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JP2010215193A - 車両用表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の視認性を低下させることなく、旧態依然とした印象を払拭する。
【解決手段】車両5のインストルメントパネル6内に収容される表示器10と、前記車両の運転者が前記表示器10を目視可能なように前記表示器10と前記運転者との間に介在し且つ前記車両5の前後方向における断面が、前記インストルメントパネル6の縁部から前記運転者側に向かう凹面形状に形成された表ガラス20と、前記車両5の運転席8よりも前方に位置する前記車内5の天井7に形成された暗色天井部30と、を有し、前記表ガラス20が、前記車両5のアイレンジERからの光Lを前記暗色天井部30に向けて反射して、前記暗色天井部30を映し込む映し込み部21を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のインストルメントパネル内に収容した表示器を覆う表ガラスを有する車両用表示装置に関するものである。
一般に車両には、車両速度及びエンジン回転数等の計測値を表示する車両用表示装置が搭載されている。該車両用表示装置は、表面に目盛及び数字、文字または記号等の指標が設けられた文字板と、この文字板の前面に配置される指針と、計測量に応じて指針を駆動する内機と、回路パターンが設けられ内機が固定される配線板と、をメータケースに収容して構成している。
従来の車両用表示装置は、文字板等のメータ面を表ガラスで覆った状態で車両のインストルメントパネル内に収容されていた。このような従来の車両用表示装置に用いられる表ガラスは、平板形状のものを運転者に面直に設置した場合、運転者の衣服や顔が反射して、表ガラスの奥に配置されている表示器を視認し難いという問題があった。
このような問題を解消するために、特許文献1等に示す自動車用計器の反射制限構造等が開示されている。まず、図6に示すように、コーン型の表ガラス101を文字板102の前方に配置し、それを囲む暗色外壁を表ガラス101に反射させることで、運転者の衣服や顔が映り込むことを防止していた。また、図7に示すように、文字板111に対して垂直に配置した計器収容フード112の上面又は下面の暗色を反射させる2次曲面又は3次曲面の表ガラス113が開示されている。
実開昭56−30128号公報
しかしながら、従来の防眩構造では、上述したように文字板を取り囲むように暗色の壁面等の被反射面を設ける必要があった。そのため、文字板等が穴の中に配置されることになり、いわゆる「穴暗感」が生じてしまい、車両用表示装置のデザインの自由度が損なわれてしまうという問題が生じていた。そして、カーデザイナ等からは、旧態依然とした車両用表示装置の印象を払拭したいとの要望が数多く寄せられていた。なお、このような問題は、指針式メータのみに生じる問題ではなく、液晶表示器等を用いる車両用表示装置においても、同様に生じる問題である。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、運転者の視認性を低下させることなく、旧態依然とした印象を払拭することができる車両用表示装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の車両用表示装置は、車両のインストルメントパネル内に収容される表示器と、前記車両の運転者が前記表示器を目視可能なように前記表示器と前記運転者との間に介在し且つ前記車両の前後方向における断面が、前記インストルメントパネルの縁部から前記運転者側に向かう凹面形状に形成された表ガラスと、前記車両の運転席よりも前方に位置する前記車内の天井に形成された暗色天井部と、を有し、前記表ガラスが、前記車両のアイレンジからの光を前記暗色天井部に向けて反射して、前記暗色天井部を映し込む映し込み部を有することを特徴とする。
上記請求項1に記載した本発明の車両用表示装置によれば、車両のアイレンジからの光が表ガラスの表面で反射すると、該表面反射光は車内に設けられた暗色天井部に向かう。その結果、表ガラスの映し込み部には、該表面反射光によって暗色天井部を映り込ませることができる。また、暗色天井部は、運転席よりも前方に位置しているため、運転者の顔等が映し込み部に映り込むことを防止できる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の車両用表示装置において、前記映し込み部が、前記車両の車幅方向における中心付近から前記インストルメントパネルの側端部にわたって形成されていることを特徴とする。
上記請求項2に記載した本発明の車両用表示装置によれば、映し込み部は車両の車幅方向における中心付近からインストルメントパネルの側端部にわたって形成することができるため、その広範囲の中から表示器の配置を決めることができる。
以上説明したように請求項1に記載した本発明の車両用表示装置によれば、アイレンジからの光を、車内の天井に設けた暗色天井部に反射するように表ガラスを形成し、該表ガラスの映し込み部に当該暗色天井部を映し込ませるようにしたことから、運転者の衣服や顔が表ガラスで反射して、表ガラスの奥に配置されている表示器を視認し難いという問題を解消することができる。そして、表ガラスは、インストルメントパネルの縁部から運転者側に向かう凹面形状に形成するようにしたことから、インストルメントパネルから従来のメーターフードを排除することができるため、従来生じていた穴暗感を払拭することができる。また、表ガラスはインストルメントパネルの上面等から連続した表面となるので、インストルメントパネルの一部となり、連続した面構成の表示位置を確保でき且つインストルメントパネルに従来の暗穴を設ける必要がなくなるため、シームレスな意匠デザインを可能とすることができる。従って、運転者の視認性を低下させることなく、旧態依然とした印象を払拭することができる車両用表示装置を提供することができる。
請求項2に記載した本発明の車両用表示装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、表ガラスの映し込み部を車両の車幅方向における中心付近からインストルメントパネルの側端部にわたって形成するようにしたことから、例えば車両のセンタクラスタの一部まで、表ガラスを拡張することができるため、表示位置の圧倒的な広範囲化を図ることができ、デザインの自由度をより一層向上させることができる。
本発明の車両用表示装置の基本構成を示す構成図である。 図1中の表ガラスとアイレンジとの関係を説明するための図である。 表ガラスの映り込み部と暗色天井部との関係を説明するための斜視図である。 表ガラスの映り込み部と暗色天井部との関係を示す一部透過図である。 表ガラスの映り込み部と暗色天井部との関係を説明するための側面図である。 従来の反射制限構造の第1例を示す図である。 従来の反射制限構造の第2例を示す図である。
以下、本発明に係る車両用表示装置の一実施形態を、図1乃至図5の図面を参照して以下に説明する。
図1乃至図5において、車両用表示装置1は、運転者から表示内容が視認可能なように、車両5に搭載されている。そして、車両用表示装置1は、複数の表示器10と、表ガラス20と、暗色天井部30と、を有して構成している。
なお、本実施形態では、説明を簡単化するために、1つの表示器10に着目して説明するが、公知であるコンビネーションメータのように、例えば速度計、回転計、燃料計、温度計、等の複数の表示器10となっている。
表示器10は、図1に示すように、運転席8前方の車両5のインストルメントパネル(以下、インパネ6ともいう)6内に収容されている。表示器10は、図2に示すように、文字板11と、指針12と、内機13と、配線板14と、光源15と、ケース16と、裏カバー17と、を有している。
文字板11は、表面(利用者から視認される面)に目盛及び数字、文字または記号等の指標が設けられている。文字板11は、光源15からの光を前記指標から外部に向けて出射することで、前記指標を発光させている。指針12は、文字板11の前面に配置され、その指示部12aと前記指標と協働して指示している。
内機13は、周知であるステッパモータ、交叉コイル式ムーブメント等が用いられ、計測量に応じて指針12を駆動する。配線板14は、回路パターンが設けられ、内機13、光源15等が固定されている。光源15は、透過照明用の光源であり、LED、バルブ等が用いられる。ケース16は、光源15の光を反射する文字板11の前記指標等に向けて反射する。裏カバー17は、指針12と内機13と配線板14と光源15とケース16とを収容し、インパネ6内に取り付けられる。
なお、本実施形態では、表示器10が指針式メータである場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば液晶表示器、指針式メータと液晶表示器との組み合わせなど、デザイン等に応じた種々異なる表示器10を用した実施形態とすることができる。
表ガラス20は、車両5の運転者がインパネ6内の表示器10を透視可能なように、表示器10と運転者との間に介在している。表ガラス20は、透明又はスモークが施されたアクリル樹脂等の透明体で形成されている。表ガラス20は、車両5の前後方向Xにおける断面が、インパネ6の上面61の縁部62から運転者側に向かう凹面形状に形成されている。なお、表面ガラス20は、運転者側の表面20Cで反射した光が、車両5のウインドシールド4に向かわないような形状となっている。
表ガラス20の上端20aは、表示器10のケース16に固定されている。表ガラス20の下端20bは、見返し18を介して表示器10に固定されている。表ガラス20の表面20cは、艶を持つ平滑な面として形成されている。即ち、表ガラス20は、インパネ6の上面61から連続する連続面を形成している。
表ガラス20は、図3及び図4に示すように、車両中心A付近から表ガラス20の右端Cにわたってインパネ6に組み付けられている。本実施形態の表ガラス20は、車両5の車幅方向Yにおける断面が、運転者中心B上の任意の位置(例えば、運転席8の着座位置など)を中心とした略円弧状に形成されている。即ち、映し込み部21は、車両5の車幅方向Yにおける中心付近からインパネ6の側端部にわたって形成されている。
表ガラス20は、車両5のアイレンジERからの光Lを暗色天井部30に向けて反射して、暗色天井部30を映し込む映し込み部21を有している。そして、映し込み部21は、運転者側の表ガラス20の表面20cの一部として形成されている。映し込み部21は、車両5のセンタクラスタ9の一部まで設けられた連続面となっている。映し込み部21は、アイレンジERのアイレンジ上部EUからアイレンジ下部EBの全ての範囲からの光Lが表ガラス20で反射したときに、該反射光が暗色天井部30に向かう表ガラス20の表面領域となっている。
即ち、表ガラス20の凹面形状は、図1及び図2に示すように、表ガラス20の表面20cに対する垂直線Vに対し、アイレンジERからの光Lの入射角と該光Lが表面20cで反射した反射光L’の反射角とが等しくなるように設計されている。そして、表ガラス20の表面20cの反対側に位置する裏面20dについても、裏面20dで運転者側に反射する光が暗色天井部30に向かうように、表ガラス20の厚み、形状、等を設計することが好ましい。そして、本実施形態の車両用表示装置は、車幅方向Yにおいて、図4に示すように、車両中心A付近から表ガラス右端Cまでの範囲が、表示器10の配置可能領域Eとなっている。従って、車両用表示装置10は、運転席8の前方に広がる配置可能領域E内であれば、複数の表示器10を自由に配置することができる。
暗色天井部30は、図3及び図4に示すように、車両5の運転席8よりも前方に位置する車内の天井7に形成されている。暗色天井部30は、少なくともアイレンジERからの全ての光が、前記表ガラス20の映し込み部21で反射して天井7に投射される投射領域を含むように形成されている。暗色天井部30は、天井7の一部に、例えば暗色の合成レザーやファブリック等の暗色部材を貼り付けて形成する、暗色塗料で形成する、など種々異なる実施形態とすることができる。また、暗色天井部30は、車両5の天井7を全体的に暗色にして形成してもよい。さらに、暗色天井部30は、車両5のウインドシールド4に跨って設けてもよい。
次に、上述した構成の車両用表示装置1の動作(作用)の一例を、図1及び図2等を参照して以下に説明する。
車両用表示装置1において、車両5のアイレンジER内の運転者のアイポイントから表ガラス20に向かう光Lは、その一部が表ガラス20及び映し込み部21を透過して表示器10に到達する。よって、運転者は、その表示器10に到達した光Lによって表示器10の表示内容を視認することになる。また、前記アイポイントから表ガラス20に向かう光Lは、表ガラス20の映し込み部21で反射すると、その反射光L’は暗色天井部30に向かう。よって、運転者は、暗色天井部30に到達した反射光L’によって暗色天井部30を視認することになる。
以上説明した車両用表示装置1によれば、車両5のアイレンジERからの光Lを、車内5の天井7に設けた暗色天井部30に反射するように表ガラス20を形成し、該表ガラス20の映し込み部21に当該暗色天井部30を映し込ませるようにしたことから、運転者の衣服や顔が表ガラス20で反射して、表ガラス20の奥に配置されている表示器10を視認し難いという問題を解消することができる。そして、表ガラス20は、インストルメントパネル6の縁部62から運転者側に向かう凹面形状に形成するようにしたことから、インストルメントパネル6から従来のメーターフードを排除することができるため、従来生じていた穴暗感を払拭することができる。また、表ガラス20はインストルメントパネルの上面等から連続した表面となるので、インストルメントパネル6の一部となり、連続した面構成の表示位置を確保でき且つインストルメントパネル6に従来の暗穴を設ける必要がなくなるため、シームレスな意匠デザインを可能とすることができる。従って、運転者の視認性を低下させることなく、旧態依然とした印象を払拭することができる車両用表示装置1を提供することができる。
また、上述した車両用表示装置1によれば、表ガラス20の映し込み部21を車両5の車幅方向Yにおける中心付近からインストルメントパネル6の側端部にわたって形成するようにしたことから、車両5のセンタクラスタ9の一部まで、表ガラス20を拡張することができるため、表示位置の圧倒的な広範囲化を図ることができ、デザインの自由度をより一層向上させることができる。
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 車両用表示装置
4 ウインドシールド
5 車両
6 インストルメントパネル(インパネ)
10 表示器
20 表ガラス
21 映し込み部
30 暗色天井部
ER アイレンジ

Claims (2)

  1. 車両のインストルメントパネル内に収容される表示器と、
    前記車両の運転者が前記表示器を目視可能なように前記表示器と前記運転者との間に介在し且つ前記車両の前後方向における断面が、前記インストルメントパネルの縁部から前記運転者側に向かう凹面形状に形成された表ガラスと、
    前記車両の運転席よりも前方に位置する前記車内の天井に形成された暗色天井部と、
    を有し、
    前記表ガラスが、前記車両のアイレンジからの光を前記暗色天井部に向けて反射して、前記暗色天井部を映し込む映し込み部を有することを特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記映し込み部が、前記車両の車幅方向における中心付近から前記インストルメントパネルの側端部にわたって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
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