JP2010246805A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の身長に関係なく乗員のふくらはぎを適切な高さまで持ち上げて支持できる機構を備えた車両用シートを得る。
【解決手段】スライダ42を前方へスライドさせた際の初期には、スライダ42のスライド量に対してアーム66とリンク部材70との連結位置におけるリンク部材70の長手方向への移動量が大きく、スライダ42が十分に前方へスライドすると、スライダ42のスライド量に対する上記の連結位置の移動量が小さくなる。これにより、前方へのスライダ42のスライド初期の状態でふくらはぎ支持体82を大きく回転させ、スライダ42が十分に前方へスライドした状態でふくらはぎ支持体82の回転角度を小さくできる。
【選択図】図2
【解決手段】スライダ42を前方へスライドさせた際の初期には、スライダ42のスライド量に対してアーム66とリンク部材70との連結位置におけるリンク部材70の長手方向への移動量が大きく、スライダ42が十分に前方へスライドすると、スライダ42のスライド量に対する上記の連結位置の移動量が小さくなる。これにより、前方へのスライダ42のスライド初期の状態でふくらはぎ支持体82を大きく回転させ、スライダ42が十分に前方へスライドした状態でふくらはぎ支持体82の回転角度を小さくできる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両に搭載される車両用シートに係り、特に、シート本体に着座した乗員のふくらはぎを下方から持ち上げて支持する機構を備えた車両用シートに関する。
下記特許文献1には、シートクッションの前端側に設けられたオットマンをモータの駆動力で回転させる電動オットマン装置が開示されている。この特許文献1に開示された電動オットマン装置は、直線駆動機構と、直線駆動機構に連動してオットマンを回転させる第1リンク機構とを備えている。モータの駆動力で直線駆動機構が作動して、移動子であるナットがシート前方へ移動すると、オットマンがシート前方へ移動する。さらに、モータの駆動力で直線駆動機構が作動すると、これに連動して第1リンク機構が作動し、シートに着座した乗員のふくらはぎを持ち上げるようにオットマンを回転させる。
ところで、シートに着座した乗員の身長が高い場合には、乗員のふくらはぎがシートクッションの前端からシート前方に離れている。このため、乗員の身長が高い場合には、オットマンがシート前方へ十分に移動した状態で適切な高さまでオットマンが回転していることが好ましい。これに対し、乗員の身長が低い場合には、乗員のふくらはぎとシートクッションの前端とが近いため、オットマンのシート前方への移動量が少ない状態でオットマンが適切な高さまで回転していることが好ましい。
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような電動オットマン装置では、シート前方へのオットマンの移動に従いオットマンが漸次回転する。このため、乗員の身長が高い場合に適切な高さまでオットマンを回転させることができるのであれば、乗員の身長が低い場合にはシート前方へのオットマンの移動量が小さいので、オットマン適切な高さまでオットマンを回転させることができない。これに対して、乗員の身長が低い場合に適切な高さまでオットマンを回転させることができるのであれば、乗員の身長が高い場合にはシート前方へのオットマンの移動量が大きくなるので適切な高さを超えてオットマンが回転する。
本発明は、上記事実を考慮して、乗員の身長に関係なく乗員のふくらはぎを適切な高さまで持ち上げて支持できる機構を備えた車両用シートを得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る車両用シートは、乗員が着座するシートクッションを有するシート本体と、前記シートクッションの前後方向にスライド可能に前記シート本体に設けられたスライダと、前記シートクッションの前方で前記スライダに支持されて、前記スライダがスライドすることで前記シートクッションの前後方向にスライドすると共に、基端側を中心として先端側が上下に回転可能とされ、先端側が上昇することで前記乗員のふくらはぎを下方から支持するサポート手段と、前記サポート手段に連結されて、作動することにより前記サポート手段を回転させる回転手段と、前記回転手段と前記スライダとを連動させると共に、前記スライダによる前記サポート手段のスライド範囲の前端側に前記サポート手段が位置している状態よりも前記スライド範囲の後端側に前記サポート手段が位置したときに、前記サポート手段のスライド速度に対する前記サポート手段の回転速度を早くする連動制御手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係る車両用シートによれば、シート本体にはスライダが設けられており、このシート本体を構成するシートクッションの前方ではサポート手段がスライダに支持されている。このため、スライダが作動すると、スライダと共にサポート手段がシートクッションの前後方向にスライドする。
また、サポート手段はその基端側を中心としてシートクッションの幅方向を軸方向とする軸周りに回転可能とされており、回転手段によってサポート手段が回転させられ、サポート手段の先端側が上昇するように回転すると、シートクッションに着座した乗員のふくらはぎが下方から支持される。
この回転手段とスライダとは連動制御手段により連動させられ、回転手段により先端側が上昇するようにサポート手段が回転すると、スライダがシートクッションの前方へスライドし、サポート手段が前方へスライドする。
ここで、上記のように回転手段とスライダとを連動させる連動制御手段は、サポート手段のスライド範囲の前端側にサポート手段が位置している状態よりも、スライド範囲の後端側にサポート手段が位置した状態のときに、サポート手段のスライド速度に対するサポート手段の回転速度を早くする。このため、シートクッションの前方側へのスライダのスライド量、すなわち、シートクッションの前方側へのサポート手段のスライド量が少なくても、サポート手段はその先端側が十分に上昇するまで回転する。
これにより、例えば、シートクッションの前端部にふくらはぎが接近した状態で乗員が着座しているため、シートクッションの前方側へのサポート手段のスライド量が少なくてよい場合にも、サポート手段の先端側を十分に上昇させ、好適な高さでふくらはぎを支持できる。
また、シートクッションの前方側へのスライダが十分に移動した状態、すなわち、スライド範囲の後端側にサポート手段が到達した状態では、サポート手段の回転速度が遅くなるので、この状態で更にサポート手段が前方へスライドしても、サポート手段の先端側の上昇量が少ない。
このように、シートクッションの前方側へのサポート手段のスライドの初期にサポート手段を大きく回転させ、それ以降のサポート手段の回転を小さくするので、シートクッションの前端部にふくらはぎが離間した状態で乗員が着座しているため、サポート手段をシートクッションの前方へ十分移動させたい場合にも、サポート手段の前端側の上昇が過剰にならない。
請求項2に記載の本発明に係る車両用シートは、請求項1に記載の本発明において、前記スライダ、前記回転手段、及び前記連動制御手段の何れかの1つを駆動力で作動させる駆動手段を備えると共に、前記連動制御手段を介して前記スライダと前記回転手段とを機械的に連結して前記何れかの1つから他の2つへ前記駆動力を伝達可能としている。
請求項2に記載の本発明に係る車両用シートによれば、スライダと回転手段とは連動制御手段を介して機械的に連結されており、駆動手段出力された駆動力によってスライダ、回転手段、連動制御手段の何れかの1つが作動すると、他の2つに駆動力が伝えられる。これにより、スライダ及び回転手段の各々を1つの駆動手段で作動させることができ、この結果、1つの駆動手段でサポート手段を回転させると共にスライドさせることができる。
請求項3に記載の本発明に係る車両用シートは、請求項2に記載の本発明において、一端側が直接又は間接的に前記サポート手段に連結され、一端側から他端側への向きであるリンク長手方向への移動量に応じて前記サポート手段を回転させるリンク部材と、前記シート本体の幅方向又は前記シート本体の高さ方向を軸方向とする軸周りに回転可能に設けられ、前記スライダに直接又は間接的に係合し、前記スライダのスライド量に対応した一定の角度で回転すると共に、回転中心から半径方向に離れた位置において前記リンク部材の他端側が相対回転可能に連結され、回転することで前記リンク部材を移動させる回転体と、を含めて連動制御手段を構成し、更に、前記スライダのスライド範囲における前端側に前記スライダが位置した状態よりも前記スライド範囲の後端側に前記スライダが位置した状態の方で、前記回転体と前記リンク部材との連結位置における前記回転体の接線方向に対する前記リンク長手方向の傾きが小さくなるように前記回転体に対する前記リンク部材の連結位置を設定している。
請求項3に記載の本発明に係る車両用シートによれば、スライダと連動制御手段の回転体とが係合しており、スライダのスライド及び回転体の回転の何れかの一方が開始されると、これに連動して何れかの他方が開始される。
一方、一端側がサポート手段に直接又は間接的に連結されたリンク部材の他端側は上記の回転体に対して相対回転可能に連結されている。しかも、回転体におけるリンク部材の他端側の連結位置は、回転体の回転中心から半径方向へ離間しているので、回転体が回転すると、回転体の他端側が回転体の中心周りに回転する。このように、リンク部材の他端側が回転することで、リンク部材は全体的に一端側から他端側への向き又はその反対方向に移動し、このリンク部材の移動量に応じた角度だけサポート手段が回転する。
ところで、上記のように、回転体におけるリンク部材の他端側の連結位置は、回転体の回転中心から半径方向へ離間している。このため、回転体とリンク部材との連結位置における回転体の接線方向に対してリンク部材の一端側から他端側への向き(以下、便宜上、この向きを「リンク長手方向」と称する)の傾きが小さいほど、回転部材の回転角度に対する回転体とリンク部材との連結位置におけるリンク長手方向への変位量が大きくなる。
ここで、本発明に係る車両用シートでは、スライダのスライド範囲における前端側にスライダが位置した状態よりも、このスライド範囲の後端側にスライダが位置した状態で、上記の接線方向に対するリンク長手方向の傾きが大きくなるように回転体に対するリンク部材の連結位置が設定される。
このため、スライダがそのスライド範囲の後端側から前端側へスライドする際には、スライダのスライド初期(すなわち、スライド範囲の後端側にスライダが位置している状態)でリンク部材がリンク長手方向に大きく動いてサポート手段を大きく回転させる。これに対し、スライダのスライドが終了する直前(すなわち、スライド範囲の後端側にスライダが位置している状態)では、リンク部材におけるリンク長手方向の移動量が小さくなり、これに伴い、サポート手段の回転が小さくなる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両用シートでは、乗員の身長に関係なく乗員のふくらはぎを適切な高さまで持ち上げて支持できる。
請求項2に記載の本発明に係る車両用シートでは、1つの駆動手段でサポート手段を回転させると共に前後にスライドさせることができる。
請求項3に記載の本発明に係る車両用シートでは、駆動手段の制御を複雑にしなくても、乗員の身長に関係なく乗員のふくらはぎを適切な高さまで持ち上げて支持できる。
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係る車両用シート10の外観が斜視図により示されている。なお、図1を含む各図において、矢印FRは車両用シート10の前後方向前方、矢印LFは車両用シート10の幅方向左方、矢印UPは車両用シート10の上下方向上方を示す。
図1には本発明の一実施の形態に係る車両用シート10の外観が斜視図により示されている。なお、図1を含む各図において、矢印FRは車両用シート10の前後方向前方、矢印LFは車両用シート10の幅方向左方、矢印UPは車両用シート10の上下方向上方を示す。
この図に示されるように、車両用シート10はシート本体12を備えている。シート本体12は車両用シート10の座部を構成するシートクッション14を備えている。このシートクッション14の後ろ側(図1の矢印FRとは反対方向側)には車両用シート10の背凭れを構成するシートバック16が設けられている。
また、シートクッション14の下方には図2に示されるようなオットマン装置20が設けられている。オットマン装置20は駆動手段としてのモータアクチュエータ22を備えている。モータアクチュエータ22は車両用シート10の幅方向(図2の矢印LF方向及びその反対方向)略中央側に配置されており、シートクッション14を構成するシートクッションフレーム24の下側(図2の矢印UPとは反対方向側)でシートクッションフレーム24に取り付けられている。シートクッションフレーム24はモータ26を備えている。
モータ26は図示しない出力軸を備えている。モータ26の出力軸はギヤ等の減速手段(図示省略)を介してロッド28に機械的に連結されている。ロッド28は長手方向が車両用シート10の前後方向に沿った棒状に形成されており、モータ26が正転駆動するとロッド28は前方(図2の矢印FR方向)側へ移動し、モータ26が逆転駆動するとロッド28は車両用シート10の後方(図2の矢印FRとは反対方向)側へ移動する。モータ26の長手方向前側にはロッド30が設けられている。ロッド30は長手方向が車両用シート10の幅方向に沿った棒状に形成されている。このロッド30の長手方向中央側には連結片32が取り付けられている。この連結片32はロッド28の前端部に取り付けられた連結片34にボルト等の締結手段により一体的に連結されている。
このロッド30における車両用シート10の幅方向左側(図2の矢印LF方向側)には連結片34が設けられており、ロッド30における車両用シート10の幅方向右側(図2の矢印LFとは反対方向側)には右側駆動力伝達機構38が設けられている。左側駆動力伝達機構36と右側駆動力伝達機構38とは、車両用シート10の平面視で幅方向中央を境に線対称の構造となっている以外は基本的に同一の構造となっている。したがって、以下に左側駆動力伝達機構36の構成を説明するが、この左側駆動力伝達機構36の構成の説明を以って右側駆動力伝達機構38の構成の説明は省略する。
左側駆動力伝達機構36はスライダ42を備えている。スライダ42は長手方向が車両用シート10の前後方向に沿い幅方向が車両用シート10の幅方向に沿った平板状の基部44を備えている。基部44の幅方向両端からは車両用シート10の下方へ向けて脚板46が延出されている。このため、正面視でスライダ42は車両用シート10の下方へ向けて開口した凹形状となっている。このスライダ42の長手方向中間部にはスライダ支持部48が設けられている。
スライダ支持部48は全体的にブロック状に形成されており、シートクッションフレーム24の下側でシートクッションフレーム24に取り付けられている。スライダ支持部48には車両用シート10の前後方向に貫通した貫通孔が形成されている。この貫通孔は断面形状が矩形とされており、その内側をスライダ支持部48が通過している。これにより、スライダ42が車両用シート10の前後方向にスライド可能にスライダ支持部48に支持されている。
スライダ42の前端側には連結片50が設けられている。連結片50は両脚板46から更に車両用シート10の下側へ向けて延出されている。これらの連結片50には車両用シート10の幅方向に貫通する貫通孔が形成されている。一方の連結片50に形成された貫通孔と他方の連結片50に形成された貫通孔とは互いに同軸とされており、この連結片50の貫通孔を上記のロッド30が通過している。これにより、ロッド30とスライダ42とが機械的に連結され、モータ26が駆動することでスライダ42が前後にスライドする。
一方、スライダ支持部48の後方には連動制御手段としての連動制御機構60を構成する回転体としてのセクタギヤ(扇形ギヤ)62が設けられている。セクタギヤ62は回転軸方向が車両用シート10の幅方向に沿っており、その外周部のうち、円弧状とされた部分には、左右一対の脚板46のうちの左側の脚板46に形成されたラック歯64に噛み合っている。また、セクタギヤ62の左側にはセクタギヤ62と共に回転体を構成するアーム66が設けられている。
アーム66は厚さ方向が車両用シート10の幅方向に沿った細幅板状に形成されている。このアーム66の長手方向一端側にはシャフト68が設けられている。シャフト68は軸方向が車両用シート10の幅方向に沿っており、その軸方向一端部はアーム66に一体的に連結されている。シャフト68の軸方向他端側はセクタギヤ62の回転軸心(すなわち、セクタギヤ62において外歯が形成された円弧状とされた部分の曲率中心)を貫通した状態でセクタギヤ62に一体的に連結され、更に、シートクッションフレーム24に取り付けられた図示しない支持体に、車両用シート10の幅方向を軸方向とする軸周りに回転自在に支持されている。
一方、上記のアーム66の長手方向他端側にはリンク部材70が設けられている。リンク部材70は厚さ方向が車両用シート10の幅方向に沿った細幅板状に形成されている。このリンク部材70の長手方向一端側(特許請求の範囲の請求項3で言うところの他端側)は、車両用シート10の幅方向にアーム66の長手方向他端側と重なっており、リンク部材70の長手方向一端側とアーム66の長手方向他端側とが車両用シート10の幅方向を軸方向とする軸周り相対回転自在に連結されている。
リンク部材70の長手方向他端側(特許請求の範囲の請求項3で言うところの一端側)にはアーム74が設けられている。アーム74は厚さ方向が車両用シート10の幅方向に沿った細幅板状に形成されている。このアーム74の長手方向一端側とリンク部材70の長手方向他端側とは車両用シート10の幅方向を軸方向とする軸周りに相対回転自在に連結されている。このアーム74の長手方向他端側には回転手段としてのセクタギヤ(扇形ギヤ)76が形成されており、このセクタギヤ76の厚さ方向側方にはブラケット78が設けられている。
セクタギヤ76の外周一部は円弧状とされており、この円弧状とされた部分の曲率中心部分でセクタギヤ76、ひいてはアーム74がブラケット78に回転自在に支持されている。ブラケット78はロッド30の長手方向左側端部でロッド30に一体的に連結されており、このため、オットマン装置20が駆動することでロッド28が車両用シート10の前後方向にスライドすると、ブラケット78が車両用シート10の前後方向に移動する。
このブラケット78には、サポート手段としてのふくらはぎ支持体82(所謂「オットマン」)が車両用シート10の幅方向を軸方向とする軸周りに回転自在に取り付けられている。ふくらはぎ支持体82は本体84を備えている。この本体84における車両用シート10の幅方向両側に位置する端部には脚片86が形成されている。これらの脚片86は本体84の厚さ方向一方(更に詳細に言えば、本体84の厚さ方向が車両用シート10の前後方向に沿った状態では本体84の厚さ方向のうち車両用シート10の後方を向く側)へ向けて延出されている。
これらの脚片86におけるふくらはぎ支持体82の回転半径方向中央側に位置する端部にはギヤ部88が形成されている。一方のギヤ部88の回転中心と他方のギヤ部88の回転中心は互いに同軸とされており、一方のギヤ部88はその回転中心位置で左側駆動力伝達機構36を構成するブラケット78に、車両用シート10の幅方向を軸方向とする軸周りに回転自在に支持され、他方のギヤ部88はその回転中心位置で右側駆動力伝達機構38を構成するブラケット78に、車両用シート10の幅方向を軸方向とする軸周りに回転自在に支持されている。
ブラケット78に支持されたふくらはぎ支持体82のギヤ部88とアーム74のセクタギヤ76とは外周部に形成された外歯が互いに噛み合っており、ブラケット78とアーム74との連結部分を中心にセクタギヤ76が回転すると、このセクタギヤ76の回転がギヤ部88に伝えられてギヤ部88がブラケット78との連結部分を中心に回転する。このように、ギヤ部88が回転することで、ふくらはぎ支持体82においてギヤ部88が設けられた側とは反対側の端部が上昇又は下降するようにふくらはぎ支持体82が回転する。
ここで、これまでに説明したアーム66(セクタギヤ62を含む)と、リンク部材70と、アーム74とは一種のリンク機構を構成しており、セクタギヤ76とブラケット78との連結部分を中心にアーム74が回転すると、リンク部材70が移動し、リンク部材70とアーム66との連結部分を概ね車両用シート10の前後方向に押し引きする。これにより、セクタギヤ62がその上記の支持体との連結部分を中心にして、車両用シート10の幅方向を軸方向とする軸周りに回転する。
但し、セクタギヤ62が回転すると、セクタギヤ62の外歯にラック歯64が噛み合っているスライダ42が車両用シート10の前後方向にスライドする。このため、通常の四節リンク機構とは異なり、アーム74は回転することでセクタギヤ76とブラケット78との連結位置とセクタギヤ62と支持体との連結位置とが車両用シート10の前後方向に接近又は離間する。
以上のようなリンク機構となっている連動制御機構60において、スライダ42を車両用シート10の前方側へスライドさせるようにセクタギヤ62が回転した際のアーム66とリンク部材70との連結位置における回転接線方向と、リンク部材70の長手方向とが成す角度は、ふくらはぎ支持体82がシートクッション14の前端部近傍に位置した状態よりも、ふくらはぎ支持体82がシートクッション14の前端部よりも前方側へ離間した状態で大きくなるようにアーム66とリンク部材70との連結位置、アーム74とリンク部材70との連結位置、セクタギヤ76とブラケット78との連結位置等が設定されている。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、モータアクチュエータ22が作動したときのオットマン装置20の動作の説明を通して本車両用シート10の作用並びに効果について説明する。
次に、モータアクチュエータ22が作動したときのオットマン装置20の動作の説明を通して本車両用シート10の作用並びに効果について説明する。
ふくらはぎ支持体82がシートクッション14の前端部近傍に位置した状態でモータアクチュエータ22のモータ26が正転駆動されると、ロッド28が車両用シート10の前方側へ移動する。このように、ロッド28が前方側へ移動することで、連結片32、34を介してロッド28に連結されたロッド30が車両用シート10の前方側へ移動する。ロッド30がブラケット78を伴って車両用シート10の前方側へ移動すると、ふくらはぎ支持体82がシートクッション14の前端から離間するように車両用シート10の前方側へ移動する。
また、このように、ロッド30が車両用シート10の前方側へ移動すると、スライダ42がスライダ支持部48に支持された状態のまま全体的に車両用シート10の前方へスライドする。スライダ42を構成する脚板46に形成されたラックは、セクタギヤ62の外周一部に形成された外歯に噛み合っているので、スライダ42は車両用シート10の前方へスライドすることで、セクタギヤ62が上記の支持体との連結部分を中心に回転する(以下、この場合のセクタギヤ62の回転を便宜上「正転回転」と称し、この回転方向を便宜上「正転回転方向」する)。
セクタギヤ62が正転回転すると、アーム66とリンク部材70との連結部分がセクタギヤ62の回転中心周りに正転回転し、リンク部材70が全体的に車両用シート10の後方側へ移動する。これにより、リンク部材70とアーム74との連結部分が車両用シート10の後方側へ移動すると、セクタギヤ76が0ブラケット78との連結部分を中心に正転回転する。セクタギヤ76の外周一部に形成された外歯はギヤ部88の外周一部に形成された外歯に噛み合っているので、上記のようにセクタギヤ76が正転回転することでギヤ部88、ひいては、ふくらはぎ支持体82がセクタギヤ76の回転方向とは反対側に回転する。
このように、ふくらはぎ支持体82が回転することでふくらはぎ支持体82の先端側(すなわち、ふくらはぎ支持体82の回転半径方向外方側)が上昇する。このように、先端側が上昇するようにふくらはぎ支持体82が回転することで、本体84の厚さ方向他方の面(すなわち、本体84からの脚片86の延出方向とは反対側の面)が車両用シート10に着座した乗員のふくらはぎを後方から押圧しつつ持ち上げる。
ここで、図6にはアーム66の回転位置の変化と、アーム66とリンク部材70との連結位置の変位量との関係を極めて簡略化した模式図が示されている。なお、この図では、本実施の形態の原理をわかり易く説明するため、アーム66の回転位置が変化してもリンク部材70の長手方向が変化しないものとして説明している。
この図に示されるように、アーム66が回転した際のアーム66とリンク部材70との連結位置における回転接線方向Aと、リンク部材70の長手方向Bとが同一方向(すなわち、回転接線方向Aとリンク部材70の長手方向Bとが成す角度θが「0度」)から、アーム66が所定角度θ1だけ回転すると、アーム66とリンク部材70との連結位置はリンク部材70の長手方向へL1だけ変位する。さらに、このようにアーム66が所定角度θ1だけ回転してから、更に同じ角度θ1だけアーム66が回転すると、アーム66とリンク部材70との連結位置はリンク部材70の長手方向へL2だけ変位する。
図6をみてわかるように、アーム66の回転角度は同じθ1であるものの変位量L2よりも変位量L1の方が大きい。すなわち、上記の回転接線方向Aとリンク部材70の長手方向Bとが成す角度θが小さい範囲(更に言えば、角度θが0度に近い範囲)でアーム66が回転すると、アーム66とリンク部材70との連結位置におけるリンク部材70の長手方向への変位量は大きくなり、上記の回転接線方向Aとリンク部材70の長手方向Bとが成す角度θが大きい範囲(更に言えば、角度θが90度に近い範囲)でアーム66が回転すると、アーム66とリンク部材70との連結位置におけるリンク部材70の長手方向への変位量は小さくなる。
ここで、本車両用シート10を構成する連動制御機構60は、スライダ42を車両用シート10の前方側へスライドさせるようにセクタギヤ62が回転した際のアーム66とリンク部材70との連結位置における回転接線方向と、リンク部材70の長手方向とが成す角度(すなわち、上記のθ)は、ふくらはぎ支持体82がシートクッション14の前端部近傍に位置した状態よりも、ふくらはぎ支持体82がシートクッション14の前端部よりも前方側へ離間した状態の方が大きくなるようにアーム66とリンク部材70との連結位置、アーム74とリンク部材70との連結位置、セクタギヤ76とブラケット78との連結位置等が設定されている。
このため、図3及び図4に示されるように、モータ26が駆動を開始した直後の状態(スライダ42がそのスライド範囲の後端側に位置している状態)では、セクタギヤ62の回転角度(すなわち、車両用シート10の前方側へのスライダ42のスライド量)に対し、リンク部材70はその長手方向(リンク部材70とアーム74との連結位置からリンク部材70とアーム66との連結位置への向き)に大きく移動する。これにより、セクタギヤ76が大きく回転するので脚片86は大きく回転する。
これに対し、図4及び図5に示されるように、スライダ42がそのスライド範囲の前端部近傍に到達すると、モータ26の駆動開始直後の状態に比べて、セクタギヤ62の回転角度(すなわち、車両用シート10の前方側へのスライダ42のスライド量)に対する、リンク部材70のその長手方向への移動量が小さくなる。このため、モータ26が駆動を開始した直後の状態に比べて、セクタギヤ76の回転量、ひいては、ふくらはぎ支持体82の回転量が小さくなる。
このように、本車両用シート10では、モータ26を駆動させてふくらはぎ支持体82の先端側を上昇させるようにふくらはぎ支持体82を回転させると、モータ26の駆動開始の初期、すなわち、スライダ42が十分に車両用シート10の前方側へスライドしていない状態でふくらはぎ支持体82を大きく回転させる。このため、車両用シート10に着座している乗員の身長が低く、この乗員のふくらはぎがシートクッション14の前端部の近い状態であっても、ふくらはぎ支持体82を車両用シート10の前方へ大きく移動させることなく乗員のふくらはぎを持ち上げて支持できる。
また、スライダ42のスライド範囲の前端側にスライダ42が到達すると、スライダ42のスライド量に対するふくらはぎ支持体82の回転量が小さくなるため、スライダ42の先端側の上昇量が小さくなる。このため、車両用シート10に着座している乗員の身長が高く、この乗員のふくらはぎがシートクッション14の前端部の離間している状態であっても、乗員のふくらはぎを持ち上げ過ぎることなく、適切な高さで乗員のふくらはぎを支持できる。
なお、本実施の形態では、機械的なリンク機構により構成された連動制御機構60を連動制御手段としたが、特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の観点からすると、連動制御手段がこのような機械的なリンク機構に限定されるものではない。
例えば、ふくらはぎ支持体82を車両用シート10の前後方向にスライドさせるためのモータとは別に、ふくらはぎ支持体82の先端側を昇降させるように回転させるためのモータを設ける構成とし、これらのモータを制御するためのECUや制御回路等の電気的な制御装置を連動制御手段としてもよい。但し、連動制御機構60のような機械的なリンク機構を連動制御手段とした本実施の形態では、車両用シート10の前後方向へのふくらはぎ支持体82のスライドと、先端側が昇降するようなふくらはぎ支持体82の回転とを1つのモータ26で行なうことができる。しかも、ふくらはぎ支持体82のスライド位置に応じてふくらはぎ支持体82の回転速度を変化させるための制御装置が不要である。このため、安価なコストで実現が可能である。
また、本実施の形態では、モータ26の駆動力は、先ず、ふくらはぎ支持体82及びスライダ42のスライドに供され、スライダ42のスライドが連動制御機構60を介してふくらはぎ支持体82に伝えられてふくらはぎ支持体82が回転する構成であった。しかしながら、例えば、モータ26の駆動力を先ずふくらはぎ支持体82の回転に供し、このふくらはぎ支持体82の回転力をスライダ42に伝えてスライダ42をスライドさせるようにモータアクチュエータ22や連動制御機構60を構成してもよい。また、例えば、モータ26の駆動力を、先ず、連動制御機構60を構成するセクタギヤ76やアーム66の回転に供し、このセクタギヤ76やアーム66の回転をふくらはぎ支持体82に伝えてふくらはぎ支持体82を回転させると共にスライダ42に伝えてスライダ42をスライドさせる構成としてもよい。
さらに、本実施の形態では、リンク機構により構成された連動制御機構60を連動制御手段としたが、複数のギヤによる構成されるギヤ列等、リンク機構とは別の機械的な運動伝達機構で連動制御手段を構成してもよい。
10 車両用シート
12 シート本体
14 シートクッション
22 モータアクチュエータ(駆動手段)
42 スライダ
60 連動制御機構(連動制御手段)
62 セクタギヤ(回転体)
66 アーム(回転体)
70 リンク部材
76 セクタギヤ(回転手段)
82 ふくらはぎ支持体(サポート手段)
12 シート本体
14 シートクッション
22 モータアクチュエータ(駆動手段)
42 スライダ
60 連動制御機構(連動制御手段)
62 セクタギヤ(回転体)
66 アーム(回転体)
70 リンク部材
76 セクタギヤ(回転手段)
82 ふくらはぎ支持体(サポート手段)
Claims (3)
- 乗員が着座するシートクッションを有するシート本体と、
前記シートクッションの前後方向にスライド可能に前記シート本体に設けられたスライダと、
前記シートクッションの前方で前記スライダに支持されて、前記スライダがスライドすることで前記シートクッションの前後方向にスライドすると共に、基端側を中心として先端側が上下に回転可能とされ、先端側が上昇することで前記乗員のふくらはぎを下方から支持するサポート手段と、
前記サポート手段に連結されて、作動することにより前記サポート手段を回転させる回転手段と、
前記回転手段と前記スライダとを連動させると共に、前記スライダによる前記サポート手段のスライド範囲の前端側に前記サポート手段が位置している状態よりも前記スライド範囲の後端側に前記サポート手段が位置したときに、前記サポート手段のスライド速度に対する前記サポート手段の回転速度を早くする連動制御手段と、
を備える車両用シート。 - 前記スライダ、前記回転手段、及び前記連動制御手段の何れかの1つを駆動力で作動させる駆動手段を備えると共に、前記連動制御手段を介して前記スライダと前記回転手段とを機械的に連結して前記何れかの1つから他の2つへ前記駆動力を伝達可能とした請求項1に記載の車両用シート。
- 一端側が直接又は間接的に前記サポート手段に連結され、一端側から他端側への向きであるリンク長手方向への移動量に応じて前記サポート手段を回転させるリンク部材と、
前記シート本体の幅方向又は前記シート本体の高さ方向を軸方向とする軸周りに回転可能に設けられ、前記スライダに直接又は間接的に係合し、前記スライダのスライド量に対応した一定の角度で回転すると共に、回転中心から半径方向に離れた位置において前記リンク部材の他端側が相対回転可能に連結され、回転することで前記リンク部材を移動させる回転体と、
を含めて連動制御手段を構成し、更に、前記スライダのスライド範囲における前端側に前記スライダが位置した状態よりも前記スライド範囲の後端側に前記スライダが位置した状態の方で、前記回転体と前記リンク部材との連結位置における前記回転体の接線方向に対する前記リンク長手方向の傾きが小さくなるように前記回転体に対する前記リンク部材の連結位置を設定した請求項2に記載の車両用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009101214A JP2010246805A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 車両用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009101214A JP2010246805A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 車両用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010246805A true JP2010246805A (ja) | 2010-11-04 |
Family
ID=43309856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009101214A Pending JP2010246805A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 車両用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010246805A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013184617A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Shiroki Corp | 車両シート用オットマン装置 |
GB2516503A (en) * | 2013-07-25 | 2015-01-28 | Wan Yu Li | Foldable leg rest |
US9232860B2 (en) | 2013-07-16 | 2016-01-12 | Wan-Yu Li | Foldable leg rest |
-
2009
- 2009-04-17 JP JP2009101214A patent/JP2010246805A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013184617A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Shiroki Corp | 車両シート用オットマン装置 |
US9232860B2 (en) | 2013-07-16 | 2016-01-12 | Wan-Yu Li | Foldable leg rest |
GB2516503A (en) * | 2013-07-25 | 2015-01-28 | Wan Yu Li | Foldable leg rest |
GB2516503B (en) * | 2013-07-25 | 2016-01-06 | Wan Yu Li | Foldable leg rest |
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