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JP2010139324A - 色ムラ測定方法、および色ムラ測定装置 - Google Patents

色ムラ測定方法、および色ムラ測定装置 Download PDF

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JP2010139324A JP2008314776A JP2008314776A JP2010139324A JP 2010139324 A JP2010139324 A JP 2010139324A JP 2008314776 A JP2008314776 A JP 2008314776A JP 2008314776 A JP2008314776 A JP 2008314776A JP 2010139324 A JP2010139324 A JP 2010139324A
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Takushi Murakami
拓史 村上
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Abstract

【課題】精度よく色ムラを測定する色ムラ測定方法、および色ムラ測定装置を提供する。
【解決手段】色ムラ測定方法は、プロジェクタ2にカラーパターン画像を表示させ、このカラーパターン画像を撮像装置3により撮像させ、このカラーパターン画像の画像中心の基準色度を基準色度測定器4により測定し、撮像により得られるカラーパターン撮像画像データの画像中心の測定色度を測定し、基準色度および測定色度に基づいて色度変換補正係数を算出し、プロジェクタ2に色ムラ測定用画像を表示させ、表示された色ムラ測定用画像を撮像し、色ムラ測定用撮像画像データ内の測定位置の色度を測定し、測定された色度を色度変換補正係数により補正し、補正された色度に基づいて、色ムラを測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示体により投影表示された画像に表れる色ムラを測定する色ムラ測定方法、および色ムラ測定装置に関する。
従来、表示体などの表示装置から投射される画像内に現れた色ムラを測定する色ムラ測定方法や色ムラ測定装置が知られている。この色ムラの測定では、表示された画像に対して複数の測定ポイントを設定し、これらの測定ポイントの色度をそれぞれ測定することで色ムラを測定する方法がある。
しかしながら、このような色ムラ測定では、多点測定のために、色度測定器を移動させる必要があり、測定点に比例して測定時間がかかり、複数の測定器を用いる場合、装置の大型化やコスト高となるだけでなく、各測定器の測定値をずれなく校正することが困難であるため、測定精度も低くなるという問題がある。
これに対して、表示された画像を撮像装置で撮像し、撮像画像に基づいて多点同時測定を実施する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のものは、検査対象のディスプレイに表示される画像をCCDカメラで撮像する。そして、撮像画像の2つの領域における色度や輝度を測定し、これらの色度差や輝度差が所定の閾値と比べて大きい場合に色ムラがあると判断する構成が採られている。
特開2005−43174号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来の色ムラ測定方法では、例えばCCDのセンサー特性など、撮像装置の特性と、表示装置の表示特性とが異なる。このため、一般的な補正係数(例えばsRGB補正係数)などを用いた補正を実施すると、基準となる基準色度測定器の値と、補正値とにずれが生じてしまい、測定精度が低下するという問題がある。
本発明は、上述のような問題に鑑みて、精度よく色ムラを測定する色ムラ測定方法、および色ムラ測定装置を提供することを目的とする。
本発明の色ムラ測定方法では、画像を表示させる表示装置により所定の表示領域に表示された画像を、撮像手段により撮像し、撮像により得られる撮像画像データから前記画像に現れる色ムラを測定する色ムラ測定方法であって、前記表示装置により、所定照度の複数のカラーパターン画像を順次前記表示領域に表示させるカラーパターン表示工程と、前記表示領域に表示される前記カラーパターン画像を前記撮像手段により撮像させ、カラーパターン撮像画像データを取得するカラーパターン撮像工程と、前記表示領域における所定の測定位置の色度を測定する基準色度測定器を用い、前記表示領域に表示された前記カラーパターン画像における前記測定位置の色度をそれぞれ測定する基準色度測定工程と、前記カラーパターン撮像工程により得られる前記カラーパターン撮像画像データにおける前記測定位置に対応する座標の色度を測定するカラーパターン色度測定工程と、前記カラーパターン測定工程において測定される色度である測定色度、および前記基準色度測定器により測定される前記測定位置の色度である基準色度に基づいて、前記測定色度を前記基準色度に変換する色度変換補正係数を算出する補正係数算出工程と、前記表示装置により、色ムラ測定用画像を前記表示領域に表示させる色ムラ測定用画像表示工程と、前記色ムラ測定用画像表示工程により表示される前記色ムラ測定用画像を、前記撮像手段により撮像し、色ムラ測定用撮像画像データを取得する色ムラ測定用画像撮像工程と、前記色ムラ測定用撮像画像データにおける所定の座標位置の色度を測定する色度測定工程と、前記色度変換補正係数を用いて、前記色度測定工程により測定された色度を補正する色度補正工程と、前記色度補正工程により補正された色度に基づいて、色ムラを測定する色ムラ測定工程と、を具備したことを特徴とする。
この発明において、カラーパターン表示工程において表示されるカラーパターンとしては、例えば、グレイ画像、赤色画像、緑色画像、青色画像などの単一色の画像、およびこれらのカラー画像の照度を変化させた画像を用いることができる。また、基準色度測定工程により用いられる基準色度測定器としては、例えば所定位置における色度を分光測定法により正確に計測する分光測定器や、このような分光測定器により校正された三刺激値直読型計測器などを用いることができる。
そして、本発明では、補正係数算出工程において、カラーパターン撮像画像データの所定測定位置に対応する座標の色度(測定色度)と、基準色度計測器により計測される基準色度に基づいて、カラーパターン撮像画像データの色度を基準色度に補正する色度変換補正係数を演算する。また、色度測定工程で、色ムラ測定用画像の撮像により得られる測定用撮像画像データの色度を測定し、この測定された色度を色度補正工程において、先に算出した色度変換補正係数に用いて色補正し、色ムラ測定工程では、この色補正された色度に基づいて色ムラを測定する。
これにより、撮像手段の撮像特性や表示装置の表示特性が異なる場合でも、色度変換補正係数を用いることで、撮像画像データの色度を、基準となる基準色度測定器の値に揃えることができる。したがって、色ムラ測定工程において、正確な色度に基づいて、精度の良い色ムラの測定を実施することができる。
本発明の色ムラ測定方法では、前記測定色度および前記基準色度は、色の特徴を示す複数の色特徴パラメーターを有し、前記補正系算出工程は、前記測定色度および前記基準色度の各色特徴パラメーターを、所定基準値に対する割合に変換し、変換された割合を用いて前記色度変換補正係数を算出することを特徴とする。
この発明によれば、補正係数算出工程において、測定色度および基準色度の色特徴パラメーターを割合に変換して、この割合を用いて色度変換補正係数を算出する。すなわち、測定色度や基準色度として、例えばRGBの各色階調値や、三刺激値XYZなどの色特徴パラメーターを用いることができるが、これらのRGB階調値や三刺激値は、カラーパターン画像の明るさや露光時間などにより、測定結果が大きく影響を受ける。このため、色特徴パラメーターをそのまま用いる場合、測定値の変動の影響を受け、精度の高い色度変換補正係数を算出することが困難となる。一方、明るさや露光時間が変化したとしても、各色特徴パラメーターの割合は大きく変化することがなく、この割合で色度変換補正係数を算出することで、上述したような明るさや露光時間の違いにより差を抑えることができる。したがって、色特調パラメーターを割合に変換し、この割合に基づいて色度変換補正係数を算出することで、より適切な色度変換補正係数を算出することができ、色ムラ測定時においても、より正確な色ムラ測定を実施することができる。また、色度変換補正係数の算出も容易となり、処理負荷を軽減させることができ、処理時間の迅速化を図ることができる。
ここで、本発明の色ムラ測定方法では、前記補正係数算出工程は、前記測定色度および前記基準色度を構成する色特徴パラメーターのうち、明るさを示す明るさ刺激値を1として変換し、他の色特徴パラメーターを前記明るさ刺激値に対する割合に変換することが好ましい。
ここで、測定色度や、基準色度としては、例えば色度をRGBの各色の階調度で示すRGB表色系、三刺激値XYZにより表示するXYZ表色系などがある。ここで、カラーパターン撮像画像データの所定位置座標から色度を抽出する際には、RGB表色系であるRGB各階調値を測定することが容易であり、測定色度としてはRGB表色系を用いることが好ましい。また、基準色度測定器としては、例えば分光測定器や三刺激値直読型測定器などを用いる場合、三刺激値XYZが測定されるため、基準色度としては、XYZ表色系を用いることが好ましい。ここで、RGB表色系では、明るさに最も影響を与える明るさ刺激値はG値となり、XYZ表色系では、Y値となる。したがって、補正係数算出工程では、RGB表色系の色度に対して、G値を1として、R値およびB値をG値に対する割合に、RGB各階調値を変換し、XYZ表色系の色度に対して、Y値を1として、X値およびZ値をY値に対する割合に、XYZ値を変換する。
このように、色特徴パラメーターを、明るさ刺激値を基準とした割合に変換することで、明るさを正確に補正可能な色度変換補正係数を算出できる。すなわち、人の目に対して刺激が大きいとされる明るさを基準とするため、より人間の目に即した色ムラ測定を実施することができる。
本発明の色ムラ測定方法では、前記表示領域に表示される前記画像の明るさに対する前記撮像手段のホワイトバランスを設定する撮像設定工程を備え、前記カラーパターン撮像工程および前記色ムラ測定用画像撮像工程は、前記撮像設定工程により設定されたホワイトバランスの撮像手段により前記カラーパターン画像および前記色ムラ測定用画像を撮像することが好ましい。
この発明によれば、各カラーパターン画像や色ムラ測定用画像の画像明るさなどに応じて適宜撮像手段のホワイトバランスを設定し、このホワイトバランスが設定された撮像手段により、カラーパターン画像や色ムラ測定用画像を撮像する。このため、各撮像画像データは、その明るさに応じて、ホワイトバランスが適切に設定された状態となり、ホワイトバランスの違いによる色ムラや、照度差などが生じず、精度良く色ムラ測定を実施することができる。
本発明の色ムラ測定方法は、前記色ムラ測定工程は、前記色度補正工程により補正された色度を、基準色空間形式に対応する色特性値に変換し、変換された色特性値に基づいて、色ムラを測定することが好ましい。
ここで、基準色空間形式とは、個々の表示装置が持つ色空間に対して、色度の基準となる色空間である。すなわち、RGB色空間形式により色を表示する表示装置が複数あり、これら複数の表示装置に対して所定のRGB階調値の画像信号を入力した場合、各表示装置の個体差により、僅かな色度が生じる。したがって、精度よく色ムラを測定するためには、これらの異なる色空間形式を基準となる色空間形式に変換し、色度を判断することが好ましい。この基準色空間形式としては、例えば、国際照明委員会 (Commission Internationale de l'Eclairage:CIE)により規定された色空間形式を用いることができ、例えばCIE-Lab表色系、CIE-Luv表色系などを用いることができる。
上記発明では、色度測定工程では、計測された色度を上記したような基準色空間形式の色特徴値に変換し、色ムラを測定するため、色ムラの有無の判断を容易に実施できる。また、複数の表示装置において発生する色ムラを統計的に測定する場合でも、各表示装置固有の色空間形式ではなく、基準色空間形式を用いることで、各表示装置における基準に対する色ムラを正確に測定することができる。
本発明の色ムラ測定装置は、画像を表示させる表示装置により所定の表示領域に表示される画像の色ムラを測定する色ムラ測定装置であって、前記表示装置に、所定照度のカラーパターン画像を表示するためのカラーパターン画像信号を出力するカラーパターン画像出力手段と、前記表示装置に、色ムラを検査するための色ムラ測定用画像信号を出力する色ムラ測定用画像出力手段と、前記表示領域に表示される画像を撮像する撮像手段と、前記表示領域における所定の測定位置の基準色度を測定する基準色度測定器と、前記カラーパターン画像信号に基づいて前記表示領域に表示されるカラーパターン画像を前記撮像手段で撮像することで得られるカラーパターン撮像画像データを用い、前記測定位置に対応する座標位置の色度を測定するカラーパターン色度測定手段と、前記基準色度および前記測定色度に基づいて、前記測定色度を前記基準色度に変換する色度変換補正係数を算出する補正係数算出手段と、前記色ムラ測定用画像信号に基づいて前記表示領域に表示される色ムラ測定用画像を前記撮像手段で撮像することで得られる色ムラ測定用撮像画像データの、前記測定位置に対応する座標における色度を測定する色度測定手段と、前記色度測定手段により測定された前記色度を、前記色度変換補正係数を用いて補正する色度補正手段と、前記色度補正手段により補正された色度に基づいて、色ムラを測定する色ムラ測定手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明によれば、上述した色ムラ測定方法と同様の作用効果が得られ、撮像手段の撮像特性や、表示装置の表示特性などが異なる場合でも、色度変換補正係数を用いることで、撮像画像データの色度を、基準となる基準色度測定器の値に揃えることができ、正確な色ムラ測定を実施することができる。
以下、本発明に係る実施の形態の色ムラ測定装置としての色ムラ測定システム、および色ムラ測定方法を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る実施の形態の色ムラ測定システムの概略構成を示すブロック図である。
図1において、色ムラ測定システム1は、測定対象となるプロジェクタ2(表示装置)と、撮像装置3(撮像手段)と、基準色度測定器4と、測定制御装置10と、を備えている。この色ムラ測定システム1は、プロジェクタ2から表示領域であるスクリーン21上に投影された色ムラ測定用画像を撮像装置3により撮像し、撮像により得られる色ムラ測定用撮像画像データに基づいて、プロジェクタ2から出力される画像の色ムラを測定するシステムである。
プロジェクタ2は、画像信号源22や、測定制御装置10から供給される入力画像信号(RGB表色系)に基づいて、画像光を生成し、この画像光をスクリーン21に向かって射出する光学エンジンを備えている。具体的には、光学エンジンは、図示は省略するが、光束を射出する照明光学系と、照明光学系から射出される光束を例えばRGBの各色光に分離する分離光学系と、分離された各色光を画像信号に基づいて変調させる液晶パネルを有する光変調光学系、各色光を合成して画像光を生成する光合成光学系、生成された画像光を射出する投射光学系、および液晶パネルを画像信号に応じて制御する駆動回路を備えている。そして、この光学エンジンの駆動回路は、画像信号源22や測定制御装置10から入力される画像信号に基づいて液晶パネルを制御し、画像信号に応じた画像光を生成してスクリーン21に対して投射する。
なお、本実施の形態において、表示装置として、入力画像信号に応じた画像光をスクリーン21に投射して画像を表示するプロジェクタ2を例示するが、これに限定されない。例えば、色ムラ測定の対象となる表示装置として、液晶ディスプレイや、PDP(Plasma Display Panel)など他の表示装置であってもよい。
また、画像信号源22は、表示画像に対応した画像信号を、プロジェクタ2に出力する装置であり、例えばパーソナルコンピュータや、デジタルカメラ、デジタルビデオなど、画像信号を出力するいかなるものを用いてもよい。なお、本実施の形態では、測定制御装置10からプロジェクタ2に色ムラ測定用画像信号や測位用画像信号が出力される構成を示すが、例えば、画像信号源22からプロジェクタ2にこれらの画像信号が出力される構成などとしてもよく、例えば、画像信号源22および測定制御装置10として機能するパーソナルコンピュータを用いる構成としてもよい。
撮像装置3は、図示しないCCD(Charge Coupled Device)素子を備え、スクリーン21上に投影された画像を撮像する。すなわち、撮像装置3は、スクリーン21にて反射された画像光をCCD素子にて受光し、受光した光に応じた画像信号を取得する。また、撮像装置3は、測定制御装置10から入力される撮像設定情報に基づいて、適宜ホワイトバランス補正値が設定され、CCD素子により取得した画像信号に対し、ホワイトバランス補正を実施する。なお、本実施の形態では、測定制御装置10から入力される撮像設定情報に基づいて、ホワイトバランス補正を実施する例を示すが、これに限定されず、撮像装置3に搭載される画像エンジンが、検査対象となるスクリーンから例えばグレイポイントなど、基準となる色を撮像または測定し、自動でホワイトバランス補正値を設定する構成などとしてもよい。
そして、撮像装置3は、取得した画像信号を撮像画像データとして、測定制御装置10に出力する。
基準色度測定器4は、スクリーン21上の所定の測定位置の色度を測定し、測定した色度を測定制御装置10に出力する。
この基準色度測定器4としては、例えば、入射光を分光器により分光し、得られたスペクトルの強度分布から入射光の色度を正確に分析する分光測定法を利用した分光光度測定器や、このような分光光度測定器などにより校正された三刺激値直読型色度測定器などを用いることができる。このような基準色度測定器4は、スクリーン21の所定測定位置の色度を正確な三刺激値XYZとして測定し、測定により得られる三刺激値を基準色度として、測定制御装置10に出力する。ここで、基準色度測定器4により測定される測定位置は、スクリーン21に投影される画像の中心点であり、プロジェクタ2から射出される画像光の光軸と、スクリーン21との交差点であることが好ましい。
測定制御装置10は、色ムラ測定に用いられる色ムラ測定用画像や、投射画像における所定測定位置を設定するための測位用画像をプロジェクタ2に表示させる制御をするとともに、撮像装置3から入力される撮像画像データに基づいて、測定位置の設定、所定測定位置における色度の測定、および色ムラの測定を実施する。この測定制御装置10は、図1に示すように、入出力部11と、入力操作部12と、記憶部13と、演算処理部14とを備えている。
入出力部11は、撮像装置3、基準色度測定器4、およびプロジェクタ2などの外部機器に接続可能な端子を備えている。そして、入出力部11は、これらの外部機器から入力される信号を演算処理部14に出力するとともに、演算処理部14からの信号を外部機器に出力する。
入力操作部12は、例えばキーボードやマウスなどの入力手段を備え、利用者によりこれらの入力手段が操作されることで、操作内容に応じた操作信号を演算処理部14に出力する。
記憶部13は、各種データやプログラムなどを記憶する。この記憶部13としては、例えばHDDやメモリ、CDやDVDなどの記録媒体を駆動するドライブなどが挙げられる。
具体的には、記憶部13は、図2に示すような色度を有するカラーパターン画像に関するカラーパターン画像信号、図3に示すような色ムラ測定用画像5に関する色ムラ測定用画像信号を記憶している。ここで、図2は、u´-v´色座標における各カラーパターンの色度を示す図である。図3は、色ムラ測定用画像の一例を示す図である。
ここで、図2に基づいて、カラーパターン画像について、説明する。本実施の形態の色ムラ測定システム1では、図2に示すように、13パターンのカラーパターン画像を用いる。すなわち、カラーパターン画像として、所定照度のグレイ画像と、このグレイ画像から、赤色方向、緑色方向、青色方向、シアン方向、マゼンタ方向、イエロー方向の2段階ずつ色度を変化させた各色ベタ画像との、13種類の画像を用いる。
なお、本実施形態では、図2に示す13種類の色度に対応したカラーパターン画像を用いる例を示すが、これに限定されない。すなわち、13種類未満のカラーパターン画像、例えば、グレイ画像と、各1種類ずつの赤色画像、緑色画像、青色画像、シアン画像、マゼンタ画像、およびイエロー画像の7種類を用いてもよく、各色系統に対して3段階に色度を変化させた、14種類以上のカラーパターン画像を用いる構成などとしてもよい。
また、記憶部13は、撮像装置3のホワイトバランス補正値が記憶している。このホワイトバランス補正値は、各カラーパターン画像や、色ムラ測定用画像5の明るさに応じて予め設定される値であり、各画像に関連付けられてそれぞれ記憶されている。
演算処理部14は、CPUなどの集積回路により構成され、記憶部13に記憶されるプログラムにより所定の演算処理を実施する。演算処理部14により実施されるプログラムとしては、図1に示すように、撮像設定手段141と、撮像制御手段142と、カラーパターン画像出力手段143と、基準色度測定制御手段144と、カラーパターン色度測定手段145と、補正係数算出手段146と、色ムラ測定用画像出力手段147と、色度測定手段148と、色度補正手段149と、色ムラ測定手段150と、などが含まれている。
撮像設定手段141は、記憶部13からカラーパターン画像信号や色ムラ測定用画像信号に対するホワイトバランス補正値を読み込み、撮像設定情報として撮像装置3に出力する。ここで、撮像設定手段141は、読み込まれるホワイトバランス補正値として、後述するカラーパターン画像出力手段143や色ムラ測定用画像出力手段147の制御により出力されるカラーパターン画像や色ムラ測定用画像信号に対してそれぞれ設定されたホワイトバランス補正値を読み込む。
撮像制御手段142は、撮像装置3にスクリーン21上に投影される画像を撮像させる制御を実施し、撮像装置3から入力される撮像画像データを取得する。また、撮像制御手段142は、取得した撮像画像データを適宜読み出し可能に記憶部13に記憶する。
カラーパターン画像出力手段143は、記憶部13からカラーパターン画像信号を順次読み込み、プロジェクタ2に順次出力する。これにより、プロジェクタ2からスクリーン21上に、図2に示すような13種類の色度のカラーパターン画像が投影され表示される。
基準色度測定制御手段144は、基準色度測定器4を制御し、カラーパターン画像出力手段143の制御によりスクリーン21上に表示される各カラーパターン画像の画像中心点における色度(基準色度)を測定させる制御をする。また、基準色度測定制御手段144は、基準色度測定器4から基準色度が記録される基準色度データが入力されると、この基準色度データから基準色度を抽出し、記憶部13に適宜読み出し可能に記憶する。なお、本実施の形態では、基準色度の測定点として画像中心点を例示するが、これに限定されず、予め設定されたその他の点を測定対象点としてもよい。
カラーパターン色度測定手段145は、撮像制御手段142の制御によりカラーパターン画像が撮像され、カラーパターン撮像画像データが取得されると、このカラーパターン撮像画像データの画像中心、すなわち基準色度測定器4による基準色度の測定位置に対応した座標位置の色度を測定する。ここで、カラーパターン色度測定手段145は、カラーパターン撮像画像データの画像中心点のRGB各階調値を測定色度として抽出する。そして、カラーパターン色度測定手段145は、この測定色度を適宜読み出し可能に、記憶部13に記憶する。
なお、基準色度測定制御手段144により、画像中心点以外の、予め設定されたその他の点を測定対象点とした場合、カラーパターン色度測定手段145は、この測定対象点に対応する座標位置のRGB値を抽出し、測定色度として取得する。
補正係数算出手段146は、記憶部13に記憶された基準色度および測定色度に基づいて、測定色度を基準色度に変換する色度変換補正係数を算出する。
この時、補正係数算出手段146は、図4に示すように、三刺激値XYZにより表示される基準色度を、Y値を1とした比に変換し、RGB階調値により表示される測定色度を、G値を1とした比に変換する。この図4は、各カラーパターン画像における測定色度、基準色度、およびこれらの測定色度および基準色度を割合に変換した値を示す図である。なお、以降の説明において、これらの各比の値を割合変換値と称す。
そして、補正係数算出手段146は、この割合変換値を用いて、色度変換補正係数を算出する。
ここで、一般に、RGB表色系の色特調値であるRGB階調値から、XYZ表色系の色特調値であるXYZ値への変換は、次式(1)に基づいて算出される。
Figure 2010139324
上記式(1)は、次式(2)のように展開できる。
Figure 2010139324
補正係数算出手段146は、上述のように、各カラーパターン画像から得られた測定色度および基準色度の各色特徴パラメーター(RGB各階調値、三刺激値XYZ)を、図4に示すような割合変換値に換算した後、これらの割合変換値を上記式(2)に代入し、式(2)を満たす、もしくは誤差が最小となる色度変換補正係数の各要素xr、xg、xb、yr、yg、yb、zr、zg、zbを算出する。誤差が最小となる値を算出する場合には、例えば最小二乗法などを用いることができる。そして、補正係数算出手段146は、算出した色度変換補正係数を適宜読み出し可能に記憶部13に記憶する。
ここで、一例として、各カラーパターン画像の測定色度および基準色度が図4に示すような結果となった場合の色度変換補正係数を次式(3)に示す。
Figure 2010139324
色ムラ測定用画像出力手段147は、記憶部13から色ムラ測定用画像信号を読み込み、プロジェクタ2に出力する。これにより、プロジェクタ2からスクリーン21上に、図3に示すような色ムラ検査用の色ムラ測定用画像5が投影され表示される。なお、本実施形態では、色ムラ測定用画像5としては、全画素において、同一階調値に設定されたグレイ画像が好ましいが、例えば赤色画像、青色画像、緑色画像を色ムラ測定用画像として表示させ、それぞれの画像における色ムラを測定する構成などとしてもよい。
色度測定手段148は、撮像装置3により色ムラ測定用画像5が撮像され、その撮像画像データである色ムラ測定用撮像画像データが入力されると、この色ムラ測定用撮像画像データの所定の測定位置における色度を測定する。
ここで、色度測定手段148は、図3に示すように、測定位置として、検査対象測定位置51と、比較測定位置52とを選択し、これらの測定位置における色度(RGB各階調値)を抽出する。検査対象測定位置51としては、例えば、予め設定された複数の座標位置を選択するものであってもよく、色ムラ測定用撮像画像データ内の全画素を対象とするものであってもよい。また、比較測定位置52としては、色ムラ測定用撮像画像データにおける画像中心点であることが好ましい。すなわち、画像中心点は、プロジェクタ2から投射される画像光の中心軸に対応する位置であるため、レンズ収差などの影響が少なく、基準となる色度を適切に再現可能となるためである。また、中心点を比較測定位置52とすることで、各検査対象測定位置51との距離を最短にすることができる。例えば、比較測定位置を画像の一端縁に設ける場合では、画像の他端縁にある検査対象測定位置との距離が遠くなりすぎ、適切な色ムラ測定が困難となるが、上記のように画像中心点に比較測定位置52を設けることで、各検査対象測定位置51と比較測定位置52との距離を短くでき、適切な色ムラ測定を支援することが可能となる。
色度補正手段149は、記憶部13から色度変換補正係数を読み込み、色度測定手段148により測定された色度をこの色度変換補正係数を用いて補正する。具体的には、色度測定手段148により抽出された測定位置におけるRGB各階調値を、色度変換補正係数および式(1)を用いて、基準色度測定器4の色空間に対応した三刺激値XYZに変換する。この時、色度補正手段149は、色度測定手段148により抽出した測定位置のRGB階調値を、G値に対する比である割合変換値に変換し、この割合変換値を式(1)に代入して、三刺激値XYZの割合変換値を算出する。
色ムラ測定手段150は、色度補正手段149により算出された検査対象測定位置51、および比較測定位置52における三刺激値XYZの割合変換値から、検査対象測定位置51における色差を算出し、色ムラを測定する。
具体的には、色ムラ測定手段150は、測定位置の三刺激値XYZの割合変換値を、下記式(4),(5)に基づいて、CIE規格に準拠した基準色空間形式であるCIE-Lu´v´表色系の色特徴値に変換する。
Figure 2010139324
そして、色ムラ測定手段150は、演算されたu´,v´に基づいて、下記(6)式により、検査対象測定位置51の色度と比較測定位置52の色度との色差△u´v´を算出する。
Figure 2010139324
上記式(6)において、u´は、比較測定位置52におけるu´値、v´は、比較測定位置52におけるv´値を示し、u´は、検査対象測定位置51におけるu´値、v´は、検査対象測定位置51におけるv´値を示す。
そして、色ムラ測定手段150は、上記のように算出された色差△u´v´を適宜読み出し可能に記憶部13に記憶する。
〔色ムラ測定方法〕
次に、上記色ムラ測定システム1における色ムラ測定方法について、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施の形態の色ムラ測定システム1における色ムラ測定方法を示すフローチャートである。
図6は、図5における補正係数生成処理を示すフローチャートである。
図5において、色ムラ測定システム1を用いて色ムラを測定するためには、まず、色度変換補正係数を算出するための補正係数生成処理を実施する(ステップS101)。
この補正係数生成処理では、測定制御装置10は、図6に示すように、まず、カラーパターン選択変数nを初期化し、n=1を設定する(ステップS201)。なお、本実施の形態において、記憶部13に記憶される各カラーパターン画像信号には、それぞれカラーパターン選択変数nに対応したIDが関連付けられているものとし、例えばグレイ画像では、カラーパターン変数n=1に対応しているものとする。また、本実施の形態では、カラーパターン画像として、図2に示すように、13種類のパターンを用いるため、カラーパターン選択変数nの最大値mはm=13となる。
このステップS201の後、測定制御装置10は、カラーパターン変数nに対応するIDを有するカラーパターン画像信号を読み込む(ステップS202)。
この後、測定制御装置10は、撮像装置3のホワイトバランス設定処理を実施する(ステップS203:第一撮像設定工程)。ここで、本実施形態の色ムラ測定システム1では、利用者の入力操作部の操作によるホワイトバランス補正値の指定がない限り、ステップS202において選択され、読み込まれたカラーパターン画像信号に関連付けられたホワイトバランス補正値を読み込み、撮像設定情報として撮像装置3に出力する。これにより、撮像装置3のホワイトバランス補正が実施される。
次に、測定制御装置10は、カラーパターン画像出力手段143により、ステップS202にて読み込まれたカラーパターン画像信号をプロジェクタ2に出力する(ステップS204:カラーパターン画像表示工程)。これにより、プロジェクタ2からカラーパターン画像信号に基づいた所定色の画像光が射出され、スクリーン21上にカラーパターン画像が表示される。
この後、測定制御装置10は、撮像制御手段142により、撮像装置3を制御し、スクリーン21上のカラーパターン画像を撮像させてカラーパターン撮像画像データを取得する(ステップS205:カラーパターン画像撮像工程)。また、撮像制御手段142は、取得したカラーパターン撮像画像データを記憶部13に一時記憶する。
次に、測定制御装置10は、基準色度測定制御手段144により、基準色度測定器4を制御し、スクリーン21に表示されたカラーパターン画像の画像中心点における基準色度を測定させる(ステップS206:基準色度測定工程)。この時、基準色度測定制御手段144は、基準色度として三刺激値XYZを測定する。そして、基準色度測定制御手段144は、測定により得られた基準色度を、カラーパターン選択変数nと関連付けて、適宜読み出し可能に記憶部13に記憶する。
また、測定制御装置10は、カラーパターン色度測定手段145により、ステップS205において得られたカラーパターン撮像画像データの画像中心点におけるRGB階調値を抽出し、測定色度として取得する(ステップS207:カラーパターン色度測定工程)。また、カラーパターン色度測定手段145は、得られた測定色度を、カラーパターン選択変数nおよびステップS206にて得られた基準色度と関連付けて、適宜読み出し可能に記憶部13に記憶する。
この後、測定制御装置10は、カラーパターン選択変数nに1を加算する(ステップS208)。
そして、測定制御装置10は、カラーパターン選択変数nが、カラーパターン画像信号の最大値m(本実施の形態では、13種類のカラーパターン画像を用いるため、m=13)より大きくなったか否かを判断する(ステップS209)。
ステップS209において、カラーパターン選択変数nがm以下である場合、他に処理を実施していないカラーパターン画像が存在するとして、ステップS202の処理に戻る。
一方、ステップS209において、カラーパターン選択変数nがmを超える場合、測定制御装置10は、全てのカラーパターン画像において、基準色度および測定色度の取得が完了したと判断し、色度変換補正係数を算出する処理を実施する(ステップS210:補正係数算出工程)。
この補正係数算出工程では、上述したように、測定制御装置10の補正係数算出手段146は、記憶部13に記憶された各基準色度の三刺激値を、Y値を基準とした割合変換値に変換し、同様に、各測定色度のRGB階調値を、G値を基準とした割合変換値に変換する。
そして、補正係数算出手段146は、各カラーパターン選択変数n毎の、測定色度および基準色度の割合変換値を、上述した式(2)に代入し、全カラーパターン選択変数nにおいて、式(2)を満たす、または誤差が最小となる色度変換補正係数を算出する。また、補正係数算出手段146は、この算出した色度変換補正係数を、記憶部13に適宜読み出し可能に記憶する。
次に、図5に戻り、測定制御装置10は、色ムラ測定用画像出力手段147により、記憶部13から色ムラ測定用画像信号を読み込み、プロジェクタ2に読み込んだ色ムラ測定用画像信号を出力する(ステップS102:色ムラ測定用画像表示工程)。これにより、プロジェクタ2から画像光が射出され、スクリーン21上に図3に示すような色ムラ測定用画像5が表示される。
そして、測定制御装置10は、撮像装置3のホワイトバランス設定処理を実施する(ステップS103:第二撮像設定工程)。ここで、本実施形態の色ムラ測定システム1では、利用者の入力操作部の操作によるホワイトバランス補正値の指定、色ムラ測定用画像の指定がない限り、予め設定された色ムラ測定用画像5に対応したホワイトバランス補正値を記憶部13から読み出し、撮像設定情報として撮像装置3に出力する。これにより、撮像装置3のホワイトバランス補正が実施される。
この後、測定制御装置10は、撮像制御手段142により、撮像装置3を制御して、スクリーン21上の色ムラ測定用画像5を撮像させ、色ムラ測定用撮像画像データを取得する(ステップS104:色ムラ測定用画像撮像工程)。また、撮像制御手段142は、取得した色ムラ測定用撮像画像データを記憶部13に記憶する。
次に、測定制御装置10は、色度測定手段148により、測定位置の色度を測定する(ステップS105:色度測定工程)。
これには、色度測定手段148は、色ムラ測定用撮像画像データにおいて、予め設定された所定の検査対象測定位置51、および比較測定位置52の位置座標のRGB階調値を抽出し、測定値として取得する。
そして、測定制御装置10は、色度補正手段149により、測定値のRGB階調値を三刺激値XYZに変換する補正処理を実施する(ステップS106:色度補正工程)。これには、色度補正手段149は、ステップS105にて取得した測定位置における測定値であるRGB階調値を、G値を基準とした割合変換値に変換する。また、色度補正手段149は、ステップS101の補正係数生成処理により算出され、記憶部13に記憶された色度変換補正係数を読み込む。そして、色度補正手段149は、この色度変換補正係数、および測定位置における割合変換値を式(1)に代入することで、三刺激値XYZの割合変換値を取得する。
この後、測定制御装置10は、色ムラ測定手段150により、色ムラを測定する処理を実施する(ステップS107:色ムラ測定工程)。
具体的には、色ムラ測定手段150は、ステップS106の色度測定工程により得られる測定位置(検査対象測定位置51,比較測定位置52)の三刺激値XYZ(割合変換値)を、式(4)、(5)を用いて、基準色空間形式であるCIE Lu´v´表色系の色特徴値、すなわちu´,v´に変換する。
そして、測定制御装置10は、比較測定位置52におけu´,v´と、検査対象測定位置51におけるu´,v´との差分を算出し、式(6)に基づいて、色差(色ムラ)を演算する。色ムラ測定手段150は、検査対象測定座標の全てにおいて、上記式を用いた色ムラを算出する。
また、色ムラ測定手段150は、算出した色ムラを測定値として、適宜読み出し可能に記憶部13に記憶する。
なお、上記において、プロジェクタ2の色ムラを測定する構成、およびその測定方法について説明したが、さらに、測定された色ムラに基づいて、プロジェクタ2で表示される画像の色ムラの有無を判断する色ムラ判断手段が設けられてもよい。
この場合、色ムラ判断手段は、測定された色差が所定の閾値より大きい場合、色ムラであると判断し、閾値以下である場合、正常な画素であるとして認識する。このような構成では、容易に色ムラの有無を判断することができ、効率よくかつ精度の高い色ムラ検査を実施することが可能となる。
〔色ムラ測定システムの作用効果〕
上述したように、上記実施の形態の色ムラ測定システム1では、プロジェクタ2により複数のカラーパターン画像を順次スクリーン21に表示させ、これらカラーパターン画像の画像中心の基準色度を、基準色度測定器4により計測する。また、各カラーパターン画像を撮像装置により撮像してカラーパターン撮像画像データを取得し、これらのカラーパターン撮像画像データの画像中心点における測定色度を測定する。そして、基準色度および測定色度に基づいて、測定色度から基準色度への変換マトリクスである色度変換補正係数を算出する。そして、色ムラの測定時において、色ムラ検査用画像をプロジェクタ2によりスクリーン21上に表示させ、この色ムラ検査用画像を撮像装置3で撮像し、各測定位置の色度を先に算出した色度変換補正係数を用いて補正し、この補正された値に基づいて、色ムラを測定する。
このため、撮像装置3の撮像特性やプロジェクタ2の表示特性にばらつきがある場合でも、色度変換補正係数を用いることで、基準色度測定器4の基準となる色度特性に揃えることができ、色ムラの測定精度を向上させることができる。特に、プロジェクタの製造工程において、複数のプロジェクタの製品検査を実施する場合、複数の撮像装置3を用いて並行して複数のプロジェクタの色ムラ検査を実施することが考えられる。このような場合、撮像装置3の撮像特性にばらつきがあるため、撮像装置3にて得られた撮像画像データのRGB階調値のみに基づいて色ムラの測定を実施した場合、撮像特性の差により色ムラ測定値に差が生じ、例えば色ムラを統計的に処理する場合、正確なデータが採れないなどの問題も発生する。これに対して、本実施の形態では、上述したように、撮像特性の異なる撮像装置3を用いた場合でも、測定色度を、基準色度測定器4の色空間形式に準拠した基準値に変換することができるため、正確な色ムラ測定値を得ることができる。したがって、複数のプロジェクタの検査を実施する場合や、これらの検査結果を統計的に処理する場合でも、測定値のばらつきがなく、精度の良い色ムラ測定を実施することができる。
また、補正係数算出手段146は、補正係数算出工程において、測定色度のRGB各階調値を、G値を基準とした割合変換値に変換し、基準色度の各XYZ値を、Y値を基準とした割合変換値に変換し、これらの割合変換値を用いて色度変換補正係数を算出している。
すなわち、測定色度の各RGB階調値や、基準色度の各XYZ値は、各カラーパターン画像の明るさの影響や、露光時間の影響を受けて、値が変動するが、上記のように割合変換値を用いることで、これらの影響を低減させることができ、より適切な色度変換補正係数を算出することができる。また、このような色度変換補正係数を用いた色ムラ測定を実施することで、より精度の高い色ムラの測定を実施することができる。
さらに、割合変換値として、明るさを示しG値やY値を基準とし、G値に対するR値およびB値の割合、Y値に対するX値およびZ値の値を用いている。より人の目に即した色ムラ測定を実施することができ、より適切な色ムラ測定を実施することができる。
そして、第一および第二撮像設定工程において、カラーパターン画像や色ムラ測定用画像の明るさに対応して撮像装置3のホワイトバランスを補正している。このため、ホワイトバランスの違いにより色のばらつきを抑えることができ、より正確な色ムラ測定を実施することができる。
また、色ムラ測定手段150は、色度測定手段148により測定された測定座標のRGB階調値をXYZ値に変換し、さらに、CIE Lu´v´表色系の色特徴値に変換し、式(6)により色ムラを算出する。
このため、個々のプロジェクタ2で用いられる色空間形式を、標準の色空間形式に置き換えて色ムラを算出するため、例えば複数のプロジェクタ2の色ムラを比較する場合など、色ムラ測定尺度を同一にでき、精度よく色ムラの比較検討を実施することができる。すなわち、個々のプロジェクタ2では、それぞれ異なる色空間形式を持つため、例えば複数のプロジェクタにおける色ムラ比較を実施する場合、これらの色空間形式の違いにより、そのままでは、色ムラを比較することができない。これに対して、本実施の形態では、色ムラをCIEにより規定されたCIE Lu´v´表色系に変換することで、色ムラの測定スケールを同一にすることができ、改めて値を変換するなどせずに、直接色ムラ比較を実施することができる。したがって、プロジェクタ2の製造時の検査工程において、容易に色ムラの比較検討を実施することができる。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されず、本発明の目的を達せられる範囲で種々の改良、変形が可能である。
例えば、上記実施の形態において、記憶部13に色ムラ測定用画像信号に対して予め設定されたホワイトバランス補正値が記憶され、撮像制御手段142によりこのホワイトバランス補正値が読み込まれて撮像装置3に出力されることで、撮像装置3のホワイトバランス補正を実施する構成を例示したが、これに限定されない。すなわち、撮像装置3にて色ムラ測定用画像を撮像する際に、撮像装置3で色ムラ測定用画像の明るさに応じたホワイトバランス補正が実施される構成であればよく、例えば、上述したように、撮像装置3にスクリーン21に投影された画像に対して自動的に適切なホワイトバランス補正を実施する画像エンジンを搭載するなどしてもよい。
また、色ムラ測定システム1により色ムラの測定を実施する構成を示したが、例えば、上述したように、算出された色差を所定閾値と比較することにより、色ムラの度合いを検査する色ムラ検査システムとして用いてもよい。また、プロジェクタの製造工程などにおいて、複数のプロジェクタ2に対する測定座標における色ムラを統計的に集計する構成を備えてもよい。この場合、例えば製造されるプロジェクタ2の色ムラの傾向を確認することができ、色ムラの少ない高性能なプロジェクタ2の製造を促進することができる。
さらに、上述したように、表示装置として、入力画像信号に応じた画像光をスクリーン21に投射して画像を表示するプロジェクタ2の他、例えば、液晶ディスプレイや、PDP(Plasma Display Panel)など他の表示装置を色ムラ測定対象としてもよい。この場合、例えば暗室に表示装置を設置し、表示装置の表示領域に表示される色ムラ測定用画像を撮像装置3により撮像する。測定制御装置10の構成としては、上記実施の形態と同様の構成を利用でき、同様の方法により色ムラを測定することができる。
そして、カラーパターン画像として、上記したような13種類のカラーパターン画像に限らず、さらに多くのカラーパターンを用いてもよく、より少ないカラーパターン画像を用いてもよい。
色ムラ測定手段150は、式(4)〜(6)に基づいて、算出したRGB階調値をCIE−Lu´v´表色系の色特徴値に変換した上で色ムラを算出したが、これに限定されない。すなわち、その他の基準となる色空間形式、例えばCIE−Lab表色系などに変換してもよい。
また、補正係数算出手段146は、測定色度および基準色度をそれぞれG値およびY値を基準とした割合変換値に変換した上で、色度変換補正係数を算出したが、これに限定されず、例えばR値やB値、X値やZ値を基準とした割合変換値を用いてもよい。さらには、割合変換値を用いず、RGB各階調値やXYZ値を、そのまま式(2)に代入して色度変換補正係数を算出する構成としてもよく、この場合、色度補正手段149は、色度測定手段148により測定されたい測定値を割合変換値に変換することなく、式(1)に代入する構成とすることができる。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
表示装置の色ムラを測定する色ムラ測定方法、および色ムラ測定装置に利用することができる。
本発明に係る実施の形態の色ムラ測定システムの概略構成を示すブロック図である。 u´-v´色座標における各カラーパターンの色度を示す図である。 色ムラ測定用画像の一例を示す図である。 各カラーパターン画像における測定色度、基準色度、およびこれらの測定色度および基準色度を割合に変換した値を示す図である。 本実施の形態の色ムラ測定システムを用いた色ムラ測定方法を示すフローチャートである。 図5における補正係数算出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…色ムラ測定装置としての色ムラ測定システム、2…表示装置としてのプロジェクタ、3…撮像手段としての撮像装置、4…基準色度測定器、5…色ムラ測定用画像、21…表示領域であるスクリーン、141…撮像設定手段、143…カラーパターン画像出力手段、145…カラーパターン色度測定手段、146…補正係数算出手段、147…色ムラ測定用画像出力手段、148…色度測定手段、149…色度補正手段、150…色ムラ測定手段。

Claims (6)

  1. 画像を表示させる表示装置により所定の表示領域に表示された画像を、撮像手段により撮像し、撮像により得られる撮像画像データから前記画像に現れる色ムラを測定する色ムラ測定方法であって、
    前記表示装置により、所定照度の複数のカラーパターン画像を順次前記表示領域に表示させるカラーパターン表示工程と、
    前記表示領域に表示される前記カラーパターン画像を前記撮像手段により撮像させ、カラーパターン撮像画像データを取得するカラーパターン撮像工程と、
    前記表示領域における所定の測定位置の色度を測定する基準色度測定器を用い、前記表示領域に表示された前記カラーパターン画像における前記測定位置の色度をそれぞれ測定する基準色度測定工程と、
    前記カラーパターン撮像工程により得られる前記カラーパターン撮像画像データにおける前記測定位置に対応する座標の色度を測定するカラーパターン色度測定工程と、
    前記カラーパターン測定工程において測定される色度である測定色度、および前記基準色度測定器により測定される前記測定位置の色度である基準色度に基づいて、前記測定色度を前記基準色度に変換する色度変換補正係数を算出する補正係数算出工程と、
    前記表示装置により、色ムラ測定用画像を前記表示領域に表示させる色ムラ測定用画像表示工程と、
    前記色ムラ測定用画像表示工程により表示される前記色ムラ測定用画像を、前記撮像手段により撮像し、色ムラ測定用撮像画像データを取得する色ムラ測定用画像撮像工程と、
    前記色ムラ測定用撮像画像データにおける所定の座標位置の色度を測定する色度測定工程と、
    前記色度変換補正係数を用いて、前記色度測定工程により測定された色度を補正する色度補正工程と、
    前記色度補正工程により補正された色度に基づいて、色ムラを測定する色ムラ測定工程と、
    を具備したことを特徴とした色ムラ測定方法。
  2. 請求項1に記載の色ムラ測定方法であって、
    前記測定色度および前記基準色度は、色の特徴を示す複数の色特徴パラメーターを有し、
    前記補正系算出工程は、前記測定色度および前記基準色度の各色特徴パラメーターを、所定基準値に対する割合に変換し、変換された割合を用いて前記色度変換補正係数を算出する
    ことを特徴とする色ムラ測定方法。
  3. 請求項2に記載の色ムラ測定方法であって、
    前記補正係数算出工程は、前記測定色度および前記基準色度を構成する色特徴パラメーターのうち、明るさを示す明るさ刺激値を1として変換し、他の色特徴パラメーターを前記明るさ刺激値に対する割合に変換する
    ことを特徴とする色ムラ測定方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の色ムラ測定方法であって、
    前記表示領域に表示される前記画像の明るさに対する前記撮像手段のホワイトバランスを設定する撮像設定工程を備え、
    前記カラーパターン撮像工程および前記色ムラ測定用画像撮像工程は、前記撮像設定工程により設定されたホワイトバランスの撮像手段により前記カラーパターン画像および前記色ムラ測定用画像を撮像する
    ことを特徴とする色ムラ測定方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の色ムラ測定方法において、
    前記色ムラ測定工程は、前記色度補正工程により補正された色度を、基準色空間形式に対応する色特性値に変換し、変換された色特性値に基づいて、色ムラを測定する
    ことを特徴とする色ムラ測定方法。
  6. 画像を表示させる表示装置により所定の表示領域に表示される画像の色ムラを測定する色ムラ測定装置であって、
    前記表示装置に、所定照度のカラーパターン画像を表示するためのカラーパターン画像信号を出力するカラーパターン画像出力手段と、
    前記表示装置に、色ムラを検査するための色ムラ測定用画像信号を出力する色ムラ測定用画像出力手段と、
    前記表示領域に表示される画像を撮像する撮像手段と、
    前記表示領域における所定の測定位置の基準色度を測定する基準色度測定器と、
    前記カラーパターン画像信号に基づいて前記表示領域に表示されるカラーパターン画像を前記撮像手段で撮像することで得られるカラーパターン撮像画像データを用い、前記測定位置に対応する座標位置の色度を測定するカラーパターン色度測定手段と、
    前記基準色度および前記測定色度に基づいて、前記測定色度を前記基準色度に変換する色度変換補正係数を算出する補正係数算出手段と、
    前記色ムラ測定用画像信号に基づいて前記表示領域に表示される色ムラ測定用画像を前記撮像手段で撮像することで得られる色ムラ測定用撮像画像データの、前記測定位置に対応する座標における色度を測定する色度測定手段と、
    前記色度測定手段により測定された前記色度を、前記色度変換補正係数を用いて補正する色度補正手段と、
    前記色度補正手段により補正された色度に基づいて、色ムラを測定する色ムラ測定手段と、
    を具備したことを特徴とした色ムラ測定装置。
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