JP2010504611A - 照明システム - Google Patents
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Abstract
照明システム1は、アレイに従って配置された複数の光源ユニット10を含み、各光源ユニットは、少なくとも1つの調整可能な光源12と、ユニットコントローラ11とを含んでいる。通信ネットワーク30は、隣接する光源ユニット10A、10B、10C、10D間の直線ラインに沿って延在する、通信ライン32、33を有している。所望の照明効果を実現するため、共通のシステムコントローラ20が、個々のユニットコントローラ11に対して、それらの位置および配向を考慮した制御信号Scを発する。共通システムコントローラは、光源ユニット10の位置および配向を、自動的に特定する機能を有する。この目的のため、光源ユニットは、通信ラインの長さを検出する長さ検出手段60と、通信ラインの相対的な方向を検出する方向検出手段50とを有し、計測された結果を、共通システムコントローラに伝達する。
Description
本発明は、広くは照明システムに関するものであり、より詳細には、アレイに従って配置された複数の光源を含むシステムに関するものである。
上記のようなシステムの一例は、たとえば国際公開WO2004/094896号に開示されている。そのシステムでは、光源はタイル形状とされている。そのシステムは、部屋の天井または壁面または床面に沿って配された複数のLEDを含んでいる。各LEDは、そのLEDの出力光の強度および色を、予め決められた範囲内の所望の値に設定できるよう制御され得る。部屋の中のある特定の位置において、上記複数のLEDのうちの複数の(必ずしもすべてでなくてもよい)LEDが、照明に寄与し得る。これらのLEDは、部屋の中である特定の所望の照明効果(ライティングエフェクト、たとえば有色ストライプのパターン)を実現するように、共通コントローラで制御される。この効果を得るために、コントローラは、個々の光源それぞれについて、あるいはそれら光源の個々のLEDそれぞれについてまで、個別の制御信号を算出および生成する。そのような個々の制御信号は、アレイ内における個々の光源の位置に依存する。
上記の文献のシステムでは、個々の光源の位置は分かっているものとみなされている。しかしながら、上記の文献は、個々の光源の位置に関する情報が、どのように取得されるのかを開示していない。この情報を取得するための1つの方法としては、実際に各光源の3次元の空間座標を計測して、それらの空間座標を、コントローラまたは付随するメモリーに入力する方法が挙げられる。しかしながら、これはかなりの労力と時間とを要する作業であり、特に、光源が規則的なアレイではなくランダムなパターンで配置されているため、いくつかの光源の空間座標を計測して残りの光源の空間座標を単純に計算することができないような場合には、かなりの労力と時間とを要する。さらに、何らかの理由により1つ以上の光源の位置が変更された場合には、計測過程をやり直さなくてはならない。
コントローラが、複数の光源の個々の位置を自動的に特定することができれば、有利である。
個々の光源それぞれをアドレス指定して、個々の光源に個別の制御信号を送信するため、原理上は、コントローラと各光源との間に、個別の通信パスを設けることも可能である。しかしながら、このやり方は極めて非現実的であり、特に、通信パスが導線である場合に、コントローラの近傍において多くの通信パスが占める空間を考慮すると、非現実的である。そのため、コントローラから1つの光源への1つの通信パスをシステムが含み、この1つの光源に、直接にまたは1つ以上の他の光源を介して、さらなる光源が接続される方が有利である。制御信号には、特定の光源に対応するアドレスコードが付与される。この制御信号は、すべての光源により受信されるが、正しいアドレスを有する1つの光源のみが応答する。こうして、各光源(1番目の光源を除く)は常に、自身が接続されている別の光源から、通信ラインを介して制御信号を受け取る。本発明によれば、これら2つの光源間の距離を、通信ラインの長さおよび方向から算出することができる。最終的には、このようにして、アレイ全体のトポロジーを特定することができる。
この洞察を用いて、本発明は、前述のようなシステムであって、一の光源が、隣接する光源との通信ラインの長さおよび方向を算出し、この情報をコントローラに伝達するように設計されているシステムを提供する。初期化フェーズ、たとえばシステムのスイッチが投入されたときにおいて、コントローラは、この情報を受け取って、互いの光源に対する光源の相対位置を算出する。
さらなる有利な工夫は、従属クレームに記載されている。
以下、本発明の上記およびその他の側面、特徴および利点を、図面を参照しながら、1つ以上の好ましい実施形態に関する以下の記述により、さらに説明する。図中において、同一の参照番号は、同一または類似の部分を示している。
図1は、複数の光源ユニット10を含む、照明システム1の概略ブロック図である。図には、それら光源ユニットのうちの3つを、文字A、B、Cを付して区別して示してある。各光源ユニット10は、実際の光源12、とりわけLEDとして実装された光源と、ユニットコントローラ11とを含んでおり、これらも文字A、B、Cを付して区別して図1に示してある。システム1はさらに、ユニットコントローラ11と通信する、中央コントローラ20(システムコントローラとも呼ぶ)を含んでいる。システムコントローラ20は、すべてのユニットコントローラ11により受信される制御信号Scを生成する。所望の色および強度に関するデータを含む制御信号Scは、光源ユニット10のうちの1つのみに対するものとして意図されている。その目的のため、制御信号は、意図する受信先の光源ユニットに関するアドレスデータも含んでおり、かかる制御信号を、「アドレス指定された」制御信号と呼ぶこととする。ここでは、制御信号Scは、第3の光源ユニット10C用のみに意図されており、そのような場合のアドレス指定された制御信号Scを、Sc(C)と表記することとする。
システム1は、アドレス指定された制御信号をユニットコントローラ11に配信する、通信ネットワーク30を含んでいる。通信ネットワーク30は、システムコントローラ20と、第1の光源ユニット10Aとの間に、第1の通信ライン31を備えている。また、通信ネットワーク30は、第1の光源ユニット10Aと、第2の光源ユニット10Bとの間に、第2の通信ライン32を備えている。通信ネットワーク30は、第1の光源ユニット10Aを1つ以上のさらなる光源ユニットに接続する、1つ以上の通信ラインを備えていてもよいが、これは図示されていない。通信ネットワーク30は、第2の光源ユニット10Bと、第3の光源ユニット10Cとの間に、第3の通信ライン33を備えている。通信ネットワーク30は、第2の光源ユニット10Bを1つ以上のさらなる光源ユニットに接続する、1つ以上の通信ラインを備えていてもよいが、これは図示されていない。通信ネットワーク30は、第3の光源ユニット10Cと、次の光源ユニット(図示せず)との間に、第4の通信ライン34を備えている。通信ネットワーク30は、第3の光源ユニット10Cを1つ以上のさらなる光源ユニットに接続する、1つ以上の通信ラインを備えていてもよいが、これは図示されていない。
制御信号Scは、すべてのユニットコントローラにより受信される。実際には、制御信号Scは、システムコントローラ20から第1の通信ライン31を通って第1の光源ユニット10Aへ、さらに第1の光源ユニット10Aから第2の通信ライン32を通って第2の光源ユニット10Bへ、さらに第2の光源ユニット10Bから第3の通信ライン33を通って第3の光源ユニット10Cへと伝播する。各ユニットコントローラは、制御信号のアドレスデータをチェックして、その制御信号がそのユニットコントローラ用に意図されたものであるかを確認し、そのユニットコントローラ用でなければ、何らアクションを講じない。この例では、第3のユニットコントローラ11Cのみが、制御信号Sc(C)に応答する。
1つの典型的な実施形態では、光源12は、カラートライアングル内の広範囲に亘って変化させることのできる色点と、広範囲に亘って変化させることのできる強度とを有する光を生成できるように、互いに色の異なる3個のLED(RGB)、または互いに色の異なる4個のLED(RGBW)の組合せを含むものとされる。ユニットコントローラ11は、所望の色および強度に関する情報を含む制御信号Scに応答して、その所望の色および強度が実現されるように、個々のLEDに対して適切な駆動信号を生成するよう設計されている。このこと自体は既知の事項であるので、ここではLEDの制御に関するより詳細な説明は省略する。しかしながら、光源12は、マルチカラーLEDにより構成されてもよい点に留意されたい。さらに、輝度を増大させるため、光源12が複数のLEDで構成されることもあり得る。また、個々のLEDが、互いに異なるものであってもよい制御信号を用いて個別に制御されるという、本発明の範囲内において、LEDが並列制御されることもあり得る。
したがって、制御信号は、アドレスデータの他に、LEDをどのように駆動させるかをユニットコントローラに伝える駆動データも含んでいる。この駆動データは、色および強度に関するものである。駆動データは、一方では実現されるべき空間的な照明効果に、他方では光源の空間的な位置に基づいて、システムコントローラ20によって生成される。説明のための単純な例が、図2Aおよび図2Bに示されている。
図2Aおよび図2Bは、床面81と天井82とを有する部屋80の、概略断面図である。照明システム1の光源12A、12B、12Cが、天井82に取り付けられている。システムコントローラ20は、第1の領域83が実質的に赤色、第2の領域84が実質的に白色、第3の領域85が実質的に青色となるような、床面81の照明を実現するようにプログラミングされている。図2Aでは、3つの光源12A、12B、12Cは、それら3つの領域と整列させられている。この場合、第1の光源12Aが赤色光を生成するように駆動されるべきであり、第2の光源12Bが白色光を生成するように駆動されるべきであり、第3の光源12Cが青色光を生成するように駆動されるべきであることは、当業者には自明であろう。
次に、光源の配置が変更され、図2Bに示すように、第2の光源12Bが第1の領域83と整列させられ、第3の光源12Cが第2の領域84と整列させられ、第1の光源12Aが第1および第2の領域の境界と整列させられたとする。この場合、第2の光源12Bは赤色光を生成するように駆動されるべきであり、第3の光源12Cは白色光を生成するように駆動されるべきであり、第1の光源12Aは、境界領域を照明するのに適した光を生成するように駆動されるか、オフ状態とされるべきであることは、当業者には自明であろう。第1の光源12Aが境界領域を照明するのに適した光を生成するとは、周囲の環境にもよるが、第1の光源12Aが淡い赤色の光(すなわち、赤色と白色との間の色点を有する光)を生成するべきであることを意味し得る。
実現されるべき空間的な照明効果が、システムコントローラ20内にプログラミングされてもよいし、あるいは、システムコントローラ20が、空間的な照明効果を規定する情報を受け取る入力部21を有していてもよい。個々の光源それぞれの照明への寄与を決定することができるように、すなわち個々の制御信号を生成することができるようにするためには、システムコントローラ20は、個々の光源の空間的な位置を規定する情報を持っている必要がある。この情報を、位置情報または座標と呼ぶこととする。
図1は、システムコントローラ20が、光源の位置情報を含む座標メモリー25と組み合わされている様子を示している。システムコントローラ20は、座標入力部22において、座標メモリー25から位置情報を受け取る。本発明の鍵となる1つの側面は、メモリー25に入力するための位置情報を、最初にどのように取得するかという問題である。
図3は、光源ユニット10A、10B、10Cの詳細構造を、模式的に示している。各光源ユニット10は、タイル形状のハウジング40を有している。このハウジングの輪郭は重要ではない。図3には、正方形の輪郭が示されているが、この輪郭は、長方形でも、三角形でも、円形でも、他のいかなる適切な形状でもよい。
ユニットコントローラ11は、ハウジング上またはハウジング内の、ある予め決められた位置に取り付けられている。ユニットコントローラ11の精確な位置は重要ではない。図3には、ユニットコントローラ11の可能性のある1つの位置が、破線で示されている。
光源12を構成する1つ以上のLEDが、ハウジング上またはハウジング内の、予め決められた位置に取り付けられている。LEDの精確な位置は重要ではない。図3には、LED12の可能性のある1つの位置が、破線で示されている。LEDは室内に光を投じることを意図したものである一方、ユニットコントローラ11は見えないように取り付けられることが好ましいので、一般的には、LEDはユニットコントローラ11の反対側に取り付けられる点に留意されたい。
ここで、光源12をユニットコントローラ11に接続するため、導体部材が存在するであろうが、便宜上、ここではかかる導体部材は図示されていない点に留意されたい。
各ハウジング40には、そのハウジング40上において予め規定された位置を有する、予め規定された通信ラインカップリング装置41が付与されている。カップリング装置41は、通信ラインとハウジングとが常にそこで接触することとなる装置である。たとえば、ハウジング40Aを参照すると、図3には、システムコントローラ20から入来する通信ライン31が、ハウジング40Aのカップリング装置41Aと接触し、次のハウジング40Bへと出て行く通信ライン32も、ハウジング40Aのカップリング装置41Aから出て行く様子が図示されている。
図3では、カップリング装置41は、ハウジング40の中心に位置するものとして図示されているが、このことは重要ではない。ユニットコントローラ11が、カップリング装置41と同じ位置に配されていてもよいが、このことも必須ではない。図3は、カップリング装置41とユニットコントローラ11との間に、ある距離が存在する様子を示している。これは、入来する通信ライン31が、その通信ライン31の主要部31bとある角度をなしてカップリング装置41からユニットコントローラ11へと延びる、ライン部分31aを有することを暗に意味する。すなわち、カップリング装置41の位置は、必ずしも、入来する通信ライン31が終端させられる位置と同一でなくてもよい。たとえば、入来する通信ライン31が電気ケーブルである場合には、カップリング装置41は、ケーブルクランプ等を含んでいてもよいが、ケーブルコネクタを含んでいる可能性もある。
さらに、カップリング装置41の設計および特性も、重要ではない。前述のとおり、カップリング装置は、電気ケーブルと協働するケーブルコネクタまたはケーブルクランプを含んでいてもよい。通信ラインが光路の形式で実装される光通信の場合には、カップリング装置41は、光センサー等を含んでいてもよい。無線波等の電気機械的な波の場合には、カップリング装置41は、アンテナを含んでいてもよい。
図3には、入来する通信ライン31と出て行く通信ライン32とに共通のものとしてカップリング装置41が図示されているが、このことは重要ではない。すなわち、互いに異なる位置に配された異なる通信ラインに対して、ハウジング40が別個のカップリング装置を有するような形態も可能である。
本発明の鍵となる1つの特徴は、2つの異なる光源ユニット10の2つのハウジング40にある2つのカップリング装置間の直線ラインに沿って、各通信ラインが存在するという点である。通信ラインが電気ケーブルである場合には、このことは、2つのカップリング装置間に弛みなく張られた状態でケーブルが取り付けられていることを意味する。光源ユニットを配置し直す際には、取付けを行う人物は、通信ラインを確実に弛みなく張られた状態にしなくてはならない。言うまでもなく、光通信や無線通信等の場合には、直線ラインの条件は自動的に満たされる。
本発明の鍵となる別の特徴は、各光源ユニット10が、ハウジング40に対する通信ラインの方向を検出するための、方向検出手段50を含んでいる点である。かかる方向検出手段の可能性のある実施形態については、後述する。
本発明の鍵となる別の特徴は、各光源ユニット10が、通信ラインの長さを検出する長さ検出手段60を含んでいる点である。かかる長さ検出手段の可能性のある実施形態については、後述する。
本発明の鍵となる別の特徴は、各光源ユニット10が、対応の方向検出手段50および長さ検出手段60の検出器信号を処理し、それらの検出器信号から方向信号および距離信号を算出し、算出された方向信号および距離信号を含むアドレス指定位置信号SLを、その送出元および隣接ユニットを識別する識別データと共にシステムコントローラ20に送信するための、プロセッサ70を含んでいる点である。当業者には明らかなことであるが、この送信は、システムコントローラ20のアドレスを意図する受信先のアドレスとして用いて、通信ネットワーク30を介して行われてもよい。プロセッサ70は、ユニットコントローラ11とは別個のものであってもよいが、プロセッサ70のタスクがユニットコントローラ11によって実行されてもよい。
ここで、一般的には、空間内における物体の位置は、3つの空間座標で記述することができ、その物体の配向は、3つの角度座標で記述することができる点に留意されたい。しかしながら、光源ユニットは、たとえば部屋の天井に対応する平面のような、1つの共通平面上に配置されていると推定されるため、その位置は2つの空間座標で記述することができる。さらに、各ハウジングはLEDの光軸に対応する予め規定された上下方向を有し、すべてのハウジングは、自己の上記上下方向を上記の共通平面に対して垂直にして取り付けられていると推定されるので、配向は、1つの角度座標で記述できる。さらに、隣接ハウジング間の通信ラインは、上記の共通平面内に延在しているか、少なくとも上記の共通平面に平行である。
以下の説明では、便宜上、第1の光源ユニット10Aの位置および第1のハウジング40Aの配向が、既知であると仮定する。第1のプロセッサ70Aは、第1の方向検出手段50Aおよび第1の長さ検出手段60Aから、第1の光源ユニット10Aと第2の光源ユニット10Bとの間の第2の通信ライン32に関する、検出器信号を受け取る。この情報から、第1のプロセッサ70Aは、第1のハウジング40Aに対する、第2の通信ライン32の方向および長さを算出し、この情報を含むアドレス指定位置信号SL(A,B)を、システムコントローラ20に送信する。システムコントローラ20は、この情報を用いて、第1のハウジング40Aに対する第2のハウジング40Bの位置を算出することができ、さらには第1のハウジング40Aの位置および配向が既知であるので、空間内あるいは少なくとも部屋80内における、第2のハウジング40Bの絶対位置を算出することができる。ここで、第2の通信ライン32の方向も算出できる点に留意されたい。
第2のプロセッサ70Bは、第2の方向検出手段50Bから、第1の光源ユニット10Aと第2の光源ユニット10Bとの間の第2の通信ライン32に関する、検出器信号を受け取る。この情報から、第2のプロセッサ70Bは、第2のハウジング40Bに対する、第2の通信ライン32の方向を算出し、この情報を含むアドレス指定方向信号SD(A,B)を、システムコントローラ20に送信する。システムコントローラ20は、この情報を用いて、第2の通信ライン32に対する第2のハウジング40Bの配向を算出することができ、さらには第2の通信ライン32の方向が既知であるので、空間内あるいは少なくとも部屋80内における、第2のハウジング40Bの絶対的な配向を算出することができる。システムコントローラ20はまた、部屋80の中で実現されるべき照明効果の位置および配向も知っているので、ここでその照明効果に対する第2の光源10Bの位置および配向を知ることができる。
第2のプロセッサ70Bは、第2の方向検出手段50Bおよび第2の長さ検出手段60Bから、第2の光源ユニット10Bと第3の光源ユニット10Cとの間の第3の通信ライン33に関する、検出器信号を受け取る。この情報から、第2のプロセッサ70Bは、第2のハウジング40Bに対する、第3の通信ライン33の方向および長さを算出し、この情報を含むアドレス指定位置信号SL(B,C)を、システムコントローラ20に送信する。システムコントローラ20は、この情報を用いて、第2のハウジング40Bに対する第3のハウジング40Cの位置を算出することができ、さらには第2のハウジング40Bの位置および配向が既知であるので、第3のハウジング40Cの絶対位置を算出することができる。また、第3のプロセッサ70Cからの方向信号SD(C)より、システムコントローラ20は、第3のハウジング40Cの配向を算出することができる。
こうして、システムコントローラ20は、すべての光源ユニットの絶対的な位置および配向を算出することができる。
上記の説明では、システムコントローラ20は、第1の光源ユニット10Aからの方向および長さ情報SL(A,B)を用いて、次の光源ユニット10Bの位置を算出し、この次の光源ユニット10Bからの方向情報SD(B)を用いて、その配向を算出する。システムコントローラ20が、次の光源ユニット10Bから得られた長さ情報を、前の光源ユニット10Aから得られる長さ情報に代えて、または前の光源ユニット10Aから得られる長さ情報と平均して用いるようになすことも可能である。
ここで、上記で説明したプロセッサ70による処理は、常に実行されてもよいが、測定モード時またはシステムの起動時にのみ実行されてもよい点に留意されたい。
要約すると、上記の説明から当業者には明らかなことであるが、関係する通信ライン(32、33等)の長さが既知であり、かつそれぞれのハウジング40に対するそれら関係する通信ライン(32、33等)の配向が既知であれば、すべての光源ユニット10(すなわちすべてのハウジング40)の絶対的な位置および配向を算出することができる。
図4は、光源ユニット10のハウジング40の概略平面図であり、方向検出手段50が、カップリング装置41の周囲に配置された複数のラインセンサー51を含んでいる様子が図示されている。図4は、センサー51が円形に配置されている様子を示しているが、このことは重要ではない。1つの可能な実施形態では、センサー51はハウジングの外周に沿って配置されてもよい。センサー51が、上記で述べたプロセッサ70のそれぞれのセンサー入力部に接続されたセンサー出力部を有していることは明らかであろうが、この様子は、便宜上図示されていない。センサー51がカップリング装置41の周囲に配置されているので、カップリング装置41に接続された通信ライン35は、センサー51のラインを必ず横切る。図4では、通信ライン35は、符号51Aで示されている1つのセンサーを横切っている。各ラインセンサー51は、通信ラインの横断を検出し、通信ラインが横断しているか否かを示すセンサー出力信号を生成するように設計されている。こうして、センサー51Aは、通信ラインにより横断されていることを示すセンサー信号を発する一方、図中に示されているその他のセンサーは、それらのセンサーが通信ラインにより横断されていないことを示すセンサー信号を発する。
各センサー51は、カップリング装置41の固定位置に対する、通信ラインの1つの特定の方向を規定しており、この特定の方向は、センサーの特定の位置により決められている。この方向は、カップリング装置41と交差するゼロ軸52に対する、角度αとして表すことができる。ハウジング40に対するゼロ軸52の方向は任意であるが、固定された既知の方向である。
角度方向においては、センサー51は、ある角度サイズと相互の角度距離とを有しており、これらが方向の測定制度を決定する。センサーの角度サイズおよび角度距離が小さくなると、センサーの数および測定精度が増大するが、コストも増大する。
センサー51については、いくつかの実施形態が可能である。通信ラインが、電気信号を担持する物理的な導線である場合には、センサーは、容量性の態様で通信ラインの信号をピックアップする容量性センサーとして実装されてもよいし、誘導性の態様で通信ラインの信号をピックアップする誘導性センサーとして実装されてもよい。センサーを、接続ラインとの力学的な接触に応答する力学的センサーとすることも可能である。また、センサーを、光信号の遮断に基づく検出原理を有する、光センサー(たとえば光ゲート)とすることも可能である。さらに、センサーを、通信ラインの電磁場に応答する電気機械的センサー(たとえばRFタグ)とすることも可能である。上記のセンサーのタイプの例自体は既知であり、本発明は既知のセンサーを用いて実施することができるので、センサー51の構成および設計の詳細について、ここでさらに詳しく述べる必要はない。
長さ検出手段60については、いくつかの実施形態が可能である。1つの可能性のある実施形態では、通信ラインは予め決められた抵抗率(単位長さあたりの抵抗)を有するものとされ、長さ検出手段60は、通信ラインの抵抗を測定する手段を含むものとされる。これより、抵抗率が既知であれば、長さを算出することができる。電気伝導体の抵抗を測定する手段自体は既知であるので、この長さ検出手段60の構成および設計の詳細について、ここでさらに詳しく述べる必要はない。この例では、長さ検出手段60が、通信ラインにかかる電圧および通信ラインを流れる電流を測定するように設計され、プロセッサ70が、抵抗を算出するように設計されてもよい点に留意されたい。さらに、プロセッサ70は、システムコントローラ20に抵抗値を送信するように設計されていてもよいが、プロセッサ70が、長さを計算し、その長さの値をシステムコントローラに送信するように設計されていてもよい。
可能性のある別の実施形態では、各通信ラインが、リールの周囲に巻き付けられていてもよい。別の光源ユニットと接続するため、この通信ラインが、リールから巻き出される。リールの回転数は、そのリールから巻き出されるラインの長さを示す。
上記では、実現されるべき効果が照明効果である場合に関して、本発明を説明してきた。しかしながら、実現されるべき効果が画像のディスプレイである形態も可能であり、その場合、各光源は、ディスプレイ中のピクセルの機能を有する。ピクセルが横列と縦列とのアレイに配置されている通常のディスプレイと異なり、本発明は、ピクセルのランダムな分布を可能とする。
上記では、各光源が個別にアドレス指定される実施形態に関して、本発明を説明してきた。システムコントローラ20には、個々の光源それぞれの位置および配向が分かり、かつ実現されるべき効果が分かるので、個々の光源それぞれに要求される挙動、すなわち個々の光源それぞれに要求される光出力が分かる。上記で説明した実施形態では、アドレス情報が与えられて、個々の光源についての個々の制御信号が生成されるので、受信する光源には、いずれの制御信号に従うべきであり、いずれの制御信号を無視するべきかが分かる。しかしながら、個々の光源の位置および配向に関する情報が、その光源に伝達され、それによりその光源が、自分がシステム中のどの位置に配されているのかを知ることができるようになす形態も可能である。その場合、システムのすべての光源に、そのシステム全体に要求される挙動に関する制御情報、すなわち実現されるべき効果を規定した制御情報を送信することが可能である。たとえば、この情報は、ディスプレイされるべき画像を規定する情報であってもよい。各光源は、自分の位置および配向に基づいて、効果全体に対して自分がどのように寄与するべきであるかを知る(ディスプレイのどの部分が自分により表示されるべきであるかを知る)。各光源コントローラは、(同一の全体画像を規定する)同一の全体情報を受信し、この全体情報から、自分の位置において要求されているディスプレイ効果を規定した具体的情報を導出し、この導出された情報に基づいて、対応のLEDのための駆動信号を生成する。換言すると、すべての光源が同一の情報を受信し、各光源が、システム内における自己の位置および配向に基づいて、正しい駆動情報を自動的に導出するように、光源のシステムに画像を送信することが可能である。かかる実施形態の1つの大きな利点は、中央コントローラが各要素に対するアドレス情報を規定する必要なしに、システムに要素を追加することが可能な点である。中央コントローラが要素の数を知ることすら必要とせずに、要素の数を自由に拡張することが可能となる。
要約すると、本発明は、アレイに従って配置された複数の光源ユニットを含む照明システムであって、各光源ユニットが、少なくとも1つの調整可能な光源と、ユニットコントローラとを含んでいる照明システムを提供する。通信ネットワークは、隣接する光源ユニット間の直線ラインに沿って延在する、通信ラインを有している。所望の照明効果を実現するため、共通のシステムコントローラが、個々のユニットコントローラに対して、それらの位置および配向を考慮した制御信号を発する。この制御信号は、好ましくは上記の通信ネットワークを介して発せられる。共通システムコントローラは、光源ユニットの位置および配向を、自動的に特定する機能を有する。この目的のため、光源ユニットは、通信ラインの長さを検出する長さ検出手段と、通信ラインの相対的な方向を検出する方向検出手段とを有し、計測された結果を、好ましくは上記の通信ネットワークを介して、共通システムコントローラに伝達する。
以上、図面および上記の説明において本発明を詳細に図解および説明してきたが、当業者においては、これらの図解および説明は、限定目的のものではなく、図解および説明目的のものと捉えられるべきであることは明らかであろう。本発明は、ここで開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲において規定される本発明の保護範囲内において、いくつかのバリエーションおよび修正形態が可能である。
ここで、光源ユニットは電力を必要とする点に留意されたい。可能性のある1つの実施形態では、個々の光源ユニットそれぞれが、個別に電源に接続される。しかしながら、システム1が、電力供給ネットワークを含むようになすことも可能である。可能性のある1つの実施形態では、通信ネットワーク30は、制御信号に加えて、電力も供給するように設計される。かかる形態は、DC電力を利用して電力を供給し、制御信号および測定信号をAC周波数帯における信号とすれば、容易に実現することができる。あるいは、たとえば50Hzのような比較的低い周波数範囲のAC電力を用いて電力を供給し、制御信号および測定信号を、50Hzよりもずっと高い(たとえばkHzからMHz範囲の)AC周波数帯における信号とすることすら可能である。しかしながら、2つの別個のネットワークを用いて、一方を電力の供給に使用し、他方を制御信号および測定信号の供給に使用することも可能である。そのような場合には、電力供給用の通信ラインを用いて、方向および長さを検出することも可能である。また、そのような場合には、無線ネットワークを介して、制御信号Scと、測定信号SLおよびSDとを送信することすら可能である。
特許請求の範囲に記載の発明を実施するにあたり、当業者においては、図面、明細書、および特許請求の範囲を考察することにより、上記で開示した実施形態に対する他のバリエーションを理解し実施することができる。特許請求の範囲において、「含む」または「備える」との語は、他の要素または工程の存在を排除するものではなく、「1つの」という不定冠詞は、複数の存在を排除するものではない。単一のプロセッサその他のユニットが、請求項中で列挙された複数の項目の機能を満たしてもよい。複数の特定の方策が単に互いに異なる従属請求項に記載されているという事実は、それらの方策の組合せを有利に用いることができないということを意味するものではない。コンピュータプログラムは、ハードウェアと共にまたはハードウェアの一部として提供される固体媒体または光記憶媒体のような、適当な記憶媒体上に保存またはかかる記憶媒体上で頒布されてもよいが、インターネットその他の有線または無線の電気通信システムを介した頒布のような、他の形態で頒布されてもよい。特許請求の範囲中のいずれの参照符号も、本発明の技術的範囲を限定するものと捉えられるべきではない。
上記では、本発明に従う装置の機能ブロックを図解したブロック図を参照して、本発明を説明してきた。これらの機能ブロックの1つ以上のものが、ハードウェアによって実装され、かかる機能ブロックの機能が個々のハードウェア要素により実行されてもよいが、これらの機能ブロックの1つ以上のものが、ソフトウェアにより実装され、かかる機能ブロックの機能が、1つ以上のプログラムラインによって、またはマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ等のプログラミング可能な装置によって実行されてもよい点を理解されたい。
Claims (18)
- アレイに従って配置された複数の光源ユニットであって、各光源ユニットが、少なくとも1つの調整可能な光源と、該光源を制御するユニットコントローラとを含んでいる光源ユニット、
個々の前記ユニットコントローラに対して制御信号を発する、共通システムコントローラ、および
隣接する光源ユニット間の直線ラインに沿って延在する通信ラインを有し、前記共通システムコントローラと第1の光源ユニットとの間に少なくとも1つの通信ラインを有している通信ネットワーク
を含む照明システムであって、
各光源ユニットが、該光源ユニットに接続された少なくとも1つの通信ラインの長さを検出する、長さ検出手段を含んでおり、
各光源ユニットが、該光源ユニットに接続された少なくとも1つの通信ラインの相対的な方向を検出する、方向検出手段を含んでおり、
各光源ユニットは、対応の前記長さ検出手段および前記方向検出手段から出力信号を受け取るプロセッサを含んでおり、該プロセッサは、対応の前記長さ検出手段からの前記出力信号から、前記少なくとも1つの通信ラインの長さを表す信号を導出し、該信号を前記共通システムコントローラに送信するように設計されており、該プロセッサはさらに、対応の前記方向検出手段からの前記出力信号から、前記少なくとも1つの通信ラインの方向を表す信号を導出し、該信号を前記共通システムコントローラに送信するように設計されており、
前記共通システムコントローラは、すべての光源ユニットの前記プロセッサから前記信号を受信し、該信号から、少なくとも1つの特定の光源ユニットの絶対的な位置および配向を算出するように、動作可能とされていることを特徴とする照明システム。 - 前記共通システムコントローラが、特定の光源ユニットについて算出された前記絶対的な位置および配向を考慮して、該特定の光源ユニットに対する制御信号を算出するように、動作可能とされていることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 前記共通システムコントローラが、受信先として意図している光源ユニットを規定するアドレス情報を、前記制御信号に加えるよう動作可能とされており、該制御信号が、加えられた前記アドレス情報と共に、すべての光源ユニットに共通して送信され、各光源ユニットが、自己のアドレスに対応する前記アドレス情報が付随しているときにのみ、受信した制御信号に応答することを特徴とする請求項2記載の照明システム。
- 前記共通システムコントローラが、実現されるべき効果を規定した全体制御信号を、すべての光源ユニットに共通して送信するように動作可能とされており、個々のユニットコントローラのそれぞれは、当該システム内における自己の位置および配向に基づいて、受信された前記全体制御信号から、自己に付随する光源に対する具体的な制御情報を導出するように動作可能とされていることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 前記共通システムコントローラが、すべての光源ユニットの前記絶対的な位置および配向を算出するように動作可能とされていることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- プロセッサが、前記通信ネットワークの前記通信ラインを介して、前記共通システムコントローラに自己の信号を送信することを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 前記共通システムコントローラは、前記通信ネットワークの前記通信ラインを介して、前記ユニットコントローラに制御信号を送信することを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 通信ラインが、2つの光源ユニット間に弛みなく張られた導電性ワイヤとして実装されていることを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 前記長さ検出手段が、前記通信ラインの抵抗を計測するように設計されていることを特徴とする請求項8記載の照明システム。
- 光源ユニットは、通信ラインが結合されるカップリング装置を伴うハウジングを含み、前記方向検出手段が、前記カップリング装置の周囲に配された複数のラインセンサーを含んでおり、各ラインセンサーは、通信ラインが近くにあることを検出する機能を有することを特徴とする請求項1記載の照明システム。
- 通信ラインが、導電性ワイヤとして実装されており、ラインセンサーが、前記通信ラインにより伝達される信号を、容量性または誘導性の態様で検出するように設計されていることを特徴とする請求項10記載の照明システム。
- 通信ラインが、導電性ワイヤとして実装されており、ラインセンサーが、前記通信ラインの存在を、力学的または光学的に検出するように設計されていることを特徴とする請求項10記載の照明システム。
- 照明システム内の光源ユニットの位置および配向を自動的に特定する方法であって、
a)既知の位置および配向を有する第1の光源ユニットを提供する工程、
b)前記第1の光源ユニットと、次の光源ユニットとの間に、直線状の通信ラインを提供する工程、
c)前記通信ラインの長さを特定する工程、
d)前記第1の光源ユニットに対する、前記通信ラインの方向を特定する工程、
e)前記第1の光源ユニットの前記既知の配向を考慮に入れて、前記工程dで特定された前記方向から、前記通信ラインの絶対的な方向を特定する工程、
f)前記第1の光源ユニットの前記既知の位置を考慮に入れて、前記工程cで特定された前記長さと、前記工程dで特定された前記絶対的な方向とから、前記次の光源ユニットの位置を特定する工程、
g)前記次の光源ユニットに対する、前記通信ラインの方向を特定する工程、および
h)前記工程dで特定された前記絶対的な方向を考慮に入れて、前記ステップgで特定された前記方向から、前記次の光源ユニットの配向を特定する工程
を含むことを特徴とする方法。 - 前記第1の光源ユニットに搭載されている測定手段により前記工程dが実行され、測定された結果が、前記システムの中央コントローラに伝達され、
前記次の光源ユニットに搭載されている測定手段により前記工程gが実行され、測定された結果が、前記中央コントローラに伝達され、
前記工程e、fおよびhが、前記中央コントローラにより実行されることを特徴とする請求項13記載の方法。 - 前記工程cが、前記第1の光源ユニットに搭載されている測定手段により実行され、測定された結果が、前記中央コントローラに伝達されることを特徴とする請求項14記載の方法。
- 前記工程cが、前記次の光源ユニットに搭載されている測定手段により実行され、測定された結果が、前記中央コントローラに伝達されることを特徴とする請求項14記載の方法。
- 前記光源ユニットが、調整可能な光源ユニットであり、中央コントローラが、個々の光源ユニットの位置および配向を考慮に入れて、個々の光源ユニットに対する個々の制御信号を生成することを特徴とする請求項13記載の方法。
- 前記光源ユニットが、調整可能な光源ユニットであり、中央コントローラが、すべての光源ユニットに共通する全体制御信号を生成し、1つの光源ユニットが、自己の位置および配向を考慮に入れて、前記全体制御信号から、個々の制御信号を算出することを特徴とする請求項13記載の方法。
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