JP2010286768A - 偽造防止体積ホログラム積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に体積ホログラム層3と光制御層4とが順に積層された体積ホログラム積層体1であって、前記光制御層4が異なる偏光を示す2以上の領域または異なる屈折率をもつ2以上の領域からなり、前記各領域が透明でパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体1。
【選択図】図1
Description
(体積ホログラム層)
体積ホログラム層3は、物体光と参照光との干渉光を干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に体積ホログラムを記録したもので、干渉縞の3次元構造がそのまま記録されたものである。体積ホログラム層を形成するには、体積ホログラム形成用材料層に、直接、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露光することにより複製して得るものであり、工業的には後者の方法による。
透過型光制御層は異なる2以上の領域からなり、前記各領域がパターン状に形成されている。そのパターンは、自然光下の観察では人の目には認識しにくく、下のホログラム回折像を観察することができる程度の光透過性があり、透過型光制御層のパターンはホログラム回折像を観察するのに邪魔にならないものである。透過型光制御層の1つめの例は、前記パターン領域のうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示すものである。ここで異なる領域は、上述したように第1の領域を直線偏光子からなる領域とし、第2の領域を偏光制御機能を示さない領域とすることで形成できる。このような構成とするには、例えば直線偏光板を用意し、直線偏光板から第2の領域にあたる領域を除去し、除去した直線偏光板を体積ホログラム上に接着層を介して積層した後、除去部分を埋めるように透明樹脂層を設けることで形成することができる。
(体積ホログラム層)
体積ホログラム層は、物体光と参照光との干渉光を干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に体積ホログラムを記録したもので、干渉縞の3次元構造がそのまま記録されたものである。体積ホログラム層を形成するには、体積ホログラム形成用材料層に、直接、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露光することにより複製して得るものであり、工業的には後者の方法による。具体的な材料は上述する第1の態様と同じであるので説明を省略する。
透過型光制御層は異なる2以上の領域からなり、前記各領域がパターン状に形成されている。そのパターンは、自然光下の観察では人の目には認識しにくく、透過型光制御層のパターンはホログラム回折像を観察するのに邪魔にならないものである。下の反射層にまで光を透過する程度の光透過性がある。透過型光制御層の1つめの例は、前記パターン領域のうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示すものである。ここで異なる領域は、上述したように第1の領域を直線偏光する領域とし、第2の領域を直線偏光しない領域とすることで形成できる。また第1態様と同様に透過型光制御層の領域の組合わせとして直線偏光子に限らず、円偏光子や屈折率差を用いても構わない。また、透過型光制御層の2つめの例としては、異なる屈折率を持つ2以上の領域からなり、この領域がパターン状である構成とすることもできる。この場合は、透過型光制御層は偏光制御機能を示さなくて良い。この場合は、第1の態様と同様の理由により、領域4(a)と4(b)を通過した回折光とでは、角度が異なる。このために、領域により干渉性が異なり、複製される体積ホログラムの明るさが透過型光制御層の各領域に対応して異なることとなる。第1の領域と第2の領域を屈折率差があるような組み合わせとした場合も、第1態様と同様に透明樹脂に微粒子を分散させたもの、無機の薄膜等が利用できる。第2の態様では観察する側から、体積ホログラム層と、透過型光制御層と、反射層がこの順に形成されている必要があり、このような構成により透過型光制御層の存在がわかりづらく、透過型光制御層を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができ、さらに偽造防止性を高めることができる。その他の具体的な構成については上述する第1態様と同じであるので詳細な説明は省略する。
反射層は体積ホログラム層を透過し、透過型光制御層を通過した光を反射する機能を有するものであればどのようなものを使用してもよく、Alをはじめとする種々の無機金属の薄膜が好適に用いられる。無機薄膜のその他の例としては、TiO2、ZnS、ZnO、Al2O3、Sb2S3、SiO、SnO2、ITO、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上混合したもの等が例示できる。無機の薄膜は、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。また、染料や顔料などの色材を混入させた樹脂層であってもよい。その樹脂層が粘着性や熱接着性を備えていてもよい。染料や顔料を混入させた樹脂層は、公知の印刷法、例えばスクリーン印刷やグラビア印刷法で印刷すればよい。
(1)体積ホログラム層形成工程
基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラ
ー50T60;東レ(株)製)を用い、上記基材上に以下の組成を有する体積ホログラム層形成用塗工液を、アプリケータを使用して、乾燥膜厚10μmとなるように直接塗工して体積ホログラム層を形成した。
・ポリ酢酸ビニル 35重量部
(デンカサクノールSN−08H:重合度800;電気化学工業(株)製)
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 25重量部
(デナコールEX−212;ナガセケムテックス(株)製)
・ジフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート 35重量部
(BPEFA;大阪ガスケミカル(株)製)
・ジアリールヨードニウム塩 4重量部
(PI2074;ローディア製)
・2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン
1重量部
・メチルイソブチルケトン 100重量部
・1−ブタノール 100重量部
mレーザー光を80mJ/cm2入射して、体積型ホログラムを記録し、記録後ホログラム原版を剥離した。
積層体を得た。体積ホログラム層の屈折率は1.52であった。
次に直線偏光フィルム(OPLフィルム30μm、日本合成化学(株)製)をパターン状に加工し、上記体積ホログラム層に接着層を介して積層して直線偏光子からなる領域を形成した。 この直線偏光子からなる領域の可視光透過率は約78パーセントであった。
(1)体積ホログラム層形成工程
実施例1と同様に厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー50T60;東レ(株)製)上に体積ホログラム層を形成し、体積ホログラムを撮影した後、紫外線を照射して体積ホログラム層を形成した。
次に上記体積ホログラム層上に以下の高屈折率領域形成用塗工液をバーコータにてパターン状に膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥し、得られた塗膜にUV照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて1000mJ/cm2 (365nm換算)の照射量で硬化させ、高屈折領域を形成した。この高屈折領域の光屈折率は1.61であった。
(高屈折領域形成用塗工液)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)
・・・ 3.7重量部
・酸化チタン(HT0210、粒径1.7μm、屈折率2.50、東邦チタニウ
ム(株)製) ・・・ 0.4重量部
・分散剤(ディスパービック163;ビックケミー・ジャパン(株)製)
・・・0.05重量部
・光開始剤(イルガキュア−184;日本チバガイギー(株)製)
・・・ 0.2重量部
・メチルイソブチルケトン ・・・ 37重量部
高屈折領域を以下の高屈折領域形成用溶工液を用いて形成した以外は実施例2と同様にして実施例3の偽造防止体積ホログラムを得た。なお高屈折領域の屈折率は1.68であり、低屈折領域の屈折率は1.51であった。上記高屈折領域と低屈折領域を合わせて透過型光制御層とし、上記高屈折領域と低屈折領域の面積比率は高屈折領域:低屈折領域=9:1であり、この平均屈折率を算出すると1.53であった。このように作成した積層体を実施例3の偽造防止体積ホログラムとした。
(高屈折領域形成用塗工液)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)
・・・ 3.4重量部
・酸化チタン(HT0210、粒径1.7μm、屈折率2.50、東邦チタニウ
ム(株)製) ・・・ 0.7重量部
・分散剤(ディスパービック163;ビックケミー・ジャパン(株)製)
・・・0.05重量部
・光開始剤(イルガキュア−184;日本チバガイギー(株)製)
・・・ 0.2重量部
・メチルイソブチルケトン ・・・ 37重量部
(1)体積ホログラム層形成工程
基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラ
ー50T60;東レ(株)製)を用い、上記基材上に実施例1と同様の体積ホログラム層形成用塗工液を、アプリケータを使用して、乾燥膜厚10μmとなるように直接塗工して体積ホログラム層を形成した。
積層体を得た。体積ホログラム層の屈折率は1.52であった。
次に厚み50μmのアルミ蒸着フィルム(反射層)上に実施例2と同様の高屈折率領域形成用塗工液をバーコータにてパターン状に膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥し、得られた塗膜にUV照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて1000mJ/cm2 (365nm換算)の照射量で硬化させ、高屈折領域を形成した。この高屈折領域の光屈折率は1.61であった。
(1)体積ホログラム層形成工程
実施例1と同様に厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー50T60;東レ(株)製)上に体積ホログラム層を形成し、体積ホログラムを撮影した後、紫外線を照射して体積ホログラム層を形成した。
次に直線偏光フィルム(OPLフィルム30μm、日本合成化学(株)製)をパターン状に加工し、上記体積ホログラム層に接着層を介して積層して直線偏光子からなる領域を形成した。 この直線偏光子からなる領域の可視光透過率は約78パーセントであった。
次いで以下の反射層形成用塗工液をグラビアコーターで乾燥膜厚20μm塗布・乾燥し、反射層を形成した。この反射層は粘着層を兼ねているため、体積ホログラム積層体はラベルの形態となる。この体積ホログラム積層体を基材となるカートン紙の上に貼り付けた。
(反射層形成用塗工液)
・アクリル系粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイト工業(株)製))
・・・100重量部
・イソシアネート系架橋剤(ニッセツCK−101;日本カーバイト工業(株)製)
・・・2重量部
・黒色染料(カヤセットブラックK−R;日本化薬(株)製) ・・・5重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチル=2/1/1(重量比)
・・・55重量部
実施例1と同様に厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー50T60;東レ(株)製)上に体積ホログラム層を形成し、体積ホログラムを撮影した後、紫外線を照射して体積ホログラム層を形成した。このように作成した透過型光制御層を有さない積層体を比較例1の体積ホログラム積層体とした。
実施例および比較例において得られた体積ホログラム積層体を自然光下で目視観察し、ホログラムの見え方を評価した。
(評価基準)○問題なく観察できる。 ×像が暗く観察に支障がある。
(評価基準)○透過型光制御層由来のパターンが見え、複製物であることが判別できる。
×透過型光制御層由来のパターンが見えず、複製物であることが判別できな
い。
2 第2態様の体積ホログラム積層体
3 体積ホログラム層
4 透過型光制御層
4(a) 第1の領域
4(b) 第2の領域
5 透過型光制御層に由来するパターン
6 体積ホログラム像
7 複製用感光材料
8 複製用レーザ光
8’透過型光制御層の第2の領域に入射するレーザ光
Claims (4)
- 観察する側から順に、透過型光制御層と、体積ホログラム層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は、異なる2以上の領域からなり、そのうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示し、前記各領域がパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体。
- 観察する側から順に、透過型光制御層と、体積ホログラム層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は偏光制御機能を示さず、異なる屈折率を持つ2以上のパターン領域からなることを特徴とする体積ホログラム積層体。
- 観察する側から順に、体積ホログラム層、透過型光制御層、反射層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は、異なる2以上の領域からなり、そのうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示し、前記各領域がパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体。
- 観察する側から順に、体積ホログラム層、透過型光制御層、反射層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は偏光制御機能を示さず、異なる屈折率を持つ2以上のパターン領域からなることを特徴とする体積ホログラム積層体。
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