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JP2010260298A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱転写記録に用いられる熱転写シートであって、優れた保存性を有し、かつ転写時におけるシワの発生が防げるようにしたことを特徴とする熱転写記録媒体の提供。
【解決手段】支持体上の少なくとも一方の面に昇華性染料、バインダー及び硬化剤を主体としてなる熱転写層が設けられている熱転写記録媒体であって、前記バインダーは、少なくとも、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分を含むアセタール化度が85重量%以上のポリビニルアセタール樹脂からなり、前記ポリビニルアセトアセタール部分と前記ポリビニルブチラール部分との重量比が70:30〜80:20であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、被熱転写体上に文字または画像を記録するための熱転写層を有する熱転写記録媒体に関する。
従来から、文字または画像を被熱転写体に記録するための熱転写記録方式として、昇華型熱転写方式や溶融型熱転写方式が採用されている。例えば、昇華型熱転写方式の場合は、支持体上に染料やバインダー等を含む熱転写層等を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に染料を受容する受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない面からサーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層中の染料を昇華させ、被熱転写体の受容層へ移行させることで、所望の文字または画像を記録する。
一方、溶融型熱転写方式の場合は、支持体上に顔料やワックス等を含む熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、サーマルヘッド等により加熱することで、熱転写層の一部を被熱転写体に融着させ、被熱転写体の受容層へ転移させることで、所望の文字または画像を記録する。
上記の熱転写記録方式のうち、昇華型熱転写方式は、文字や図表等のモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像等のカラープリントに広く採用されている。
ところで、昇華型熱転写方式の場合、転写記録の際に用いられる熱転写記録媒体の熱転写層の保存性に問題があることが多い。つまり、熱転写層のバインダーと染料との相溶性が悪いために、時間の経過に伴って、あるいは高温、または高温・多湿での環境において、染料がブリードしてしまい、その結果、転写時に地汚れを発生させ、印画品質を低下させてしまうことがよくある。
そのような問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。例えば特許文献1では、熱転写層のバインダーとして、特定のポリビニルアセトアセタール樹脂を用いることで、保存性を向上させている。また特許文献2では、特定のポリビニルブチラール樹脂を用いることで、経時安定性の向上を図っている。
しかしながら、特許文献1に係る提案のものでも、保存性が必ずしも充分ではなく、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルアルコール部分の重量比によっては、高温・多湿環境において染料がブリードしてしまうという問題が生じる。また、特許文献2に係る提案のものでも、ポリビニルブチラール樹脂を用いることでガラス転移温度が低くなってしまい、その結果転写の際に熱転写記録媒体にシワが発生してしまうことがある。
特許第2515310号明細書 特許第1934385号明細書
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、優れた保存性を有し、かつ転写時におけるシワの発生が防げるようにしたことを特徴とする熱転写記録媒体を提供することである。
前記課題を解決するためになされ、請求項1に記載の発明は、支持体上の少なくとも一方の面に昇華性染料、バインダー及び硬化剤を主体としてなる熱転写層が設けられている熱転写記録媒体において、前記バインダーは、少なくとも、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分を含むアセタール化度が85重量%以上のポリビニルアセタール樹脂からなり、前記ポリビニルアセトアセタール部分と前記ポリビニルブチラール部分との重量比が70:30〜80:20であることを特徴とする熱転写記録媒体である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の熱転写記録媒体において、前記ポリビニルアセタール樹脂中にあるポリビニルアルコール部分に存在する水酸基量と、前記硬化剤に存在するイソシアネート基量が0.5当量〜1.5当量であることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の熱転写記録媒体において、前記支持体と前記熱転写層との間に易接着層が設けられていることを特徴とする。
本発明の熱転写記録媒体は、以上のような構成のものであるので、優れた保存性を有し、かつ転写時におけるシワの発生を防ぐことができる。
本発明の熱転写記録媒体の一実施形態に係る概略の断面構成を示す説明図である。
以下、本発明の熱転写記録媒体についてさらに詳細に説明する。図1に示す熱転写記録媒体1は、支持体2と熱転写層3からなっている。
支持体2は、従来から熱転写記録媒体の支持体として使用されているものと同等のものを使用することができるが、機械的強度、柔軟性、耐熱性等に優れるものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等からなるプラスチックフィルムや、コンデンサーペーパー、パラフィン紙等の紙類を挙げることができる。これらの中では、ポリエチレンテレフタレートからなるプラスチックフィルムが好ましい。支持体2の厚みは2〜25μm程度、より好ましくは2〜12μm程度である。
また、このような支持体2のサーマルヘッドの熱による熱収縮や、サーマルヘッドとの摩擦による破断を防止するために、後述する熱転写層3を設ける面とは反対側の面に耐熱滑性層を設けておいてもよい。このような耐熱滑性層の構成材料としては、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げることができる。これらの樹脂と共に耐熱性を向上させる目的で、架橋剤を添加するようにしてもよい。また、滑性を向上させる目的でシリコーンオイル等の滑剤等を添加しておいてもよく、上記樹脂をシリコーン変性等したものを添加するようにしてもよい。
また、支持体2と耐熱滑性層との間の密着性を向上させるために、支持体2の上に易接着層を設け、その上に上記したような構成の耐熱滑性層を設けるようにしてもよい。また、耐熱滑性層を設けない場合は、支持体2のサーマルヘッドと接する面の表面粗さを種々の方法で調整することで耐熱性や滑性を向上させるようにしてもよい。
一方、熱転写層3は、そこに含まれる成分、あるいはその一部が、熱転写記録媒体1の熱転写層3の反対側の面から加える加熱により被熱転写体上に転写され、そこに文字や画像を記録するための層である。
このような熱転写層3は、昇華性染料、バインダー及び硬化剤を少なくとも含有してなるものである。これらの構成材料中の昇華性染料としては、例えば、イエロー系のものとしては、カヤセットイエローAG、カヤセットイエローTDN、PYT52、プラストイエロー8040、ホロンブリリアントイエローS6GLPI等が、マゼンタ系のものとしては、カヤセットレッドB、カヤセットレッド130、セレスレッド7B、マクロレックスレッドバイオレットR等が、そしてシアン系のものとしては、カヤセットブルー714、セレスブルーGN、MSブルー50等がそれぞれ挙げられる。
また、これらの昇華性染料と組み合わせて用いられるバインダーとしては、少なくともポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分を含むアセタール化度が85重量%以上のポリビニルアセタール樹脂からなり、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分との重量比が70:30〜80:20のものである。アセタール化度が85重量%より低い場合は、保存性が悪くなる。また前記ポリビニルアセトアセタール部分と前記ポリビニルブチラール部分との重量比において、ポリビニルアセトアセタール部分の重量比が70より低い場合は耐熱性が悪くなり、転写時に熱転写記録媒体にシワが発生する。また80より高い場合は、保存性が悪くなってしまう。
さらに、これらのバインダーと上記した昇華性染料と組み合わせて用いる硬化剤としては、ポリイソシアネートを具体例として挙げることができる。この硬化剤は、そこに存在するイソシアネート基量が前記したバインダー中にあるポリビニルアルコール部分に存在する水酸基量に対して、0.5当量〜1.5当量程度であることが好ましい。0.5当量より小さい場合、熱転写層に所期の耐熱性を付与することが難しくなり、転写時に熱転写記録媒体にシワが発生しやすくなる。また1.5当量より大きい場合、染料が昇華し難くなり、転写ムラが発生し易くなると共に、所望の濃度の転写物を得ることが難しくなる。
さらに、昇華性染料との組み合わせで用いる前記バインダーのガラス転移温度としては、50℃程度以上のものが好ましい。ガラス転移温度が50℃未満であると、熱転写時に熱転写層3が被熱転写体に融着しやすくなったり、熱転写記録媒体の保存性に問題が生じることがあるため好ましくない。さらに、熱転写層3に含まれる昇華性染料とバインダーとの比率は、100:50〜100:300程度が好ましい。
さらにまた、この熱転写層3は離型剤を含有していてもよい。離型剤を含有していると、離型性がさらに向上する。離型剤としては例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系、といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー等が使用できる。中でも、シリコーンオイルは好ましく用いられる。
熱転写層3の厚みは0.2〜5.0μm程度でよく、0.4〜3.0μm程度であればより好ましい。0.2μmを下回ると十分な発色感度が得られ難くなり、また、5.0μmを越えると発色感度が悪くなる。
さらに、熱転写層3は粒子を含有していても良い。粒子としては、例えば、タルク、ク
レー、カオリン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機系粒子や、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子等の有機系粒子を具体例として挙げることができる。
このような構成の熱転写層3と前記した支持体2との密着性を向上させるために、中間層として易接着層を設けるようにしてもよい。また、熱転写層3には、必要に応じて、界面活性剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加しておいてもよく、さらにはこれらの機能を有する層を積層するようにしてもよい。
そして、このような熱転写層3は、熱転写層の構成材料からなる塗液を用い、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート等のウェットコーティング法によって支持体2上にその薄膜を塗布した後、乾燥させて形成すればよい。
一方、このような構成の熱転写記録媒体を用いて熱転写記録を行うための被熱転写体は、支持体と受容層との積層構成になるものである。支持体としては、熱転写記録媒体の支持体として使用されているものと同等のものを使用することができるが、機械的強度、柔軟性、耐熱性等に優れるものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリサルファン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミドフィルム等からなるプラスチックフィルムや、上質紙、コート紙、合成紙等の紙基材等が挙げられる。支持体の厚みには特に限定はないが、一般的には25〜250μm程度であればよい。75〜200μm程度であればより好ましい。
また、受容層の構成材料としては、熱転写記録に用いる熱転写記録媒体の熱転写層の昇華性染料に対して染着性を有するブチラール樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリビニルアセタール、エポキシ、ケトン、或いはこれらの変性樹脂やブレンド品等の熱可塑性樹脂や、これらの架橋生成物、等を使用することができる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
受像層の厚みは、薄すぎると転写記録された画像の反射濃度が低下し、十分な濃度の転写画像を得ることが困難になる。一方、厚すぎると色のにじみ等が発生し、画像品位が低下し易くなる。従って、一般的には1〜30μm程度、好ましくは3〜10μm程度の厚みとすればよい。このような受像層には、熱転写記録時の熱転写記録媒体への熱融着を防止する目的で、種々の離型剤を含有させておくことが好ましい。
このような離型剤としては、公知の離型剤を適宜選択して使用することができる。例えば、シリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系の各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー等が使用できる。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。また、その添加量は、受像層の構成条件により異なるが、一般的には、1〜30重量%程度の割合で配合させておくことが好ましい。
以下、実施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
まず、下記組成の熱転写層用インキを調製した。次に、裏面に耐熱滑性処理を施した厚みが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの裏面に、この熱転写層用インキ
を使用し、乾燥後の膜厚が1.0μmになるようにして薄膜を塗布し、しかる後に乾燥させ、本発明の実施例1に係る熱転写記録媒体を得た。
熱転写層用インキは、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度を85重量%、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を70:30とした。また硬化剤の添加量は、1当量とした。
〔熱転写層用インキの組成〕
・C.I.ソルベントブルー63 2.5重量部
・C.I.ソルベントブルー36 2.5重量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5重量部
・硬化剤 1当量
・メチルエチルケトン 60重量部
・トルエン 30重量部
次に、基材シートとして、発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)/接着樹脂層/コート紙(塗布量:108g/m2 )/接着樹脂層/発泡ポリプロピレンフィルム(厚み:50μm)の積層構成になる積層シートを用い、この片方の面に下記組成の受容層用インキの薄膜を乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗布し、しかる後に乾燥を行い、さらに45℃で1週間エージングを行うことにより、受容層付きの被熱転写体を得た。
〔受容層用インキの組成〕
・塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
(日信化学工業社製、ソルバインA) 50.0重量部
・シリコーンオイル
(信越化学工業社製、KF393) 2.0重量部
・メチルエチルケトン 25.0重量部
・トルエン 25.0重量部
<実施例2>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセタール樹脂の、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を80:20とした以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る熱転写記録媒体を得た。
<実施例3>
熱転写層用インキのうち、硬化剤の添加量を0.5当量とした以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る熱転写記録媒体を得た。
<実施例4>
熱転写層用インキのうち、硬化剤の添加量を1.5当量とした以外は、実施例1と同様にして実施例4に係る熱転写記録媒体を得た。
<実施例5>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセタール樹脂の、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を80:20とし、硬化剤の添加量を0.5当量とした以外は、実施例1と同様にして実施例5に係る熱転写記録媒体を得た。
<実施例6>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセタール樹脂の、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を80:20とし、硬化剤の添加量を1.5当
量とした以外は、実施例1と同様にして実施例6に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例1>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度を80重量%とした以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例2>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度を80重量%、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を80:20とした以外は、実施例1と同様にして比較例2に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例3>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を90:10とした以外は、実施例1と同様にして比較例3に係る比較例3に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例4>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を60:40とした以外は、実施例1と同様にして比較例4に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例5>
熱転写層用インキのうち、硬化剤を添加しないように調整した以外は、実施例1と同様にして比較例5に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例6>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセタール樹脂の、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を80:20とし、硬化剤を添加しないように調整した以外は、実施例1と同様にして比較例6に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例7>
熱転写層用インキのうち、硬化剤の添加量を2当量とした以外は、実施例1と同様にして比較例7に係る熱転写記録媒体を得た。
<比較例8>
熱転写層用インキのうち、ポリビニルアセタール樹脂の、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分の重量比を80:20とし、硬化剤の添加量を2当量とした以外は、実施例1と同様にして比較例8に係る熱転写記録媒体を得た。
得られた熱転写記録媒体の熱転写層面と被熱転写体の受容層面とを重ね、サーマルヘッドを用いて染料を被熱転写体側に転写させ、熱転写記録を行った。
続いて、得られた熱転写記録媒体と転写記録された画像に対して以下の評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価項目と評価方法〕
・熱転写記録媒体の保存性:温度40℃、相対湿度80%の環境中に静置し、熱転写記録媒体の表面観察を行い、熱転写層に抜け等の欠陥が生じるか否かを目視で確認した。抜け等が生じなかった場合は○、生じた場合は×で評価した。
・転写時の熱転写記録媒体のシワ:転写時に、熱転写記録媒体にシワが生じるか否かを目
視で確認した。転写時にシワが生じなかった場合は○、生じた場合は×で評価した。
・転写ムラ:転写時に、転写ムラが生じるか否かを目視で確認した。転写時に転写ムラが生じなかった場合は○、生じた場合は×で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010260298
表1からも明らかなように、本発明の熱転写記録媒体は、熱転写層の保存性に優れ、かつ転写時にシワが発生しなかった。これに対して比較例1、2に係る熱転写記録媒体は、アセタール化度が85%未満であるので、保存性試験において抜け等の欠陥が生じることが確認された。また比較例3に係る熱転写記録媒体は、バインダー中のポリビニルアセトアセタール部分が多く、保存性試験において抜け等の欠陥が生じることが確認され、比較例4に係る熱転写記録媒体は、バインダー中のポリビニルブチラール部分が多く、転写時にシワが生じることが確認された。また比較例5、6に係る熱転写記録媒体は、硬化剤が添加されていないので耐熱性が不足し、転写時にシワが生じることが確認された。また比較例7、8に係る熱転写記録媒体は、硬化剤量が多く、転写ムラが生じることが確認された。
1…熱転写記録媒体
2…支持体
3…熱転写層

Claims (3)

  1. 支持体上の少なくとも一方の面に昇華性染料、バインダー及び硬化剤を主体としてなる熱転写層が設けられている熱転写記録媒体において、前記バインダーは、少なくとも、ポリビニルアセトアセタール部分とポリビニルブチラール部分を含むアセタール化度が85重量%以上のポリビニルアセタール樹脂からなり、前記ポリビニルアセトアセタール部分と前記ポリビニルブチラール部分との重量比が70:30〜80:20であることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 前記ポリビニルアセタール樹脂中にあるポリビニルアルコール部分に存在する水酸基量と、前記硬化剤に存在するイソシアネート基量が0.5当量〜1.5当量であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写記録媒体。
  3. 前記支持体と前記熱転写層との間に易接着層が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱転写記録媒体。
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