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JP2010274448A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2010274448A JP2009126661A JP2009126661A JP2010274448A JP 2010274448 A JP2010274448 A JP 2010274448A JP 2009126661 A JP2009126661 A JP 2009126661A JP 2009126661 A JP2009126661 A JP 2009126661A JP 2010274448 A JP2010274448 A JP 2010274448A
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寿行 高橋
Masahiro Kawashima
正裕 川島
Tomiyuki Okada
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Abstract

【課題】単色印刷の印刷開始時のウォームアップ時間を短縮することができ、且つウォームアップ時間の状況に基づき印刷モードの選択を可能とする。
【解決手段】選択された印刷モードに使用するインクの温度が保証温度範囲内であるか否かを判別し、インクの温度が保証温度に達していない場合、インクのウォームアップを行うため、選択された印刷モードで使用しないインクの温度調節部58に供給される電力を、選択された印刷モードに使用するインクの温度調節部58に供給制御する。また、インクにウォームアップが必要な場合は、印刷モード毎のウォームアップ時間を算出して表示するとともに、表示されたウォームアップ時間に基づき印刷モードの変更可能なように印刷モードの選択ボタンを操作表示部40に表示する。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェットヘッドからインクを吐出して被記録媒体上に画像形成を行う画像形成装置に係り、特に単色印刷における印刷開始時のウォームアップ時間が短縮し、且つウォームアップ時間の状況に応じて印刷モードが変更可能な画像形成装置に関する。
従来、用紙などの被記録媒体に対してユーザ所望の画像を形成する画像形成装置として、形成する画像に応じて選択的にインクの吐出制御を行うインクジェット方式を採用したインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置は、被記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、交換可能なインクボトルと、インクボトルからのインクを一時的に貯留するインクタンクと、インクタンクのインクをインクジェットヘッドに供給するとともに印刷時に消費されなかったインクを再度インクタンクへ戻すためのインク循環用のインク循環流路と、インク流路内で順方向または逆方向にインクを循環させる加圧ポンプとを備え、インクタンク内の専用インクをインクジェットヘッドのノズルから微小なインク滴として吐出することにより、印刷媒体に対して画像を形成するものである。
そして、下記特許文献1に記載のように、インクジェット記録装置では、良好な印刷結果を得るために、インクの性能を保証する保証温度が定められている。このため、下記特許文献2に記載のように、インクを循環させるインク循環型のインクジェット記録装置において、インクの性能を保証するためにインクを加温するヒータと、インクを冷却する冷却器とを備え、インクが保証温度以下であるときはヒータでインクを加温し、インクが保証温度以上のときは冷却器でインクを冷却することが提案されている。
特開2004−276486号公報 特開2006−88575号公報
このように、インク循環型のインクジェット記録装置では、印刷開始時におけるインクの温度がメーカー規定の保証温度に達していない場合に、現在のインクの温度に基づき加温又は冷却して温度調節を行い、保証温度までウォームアップしてから印刷する必要がある。
しかしながら、インク循環型であるインクジェット記録装置は、インクタンクとインクジェットヘッドとの間でインクを循環させるインク循環流路を有するため、非循環型のインクジェット記録装置に比べてウォームアップが必要なインク量が多い。従って、限度ある電力量でインクタンク及びインク流路内全てのインクを印刷可能な保証温度まで加温するとなると、ウォームアップに時間を要し、印刷開始までの時間が長くなってしまうという問題があった。また、企業や学校などで使用される産業用の大型インクジェット記録装置では、大量印刷を主としているため必然的にインクボトルが大容量となり、ウォームアップ時間がさらに増大してしまうという問題もあった。
そこで、ヒータの電力を上げてインクを温めることで印刷開始までの時間を短縮させることが可能であるが、電力消費量を増加させることになり、電源のコストアップを招くという問題があった。
さらに、従来のインクジェット記録装置では、ユーザが印刷を開始する際に、備え付けの表示装置に単色印刷(モノクロ印刷や単色カラー印刷)か複数色印刷(2色印刷やフルカラー印刷)かの表示しかされず、それぞれの印刷開始までに要する時間は表示されていなかった。従って、ユーザに対して単色印刷か複数色印刷を行うかという画像に対する選択肢しか与えておらず、画像よりも時間要求度の高いユーザに対する考慮がなされていなかった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、単色印刷の印刷開始時のウォームアップ時間を短縮することができ、且つウォームアップ時間の状況に基づき印刷モードの選択が可能な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記した目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、インクの温度を検出する温度検出手段と、前記インクが印刷可能な保証温度範囲内となるよう加温又は冷却する温度調節部とを、前記インク毎に独立して備え、
印刷開始時に前記温度検出手段で前記インクの温度を検出し、単色印刷又は複数色印刷のうち何れかの印刷モードで使用するインクの温度が前記保証温度となるように前記温度調節部で温度調節し、当該温度調節したインクをインクジェットへッドから選択的に吐出して被記録媒体に所望の画像形成を行う画像形成装置において、
前記選択された印刷モードで使用する前記インクの温度が前記保証温度範囲内であるか否かを判別し、前記インクの温度が前記保証温度に達していない場合は、前記インクのウォームアップを行うため、前記選択された印刷モードで使用しない前記インクの温度調節部に供給される電力を、前記選択された印刷モードに使用する前記インクの温度調節部に供給制御する制御部を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、印刷処理の際に、前記インクジェットへッドに供給された前記インクのうち、印刷で消費されなかったインクを再び前記インクジェットヘッドに供給するために前記インクを循環させる循環流路が前記インク毎にそれぞれ独立して装置本体内に設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の画像形成装置は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記制御部は、
前記インク毎の保証温度を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された前記インクの保証温度と、印刷開始時に前記温度検出手段で検出した前記インクの温度との差分値を用いて、前記印刷モード毎の前記インクのウォームアップ時間をそれぞれ算出する演算手段と、
該演算手段で算出された前記印刷モード毎のウォームアップ時間を、装置本体に具備された操作表示部に視認可能に表示制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項4記載の画像形成装置は、請求項3記載の画像形成装置において、前記表示制御手段は、前記単色印刷で使用する前記インクのウォームアップが完了している状態で、次回の印刷ジョブが前記複数色印刷のとき、他の印刷モードに変更するための選択ボタンを前記操作表示部に表示制御することを特徴とする。
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置において、前記インクジェットへッドは、前記被記録媒体の搬送方向と直交する方向と平行に配置され、前記被記録媒体の記録可能な全幅に対応した長さを有するライン型インクジェットへッドであることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、印刷モードが単色印刷の際に、ウォームアップ時に温度調節を行わない複数色印刷で使用するインク温度調節用の電力を単色印刷で使用するインク温度調節用の電力に加えて供給して単色印刷で使用するインクの温度制御を行うため、ウォームアップ効率が向上し、従来よりもウォームアップ時間を短縮することができる。
また、ユーザにウォームアップが完了するまでに要する時間を認知させてから印刷モードが選択できるようになり、画質要求度より時間要求度が高いユーザに対し、画質の選択肢に加えて印刷時間の選択肢を与えることができる。
本発明に係る画像形成装置の装置構成を示す概略構成図である。 同画像形成装置におけるインク流路関連の構成を示す概略構成図である。 同画像形成装置のインク流路関連のシステム構成を示すブロック図である。 同画像形成装置における印刷モード毎のウォームアップ時間の表示例を示す概念図である。 同画像形成装置における印刷モード毎のウォームアップ時間の他の表示例を示す概念図である。 同画像形成装置におけるモノクロ印刷選択時の電力供給制御を説明するための回路図である。 同画像形成装置におけるフルカラー印刷選択時の電力供給制御を説明するための回路図である。 同画像形成装置における前回の印刷モードと異なる印刷モード選択時の電力供給制御を説明するための回路図である。 同画像形成装置における印刷開始時のウォームアップ処理動作を示すフローチャート図である。 同画像形成装置における次回の印刷モードに基づくウォームアップ処理動作を示すフローチャート図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
本例の画像形成装置は、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の何れかを貯留したインクボトルと各インクに対応し、被記録媒体の搬送方向と直交する方向と平行に配置され、前記被記録媒体の記録可能な全幅に対応した長さを有するライン型インクジェットヘッドとの間にインク流路である循環流路が設けられ、印刷中にインクボトルからのインクがインク流路内を絶えず循環するインク循環式のインクジェット記録装置である。
そして、印刷開始時に循環流路内を循環するインクの温度を検出して使用するインクが印刷可能な保証温度であるか否かを照合し、現在のインクの温度が保証温度に達していない場合に、インクの温度が保証温度となるよう印刷モード(単色印刷又は複数色印刷)に基づく最適な電力供給で温度調節が行える機能を備えている。
なお、以下の説明では、使用するインクの種類として、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色を用いた例であるが、印刷モードとして単色及び複数色印刷が実施可能であれば、インクの種類や数、設置する順番等は特に限定されない。また、印刷モードは、単色印刷としてKインクを用いた「モノクロ印刷」、複数色印刷としてCMYKの4色を用いた「フルカラー印刷」を行う構成例で説明する。
[画像形成装置の構成]
まず、本発明に係る画像形成装置の装置構成について、図1〜3を参照しながら説明する。
<装置の概略構成>
図1に示すように、本例の画像形成装置1は、被記録媒体である多数枚の用紙を積載して収納する給紙トレイ11から用紙を1枚ずつ取り出し所定の給紙タイミングで搬送路に沿って規制しながら供給する給紙部10、CMYKの各インクを選択的に吐出制御して給紙部10からの用紙に対し所定の印刷タイミングで画像形成をする画像形成部20、画像形成部20において印刷が終了した用紙を搬送して排紙トレイ31に排紙する排紙部30を備えている。また、装置本体の所定箇所に設けられ、液晶ディスプレイなどの表示パネル41、方向キー(上下左右)やテンキーや各種設定キーなどの操作キー42からなり、印刷モードの選択や各種印刷処理に関する内容の入力や表示を行う操作表示部40を備えている。
さらに、画像形成装置1には、CMYK何れかのインクが貯留されたインクボトル50と各インクに対応したインクジェットへッド51aとの間でインクを循環させるためのインク流路59(供給流路59a及び循環流路59b)が設けられ、印刷開始時のインクの温度を検出し、このインクが保証温度に達していない場合は保証温度範囲内に入るように印刷モードに応じた最適な電力供給によって温度制御が行われている。
<インク流路関連の構成>
図2に示すように、本例の画像形成装置1におけるインク流路関連の構成は、CMYKの何れかのインクを貯留した着脱可能なインクボトル50、上部タンク53から供給されたインクを吐出するインクジェットへッド51aと印刷開始時のインクの温度を検出する温度検出手段51bを有し印刷時に画像に応じたインクを吐出するヘッドユニット51、インクボトル50から供給されたインクを一時的に貯留する下部タンク52、ヘッドユニット51にインクを供給する上部タンク53、インクを循環流路59b内で循環させるための負圧を発生させるポンプ54、インク加温手段としてのヒータ55とインク冷却手段としてのヒートシンク56及びファン57を有し印刷開始時に後述する制御部60の制御によりインクを加温又は冷却してインクの温度を保証温度範囲内にする温度調節部58を備えている。
次に、インク流路59について説明すると、インクボトル50と下部タンク52との間には、インクボトル50に貯留されたインクを下部タンク52に供給するための流路である供給流路59aが設けられている。また、下部タンク52とポンプ54との間、ポンプ54と温度調節部58との間、温度調節部58と上部タンク53との間、上部タンク53とヘッドユニット51との間、ヘッドユニット51と下部タンク52との間がそれぞれ流路接続され下部タンク52からのインクがポンプ54、温度調節部58、上部タンク53、ヘッドユニット51を通って再度下部タンク52に戻るようにするための流路である循環流路59bが設けられている。この供給流路59aと循環流路59bは、共に耐インク性を有する樹脂製のチューブ又は金属製のパイプで形成されている。
上記インク流路59において、インクボトル50に貯留されたインクは、まず供給流路59aを通って下部タンク52に一時的に貯留される。下部タンク52に貯留されたインクは、循環流路59bの一部を大気開放した状態でポンプ54を駆動することで発生する負圧により温度調節部58を通過して上部タンク53に送られ、ヘッドユニット51に導かれる。また、印刷時にヘッドユニット51で消費されなかったインクは、下部タンク52に戻される。さらに、上部タンク53からヘッドユニット51へのインク供給及びヘッドユニット51で消費されなかったインクの下部タンク52への帰還は、上流タンク内のインク液面と下部タンク52のインク液面の高さの差(水頭差)により行われている。
なお、図示の例では、インクは1種類のみを示しているが、実際は複数色印刷が可能なように、少なくとも2種類以上のインクが用いられており、使用するインク毎にインク流路59が設けられている。
<インク流路関連のシステム構成>
次に、本例の画像形成装置1におけるインク流路関連のシステム構成について詳細に説明する。本例の画像形成装置1は、循環流路59b内を循環するインクの温度が保証温度に達しているか否かの判別を行い、その判別結果に基づきインクを加温又は冷却してインクを保証温度となるように制御している。
図3に示すように、制御部60は、例えばCPUやROM,RAMなどのマイクロコンピュータで構成され、記憶手段61、制御判別手段62、演算手段63、表示制御手段64、電力制御手段65を備えている。制御部60は、ユーザ所望の印刷モードによる印刷処理、印刷開始時にインクの温度を保証温度範囲内にするためのインクの温度制御、ウォームアップ(インクの温度が保証温度に達していない場合にインクを保証温度に温度調節する処理である)が完了するまでの時間の表示や印刷モードの選択表示などの印刷時の表示制御の他、画像形成装置1を構成する各部の処理制御を行っている。
記憶手段61は、例えば磁気的、光学的記憶媒体若しくはROM、RAMなどの半導体メモリで構成され、画像形成装置1を駆動する際に必要な各種駆動データを記憶している。また、記憶手段61は、最適な印刷を行うためのインクの温度である保証温度をインク毎に記憶している。この保証温度は、予め実験等に基づき設定され、印刷時におけるインクの滲みや発色不足、インク粘度の変化によるインク吐出不良を防止して最適なインク状態でインクジェットへッド51aから吐出するためのインク固有の温度であり、様々な使用環境に対応可能とするため、所定の温度幅(例えば15℃〜40℃)を有している。
制御判別手段62は、選択された印刷モードに基づく印刷処理を行うためのインクジェットヘッド51bの駆動制御、用紙の給紙や排紙に係る制御、ポンプ54の駆動によるインク循環制御など、画像形成装置1を構成する各部の駆動制御を行っている。また、制御判別手段62は、印刷開始時にヘッドユニット51に配置された温度検出手段51aで検出したインクの温度と記憶手段61に記憶されたインクの保証温度とに基づき、使用するインクが保証温度に達してるか否かの判別を行っている。
すなわち、制御判別手段62において、印刷開始時にインクが保証温度に達していると判別したときは、ウォームアップが完了しているため、ウォームアップ完了を示すウォームアップ完了情報を表示制御手段64に出力している。また、印刷開始時にインクが保証温度に達していないと判別したときは、まだウォームアップが完了していないため、ウォームアップが完了するまでの時間を算出するためのウォームアップ時間算出信号を演算手段63に出力している。
そして、ウォームアップ時間算出後、ユーザによって前回の印刷モードと異なる印刷モードが選択されると、その選択した印刷モードで使用するインクを保証温度範囲内にするのに加温制御又は冷却制御のどちらが最適かを示す温度制御情報を電力制御手段65に出力している。
さらに、制御判別手段62は、印刷処理終了後に控えている次回の印刷ジョブがモノクロ印刷かフルカラー印刷かを判別しており、次回の印刷ジョブが前回の印刷モードと同一であった場合は、使用するインクのウォームアップが完了しているため即座に印刷処理を開始している。
また、次回の印刷ジョブが前回の印刷モードと同一でなかった場合は、使用するインクのウォームアップがまだ完了していないため、ウォームアップが完了するまでの時間を算出するためのウォームアップ時間算出信号を演算手段63に出力している。そして、ウォームアップ時間算出後にユーザによって前回の印刷モードと異なる印刷モードが選択されると、その選択した印刷モードで使用するインクを保証温度範囲内にするのに加温制御又は冷却制御のどちらが最適かを示す温度制御情報を電力制御手段65に出力している。
さらに、制御判別手段62は、選択された印刷モードのインクが保証温度に達している場合は、温度調節部58へ加温制御又は冷却制御を停止させる温度制御停止信号を電力制御手段65に出力している。
なお、制御判別手段62でインク温度の判別する間隔としては、印刷モードが選択されてから印刷開始後のスリープモードまで所定周期で判別を行い、スリープモード終了後、再度インクの温度判別を行う。これにより、大量の印刷処理を行う場合であっても、常にインクの温度を保証温度範囲内に制御することができる。
演算手段63は、制御判別手段62からウォームアップ時間算出信号を入力すると、温度検出手段51aで検出した現在のインクの温度と記憶手段61に記憶された使用するインクの保証温度との差分値、印刷モード(モノクロ印刷又はフルカラー印刷)に応じたヒータ55への印加電力量、予め実験や装置仕様により求められた循環流路59b内のインク量や流路におけるインクの放熱量、循環流路内のインク量、前回の印刷モードに関する情報(すなわち、前回の印刷で使用したインク情報)などに基づき、インクが保証温度に達するまでのウォームアップ時間を印刷モード毎に算出している。そして、演算手段63は、この算出した印刷モード毎のウォームアップ時間をウォームアップ時間情報として表示制御手段64に出力している。
表示制御手段64は、演算手段63からウォームアップ時間情報を入力すると、図4に示すように、操作表示部40にウォームアップ時間を視認可能に表示するとともに、印刷モードを変更するための選択ボタンの表示を行っている。図示の例では、操作表示部40にKインクを使用したモノクロ印刷のウォームアップ時間とそれに対応したプログレスバー、CMYKの4色インクを使用したフルカラー印刷のウォームアップ時間とそれに対応したプログレスバー表示をそれぞれ表示している。
また、表示制御手段64は、印刷処理終了後に控えている次回の印刷ジョブがある場合、演算手段63からウォームアップ時間情報を入力すると、図5に示すように操作表示部40にウォームアップ時間を視認可能に表示するとともに、印刷モードを変更するための選択ボタンの表示を行っている。図示の例では、操作表示部40にKインクを使用したモノクロ印刷のウォームアップ時間、CMYKの4色インクを使用したフルカラー印刷のウォームアップ時間をそれぞれ表示し、さらに印刷モードを変更するための選択ボタンが表示されている。
従って、ユーザは、図4、5に示す表示内容からウォームアップ時間を把握することができ、画質ではなく時間を要求している場合は、ウォームアップ時間の短いモードを選択することが可能となる。また、ユーザによって印刷モードが選択されると、操作表示部40から選択された印刷モードを示す印刷モード情報が電力制御手段65に出力される。
電力制御手段65は、操作表示部40からの印刷モード情報と制御判別手段62からの温度制御情報を入力したとき、この印刷モードに応じた電力を温度調節部58に供給している。すなわち、電力制御手段65は、温度制御情報が加温制御を示す情報であった場合は、選択された印刷モードに使用するインクを加温するヒータ55に対し、印刷モードに応じた最適な電力を供給する。また、温度制御情報が冷却制御を示す情報であった場合は、選択された印刷モードに使用するインクを冷却するファン57に対し、印刷モードに応じた最適な電力を供給している。さらに、電力制御手段65は、制御判別手段62から温度制御停止信号を入力すると、温度調節部58に対する電力供給を停止する。
ここで、図6〜8を参照しながら、ユーザがモノクロ印刷又はフルカラー印刷を選択したときの各ヒータ55への電力供給制御について説明する。
図6〜8に示すように、本例の画像形成装置1では、電源装置のコスト制約やオフィスでの設置を目的としているため、インクを加温するヒータ55に供給できる総電力はP=V0 0 (P、V0 、I0 はそれぞれ一定の値とする)とし、各インクを加温するヒータ55(Cヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55c、Kヒータ55d)はそれぞれが最大Pの電力が供給可能なヒータ55を備えた構成である。また、電源装置からの電力供給は、印刷モードやインクのウォームアップ状態に応じて切替可能なスイッチ70〜73を切り替えることで各ヒータ55への電力供給が制御している。
なお、以下の説明では、インク加温時の電力制御のみを説明するが、インク冷却時の電力制御も同様である。
(モノクロ印刷選択時)
ユーザにより印刷モードとしてモノクロ印刷が選択されると、図示のようにスイッチ70〜72がOFFとなり、スイッチ73ONになる。従って、フルカラー印刷時にインクを加温するのに必要なCヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55cへ供給する電力を、モノクロ印刷時に使用するKインクを加温するのに必要なKヒータ55dへ供給するため、Kヒータ55dに流れる電流はI0 =I4 となる。
これにより、モノクロ印刷時の各インクのヒータ55a〜55dに供給される電力を示すと、
C =0、PM =0、PY =0、PK =V0 ×I0 =V0 ×I4 =Pとなり、総電力PがKヒータ55dにのみ電力が供給される。
(フルカラー印刷選択時)
ユーザにより印刷モードとしてフルカラー印刷が選択されると、図示のようにスイッチ70〜73がONとなる。従って、フルカラー印刷時に使用するCMYKインクを加温するのに必要なCヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55c、Kヒータ55dにそれぞれ1/4Pずつ電力が供給され、総電流はI0 =I1 +I2 +I3 +I4 となる。
これにより、フルカラー印刷時の各インクのヒータ55a〜55dに供給される電力を示すと、
C =V0 ×I1 =1/4P、PM =V0 ×I2 =1/4P、PY =V0 ×I3 =1/4P、PK =V0 ×I4 =1/4Pとなり、Cヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55c、Kヒータ55dへそれぞれ1/4Pずつ電力が供給される。
また、例えば前回の印刷モードがモノクロ印刷であった場合に、フルカラー印刷が選択されると、Kインクはウォームアップが完了してるため、フルカラー印刷で使用するCインク、Mインク、Yインクのみをウォームアップさせている。すなわち、ウォームアップが完了しているインクのヒータには電力を供給せず、ウォームアップが必要なインクのヒータにその分の電力を供給することで、ウォームアップ時間の短縮を図っている。
(前回の印刷モードと異なる印刷モード選択時)
前回の印刷がモノクロ印刷のとき、ユーザにより次回の印刷モードとしてフルカラー印刷が選択されると、図8に示すように、スイッチ70〜72がONとなり、スイッチ73がOFFになる。従って、フルカラー印刷時に使用するウォームアップ済みのKインク以外のCMYインクを加温するのに必要なCヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55cにそれぞれ電力が供給され、総電流はI0 =I1 +I2 +I3 となる。
これにより、フルカラー印刷時の各インクのヒータ55a〜55cに供給される電力を示すと、
C =V0 ×I1 =1/3P、PM =V0 ×I2 =1/3P、PY =V0 ×I3 =1/3P、PK =0となり、Cヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55cへそれぞれ1/3Pずつ電力が供給される。
[画像形成装置の処理動作]
次に、上述した画像形成装置1の処理動作として、図9に示す電源投入から印刷開始するまでのウォームアップ処理、図10に示す前回の印刷処理終了後における次回の印刷ジョブのウォームアップ処理についてそれぞれ説明する。
なお、以下の処理動作において、印刷モードはモノクロ印刷とフルカラー印刷の2種類とし、インクの温度制御を加温制御とした例である。
<印刷開始時のウォームアップ処理>
まず、図9を参照しながら、電源投入から印刷開始するまでのウォームアップ処理について説明する。
図示のように、電源投入から印刷開始までのウォームアップ処理としては、まずユーザにより電源が投入されると(ST1)、温度検出手段51aがインクの温度を検出し(ST2)、そのインクが保証温度に達しているか否かを判別する(ST3)。
このとき、検出したインクが保証温度に達していると判別した場合は(ST3−Yes)、インクのウォームアップが完了しているため、直ちに選択された印刷モードに応じた印刷処理を行い(ST13)、処理を終了する。
一方、検出したインクが保証温度に達していないと判別した場合は(ST3−No)、制御部60においてモノクロ印刷とフルカラー印刷それぞれのウォームアップ時間を算出し(ST4)、算出したウォームアップ時間と印刷モード変更用の選択ボタンを操作表示部40に表示する(ST5)。
ユーザは、例えば図4に示すような表示内容でウォームアップ時間を確認し、表示された選択ボタンによって所望の印刷モードを選択する(ST6)。そして、操作表示部40で選択された印刷モードがモノクロ印刷か否かを判別する(ST7)。
このとき、選択された印刷モードがモノクロ印刷であった場合は(ST7−Yes)、スイッチ70〜72をOFFに、スイッチ73をONにし、モノクロ印刷で使用するKインクを加温するべく、Kヒータ55dに電力Pを供給する(ST8)。これにより、モノクロ印刷を行うのに使用するKヒータ55dにのみ電力が供給され、Kインクを保証温度になるまで加温する。
一方、選択された印刷モードがモノクロ印刷でなかった場合は(ST7−No)、スイッチ70〜73をONにし、フルカラー印刷で使用するCMYKインクを加温するべく、Cヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55c、Kヒータ55dにそれぞれ1/4Pずつ電力を供給する(ST9)。これにより、フルカラー印刷を行うのに使用するCMYKインクをそれぞれ保証温度になるまで加温する。
ST8、ST9において、印刷モードに応じてヒータ55に電力供給されると、次にインクの温度監視を行い(ST10)、インクが保証温度に達したか否かの判別を行う(ST11)。
このとき、インクが保証温度に達した場合(ST11−Yes)は、温度調節部58への電力供給を停止する(ST12)。そして、インクのウォームアップが完了したため、印刷モードに応じた印刷処理を行い(ST13)、処理を終了する。
一方、インクが保証温度に達していない場合は(ST11−No)、引き続き温度調節部58への電力供給を行ってインクの温度制御を行うため、再度ST10へ戻る。
<次回の印刷ジョブのウォームアップ処理>
次に、図10を参照しながら、前回の印刷処理終了後における次回の印刷ジョブのウォームアップ処理について説明する。ここでは、前回の印刷モードがモノクロ印刷であった場合を例にとって説明する。
図示のように、前回の印刷処理終了後における次回の印刷ジョブのウォームアップ処理としては、まず前回の印刷処理であるモノクロ印刷終了後に控えている次回の印刷ジョブがフルカラー印刷であるか否かを判別する(ST21)。
このとき、次回の印刷ジョブがフルカラー印刷であった場合は(ST21−Yes)、制御部60において前回の印刷モードと異なるモードであるフルカラー印刷のウォームアップ時間を算出し(ST22)、算出したウォームアップ時間と印刷モード変更用の選択ボタンを操作表示部40に表示する(ST23)。すなわち、印刷モードが前回と同じモノクロ印刷は、既にウォームアップ済みであるためウォームアップ時間を算出せず、ウォームアップが必要なフルカラー印刷のウォームアップ時間のみを算出している。
一方、次回の印刷ジョブがフルカラー印刷でなかった場合は(ST21−No)、印刷モードが前回の印刷モードと同じモノクロ印刷でありKインクがウォームアップ済みであるため、直ちに印刷モードに応じた印刷処理を行い(ST30)、処理を終了する。
ST23において、ユーザは、例えば図5に示すような表示内容でウォームアップ時間を確認し、表示された選択ボタンによって所望の印刷モードを選択する(ST24)。そして、印刷モードがフルカラー印刷であるか否かを判別する(ST25)。
このとき、印刷モードが変更されずにフルカラー印刷のままであった場合は(ST25−Yes)、フルカラー印刷に使用するインクのウォームアップを開始するため、スイッチ70〜72をONにし、ウォームアップ済みのKインク以外のフルカラー印刷で使用するCMYインクを加温するべく、Cヒータ55a、Mヒータ55b、Yヒータ55cにそれぞれに1/3Pずつ電力を供給する(ST26)。これにより、フルカラー印刷を行うのに使用するCMYインクをそれぞれ保証温度になるまで加温する。
一方、印刷モードがフルカラー印刷からモノクロ印刷に変更された場合は(ST25−No)、印刷モードが前回の印刷モードと同じモノクロ印刷でありKインクがウォームアップ済みであるため、直ちに印刷モードに応じた印刷処理を行い(ST30)、処理を終了する。
ST26において、印刷モードに応じた電力がヒータ55に供給されると、次にインクの温度監視を行い(ST27)、インクが保証温度に達したか否かの判別を行う(ST28)。
このとき、インクが保証温度に達した場合(ST28−Yes)は、ヒータ55への電力供給を停止する(ST29)。そして、インクのウォームアップが完了したため、印刷モードに応じた印刷処理を行い(ST30)、処理を終了する。
一方、インクが保証温度に達していない場合は(ST28−No)、引き続き温度調節部58への電力供給を行ってインクの温度制御を行うため、再度ST27へ戻る。
以上説明したように、上述した画像形成装置1は、印刷開始時において循環流路59b内を循環するインクの温度を検出し、この温度が保証温度に達しているか否かを判別する。そして、インクの温度が保証温度に達していない状態で印刷モードとして単色印刷が選択された場合に、複数色印刷時に使用するインク温度制御用の電力を、単色印刷に使用するインク温度制御用として供給してウォームアップを行っている。
これにより、単色印刷の際に、印刷モードが単色印刷の際に、ウォームアップ時に温度調節を行わない複数色印刷で使用するインク温度調節用の電力を単色印刷で使用するインク温度調節用の電力に加えて供給して単色印刷で使用するインクの温度制御を行うため、ウォームアップ効率が向上し、従来よりもウォームアップ時間を短縮することができ、延いては印刷時間の短縮にもつながり作業効率が向上する。
また、このような構成を備えることで、インクジェットへッド51aがライン型で、且つ大量印刷を目的とする産業用の画像形成装置において、ウォームアップ時間が格段に短縮され、作業効率の向上が図れる。
さらに、画像形成装置1では、印刷開始時にインクの温度が保証温度に達しているか否かを判別し、保証温度に達していない場合に、印刷モード毎のインクのウォームアップ時間を算出して表示するとともに、表示内容に応じて印刷モードを変更するための選択ボタンの表示も行っている。
これにより、ユーザにウォームアップが完了するまでに要する時間を認知させてから印刷モードが選択できるようになり、画質要求度より時間要求度が高いユーザに対して画質の選択肢に加えて印刷時間の選択肢を与えることができる。
ところで、上述した形態において、単色印刷としてKインクを用いた「モノクロ印刷」、複数色印刷としてCMYKの4色を用いた「フルカラー印刷」を行う構成とした例で説明したが、これに限定されることはなく、装置の使用環境に応じて例えば単色印刷を「単色カラー印刷」、複数色印刷を「2色印刷」にするなど、単色印刷や複数色印刷の印刷内容を任意に組み合わせることができる。
また、ウォームアップ時間の表示制御として、図4では印刷モードを変更するための選択ボタンが表示されていない例、図5ではウォームアップ時間にプログレスバーが表示されていない例をあげて説明したが、これに限定されることはなく、使用環境や装置構成に応じて印刷モードを変更するための選択ボタンやウォームアップ時間のプログレスバーを表示することもできる。
さらに、各インクを温度調節する温度調節部58のヒータ55やファン57の装置仕様として最大Pの電力が供給可能としているが、選択された印刷モードで使用しないインクの温度調節部58に供給される電力を印刷時に使用するインクの温度調節部58に対して追加供給する構成であれば良いため、例えば供給可能な電力が最大1/4Pのヒータ55又はファン57を4つ組み合わせて最大Pの電力供給が可能なヒータ55とする構造にしても同様の効果を奏することができる。
また、上述した形態では、インクジェットへッド51aとして被記録媒体の搬送方向と直交する方向と平行に配置され、前記被記録媒体の記録可能な全幅に対応した長さを有するライン型インクジェットヘッドを採用した画像形成装置として説明したが、インクジェットへッド51aとして印字幅方向に往復移動させながら被記録媒体に印刷が行われるシリアル型インクジェットヘッドであってもインクのウォームアップ時間短縮を図ることができる。
以上、本願発明における最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1…画像形成装置
10…給紙部
11…給紙トレイ
20…画像形成部
30…排紙部
31…排紙トレイ
40…操作表示部
41…表示パネル
42…操作キー
50…インクボトル
51…ヘッドユニット(51a…インクジェットへッド、51b…温度検出手段)
52…下部タンク
53…上部タンク
54…ポンプ
55…ヒータ(55a…Cヒータ、55b…Mヒータ、55c…Yヒータ、55d…Kヒータ)
56…ヒートシンク
57…ファン
58…温度調節部
59…インク流路(59a…供給流路、59b…循環流路)
60…制御部
61…記憶手段
62…制御判別手段
63…演算手段
64…表示制御手段
65…電力制御手段
70〜73…スイッチ

Claims (5)

  1. インクの温度を検出する温度検出手段と、前記インクが印刷可能な保証温度範囲内となるよう加温又は冷却する温度調節部とを、前記インク毎に独立して備え、
    印刷開始時に前記温度検出手段で前記インクの温度を検出し、単色印刷又は複数色印刷のうち何れかの印刷モードで使用するインクの温度が前記保証温度となるように前記温度調節部で温度調節し、当該温度調節したインクをインクジェットへッドから選択的に吐出して被記録媒体に所望の画像形成を行う画像形成装置において、
    前記選択された印刷モードで使用する前記インクの温度が前記保証温度範囲内であるか否かを判別し、前記インクの温度が前記保証温度に達していない場合は、前記インクのウォームアップを行うため、前記選択された印刷モードで使用しない前記インクの温度調節部に供給される電力を、前記選択された印刷モードに使用する前記インクの温度調節部に供給制御する制御部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 印刷処理の際に、前記インクジェットへッドに供給された前記インクのうち、印刷で消費されなかったインクを再び前記インクジェットヘッドに供給するために前記インクを循環させる循環流路が前記インク毎にそれぞれ独立して装置本体内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、
    前記インク毎の保証温度を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された前記インクの保証温度と、印刷開始時に前記温度検出手段で検出した前記インクの温度との差分値を用いて、前記印刷モード毎の前記インクのウォームアップ時間をそれぞれ算出する演算手段と、
    該演算手段で算出された前記印刷モード毎のウォームアップ時間を、装置本体に具備された操作表示部に視認可能に表示制御する表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記表示制御手段は、前記単色印刷で使用する前記インクのウォームアップが完了している状態で、次回の印刷ジョブが前記複数色印刷のとき、他の印刷モードに変更するための選択ボタンを前記操作表示部に表示制御することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記インクジェットへッドは、前記被記録媒体の搬送方向と直交する方向と平行に配置され、前記被記録媒体の記録可能な全幅に対応した長さを有するライン型インクジェットへッドであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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