JP2010134457A - 赤外線遮断性フィルム及び赤外線遮断性積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物の重合体に、リチウム、カルシウム、バナジウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びインジウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属の化合物を添加してなる第一の赤外線遮断性樹脂、(2)上記反応物又はその加水分解物と、エチレン性不飽和結合を有する化合物との共重合体に、上記金属化合物を添加してなる第二の赤外線遮断性樹脂、又は(3)これらの混合物からなる第三の赤外線遮断性樹脂を含む赤外線遮断性フィルム。
【選択図】なし
Description
第一の赤外線遮断性樹脂は、(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物の重合体に、リチウム、カルシウム、バナジウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びインジウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属の化合物を添加してなる。
第一の赤外線遮断性樹脂のマトリックスは、(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物の重合体からなる。(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド、メタクリルアミド又はこれらの混合物でよい。リン酸としては、正リン酸及び無水リン酸(五酸化リン=P2O5)のいずれでもよいが、無水リン酸が好ましい。以下無水リン酸を用いる場合について説明する。重合体は、(メタ)アクリルアミドと無水リン酸との反応物の加水分解物を重合してなるのが好ましい。ただし加水分解は反応物を重合する前に行ってもよいし、反応物を重合しながら行ってもよいし、反応物を重合した後に行ってもよいし、これらを組合せて行ってもよいが、好ましくは重合前に行う。
金属化合物は、リチウム、カルシウム、バナジウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びインジウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属の有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド又はアセチルアセトネートである。中でも銅の化合物は、中・遠赤外線に対してのみならず、近赤外線に対しても優れた遮断性を有するフィルムが得られるので好ましい。銅は一価及び二価のいずれでもよいが、二価が好ましい。有機酸としては、蟻酸、シュウ酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、ソルビン酸、グルコン酸等を挙げることができる。無機酸としては、硫酸、アミド硫酸、リン酸、硝酸等を挙げることができる。
第一の赤外線遮断性樹脂は、(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物を重合するか、上記反応物を重合しながら加水分解するか、上記反応物を重合した後加水分解するか、これらを組合せることにより重合体を調製し、重合体に金属化合物を添加することにより調製する。以下上記反応物又はその加水分解物を重合する場合について説明する。
第一の赤外線遮断性樹脂は、(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物の重合体に金属化合物が分散した構造、金属のイオンが重合体の(ポリ)ホスホン酸基と塩を形成した構造、及びこれらの両構造のいずれを有してもよい。
第二の赤外線遮断性樹脂は、(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物と、エチレン性不飽和結合を有する化合物との共重合体に、上記金属化合物を添加してなる。エチレン性不飽和結合を有する化合物は、分子内にエチレン性不飽和結合及び酸性基を有する不飽和化合物(1)、及び/又は分子内にエチレン性不飽和結合を有するが酸性基を有しない不飽和化合物(2)でよい。
酸性基を含有する不飽和化合物は、分子内にスルホン酸基及び/又はカルボン酸基とエチレン性不飽和結合とを有するのが好ましい。エチレン性不飽和結合を有する骨格としては、(メタ)アクリレート骨格、(メタ)アリルエステル骨格等を挙げることができる。
スルホン酸基を含有する不飽和単量体として、式(3):
カルボン酸基を含有する不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びその無水物、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
第二の赤外線遮断性樹脂は、造膜性、耐水性等の向上を目的として、酸性基を含有しない不飽和化合物を共重合成分として含んでもよい。酸性基非含有不飽和化合物としては(メタ)アクリルアミドが好ましい。
(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物(a)と酸性基含有不飽和化合物(b)とからなる共重合体の場合、これらの質量比(a)/(b)は(10/90)以上が好ましく、(20/80)以上がより好ましく、(20/80)〜(70/30)が特に好ましい。この比を(20/80)〜(70/30)とすると、一層優れた赤外線遮断性及び造膜性が得られる。上記反応物又はその加水分解物(a)と酸性基非含有不飽和化合物(c)とからなる共重合体の場合、これらの質量比(a)/(c)は(50/50)以上が好ましく、(60/40)以上がより好ましい。上記反応物又はその加水分解物(a)と酸性基含有不飽和化合物(b)と酸性基非含有不飽和化合物(c)とからなる共重合体の場合、(a)及び(b)の合計と(c)との質量比[(a)+(b)]/(c)が(50/50)以上であるのが好ましく、(60/40)以上であるのがより好ましい。この共重合体における質量比(a)/(b)は上記と同じでよい。
金属化合物の含有量は、(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物と、酸性基含有不飽和化合物(1)及び/又は酸性基非含有不飽和化合物(2)とからなる共重合体1gに対して、1×10-4〜3×10-3モルが好ましく、3×10-4〜2×10-3モルがより好ましい。
第二の赤外線遮断性樹脂は、(メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物と、酸性基含有不飽和化合物(1)及び/又は酸性基非含有不飽和化合物(2)とを共重合し、共重合体に金属化合物を添加することにより調製するのが好ましい。共重合方法、及び共重合体に金属化合物を添加する方法は、第一の赤外線遮断性樹脂の場合と本質的に同じでよいので、説明を省略する。
第二の赤外線遮断性樹脂は、上記共重合体に金属化合物が分散した構造、金属のイオンが共重合体の(ポリ)ホスホン酸基及び/又は酸性基と塩を形成した構造、及びこれらの両構造のいずれを有してもよい。
第三の赤外線遮断性樹脂は、第一及び第二の赤外線遮断性樹脂の混合物である。これらの配合割合は限定的ではない。
赤外線遮断性フィルムは、上記第一〜第三の赤外線遮断性樹脂のいずれか(以下まとめて単に「赤外線遮断性樹脂」とよぶことがある)を主成分とする。赤外線遮断性フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲で、金属酸化物半導体微粉末、赤外線吸収性色素、透明化剤、架橋剤、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化肪止剤、帯電防止剤、界面活性剤、無機充填剤等のその他の添加物を含有してもよい。
金属酸化物半導体微粉末は赤外線吸収性を有する。金属酸化物半導体微粉末としては、酸化インジウム及び酸化スズの複合酸化物(ITO)、酸化アンチモン及び酸化スズの複合酸化物(ATO)等からなる微粉末が挙げられる。
赤外線吸収性色素として、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、特開平9-188689号に記載の式(7):
透明化剤として、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオールや、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のイオン溶解溶剤が挙げられる。透明化剤の添加量は限定的ではないが、赤外線遮断性樹脂を100質量%として50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が最も好ましい。
架橋剤としてはメラミン樹脂(例えばトリメトキシメチルメラミン樹脂等)が好ましい。メラミン樹脂を添加すると、赤外線遮断性樹脂が有する(ポリ)ホスホン酸基が触媒となり、メラミン樹脂の架橋反応が促進され、赤外線遮断性フィルムの機械的強度が一層向上する。架橋剤の添加量は、赤外線遮断性樹脂を100質量%として20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が最も好ましい。
赤外線遮断性積層フィルムは、上記第一〜第三の赤外線遮断性樹脂のいずれかを主成分とする赤外線遮断性層と、透明性樹脂フィルムとを有する。赤外線遮断性層は、上記の金属酸化物半導体微粉末、赤外線吸収性色素、透明化剤、架橋剤、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化肪止剤、帯電防止剤、界面活性剤、無機充填剤等のその他の添加物を含有してもよい。
赤外線遮断性フィルムは、例えば赤外線遮断性樹脂の溶液を水平なガラス板やトレイ上に流延し、溶媒を蒸発させるキャスト法により製造することができる。赤外線遮断性樹脂の溶液は、赤外線遮断性樹脂を水、アルコール、これらの混合物等の極性溶媒に溶解したものでよい。アルコールは上記と同じでよい。上記のその他の添加物を使用する場合、流延する溶液に添加物を混合すればよい。溶媒を蒸発させた後の製膜したフィルム(皮膜)に対してさらに常圧又は減圧下40〜150℃で3〜30分程度加熱してもよい。
赤外線遮断性積層フィルムは、例えば金属酸化物半導体薄膜が設けられた又は設けられていない透明性樹脂フィルムに、赤外線遮断性樹脂の溶液を流延又は塗布し、乾燥することにより製造することができる。必要に応じて、赤外線遮断性層上に、金属酸化物半導体薄膜が設けられた又は設けられていない透明性樹脂フィルムをさらに積層する。
赤外線遮断性フィルム、及び赤外線遮断性積層フィルムの赤外線遮断性層は、金属化合物又はその金属イオンが高分散した赤外線遮断性樹脂を主成分とするので、厚さが500μm程度であっても、少なくとも中・遠赤外線に対して優れた遮断性を有する。しかも可視光線に対する透過性が高く、軽量である。特に銅化合物を用いた赤外線遮断性(積層)フィルムは、近赤外線に対する遮断性にも優れている。赤外線遮断性フィルム、及び赤外線遮断性積層フィルムの赤外線遮断性層の厚さは限定的ではないが、通常100〜2,000μm、好ましくは100〜1,200μm程度とする。
(1) ホスホン酸基含有加水分解物の調製
WO2005-080454の実施例4と同様にして、アクリルアミド及び無水リン酸を用いてホスホン酸基を有する加水分解物を調製した。このホスホン酸基含有加水分解物を含む反応溶液に貧溶媒を添加し、濾別したホスホン酸基含有加水分解物を100℃で1時間加熱乾燥した。ホスホン酸基含有加水分解物の酸価を測定した結果、925 mg/gであった(N, N-ジホスホン酸アクリルアミドの理論酸価:969.7 mg/g、N-モノホスホン酸アクリルアミドの理論酸価:741.7 mg/g)。
ホスホン酸基含有加水分解物の窒素含有量をCHNコーダ法により測定し、リン含有量をICP発光分光分析法により測定し、窒素とリンの質量比を求めた結果、1:4.4であり、N, N-ジホスホン酸アクリルアミドにおける理論比と同じであった。
アクリルアミド及びホスホン酸基含有加水分解物について、フーリエ変換赤外分光装置(形式:Nexus 670、ニコレー社製)を用いて、赤外スペクトル測定を行った。結果を図1及び図2に示す。アクリルアミドでは、3,170 cm-1付近にN-H結合によるピークが検出された(図1)が、ホスホン酸基含有加水分解物では、このピークが検出されなかった(図2)。またホスホン酸基含有加水分解物では、700〜1,300 cm-1の範囲に、ホスホン酸基による幅広いピークが検出された(図2)。これらのことから、大部分のアクリルアミドの窒素原子に、2つのホスホン酸基が導入されたことが確認された。
ホスホン酸基含有加水分解物を液体クロマトグラフィーにより分析した結果、N, N-ジホスホン酸アクリルアミドのピークと、N-モノホスホン酸アクリルアミドのピークの面積比は80/20であった[液体クロマトグラフィーの分析条件は以下の通りである。測定機器:株式会社島津製作所製SPD-10A(UV検出器使用)、カラム温度:室温、溶媒:メタノール/水=7/3(質量比)、濃度:0.01 質量%(インジェクション量:2.5μl)、カラム:HAMILTON社製PRP-1、溶媒流速:0.3 ml/分。]。
還流冷却管、触媒投入口等を有する自動合成反応装置に、16.1 gのホスホン酸基含有加水分解物、32.0 g(0.154モル)のターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸(分子量207.25)、及び70.0 gの30質量%メタノール水溶液を入れ、窒素ガスを導入しながら攪拌し、80℃まで昇温した後、2.5 gの10質量%アンモニウムパーサルフェート(APS)水溶液を入れた。その1時間後及び2時間後に、2.5 gの10質量%APS水溶液をさらに入れた。その後3時間80℃に保持し、固形分濃度が49.3質量%のホスホン酸基含有加水分解物及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸の共重合体溶液を得た。共重合体溶液の粘度(18℃)を測定した結果、16,940 cpsであった。共重合体溶液を水で希釈して10質量%溶液とした。
共重合体溶液(10質量%)に、共重合体10.0 g当たり3.27 g(0.0180モル)の酢酸第二銅を室温で溶解し、30分間攪拌した。
得られた赤外線遮断性樹脂の溶液をガラス板に流延し、50℃で3日間乾燥し、厚さ500μmの赤外線遮断性フィルムを作製した。
赤外線遮断性樹脂の溶液に、赤外線遮断性樹脂を100質量%として4質量%のトリメトキシメチルメラミン樹脂を添加した以外実施例1と同様にして、赤外線遮断性フィルムを作製した。
348 gの60質量%メタノール水溶液を溶媒として、165.0 gのホスホン酸基含有加水分解物のみを重合した以外実施例1と同様にして、固形分濃度が37.0質量%のホスホン酸基含有加水分解物の重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の粘度(28℃)を測定した結果、2,640 cpsであった。
赤外線遮断性層の厚さを500μmとした以外実施例3と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
実施例1と同様にして調製した7.50 gのホスホン酸基含有加水分解物、及び22.50 gのターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸を、70.0 gの30質量%メタノール水溶液に溶解した。得られた混合液を、窒素ガスを導入しながら攪拌し、80℃まで昇温した後、2.5 gの10質量%APS水溶液を入れた。その1時間後及び2時間後に、2.5 gの10質量%APS水溶液をさらに入れた。その後3時間80℃に保持し、ホスホン酸基含有加水分解物及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸の共重合体を含む溶液を得た。
ホスホン酸基含有加水分解物及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸をそれぞれ10.0 g及び20.0 g用いた以外実施例5と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
ホスホン酸基含有加水分解物及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸をそれぞれ15.0 g及び15.0 g用いた以外実施例5と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
ホスホン酸基含有加水分解物及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸をそれぞれ20.0 g及び10.0 g用いた以外実施例5と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
溶媒としてイオン交換水を用い、かつ固形分濃度を10.0質量%とした以外実施例1と同様にして、1.00:2.00の質量比のホスホン酸基含有加水分解物及びターシャリーブチルアクリルアミドスルホン酸の共重合体を含む溶液を調製した。共重合体溶液に、共重合体10.0 g当たり3.09 g(0.0170モル)の酢酸第二銅を室温で溶解し、30分間攪拌した。得られた赤外線遮断性樹脂の溶液を、上記PETフィルム容器に流延し、50℃で3日間乾燥し、厚さ500μmの赤外線遮断性層を形成した。この容器から、赤外線遮断性層を設けた底部のみを切り出し、赤外線遮断性層上に厚さ100μmのPETフィルムを積層し、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
一方のPETフィルムを、厚さ10μmのITO膜を有するPETフィルム(厚さ100μm)に代え、積層構成をPETフィルム/赤外線遮断性層/PETフィルム/ITO膜とした以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり3.27 g(0.0180モル)の酢酸第二銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり8.17 g(0.0180モル)のグルコン酸第二銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり2.87 g(0.0180モル)のリン酸第二銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり4.06 g(0.0180モル)の蟻酸第二銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり2.66 g(0.0110モル)の硝酸第二銅・3水和物を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり0.545 g(0.0055モル)の塩化第一銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり0.297 g(0.0030モル)の塩化第一銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり1.48 g(0.0110モル)の塩化第二銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり1.75 g(0.0110モル)の硫酸第二銅を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり2.02 g(0.0110モル)の酢酸亜鉛を添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり0.726 g(0.0110モル)の酢酸リチウムを添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり2.74 g(0.0110モル)の酢酸ニッケルを添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり1.94 g(0.0110モル)の酢酸カルシウムを添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり1.95 g(0.0110モル)の酢酸コバルトを添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり3.23 g(0.0110モル)の塩化インジウムを添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
共重合体10.0 g当たり3.83 g(0.0110モル)のバナジウムアセチルアセトネートを添加した以外実施例9と同様にして、赤外線遮断性積層フィルムを作製した。
WO2005-080454の実施例1と同様にして、アクリルアミド及び無水リン酸を用いてホスホン酸基を有する加水分解物を調製した。このホスホン酸基含有加水分解物を含む反応溶液に貧溶媒を添加し、分液ロートにより分離したホスホン酸基含有加水分解物を100℃で1時間加熱乾燥した。ホスホン酸基含有加水分解物の酸価を測定した結果、635 mg/gであり、生成物の主成分はN-モノアクリルアミドホスホン酸(理論酸価:741.7 mg/g)であることが確認された。
還流冷却管、触媒投入口等を有する自動合成反応装置に、23.3質量部の実施例1と同じN, N-ジホスホン酸アクリルアミドを主成分とするホスホン酸基含有加水分解物、46.7質量部のビニルスルホン酸、及び30質量部のジメチルアセトアミドを入れ、窒素ガスを導入しながら攪拌し、80℃まで昇温した後、ホスホン酸基含有加水分解物及びビニルスルホン酸の合計を100として質量比で1.5のアンモニウムパーサルフェートを添加した。その後6時間80℃に保持し、固形分濃度が70質量%のホスホン酸基含有加水分解物及びビニルスルホン酸の共重合体溶液を得た。共重合体溶液の粘度(25℃)を測定した結果、230 cpsであった。共重合体溶液を水で希釈して20質量%溶液とした。
赤外線遮断性層に代えてホスホン酸基含有加水分解物の重合体層を設けた以外実施例3と同様にして、ポリエチレンフィルム(45μm)/ホスホン酸基含有加水分解物の重合体層(1mm)/PETフィルム(100μm)からなる積層構成のフィルムを作製した。
ポリエチレンフィルム(45μm)/PETフィルム(100μm)からなる積層構成のフィルムを作製した。
Claims (21)
- (1) (メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物の重合体に、リチウム、カルシウム、バナジウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びインジウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属の化合物を添加してなる第一の赤外線遮断性樹脂、(2) 前記反応物又はその加水分解物と、エチレン性不飽和結合を有する化合物との共重合体に、前記金属化合物を添加してなる第二の赤外線遮断性樹脂、又は(3) これらの混合物からなる第三の赤外線遮断性樹脂を含むことを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 請求項1に記載の赤外線遮断性フィルムにおいて、前記金属化合物が、前記金属の有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド又はアセチルアセトネートであることを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 請求項1又は2に記載の赤外線遮断性フィルムにおいて、前記重合体及び共重合体が(ポリ)ホスホン酸基を有することを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線遮断性フィルムにおいて、前記エチレン性不飽和結合を有する化合物が、酸性基を有する不飽和化合物、及び/又は酸性基を有しない不飽和化合物であることを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 請求項4に記載の赤外線遮断性フィルムにおいて、前記酸性基を有する不飽和化合物がスルホン酸基を有する不飽和化合物であることを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の赤外線遮断性フィルムにおいて、前記第一の赤外線遮断性樹脂は、前記重合体に前記金属化合物が分散した構造、前記金属のイオンが前記重合体の(ポリ)ホスホン酸基と塩を形成した構造、又はこれらの両構造を有し、前記第二の赤外線遮断性樹脂は、前記共重合体に前記金属化合物が分散した構造、前記金属のイオンが前記共重合体の(ポリ)ホスホン酸基と塩を形成した構造、又はこれらの両構造を有することを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 請求項4〜6のいずれかに記載の赤外線遮断性フィルムにおいて、前記第二の赤外線遮断性樹脂は、前記共重合体に前記金属化合物が分散した構造、前記金属のイオンが前記共重合体の(ポリ)ホスホン酸基及び前記酸性基と塩を形成した構造、又はこれらの両構造を有することを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の赤外線遮断性フィルムにおいて、前記金属化合物が、一価又は二価の銅の有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド又はアセチルアセトネートであることを特徴とする赤外線遮断性フィルム。
- 赤外線遮断性層と、透明性樹脂フィルムとを有する赤外線遮断性積層フィルムであって、前記赤外線遮断性層が、(1) (メタ)アクリルアミドとリン酸との反応物又はその加水分解物の重合体に、リチウム、カルシウム、バナジウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びインジウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属の化合物を添加してなる第一の赤外線遮断性樹脂、(2) 前記反応物又はその加水分解物と、エチレン性不飽和結合を有する化合物との共重合体に、前記金属化合物を添加してなる第二の赤外線遮断性樹脂、又は(3) これらの混合物からなる第三の赤外線遮断性樹脂を含むことを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項11に記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記金属化合物が、前記金属の有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド又はアセチルアセトネートであることを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項11又は12に記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記重合体及び共重合体が(ポリ)ホスホン酸基を有することを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項11〜13のいずれかに記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記エチレン性不飽和結合を有する化合物が、酸性基を有する不飽和化合物、及び/又は酸性基を有しない不飽和化合物であることを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項14に記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記酸性基を有する不飽和化合物がスルホン酸基を有する不飽和化合物であることを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項13〜15のいずれかに記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記第一の赤外線遮断性樹脂は、前記重合体に前記金属化合物が分散した構造、前記金属のイオンが前記重合体の(ポリ)ホスホン酸基と塩を形成した構造、又はこれらの両構造を有し、前記第二の赤外線遮断性樹脂は、前記共重合体に前記金属化合物が分散した構造、前記金属のイオンが前記共重合体の(ポリ)ホスホン酸基と塩を形成した構造、又はこれらの両構造を有することを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項14〜16のいずれかに記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記第二の赤外線遮断性樹脂は、前記共重合体に前記金属化合物が分散した構造、前記金属のイオンが前記共重合体の(ポリ)ホスホン酸基及び前記酸性基と塩を形成した構造、又はこれらの両構造を有することを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項11〜19のいずれかに記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記金属化合物が、一価又は二価の銅の有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド又はアセチルアセトネートであることを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
- 請求項11〜20のいずれかに記載の赤外線遮断性積層フィルムにおいて、前記透明性樹脂フィルムに金属酸化物半導体薄膜が設けられていることを特徴とする赤外線遮断性積層フィルム。
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