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JP2011051422A - 自動二輪車用エアバッグ装置 - Google Patents

自動二輪車用エアバッグ装置 Download PDF

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JP2011051422A
JP2011051422A JP2009200629A JP2009200629A JP2011051422A JP 2011051422 A JP2011051422 A JP 2011051422A JP 2009200629 A JP2009200629 A JP 2009200629A JP 2009200629 A JP2009200629 A JP 2009200629A JP 2011051422 A JP2011051422 A JP 2011051422A
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Kenji Hayakawa
健次 早川
Shigeyuki Suzuki
滋幸 鈴木
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】エアバッグを支持するための支持材のエアバッグによる引き上げを、安定して、迅速に行える自動二輪車用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】自動二輪用のエアバッグ装置10は、エアバッグ11と、膨張完了時のエアバッグの前面側を支持可能する支持材55と、を備える。エアバッグは、最先に膨張する一次膨張バッグ部19と、後面側を乗員を受け止める拘束面26とし、一次膨張バッグ部の上部側の後面に開口した供給口21からの膨張用ガスGによって膨張する二次膨張用バッグ部24と、を備える。エアバッグ11は、一次膨張バッグ部を、支持材を引き上げる駆動源として、支持材を収納部位側から引き上げ可能に、支持材の上端に連結される連結ベルト37を、前面の上端側に連結させる。二次膨張バッグ部24は、二次膨張バッグ部の膨張完了を遅延させるように、ティアシーム29により、一次膨張バッグ部に結合されている。
【選択図】図11

Description

本発明は、自動二輪車に搭載されて、衝突時の乗員を保護するためのエアバッグを備えて構成される自動二輪車用エアバッグ装置に関する。
従来、自動二輪車用エアバッグ装置としては、膨張用ガスの流入時、シートに着座した乗員の左右の脚部の間付近の収納部位から上方側へ展開膨張して、前方側へ移動する乗員を受け止め可能に膨張を完了させるエアバッグと、膨張完了時のエアバッグの前面側を支持可能に、エアバッグの前方側に配置される支持材と、を備えて構成されていた(例えば、特許文献1参照)。このエアバッグは、膨張完了時の前部側の中央に上下方向に配置されて、最先に膨張する一次膨張バッグ部と、一次膨張バッグ部の左右両側と後方とを覆うように膨張して、後面側を乗員を受け止める拘束面とし、かつ、一次膨張バッグ部の上部側の後面に開口した供給口からの膨張用ガスによって膨張する二次膨張バッグ部と、を備えて構成されていた。そして、このエアバッグは、一次膨張バッグ部を、支持材を引き上げる駆動源として、支持材を収納部位側から引き上げ可能に、支持材の上端に連結される連結ベルトを、前面の上端側に連結させていた。
さらに、この自動二輪車用エアバッグ装置では、支持材の引き上げを迅速に行えるように、二次膨張バッグ部に膨張用ガスを供給する一次膨張バッグ部の供給口を、膨張完了時の一次膨張バッグ部の上端より下方であって、引き上げ完了時の支持材における連結ベルトとの連結部位と同等の高さ位置に、配設させていた。
このような構成では、一次膨張バッグ部の上端付近に、引き上げ完了時における支持材より上方の部位となって、かつ、供給口より上方の位置に、膨張用ガスの貯留されるガス溜り部が形成され、そのガス溜り部が、一次膨張バッグ部の上方に延びる展開膨張に伴い、供給口からの二次膨張バッグ部への膨張用ガスの供給を抑えて、膨張しつつ上昇し、迅速に、支持材を引き上げ完了位置まで引き上げることができた。
特開2009−166571号公報
しかし、従来の自動二輪車用エアバッグ装置では、膨張完了前の一次膨張バッグ部から、供給口を経て、二次膨張バッグ部へ膨張用ガスが流れることを完全に防止できるものではなく、一次膨張バッグ部の膨張完了前に、二次膨張バッグ部が膨らむことを規制できなかった。そして、二次膨張バッグ部が、一次膨張バッグ部の膨張完了前に、左右両側や後方側へ、膨らみ過ぎてしまうと、膨らんだ二次膨張バッグ部の周壁が、一次膨張バッグ部の上端を下方に押えるように作用して、一次膨張バッグ部の上方移動を阻害し、支持材を最上昇位置まで引き上げるまでに、時間を要する事態を招き、改善の余地があった。
本発明に、上述の課題を解決するものであり、エアバッグを支持するための支持材のエアバッグによる引き上げを、安定して、迅速に行える自動二輪車用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動二輪用エアバッグ装置は、膨張用ガスの流入時、シートに着座した乗員の左右の脚部の間付近の収納部位から上方側へ展開膨張して、前方側へ移動する乗員を受け止め可能に膨張を完了させるエアバッグと、
膨張完了時のエアバッグの前面側を支持可能に、エアバッグの前方側に配置される支持材と、
を備えて構成されるとともに、
エアバッグが、
膨張完了時に前部側の中央に上下方向に配置されて、最先に膨張する一次膨張バッグ部と、
一次膨張バッグ部の左右両側と後方とを覆うように膨張して、後面側を乗員を受け止める拘束面とし、かつ、一次膨張バッグ部の上部側の後面に開口した供給口からの膨張用ガスによって膨張する二次膨張用バッグ部と、を備えて構成されるとともに、
一次膨張バッグ部を、支持材を引き上げる駆動源として、支持材を収納部位側から引き上げ可能に、支持材の上端に連結される連結ベルトを、前面の上端側に連結させている構成の自動二輪車用エアバッグ装置であって、
一次膨張バッグ部の膨張完了を促進させるように、二次膨張バッグ部の前後若しくは左右の少なくとも一方の長さ寸法を抑制して、二次膨張バッグ部の膨張完了を遅延させる膨張遅延手段が、二次膨張バッグ部に配設されていることを特徴とする。
本発明に係る自動二輪車用エアバッグ装置では、作動時、一次膨張バッグ部が、膨張用ガスを流入させて膨張すれば、供給口より上方部位にガス溜り部を形成し、ガス溜り部の上昇に伴い、収納部位から上方へ突出しつつ、連結ベルトによって連結させた支持材を、引き上げることとなる。その際、供給口から膨張用ガスが二次膨張バッグ部に流れても、二次膨張バッグ部は、膨張遅延手段により、一次膨張バッグ部の膨張完了を促進するように、二次膨張バッグ部の前後若しくは左右の少なくとも一方の長さ寸法を抑制されて、膨張が遅延される。そのため、二次膨張バッグ部の周壁による一次膨張バッグ部の上端を下方に押えることが、防止され、一次膨張バッグ部は、円滑に膨張を完了させて、支持材を迅速に最上昇位置まで引き上げることができる。
その後、二次膨張バッグ部の膨張完了に伴って、エアバッグの全体が膨張を完了させ、そして、拘束面で乗員を受け止めることとなっても、支持材が最上昇位置まで引き上げられており、支持材に安定して支持されたエアバッグは、クッション性良く、乗員を受け止めることができる。
したがって、本発明に係る自動二輪車用エアバッグ装置では、エアバッグを支持する支持材のエアバッグによる引き上げを、安定して、迅速に行うことができる。
そして、本発明に係る自動二輪車用エアバッグ装置では、膨張遅延手段は、
二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、一次膨張バッグ部から後方へ離しつつ膨張させるように、
二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、エアバッグの前部側における一次膨張バッグ部の周壁若しくは一次膨張バッグ部近傍の二次膨張バッグ部の周壁に、結合させて、二次膨張バッグ部の内圧上昇時に結合解除可能な結合手段、から構成し、
結合手段は、
結合手段における二次膨張バッグ部の周壁における後部側と、エアバッグの前部側における一次膨張バッグ部の周壁若しくは一次膨張バッグ部近傍の二次膨張バッグ部の周壁と、の相互の結合状態から結合を解除させるまで、二次膨張バッグ部の膨張完了を遅延させる構成とすることが望ましい。
このような構成では、膨張遅延手段としての結合手段が、二次膨張バッグ部の周壁における後部側と、エアバッグの前部側における一次膨張バッグ部の周壁若しくは一次膨張バッグ部近傍の二次膨張バッグ部の周壁と、の相互を、直接、結合させた状態から、二次膨張バッグ部の内圧上昇時に、それらの相互の結合状態を解除させることとなる。そして、結合手段は、その結合状態から結合を解除させるまでの間、二次膨張バッグ部の膨張完了を遅延させることとなり、結合解除に伴い、二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、一次膨張バッグ部から後方へ離しつつ膨張させることから、支持材の引き上げ完了に伴い、二次膨張バッグ部が、一次膨張バッグ部の周囲を厚く覆うように、迅速に、膨張を完了させることができる。
なお、二次膨張バッグ部の膨張完了を遅延させるように、例えば、一次膨張バッグ部に設けた供給口の開口面積を絞って、膨張遅延手段を構成することも考えられるが、供給口を絞る構成では、一次膨張バッグ部の膨張完了後の二次膨張バッグ部の膨張完了自体が遅れ、また、一次膨張バッグ部の膨張時に、一次膨張バッグ部の内圧上昇に伴って、供給口の周縁が破損する虞れも生じ、好ましくない。
また、上記のような結合手段としては、破断可能な縫合糸を使用して、二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、エアバッグの前部側における一次膨張バッグ部の周壁若しくは一次膨張バッグ部近傍の二次膨張バッグ部の周壁に、縫合させたティアシーム、から構成することができる。
あるいは、上記のような結合手段としては、破断可能な帯材を使用して、二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、エアバッグの前部側における一次膨張バッグ部の周壁若しくは一次膨張バッグ部近傍の二次膨張バッグ部の周壁に、結合させたテザー、から構成することができる。
さらに、本発明に係る自動二輪車用エアバッグ装置では、支持材は、上昇可能にシート側に保持させて、上下方向に延びる1本の縦杆部と、縦杆部の上端で左右両側に延びる横杆部と、を設けて構成し、連結ベルトは、横杆部の左右両側に、連結することが望ましい。
このような構成では、支持材が、シート側の保持部位に摺動させる部材を、上下方向に延びて複数並設させた部材でなく、上下方向に延びる一本の縦杆部によって、構成させており、左右対称的に連結ベルトを横杆部の左右両側に連結していることとあいまって、エアバッグ装置の作動時、摺動時の保持部位に対するかじりを、極力、少なくして、支持材の縦杆部を、円滑に、上昇させることができる。
本発明に係る実施形態の自動二輪車用エアバッグ装置を搭載した自動二輪車の側面図である。 実施形態のエアバッグ装置の前後方向に沿った概略部分断面図である。 実施形態のエアバッグ装置に使用するエアバッグを、リテーナを設けた状態で単独で膨張させた状態を示す斜視図である。 実施形態のエアバッグの膨張完了時の後方から見た図である。 実施形態のエアバッグに使用する構成材料を示す平面図である。 実施形態のティアシームの配置位置を説明する図である。 実施形態のエアバッグの膨張形態を順に説明する縦断面図である。 実施形態のエアバッグの膨張形態を順に説明する横断面図である。 実施形態のエアバッグ装置の作動当初を説明する図であり、前後方向に沿った概略縦断面図である。 実施形態のエアバッグ装置の作動時を説明する図であり、図9の後の状態を示す。 実施形態のエアバッグ装置の作動時を説明する図であり、図10の後の状態を示す。 実施形態のエアバッグ装置の作動時を説明する図であり、図11の後の状態を示す。 実施形態のエアバッグ装置の作動時を説明する前方側から見た概略正面図である。 実施形態のエアバッグ装置における変形例のエアバッグの膨張完了時の後方から見た図である。 図14に示すエアバッグに使用する構成材料を示す平面図であって、ティアシームの配置位置を二点鎖線で示してある。 図14に示すエアバッグの膨張形態を順に説明する縦断面図である。 図14に示すエアバッグの膨張形態を順に説明する横断面図である。 実施形態のエアバッグ装置の他の変形例のエアバッグにおけるテザーの配置位置を説明する図である。 図18に示すエアバッグの膨張形態を順に説明する横断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の自動二輪車用エアバッグ装置(以下、単にエアバッグ装置とする)10は、図1に示すように、スクータ型の自動二輪車(以下、単に二輪車という)1に搭載されるものであり、この二輪車1は、乗員Dの着座するシート7とシート7の前方のハンドル5との間に、乗員Dの足部Fを載せるステップ6が配設され、エアバッグ装置10は、シート7の前端付近に配設されている。
なお、本願の明細書等での前後左右の方向は、前進時の二輪車1を基準としており、二輪車1に着座した乗員Dの前後左右の方向と一致するものである。
エアバッグ装置10は、図1,2に示すように、エアバッグ11、エアバッグ11に膨張用ガスを供給するインフレーター45、折り畳まれたエアバッグ11を収納して保持するとともにインフレーター45を保持するケース47、及び、膨張したエアバッグ11の前面11c側を後面55b側で支持する支持材55、を備えて構成されている。さらに、エアバッグ11は、膨張する袋状の周壁12と、支持材55を引き上げるための連結ベルト37と、エアバッグ11の後面11d側の下部に配置される規制ベルト40と、を備えて構成されている。
ケース47は、折り畳まれたエアバッグ11の収納部位を構成するものであり、上方を開口させた箱形状の板金製として、長方形板状の底壁部48と、底壁部48の外周縁付近から上方に延びる略四角筒形状の周壁部49と、を備えて構成されている。底壁部48には、インフレーター45の本体部45aを下方から挿入させる円形の開口48aが形成されている。なお、ケース47には、図示しない連結ブラケットが配設されて、この連結ブラケットが二輪車1のボディ(車体)2側のフレーム3から延びるブラケット4に連結固定されている(図1参照)。その結果、エアバッグ11とインフレーター45とを保持したケース47が、シート7の前端付近における着座した乗員Dの左右の脚部K間付近に配置されて、ボディ2側に連結固定されている。また、底壁部48には、周壁部49より後方に突出した部位の上面側に、エアバッグ11の後面11dにおける下部側に設けた規制ベルト40の下端40bを固定する固定杆51が配設されている。
インフレーター45は、図2に示すように、上部側に複数のガス吐出口45bを備えた円柱状の本体部45aと、本体部45aの外周面から突出するフランジ部45cと、を備えて構成され、フランジ部45cが、ケース47の底壁部48の下面側に固定されている。
なお、エアバッグ11の流入用開口13aの周縁には、四隅にボルト42aを備えた略四角環状のリテーナ42が配置されている。そして、リテーナ42のボルト42aを、エアバッグ11の流入用開口13aの周縁、ケース47の底壁部48、及び、フランジ部45cに貫通させて、ナット43止めすることにより、インフレーター45のフランジ部45cが、エアバッグ11とともに、ケース47の底壁部48に対して、固定されている。
また、インフレーター45は、図示しないリード線によって、二輪車1に搭載された図示しない制御回路に電気的に接続され、二輪車1に衝撃が作用した際、制御回路が、衝撃を検知した所定の検知センサからの信号を入力して、インフレーター45に作動信号を出力することとなる。
支持材55は、図2,13に示すように、ケース47の前方側に隣接して配設されて、上下方向に延びる1本の四角筒形状の縦杆部56と、縦杆部56の上端で左右両側に延びる横杆部57と、を備えて構成されて、上昇可能に四角筒形状の案内スリーブ59に保持されている。横杆部57の左右両端の左端部57aと右端部57bとには、連結ベルト37のエアバッグ11から延びる先端37bが、連結されている。案内スリーブ59は、ボディ2側のフレーム3から延びる図示しないブラケットに、固定されている。
なお、この支持材55は、左右方向の幅寸法を、乗員Dの左右の脚部K間から上方に突出可能に、構成されて、支持材55の上方への突出を完了させたエアバッグ11の支持位置(引き上げ完了位置)SPへの配置時、上部55aの配置位置を、膨張を完了させたエアバッグ11の上部11aの前面11c側を支持でき、かつ、後面55b側が上部11aによって覆われる位置、としている。
また、支持材55とエアバッグ11とは、収納状態で、シート7の前端側を構成しているカバー8によって覆われていることから、上方へ突出する際、このカバー8を押し開かせて、上方へ突出することとなる。
エアバッグ11は、図1〜3に示すように、その袋状の周壁12を、略正方形の底壁部13と、底壁部13の外周縁から上方に延びる略四角筒形状の周壁本体部14と、から構成している。周壁本体部14は、エアバッグ11の前面11c側の前壁部15と、エアバッグ11の後面11d側の後壁部16と、底壁部13の上方で底壁部13と対向するように配置される天井壁部17と、を備えて構成され、前壁部15と後壁部16とが左右両縁で結合され、天井壁部17の外周縁が、前壁部15と後壁部16との上縁に結合されて構成されている。さらに具体的に説明すると、このエアバッグ11は、膨張完了時の形状として、前方側から見た形状を、下部11b側より上部11a側の左右方向の幅寸法を大きくする上広がりの略台形形状とするとともに、乗員Dの上半身Uを受け止める後面11dを拘束面26として、側方から見た形状を、下部11b側から上部11a側に向かうにつれて、前後方向の厚さ寸法を後方側に増大させるテーパ形状として、構成されている。
そして、エアバッグ11は、実施形態の場合、周壁12を構成するアウタバッグ23としての二次膨張バッグ部24と、アウタバッグ23内に配設されるインナバッグ18としての一次膨張バッグ部19と、を備えて構成され、一次膨張バッグ部19と二次膨張バッグ部24とは、底壁部13を共用するように、相互に重ねられ、さらに、一次膨張バッグ部19は、底壁部13から延びる前壁部20cを、二次膨張バッグ部24の周壁25の前壁部、すなわち、エアバッグ11の周壁12の前壁部15、に結合させて配設されている。実施形態の場合、前壁部20cと前壁部15との相互の結合部位15a,15aは、一次膨張バッグ部19の左右両縁付近で、上下方向に沿わせるように、縫合糸S0を使用した縫合部位により、形成されている。
エアバッグ11の底壁部13には、膨張用ガスを流入させるための円形の流入用開口13aが形成されて、流入用開口13aの周縁には、リテーナ42の各ボルト42aを挿通させる取付孔13b(図5参照)が、形成されている。この流入用開口13aの周縁は、リテーナ42に押えられて、ケース47の底壁部48に取り付けられる(図2参照)。
また、エアバッグ11は、前面11cの左右方向の中央の上端側、すなわち、天井壁部17の左右方向の中央の前縁17a、に、連結ベルト37の元部端37aを連結させている。この連結ベルト37の先端37bは、左右に二又状に分岐されて、支持材55の上端55t、実施形態の場合、横杆部57の左右両側の左端部57aと右端部57bとに、連結されている。この連結は、図2,3に示すように、先端37bの前後で対向する上縁37c相互を連結し、かつ、二又状に分岐された下縁37d側のそれぞれの前後で対向する相互を、ボルト38B,ナット38Nを利用して締結する当板36,36の間で挟持して連結し、上縁37cと下縁37dとの間で、左端部57a側と右端部57b側とをくるんで、連結ベルト37の先端37bを、横杆部57の左右両側に連結させている。さらに、連結ベルト37は、その長さ寸法を、エアバッグ11の一次膨張バッグ部19の膨張完了時に、支持材55を引き上げ完了位置SPに配置させることができるように、設定されている。連結ベルト37は、図5に示すように、二枚の連結ベルト用布39を縫合して形成されている。
さらに、エアバッグ11の後面11dの左右方向の中央の下端付近には、規制ベルト40の元部端40aが連結されている。規制ベルト40は、先端(下端)40b側を、ケース47の固定杆51に連結させており、エアバッグ11の膨張完了後、後面11d側の拘束面26で前進移動する乗員Dの上半身Uを受け止めた際、エアバッグ11の流入用開口13aの周縁の後縁側が、捲れるように前方移動して、破損しないように、拘束面26の上方移動を規制するために、配設されている。この規制ベルト40は、規制ベルト用布41を二つ折りして、形成されている。
また、一次膨張バッグ部19は、支持材55を引き上げるための駆動源を構成するものであり、その周壁20を、流入用開口13aと取付孔13bとを設けた底壁部20aと、底壁部20aの外周縁から上方に延びる周壁本体部20bと、から構成している。そして、周壁本体部20bが、前壁部20cと後壁部20dとから構成され、前壁部20cと後壁部20dとが、左右両縁を相互に結合されて構成されている。さらに、一次膨張バッグ部19の後壁部20dには、エアバッグ11の膨張完了時における一次膨張バッグ部19の上端19a側から下方に下がった左右方向の中央位置で、かつ、引き上げ完了位置の支持材55の横杆部57の配置位置と同じ高さ付近に、円形に開口する供給口21が配設されている。この一次膨張バッグ部19では、供給口21の上方のスペースを、支持材55を引き上げるために膨張用ガスGを貯留するガス溜り部22を形成することとなる。
二次膨張バッグ部24は、エアバッグ11の外周壁を構成することから、その周壁25が、エアバッグ11の周壁12と一致することとなる。
そして、実施形態のエアバッグ11では、一次膨張バッグ部19の膨張完了を促進させるように、二次膨張バッグ部24の前後若しくは左右の少なくとも一方の長さ寸法を抑制して、二次膨張バッグ部24の膨張完了を遅延させる膨張遅延手段IDが、二次膨張バッグ部24に配設されている。実施形態の膨張遅延手段IDは、図8のA〜Cに示すように、二次膨張バッグ部24の周壁25における後部側、すなわち、後壁部16を、一次膨張バッグ部19から後方へ離しつつ膨張させるように、二次膨張バッグ部24の周壁25における後壁部16を、エアバッグ11の前部側における一次膨張バッグ部19の周壁20に結合させて、二次膨張バッグ部24の内圧上昇時に結合解除可能な結合手段28、から構成されている。特に、実施形態の場合、結合手段28は、破断可能な縫合糸SBを使用して、二次膨張バッグ部24の周壁25における後部側の後壁部16を、一次膨張バッグ部19の周壁20に縫合してなるティアシーム29から構成されている。
さらに、実施形態の場合、ティアシーム29で縫合する一次膨張バッグ部19側の部位は、上端19aを間にした左右対称形とした前壁部20cと後壁部20dとの外周縁相互の結合させた結合部位19bを縫合部位30とし、ティアシーム29で縫合する二次膨張バッグ部24側の部位は、膨張完了時の後方側から見た状態で、供給口21の上方と左右両側を囲むように、一次膨張バッグ部19の上端19aから左右両側に拡開する位置の後壁部16の縫合部位31としている。なお、縫合部位30,31は、図6に示すように、後壁部16の下縁側を、タックを設けるようにつまんで、一次膨張バッグ部19の結合部位19bに重なる部位相互を、縫合糸SBで縫合すれば、形成することができる。
このようなティアシーム29からなる結合手段28では、二次膨張バッグ部24の後壁部16とエアバッグ11の前部側における一次膨張バッグ部19の周壁20との相互の結合状態から結合を解除させるまで、二次膨張バッグ部24の膨張完了を遅延させることとなる。
そして、実施形態のエアバッグ11は、図5に示すように、第1基布33、第2基布34、第3基布35、連結ベルト用布39、及び、規制ベルト用布41、から構成されている。第1基布33は、アウタバッグ23としての二次膨張バッグ部24の底壁部13、前壁部15、及び、後壁部16を形成しており、底壁部13から前後両側に延びるように前壁部15と後壁部16とを配設させて、略鼓形状に形成されている。第2基布34は、略楕円板形状として、二次膨張バッグ部24の天井壁部17を形成している。第3基布35は、インナバッグ18としての一次膨張バッグ部19を形成しており、底壁部20aから前後両側に延びるように前壁部20cと後壁部20dとを配設させた帯状に形成されている。
なお、第1基布33、第2基布34、第3基布35、連結ベルト用布39、及び、規制ベルト用布41は、可撓性を有したポリアミドやポリエステル等の織布から形成されている。また、第1基布33や第3基布35の流入用開口13aの周縁には、補強のために、円環状の補強布(図符号省略)を設けてもよい。
エアバッグ11の製造は、まず、第1基布33や第3基布35に、予め、流入用開口13aと取付孔13bとを設け、さらに、予め形成しておいた連結ベルト37と規制ベルト40との元部端37a,40aを、第2基布34や第1基布33の所定位置に縫合しておく。そして、第3基布35における一次膨張バッグ部19の前壁部20cを、縫合糸S0により、第1基布33におけるエアバッグ11の内周面側となる二次膨張バッグ部24の前壁部15に、結合部位15a,15aを設けて、結合させ、ついで、第3基布35における一次膨張バッグ部19の前壁部20cと後壁部20dとの外周縁相互を重ねて縫合糸S0で縫合して、結合部位19bを形成しておく。なお、縫合糸S0は、縫合糸SBより破断強度を強くしているものであり、容易に破断しない。
その後、エアバッグ11の外周面側となる部位相互を接触させて、第1基布33における二次膨張バッグ部24の前壁部15と後壁部16との左右両縁相互を、縫合糸S0を使用して縫合するとともに、前壁部15と後壁部16との上縁と第2基布34の外周縁とを相互に、縫合糸S0を利用して、縫合する。
ついで、縫合代がエアバッグ11の外周側に露出しないように、二次膨張バッグ部24の流入用開口13aを利用して、一次膨張バッグ部19を内部に入れながら、二次膨張バッグ部24を裏返す。
そして、一次膨張バッグ部19の結合部位19bを縫合部位30とするように、二次膨張バッグ部24の後壁部16の縫合部位31に対し、縫合糸SBを利用して縫合して、ティアシーム29を形成すれば、エアバッグ11を製造することができる。なお、このティアシーム29を形成する際には、一次膨張バッグ部19と二次膨張バッグ部24との流入用開口13aを利用して、二次膨張バッグ部24とともに、一次膨張バッグ部19を裏返して、裏返した状態の結合部位19bを、エアバッグ11の内周面側の位置の二次膨張バッグ部24の後壁部16の縫合部位31に対して、縫合糸SBを利用して、縫合し、そして、再度、一次膨張バッグ部19と二次膨張バッグ部24との流入用開口13aを利用して、エアバッグ11を裏返せば、容易に、ティアシーム29を形成したエアバッグ11を得ることができる。
そして、エアバッグ装置10の二輪車1への搭載の概略を述べると、先ず、ボルト42aを取付孔13bからエアバッグ11外に突出させるように、リテーナ42をエアバッグ11内にいれて、エアバッグ11を折り畳む。この折り畳みは、ケース47の左右方向や前後方向の寸法に対応するように、エアバッグ11を折り畳む。そして、折り畳みを完了したエアバッグ11は、折り崩れしないように、破断可能なラッピング材で包んでおく。ちなみに、連結ベルト37や規制ベルト40は、先端37b,40b側を、ラッピング材から突出させるとともに、リテーナ42の各ボルト42aも、ラッピング材から突出させておき、さらに、エアバッグ11の流入用開口13aも、インフレーター45の本体部45aを挿入可能となるように、開口させておく。
そして、折り畳みを完了したエアバッグ11は、各ボルト42aを底壁部48から突出させるようにして、ケース47内に収納し、各ボルト42aをフランジ部45cに挿通させつつ、ケース47の底壁部48の下方から、インフレーター45の本体部45aを、開口48a,13aに挿入させ、各ボルト42aにナット43を締結する。
その後、規制ベルト40のループ状の下端(先端)40bを固定杆51に連結させるとともに、ケース47を、図示しない連結ブラケットを利用して、ブラケット4に取り付け、さらに、連結ベルト37の先端37bを、フレーム3側に取り付け済みの支持材55の横杆部57の左端部57aと右端部57bとに、当板36,36やボルト38B、ナット38Nを利用して、連結する。
そして、インフレーター45に、所定の作動信号を入力させるリード線を結線するとともに、シート7を装着すれば、エアバッグ装置10を二輪車1に搭載することができる。
そして、この実施形態の二輪車1では、走行時に四輪自動車等と衝突して、エアバッグ装置10が作動すれば、エアバッグ11の流入用開口13aに挿入されたインフレーター45が、各ガス吐出口45bから膨張用ガスを吐出させることから、膨張用ガスを流入させたエアバッグ11は、図9〜12や図13に示すように、シート7に着座した乗員Dの左右の脚部K間付近の収納部位(ケース47)から上方側へ展開膨張して、前方側へ移動する乗員Dの上半身Uを拘束可能な形状に膨張を完了させる。
その際、エアバッグ装置10の作動時、エアバッグ11の一次膨張バッグ部19が、膨張用ガスGを流入させて膨張すれば、図9〜11に示すように、供給口21より上方部位にガス溜り部22を形成し、ガス溜り部22の上昇に伴い、収納部位としてのケース47から上方へ突出しつつ、連結ベルト37によって連結させた支持材55を、引き上げることとなる。その際、図7のA,Bや図8のA,Bに示すように、供給口21から膨張用ガスGが二次膨張バッグ部24に流れても、二次膨張バッグ部24は、膨張遅延手段IDの結合手段28により、後壁部16の縫合部位31を、前方側の一次膨張バッグ部19の結合部位19bに、結合させている。そのため、二次膨張バッグ部24は、一次膨張バッグ部19の膨張完了を促進するように、膨張部位の前後と左右との長さ寸法L1,W1(図8のB参照)を抑制されて、膨張が遅延される。その結果、二次膨張バッグ部24の周壁25による一次膨張バッグ部19の上端19aを下方に押えることが、防止され、一次膨張バッグ部19は、円滑に膨張を完了させて、支持材55を迅速に最上昇位置となる引き上げ完了位置SP(図11参照)まで引き上げることができる。
その後、図12や図13のBに示すように、二次膨張バッグ部24の膨張完了に伴って、エアバッグ11の全体が膨張を完了させ、そして、拘束面26で乗員Dの上半身Uを受け止めることとなっても、支持材55が最上昇位置(引き上げ完了位置)SPまで引き上げられており、支持材55に安定して支持されたエアバッグ11は、クッション性良く、乗員Dを受け止めることができる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置10では、エアバッグ11を支持する支持材55のエアバッグ11による引き上げを、安定して、迅速に行うことができる。
なお、実施形態のエアバッグ11では、二次膨張バッグ部24に膨張用ガスGを供給する一次膨張バッグ部19の供給口21が、膨張初期、二次膨張バッグ部24の後壁部16に覆われているものの、供給口21自体が、縫合等により、直接、二次膨張バッグ部24を固着されて塞がれていないことから、支持材55の引き上げ途中でも、供給口21から二次膨張バッグ部24へ膨張用ガスGを逃がすことが可能となり、一次膨張バッグ部19の内圧上昇による破損(バースト)を円滑に防止できる。
そして、実施形態のエアバッグ装置10では、膨張遅延手段IDの結合手段28が、図7,8に示すように、二次膨張バッグ部24の周壁25における後部側の後壁部16を、前方位置の一次膨張バッグ部19の周壁20の左右両縁に、結合させている。そのため、結合手段28の結合解除時、後壁部16が、一次膨張バッグ部19から後方へ離れつつ膨張する状態となって、支持材55の引き上げ完了に伴い、二次膨張バッグ部24が、一次膨張バッグ部19の周囲の左右と後方とを厚く覆うように、迅速に、膨張を完了させることができる。
なお、二次膨張バッグ部24の膨張完了を遅延させるように、例えば、一次膨張バッグ部19に設けた供給口21の開口面積を絞って、膨張遅延手段IDを構成することも考えられるが、供給口21を絞る構成では、一次膨張バッグ部19の膨張完了後の二次膨張バッグ部24の膨張完了自体が遅れ、また、一次膨張バッグ部19の膨張時に、一次膨張バッグ部19の内圧上昇に伴って、供給口21の周縁が破損し、二次膨張バッグ部24が、遅延されずに、膨張する虞れも生じ、好ましくない。
そして特に、実施形態の場合、結合手段28として、破断可能な縫合糸SBを使用して、二次膨張バッグ部24の周壁25における後部側の後壁部16を、エアバッグ11の前部側における一次膨張バッグ部19の周壁20に、縫合させたティアシーム29、から構成しており、容易に、二次膨張バッグ部24の後壁部16をエアバッグ11の前部側に結合することができる。
さらに、実施形態の場合、一次膨張バッグ部19の縫合部位30(結合部位19b)へ縫合する後壁部16の縫合部位31が、図4に示すように、供給口21の上方から供給口21の左右を囲み、左右の下端31a,31b側にかけて、左右方向に下広がりとするようにして、形成されている。そのため、結合手段28の結合解除時、図8のA〜Cに示すように、後壁部16が、上方から見て、一次膨張バッグ部19を中心として、左右両側と後方側とを含めた略放射状に、膨張する状態となって、一層、迅速に、二次膨張バッグ部24は、膨張することができる。そして、逆に、上記の構成では、エアバッグ11内に設けた一次膨張バッグ部19自体の全体を、確実に膨張完了させることができて、一層、迅速に、支持材55の引き上げを行うことができる。
さらに、実施形態の場合、後壁部16の縫合部位31が、左右両側の下端31a,31bを左右両側に広げるように、配設されて、結合手段28の結合解除前における二次膨張バッグ部24における下端31a,31b側の左右方向の膜長BL(図5参照)を広く確保されており、一次膨張バッグ部19が、周壁本体部20bにおける底壁部20a側近傍で、太く膨張しても、二次膨張バッグ部24は、天井壁部17を下方へ引っ張ることなく、その一次膨張バッグ部19の膨張に、容易に追従することができる。
なお、実施形態では、二次膨張バッグ部24の後部側としての後壁部16を、エアバッグ11の前部側の一次膨張バッグ部19の周壁20に結合させた場合を示したが、図14,15に示すエアバッグ11Aの結合手段28Aのように、二次膨張バッグ部24の後壁部16を、エアバッグ11Aの前部側の二次膨張バッグ部24の前壁部15に、縫合糸SBを利用したティアシーム29Aにより、結合させてもよい。この場合のティアシーム29Aも、二次膨張バッグ部24の周壁25における後部側の後壁部16と前壁部15との相互の縫合部位30A,31Aが、供給口21の左右を囲んで、左右の下端30a,30b,31a,31b側にかけて、左右方向に下広がりとするようにして、形成されている。そのため、結合手段28Aの結合解除時、図17のA〜Cに示すように、後壁部16が、上方から見て、一次膨張バッグ部19を中心として、一次膨張バッグ部19から後方へ離れつつ略放射状に膨張する状態となって、支持材55の引き上げ完了に伴い、二次膨張バッグ部24が、一次膨張バッグ部19の周囲の左右と後方とを厚く覆うように、迅速に、膨張を完了させることができる。
なお、結合手段としては、ティアシーム29,29Aの他、剥離可能な接着剤を利用したり、図18,19に示す破断可能な帯材を使用したテザー60から、結合手段28Bを構成してもよい。図例のエアバッグ11Bでは、実施形態の縫合部位30,31における供給口21の上方位置を除いた供給口21の左右両側を囲むように、二次膨張バッグ部24の後壁部16と一次膨張バッグ部19の結合部位19bとに、帯材61,62の一端61a,61a側を、縫合糸S0により、結合させ、帯材61,62の他端61b,62b相互を、破断可能な縫合糸SBにより縫合して、結合手段28Bを構成している。そのため、このエアバッグ11Bでも、縫合糸SBの破断に伴うテザー60の破断による結合手段28Bの結合解除時、図19のA〜Cに示すように、後壁部16が、上方から見て、一次膨張バッグ部19を中心として、一次膨張バッグ部19から後方へ離れつつ略放射状に膨張する状態となって、支持材55の引き上げ完了に伴い、二次膨張バッグ部24が、一次膨張バッグ部19の周囲の左右と後方とを厚く覆うように、迅速に、膨張を完了させることができる。
ちなみに、図例の結合手段28Bとしてのテザー60では、縫合糸SBの破断に伴う破断により、後壁部16と一次膨張バッグ部19との結合を解除させた場合を示したが、勿論、テザーとしては、テザーを構成する帯材自体に切り欠きやスリットを設けて、その配設部位の帯材自体の破断により、後壁部16と一次膨張バッグ部19との結合を解除させる構成としてもよい。
また、実施形態のエアバッグ装置10では、支持材55が、上昇可能にシート7側の案内スリーブ59に保持されて、上下方向に延びる1本の縦杆部56と、縦杆部56の上端で左右両側に延びる横杆部57と、を設けて構成され、連結ベルト37が、横杆部57における左端部57aと右端部57bとの左右両側に、連結されている。そのため、このような構成では、支持材55が、シート7側の保持部位である案内スリーブ59に摺動させる部材を、上下方向に延びて複数並設させた部材でなく、上下方向に延びる一本の縦杆部56によって、構成させており、左右対称的に連結ベルト37を横杆部57の両端部(左端部57aと右端部57b)側に連結していることとあいまって、エアバッグ装置10の作動時、摺動時の案内スリーブ59に対するかじりを、極力、少なくして、支持材55の縦杆部56を、円滑に、上昇させることができる。
なお、実施形態のエアバッグ11では、結合手段28として、二次膨張バッグ部24の左右を、下広がりの縫合部位31により、エアバッグ11の前部側に結合させ、結合手段28の結合解除時、二次膨張バッグ部24を、左右両側に膨張させ、かつ、後方側へも膨張させるように、構成したが、結合手段の結合は、二次膨張バッグ部24の左右の縁を、それぞれ、左右方向の中央側の一次膨張バッグ部19の左右の縁に結合させて、結合手段の解除時、主に、二次膨張バッグ部24が、左右両側に膨らむように構成してもよい。あるいは、結合手段の結合は、二次膨張バッグ部24の後壁部16を、単に、エアバッグの前方側の二次膨張バッグ部24の前壁部15若しくは一次膨張バッグ部19に結合させて、結合手段の解除時、主に、二次膨張バッグ部24が、後方側に膨らむように構成してもよい。
また、実施形態では、エアバッグ装置10を、スクータ型の二輪車1に搭載した場合を示したが、他のスポーツバイクタイプ等の自動二輪車に、本発明のエアバッグ装置を搭載してもよい。
1…(自動)二輪車、
10…(自動二輪車用)エアバッグ装置、
11,11A,11B…エアバッグ、
12…周壁、
15…前壁部、
16…後壁部、
19…一次膨張バッグ部、
19a…上端、
21…供給口、
24…二次膨張バッグ部、
26…拘束面、
28,28A,28B…結合手段、
29,29A…ティアシーム、
37…連結ベルト、
55…支持材、
56…縦杆部、
57…横杆部、
60…テザー、
ID…膨張遅延手段、
SB…(破断可能な)縫合糸、
G…膨張用ガス、
D…乗員、
K…脚部。

Claims (5)

  1. 膨張用ガスの流入時、シートに着座した乗員の左右の脚部の間付近の収納部位から上方側へ展開膨張して、前方側へ移動する乗員を受け止め可能に膨張を完了させるエアバッグと、
    膨張完了時の前記エアバッグの前面側を支持可能に、前記エアバッグの前方側に配置される支持材と、
    を備えて構成されるとともに、
    前記エアバッグが、
    膨張完了時に前部側の中央に上下方向に配置されて、最先に膨張する一次膨張バッグ部と、
    該一次膨張バッグ部の左右両側と後方とを覆うように膨張して、後面側を乗員を受け止める拘束面とし、かつ、前記一次膨張バッグ部の上部側の後面に開口した供給口からの膨張用ガスによって膨張する二次膨張用バッグ部と、を備えて構成されるとともに、
    前記一次膨張バッグ部を、前記支持材を引き上げる駆動源として、前記支持材を収納部位側から引き上げ可能に、前記支持材の上端に連結される連結ベルトを、前面の上端側に連結させている構成の自動二輪車用エアバッグ装置であって、
    前記一次膨張バッグ部の膨張完了を促進させるように、前記二次膨張バッグ部の前後若しくは左右の少なくとも一方の長さ寸法を抑制して、前記二次膨張バッグ部の膨張完了を遅延させる膨張遅延手段が、前記二次膨張バッグ部に配設されていることを特徴とする自動二輪車用エアバッグ装置。
  2. 前記膨張遅延手段が、
    前記二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、前記一次膨張バッグ部から後方へ離しつつ膨張させるように、
    前記二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、前記エアバッグの前部側における前記一次膨張バッグ部の周壁若しくは前記一次膨張バッグ部近傍の前記二次膨張バッグ部の周壁に、結合させて、前記二次膨張バッグ部の内圧上昇時に結合解除可能な結合手段、から構成され、
    該結合手段が、
    該結合手段における前記二次膨張バッグ部の周壁における後部側と、前記エアバッグの前部側における前記一次膨張バッグ部の周壁若しくは前記一次膨張バッグ部近傍の前記二次膨張バッグ部の周壁と、の相互の結合状態から結合を解除させるまで、前記二次膨張バッグ部の膨張完了を遅延させる構成としていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用エアバッグ装置。
  3. 前記結合手段が、破断可能な縫合糸を使用して、前記二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、前記エアバッグの前部側における前記一次膨張バッグ部の周壁若しくは前記一次膨張バッグ部近傍の前記二次膨張バッグ部の周壁に、縫合させたティアシーム、から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車用エアバッグ装置。
  4. 前記結合手段が、破断可能な帯材を使用して、前記二次膨張バッグ部の周壁における後部側を、前記エアバッグの前部側における前記一次膨張バッグ部の周壁若しくは前記一次膨張バッグ部近傍の前記二次膨張バッグ部の周壁に、結合させたテザー、から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車用エアバッグ装置。
  5. 前記支持材が、上昇可能に前記シート側に保持されて、上下方向に延びる1本の縦杆部と、該縦杆部の上端で左右両側に延びる横杆部と、を備えて構成され、
    前記連結ベルトが、前記横杆部の左右両側に、連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動二輪車用エアバッグ装置。
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