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JP2011060467A - リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法 Download PDF

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JP2011060467A JP2009206363A JP2009206363A JP2011060467A JP 2011060467 A JP2011060467 A JP 2011060467A JP 2009206363 A JP2009206363 A JP 2009206363A JP 2009206363 A JP2009206363 A JP 2009206363A JP 2011060467 A JP2011060467 A JP 2011060467A
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純一 安丸
Naoki Matoba
直樹 的場
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浩次郎 天能
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Abstract

【課題】出力特性、サイクル特性および初期効率に優れたリチウムイオン二次電池に好適なリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法は、炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子とを混合し、熱処理する熱処理工程;得られた熱処理物を粉砕して平均粒子径10μm未満の粒子を得る粉砕工程;得られた平均粒子径10μm未満の粒子とポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理する被覆工程;を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、高容量、小型軽量といった特徴を有することから、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラなどの用途に多く用いられている。また、高出力を要する電動工具には、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池が従来から主に用いられてきたが、電動工具にも高出力に対応したリチウムイオン二次電池の普及が進んでいる。さらに、リチウムイオン二次電池は、高出力かつ優れたサイクル特性が要求されるハイブリッド電気自動車(HEV)への適用も検討されている。
出力特性やサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池に関する技術としては、例えば、特許文献1には、黒鉛部分と非晶質炭素部分とを複合してなる黒鉛−非晶質炭素複合材料の製造法であり、前記非晶質炭素部分の前駆体の重合が脱水素酸触媒存在下で行われることを特徴とする黒鉛−非晶質炭素複合材料の製造法が開示されている。しかし、特許文献1では、1〜9サイクル目のサイクル特性については評価されているが、高レートでの出力特性が評価されておらず、出力特性が向上しているか明確でなく、また初回充放電効率(初期効率)は、高いものでも86%程度であり、優れているとはいえない(特許文献1、表1、図1参照)。
特許文献2には、炭素前駆体を焼成して得られる炭素質粉末からなるリチウム二次電池用負極活物質であって、該炭素質粉末は、結晶面の間隔d(002)が3.45〜3.55Å、BET法による窒素の吸着における全細孔容積が0.02cm3/g以下で、かつ孔径5Å以下の細孔容積が1×10-5〜4×10-4cm3/gであることを特徴とする負極活物質が開示されている。特許文献2では、石油または石炭系タール乃至はピッチを焼成したものを負極材として用いることにより高出力化を図っているが、サイクル特性については評価されておらず、放電効率(初期効率)は高いものでも86%程度であり、優れているとはいえない(特許文献2、段落0013、表2参照)。
特許文献3には、窒素吸着等温線からBET法により求められる全比表面積が10〜40m2/gで、かつBJH法により求められるメソポア領域の比表面積が10〜40m2/gであり、さらに前記全比表面積に対する前記メソポア領域の比表面積の比が0.7以上である炭素材料が開示されている。特許文献4には、電子顕微鏡により測定した算術平均一次粒子径dnが150〜1000nm、揮発分Vmが5.0%以下、ディスクセントリフュージ装置(DCF)により測定したストークスモード径Dstとその半値幅ΔDstの比ΔDst/Dstが0.40〜1.10、X線回折法により測定した結晶子格子面間隔(d002)が0.370nm以下、の炭素微小球からなることを特徴とするリチウム二次電池用負極材が開示されている。
特許文献5には、黒鉛粒子(1)100重量部とポリスチレン粒子(2)0.5〜50重量部とを物理的に混合すること、不活性ガス雰囲気中、この混合物を前記ポリスチレン粒子(2)の熱分解温度以上の温度で熱処理すること、この熱処理により、前記ポリスチレン粒子(2)の熱分解成分を気相で拡散させて前記黒鉛粒子(1)の表面に該熱分解成分による被膜層を形成させると共に該被膜層が炭化して被覆層となった複合粒子を得ること、を特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料の製造法が開示されている。
特開2005−200276号公報 特開2007−311322号公報 特開2007−91557号公報 特開2007−305446号公報 特許第4195179号公報
上記のように、出力特性やサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池に関する技術が、種々開発されているが、さらなる向上が求められている。また、出力特性やサイクル特性の向上に加えて、初期特性を向上させることについても検討の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、出力特性、サイクル特性および初期効率に優れたリチウムイオン二次電池に好適なリチウムイオン二次電池用負極材料、並びに、該リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法は、炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子とを混合し、熱処理する熱処理工程;得られた熱処理物を粉砕して平均粒子径10μm未満の粒子を得る粉砕工程;得られた平均粒子径10μm未満の粒子とポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理する被覆工程;を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法により得られるリチウムイオン二次電池用負極材料は、炭素質物質と第1黒鉛粒子から構成される複合黒鉛粒子が、適度な硬さを有し電極材をプレスする際に配向しにくいため、粒子間の通液性が維持される。また、黒鉛粒子はその結晶構造による制約から、エッジ部分でのみリチウムイオンの授受が行われるが、本発明の製造方法では、粒子表面にポリエチレンおよび/またはポリスチレンの熱分解性成分に由来する低結晶性炭素が形成されるため、この低結晶性炭素部分からもリチウムイオンとの反応が進行する。また、粒子表面がポリエチレンおよび/またはポリスチレンの熱分解性成分に由来する低結晶性炭素で被覆されているため、電解液との反応性が小さい。これらの結果、本発明の製造方法により得られるリチウムイオン二次電池用負極材料を導電材として用いることにより、出力特性、サイクル特性および初期効率に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。
前記製造方法は、前記炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子に加えて、さらに前記第1黒鉛粒子よりも平均粒子径の小さい微粒子炭素質物質を混合し、熱処理し、粉砕して平均粒子径10μm未満の粒子を得ることが好ましい。
また、前記製造方法は、前記平均粒子径10μm未満の粒子と、該粒子よりも平均粒子径が大きい第2黒鉛粒子とを混合した後、得られた混合物とポリエチレンおよび/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理することが好ましい。
本発明には、前記製造方法により得られたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料、前記リチウムイオン二次電池用負極材料を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極および、該リチウムイオン二次電池用負極を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池も含まれる。
本発明によれば、出力特性、サイクル特性および初期効率に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法は、炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子とを混合し、熱処理する熱処理工程;得られた熱処理物を粉砕して平均粒子径10μm未満の粒子を得る粉砕工程;得られた平均粒子径10μm未満の粒子とポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理する被覆工程;を含むことを特徴とする。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料(以下、単に「負極材料」と称することがある。)の製造方法について、詳細に説明する。前記熱処理工程では、炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子とを混合し、熱処理することにより、炭素質物質と第1黒鉛粒子とを含有する熱処理物を得る。本工程により得られた熱処理物は、炭素質物質を介して、第1黒鉛粒子同士が固着された複合物となっている。
前記炭素質物質前駆体(炭化水素基含有化合物)としては、例えば、コールタールピッチ、石油系ピッチ、合成ピッチなどのピッチ;石油系油(石油系重質油の接触分解油、熱分解油、常圧残油、減圧残油など)および石炭系油などの重質油;ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレンなどの縮合多環芳香族を熱処理して得られるタール;塩化ビニール、塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、芳香族ポリアミド、フルフリルアルコール樹脂、イミド樹脂などの樹脂;などが挙げられる。これらの炭素質物質前駆体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもピッチが好ましく、コールタールピッチがより好適である。
前記第1黒鉛粒子は、天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子のいずれでも良い。なお、本発明において、単に「粒子」という場合にはその形状は特に限定されず、球状、不定形状、鱗片状などを含むものとする。前記天然黒鉛粒子としては、例えば、鱗状黒鉛粒子、鱗片状黒鉛粒子、土状黒鉛粒子が挙げられる。これらの天然黒鉛粒子は、85質量%〜99質量%の純度を有する黒鉛を使用することが好ましく、公知の方法で黒鉛純度を99質量%以上に高めたものを使用することがより好適である。前記人造黒鉛としては、例えば、コールタールピッチ、石油系ピッチ、アスファルト分解ピッチ、合成ピッチなどのピッチ;ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレンなどの縮合多環芳香族を熱処理して得られるタール;石油系油及び石炭系油等の重質油;塩化ビニール、塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、芳香族ポリアミド、フルフリルアルコール樹脂、イミド樹脂等の樹脂;等を黒鉛化するまで高温熱処理して製造した黒鉛粒子を挙げることができる。これらの黒鉛粒子は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも本発明において、第1黒鉛粒子としては、天然黒鉛粒子が好ましく、鱗片状黒鉛粒子がより好ましい。
前記第1黒鉛粒子のBET比表面積は5m2/g以上が好ましく、より好ましくは7m2/g以上、さらに好ましくは10m2/g以上であり、50m2/g以下が好ましく、より好ましくは30m2/g以下、さらに好ましくは20m2/g以下である。BTE比表面積が5m2/g以上であれば、反応面積が大きくなり急速充放電特性がより良好となり、50m2/g以下であれば、最終的に得られる負極材料の比表面積が大きくなり過ぎず、電解液の分解反応を抑制できる。
前記第1黒鉛粒子の平均粒子径は1μm以上が好ましく、より好ましくは2μm以上、さらに好ましくは4μm以上であり、50μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。前記第1黒鉛粒子の平均粒子径が1μm以上であれば、比表面積が大きくなり過ぎず、電解液の分解反応を抑制でき、50μm以下であれば、相対的に比表面積が大きくなるため、反応面積が大きくなり急速充放電特性がより良好となる。ここで、本願において平均粒子径とは、特に記載がない限り、水に分散させた試料を、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所製の「SALD(登録商標)−2000」)により測定して、求められる体積基準メディアン径である。
前記炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子とを混合する方法は、特に限定されず、材料の融点や軟化点によるが、例えば、第1黒鉛粒子および炭素質物質前駆体がいずれも固体の状態で機械的に混合する方法;炭素質物質前駆体が液体の状態で機械的に混合する方法;炭素質物質前駆体を溶媒(例えば、N−メチルピロリドン)に溶解させた後、これらを混合する方法などの従来用いられる方法を採用すればよい。また混合する際の温度は、使用する原料の融点や軟化点以上、硬化温度や揮発温度以下など、使用する原料に応じて適宜決定すればよい。
炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子との混合比は、第1黒鉛粒子100質量部に対して、炭素質物質前駆体を5質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、100質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。第1黒鉛粒子100質量部に対して炭素質物質前駆体が5質量部以上であれば、炭素質物質による黒鉛の造粒効果がより良好となり、100質量部以下であれば、得られる熱処理物において、相対的に黒鉛の含有量が多くなり、放電容量がより良好となる。
また、本発明においては、前記炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子に加えて、さらに前記第1黒鉛粒子よりも高比表面積を有する小粒径な炭素物質(以下、「微粒子炭素質物質」と称する場合がある。)を用いる態様も好ましい。このような微粒子炭素質物質を前記炭素質物質前駆体に分散させておくことにより、得られる負極材の粒子内の導電性を向上させることができ、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性をより向上させることができる。
前記微粒子炭素質物質は、前記第1黒鉛粒子よりも小粒径のものであれば特に限定されない。前記微粒子炭素質物質としては、例えば、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、黒鉛化カーボンブラックなどが挙げられ、これらの中でもカーボンブラックが好適である。これらの微粒子炭素質物質は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記微粒子炭素質物質のBET比表面積は10m2/g以上が好ましく、より好ましくは20m2/g以上、さらに好ましくは30m2/g以上であり、1000m2/g以下が好ましく、より好ましくは500m2/g以下、さらに好ましくは200m2/g以下である。微粒子炭素質物質のBTE比表面積が10m2/g以上であれば、第1黒鉛粒子との接点が増加し、導電性改善効果がより良好となり、1000m2/g以下であれば、電解液の分解反応を抑制できる。
前記微粒子炭素質物質の平均粒子径と前記第1黒鉛粒子の平均粒子径との比(微粒子炭素質物質/第1黒鉛粒子)は0.005以上が好ましく、より好ましくは0.01以上であり、0.2以下が好ましく、より好ましくは0.1以下である。前記平均粒子径の比が上記範囲内あれば、微粒子炭素質物質による導電性改善効果がより良好となる。
前記微粒子炭素質物質を用いる場合には、微粒子炭素質物質と第1黒鉛粒子との混合比は、第1黒鉛粒子100質量部に対して、微粒子炭素質物質を0.1質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、30質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。第1黒鉛粒子100質量部に対して微粒子炭素質物質が0.1質量部以上であれば、微粒子炭素質物質による導電性改善効果がより良好となり、30質量部以下であれば、第1黒鉛粒子の配合比率が充分に高く、得られるリチウムイオン二次電池の放電容量がより良好となる。なお、微粒子炭素質物質を用いる場合の混合方法も特に限定されず、例えば、前記炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子との混合方法として例示した方法を採用すればよい。
前記炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子との混合物を熱処理する条件は、次の通りである。熱処理温度は、500℃以上が好ましく、より好ましくは600℃以上、さらに好ましくは700℃以上であり、1600℃以下が好ましく、より好ましくは1500℃以下である。また、熱処理時間は0.1時間以上が好ましく、より好ましくは0.5時間以上であり、5時間以下が好ましく、より好ましくは3時間以下である。熱処理条件を上記範囲内とすることにより、炭素質物質前駆体を非晶質炭素に変化させることができる。なお、熱処理時の雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気が好ましい。
次に、粉砕工程について説明する。前記粉砕工程では、前記熱処理工程で得られた熱処理物を粉砕して、平均粒子径10μm未満の粒子(以下、「複合黒鉛粒子」と称することがある。)を得る。
熱処理物を粉砕する方法は、特に限定されるものでなく、ジェットミル、ディスクミル、ボールミル、ビーズミルなどを用いて行えばよい。熱処理物を粉砕して得られる複合黒鉛粒子の平均粒子径は10μm未満が好ましい。該粒子の平均粒子径を10μm未満とすることにより、リチウムイオンとの反応面積が増大して、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性が向上する。なお、該複合黒鉛粒子の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、3μmが好ましい。
このようにして得られた複合黒鉛粒子をリチウムイオン二次電池用負極材料に用いる、特に導電材として用いることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が向上する。すなわち、導電材として、鱗片状黒鉛粒子をそのまま用いた場合には、黒鉛粒子間の接点が増加し導電性が向上するが、鱗片状黒鉛は、圧縮によって配向しやすいため、電解液の通液性が低下する。これに対して、複合黒鉛粒子は、平均粒子径が10μm未満と小さいため、黒鉛粒子間の接点を十分に増加させることができる。さらに、複合黒鉛粒子は、第1黒鉛粒子が炭素物質前駆体により被覆、凝集化された構造をとり、十分に硬度が高められているため、圧縮によっても配向しにくく、電解液の通液性が良好となる。
次に、被覆工程について説明する。前記被覆工程では、前記粉砕工程で得られた平均粒子径10μm未満の粒子(複合黒鉛粒子)と、ポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理する。本工程を経ることにより、複合黒鉛粒子表面は、ポリエチレンおよび/またはポリスチレンの熱分解成分(例えば、ポリスチレンでは、トルエン、スチレン、スチレン2量体、スチレン3量体など)に由来する低結晶性炭素によって被覆される。このように粒子表面が安定な低結晶性炭素に被覆されることにより、粒子表面が不活性化され電解液の分解が抑制されるため、得られるリチウムイオン二次電池の初期効率が向上する。また、黒鉛粒子は、通常その結晶構造による制約からエッジ部分でのみリチウムイオンの授受が行われるが、基底面上に被覆した低結晶性炭素部分からもリチウムイオンとの反応が進行するようになるため、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性が向上する。
なお、ポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子の代わりに、熱分解に際して気相拡散しにくい樹脂(例えば、フェノール樹脂)を使用すると、気相拡散しにくいため、複合黒鉛粒子表面を十分に被覆することができない。また、気相拡散せずに残留した炭化物により複合黒鉛粒子同士が固着したり、炭化物の塊ができたりするため、本発明の効果が得られない。また、例えばスチレン(モノマー)を用いた場合、熱分解成分はトルエンまたはスチレンであり、複合黒鉛粒子表面を低結晶性炭素により被覆し難く、複合黒鉛粒子表面の不活性化や、リチウムイオンとの反応面積増大が十分でなく、本発明の効果が得られない。
前記ポリエチレン粒子としては、ポリエチレンから構成される粒子であれば、特に限定されない。前記ポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子の平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは50μm以上であり、20mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。ポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子の平均粒子径が上記範囲内であれば、複合黒鉛粒子との混合効率がより向上する。
前記複合黒鉛粒子と、ポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子との混合方法は特に限定されないが、ポリエチレン粒子およびポリスチレン粒子の融点以下の温度で、機械的に混合することが好ましい。
前記複合黒鉛粒子とポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子との混合比は、複合黒鉛粒子100質量部に対して、ポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子を0.1質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、100質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である。複合黒鉛粒子100質量部に対してポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子が0.1質量部以上であれば、複合黒鉛粒子表面がポリエチレンおよび/またはポリスチレンの熱分解成分に由来する低結晶性炭素によって十分に被覆され、電解液の分解がより抑制される。また、複合黒鉛粒子100質量部に対してポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子が100質量部以下であれば、相対的に黒鉛粒子の割合が小さくなりすぎず、電池容量の低下をより抑制することができる。
前記複合黒鉛粒子とポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子との混合物を熱処理する条件は、次の通りである。熱処理温度は、500℃以上が好ましく、より好ましくは600℃以上、さらに好ましくは800℃以上であり、2800℃以下が好ましく、より好ましくは2000℃以下、さらに好ましくは1300℃以下である。また、熱処理時間は0.01時間以上が好ましく、より好ましくは0.1時間以上、さらに好ましくは0.5時間以上であり、5時間以下が好ましく、より好ましくは4時間以下、さらに好ましくは2時間以下である。熱処理条件を上記範囲内とすることにより、ポリエチレンおよび/またはポリスチレンの分解成分を低結晶性炭素に変化させることができ。なお、熱処理時の雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気が好ましい。
また、本発明においては、前記平均粒子径10μm未満の粒子(複合黒鉛粒子)と、該粒子よりも平均粒子径が大きい第2黒鉛粒子とを混合した後、得られた混合物とポリエチレンおよび/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理する態様も好ましい。前記複合黒鉛粒子よりも平均粒子径の大きい第2黒鉛粒子を混合することにより、リチウムイオン二次電池用負極を作製した際に、第2黒鉛粒子間に複合黒鉛粒子が介在するような構成となり電極密度がより向上する。また、この際、複合黒鉛粒子が導電材として作用して黒鉛粒子間の接点が増加し、さらに複合黒鉛粒子がプレスにより配向しにくいので通液性も維持されため、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性、サイクル特性がより向上する。
前記第2黒鉛粒子は、前記複合黒鉛粒子よりも平均粒子径が大きいものであれば、特に限定されず、前記第1黒鉛粒子に用いることができるものとして例示した天然黒鉛粒子および人造黒鉛粒子のいずれでも良く、これらを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、負極材への通液性をより向上できることから、前記第2黒鉛粒子としては、球形粒子が好ましく、天然黒鉛が球形化されている粒子、例えば、鱗片状天然黒鉛粒子を球形化した球形化黒鉛粒子がより好適である。なお、球形化天然黒鉛粒子は、本発明者らが先に提案した方法(特開平11−263612号)やこれに類似する方法で製造できる。
前記第2黒鉛粒子の平均粒子径は4μm以上が好ましく、より好ましくは6μm以上、さらに好ましくは8μm以上であり、50μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。第2黒鉛粒子の平均粒子径が4μm以上であれば、第2黒鉛粒子間に複合黒鉛粒子が介在し易くなり、また、50μm以下であれば、リチウムイオン二次電池用負極において、厚み60μm程度の負極材層を形成し易くなる。
前記第2黒鉛粒子を用いる場合、前記複合黒鉛粒子と第2黒鉛粒子の質量比(複合黒鉛粒子/第2黒鉛粒子)は40〜5/60〜95が好ましく、より好ましくは30〜10/70〜90である。また、前記複合黒鉛粒子と第2黒鉛粒子との合計100質量部に対して、ポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子を1質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは5質量部以上であり、30質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは15質量部以下である。なお、第2黒鉛粒子を用いる場合の混合方法も特に限定されないが、ポリエチレン粒子およびポリスチレン粒子の融点以下の温度で、機械的に混合することが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料は、上記製造方法により得られることを特徴とする。本発明の負極材料を用いることにより、出力特性、サイクル特性および初期効率に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、前記本発明の負極材料を用いることを特徴とする。前記リチウムイオン二次電池用負極は、公知の方法により製造できる。例えば、集電板の表面に、本発明の負極材料とバインダーを分散させたスラリーを塗布し、次に乾燥することにより製造できる。集電板としては、一般的に銅箔が使用される。また、バインダーは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素系高分子化合物;カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどが使用される。これらのバインダーは、通常、溶剤に溶解して使用される。
本発明のリチウムイオン二次電池は前記本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いたことを特徴とする。前記リチウムイオン二次電池は、負極の他、正極、電解液およびセパレータを主要構成としており、負極に前記本発明のリチウムイオン二次電池用負極を使用している。前記正極材料としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiNi1-yCo2、LiMnO2、LiMn24、LiFeO2などが挙げられる。また、正極のバインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)などを採用できる。また、導電材として、カーボンブラックなどを混合しても良い。電解液としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)などの有機溶媒や、該有機溶媒とジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメタン、エトキシメトキシエタンなどの低沸点溶媒との混合溶媒に、LiPF6やLiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiAsF6などの電解液溶質(電解質塩)を溶解した溶液が用いられる。セパレータとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム等が用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[評価方法]
1.初期効率
電池の充電を、0.2Cの定電流値で電圧が0.07Vになるまで行い、続けて、0.07Vの定電圧で電流値が0.07mAになるまで行い、充電容量を測定した。次に、電池の放電を0.2Cの定電流値で電圧が1.5Vになるまで行い、放電容量を測定した。なお、電池の充放電は、25℃で行った。電池の初期効率を、一回目の充電容量と一回目の放電容量から下記式(1)により算出した。
Figure 2011060467
2.サイクル特性
電池の充電を、1Cの定電流で4.2Vまで行った後、続けて、4.2Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。次に、電池の放電を、1Cの定流値で電圧が3.0Vになるまで行い、放電容量を測定した。この充放電サイクルを50回繰り返した。なお、電池の充放電は、25℃で行った。電池のサイクル特性を1サイクル目の放電容量と50サイクル目の放電容量から下記式(2)により算出した。
Figure 2011060467
3.出力特性
電池のSOC(state of charge)を50%に調節した後、1Cの定電流値で放電し10秒目の電圧を測定した。同様にして、順次3C、5Cの定電流値で放電し10秒目の電圧を測定した。なお、電池の充放電は、−20℃で行った。得られた値から電流電圧特性直線を作成し、1.0Vに外挿した場合の電流値を算出し出力特性(mA)とした。
リチウムイオン二次電池用負極材料の作製
製造例1
平均粒子径20μmの鱗片状天然黒鉛をカウンタージェットミル(「ホソカワミクロン社製、型式「100AFG」)を用いて、試料量200g、ノズル吐出空気圧0.20MPa、操作時間20分の条件で球形化し、平均粒子径12μmの球形化黒鉛粒子を得た。
第1黒鉛粒子としての鱗片状黒鉛(平均粒子径6μm、比表面積15m2/g)210g、炭素質物質前駆体としてのコールタールピッチ(Volatile Matter40質量%)90gおよび溶媒としてのNMP(N−メチルピロリドン)(キシダ化学社製、一級試薬)200gを撹拌、混合した。得られた混合物を窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理し、更に窒素雰囲気下、1100℃で2時間熱処理して塊状の複合黒鉛を得た。得られた塊状複合黒鉛を、ジェットミルを用いて粉砕し粒径を調整して、平均粒子径6μmの複合黒鉛粒子1を得た。
第2黒鉛粒子としての前記球形化黒鉛粒子、複合黒鉛粒子1およびポリスチレン粒子(キシダ化学社製、粒子径3mm)を、質量比で73:18:9の割合で混合し、窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理することによりリチウムイオン二次電池用負極材料Aを得た。
製造例2
第1黒鉛粒子としての鱗片状黒鉛(平均粒子径6μm、比表面積15m2/g)197g、微粒子炭素質物質としてのカーボンブラック(三菱化学社製、HP252、平均粒子径0.4μm)13.2g、炭素質物質前駆体としてのコールタールピッチ(Volatile Matter40質量%)90gおよび溶媒としてのNMP(N−メチルピロリドン)(キシダ化学社製、一級試薬)200gを撹拌、混合した。得られた混合物を窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理し、更に窒素雰囲気下、1100℃で2時間熱処理して塊状の複合黒鉛を得た。得られた塊状複合黒鉛を、ジェットミルを用いて粉砕し粒径を調整して、平均粒子径6μmの複合黒鉛粒子2を得た。
第2黒鉛粒子として製造例1で得た球形化黒鉛粒子、上記複合黒鉛粒子2およびポリスチレン粒子(キシダ化学社製、粒子径3mm)を、質量比で73:18:9の割合で混合し、窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理することによりリチウムイオン二次電池用負極材料Bを得た。
製造例3
製造例1で得た球形化黒鉛粒子100gとポリスチレン粒子(キシダ化学社製、粒子径3mm)10gとを混合し、窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理することにより、改質粒子を得た。
得られた改質粒子と製造例1で得た複合黒鉛粒子1とを、質量比で80:20の割合で混合することによりリチウムイオン二次電池用負極材料Cを得た。
製造例4
製造例3で得た改質粒子を、そのままリチウムイオン二次電池用負極材料Dとして用いた。
リチウムイオン二次電池用負極の作製
リチウムイオン二次電池用負極材料A〜Dを用いて、リチウムイオン二次電池用負極A〜Dを次のようにして作製した。まず、リチウムイオン二次電池用負極材料100質量部、CMC(カルボキシメチルセルロース)水溶液(濃度2.0質量%)50質量部、SBR(スチレンブタジエンゴム)分散液(SBR含有率;5.0質量%、分散媒;水)20質量部、純水30質量部を、撹拌機を用いて撹拌し電極材スラリーを得た。
得られた電極材スラリーを銅箔(厚み;18μm)上に塗布した後、100℃に設定した乾燥機で10分間乾燥した。乾燥後、電極材膜が形成された銅箔を、直径1.6cmの円形に打ち抜いた後、この直径1.6cm銅箔の電極材付着量を測定すると9mgであった。電極材膜が形成された銅箔をローラープレス機でプレスして、銅箔上に形成された電極材膜の密度を1.30g/cm3に調整し、リチウムイオン二次電池用負極A〜Dを作製した。
リチウムイオン二次電池の作製
リチウムイオン二次電池用の正極としては、初期効率、出力特性を算出するためのリチウムイオン二次電池用にはリチウム箔を用い、サイクル特性を算出するためのリチウムイオン二次電池用にはLiCoO2を活物質とする電極を用いた。LiCoO2を活物質とする電極は、次のようにして作製した。LiCoO290質量部に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量部、導電材としてカーボンブラック5質量部を混合し、これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)200質量部を加えて電極材スラリーを作製した。得られた電極材スラリーをアルミニウム箔(厚み;30μm)上に塗布し、100℃に設定した乾燥機で20分間乾燥した。乾燥後、電極材膜が形成されたアルミニウム箔を直径1.6cmの円形に打ち抜いた後、この直径1.6cmのアルミニウム箔の電極材塗布量を測定すると45mgであった。電極材膜が形成されたアルミニウム箔をローラープレス機でプレスして、アルミニウム箔上に形成された電極材膜の密度を2.8g/cm3に調整し、リチウムイオン二次電池用正極を作製した。
上記正極と前記リチウムイオン電池用負極A〜Dとを、セパレータ(Celgard社製、「セルガード(登録商標) #3501」)を介して対向させて、ステンレス鋼製セルに組み込み、リチウムイオン二次電池(コイン型)を作製した。電池の組み立てはアルゴンガス雰囲気下で行い、電解液としては、1M LiPF/(EC+DMC)(三菱化学社製、「ソルライト(登録商標)」)0.05mlを用いた。ここで、1MLiPF/(EC+DMC)とは、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)を容積比1:1で混合した溶媒に、LiPFを1Mの濃度になるように溶解したものである。得られたリチウムイオン二次電池についての評価結果を表1に示した。
Figure 2011060467
リチウムイオン二次電池用負極材料AおよびBは、複合黒鉛粒子と第2黒鉛粒子の混合物をポリスチレン粒子と混合して熱処理して得られたもの、すなわち、表面が熱分解成分により被覆された第2黒鉛粒子に、導電材として表面が熱分解成分により被覆された複合黒鉛粒子が配合された負極材料である。これらの負極材料AおよびBを用いたリチウムイオン二次電池AおよびBは、初期効率、サイクル特性および出力特性が全て優れている。また、これらの電池AおよびBの結果から、複合黒鉛粒子に微粒子炭素質物質を含有させることにより、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性がさらに向上することがわかる。
リチウムイオン二次電池用負極材料Cは、複合黒鉛粒子がポリスチレン粒子の熱分解成分で被覆されていない場合、すなわち、表面が熱分解成分により被覆された第2黒鉛粒子に、導電材として表面が熱分解成分により被覆されていない複合黒鉛粒子が配合された負極材料である。この負極材料Cを用いたリチウムイオン二次電池Cは、初期効率、サイクル特性および出力特性がいずれも劣っており、初期効率が特に劣っていた。これは、複合黒鉛粒子が熱分解成分で被覆されておらず、粒子表面での電解液の分解が抑制されないためリチウムイオン二次電池の初期効率が低下したと考えられる。
リチウムイオン二次電池用負極材料Dは、導電材としての複合黒鉛粒子を配合していない負極材料である。この負極材料Dを用いたリチウムイオン二次電池Dは、初期効率は優れるものの、サイクル特性および出力特性がいずれも劣っており、サイクル特性が特に劣っていた。これは、複合黒鉛粒子を用いていないため、充放電サイクルを繰り返すと黒鉛粒子間の接点が維持されず、導電性が低下するためと考えられる。
本発明は、出力特性、サイクル特性および初期効率に優れたリチウムイオン二次電池の製造に有用である。

Claims (6)

  1. 炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子とを混合し、熱処理する熱処理工程;
    得られた熱処理物を粉砕して平均粒子径10μm未満の粒子を得る粉砕工程;
    得られた平均粒子径10μm未満の粒子とポリエチレン粒子および/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理する被覆工程;
    を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
  2. 前記炭素質物質前駆体と第1黒鉛粒子に加えて、さらに前記第1黒鉛粒子よりも平均粒子径の小さい微粒子炭素質物質を混合し、熱処理し、粉砕して平均粒子径10μm未満の粒子を得る請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
  3. 前記平均粒子径10μm未満の粒子と、該粒子よりも平均粒子径が大きい第2黒鉛粒子とを混合した後、得られた混合物とポリエチレンおよび/またはポリスチレン粒子とを混合し、熱処理する請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法により得られたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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