以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態は、本発明に係る室内ユニット(3)を備えた空気調和装置(1)に関する。この空気調和装置(1)では、室内ユニット(3)が室内空間の天井に設置される。なお、以下では、まず本実施形態に係る空気調和装置(1)の構成について説明し、次に室内ユニット(3)の構成について説明する。
〈全体構成〉
図1に示すように、上記空気調和装置(1)は、室外ユニット(2)と室内ユニット(3)とを備えている。室外ユニット(2)には、圧縮機(4)、室外熱交換器(5)、膨張弁(6)、四路切換弁(7)及び室外ファン(8)が設けられている。室内ユニット(3)には、室内熱交換器(22)及び室内ファン(21)が設けられている。
上記室外ユニット(2)において、圧縮機(4)の吐出側は、四路切換弁(7)の第1ポート(P1)に接続されている。圧縮機(4)の吸入側は、四路切換弁(7)の第3ポート(P3)に接続されている。
上記室外熱交換器(5)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。室外熱交換器(5)の一端は、四路切換弁(7)の第4ポート(P4)に接続されている。室外熱交換器(5)の他端は、液側閉鎖弁(9a)に接続されている。
上記室外ファン(8)は、室外熱交換器(5)の近傍に設けられている。この室外熱交換器(5)では、室外ファン(8)によって送られる室外空気と該熱交換器(5)内を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(5)と液側閉鎖弁(9a)との間には、開度可変の膨張弁(6)が設けられている。また、四路切換弁(7)の第2ポート(P2)はガス側閉鎖弁(9b)に接続されている。
上記四路切換弁(7)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが互いに連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが互いに連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能になっている。
この空気調和装置(1)では、四路切換弁(7)が第1状態の場合、暖房運転が行われ、四路切換弁(7)が第2状態の場合、冷房運転が行われる。暖房運転では、図1に示す冷媒回路において、室外熱交換器(5)が蒸発器として機能し且つ室内熱交換器(22)が凝縮器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。一方、冷房運転では、図1に示す冷媒回路において、室外熱交換器(5)が凝縮器として機能し且つ室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
〈室内ユニットの構成〉
以下で、上記室内ユニット(3)の構成を図2及び図3に基づいて詳しく説明する。
図2に示すように、上記室内ユニット(3)は、上記室内ファン(21)や室内熱交換器(22)を備えた本体ユニット(10)と、該本体ユニット(10)の室内側に配置された掃除ユニット(100)と、該掃除ユニット(100)の室内側を覆う化粧パネル(11)とを備えている。すなわち、上記室内ユニット(3)は、上記図2に示すように、上から順に、上記本体ユニット(10)、掃除ユニット(100)及び化粧パネル(11)が積層されてなる。
上記本体ユニット(10)は、室内に向かって開口するように設置される箱状の本体ケーシング(18)を備えていて、この本体ケーシング(18)内には、室内ファン(21)、室内熱交換器(22)、ドレンパン(23)及びベルマウス(24)が配設されている。
上記本体ケーシング(18)の内面には、断熱材(17)が積層されている。また、上記本体ケーシング(18)は、後述のとおり、その開口側が室内側に位置付けられるように、天井裏の天井面から吊り支持されている。
上記室内ファン(21)は、いわゆるターボファンである。上記図2に示すように、室内ファン(21)は、本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)の中央付近に配置され、化粧パネル(11)の吸込口(13)の上側に位置している。上記室内ファン(21)は、ファンモータ(21a)と羽根車(21b)とを備えている。ファンモータ(21a)は、本体ケーシング(18)の天板に固定されている。羽根車(21b)は、ファンモータ(21a)の回転軸に連結されている。
上記室内ファン(21)の下側には、上記吸込口(13)に連通するようにベルマウス(24)が設けられている。このベルマウス(24)は、上記図2に示すように、室内ユニット(3)内において、室内熱交換器(22)の上流側の空間を室内ファン(21)側と吸込グリル(12)側とに区画している。上記ベルマウス(24)を設けることによって、上記室内ファン(21)により該ベルマウス(24)の下方から吸い込まれた空気は、該ベルマウス(24)の上方で周方向に吹き出される。
また、上記ベルマウス(24)及びドレンパン(23)によって構成される本体仕切板には、直方体状の本体ケーシング(18)の4隅のうち一つの隅部に対応する位置に、開口が形成されている。この開口が、後述する導入用ダクト(86)の導入口(86d)を構成する(図11参照)。
なお、上記開口は、掃除ユニット(100)のない室内ユニット(3)の場合(本体ユニット(10)のみ)には、室内ファン(21)の吹き出し空気が漏れないように、下側から閉鎖カバーによって塞がれている(図示省略)。
上記室内熱交換器(22)は、平面視でロ字状に形成され、上記本体ケーシング(18)内に上記室内ファン(21)を囲むように配置されている。この室内熱交換器(22)では、上記室内ファン(21)によって送られる室内空気(吹き出し空気)と該熱交換器(22)内を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。
上記ドレンパン(23)は、上記室内熱交換器(22)の下側に設けられている。このドレンパン(23)は、上記室内熱交換器(22)において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。上記ドレンパン(23)には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。また、上記ドレンパン(23)は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がつけられている。
上記掃除ユニット(100)は、平面視で略矩形状のチャンバケーシング(101)内に、円形状のエアフィルタ(30)、塵埃除去機構(50)(塵埃除去部)、塵埃搬送機構(80)、塵埃捕集箱(90)(塵埃捕集部)等が配設されたものである。すなわち、上記掃除ユニット(100)は、詳しくは後述するように、室内ファン(21)の吸込側に位置するエアフィルタ(30)に付着した塵埃を塵埃除去機構(50)によって除去するとともに、除去した塵埃を塵埃搬送機構(80)によって塵埃捕集箱(90)内に搬送し、該塵埃捕集箱(90)内に貯留するように構成されている。
上記チャンバケーシング(101)は、平面視で上記本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)と同じ大きさに形成されていて、上記図2に示すように、該本体ケーシング(18)との間にシール部材(102)を挟んだ状態で該本体ケーシング(18)の室内側に配置されている。また、上記チャンバケーシング(101)の室内側には、シール部材(103)を挟んで化粧パネル(11)が取り付けられている。
また、上記チャンバケーシング(101)には、各辺に沿うように空気通路(101a)が4つ形成されている。各空気通路(101a)は、上記本体ユニット(10)において、室内熱交換器(22)の外方に形成される本体ケーシング(18)内の空間に連通するように設けられていて、該室内熱交換器(22)で冷媒と熱交換をした後の空気が室内側に向かって流れるように構成されている。すなわち、上記チャンバケーシング(101)の空気通路(101a)内を流れた空気は、上記化粧パネル(11)に形成された吹出口(14)から室内空間へ供給される。なお、上記図2に示すように、上記チャンバケーシング(101)において上記空気通路(101a)の内側を形成する部分は、シール部材(104)を介して上記本体ユニット(10)のドレンパン(23)を下方から支持している。
上記化粧パネル(11)は、図3に示すように、平面視で矩形の板状に形成されている。また、上記図2に示すように、上記化粧パネル(11)は、その平面視形状が、本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)や掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)の平面視形状よりも一回り大きくなるように形成されている。上述のとおり、上記化粧パネル(11)は、シール部材(103)を間に挟んだ状態でチャンバケーシング(101)の下側を覆うように取り付けられ、これにより、該化粧パネル(11)は、上記図3に示す状態で室内側に露出することになる。
また、上記化粧パネル(11)には、上記図3に示すように、1つの吸込口(13)と4つの吹出口(14,14,…)とが形成されている。上記吸込口(13)は、化粧パネル(11)の中央部に略矩形状に形成されていて、スリット部(12a)を有する吸込グリル(12)が嵌め込まれている。上記各吹出口(14)は、細長い矩形状に形成されていて、上記掃除ユニット(100)の空気通路(101a,101a,…)に対応して上記化粧パネル(11)の各辺に沿うように設けられている。そして、各吹出口(14)には、風向調整板(15)が設けられている(図2及び図3参照)。この風向調整板(15)は、回動して風向(吹出方向)を調整するように構成されている。
上記吸込グリル(12)は、その中央部分にスリット状の複数の開口が形成されたスリット部(12a)を有するカバー部材であり、上記化粧パネル(11)の吸込口(13)を覆うように取り付けられている。また、この吸込グリル(12)には、掃除機のノズルを挿入するためのノズル挿入部(110)が設けられている。このノズル挿入部(110)は、上記掃除ユニット(100)の塵埃捕集箱(90)内に貯留された塵埃を掃除機によって回収できるように、該掃除機のノズルを挿入可能に構成されている。
さらに、上記化粧パネル(11)には、後述するように、上記掃除ユニット(100)の塵埃捕集箱(90)内に所定量以上の塵埃が貯留された場合や、塵埃除去機構(50)によってエアフィルタ(30)に付着した塵埃を除去している場合などに点灯するLED(16)が設けられている。
〈掃除ユニットの構成〉
次に、上記掃除ユニット(100)内の構成について主に図4〜図12に基づいて詳しく説明する。
上述のとおり、上記掃除ユニット(100)は、平面視で略矩形状のチャンバケーシング(101)内に、エアフィルタ(30)、塵埃除去機構(50)、塵埃搬送機構(80)及び塵埃捕集箱(90)などが配置されてなるもので、上記本体ユニット(10)の室内ファン(21)の吸込口の下方に位置する上記エアフィルタ(30)を清掃するためのユニットである。
また、上記掃除ユニット(100)には、上記ベルマウス(24)の下方を覆うように仕切板(25)が設けられている。この仕切板(25)は、例えば図2に示すように、上記ベルマウス(24)と上記吸込グリル(12)との間の空間を上下に仕切っている。つまり、上記仕切板(25)は、室内熱交換器(22)の上流側空間をベルマウス(24)を含む室内熱交換器(22)側と吸込グリル(12)側とに区画している。
上記仕切板(25)の中央には、図2や図5に示すように、吸込口(13)から吸い込まれた空気がベルマウス(24)へ流入するための通気孔(26)が形成されていて、この通気孔(26)を下方から覆うように、エアフィルタ(30)が配置されている。すなわち、上記仕切板(25)は、掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)の側壁内面と、上記エアフィルタ(30)との間を塞ぐように設けられていて、これにより、上記吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)を必ず通過するようになっている。したがって、上記仕切板(25)を設けることによって、その上流側の空気中に含まれる塵埃が、エアフィルタ(30)に捕捉されることなく該仕切板(25)の下流側に流れ込むのを防止することができる。
図5に示すように、上記仕切板(25)に設けられた通気孔(26)は、径方向に延びる4つの径方向梁部(27)によって内部を扇形に仕切られている。各径方向梁部(27)は、互いに上記通気孔(26)の円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸(28)が下方に突出形成されている。このフィルタ回転軸(28)は、上記エアフィルタ(30)が回転するための回転軸である。また、上記径方向梁部(27)のうちの一つには、上記エアフィルタ(30)を塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)に対して上から押さえつけるためのフィルタ押さえ(29)が2つ設けられている。
上記図5に示すように、上記エアフィルタ(30)は、仕切板(25)の通気孔(26)の下方に配置され、上記ベルマウス(24)及び通気孔(26)よりも大径の円板状に形成されている。具体的には、上記エアフィルタ(30)は、環状のフィルタ本体(31)とメッシュ部材(37)とを備えている。このフィルタ本体(31)の外周面には、ギア部(32)が設けられている一方、フィルタ本体(31)の中心部には、径方向に放射状に延びる6つの径方向リブ(34)によって支持される円筒状の軸挿通部(33)が設けられている。つまり、各径方向リブ(34)は、軸挿通部(33)から放射状に延びて上記フィルタ本体(31)に接続している。また、上記フィルタ本体(31)の内側には、該フィルタ本体(31)と同心に配置された環状の内側周方向リブ(35)及び外側周方向リブ(36)が設けられている。この外側周方向リブ(36)は、内側周方向リブ(35)よりも大径に形成されている。ここで、図6に示すように、上記軸挿通部(33)は、その内径が上記仕切板(25)に形成されたフィルタ回転軸(28)や、後述する止めネジ(28a)の頭部よりも大径に形成されている。
上記メッシュ部材(37)は、フィルタ本体(31)の内側全体に張られている。吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)を通過してベルマウス(24)へ流入する。その際、空気中の塵埃が上記メッシュ部材(37)に捕捉される。
また、上記エアフィルタ(30)は、上述したフィルタ押さえ(29)が環状の各周方向リブ(35,36)の上面に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ(30)が後述する塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)に押さえ付けられる。したがって、この構成により、塵埃除去機構(50)による塵埃の除去効率の向上を図ることができる。
図5及び図6に示すように、上記エアフィルタ(30)は、軸挿通部(33)が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に対して回転可能に嵌め込まれる。上記エアフィルタ(30)の下方には、塵埃除去機構(50)の塵埃貯留容器(60)が配置されており、該エアフィルタ(30)がフィルタ回転軸(28)に嵌め込まれた状態で、後述する上記塵埃貯留容器(60)のフィルタ取付部(68)と仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)とが止めネジ(28a)によって固定されている。これにより、仕切板(25)と塵埃貯留容器(60)との間にエアフィルタ(30)が挟み込まれた状態で保持される。
上記エアフィルタ(30)の近傍には、図4及び図7に示すように、該エアフィルタ(30)を回転駆動するためのフィルタ駆動部(40)が設けられている。このフィルタ駆動部(40)は、上記図7に示すように、フィルタ駆動モータ(41)及びリミットスイッチ(44)を備えている。フィルタ駆動モータ(41)の駆動軸には、駆動ギア(42)が設けられ、該駆動ギア(42)がエアフィルタ(30)のギア部(32)と噛み合っている。駆動ギア(42)の一端面(図の例では下面)には、突片であるスイッチ作動部(43)が設けられている。このスイッチ作動部(43)は、駆動ギア(42)の回転によりリミットスイッチ(44)のレバー(44a)に当接することで該レバー(44a)を動かすようになっている。このレバー(44a)が動作すると、それをリミットスイッチ(44)が検知するように構成されている。つまり、上記スイッチ作動部(43)及びリミットスイッチ(44)は、上記駆動ギア(42)の回転を検出するように構成されていて、これにより、該駆動ギア(42)の回転数に応じて上記塵埃除去機構(50)を動作させる時期を検出したり、該駆動ギア(42)が回転していない場合の異常検知を行ったりすることが可能となる。
次に、上記掃除ユニット(100)内に設けられた、上記塵埃除去機構(50)、塵埃量検出機構(70)、塵埃搬送機構(80)及び塵埃捕集箱(90)について、図8〜図12を参照しながら説明する。
上記塵埃除去機構(50)は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するためのものである。この塵埃除去機構(50)は、例えば図8及び図10に示すように、ブラシ部材である回転ブラシ(51)(塵埃除去ブラシ)及び清掃用ブラシ(52)と、ブラシ駆動部(53)と、除去した塵埃を集めておくための塵埃貯留容器(60)とを備えている。上記図10に示すように、上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)は、塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)に配置されている。
上記回転ブラシ(51)は、細長い略円筒状のシャフト(51a)(本体部)と、該シャフト(51a)の外周面に設けられたブラシ部(51b)とを備えている。このブラシ部(51b)は、複数の植毛によって構成されている。そして、上記ブラシ部(51b)は、シャフト(51a)外周面の周方向の一部分に、該シャフト(51a)の軸方向に亘って設けられている。
また、上記回転ブラシ(51)は、上記ブラシ駆動部(53)によって可逆に回転駆動される。該ブラシ駆動部(53)は、図8及び図9に示すように、ブラシ駆動モータ(54)と、互いに噛み合う駆動ギア(55)及び従動ギア(56)とを備えている。駆動ギア(55)はブラシ駆動モータ(54)の駆動軸に接続され、従動ギア(56)は回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の端部に接続されている。この構成により、上記ブラシ駆動モータ(54)の回転が駆動ギア(55)及び従動ギア(56)を介して回転ブラシ(51)に伝達され、該回転ブラシ(51)が回転駆動される。
上記清掃用ブラシ(52)は、図10に示すように、回転ブラシ(51)の一側に、該回転ブラシ(51)と接触可能に配置されている。上記清掃用ブラシ(52)は、板状の本体部(52a)と、該本体部(52a)の表面上に配設されたブラシ部(52b)(除去用ブラシ)と、該本体部(52a)を上記塵埃貯留容器(60)に対して弾性支持するバネ部(52c)とを備えている。上記本体部(52a)の上部は、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の外周面に沿うように略円弧状に形成されている。この本体部(52a)の円弧状の上部には、該本体部(52a)の長さ方向に亘ってブラシ部(52b)が設けられている。上記バネ部(52c)は、板ばねによって構成されていて、その一方の端部が上記本体部(52a)の下端に接続されている一方、他方の端部が上記塵埃貯留容器(60)の内壁に接続されている。つまり、上記本体部(52a)は、その下端部を上記バネ部(52c)によって支持されている。
すなわち、上記清掃用ブラシ(52)は、後述するように、上記回転ブラシ(51)が回転すると、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)が清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に接触して、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に付着した塵埃を除去するように構成されている。
上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)は、それぞれ、円形状のエアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さになるように形成されていて、エアフィルタ(30)の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。すなわち、図4に示すように、上記塵埃除去機構(50)は、上記エアフィルタ(30)の径方向に延びるように配置されている。
以上の構成により、上記回転ブラシ(51)がブラシ駆動部(53)によって回転すると、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)は、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)と接触し、該清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)から塵埃が除去される。つまり、上記清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)から塵埃を除去して該回転ブラシ(51)を清掃するためのものであり、上記ブラシ駆動部(53)は、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉された塵埃を上記清掃用ブラシ(52)にこすり付けるように該回転ブラシ(51)を回転させるためのものである。
また、上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の各ブラシ部(51b,52b)は、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であり、毛足が比較的短い。また、このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
具体的には、上記回転ブラシ(51)におけるブラシ部(51b)の毛並みは、図10においてシャフト(51a)から右側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ部(51b)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向(図中の左方向)に対向するように傾斜している。このように、エアフィルタ(30)がブラシ部(51b)の毛並みに対向するように回転すると、メッシュ部材(37)に捕捉された塵埃が効率よく掻き出される。
また、清掃用ブラシ(52)におけるブラシ部(52b)の毛並みは、図10において本体部(52a)から斜め下側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ部(52b)の毛並みは、回転ブラシ(51)が上記図10において反時計回りに回転する際に、その回転方向に対向するように傾斜している。これにより、上記回転ブラシ(51)が上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)の毛並みに対向するように回転することで、該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に付着している塵埃を上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)で除去することが可能となる。
すなわち、上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)の各ブラシ部(51b,52b)は、互いに接触した状態(図15(D)の状態)で、塵埃貯留容器(60)の内方に向かって延びるように設けられている。これにより、上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)の各ブラシ部(51b,52b)に付着する塵埃を塵埃貯留容器(60)の内方へより確実に落とすことができる。
なお、これら回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の塵埃除去動作については、後で詳述する。
上記塵埃貯留容器(60)は、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃を集めて一時的に貯留するためのものである。詳しくは後述するが、この塵埃貯留容器(60)は、図10に示すように、側面視(図8において右側から視た場合)で上側部分が下側部分に対して側方に膨出した、やや逆くの字に屈曲している柱状の容器である。そして、上記塵埃貯留容器(60)は、上側部分がエアフィルタ(30)の塵埃を除去するための回転ブラシ(51)等が配設される除去部(61)であり、下側部分が該回転ブラシ(51)によってエアフィルタ(30)から除去された塵埃を貯留するための貯留部(62)となっている。
後述するように、上記貯留部(62)は、筒状に形成されていて、その長手方向の両端部(66,67)が開口している(図8、図9、図12参照)。そして、この貯留部(62)の第1端部(66)には、後述する塵埃搬送機構(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、後述する塵埃搬送機構(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。
また、上記図10に示すように、上記塵埃貯留容器(60)には、貯留部(62)に貯留された塵埃量を検出するための塵埃量検出機構(70)が設けられている。この塵埃量検出機構(70)は、センサボックス(71)内に収納された発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)を備えている。上記センサボックス(71)は、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)の第2端部(67)寄りに、該貯留部(62)の横断方向に延び且つその底部を覆うように設けられている(図5、図8、図9参照)。上記発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)は、上記センサボックス(71)内に、上記貯留部(62)をその横断方向に挟んで対向配置されている。一方、上記貯留部(62)の壁面には、上記発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)にそれぞれ対応して、第1透明窓(64)及び第2透明窓(65)が設けられている。
以上の構成により、上記塵埃量検出機構(70)において、発光LED(72)で生じた光は、第1透明窓(64)及び第2透明窓(65)を順に透過した後、フォトトランジスタ(73)によって光度が検出される。このフォトトランジスタ(73)によって検出された光度に応じて、貯留部(62)における塵埃の貯留量(すなわち、充填度)を検出することができる。すなわち、塵埃の貯留量が少ないと、上記貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率が高くなり、上記フォトトランジスタ(73)によって検出される光度が高くなる。逆に、塵埃の貯留量が多いと、上記貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率が低くなり、上記フォトトランジスタ(73)によって検出される光度が低くなる。したがって、この塵埃量検出機構(70)によれば、例えば、光度が所定値以下になると、貯留部(62)の貯留量が多いと判断することができる。これにより、後述する塵埃搬送機構(80)によって貯留部(62)内の塵埃を搬送する塵埃搬送動作を行った後でも、上記塵埃量検出機構(70)によって上記貯留部(62)内の塵埃の貯留量が多いと検出された場合には、塵埃の搬送先である塵埃捕集箱(90)内が満杯であると判断することが可能になる。
また、上述のように、上記塵埃量検出機構(70)を、搬送用ダクト(88)に繋がる上記貯留部(62)の第2端部(67)寄りに設けることで、塵埃が該搬送用ダクト(88)内を搬送されて塵埃捕集箱(90)内に集められる際に、該第2端部(67)で塵埃が詰まったりした場合でも、その状態を検出することが可能になる。すなわち、本実施形態のような構成では、上記搬送用ダクト(88)との接続部分である上記貯留部(62)の第2端部(67)周辺で最も塵埃が詰まり易くなるが、この部分に上記塵埃量検出機構(70)を設けることにより、塵埃の詰まりをより確実に検出することが可能になる。
上記塵埃搬送機構(80)は、例えば、図4、図5、図8、図11及び図12に示すように、上述したダンパボックス(81)及び搬送用ダクト(88)と、導入用ダクト(86)と、吸引用ダクト(87)とを備えている。
上記ダンパボックス(81)は、直方体状に形成されていて、その長手方向の一端側が上記貯留部(62)の第1端部(66)に接続されている。図11及び図12に示すように、上記ダンパボックス(81)内には、開閉部材であるダンパ(82)が設けられている。このダンパ(82)が閉まると、ダンパボックス(81)の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス(81)の内部空間は、上記ダンパ(82)によって、他端側の第1室(81a)と一端側である塵埃貯留容器(60)側の第2室(81b)とに区画される。上記ダンパボックス(81)の一端側に区画形成される上記第2室(81b)には、上述したように、貯留部(62)の第1端部(66)が接続されていて、該第2室(81b)と貯留部(62)とが連通している。
図9や図12に示すように、上記塵埃搬送機構(80)は、ダンパ(82)を開閉駆動するためのダンパ駆動モータ(83)と駆動ギア(84)と従動ギア(85)とを備えている。この駆動ギア(84)はダンパ駆動モータ(83)の駆動軸に接続されていて、上記従動ギア(85)は、ダンパ(82)の回動軸に接続されている。そして、これらの駆動ギア(84)及び従動ギア(85)は、互いに噛み合うように配置されている。この構成により、上記ダンパ駆動モータ(83)の回転は、各ギア(84,85)を介してダンパ(82)の回動軸に伝達される。これにより、上記ダンパ駆動モータ(83)の回転によって上記ダンパ(82)が回動軸を中心に回動する、開閉動作が行われる。
図11に示すように、上記導入用ダクト(86)は、その一端側が上記ダンパボックス(81)の上面に接続されていて、該ダストボックス(81)内の第1室(81a)に連通している。一方、上記導入用ダクト(86)の他端側は、ダンパボックス(81)から鉛直上方に延びて、掃除ユニット(100)と本体ユニット(10)との間に設けられた仕切板(25)を貫通し、該本体ユニット(10)のドレンパン(23)の延出部に接続されている。上記導入用ダクト(86)は、円形状の横断面を有する上流側ダクト(86a)及び下流側ダクト(86b)を備えていて、これらの2つの部材(86a,86b)が止めネジ(86c)によって上下方向に連結されている。
上記上流側ダクト(86a)は、その横断面積(流路面積)が上記下流側ダクト(86b)の横断面積(流路面積)よりも大きくなるように形成されている。この下流側ダクト(86b)の下端(図11における下側)は、ダンパボックス(81)の上面に接続されている一方、上記上流側ダクト(86a)の上端(図11における上側)は、ドレンパン(23)の水平に延びる延出部にシール部材(86e)を介して当接している。このドレンパン(23)の延出部には、貫通孔である導入口(86d)が形成されている。そして、この導入口(86d)を通じて、上流側ダクト(86a)が室内ファン(21)側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト(86)は、室内ファン(21)の吹き出し空気をダンパボックス(81)内へ導入するように構成されている。
また、上記導入用ダクト(86)は、上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)の貫通部に位置している。具体的には、上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むように、両ダクト(86a,86b)が連結されている。この構成により、上記導入用ダクト(86)が脱落しないように上記仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込みつつ、該導入用ダクト(86)の上端をドレンパン(23)の延出部に接続させることが可能になる。
さらに、上述のように、上記上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むような構成にすることで、該上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)に対して回動可能になる。しかも、本実施形態では、上記上流側ダクト(86a)と上記シール部材(86e)との当接部分も回動可能に構成されているため、上記導入用ダクト(86)、ダンパボックス(81)及び塵埃除去機構(50)は、導入用ダクト(86)の軸心(導入口)を中心にして一体で回動できるようになる。
上記吸引用ダクト(87)は、例えば図8や図12に示すように、流入側である一端が上記ダンパボックス(81)の一端側の下面に接続されていて、該ダンパボックス(81)内の第2室(81b)に連通している。一方、上記吸引用ダクト(87)の流出側である他端は、化粧パネル(11)に形成されたノズル挿入部(110)に接続されている。このノズル挿入部(110)は、特に図示しないが、掃除機のノズルを挿入して吸引するための開口を有している。
上記搬送用ダクト(88)は、図2及び図4に示すように、一端が塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)の第2端部(67)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱(90)に接続されている。この搬送用ダクト(88)によって、上記塵埃貯留容器(60)と塵埃捕集箱(90)とを連通させることができ、該搬送用ダクト(88)内での塵埃の搬送が可能になる。なお、上記搬送用ダクト(88)はフレキシブルチューブによって構成されている。
上述のような構成を有する塵埃搬送機構(80)において、冷暖房を行う通常運転の場合、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)は閉じられている(図12(A)参照)。これにより、室内ファン(21)の吹き出し空気はダンパボックス(81)の第2室(81b)へ導入されない。一方、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送する場合には、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開く(図12(B)参照)。これにより、上記室内ファン(21)の吹き出し空気が導入用ダクト(86)及びダンパボックス(81)を介して上記塵埃貯留容器(60)内へ導入される。その結果、該塵埃貯留容器(60)内の塵埃は、導入された空気と共に上記搬送用ダクト(88)を流れて上記塵埃捕集箱(90)内へ搬送される。つまり、上述のように、上記ダンパボックス(81)内のダンパ(82)を開くことにより、室内ファン(21)の吹き出し空気を利用して上記塵埃貯留容器(60)の塵埃を該塵埃貯留容器(60)内から排出して所定位置まで搬送することができる。
さらに、上記塵埃搬送機構(80)では、上記塵埃捕集箱(90)内に捕集された塵埃をケーシング(101)外へ排出する場合も、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)は閉じられている(図12(C)参照)。この場合には、詳しくは後述するように、掃除機によってノズル挿入部(110)から吸引することで、上記塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、ダンパボックス(81)及び吸引用ダクト(87)を通じて掃除機に吸引される。
上記塵埃捕集箱(90)は、上述のとおり、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃が搬送されて貯留されるものである。この塵埃捕集箱(90)は、例えば図4に示すように、やや細長い略直方体状に形成され、上記塵埃貯留容器(60)と同様に仕切板(25)の下方に配置されている。そして、上記塵埃捕集箱(90)は、平面視でエアフィルタ(30)と重ならないように、該エアフィルタ(30)の側方で且つ上記仕切板(25)の一端辺に沿って配置されている。また、上記塵埃捕集箱(90)は、上記エアフィルタ(30)との干渉を確実に防止するために、該エアフィルタ(30)側の側板が、該エアフィルタ(30)の外周に対応して円弧状に形成されている。
また、上記塵埃捕集箱(90)は、一方の端部(一側部)の側面に流入口(94)が形成されていて、該流入口(94)に上記搬送用ダクト(88)の他端側が接続されている。一方、上記塵埃捕集箱(90)の他方の端部(他側部)には、掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)内に開口する排気口(91)が設けられている。すなわち、上記塵埃捕集箱(90)は、搬送用ダクト(88)が接続される側とは反対側の端部に排気口(91)が設けられていて、その内部を長手方向に空気が流れやすい構成になっている。なお、上記塵埃捕集箱(90)は、排気口(91)側の部分が他の部分よりも断面積が小さくなっている。
また、上記塵埃捕集箱(90)内には、上記排気口(91)寄りにフィルタ(92)が設けられている。このフィルタ(92)を設けることで、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)内に塵埃を搬送する際に、空気は排気口(91)から排出される一方、搬送された塵埃は上記フィルタ(92)に捕捉されて排気口(91)から流出することはない。また、掃除機による吸引によって塵埃捕集箱(90)から塵埃が排出される場合には、室内空気が上記排気口(91)を通じて該塵埃捕集箱(90)内に流入するが、流入した空気中の塵埃は上記フィルタ(92)によって捕捉される。
上述のように、上記排気口(91)による給排気によって塵埃捕集箱(90)内の圧力バランスが適切になるので、該塵埃捕集箱(90)に対する塵埃の搬送動作及び排出動作が適切に行われる。
〈塵埃貯留容器の構成〉
以下で、塵埃貯留容器(60)の構成について図8及び図10に基づいて詳細に説明する。
既述のとおり、上記塵埃貯留容器(60)は、図10に示すように、側面視(図8において右側から見た場合)で上側部分が下側部分に対して側方に膨出した、やや逆くの字に屈曲した形状を有している。そして、上記塵埃貯留部(60)の上側部分が、塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)が配置される除去部(61)であり、該塵埃貯留部(60)の下側部分が、該塵埃除去機構(50)によって除去された塵埃を貯留するための貯留部(62)となっている。
具体的には、上記除去部(61)の上面には、その長手方向に延びるようにブラシ用開口(63)(開口部)が形成されていて、上述したようにそのブラシ用開口(63)内に塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)が配置されている。
なお、特に図示しないが、上記除去部(61)には、上記ブラシ用開口(63)の回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)との隙間を塞ぐように、シール部材が設けられている。このように、シール部材を設けることで、塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)の隙間から該塵埃貯留容器(60)内の塵埃が外部へ飛散するのを防止できる。
また、例えば図8に示すように、上記除去部(61)の一側面に上述したフィルタ取付部(68)が設けられている。このフィルタ取付部(68)は、上記貯留部(62)よりも側方に膨出した除去部(61)の膨出方向に開口するように、平面視で略U字状に突出形成されたものである。また、上記フィルタ取付部(68)は、図6に示すように、その略U字状の内側の幅寸法が、仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に螺合する止めネジ(28a)のネジ部の直径よりも大きく、該フィルタ回転軸(28)の直径よりも小さくなるように形成されている。
これにより、上記図6に示すように、上記フィルタ取付部(68)と仕切板(25)の径方向梁部(27)との間にエアフィルタ(30)を挟み込んだ状態で、上記止めネジ(28a)をフィルタ回転軸(28)に螺合させることで、該エアフィルタ(30)をフィルタ取付部(68)及び仕切板(25)に対して固定することができる。そして、上記エアフィルタ(30)を取り外す際には、上記止めネジ(28a)を緩めて、上記フィルタ取付部(68)の形成された塵埃貯留容器(60)を上記除去部(61)の膨出方向とは反対側(フィルタ取付部(68)の開口方向とは反対側)に回動させることで、上記フィルタ回転軸(28)に止めネジ(28a)が螺合した状態でエアフィルタ(30)の下側の押さえである上記フィルタ取付部(68)のみを該エアフィルタ(30)の軸挿通部(33)の下方から移動させることができる。そして、上述のとおり、上記エアフィルタ(30)の軸挿通部(33)は、その内径が上記仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)や止めネジ(28a)よりも大径に形成されているため、該エアフィルタ(30)を下方から取り外すことができる。
以上のようなエアフィルタ(30)の取り付け構造にすることで、上記止めネジ(28a)を外すことなく、容易にエアフィルタ(30)を取り外すことができる。
上記貯留部(62)は、例えば図8及び図10に示すように、断面視で下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その貯留部(62)の円弧部には、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が貯留される。また、上記貯留部(62)は、既述のとおり、筒状に形成されていて、その長手方向の両端部(66,67)が開口している。この貯留部(62)の第1端部(66)には、上記塵埃搬送機構(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、上記塵埃搬送機構(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。
これにより、上記貯留部(62)の内部は、上記ダンパボックス(81)を介して室内ファン(21)の吹き出し側に連通するとともに、上記搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)に連通している。すなわち、上記貯留部(62)の円弧部の内部は、塵埃搬送機構(80)の空気通路(62a)を構成している。
ここで、上記塵埃貯留容器(60)は、上述のとおり、上側部分が下側部分に対して側方に膨出した、やや逆くの字に屈曲した形状を有しているため、上記図10に示すように、上記空気通路(62a)の空気の流れ方向から視て、上記貯留部(62)内に形成される空気通路(62a)と、上記除去部(61)内の塵埃除去機構(50)とが横方向にずれた状態となる。
ところで、本実施形態のように、エアフィルタ(30)に付着した塵埃を回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉し、該ブラシ部(51b)に捕捉された塵埃を清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)によって除去する構成では、上記図10に示すように、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部に塵埃が帯状に連なる可能性がある。このように帯状に連なった塵埃は、上記回転ブラシ(51)から鉛直下方に垂れ下がるため、上述のように、該回転ブラシ(51)と上記貯留部(62)内の空気通路(62a)とが横方向にずれている構成では、塵埃を空気の流れが早い空気通路(62a)の内方に位置付けるのが難しい。すなわち、帯状に連なった塵埃は、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)から鉛直下方に垂れて、上記塵埃貯留容器(60)の内面に沿うように貯留部(62)内に収納される。そうすると、上記空気通路(62a)内の空気の流れでは、塵埃をほとんど搬送することができず、上記貯留部(62)内に塵埃が滞留してしまう。
これに対し、本実施形態では、上記塵埃貯留容器(60)の内面上に、帯状に連なった塵埃の一部を上記空気通路(62a)内で浮かせるように、該内面と一体に突出部(69)を設ける。具体的には、上記塵埃除去機構(50)の下方、すなわち、上記空気通路(62a)の塵埃量検出機構(70)によって塵埃量を検出する部分よりも塵埃除去機構(50)側の塵埃貯留容器(60)の内面に、断面略三角形の柱状の突出部(69)を設ける。この突出部(69)は、断面視で略三角形の頂点となる角部分(突出端部)が、上記塵埃が下方へ移動する際に通過する塵埃通路(60a)の内方に向かって突出し、且つ、上記塵埃除去機構(50)側の面が空気通路(62a)へ向かうほど下方に位置する斜面になるように形成されている。さらに、上記突出部(69)は、空気の流れ方向から視て、角部分が上記空気通路(62a)の外周部分に位置するように設けられている。
なお、上記突出部(69)の塵埃除去機構(50)側の面は、水平線に対してα=略15〜40度の角度で、且つ、上記塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)との間に塵埃が通過可能な隙間が形成されるように設けられている。この角度は、塵埃の移動などを考慮すると、より好ましくはα=略20〜30度である。また、断面三角形の上記突出部(69)のもう一面は、水平線に対してβ=略70〜150度の角度を有している。
上述のように、上記塵埃除去機構(50)の下方に突出部(69)を設けることにより、該塵埃除去機構(50)の回転ブラシ(51)によって除去された塵埃が帯状に連なった場合に、該塵埃の端部を、突出部(69)によって上方に持ち上げて上記空気通路(62a)内で浮いた状態にすることができる。これにより、帯状の塵埃は、空気通路(62a)内の空気の流れによって力を受けると、上記突出部(69)の角部分で引っ掛かって、当該部分でちぎれる。したがって、帯状に連なった塵埃を、上記空気通路(62a)内の空気の流れによってちぎって、効率良く搬送することができる。
また、上記突出部(69)を設けることで、後述するように回転ブラシ(51)の回転に伴って帯状に連なった塵埃が移動する際にも、該塵埃が突出部(69)の角部分に引っ掛かってちぎれやすくなる。
しかも、上記突出部(69)は、上記塵埃除去機構(50)側の面が空気通路(62a)へ向かうほど下方に位置する斜面になるように形成されているため、該突出部(69)の塵埃除去機構(50)側の面上に位置する帯状の塵埃は、上記空気通路(62a)側へ容易に移動する。これにより、帯状の塵埃の一部を、空気通路(62a)内へより確実に移動させることができ、該空気通路(62a)内でより確実に浮かせた状態にすることができる。
また、上記突出部(69)の角部分は、上記空気通路(62a)の外周部分に位置しているため、該突出部(69)上に位置する帯状の塵埃は、その先端側が該空気通路(62a)内により確実に位置付けられることになる。したがって、帯状の塵埃を空気通路(62a)内の空気の流れによってより確実にちぎって搬送することができる。
また、上記突出部(69)は、上記塵埃貯留容器(60)の内面に一体形成されているため、別部材によって突出部(69)を構成する必要がなくなり、その分、該突出部(69)の製造コスト(例えば金型のコストや組み付け作業のコストなど)を低減できる。
さらに、上記突出部(69)を、空気の流れ方向から視て、上記空気通路(62a)の塵埃量検出機構(70)によって塵埃量を検出する部分よりも塵埃除去機構(50)側の塵埃貯留容器(60)の内面に設けることにより、貯留部(62)の透明窓(64,65)内面に帯状の塵埃が位置して該塵埃量検出機構(70)によって塵埃量が誤検出されるのを防止できる(図10参照)。すなわち、上記突出部(69)によって、帯状の塵埃の先端部分を持ち上げて上記空気通路(62a)内に位置付けることができるため、貯留部(62)の壁面の一部を構成する透明窓(64,65)上に塵埃が位置付けられるのを防止することができ、上記塵埃量検出機構(70)によって塵埃量が誤検出されるのを防止できる。
−運転動作−
次に、上記室内ユニット(3)における運転動作について図12から図15を参照しながら説明する。上記室内ユニット(3)は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ(30)の清掃を行うフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
〈通常運転〉
通常運転では、ダンパボックス(81)のダンパ(82)を閉じた状態にする(図12(A)の状態)。エアフィルタ(30)は、回転していない停止状態とする。
この状態において、室内ファン(21)が駆動される。そうすると、室内ユニット(3)では、吸込口(13)から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ(30)を通過してベルマウス(24)内へ流入する。空気がエアフィルタ(30)を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)に捕捉される。ベルマウス(24)に流入した空気は室内ファン(21)から吹き出される。この吹き出し空気は、室内熱交換器(22)の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口(14)から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。この運転では、図12(A)に示すように、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられているため、室内ファン(21)の吹き出し空気がダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入されることはない。
〈フィルタ清掃運転〉
フィルタ清掃運転では、図1に示す冷媒回路において圧縮機(4)が停止されて冷媒が循環しない状態となる。このフィルタ清掃運転では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」と「塵埃搬送動作」と「塵埃排出動作」とが切換可能に構成されている。なお、上記「塵埃除去動作」、「ブラシ清掃動作」及び「塵埃搬送動作」の間は、化粧パネル(11)に設けられたLED(16)が点灯するように構成されている。これにより、これらの動作を行っている旨をユーザーに対して報知することができる。
「塵埃除去動作」は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「ブラシ清掃動作」は、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「塵埃搬送動作」は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する動作である。「塵埃排出動作」は、塵埃捕集箱(90)から室内ユニット(3)外へ塵埃を排出する動作である。
本実施形態では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に行われる。
−塵埃除去動作−
まず「塵埃除去動作」では、室内ファン(21)が弱風を吹き出すように運転される。そして、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)をエアフィルタ(30)に接触させた状態で、該エアフィルタ(30)を、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛を逆立てるように回転移動させる(図13(B)及び図14(A)の白抜き矢印方向)。なお、このとき、回転ブラシ(51)は停止状態である。
そうすると、上記エアフィルタ(30)の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉される(図14(B))。ここで、例えば図14(A)に示すように、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向とは反対方向に傾斜しているため、該エアフィルタ(30)の塵埃が上記ブラシ部(51b)によって容易に掻き取られる。そして、フィルタ駆動部(40)のリミットスイッチ(44)のレバー(44a)が作動すると、フィルタ駆動モータ(41)が停止してエアフィルタ(30)の回転が停止する。つまり、エアフィルタ(30)は所定角度だけ回転して停止する。したがって、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)と接触した領域の塵埃が除去される。
−ブラシ清掃動作−
上述のように、上記エアフィルタ(30)の回転が停止すると、「塵埃除去動作」から「ブラシ清掃動作」に切り換わる。
ところが、エアフィルタ(30)の回転停止後では、図14(B)に示すように、塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の左側(すなわち、エアフィルタ(30)の回転方向前方側)に偏在している。これは、ブラシ部(51b)によって掻き取られた塵埃がエアフィルタ(30)の移動に伴って引きずられるからである。したがって、このままでは、塵埃の固まりが大きくなり、最終的に室内等へ落下してしまうおそれがある。
そこで、「ブラシ清掃動作」では、まず、図13(C)に示すように、エアフィルタ(30)がフィルタ駆動部(40)によって反時計回りに所望の角度だけ戻すように回転される。つまり、図15(A)にも示すように、エアフィルタ(30)は、上記「塵埃除去動作」時とは逆方向、すなわち回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛の延びる方向と略同じ方向(図中の白抜き矢印方向)に回転する。本実施形態では、エアフィルタ(30)を、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の幅に相当する角度だけ移動するように回転させる。
そうすると、図15(A)に示すように、回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の片側に偏っていた塵埃が上記エアフィルタ(30)によって該ブラシ部(51b)の広い範囲に広げられて均される。つまり、塵埃が上記ブラシ部(51b)の広い範囲により均一に付着する。これにより、塵埃が該ブラシ部(51b)により確実に付着するため、塵埃の固まりが室内等へ落下するのをより確実に防止することができる。
続いて、上記「ブラシ清掃動作」では、エアフィルタ(30)が停止した状態で、上記回転ブラシ(51)が図15において右回り(時計回り)に回転する。その際、上記回転ブラシ(51)は、ブラシ部(51b)に塵埃を捕捉したまま、該ブラシ部(51b)が清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)と接触するように回転する(図15(B))。上記回転ブラシ(51)は、所定の回転角度だけ回転した後、停止する。
その後、上記回転ブラシ(51)は、上述の回転方向とは逆回り(図15において左回り(反時計回り))に回転する。そうすると、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉されていた塵埃は、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に捕捉される(図15(C))。これは、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)の毛が下向き、すなわち回転ブラシ(51)の反時計回りの回転によって逆立つように傾斜して植毛されているため、該清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に付着した塵埃が掻き取られるからである。
上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)のブラシ部(51b,52b)同士が接触することによって、該清掃用ブラシ(52)の本体部(52a)が上記回転ブラシ(51)と離間する方向へ押されるが、該本体部(52a)はバネ部(52c)によって回転ブラシ(51)側へ付勢されているため、ブラシ部(51b,52b)同士が離隔することはなく、清掃用ブラシ(52)が適切に回転ブラシ(51)に押し付けられる。したがって、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)から塵埃をより確実に除去して、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に塵埃を捕捉することができる。なお、上記回転ブラシ(51)は、元の状態(図15(A)の状態)の位置まで回転して停止する。
続いて、上記回転ブラシ(51)は、再び右回り(時計回り)に所定の回転角度だけ回転する。そうすると、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に捕捉されていた塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)によって掻き取られる(図15(D))。すなわち、上記回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の毛が下側に向かって回転方向に沿うように傾斜しているため、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)から塵埃を掻き取ることができる。その際も、上記清掃用ブラシ(52)は、バネ部(52c)によって回転ブラシ(51)側に適切に押し付けられるため、該清掃用ブラシ(52)から塵埃をより確実に除去することができる。
ここで、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ部(52b)に付着した塵埃は、上記回転ブラシ(51)によって塵埃貯留容器(60)内に直接、掻き落とされるのではなく、上記回転ブラシ(51)が再び右回り(時計回り)に回転した際に該回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)の端部に付着する。これにより、塵埃は、該ブラシ部(51)の端部に帯状に連なった状態となる。
以上のような動作により、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃は除去され、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に貯留される。その後、回転ブラシ(51)は再び左回り(反時計回り)に回転して元の状態(図15(A))に戻り、「ブラシ清掃動作」が一旦終了する。
上述のような「ブラシ清掃動作」が終了すると、再び上述した「塵埃除去動作」が行われる。つまり、再びエアフィルタ(30)が回転され、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が再び作動するとエアフィルタ(30)が停止する。これにより、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)を通過した領域の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部(51b)に捕捉される。このように、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とを交互に繰り返すことにより、エアフィルタ(30)の所定領域毎に塵埃が除去されていく。そして、上記エアフィルタ(30)の全領域において塵埃が除去されると、「塵埃除去動作」及び「ブラシ清掃動作」が完全に終了する。例えば、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が所定回数作動すると、エアフィルタ(30)が1回転したと判断して上記動作が終了する。
このようにエアフィルタ(30)が1回転するまでブラシ清掃動作を繰り返すことにより、上記図15(D)に示すように、塵埃の種類によっては帯状に長くなり、該塵埃の先端部分は、下方に垂れて突出部(69)の塵埃除去機構(50)側の面に接触し、当該面に沿って空気通路(62a)内へ導かれる。すなわち、帯状に連なった塵埃の先端部分は、上記突出部(69)によって上記空気通路(62a)内に浮いた状態で位置付けられる。
しかも、上述のようなブラシ清掃動作を繰り返すことにより、回転ブラシ(51)が右回り及び左回り(図15において)を繰り返すため、帯状に連なった塵埃は、その延伸方向に往復動する。そのため、塵埃は上記突出部(69)の角部分に引っ掛かってちぎれやすくなる。
−塵埃搬送動作−
上述した「塵埃除去動作」及び「ブラシ清掃動作」時には、塵埃量検出機構(70)によって塵埃貯留容器(60)における塵埃貯留量が検出される。つまり、発光LED(72)による光の光度がフォトトランジスタ(73)によって検出される。そして、フォトトランジスタ(73)の検出光度が設定値(下限値)以下になると、塵埃貯留容器(60)における塵埃量が所定量に達したとして、「塵埃搬送動作」に切り換えられる。
「塵埃搬送動作」では、回転ブラシ(51)が図10の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開状態(図12(B)の状態)になる。この状態において、室内ファン(21)が駆動されることにより、室内ファン(21)の吹き出し空気は、導入用ダクト(86)及びダンパボックス(81)を介して塵埃貯留容器(60)内へ導入される。このとき、上述のように、帯状に連なった塵埃は、上記突出部(69)によって先端部分が空気通路(62a)内に位置付けられているため、該空気通路(62a)内の空気の流れによって力を受けると、上記突出部(69)の角部分に引っ掛かってちぎれる。このように、帯状に連なった塵埃がちぎれることにより、塵埃を上記空気通路(62a)内の空気の流れによって効率良く搬送することができる。
これにより、塵埃貯留容器(60)の塵埃が空気と共に搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)内へ搬送される。そうすると、上記塵埃貯留容器(60)において塵埃の貯留量が減少し、フォトトランジスタ(73)の検出光度が高くなる。そして、その検出光度が設定値(上限値)以上になると、塵埃貯留容器(60)における塵埃が殆ど排出されたとして、「塵埃搬送動作」が終了する。その後、「塵埃除去動作」または「ブラシ清掃動作」が再開される。
−塵埃排出動作−
本実施形態のフィルタ清掃運転では、所定条件によって「塵埃排出動作」が行われる。すなわち、上記「塵埃搬送動作」でダンパ(82)を開いた後に、発光LED(72)を点灯させて、その光度を検出し、光度が所定値よりも低ければ、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃が室内ファン(21)の吹き出し空気によって搬送されていない、すなわち、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)までの搬送路で塵埃が詰まっているか、若しくは該塵埃捕集箱(90)内に多量の塵埃が捕集されていると判断して、化粧パネル(11)のLED(16)を点灯させてユーザーにその旨を報知し、リモコン操作等に応じて、以下のような「塵埃排出動作」を行う。
「塵埃排出動作」では、上述した「塵埃搬送動作」と同様に、回転ブラシ(51)が図10の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉状態(図12(C)の状態)になる。
上述の状態において、ユーザーによって掃除機のノズルを化粧パネル(11)のノズル挿入部(110)に挿入した状態で、吸引動作を行う。この吸引動作により、塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、塵埃貯留容器(60)、ダンパボックス(81)、吸引用ダクト(87)及びノズル挿入部(110)を介して掃除機へ吸い込まれる。その際、塵埃貯留容器(60)内に残っていた塵埃も吸引用ダクト(87)を介して掃除機へ吸い込まれる。その結果、塵埃捕集箱(90)及び塵埃貯留容器(60)の塵埃が室内ユニット(3)外へ排出される。
−実施形態の効果−
以上より、この実施形態では、塵埃貯留容器(60)内の塵埃除去機構(50)の下方に、帯状に連なった塵埃の一部を塵埃貯留容器(60)内の空気通路(62a)に位置付けるように該塵埃貯留容器(60)の内方へ突出する突出部(69)を設けたため、帯状に連なった塵埃をちぎって該空気通路(62a)内の空気の流れによって搬送することが可能となる。
すなわち、上記空気通路(62a)内に一部が位置付けられる帯状の塵埃は、上記突出部(69)の角部分に引っ掛かった部位で該塵埃の往復動や空気通路(62a)内での空気の流れによって力を受けてちぎれ、上記空気通路(62a)内の空気の流れによって搬送される。また、回転ブラシ(51)の回転に伴って帯状に連なった塵埃が移動する際にも、該塵埃が突出部(69)の角部分に引っ掛かってちぎれやすくなるため、これによってちぎられた塵埃も空気の流れによって容易に搬送される。したがって、上述の構成により、上記塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)内に、帯状に連なった塵埃が滞留するのを防止できる。
特に、本実施形態のように、回転ブラシ(51)によってエアフィルタ(30)に付着した塵埃を除去した後、清掃用ブラシ(52)を用いて回転ブラシ(51)に付着した塵埃を除去する構成では、塵埃が帯状に連なりやすいため、上述のような突出部(69)を設けるのが効果的である。このような構成であっても、上記突出部(69)を設けることにより、塵埃を小さくちぎって塵埃搬送機構(80)の空気の流れによって効率良く搬送することができる。
また、上記突出部(69)は、上記空気通路(62a)内の塵埃量検出機構(70)によって塵埃量が検出される部分よりも上記塵埃除去機構(50)側に設けられているため、当該部分で帯状の塵埃を空気通路(62a)内に浮いた状態にすることが可能となり、該塵埃量検出機構(70)が塵埃量を誤検出するのを防止できる。すなわち、上述のような位置に突出部(69)を設けることで、帯状の塵埃が上記部分に滞留するのを防止できるため、滞留した塵埃に基づいて上記塵埃量検出機構(70)で塵埃量が多いと誤検出されるのを防止できる。
しかも、上記突出部(69)は、上記塵埃除去機構(50)側の面が上記空気通路(62a)に向かうほど下方に位置する斜面となるように形成されているため、塵埃は当該面上を空気通路(62a)側へ移動して該空気通路(62a)内により確実に位置付けられる。これにより、空気通路(62a)内の空気の流れによって、塵埃をより確実にちぎって搬送することができる。
また、上記突出部(69)は、上記塵埃貯留容器(60)の内面と一体形成されているため、別部品が不要になり、その分、製造コストの低減を図れる。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態では、塵埃貯留容器(60)内に、断面略三角形の柱状の突出部(69)を設けているが、この限りではなく、突出部の断面形状は、該塵埃貯留容器(60)の内方に突出し、且つ、帯状の塵埃を空気通路(62a)内に位置付けられるような断面形状であれば、どのような断面形状であってもよい。
すなわち、上記実施形態では、突出部(69)を柱状に形成しているが、この限りでなく、例えば突出部を板状に形成してもよい。
また、上記実施形態では、エアフィルタ(30)から除去した塵埃を塵埃捕集箱(90)に捕集するようにしているが、この限りではなく、塵埃を捕集できるような構成であれば、例えば袋状のものなど、どのような構成であってもよい。また、上記実施形態では、上記塵埃捕集箱(90)を掃除ユニット(100)内に設けているが、この限りではなく、室内ユニット(3)とは別に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、塵埃貯留容器(60)から上記塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する手段として、室内ファン(21)の吹き出し空気を利用するようにしているが、この限りではなく、塵埃を搬送できる構成であれば、どのような構成であってもよいし、専用のファンを設けてもよい。
また、上記実施形態では、エアフィルタ(30)は、円形状に形成されているが、この限りではなく、例えば矩形状に形成されていてもよい。この場合には、上記エアフィルタ(30)及び回転ブラシ(51)は直線的に相対移動する。