、活魚の運動機能を抑制することが可能であっても、十分には生育していない稚魚に適用するのは困難である。特許文献4では飼育、保管、輸送時におけるマグロの仔稚魚期、若魚期においての共食い、驚愕行動、衝突死等の異常行動の発生防止に効果があっても、飼育、保管、輸送の基本的システム自体に生じる様々な問題点は何ら解決されていない。
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は主としてマグロの稚魚を輸送するに際し、エンドレス形状に形成した水流中で生育することで広大な回遊空間を確保して共食いを防止し、ストレスを生じさせず、また個体それぞれの損傷防止等を図ると同時にその輸送中でも生育を促進できるものとする。しかも輸送・移動等に際しての利用のみならず、陸上等の狭隘な場所においても養殖可能なシステムとして設置可能であり、更には観光施設等における鑑賞用にも活用でき、活きたままでの保管時、その飼育時等で良好な生育環境を実現可能な活魚類の輸送方法及びその輸送装置、これらを利用した養魚システムを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明の活魚類の輸送方法にあっては、連続しているエンドレス状の密閉された流水路20を形成し、この流水路20中に生成した一方向にのみ流れる水流中で活魚Fを生育しながら輸送することを特徴としたものである。
また、交互に左右の旋回方向を変更しながら連続しているエンドレス状の密閉された流水路20を形成し、この流水路20中に生成した一方向にのみ流れる水流中で活魚Fを生育しながら輸送することを特徴としたものである。
流水路20は、設置面に配設した支持部材10,11によって支持されており、支持部材(10,11)は、例えば外周が円弧状になっている柱状のコア柱体10であり、立脚されている複数のコア柱体10それぞれの周囲を半ば巻回するように、相互に並列するコア柱体10で交互に左右の旋回方向を変更しながら連続しているエンドレス状に形成した密閉された流水路20中に、一方向にのみ流れる水流を生成し、この水流中で活魚Fを生育しながら輸送することを特徴としたものである。
また、その輸送装置にあっては、輸送機関(C)による輸送スペースに対応して形成された外殻フレーム1と、この外殻フレーム1内で配設される支持部材10,11と、この支持部材10,11によって支持されることで、交互に左右の旋回方向を変更しながらエンドレス状に連続形成され、一定方向の水流が内部に生成されている密閉された流水路20とを備えて成ることを特徴とする。
流水路20は、ほぼ水平状で配置された円弧状の周回部22と、この周回部22の端部部位では上下に少なくとも周回部22の高さ間隔で段差が設定されており、一方の周回部22の端部は他方の周回部22の端部に上下方向で傾斜して接続されていて、平面から見て互いに交差させた傾斜状態にある周回接続部23とを一体状に連続することで構成することができる。あるいは、ほぼ傾斜状で配置された円弧状の周回部22と、この周回部22の端部部位ではほぼ同一の高さ位置に設定されており、一方の周回部22の端部は他方の周回部22の端部にほぼ水平方向で接続されていて、平面から見て互いに交差させた水平状態にある周回接続部23とを一体状に連続することで構成することができる。
周回部22と周回接続部23とは、直接にあるいは中間接続部24を介して組立、分離自在に連結することで構成することができる。
流水路20には、流水路20に設けた循環取水口41から流水を取り込み、同じく流水路20に設けた循環吐出口44から流水路20中に一定方向の水流を生じさせて流水を吐出する循環ポンプ42を備えた水流発生機構30を設けることができる。
支持部材(10,11)は、外周が円弧状になっている柱状のコア柱体10であり、流水路20は、並列して対状に配置されているコア柱体10それぞれの外周に沿っているそれぞれの円弧状の周回部22と、この周回部22の端部部位では上下に少なくとも周回部22の高さ間隔で段差が設定されており、一方の周回部22の端部は他方の周回部22の端部に上下方向で傾斜して接続されていて、支持部材(10,11)相互の間で平面から見て互いに交差させた状態にある周回接続部23とを一体状に連続することで構成することができる。
流水路20内に一定方向の水流を生成する水流発生機構30が少なくてもいずれか一つのコア柱体10内に配装されており、この水流発生機構30は、流水路20における周回部22の内周面で流水路20に連通するようコア柱体10内に区画形成した水流発生室31と、この水流発生室31周囲に旋回流を生成するよう水流発生室31内に設けたスクリュー体32と、流水路20内周面部位で水流発生室31内とは通水可能にして区画する区画帯34とを備えることで構成することができる。
一方、活魚類の養魚システムにあっては、エンドレス状に連続形成されて、一定方向の水流が内部に生成されている密閉された流水路20を備えて成ることを特徴とする。
また、交互に左右の旋回方向を変更しながら配される円弧状の周回部22と、この旋回方向が異なる周回部22を相互に接続している周回接続部23とによって、交互に左右の旋回方向を変更しながらエンドレス状に連続形成されて、一定方向の水流が内部に生成されている密閉された流水路20とを備えて成ることを特徴とする。
この養魚システムにおいての流水路20、この流水路20に配装される水流発生機構30それぞれは、上記の輸送装置における流水路20、水流発生機構30とほぼ同様に構成することができる。
以上のように構成された本発明に係る活魚類の輸送方法及びその輸送装置、これらを利用した養魚システムにあって、エンドレス状で連続している密閉され、一方向のみに流れる水流が生成されている流水路20内で生育されるマグロ等の活魚Fは、流水路20内で生成される水流に逆らって泳ぐことになり、共食い、衝突死等を未然に防止して、その多くを成魚として生育させる。
密閉構成される流水路20は、この流水路20自体を輸送機関(C)によって輸送可能にし、輸送中でも流水路20内に波を生じさせず、流水路20内の活魚Fに疲労・損傷等を与えず、その生育を阻害させない。
また、流水路20が旋回方向が異なるエンドレス状の連続したものとして構成されることで、設置空間を有効に利用させ、単純な一方向での旋回と異なり、交互に旋回方向が異なることで、内部で回遊する活魚Fを左右対称的な均整がとれた状態に生育させ、良好なバランス性ある姿形の成魚とさせる。
内部にエンドレスな水流が生成される流水路20は、全体がコンパクトな外殻フレーム1内で立脚配置する支持部材(10,11)によって支持構成され、この外殻フレーム1自体を所定の輸送機関(C)による輸送スペースに対応することで、様々な輸送機関(C)による輸送を可能にし、その輸送中でも生育を阻害しないことで、更には陸上での養殖によっても稚魚から幼魚を経ての成魚への生育を円滑にさせる。
流水路20自体は、支持部材(10,11)に沿う円弧状の周回部22を、支持部材(10,11)相互間で周回接続部23によって接続したエンドレス状に形成されるから、内部で生成される水流に逆らって活魚Fを常時泳がせることで、その生育を促進させる。と同時に、エンドレス状の水流は、供給されるエア、給餌、養魚用水の浄化等も流水路20の全域に渡って満遍なく、円滑に行わせる。
また、水平状あるいは傾斜状に配置される周回部22、傾斜状あるいは水平状に配置される周回接続部23、更にはこれらの間に介在され得る中間接続部24等によって、組立、分離自在に連結される流水路20は、これらの部材の組合せによって、上下・左右方向の形態、螺旋の形態、直線・曲線の形態等を水路中に部分的に形成して、基本的には無限の∞状を呈する流水路20を長短にかかわらず、構成させる。しかも、形態・組立・分離の自在性で設置場所の広狭、高低、不定形その他に対応させて構成させ、分解・移動・再組立設置を可能にさせる。
水流発生機構30は、回転するスクリュー体32によってコア柱体10内からコア柱体10の外周に旋回流を生じさせ、コア柱体10の外周における流水路20の周回部22に強制的な水流を生成し、エンドレス状の流水路20内で一定向きの水流を効率的に生じさせる。また区画帯34は、水流発生室31と、これの外周に形成されている流水路20の周回部22とを通水可能にして区画しており、流水路20内での水流生成の伝達に支障はなくも、活魚F等が水流発生室31内に進入するのを防止させる。
流水路20は、支持部材(10,11)に沿って配されることで支持部材(10,11)に支持されることによって円滑に流れるエンドレスな流水域を形成させており、また、輸送システムとして、また据付設置システムとして構成することのいずれをも可能にしている。
本発明は以上説明したように構成されているため、輸送、据付設置可能にエンドレス形状で形成した密閉された流水路20の水流中に例えばマグロの稚魚(F)を放流し、生育するようにしたことで、広大な回遊空間を確保した状態で、例えば輸送でき、その輸送中でも活魚Fの飛び出し、共食い等を防止し、活魚F等にストレスを生じさせず、また個体それぞれの損傷防止等を図ることにより、稚魚を安全確実に輸送でき、しかも輸送中でもその生育を促進できる。そして、稚魚段階のみならず、成魚段階のものでも同様に生育できることで、孵化した稚魚を他の場所で生育させる場合での輸送に好適であるばかりでなく、輸送供給によって新鮮なままの活魚Fを提供できる。また、輸送・移動等に際しての利用のみならず、狭隘な場所においても設置可能で、陸上での養殖システムとして利用でき、更には観光施設等における鑑賞用にも活用でき、活きたままでの保管時、その飼育時等で良好な養魚システムとすることができる。
すなわちこれは、本発明において、連続しているエンドレス状の密閉された流水路20を形成し、この流水路20中で一方向にのみ流れる水流を生成し、この水流中でマグロの如き活魚Fを生育するようにしたからであり、輸送中の生育促進、疲労・損傷の防止、輸送態様それぞれに対応した輸送システムの構築、据付設置による陸上養殖、更に生育とその鑑賞等を可能にする。
しかも、流水路20自体は、支持部材10,11に関連して設けられるから、コア柱体10、台部材11等によって例えば外殻フレーム1内で強固に支持される構造のものとさせることで、これを輸送する各種の輸送機関それぞれにおける輸送スペースに対応させるだけで、輸送に適した構成とすることも簡単に構成できる。また、こうした輸送に対応させるだけでなく、据付設置するに際しても、選定する支持部材10,11の固定支持で容易に対応できる。
また、流水路20は、交互に左右の旋回方向を変更しながら連続しているエンドレス状に形成してあるから、流水路20内で回遊する活魚Fは、その回遊中で左右交互に向きを変えることになり、その生育後では左右対称的なバランスがとれた均整な姿形を自然に備えさせることができる。
流水路20は、水平状あるいは傾斜状の周回部22と、同様に傾斜状あるいは水平状の周回接続部23とを直接にあるいは中間接続部24を介して組立、分離自在に連結してあることで、これらの部材の組合せによって、基本的には無限の∞状を呈する流水路20を維持しながら、上下・左右方向に流路を変更しながらの形態、螺旋状流路の形態、直線状あるいは曲線状に変更しながらの流路形態等を適宜に組み合わせて、これらを一つの全体水路中に部分的に形成することができる。
しかも、これによって、流水路20自体を長短にかかわらず構成できるばかりでなく、組立、分離自在に連結されることで、その形態・組立・分離の自在性で設置場所の広狭、高低、不定形その他に対応させた各種形態の流水路20を構成でき、また分解・移動・再組立設置を可能にさせることで、汎用性に富み、自在な流路空間を構成できる。
また、流水路20内で一定方向の水流を、例えば養魚用水の流水路20中からの取水、それを浄化後の流水路20中への所定速度の吐水による水流発生機構30によって生成することで、生育させる例えばマグロはその水流に向かうよう泳ぐことになる。そのために、稚魚であっても共食いの虞が少なくなり、適当な運動量を確保することで生育を促進させることができ、衝突死も少なくなることと相俟ち、幼魚、成魚への成長に大きく役立つ。そればかりでなく、浄化機構40による養魚用水等の浄化、エア供給機構50によるエア供給、飼料供給機構60による給餌もその水流を利用することで流水路20内に満遍なく行き渡せることができ、生育環境を良好にできる。
水流発生機構30による水流の生成は、コア柱体10内に設けた水流発生室31のスクリュー体32によって水流発生室31周囲の流水路20における周回部22に旋回流を生じさせることで得られるから、流水路20自体がエンドレス状構成であることと相俟ち、流水路20内で一定の流速を確保でき、良好な生育環境を構成できる。また、水流発生室31の周囲は通水可能な区画帯34で流水路20の周回部22と区画されているから、流水路20中の活魚Fが水流発生室31内に進入することもない。
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
本発明を実施するための基本的な実施の形態を示し、特にマグロの稚魚・幼魚の生育に好適なものとした場合であり、その(A)は概略平面図、その(B)は概略側面図である。 同じく大量のマグロの稚魚・幼魚の生育に好適なものとした場合であり、その(A)は概略平面図、その(B)は概略側面図である。 同じく高速で泳ぐマグロの稚魚・幼魚の生育に好適なものとした場合であり、その(A)は概略平面図、その(B)は概略側面図である。 同じく流水路の管路構成の一部の斜視図である。 同じく陸上輸送時における例えば軽貨物自動車に搭載した場合の一例の概略側面図である。 同じくその平面図である。 同じくその正面図である。 同じく陸上輸送時における例えば大型貨物自動車に搭載した場合の一例の概略側面図である。 同じく具体的な実施の形態においての平面図である。 同じくその側面図である。 同じく具体的な他の実施の形態における概略側面図である。 同じくその水流発生機構の一例を示す概略斜視図である。 同じく観覧用に据付設置した場合の一例を示す概略平面図である。 同じくその概略側面図である。
以下図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明する。図において示される符号1は活魚Fが輸送されるときあるいは活魚Fを陸上で養殖させるべく据付設置されるとき等の外郭となる外殻フレームである。この外殻フレーム1によって、これの内部には、支持部材として、図1乃至図3、図8、図11等に示すように例えば円弧状外周面を有する複数のコア柱体10が鉛直方向に沿って立脚されている。そして、この複数のコア柱体10の周囲を半ば巻回するように、相互に並列するコア柱体10で交互に左右の旋回方向を変更しながら、平面で例えば8字形あるいは∞字形等を呈するエンドレス状に形成される密閉された流水路20を配装してある。また、流水路20の支持は、このようなコア柱体10によらずに、図5乃至図7、図9、図10に示すように例えば流水路20の要所でその荷重を下方から支持する支持台、上方から懸垂支持する懸垂台その他の台部材11であっても良い。
外殻フレーム1は、輸送されるときの輸送機関例えば貨物自動車C、鉄道車両、海上船舶、航空機その他におけるそれぞれの輸送態様に対応した例えばコンテナ自体として構成される。すなわち、輸送態様に対応する大きさ、形状等に適合すべく、その輸送スペースに対応して形成されるよう、種々なタイプのコンテナとして構成される。輸送されるものとして構成されるときには、可搬性が十分に考慮され、輸送機関におけるそれぞれの輸送仕様に適合する大きさ、荷重等とされることは勿論であり、図5乃至図8に示すように軽貨物、大型貨物等の貨物自動車Cの荷台に適合するには、一般的な汎用性あるコンテナに適合する長さ、幅員、高さを備えたものとすることが望ましい。
また据付設置されるときでは、例えば観光施設、観覧施設、養魚・飼育施設等における鑑賞・見学・縦覧、観察・監視等が可能とされるように構成され、使用される。固定的な据付には、所定の基礎工事の実施後にその基礎の上に載置され、輸送されるに際する輸送態様上の制約・制限等はないから、自由な外観を採用でき、例えば飼育する活魚Fの外形を模すことも可能である(図13、図14参照)。
尚、外殻フレーム1自体は、コア柱体10、台部材11、流水路20等を完全に覆うように形成される必要はなく、長尺材による骨組み構成とされることであっても良い。また、輸送用として構成される場合であれば、この外殻フレーム1によって支持部材10,11、流水路20をしっかりと固定的に支持している堅牢性が要求される。また、この場合には流水路20周囲を外殻フレーム1によって例えば適当な支持材を介して固定支持することが好適である。据付設置用として構成される場合であれば、コア柱体10、台部材11更には流水路20は外殻フレーム1を支える基礎構造上に外殻フレーム1の支持とは別のものとして独立して立脚構成されていても良く、いずれもその据付設置態様に対応して適宜に構成される。
台部材11の選定によって、例えばステンレス材・鉄材等によるL型アングル材、溝型材等によって、コンテナ等の外郭フレーム1内で内部の床・壁・天井等からの例えば跳ね出し部を介して流水路20をサポート、固定することで、吊り構造による空中的な設置も可能である。
また、活魚Fが輸送されるとき、外殻フレーム1を含めた支持部材10,11、流水路20等の全体は、輸送台2で設けられている横揺れ防止機構3上に支持されるようにしてある。このように横揺れ防止機構3上で支持されることで、養魚用水が充満されている流水路20更には支持部材10,11を外殻フレーム1と共に安定性よく、安全に輸送できるようにしている。尚、横揺れ防止機構3は、例えば曲線ガイド制御付き自然振り子式と、空気バネ圧制御式の傾斜矯正システムを組み合わせたものであり、例えば8度程度の傾斜があっても復元できるようにしてある。また、輸送時に限らず、固定式の据え付け時でも、免震ゴムその他の免震部材の介在によって、流水路20には振動が伝達されないように配慮する。
流水路20自体は、前述したように平面で例えばほぼ∞あるいは8字形状を呈したり、円周状を呈したりするエンドレス形状に構成される。すなわち、隣り合った並列状態で対状に配置されている円周路部を相互間でほぼ密閉状にして連続させるよう、円周部に沿っているそれぞれの円弧状(その多くはほぼ円周に近い形状となる)の周回部22と、この周回部22の端部位置である円周路部相互の間部位では上下に少なくとも周回部22の高さ間隔で段差が設定されており、一方の周回部22の端部は他方の周回部22の端部に上下方向で傾斜して接続されていて、円周路部相互の間で平面から見て互いに傾斜交差させた状態にある周回接続部23とを一体状に連続することで構成されている。この場合の周回部22は、ほぼ水平状に配置形成されたものとなっている。
あるいは、この流水路20は、ほぼ傾斜状で配置された円弧状の周回部22と、この周回部22の端部部位ではほぼ同一の高さ位置に設定されており、一方の周回部22の端部は他方の周回部22の端部にほぼ水平方向で接続されていて、平面から見て互いに水平交差させた状態にある周回接続部23とを一体状に連続することで構成することができる(図5乃至図7参照)。
また、流水路20内は外部とは密閉されており、内部に充満される養魚用水が所定の流速で循環されるときでも、内部には波が発生しないようにして、波、更にその振動等による共振に起因するような活魚Fの損傷、死滅等が生じないように配慮してある。これは、特に輸送機関(C)等によって輸送されるときの振動その他によって生じ得る造波現象を未然に阻止し、活魚Fのみならず、流水路20、支持部材10,11その他の損傷防止にも有効なものとする。
流水路20における周回部22の径は、これによって回遊する活魚F例えばマグロ、特にその稚魚が回遊するに支障がない程度の旋回径に比し小さくないことが望ましい。
そして、図1に示すように流水路20において、一対で並列配置される円周路部相互が流水路20の幅間隔で離間されている場合には、周回接続部23は隣り合う円周路部相互間を円滑に接続するように平面から見て円弧状に湾曲している。このタイプは、マグロであれば、孵化したばかりの2〜3mm程度の稚魚・幼魚、更には孵化から25日未満程度の稚魚・幼魚を輸送したり、生育したりする場合に好適である。また、図2に示すように3個以上で並列配置される円周路部である場合には、一方の端部に配置される端部側円周路部に沿う周回部22はほぼ円形状であり、中央部に配置される中央円周路部に沿っていて、端部側円周路部それぞれの周回部22に連続する周回部22は、ほぼ対称的な半円形状に形成され、他方の端部に配置される端部側円周路部の周回部22は、前記一方の端部側円周路部の周回部22とは湾曲方向が逆向きとされている。このタイプは、同様に大量の稚魚・幼魚を輸送したり、生育したりする場合に好適である。更には、図3に示すように一対で並列配置される円周路部相互が流水路20の幅間隔以上で離間されている場合には、周回接続部23は平面から見てほぼ直線状に形成されている。このタイプは、同様に孵化から25日目以降の稚魚(ヨコワ)の泳ぎが高速であるものの輸送、生育に好適である。これらの各タイプとも、マグロが生育している自然の生育環境に相応しい環境を人工的に構成し、輸送中でもその生育環境を実現している。
尚、いずれにしても周回部22はその全体がほぼ水平方向に沿って配置形成されている必要はなく、場合によっては並列する円周路部における周回部22相互間では周回接続部23を介しての、望ましくは緩やかな傾斜が形成されて連続した流水路20が形成されていても良い。また、支持部材10,11それぞれで支持されている流水路20全体ではほぼ一定高さ位置に配置されるようにされ、周回部22の少なくとも一部で、更には周回接続部23それぞれで下り傾斜、上り傾斜が設定されていて、一周することで元の高さ部位に戻るようになっている。
また、図示のように周回部22、周回接続部23を直接に連結したり、あるいは中間接続部24を介して間接に接続したりして組立、分離自在に連結することで流水路20を構成でき、これらの部材22,23,24の接続は、部材端に形成してあるフランジ部を介して所定の連結部材等によって水密状に連結するものとしてある。このとき、図示を省略したが、中間接続部24の形状・構造の選定等によって、流水路20中の一部に、流水路20の∞状の構成を維持しながら、例えば上下・左右方向に案内する形態、螺旋状に巻回する形態、直線・曲線的に案内する形態等を呈する流路を部分的に形成してもよい。また、こうした種々の流路形態を採用することで、基本的には無限の旋回方向が同一な円周の如きループ状、あるいは∞状を呈する流水路20を長大なものとすることも可能であり、こうすることで長短にかかわらず構成できるものとなる。しかも、このように各部材22,23,24の種々な組合せによる形態・組立・分離の自在性で設置場所の広狭、高低、不定形その他に対応させた最適な流水路20を構成できると共に、分解・移動・再組立設置を可能にさせて、可搬性を増大できるようにしてある。
尚、流水路20は、これの全体が同一大きさの同形状の断面形を呈する場合に限らず、部分的にでもその大きさに大小があったり、異形の断面形を呈したりするものであっても良い。
このような流水路20自体は、断面で例えばほぼ円形筒状を呈し、外部からの活魚Fの鑑賞、監視、観察等が可能なように、例えば直線部分はアクリル樹脂管、曲線部分は心材をPVC樹脂板とするFRP樹脂管等の強化プラスチック複合材、アクリル樹脂材、ガラス材等の透明素材によって、外部とは遮断された密閉状態のものとして、また内部に充満される養魚用水の水圧に十分に耐え得る強度性を備えたものとして形成されている。また流水路20内には、海水の如き養魚用水が充満されるから、この養魚用水の重量と共に少なくてもこれらを支持するに足りる堅牢性を前記の支持部材10,11は備えている。
また、特に曲線部分においては、その内側面にウレタン樹脂材、シリコン樹脂材等の柔軟性素材による緩衝層を形成しておくと良く、活魚F自身の接触、衝突等による損傷率、致死率等の低減を図るようにしてある。
この流水路20の内側面には流水路20内の養魚用水中にエアを供給する後述のエア供給機構50のエア噴出管21が配管されている。このエア噴出管21は、図4に示すようにエアを噴出させる噴出孔が開穿されていて、流水路20の内側面に流水路20の長さ方向に沿って所定数本にして、また流水路20の周方向で適当間隔毎に配管固定されており、回遊するマグロが当たることがあってもマグロ自体には傷を与えることがないように例えば円弧状外形を備えているように配慮してある。尚、このエア噴出管21自体は、流水路20の管壁自体内に形成されることもある。
図5乃至図7において、比較的に小型の、例えば所謂軽貨物自動車の荷台におけるコンテナである外殻フレーム1内に小型の流水路20を支持構成した場合を示している。この実施の形態において、底面に自在車及び伸縮式ストッパーが取り付けられている機枠フレーム15で囲繞された底盤16上にサポート材17によって平面で∞状を呈する流水路20を支持構成したものである。この実施の形態は、周回部22を傾斜状にし、上下で交差する周回接続部23を水平状にそれぞれ形成すると共に、周回部22と周回接続部23とをフランジ連結材25にて接続構成して成る。また、図示例の周回部22、周回接続部23それぞれは所定径、所定長さの直線状、円弧状のパイプ材を例えば連結筒等にて連結することで形成されている。
この流水路20にあっては、流水路20内の養魚用水を取水して濾過した後に所定速度で再度給水するようにした浄化機構40、エア供給機構50、飼料供給機構60等が配装されており、これらの機構40,50,60は制御機構70によって操作、制御されるようにしてある。
また、図8においては、大型の貨物自動車におけるコンテナである外殻フレーム1内に台部材11によって流水路20を支持構成した場合を示しており、端部にほぼ半円状の一つの周回部22をそれぞれ配置し、中央部に対称的な半円状の一対の周回部22を配置し、その間を周回接続部23にて接続すると共に、それぞれの周回部22をコア柱体10にて支持構成したものである。
図9、図10において示される実施の形態において、コンテナ内に収納配置できる大きさ、長さにして流水路20を形成してあり、この流水路20における円周路部内に、浄化機構40、エア供給機構50、飼料供給機構60等が配装されている。浄化機構40は、例えば流水路20の所定位置に設けた循環取水口41、この循環取水口41に接続された取水管に連結した濾過器43、濾過器43内に養魚用水を取り込み、吐出排水する循環ポンプ42、循環ポンプ42に連結された吐出管を流水路20の所定位置に設けた循環吐出口44に接続して成り、循環吐出口44においては、流水路20内における流水方向に沿うようにして濾過後の例えば海水成分等による養魚用水等が吐出されるものとして、水流を形成ないし増速させるようにしてある。尚、濾過器43には弁の開閉・切換等による逆洗浄3方弁46が設けられていて、濾過器43の洗浄が行われるようにしてあり、また例えば紫外線殺菌装置45も付設されている。
浄化機構40では、その濾過器43によって、活魚Fからの排出物で養魚用水中に蓄積されるアンモニア等を生物濾過、すなわちバクテリアを繁殖させてアンモニアを亜硝酸に変換させ、アンモニア・亜硝酸を更にバクテリアによって硝酸塩に変換させて活魚Fにとって無害なものとさせるようにしている。
循環吐出口44は、図4に示すように流水路20中に一定方向に沿う水流を形成するように、流水方向の前方に向けられて開口されており、流水路20壁に所定間隔毎に配設され、吐出管に設けた吐出調整バルブの調整設定で、活魚Fの種類、生育状況その他に対応した流速、流量等に変更できるようにしている。また、この循環吐出口44の配設位置は、アンモニア等の排出物が流路中で沈殿しやすい位置、活魚F等が互いに衝突しやすい場所に設定することで、成育中、搬送中その他での致死率の低減が図れるように配慮している。
エア供給機構50は、例えば前記エア噴出管21から所定量のエアを噴出供給するようにしてあり、このエア供給機構50による噴出エアの噴出圧で流水路20内の養魚用水中に酸素を供給し、所定の酸素濃度が得られるようにしてある。
飼料供給機構60は、例えば流水路20における最上位置に開閉自在に設けられた投入口61を備えて成り、生態管理口を兼用する。
更には、点検作業用ハッチ65、浮遊塵埃その他のゴミ等を捕捉・除去するための排水口66等が着脱自在、開閉自在に設けられている。
また、図例のように、流水路20を構成すべく並列配置されることで対となる円周路部の周回部22では、これの途中位置に介在されるように、平面から見て直線状の前記の中間接続部24を連結してあり、こうすることで流水路20自体の延長と、円周路部内側に配置する例えば浄化機構40、エア供給機構50、飼料供給機構60それぞれの各種機器の設置・点検等のための作業空間等の確保とを可能にする。
図11、図12において、平面で一部が円弧状を呈する周回部22となっている流水路20を、その周回部22の内方側からコア柱体10によって支持することで流水路20全体を固定保持している。すなわち流水路20を周回部22の内方側から支持することでコア柱体10自体の外周に流水路20を巻回させた状態でその荷重を支持すると共に、コア柱体10内に、流水路20中に所定のエンドレスな流水を発生形成させる水流発生機構30と、流水路20中の養魚用水を浄化する浄化機構40、養魚用水中に所定量のエアを供給するエア供給機構50、活魚等に対する餌等を投入する飼料供給機構60その他とを設けてある。
コア柱体10自体は、断面で所定径の円形状あるいは楕円形状等を呈する所定高さの柱状に形成されていて、外殻フレーム1内で少なくとも流水路の径・幅員を隔てて対状にして並列された1組として配置される。もとより、1組として並列配置されて、その1組毎でエンドレスな流水路を支持形成するにつき、それが並列して更に幾つかの周回状の流水路部分が一体状に接合する場合(例えば図2参照)、並列するコア柱体10それぞれが並列する組のそれぞれを兼用して構成することも含まれる。尚、このコア柱体10によって流水路20の荷重を支持するものとしても、適当な支持台11との併置によって支持を一層確実にできる。
流水路20中の海水の如き養魚用水に対し、一定方向の強制的な流れを発生させる水流発生機構30が少なくともいずれか一つのコア柱体10内に配装されている。この水流発生機構30は図12に示すように、流水路20における周回部22の内周面で流水路20に連通するようコア柱体10内に区画形成した水流発生室31と、この水流発生室31周囲に旋回流を生成するよう水流発生室31内に設けたスクリュー体32と、流水路20内周面部位で水流発生室31内とは通水可能にして区画する区画帯34とを備える。
水流発生室31は、流水路20内とはその養魚用水が共通して流通・対流されるようになっており、外周が流水路20内周とほぼ一致し、その部位に前記の区画帯34を設けてある。区画帯34自体は、養魚用水を流通させるも、活魚F、例えばマグロ、その稚魚であっても出入りは不可能なものとしてある。このようにして流水路20とは通水可能にして区画されている水流発生室31は、例えばドライエリア域として構成されるコア柱体10におけるその他の内部あるいは外部とは水密的に区画される。
スクリュー体32は、その回転で周囲に回転する旋回流を生成するよう、例えば円盤状本体の上面あるいは下面に湾曲した複数の羽根片を放射状に配した、ボルテックス羽根車としてあり、水流発生室31内あるいは水流発生室31外に設置したモータの如き駆動源33によって所定回転数で従動回転するものとしてある。また、このスクリュー体32による旋回流は水平面に沿うものとしてあり、生成された旋回流は流水路20における周回部22の内周面の通水部位である区画帯34全域を経て流水路20内に伝達される。尚、このボルテックス羽根車は、図12に示すように鉛直方向に沿って複数段にして配装することもでき、水流発生室31周囲に旋回流を生成し、流水路20内に一定方向の強制的な水流を生じさせる。
区画帯34は、水流発生室31の外周面と流水路20における周回部22の内周面との間に例えば円形状にして配置され、区画帯34自体は例えば合成樹脂材によるネット材にて形成され、その網目は活魚F、例えばマグロの稚魚の大きさに比し大きくはなく、生育する活魚Fが流水路20内から水流発生室31内に進入しないようにしている。また、この区画帯34は、旋回水流が水平面に沿ったものとして生成されることに対応して、区画部位で水平面に沿う方向で配置されている。
尚、スクリュー体32としての図示例はボルテックス羽根車としてあるも、これに限定されるものではなく、例えば水流の後方に向かうように区画帯34に沿って配列される複数の噴水口等を備えたものとしたり、回転する羽根車のものとしたり、区画帯34に沿って旋回するベルトスクリューのものとしたり等の適宜な変更が可能である。
また、この水流発生機構30は一つのコア柱体10に設けることで足りるも、場合によっては他のコア柱体10にも設けることができ、複数の水流発生機構30によって流水路20内に一定方向に向かう所定速度の水流を生成できる。
一方、浄化機構40、エア供給機構50、飼料供給機構60等は、一つのコア柱体10に水流発生機構30が設けられるとき、他のコア柱体10に配装されることが予定されるも、これに限定されるものではない。
浄化機構40は、例えば流水路20におけるコア柱体10周囲に沿う内周面に開口形成された循環取水口41と、同様に開口形成された循環吐出口44と、循環取水口41、循環吐出口44相互間で接続されている浄化管に配装されている濾過器43とを備えて成る。濾過器43は、コア柱体10内に配置されるも、コア柱体10外に配置されるも任意であり、養魚用水中から除去された各種の夾雑物その他は夾雑物タンク内に堆積され、機外に廃棄される。
エア供給機構50は、前記エア噴出管21に接続されるエアコンプレッサーの如きエア供給源51と、このエア供給源51に接続されて、エア噴出管21に増圧エアを供給するエア増圧機52と、流水路20内のエア圧を調整するように流水路20に設けられたエア調圧機53とを備える。もとより、このエア供給機構50によるエアの流水路20内への供給は、前記したエア噴出管21を経ることなく、流水路20内の適位置に強制的に噴出させることも可能であり、その供給形態は限定されるものではない。尚、エア調圧機53は、流水路20における例えば最上部位の高さ位置に配置され、流水路20内の過大なエア圧を放出させることで適正なエア圧を維持するようにしている。
飼料供給機構60は、生育させる活魚F、例えばマグロの生育に適する各種の飼料・餌等を給餌するもので、流水路20内に通じる給餌口を備えており、投入・供給された飼料等は流水路20内で生成されている水流によって流水路20内全域に散布されるようにしている。
また、更には流水路20内の養魚用水を一定水温あるいは一定範囲内の水温に維持する水温維持機構も設けられている。
図13、図14においては、例えば水族館施設、観光施設、レジャー施設その他において、据付設置される場合の一例を示しており、マグロを模した建屋内に、孵化した稚魚・幼魚等が回遊しており、これが生育されている様子を鑑賞・観覧させる稚魚生育区域71、また、主として成魚が回遊し、生育されている様子を鑑賞・観覧させる成魚生育区域72それぞれを区画構成する。稚魚生育区域71では、上記した支持部材10,11、流水路20、水流発生機構30、浄化機構40、エア供給機構50、飼料供給機構60等から成る稚魚生育システムを設置し、成魚生育区域72では、例えば大型の円柱形状の養魚槽75の中央部に、回転翼を備えた水流発生機76を区画ネット77にて区画させて配装し、養魚槽75内周面に沿って旋回流を生成し、これにマグロが向かって泳ぐようにする。尚、この養魚槽75においてもその生育環境を整えるように浄化、エア供給、給餌その他が行われるようにその諸機構が備えられているのは勿論である。また、図中符号78は、流水路20と養魚槽75とを連通させている連絡水路であり、例えば流水路20中で成魚化されたマグロを養魚槽75中に案内させる。
このように、生育段階で異なる状態のマグロを鑑賞可能にすることで、例えば本マグロ(黒マグロ)である場合に、直径が約1mmである卵の段階から31時間で孵化して全長が約2.8mmとなる稚魚段階を経て、約1年で50cmとなり、3年で約2.5mとなる成魚段階までの生育環境、その他を理解できるものとなり、またその生育によって自然環境の維持の重要性をも理解させ得る。
次にこれの使用の一例を説明するに、活魚Fとして例えば孵化した稚魚を輸送する際には、その輸送形態が陸上輸送の貨物自動車C、例えば軽タイプ、大型・中型・小型トレーラータイプのいずれの場合であるか、海上輸送であるときのいずれの場合のコンテナ仕様であるか、航空輸送であるときの貨物室のいずれの場合の貨物スペースであるか、その他によって外殻フレーム1の外形、大きさ等が設定され、それに対応するコア柱体10あるいは台部材11のいずれかにより流水路20を支持構成し、流水路20を構成して予め用意する。このときの流水路20は、稚魚・幼魚・成魚のいずれであるか、また輸送日数による生育予想の元で上記した各タイプのいずれかの流水路20が選択される。輸送に際し、横揺れ防止機構3を装備して輸送中における横揺れその他を防止して輸送台2上からの脱落、流水路20内での養魚用水等の振動その他が生じないように配慮する。
一方、据付設置する際には、同様に活魚Fが稚魚・幼魚・成魚のいずれであるかによって、タイプが異なる流水路20のいずれかの選択、その大きさ、支持部材10,11による支持構成、バランス更には他の養魚設備との連繋その他を考慮して適宜に設定し、構築すれば良い。
C…貨物自動車 F…活魚
1…外殻フレーム 2…輸送台
3…横揺れ防止機構
10…コア柱体 11…台部材
15…機枠フレーム 16…底盤
17…サポート材
20…流水路 21…エア噴出管
22…周回部 23…周回接続部
24…中間接続部 25…フランジ連結材
30…水流発生機構 31…水流発生室
32…スクリュー体 33…駆動源
34…区画帯
40…浄化機構 41…循環取水口
42…循環ポンプ 43…濾過器
44…循環吐出口 45…紫外線殺菌装置
46…逆洗浄3方弁
50…エア供給機構 51…エア供給源
52…エア増圧機
60…飼料供給機構 61…投入口
65…点検作業用ハッチ 66…排水口
70…制御機構
71…稚魚生育区域 72…成魚生育区域
75…養魚槽 76…水流発生機
77…区画ネット 78…連絡水路

Claims (15)

  1. 連続しているエンドレス状の密閉された流水路を形成し、この流水路中に生成した一方向にのみ流れる水流中で活魚を生育しながら輸送することを特徴とした活魚類の輸送方法。
  2. 交互に左右の旋回方向を変更しながら連続しているエンドレス状の密閉された流水路を形成し、この流水路中に生成した一方向にのみ流れる水流中で活魚を生育しながら輸送することを特徴とした活魚類の輸送方法。
  3. 流水路は、設置面に配設した支持部材によって支持されている請求項1または2に記載の活魚類の輸送方法。
  4. 支持部材は、外周が円弧状になっている柱状のコア柱体であり、立脚されている複数のコア柱体それぞれの周囲を半ば巻回するように、相互に並列するコア柱体で交互に左右の旋回方向を変更しながら連続しているエンドレス状に形成した密閉された流水路中に、一方向にのみ流れる水流を生成し、この水流中で活魚を生育しながら輸送することを特徴とした活魚類の輸送方法。
  5. 輸送機関による輸送スペースに対応して形成された外殻フレームと、この外殻フレーム内で配設される支持部材と、この支持部材によって支持されることで、交互に左右の旋回方向を変更しながらエンドレス状に連続形成され、一定方向の水流が内部に生成されている密閉された流水路とを備えて成ることを特徴とする活魚類の輸送装置。
  6. 流水路は、ほぼ水平状で配置された円弧状の周回部と、この周回部の端部部位では上下に少なくとも周回部の高さ間隔で段差が設定されており、一方の周回部の端部は他方の周回部の端部に上下方向で傾斜して接続されていて、平面から見て互いに傾斜交差させた状態にある周回接続部とを一体状に連続することで構成されている請求項5に記載の活魚類の輸送装置。
  7. 流水路は、ほぼ傾斜状で配置された円弧状の周回部と、この周回部の端部部位ではほぼ同一の高さ位置に設定されており、一方の周回部の端部は他方の周回部の端部にほぼ水平方向で接続されていて、平面から見て互いに水平交差させた状態にある周回接続部とを一体状に連続することで構成されている請求項5に記載の活魚類の輸送装置。
  8. 周回部と周回接続部とは、直接にあるいは中間接続部を介して組立、分離自在に連結してある請求項6または7に記載の活魚類の輸送装置。
  9. 流水路には、流水路に設けた取水口から流水を取り込み、同じく流水路に設けた吐出口から流水路中に一定方向の水流を生じさせて流水を吐出する循環ポンプを備えた水流発生機構を設けてある請求項5乃至8のいずれかに記載の活魚類の輸送装置。
  10. 支持部材は、外周が円弧状になっている柱状のコア柱体であり、流水路は、並列して対状に配置されているコア柱体それぞれの外周に沿っているそれぞれの円弧状の周回部と、この周回部の端部部位では上下に少なくとも周回部の高さ間隔で段差が設定されており、一方の周回部の端部は他方の周回部の端部に上下方向で傾斜して接続されていて、コア柱体相互の間で平面から見て互いに交差させた状態にある周回接続部とを一体状に連続することで構成されている請求項5または6に記載の活魚類の輸送装置。
  11. 流水路内に一定方向の水流を生成する水流発生機構が少なくてもいずれか一つのコア柱体内に配装されており、この水流発生機構は、流水路における周回部の内周面で流水路に連通するようコア柱体内に区画形成した水流発生室と、この水流発生室周囲に旋回流を生成するよう水流発生室内に設けたスクリュー体と、流水路内周面部位で水流発生室内とは通水可能にして区画する区画帯とを備えて成る請求項10に記載の活魚類の輸送装置。
  12. エンドレス状に連続形成されて、一定方向の水流が内部に生成されている密閉された流水路を備えて成ることを特徴とする活魚類の養魚システム。
  13. 交互に左右の旋回方向を変更しながら配される円弧状の周回部と、この旋回方向が異なる周回部を相互に接続している周回接続部とによって、交互に左右の旋回方向を変更しながらエンドレス状に連続形成されて、一定方向の水流が内部に生成されている密閉された流水路を備えて成ることを特徴とする活魚類の養魚システム。
  14. 流水路は、流水路に設けた取水口から流水を取り込み、同じく流水路に設けた吐出口から流水路中に一定方向の水流を生じさせて流水を吐出する水流発生機構が設けられている請求項12または13に記載の活魚類の養魚システム。
  15. 外周が円弧状になっている柱状のコア柱体を並列配置しておき、並列して対状に配置されているコア柱体それぞれの外周に沿っているそれぞれの円弧状の周回部と、この周回部の端部部位では上下に少なくとも周回部の高さ間隔で段差が設定されており、一方の周回部の端部は他方の周回部の端部に上下方向で傾斜して接続されていて、コア柱体相互の間で平面から見て互いに交差させた状態にある周回接続部とを一体状に連続することで構成されている請求項12乃至14のいずれかに記載の活魚類の養魚システム。
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