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JP2010262832A - 発電システム、および補助ユニット - Google Patents

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JP2010262832A JP2009112854A JP2009112854A JP2010262832A JP 2010262832 A JP2010262832 A JP 2010262832A JP 2009112854 A JP2009112854 A JP 2009112854A JP 2009112854 A JP2009112854 A JP 2009112854A JP 2010262832 A JP2010262832 A JP 2010262832A
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Abstract

【課題】停電等の非常時に発電を遂行し、利便性向上と安全確保が可能なコジェネレーションシステムを提供する。
【解決手段】発電システム100は、発電ユニット110と補助ユニット120から構成され、発電ユニットは湯水を貯湯および保温する貯湯槽150と、化学反応を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する燃料電池154と、貯湯槽の湯水との熱交換によって生成された熱エネルギーを回収する熱交換器156とを備え、補助ユニットは貯湯槽から通水された湯水を放熱する循環流路222と、循環流路に貯湯槽の湯水を循環させるための送水ポンプ226と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを発生させる発電システム、および補助ユニットに関する。
燃料電池は、水素と酸素との化学反応を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する発電装置である。通常、化学エネルギーから電気エネルギーを取り出すためには、その途中で熱エネルギー(水蒸気)および運動エネルギー(タービン)といったエネルギー変換を経由するため、エネルギー損失が大きくなる。これに対し、当該燃料電池では化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するため発電効率を高めることができる。また、二酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)等の大気汚染物質をほとんど排出しないので、温室効果ガスの削減効果が大きいクリーンな電気エネルギー生成装置として既存の発電機との置き換えが期待されている。
また、燃料電池で発生した電気エネルギーを電気機器に供給すると共に、発電時に生じた熱エネルギーとの熱交換により温められた湯水を貯湯槽に蓄えておき、蓄えた湯水をシャワー給湯等に利用するコジェネレーションシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
燃料電池を利用したコジェネレーションシステムでは、発電による環境負荷を低く抑えることができると共に、発電時に生じた熱エネルギーを給湯に活用するといった利用者への経済的な効果も重要視されている。このため、温めた湯水を貯める貯湯槽には保温性の高い容器が用いられ、また、湯水が高温になり熱回収を十分に行えない状況では発電動作を停止するように制御される。発生した熱エネルギーをそのまま放置しておくことは安全面でも問題が生じ得るため、上記の仕組みは、経済性と共に安全性にも配慮したものである。
特開2004−053120号公報
上述したように、従来のコジェネレーションシステムでは、貯湯槽の水温が所定の貯湯上限値まで上昇すると、発電を停止するように構成されている。従って、貯湯槽の水温が貯湯上限値に達した後は、貯湯槽の湯水が給湯に利用され、新たに低温の水道水が加えられたことで水温が低下した時にのみ一時的に発電が実行されていた。
しかし、地震などの災害発生時には、長時間の「停電」が生じるおそれがある。また、災害時においては「断水」と「停電」が同時に起きることも十分に考えられる。従って、停電発生時でも最低限必要な電子機器に対しては燃料電池の発電により電源供給することが望まれる。しかし、上述した技術では、貯湯槽の水温が高くなってしまうと発電が停止されてしまうため、継続した電源供給を行うことができなかった。
本発明は、このような課題に鑑み、停電等の非常時に継続的に発電を遂行し、ユーザの利便性向上と安全の確保を図ることが可能な発電システム、および補助ユニットを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、発電ユニットと、発電ユニットに接続される補助ユニットと、を含む本発明の発電システムは、発電ユニットが、湯水を貯湯および保温する貯湯槽と、化学反応を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する燃料電池と、貯湯槽の湯水との熱交換によって生成された熱エネルギーを回収する熱交換器と、を備え、補助ユニットが、貯湯槽から通水された湯水を放熱する循環流路と、循環流路に貯湯槽の湯水を循環させるための送水ポンプと、を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、湯水を貯湯および保温する貯湯槽と、化学反応を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する燃料電池と、貯湯槽の湯水との熱交換によって生成された熱エネルギーを回収する熱交換器と、を含む発電ユニットに接続される本発明の補助ユニットは、貯湯槽から通水された湯水を放熱する循環流路と、循環流路に貯湯槽の湯水を循環させるための送水ポンプと、を備えることを特徴とする。
発電ユニットでは、燃料電池が水素等の燃料と酸素等の酸化剤とを化学反応させ電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成し、生成された熱エネルギーは湯水に置き換えられて貯湯槽で蓄積および保温される。しかし、貯湯槽の水温が所定の貯湯上限値まで上昇すると発電が停止され、以後、湯水の取り出しや経時による水温低下時にのみ一時的に燃料電池による発電が実行される。本発明では、停電等の非常時に、貯湯槽の湯水を積極的に放熱、循環させ、貯湯槽の水温を貯湯上限値に到達させないことで継続的に発電させることを可能にする。
上記補助ユニットは、停電を検出する停電検出部と、停電検出部が停電を検出した場合に送水ポンプを駆動して湯水を循環させるポンプ制御部と、をさらに備えてもよい。
停電検出部が停電を検出すると、送水ポンプで貯湯槽の湯水を積極的に放熱、循環させる構成により、貯湯槽の水温を貯湯上限値に到達させないようにすることができ、電気を必要とする停電時に継続的に発電させることを可能にする。
上記補助ユニットは、貯湯槽から循環流路への湯水の流入を阻止するための循環弁と、停電検出部が停電を検出していない間、循環弁を閉口する循環弁制御部と、をさらに備えてもよい。
湯水の循環を要さない通常時に循環弁を閉口することで、貯湯槽に貯められた湯水が循環流路へ流入するのを阻止することができる。こうして、循環流路中の放熱された湯水が貯湯槽中の湯水と混合してしまうことにより貯湯槽の保温機能を低下させる事態を回避することが可能となる。
ポンプ制御部は、停電検出部が停電を検出している間、貯湯槽の湯水が高温のときに送水ポンプを駆動させ、貯湯槽の湯水が低温のときには送水ポンプを停止してもよい。
本発明では、貯湯槽の水温が十分に低いときに低温の湯水を無駄に循環させないようにし高温時にのみ循環させることで、放熱効率の低下を回避し、消費電力の低減を図ることができる。
循環流路には、水道水の流路が接続されていてもよい。
貯湯槽には給湯器が給湯した分の湯水を補充するための水道水の受水口が設けられている。本発明では、循環流路で放熱された湯水と、水道水とを合わせることで、発電ユニットの改変を伴うことなく既存の受水口を有効利用し、湯水と水道水とを受水口に送水することができる。
上述した補助ユニットにおける技術的思想に対応する構成要素やその説明は、発電システムにも適用可能である。
以上説明したように本発明によれば、停電等の非常時に継続的に発電を遂行し、ユーザの利便性向上と安全の確保を図ることが可能となる。
第1の実施形態における発電システムの概略的な構成を示したブロック図である。 第2の実施形態における発電システムの概略的な構成を示したブロック図である。 発電方法における状態遷移を示した状態遷移図である。 通常状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図である。 通常状態における湯水の流れを説明するための模式図である。 停電状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図である。 停電状態における湯水の流れを説明するための模式図である。 断水状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図である。 断水状態における湯水の流れを説明するための模式図である。 停電・断水状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図である。 停電・断水状態における湯水の流れを説明するための模式図である。 停電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。 復電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。 断水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。 復水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。 停電中の断水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。 停電断水中の復水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。 断水中の停電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。 停電断水中の復電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:発電システム100)
図1は、発電システム100の概略的な構成を示したブロック図である。発電システム100は、主として発電ユニット110と補助ユニット120とからなる。発電ユニット110では、燃料電池を通じて電気エネルギーと熱エネルギーとが生成され、少なくとも熱エネルギーは湯水として保持される。補助ユニット120は、発電システム100における特に湯水の循環に関する補助的な処理を遂行する。
(発電ユニット110)
図1に示したように、発電ユニット110は、貯湯槽150と、発電ラジエータ152と、燃料電池154と、熱交換器156と、給湯器158と、発電制御部160とを含んで構成され、自体で生成した熱エネルギーを湯水の顕熱として貯湯槽150に蓄積する。
貯湯槽150は、所定容量(例えば100リットル)の湯水を貯め得る保温性能が高い容器で形成され、発電ユニット110動作時は満水状態にある。ただし、後述するように熱交換された高温の湯水は貯湯槽150の一端部(例えば鉛直上端側170)に還送されるため、貯湯槽150内で、上端に向かうほど水温が高くなり貯湯槽150の上下で温度差が生じる。
発電ラジエータ152は、貯湯槽150の鉛直下端側172に滞留している湯水を冷却する。かかる湯水の冷却方式は、熱交換媒体として液体を利用する液冷式と空気を利用する空冷式とがある。
燃料電池154は、発電ラジエータ152で冷却された湯水を、例えば、水蒸気に変換し、得られた水蒸気と混合した、都市ガス、液化石油ガス(LPG)、灯油といった燃料を水素に改質する。そして、改質した水素と、酸素等の酸化剤との化学反応を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する。かかる燃料電池154は、電解質や作動温度が異なる、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)、りん酸形燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)、アルカリ電解質形燃料電池(AFC:Alkaline Fuel Cell)、直接形燃料電池(DFC:Direct Fuel Cell)等に分類される。
熱交換器156は、燃料電池154と、発電ラジエータ152によって冷却された貯湯槽150の鉛直下端側172の湯水との間で熱交換を行って、発電によって生じた熱エネルギーを回収する。また、熱回収により温められた湯水を貯湯槽150の鉛直上端側170に還送する。
給湯器(バックアップ給湯器)158は、貯湯槽150の鉛直上端側170および貯湯槽150の水道水の受水口174に接続され、給湯操作器(図示せず)に設定されたユーザが所望する水温(例えば32℃〜60℃内で任意に設定)になるように、貯湯槽150の高温の湯水と水道水とを混合して給湯バルブ176から給湯する。また、給湯器158は、加熱処理部178を含み、貯湯槽150の鉛直上端側170の湯水が設定された水温に達していない場合に、所望の水温に達するまで貯湯槽150の湯水に対してさらに加熱処理を行う。
発電制御部160は、中央処理装置(CPU)や信号処理装置(DSP:Digital Signal Processor)を含む半導体集積回路で構成され、所定のプログラムを用いて発電ユニット110全体を管理および制御する。発電制御部160は、貯湯槽150の湯水の水温を測定する温度センサ180の測定値が所定温度未満のときに燃料電池154による発電を実行する。また、発電制御部160は、貯湯槽150の湯水の圧を測定する水圧センサ186の測定値が所定圧未満になると、断水が発生したと認識し、安全のため断水異常状態に移行し発電を行えないように制限する。
発電ユニット110は、ユーザが利用する湯水を、発電によって生じた熱エネルギーを活用して生成し、貯湯槽150にて保温しながら保持することを主たる目的としている。そのため、発電制御部160は、貯湯槽150の水温が所定の貯湯上限値(例えば65℃)まで上昇すると、発電によって生じる熱エネルギーを十分に回収できなくなるため、燃料電池154による発電が停止するように構成されている。なお、貯湯槽150の水温は、貯湯槽150の鉛直下端側172の水温を直接計測して導出することもできるし、発電ラジエータ152の上流または下流において測定した温度を貯湯上限値に相当する温度に換算して間接的に導出することもできる。
そして、ユーザが給湯を実行し、給湯により放出した湯水の代わりに受水口174を介して水道水が受水され水温が全体的に低下した場合、または経時により水温が低下した場合にのみ、発電ユニット110は、貯湯槽150の水温を貯湯上限値に達するまで、一時的に燃料電池154による発電を再開する。
また、停電時に発電ユニット110や後述する補助ユニット120を起動または動作維持するための電力は、発電ユニット110または商用電源によって予め蓄電されているバックアップ電源により供給される。このバックアップ電源は、発電ユニット110あるいは補助ユニット120のいずれに設けてもよい。
(補助ユニット120)
図1に示したように、補助ユニット120は、循環流路222と、停電検出部224と、送水ポンプ226と、循環弁228と、補助制御部230とを含んで構成され、発電ユニット110における貯湯槽150の湯水を循環流路222を用いて循環させる。
循環流路222は、例えば金属等放熱材料を用いた中空の管で構成され、貯湯槽150の湯水を通流、放熱する。上述したように、発電ユニット110では、貯湯槽150の水温が所定の貯湯上限値まで上昇すると発電が停止され、以後、給湯器158を通じた給湯時または水温低下時にのみ一時的に燃料電池154による発電が実行される。これは、発電より貯湯、特に湯水の保温を優先していることに起因している。
しかし、停電等の非常時においては、商用電力の代替手段が必要となるので、発電ユニット110による継続的な発電が望まれる。そこで、補助ユニット120では、停電等の非常時に、保温されている貯湯槽150の湯水を、循環流路222を通じて積極的に放熱、循環させ、貯湯槽150の水温を貯湯上限値に到達させないことで発電ユニット110に継続的に発電させることを可能とする。
停電検出部224は、商用電源の電圧をモニタリングし、停電を検出する。
送水ポンプ226は、循環流路222を通じて放熱された湯水を、所定の水圧(例えば2.0kgf/cm)で貯湯槽150の鉛直下端側172に送水する。つまり、送水ポンプ226は、貯湯槽150の鉛直上端側170で滞留している湯水を循環流路222に通流し放熱させた後、貯湯槽150の鉛直下端側172に循環させる機能を担う。ここで、送水ポンプ226は、発電制御部160が断水異常の検出に用いる閾値である所定圧以上で送水する。
送水ポンプ226は、後述する送水ポンプ制御部234の制御に基づいて、貯湯槽150の湯水の冷却循環が必要ない通常時(非停電時)は動作せず、保温していた湯水を冷却してでも発電を実行させたい非常時、例えば、停電検出部224が停電を検出している停電時に動作する。送水ポンプ226は、非動作時においては単なる管(流路)として機能する。非常時における送水ポンプ226の動作は、連続的に行ってもよく、必要に応じて間欠的に行ってもよい。停電検出部224が停電を検出すると、送水ポンプ226で貯湯槽150の湯水を積極的に放熱、循環させる構成により、貯湯槽150の水温を貯湯上限値に到達させないようにすることができ、電気を必要とする停電時に継続的に発電させることを可能にする。
また、循環流路222上には、水道182からの水道水を引き込むための流路が接続される。送水ポンプ226は、循環流路222で放熱された湯水と、水道182からの水道水とを合わせて貯湯槽150に送水する。貯湯槽150には給湯器158が給湯した分の湯水を補充するための水道水の受水口174が設けられている。ここでは、循環流路222で放熱された湯水と、水道水とを合わせることで、発電ユニット110の改変を伴うことなく既存の受水口174を有効利用し、湯水と水道水とを受水口に送水することができる。
循環弁228は、後述する循環弁制御部236による制御に応じて循環流路222を開閉する。循環弁228は、貯湯槽150の湯水が循環流路222に流入することを阻止する手段として機能する。
補助制御部230は、中央処理装置(CPU)や信号処理装置(DSP)を含む半導体集積回路で構成され、所定のプログラムを用いて補助ユニット120全体を管理し、主として補助ユニット120内各部の状況判断と、各弁およびポンプの制御とを行い、貯湯槽150と循環流路222との間の湯水の循環制御を実行する機能を担う。
本実施形態において、補助制御部230は、弁制御部232、送水ポンプ制御部234を含む。
弁制御部232は、補助ユニット120に含まれる各弁を制御する。本実施形態において、弁制御部232は、循環弁制御部236や後述する排水弁制御部238としても機能する。
循環弁制御部236は、循環弁228を開閉する。詳細に、循環弁制御部236は、停電検出部224が停電を検出していない場合(以下、単に通常時という。)に循環弁228を閉口し、停電検出部224が停電を検出した場合(以下、単に停電時という。)に循環弁228を開口し、湯水の循環を可能とする。
循環弁制御部236は、通常時に循環弁228を閉口することで、貯湯槽150に貯められた湯水が循環流路222へ流入するのを防止することができる。こうして、循環流路222中の放熱された湯水が貯湯槽150中の湯水と混合してしまうことにより貯湯槽150の保温機能を低下させる事態を回避することが可能となる。
送水ポンプ制御部234は、弁制御部232の特に循環弁制御部236と連携して送水ポンプ226の駆動または停止を制御する。送水ポンプ制御部234は、通常時は送水ポンプ226を駆動させず、停電時に駆動させて循環を実行する。
ここで、補助制御部230は、貯湯槽150の湯水が高温であるか低温であるかを判定し、貯湯槽150の水温の高低に応じて循環弁228および送水ポンプ226を制御する構成とする。即ち、貯湯槽150の水温が十分に低い(所定温度未満の)ときに低温の湯水を無駄に循環させないようにし、水温が高い(所定温度以上の)ときのみ循環させるのが望ましいため、停電中であっても貯湯槽150の水温が低いときには循環弁228を閉口し、送水ポンプ226を駆動しない。これにより、放熱効率の低下を回避し、消費電力の低減を図ることが可能となる。また、貯湯槽150の水温の高低は、湯温センサ180の測定結果を利用してもよいし、別途、貯湯槽150の側壁の温度を計測するセンサや、後述するように給湯器158の加熱処理の動作状態を検出するセンサ(加熱検出器240)を用いることもできる。
以上説明した補助ユニット120を用いることで、通常時は経済性を意識して効率的に発電ユニット110を活用できると共に、災害時に停電が生じた場合には発電継続による電源供給を経済性より重視して発電ユニット110を活用できるので、照明、携帯電話、テレビジョン、冷蔵庫といった必要な電気機器を引き続き利用可能となる。また、施設や自宅に、常時屋内を監視する機械警備を導入している場合においても、その機械警備に引き続き通電できるので、災害時を狙った窃盗や不法侵入といった二次的被害から身を守ることが可能となる。
(第2の実施形態:発電システム200)
第1の実施形態では、発電ユニット110および補助ユニット120を通じて本発明の概念的な実施形態を説明した。第2の実施形態では、第1の実施形態における補助ユニット120をさらに具体的に示した補助ユニット220を通じて、発電システム200の詳細な構成と、その動作を説明する。
図2は、発電システム200の概略的な構成を示したブロック図である。発電システム200は、発電ユニット110と補助ユニット220とからなる。発電ユニット110は、図1に示したのと同様、貯湯槽150と、発電ラジエータ152と、燃料電池154と、熱交換器156と、給湯器158と、発電制御部160とを含んで構成される。
また、補助ユニット220は、循環流路222と、停電検出部224と、送水ポンプ226と、循環弁228と、補助制御部230と、加熱検出器240と、給湯弁242と、循環ラジエータ246と、循環吸気弁248と、水抜弁250と、水抜逆止弁252と、循環逆止弁254と、貯水槽256と、放水排水弁258と、放水バルブ260と、温度検出器262と、水抜排水弁264と、流量センサ266と、排水逆止弁268と、排貯水吸気弁270と、水道受水バルブ272と、水道受水減圧弁274と、水圧センサ276と、断水検出部278と、水道水逆止弁284と、給水逆止弁286と、給水バルブ288とを含んで構成される。なお、循環流路222は、循環ラジエータ246、貯水槽256をその構成の一部に含んでなる。
ここで、第1の実施形態における構成要素として既に述べた循環流路222と、停電検出部224と、送水ポンプ226と、循環弁228と、補助制御部230とは、実質的に機能が同一なので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する補助ユニット220の他の構成要素を主に説明する。また、第1の実施形態で説明したように、循環流路222は、貯湯槽150の鉛直上端側170に接続して高温になった湯水を直接循環させるのが望ましいが、本実施形態のように貯湯槽150に湯水を取り出すための口が設けられていない場合、給湯器158に接続して、給湯器158を介して貯湯槽150の湯水を循環することもできる。こうして、既存の発電ユニット110の改変を伴うことなく、ユーザの利便性向上と安全の確保を図ることが可能となる。
(補助ユニット220)
加熱検出器240は、サーモスタット等で構成され、発電ユニット110の給湯器158に設置されて、給湯器158の加熱処理部178で加熱処理が為されているか否かを判定する。なお、給湯器158と電気的に接続し、動作信号を入力することで加熱処理の動作状態を検出するよう構成してもよい。
上述したように本実施形態では、循環流路222が給湯器158に接続され、循環流路222は給湯器158を介して貯湯槽150の湯水を受水している。従って、循環弁制御部236および送水ポンプ制御部234は、加熱検出器240の加熱処理の有無に応じて循環弁228および送水ポンプ226を制御する。即ち、加熱検出器240が加熱処理の有無によって貯湯槽150の水温の高低を判定し、循環弁制御部236および送水ポンプ制御部234は、加熱処理が為されていることを検出したことをもって貯湯槽150が低温であると判定する。
第1の実施形態における補助ユニット120同様、第2の実施形態の補助ユニット220は、停電等の非常時に、貯湯槽150の湯水を積極的に放熱、循環させ、貯湯槽150の水温を貯湯上限値に到達させないことで発電ユニット110に継続的に発電させることが可能となる。しかし、貯湯槽150の水温が十分に高くなっていないとき、給湯器158において貯湯槽150の湯水が加熱処理される場合がある。
当該補助ユニット220が、このような貯湯槽150の水温が低い場合においてまで徹底して放熱を遂行すると、加熱と放熱との相反する処理を並行して実行することとなり放熱効率が悪くなる。また、給湯器158の加熱処理による無駄な電力消費が生じてしまう。さらに、貯湯槽150の水温が低い場合、湯水の循環を行わなくとも発電ユニット110自体によって発電が継続される。ここでは、加熱処理の有無によって貯湯槽150の水温の高低を判定することとし、加熱処理が為されているときに低温の湯水を無駄に循環させないようにし高温時にのみ循環させることで、放熱効率の低下を回避し、消費電力の低減を図る。
このとき、湯水の循環を停止する循環弁228の位置を給湯弁242の上流とすると、循環を停止した途端、給湯ができなくなってしまう。また、循環弁228の位置を放熱された湯水と水道水とが混合された後の循環路とすると、循環を停止した途端水道水の供給も断たれてしまい、循環の停止と同時に発電ユニット110の停止を招いてしまう。従って、このような問題が生じないよう、循環弁228の位置を、給湯器158から給湯弁242と循環流路222とへの分岐点から、貯水槽256までの、貯湯槽150の湯水を単に通流するだけの循環流路222上とした。
また、ユーザが、給湯の設定温度を貯湯槽150の貯湯上限値より高く設定した場合、給湯器158内では必ず加熱処理が為されることになる。そこで、停電時等の非常時には放熱効率の低下を回避し、無駄な電力の消費を抑えるため、温度設定を強制的に貯湯上限値以下に制限したり、貯湯上限値以下の温度への設定変更をユーザに促すこともできる。
さらに、加熱検出器240の判定に応じて循環弁228を閉口し送水ポンプ226を停止した後に、貯湯槽150の温度が十分に高くなると、循環弁制御部236および送水ポンプ制御部234は、循環を迅速に再開するよう判断すべきである。そこで、循環弁制御部236および送水ポンプ制御部234は、所定時間毎、例えば1〜10分毎に循環弁228の開閉判定および送水ポンプ226の駆動判定を繰り返し実行する。
ただし、補助制御部230は、貯湯槽150の水温、または、加熱検出器240の判定の如何に拘わらず、停電検出部224が停電を検出してから所定時間、例えば20分間循環弁228を開口し続け、送水ポンプ226を駆動して湯水の循環を遂行する。かかる所定時間は、実際の経過時間を計ってもよいし、例えば循環流路222に設けられた流量センサ(図示せず)によって20リットルの湯水の流量が検出されたとき等、他のパラメータによって計ることもできる。
上述したように、循環弁制御部236が循環弁228を閉口して湯水の循環を停止したとしても貯湯槽150内の湯水が貯湯上限値に達していなければ発電が継続される。しかし、長時間発電が行われていない等、所定の状況下においては、貯湯槽150内の温度が均一化し、貯湯槽150の鉛直上端側170の湯水の温度が、給湯器158において加熱処理が行われる程度に下がり、鉛直下端部172における湯水の温度が貯湯上限値に近づいている場合がある。この場合、本実施形態による循環を実行することなく発電を行うと、貯湯槽150の鉛直下端側172の水温が貯湯上限値に達し易くなり、発電が停止するおそれがある。そこで、補助制御部230は、停電検出部224が停電を検出すると、給湯器158の動作に因らず所定時間湯水を強制的に循環させることで、一旦貯湯槽150の水温を下げ、継続的に発電可能とする。
給湯弁242は、給湯器158の出水側に設けられ、弁制御部232の指示に従って給湯バルブ176への流路を開閉する。
循環ラジエータ246は、貯湯槽150から循環流路222に送水された湯水を冷却する。かかる湯水の冷却方式は、発電ラジエータ152同様、熱交換媒体として液体を利用する液冷式と空気を利用する空冷式とがある。また、当該循環ラジエータ246は、凍結防止のため、利用しないときには内部の循環流路222から水が抜かれている。
上述したように補助ユニット220では、貯湯槽150の湯水を放熱、循環させ、継続的に発電ユニット110を発電させている。しかし、発電による貯湯槽150の水温の上昇に対して放熱による水温の下降が間に合わなかった場合、発電ユニット110の発電が途切れるおそれがある。ここでは、循環ラジエータ246を用い貯湯槽150の放熱効果(冷却効果)を高めることによって、発電ユニット110による安定した発電が可能となる。
循環吸気弁248a、248bは、それぞれ循環ラジエータ246の上流と下流に設けられ、循環ラジエータ246の排水時に吸気を行う。上述した循環ラジエータ246には、水抜き用の吸気口および水抜弁も並設されているので、かかる循環吸気弁248a、248bと連動して排水が可能となる。
水抜弁250は、循環ラジエータ246の水抜きを実行する際、循環ラジエータ246からの水の流路を開閉する。
水抜逆止弁252は、循環ラジエータ246から送出された湯水を通流すると共に、循環ラジエータ246への逆流を防ぐ。
循環逆止弁254は、停電等の非常時に循環流路222に湯水を循環する際、循環ラジエータ246から流出された湯水を通流すると共に、循環ラジエータ246への逆流を防ぐ。
貯水槽256は、所定容量(例えば100リットル)の湯水を貯め得る金属等放熱機能を有する容器で形成され、循環流路222の一部として機能する。
放水排水弁258は、排水弁制御部238の制御に応じて、循環流路222、特に貯水槽256の湯水を排水するための流路を開閉する。
排水弁制御部238は、後述する温度検出器262が検出した温度が所定温度以上になると放水排水弁258を開口し貯水槽256の湯水を排水する。かかる所定温度は、その貯水槽256の湯水が貯湯槽150に送水されたとしても貯湯槽150の水温が発電を停止せしめる貯湯上限値に達してしまうと判断される温度である。
補助ユニット220では、貯湯槽150の湯水を放熱、循環させ、継続的に発電ユニット110を発電可能としている。しかし、循環流路222内の水温が上昇すると貯湯槽150内の水温を十分に下げることができなくなり、発電ユニット110の発電が途切れるおそれがある。ここでは、所定温度以上となった循環流路222の湯水を排水し低温の水道水を受水することで、貯湯槽150の放熱効果(冷却効果)を高め、発電ユニット110による安定した発電が可能となる。
放水バルブ260は、貯水槽256に蓄積された湯水または水道水を外部に放水するための流路を開閉する。上述した停電同様、災害時には断水も生じ得る。ここでは、補助ユニット220を循環する水を貯水槽256に貯水し、放熱媒体としてのみならず断水時の利用水として有効利用することで、給電と給水の両機能を実現することが可能となる。
しかし、上述した循環ラジエータ246には、停電等の非常時以外の通常時において、凍結防止のため水が張られていない。そのため、非常事態が生じたときには、まず、循環ラジエータ246に水を充填しなければならない。そこで、放水バルブ260を通じた放水は、少なくとも循環ラジエータ246に充填すべき容量だけは残すようにして実行される。
温度検出器262は、サーモスタット等で構成され、循環流路222における例えば貯水槽256の鉛直下端部184付近に設けられ貯水槽256内の水温を検出する。
水抜排水弁264は、弁制御部232の制御に応じて、循環流路222、特に貯水槽256の湯水を排水するための流路を開閉する。
流量センサ266は、水抜排水弁264の下流かつ排水逆止弁268の上流に配置され、水抜排水弁264を通流する水の流量を測定する。
排水逆止弁268は、排水弁制御部238が循環流路222の湯水を排水するとき、水抜排水弁264から送出された湯水を通流すると共に、水抜排水弁264への逆流を防ぐ。
排貯水吸気弁270は、放水バルブ260を通じて放水するとき、放水バルブ260から放水された水量分の空気を吸気する。
水道受水バルブ272は、水道182から貯水槽256への流路を開閉する。
水道受水減圧弁274は、水道受水バルブ272に連結され、水道圧を所定値、例えば3.7kgf/cmに減圧してその変動を均一化する。貯湯槽150には給湯器158が給湯した分の湯水を補充するための水道水の受水口174が設けられている。そこで、本実施形態では、既存の受水口174の構成を有効利用し、発電ユニット110の改変を伴うことなく、循環流路222で放熱された湯水と水道受水減圧弁274で減圧した水道水とを合わせてその受水口174に送水するのが望ましい。
水圧センサ276は、水道受水バルブ272の下流に設けられ、水道圧を測定する。
断水検出部278は、水圧センサ276の測定結果に基づいて、断水状態か否かを検出する。
水道水逆止弁284は、水道水を通流すると共に、貯水槽256から水道への逆流を防ぐ。
また、送水ポンプ制御部234は、断水検出部278が断水を検出したとき(以下、単に断水時という。)の水圧も維持するように、送水ポンプ226を制御する。発電ユニット110では、上述したように電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成し、生成された熱エネルギーは湯水に置き換えられて貯湯槽150に蓄積される。しかし、断水によって、貯湯槽150への水道水の給水が停止してしまうと、発電時に生じる熱を回収するための湯水を確保できなくなることから、発電ユニット110の発電制御部160は、貯湯槽150の水圧センサ180の測定値が所定圧(例えば、0.5kgf/cm)未満になると燃料電池154による発電を停止させ、断水が復旧し、所定の復旧操作が行われるまで発電を再開しないよう構成されている。ここでは、水圧を所定圧以上に維持しつつ、送水ポンプ制御部234に制御された送水ポンプ226を通じて貯水槽256の湯水を貯湯槽150へ送水することで、停電と断水が併発した場合であっても継続的に発電することが可能となる。
給水逆止弁286は、送水ポンプ226から送出された水を通流すると共に、送水ポンプ226への逆流を防ぐ。
給水バルブ288は、給水逆止弁286から貯湯槽150および給湯器158への流路を開閉する。
(発電方法)
続いて、上述した発電システム200における発電方法の詳細な処理の流れを説明する。図3は、発電方法における状態遷移を示した状態遷移図である。当該発電方法は、図3に示したように、通常状態、停電状態、断水状態、および停電・断水状態の4つの状態を遷移する。ここでは、まず、4つの状態における発電システム200の各弁やポンプの動作を説明する。
(通常状態)
図4は、通常状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図であり、図5は、通常状態における湯水の流れを説明するための模式図である。発電システム200における各弁は、非通電で開口している弁と、閉口している弁の2つの弁が準備されている。かかる通電/非通電の状態は図中括弧内のON/OFFで表される。
図4に示すように、通常状態では、水道182の圧は正常であり、すべての弁および送水ポンプ226を非通電にしたままで、図5に太線で示したような湯水の流れが形成される。従って、給湯器158で給湯が可能となるように給湯器158の給湯弁242も開口されている。また、水抜排水弁264、放水排水弁258、循環弁228、水抜弁250は、閉口されている(S1)。通常状態では、まだ湯水の循環は開始されないため、送水ポンプ226はOFFしているが、その流路は開放されているので、送水ポンプ226を通流する水道圧のみで水道水が貯湯槽150に送水される。このとき給湯器158で湯水を利用すると、その利用された分の水が水道182から補充され、給湯を通じた湯水の送水と水の受水等により貯湯槽150内の水温が低下すると一時的に燃料電池154による発電が再開される。
(停電状態)
図6は、停電状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図であり、図7は、停電状態における湯水の流れを説明するための模式図である。停電時には、貯湯槽150の湯水を循環するため、基本的には循環弁228が開口され貯湯槽150と循環流路222との流路が確保されると共に、湯水を循環させるための送水ポンプ226が駆動する(S1)。
ここで、給湯器158に設置された加熱検出器240が、加熱処理が為されていると判定すると、循環弁制御部236は、循環を一旦停止すべく、循環弁228を閉口すると共に送水ポンプ制御部234を通じて送水ポンプ226をOFFする(S2)。そして所定の時間が経過すると再度、送水ポンプ226をONし、循環弁228を開口して循環を再開させ加熱処理の有無を伺う。加熱検出器240の判定結果を参照し、加熱処理が為されていなかったら開口状態を維持して循環を継続する(S1)。ここでは、循環停止時に循環弁228を閉口する構成を述べているが、送水ポンプ226が停止すると湯水の流動はほとんどなくなるので、循環弁228を開口したままにすることもできる。なお、本実施形態では、貯湯槽150内の水温が低いときに循環を停止する構成としたが、これに加えて、連続して所定時間循環を行った場合には一旦循環を停止し、貯湯槽150内が高温になったとき、或いは一定時間経過後に循環を再開するよう構成してもよい。
また、基本状態(S1)に戻っているとき、温度検出器262が、貯水槽256の鉛直下端部184の水温が所定温度以上であると判断すると、排水弁制御部238は、湯水の循環中か否かに拘わらず、断水検出部278が断水を検出していないことを確認して放水排水弁258を開口し、貯水槽256の湯水を排水する(S3)。排水した分の湯水は水道182から補充される。そして所定の時間が経過すると放水排水弁258を閉口して排水を停止する(S1)。ここでは、所定温度以上となった貯水槽256の湯水を排水し低温の水道水を受水することで、貯湯槽150の放熱効果(冷却効果)を高め、発電ユニット110による発電を継続可能としている。
(断水状態)
図8は、断水状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図であり、図9は、断水状態における湯水の流れを説明するための模式図である。断水状態では、水道182の圧が低下し、停電検出部224が停電を検出していないので送水ポンプ226の圧もかからない。従って、給湯器158による湯水の給湯を可能とすると、貯湯槽150における湯水の圧が減少し発電ユニット110が断水異常となってしまい、後に停電が併発した際に発電を再開できなくなる。ここでは、図8に示すように給湯弁242を閉口して(S1)、図9に示すように湯水の給湯を制限することで湯水の圧の低下を防止し、発電が停止される事態を回避することが可能となる。
(停電・断水状態)
図10は、停電・断水状態における各弁およびポンプの動作を示した説明図であり、図11は、停電・断水状態における湯水の流れを説明するための模式図である。停電かつ断水時においても、停電状態同様、貯水槽256の湯水を循環するため、循環弁228が開口され貯湯槽150と循環流路222との流路が確保されると共に、湯水を循環させるための送水ポンプ226が駆動する(S1)。
ここで、給湯器158に設置された加熱検出器240が、加熱処理が為されていると判定すると、停電状態同様、循環弁制御部236は、循環を一旦停止すべく、循環弁228を閉口すると共に、送水ポンプ制御部234を通じて送水ポンプ226をOFFする(S2)。そして所定の時間が経過すると再度、送水ポンプ226をONし、循環弁228を開口して循環を再開させ加熱処理の有無を伺う。加熱検出器240の判定結果を参照し、加熱処理が為されていなかったら開口状態を維持して循環を継続する(S1)。ここでは、加熱処理が為されているときに貯湯槽150の湯水を無駄に循環させないようにし高温時にのみ循環させることで、放熱効率の低下を回避し、消費電力の低減を図ることができる。
また、断水状態と異なり、送水ポンプ226が駆動し、水道圧の低下に拘わらず貯湯槽150への圧が保たれるので、貯水槽256で許容される水量だけ、給湯器158から給湯することも可能である。図10においては給湯弁242が閉口されているが、給湯を実行する場合、貯水槽256の水量が所定の水量以下になるまで給湯弁242を一時的に開放させる。
続いて、図3における状態遷移を、1.停電時、2.復電時、3.断水時、4.復水時、5.停電中の断水時、6.停電断水中の復水時、7.断水中の停電時、8.停電断水中の復電時の8の事象に分けて説明する。また、以下の説明で用いられる各所定時間は、それぞれの動作が完了するまでの猶予を踏まえて任意に設定される時間を言う。
(1.停電時)
図12は、停電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。通常状態では、弁やポンプはすべてOFFになっているが(S1)、停電検出部224が停電を検出すると、送水ポンプ226が駆動すると共に、循環弁228を開口して、図6のように停電状態の運転を開始する(S2)。
(2.復電時)
図13は、復電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。停電状態では基本的に放水排水弁258が閉口、循環弁228が開口して、送水ポンプ226がONしているが、図6を用いて説明したように、加熱処理部178や貯水槽256の鉛直下端部184の水温によっては、開閉やON/OFFが変化している場合もあり得る(S1)。このとき復電、即ち、停電検出部224が停電を検出しなくなると、放水排水弁258と循環弁228とを閉口する(S2)。そして、水抜弁250を開口して循環ラジエータ246に充填されている水を排水する(S3)。所定の時間経過後、水抜弁250を閉口して循環ラジエータ246の水抜きを終了し、続いて、送水ポンプ226を停止する(S4)。こうして図4に示したように、通常状態の運転が開始される。
(3.断水時)
図14は、断水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。通常状態では、弁やポンプはすべてOFFになっているが(S1)、断水検出部278が断水を検出すると給湯弁242を閉口する(S2)。
また、断水は検出されているが停電が検出されていない場合、発電を継続して行えるようにする必要はないため、循環弁228は閉口したまま、送水ポンプ226もOFFのまま維持する。これにより、貯湯槽150へ加えられている水圧を通常状態に保持し、続いて停電が発生した場合にスムーズに発電を開始させることができる。
このとき、ユーザは、必要に応じて放水バルブ260を手動で開口することで貯水槽256から水を受水することができる。ただし、上述したように、非循環時には循環ラジエータ246には水が張られていないので、停電時において循環ラジエータ246に充填すべき水分(例えば20リットル)だけは貯水槽256に残るように、貯水槽256に対する放水バルブ260の取り出し位置が調整される。なお、放水バルブ260は、断水時にのみ手動で開口操作可能とし、非断水時は取水できないよう構成するのが好ましい。こうして、図8に示したように断水状態の運転が開始される。
(4.復水時)
図15は、復水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。断水状態では給湯弁242が閉口されている(S1)。ここで、断水検出部278が断水を検出しなくなって水道圧が戻ると、まず水抜排水弁264を開口し、水道182から水を受水すると共に貯水槽256内の空気を水抜排水弁264を通じて排出する(S2)。そして、流量センサ266によって所定の流量を検出すると、水抜排水弁264を閉口し、給湯弁242を開口する(S3)。こうして、図4に示したような通常状態に戻り、ユーザは給湯が可能となる。
(5.停電中の断水時)
図16は、停電中の断水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。停電状態では基本的に放水排水弁258が閉口、循環弁228が開口して、送水ポンプ226がONしているが、加熱処理部178や貯水槽256の鉛直下端部184の水温によっては、開閉やON/OFFが変化している場合もあり得る(S1)。このとき断水検出部278が断水を検出すると、水の排水を回避すべく、排水弁制御部238を無効化して、放水排水弁258および給湯弁242を閉口する(S2)。このとき、排貯水吸気弁270が開口されているので、ユーザは、必要時に放水バルブ260を手動で開口して貯水槽256から湯水を受水することができる。こうして、図10に示したように、停電断水状態の運転が開始される。
ここでは、湯水の排出を防ぎつつ発電を継続しており、温度検出器262が所定温度の超過を検出した場合であっても、排水に頼らず、自然放熱(例えば発電の一時停止)によって循環を維持する。ここで、排水弁制御部238を無効化したが、停電断水時であっても発電を最優先する場合、水を排水してでも発電を継続することができる。
(6.停電断水中の復水時)
図17は、停電断水中の復水時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。放水排水弁258が閉口されている状態で(S1)で、断水検出部278が断水を検出しなくなると、水抜排水弁264を開口し、水道水を貯水槽256に受水させると共に水抜排水弁264から、貯水槽256内の空気を排気する(S2)。そして、流量センサ266によって所定の流量を検出すると、水抜排水弁264を閉口し、排水弁制御部238の無効化を解除すると共に、給湯弁242を開放して給湯を可能とする(S3)。こうして、図6に示した停電状態の運転が開始される。
(7.断水中の停電時)
図18は、断水中の停電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。断水状態では給湯弁242が閉口されている(S1)。断水中に停電検出部224が停電を検出すると、循環弁228を開口させ、送水ポンプ226を駆動させる。このとき、放水排水弁258は閉口を維持する(S2)。こうして、図10に示したような停電・断水状態の運転が開始される。
(8.停電断水中の復電時)
図19は、停電断水中の復電時の各処理における各弁およびポンプの開閉の遷移を示した説明図である。停電状態では基本的に循環弁228が開口して、送水ポンプ226がONしているが、加熱処理部178によっては、開閉やON/OFFが変化している場合もあり得る(S1)。停電断水中に停電検出部224が停電を検出しなくなると、循環弁228を閉口して循環を停止させる(S2)。そして、水抜弁250を開口して循環ラジエータ246に充填されている水を排水する(S3)。所定時間経過後、水抜弁250を閉口して循環ラジエータ246の水抜きを終了し、給湯弁242を閉口すると共に送水ポンプ226を停止する(S4)。こうして図8に示すような断水状態の運転が開始される。
かかる発電方法においても、停電等の非常時に継続的に発電を遂行し、ユーザの利便性向上と安全の確保を図ることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書の発電方法をはじめとする上述した処理動作における各工程は、必ずしも説明図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、燃料電池を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを発生させる発電システム、および補助ユニットに利用することができる。
100、200 …発電システム
110 …発電ユニット
120、220 …補助ユニット
150 …貯湯槽
154 …燃料電池
156 …熱交換器
158 …給湯器
160 …発電制御部
178 …加熱処理部
222 …循環流路
224 …停電検出部
226 …送水ポンプ
228 …循環弁
236 …循環弁制御部
238 …排水弁制御部
240 …加熱検出器
256 …貯水槽
262 …温度検出器
278 …断水検出部

Claims (6)

  1. 発電ユニットと、該発電ユニットに接続される補助ユニットと、を含む発電システムであって、
    前記発電ユニットは、
    湯水を貯湯および保温する貯湯槽と、
    化学反応を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する燃料電池と、
    前記貯湯槽の湯水との熱交換によって前記生成された熱エネルギーを回収する熱交換器と、
    を備え、
    前記補助ユニットは、
    前記貯湯槽から通水された湯水を放熱する循環流路と、
    前記循環流路に前記貯湯槽の湯水を循環させるための送水ポンプと、
    を備えることを特徴とする発電システム。
  2. 湯水を貯湯および保温する貯湯槽と、化学反応を通じて電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する燃料電池と、該貯湯槽の湯水との熱交換によって該生成された熱エネルギーを回収する熱交換器と、を含む発電ユニットに接続される補助ユニットであって、
    前記貯湯槽から通水された湯水を放熱する循環流路と、
    前記循環流路に前記貯湯槽の湯水を循環させるための送水ポンプと、
    を備えることを特徴とする補助ユニット。
  3. 停電を検出する停電検出部と、
    前記停電検出部が停電を検出した場合に前記送水ポンプを駆動して湯水を循環させるポンプ制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の補助ユニット。
  4. 前記貯湯槽から前記循環流路への湯水の流入を阻止するための循環弁と、
    前記停電検出部が停電を検出していない間、前記循環弁を閉口する循環弁制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の補助ユニット。
  5. 前記ポンプ制御部は、前記停電検出部が停電を検出している間、前記貯湯槽の湯水が高温のときに前記送水ポンプを駆動させ、該貯湯槽の湯水が低温のときには該送水ポンプを停止することを特徴とする請求項3または4に記載の補助ユニット。
  6. 前記循環流路には、水道水の流路が接続されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の補助ユニット。
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