JP2010120946A - 抗炎症組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性の高い植物抽出物を有効成分として含有する抗炎症組成物(薬剤組成物、飲食品組成物、飼料組成物又は化粧料組成物)を提供する。
【解決手段】抗炎症組成物に、その有効成分としてノブドウ抽出物、好ましくは水溶性有機溶媒、含水水溶性有機溶媒又は水を抽出溶媒とした抽出処理により得られたノブドウ抽出物を含有させる。
【選択図】なし
【解決手段】抗炎症組成物に、その有効成分としてノブドウ抽出物、好ましくは水溶性有機溶媒、含水水溶性有機溶媒又は水を抽出溶媒とした抽出処理により得られたノブドウ抽出物を含有させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、安全性の高い植物抽出物を有効成分として含有する抗炎症組成物に関する。
ノブドウは別名蛇葡萄とも呼ばれる学名Ampelopsis brevipedunculata Trautv.のぶどう科植物であって、北海道から沖縄、中国、朝鮮半島の山野に自生する落葉つる植物である。
中国ではノブドウの葉部及び蔓部が利尿、胃熱嘔吐に効果があるとされ、古くから煎じて飲用されており、大腸菌、ブドウ球菌の抑制作用、止血作用も認められている。
中国ではノブドウの葉部及び蔓部が利尿、胃熱嘔吐に効果があるとされ、古くから煎じて飲用されており、大腸菌、ブドウ球菌の抑制作用、止血作用も認められている。
また、ノブドウの果実をアルコールで浸出した浸出液を主成分して成る肝硬変の予防及び治療剤(特許文献1参照)、ノブドウ根のメタノール冷浸エキスを酢酸エチル−水混合溶媒で分配し、酢酸エチル層を濃縮して得られるノブドウ根抽出物よりなる肝疾患治療剤(特許文献2参照)、ノブドウに含まれる没食子酸エステルの有効量を含む線維化抑制剤(特許文献3参照)、ノブドウのエキスを主成分とする免疫調節剤(特許文献4参照)等が知られている。
しかしながら、ノブドウ抽出物の抗酸化作用、皮膚老化防止作用、抗炎症作用及び脂質代謝改善作用については知られていない。
しかしながら、ノブドウ抽出物の抗酸化作用、皮膚老化防止作用、抗炎症作用及び脂質代謝改善作用については知られていない。
本発明は、安全性の高い天然物の中から、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び/又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する物質を見出し、それを有効成分とした抗炎症組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ノブドウ抽出物を有効成分として含有する抗炎症組成物を提供する。
本発明の抗炎症組成物において、前記ノブドウ抽出物が、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び/又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有することが好ましい。また、本発明の抗炎症組成物において、前記ノブドウ抽出物が、水溶性有機溶媒、含水水溶性有機溶媒又は水を抽出溶媒とした抽出処理により得られたものであることが好ましい。また、本発明の抗炎症組成物は、薬剤組成物、飲食品組成物、飼料組成物又は化粧料組成物であることが好ましい。
本発明により、安全性の高いノブドウ抽出物を有効成分として含有する抗炎症組成物が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、「ノブドウ抽出物」には、ノブドウを抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
本発明において、「ノブドウ抽出物」には、ノブドウを抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
抽出原料として使用するノブドウの部位は特に限定されるものではないが、例えば、地上部を使用することができ、その中でも特に茎部、蔓部及び葉部の1種又は2種以上を使用することが好ましい。
抽出原料として使用するノブドウは、採取後ただちに乾燥し粉砕したものが適当である。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、ノブドウの極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
抽出処理の際には、抽出溶媒として極性溶媒を使用することが好ましい。ノブドウに含まれる抗酸化作用、皮膚老化防止作用、抗炎症作用又は脂質代謝改善作用を示す成分は、極性溶媒を抽出溶媒とする抽出処理によって容易に抽出することができる。
極性溶媒の具体例としては、水、水溶性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら極性溶媒のうち、水溶性有機溶媒又は含水水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水には、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等が含まれる。
抽出溶媒として使用し得る水溶性有機溶媒としては、低級脂肪族アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、低級脂肪族アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の1価アルコール;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
抽出溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ等の中間極性溶媒を使用することもできる。
抽出溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ等の中間極性溶媒を使用することもできる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、含水水溶性有機溶媒を使用する場合、一価アルコール、多価アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン等の含有量が10重量%以上であることが好ましい。
抽出処理は、ノブドウに含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(重量比)の抽出溶媒にノブドウを浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理、液−液向流分配処理等によって行うことができる。得られた抽出液はそのままでも抗酸化組成物、皮膚老化防止用組成物、抗炎症組成物又は脂質代謝改善用組成物の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が利用しやすい。
ノブドウ抽出物は、活性酸素消去作用及び/又はラジカル消去作用に基づいて抗酸化作用を発揮することができる。ここで、「活性酸素」には、スーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素等が含まれる。また、「ラジカル」とは、不対電子を1つまたはそれ以上有する分子または原子を意味し、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、DPPH等が含まれる。
ノブドウ抽出物は、抗酸化作用を発揮することができるので、抗酸化組成物の有効成分として使用することができる。なお、ノブドウ抽出物は、活性酸素消去作用又はラジカル消去作用を有しているので、活性酸素消去用組成物又はラジカル消去用組成物の有効成分として使用することもできる。
本発明の抗酸化組成物は、体内における活性酸素濃度の上昇(例えば、体内における活性酸素過剰産生による活性酸素濃度の上昇、老人等におけるスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)作用低下による活性酸素濃度の上昇)に起因する疾患、例えば、関節リウマチ、心筋梗塞、糖尿病、腎炎、肩こり、冷え性等を効果的に予防及び/又は改善することができる。また、本発明の抗酸化組成物は、薬剤、飲食品、化粧料等に配合される油脂類等、活性酸素の働きにより酸化又は劣化する成分の変質を効果的に防止することができる。
皮膚は紫外線等の環境因子の影響を直接受けるため活性酸素が発生しやすい器官であるから、何らかの理由により生体の抗酸化作用が十分に働かないと活性酸素濃度が上昇し、それに起因してメラニンの異常産生、シワ、たるみ、肌荒れ等の皮膚老化現象が生じる。また、加齢により皮膚の細胞増殖能が鈍化すると細胞の更新が行われにくくなるとともに、細胞により生産されるコラーゲン等の細胞間成分の供給も不十分となり、それに起因してシワ、たるみ、くすみ等の皮膚老化現象が生じる。さらに、皮膚の弾性に関与するエラスチンが加水分解酵素であるエラスターゼにより分解されると、皮膚の弾力が減少し、シワ、たるみ等の皮膚老化現象が生じる。したがって、ノブドウ抽出物は、活性酸素消去作用、ラジカル消去作用、線維芽細胞増殖作用及びエラスターゼ阻害作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用に基づいて皮膚老化防止作用を発揮することができる。
ノブドウ抽出物は、皮膚老化防止作用を発揮することができるので、皮膚老化防止用組成物の有効成分として使用することができる。なお、ノブドウ抽出物は、線維芽細胞増殖作用又はエラスターゼ阻害作用を有しているので、線維芽細胞増殖用組成物又はエラスターゼ阻害用組成物の有効成分として利用することもできる。
本発明の皮膚老化防止用組成物は、皮膚の弾力低下、シワ、たるみ、肌荒れ等の皮膚老化現象を効果的に予防及び/又は改善することができる。
本発明の皮膚老化防止用組成物は、皮膚の弾力低下、シワ、たるみ、肌荒れ等の皮膚老化現象を効果的に予防及び/又は改善することができる。
ヒアルロニダーゼは生体内の様々な組織に通常不活性な状態で存在するが活性化すると毛細血管の透過性を亢進すること、種々の炎症においてヒアルロニダーゼ活性が上昇すること、ヒアルロニダーゼを用いて実験的に急性炎症モデルを作製できること等の事実により、ヒアルロニダーゼが炎症反応に関与することが確認されており、ヒアルロニダーゼは起炎酵素とも呼ばれている。また、サイクリックAMPホスホジエステラーゼによりサイクリックAMPが分解され、サイクリックAMP濃度が低下すると血小板凝集が生じ、血小板凝集はアラキドン酸カスケードのホスホリパーゼA2の活性化を招き、それにより放出されたロイコトリエンB4やプロスタグランジンE2等が炎症反応を引き起こす。したがって、ノブドウ抽出物は、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び/又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用に基づいて抗炎症作用を発揮することができる。
ノブドウ抽出物は、抗炎症作用を発揮することができるので、抗炎症組成物の有効成分として使用することができる。なお、ノブドウ抽出物は、ヒアルロニダーゼ阻害作用又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有しているので、ヒアルロニダーゼ阻害用組成物又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害用組成物の有効成分として利用することもできる。
本発明の抗炎症組成物は、炎症性の疾患、例えば、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡等を効果的に予防及び/又は改善することができる。
本発明の抗炎症組成物は、炎症性の疾患、例えば、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡等を効果的に予防及び/又は改善することができる。
脂質の代謝促進に関与しているサイクリックAMPが、サイクリックAMPホスホジエステラーゼによって分解されると、脂質の代謝が抑制され、体脂肪の過剰蓄積等が生じる。したがって、ノブドウ抽出物は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用に基づいて脂質代謝改善作用を発揮することができる。すなわち、ノブドウ抽出物は、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性を阻害し、細胞内サイクリックAMP濃度を上昇させ、脂質の代謝を活発化させることにより、脂質代謝改善作用を発揮することができる。
ノブドウ抽出物は、脂質代謝改善作用を発揮することができるので、脂質代謝改善用組成物の有効成分として使用することができる。
本発明の脂質代謝改善用組成物は、脂質代謝を改善することにより肥満を予防及び/又は改善することができる。
ノブドウ抽出物は、脂質代謝改善作用を発揮することができるので、脂質代謝改善用組成物の有効成分として使用することができる。
本発明の脂質代謝改善用組成物は、脂質代謝を改善することにより肥満を予防及び/又は改善することができる。
本発明の各組成物において、「有効成分」とは、抗酸化作用、皮膚老化防止作用、抗炎症作用又は脂質代謝改善作用を有する成分を意味し、ノブドウ抽出物が本発明の各組成物の主成分である必要はなく、また、本発明の各組成物にはノブドウ抽出物以外に抗酸化作用、皮膚老化防止作用、抗炎症作用又は脂質代謝改善作用を有する成分が含まれていてもよい。
本発明の各組成物の形態は、目的とする作用効果が発揮され得る限り特に限定されるものではなく、その具体例としては、薬剤組成物、飲食品組成物、飼料組成物、化粧料組成物等が挙げられる。本発明の各組成物におけるノブドウ抽出物以外の成分は、組成物の形態に応じて適宜選択することができる。
薬剤組成物としては、例えば、内用又は外用の医薬品又は医薬部外品(すなわち内用剤又は外用剤)、飲食品や化粧料等に添加される添加剤等が挙げられる。薬剤組成物は、例えば、ノブドウ抽出物に薬学的に許容され得る賦形剤その他任意の助剤(例えば、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等)を配合することにより製造することができる。薬剤組成物の剤形としては、例えば、粉剤、顆粒剤、錠剤、液剤、噴霧剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、座剤、注射剤、軟膏、テープ剤等が挙げられる。薬剤組成物の投与経路は、剤形等に基づいて適宜選択することができ、投与量及び投与回数は、目的とする作用効果、投与方法、治療期間、年齢、体重等に応じて適宜調節することができる。
飲食品組成物及び飼料組成物は、ノブドウ抽出物に、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を配合することにより製造することができる。
飲食品組成物は、ノブドウ抽出物をその活性を妨げないような任意の飲食品に配合することにより製造することもできる。ノブドウ抽出物を配合し得る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物、パン等が挙げられる。本発明の飲食品組成物は、飲料、錠剤、ハードカプセル、ソフトカプセル、顆粒等の形態に加工すると簡便に飲食することができる。ノブドウ抽出物は、脂質を含有しない飲食品に配合してもよいが、脂質を含有する飲食品に配合することが好ましい。こうして製造された飲食品組成物は、抗肥満用飲食品としてばかりでなく、美肌、痩身等の美容を目的とした飲食品、すなわち美容用飲食品としても使用することができる。
飼料組成物は、ノブドウ抽出物をその活性を妨げないような任意の飼料に配合することにより製造することもできる。ノブドウ抽出物を配合し得る飼料は特に限定されないが、その具体例としては、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
化粧料組成物は、ノブドウ抽出物に、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素消去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を配合することにより製造することができる。
また、化粧料組成物は、ノブドウ抽出物をその活性を妨げないような任意の化粧料に配合することにより製造することもできる。ノブドウ抽出物を配合し得る化粧料は特に限定されないが、その具体例としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤、リップクリーム、口紅等の皮膚化粧料が挙げられる。
また、化粧料組成物は、ノブドウ抽出物をその活性を妨げないような任意の化粧料に配合することにより製造することもできる。ノブドウ抽出物を配合し得る化粧料は特に限定されないが、その具体例としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤、リップクリーム、口紅等の皮膚化粧料が挙げられる。
本発明の各組成物におけるノブドウ抽出物の配合量は、組成物の形態や抽出物の活性等に応じて適宜調整することができる。例えば、薬剤組成物に標準的なノブドウ抽出物を配合する場合、好適な配合率は、1〜100重量%であり、特に好ましい配合率は10〜50重量%であり、飲食品組成物又は飼料組成物に標準的なノブドウ抽出物を配合する場合、好適な配合率は、0.01〜50重量%であり、特に好ましい配合率は0.1〜10重量%であり、化粧料組成物に標準的なノブドウ抽出物を配合する場合、好適な配合率は、0.001〜1重量%であり、特に好ましい配合率は0.01〜0.1重量%であり、
以下、製造例、試験例及び配合例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
〔製造例1〕
ノブドウの葉部及び蔓部の乾燥粉砕物100gを1Lの30%エタノール、50%エタノール、80%エタノールに浸漬し、2時間還流下に加熱した。その後、濾過して残渣を再び1Lのエタノールで同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、それぞれ14g、9.9g、7.8gの含水エタノール抽出エキスを得た。
〔製造例1〕
ノブドウの葉部及び蔓部の乾燥粉砕物100gを1Lの30%エタノール、50%エタノール、80%エタノールに浸漬し、2時間還流下に加熱した。その後、濾過して残渣を再び1Lのエタノールで同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、それぞれ14g、9.9g、7.8gの含水エタノール抽出エキスを得た。
〔製造例2〕
ノブドウの葉部及び蔓部の乾燥粉砕物100gを1Lの熱水で2時間抽出処理した。その後、濾過して残渣を再び1Lの熱水で同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、10gの熱水抽出エキスを得た。
ノブドウの葉部及び蔓部の乾燥粉砕物100gを1Lの熱水で2時間抽出処理した。その後、濾過して残渣を再び1Lの熱水で同様に処理した。上記2回の処理により得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、10gの熱水抽出エキスを得た。
〔試験例1〕スーパーオキサイド消去作用試験
製造例1及び2で得られたエキスについてスーパーオキサイド消去作用を調べた。試験方法(NBT法)は次の通りである。
1.試薬
(1)0.05M Na2CO3緩衝液(pH10.2)
(2)3mM キサンチン溶液:キサンチン45.64mgを上記(1)の緩衝液に溶解して100mLとした。
(3)3mM EDTA溶液:EDTA・2Na 111.7mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
(4)BSA溶液:ウシ血清アルブミン(Sigma)15mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
(5)0.75mM NBT溶液:NBT(ニトロブルーテトラゾリウム)61.32mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
(6)キサンチンオキシダーゼ溶液:キサンチンオキシダーゼを蒸留水で希釈した。濃度は下記「2.操作」の空試験における吸光度が0.20〜0.23の範囲に入るようにした。
(7)6mM CuCl2溶液:CuCl2・2H2O 102.29mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
製造例1及び2で得られたエキスについてスーパーオキサイド消去作用を調べた。試験方法(NBT法)は次の通りである。
1.試薬
(1)0.05M Na2CO3緩衝液(pH10.2)
(2)3mM キサンチン溶液:キサンチン45.64mgを上記(1)の緩衝液に溶解して100mLとした。
(3)3mM EDTA溶液:EDTA・2Na 111.7mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
(4)BSA溶液:ウシ血清アルブミン(Sigma)15mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
(5)0.75mM NBT溶液:NBT(ニトロブルーテトラゾリウム)61.32mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
(6)キサンチンオキシダーゼ溶液:キサンチンオキシダーゼを蒸留水で希釈した。濃度は下記「2.操作」の空試験における吸光度が0.20〜0.23の範囲に入るようにした。
(7)6mM CuCl2溶液:CuCl2・2H2O 102.29mgを蒸留水に溶解して100mLとした。
2.操作
試験管にNa2CO3緩衝液2.4mLをとり、これにキサンチン溶液、EDTA溶液、BSA溶液、NBT溶液、各0.1mLを加えた。試料溶液(80%エタノール溶液)0.1mLを加え、25℃で10分間放置後、キサンチンオキシダーゼ溶液0.1mLを加え、手早く攪拌し、25℃でインキュベートした。20分後にCuCl2溶液0.1mLを加えて反応を停止させ、560nmにおける吸光度を測定した。別に、試料溶液の代わりに蒸留水を用いて空試験を行った。IC50(スーパーオキサイド50%消去濃度)(μg/mL)を表1に示す。
試験管にNa2CO3緩衝液2.4mLをとり、これにキサンチン溶液、EDTA溶液、BSA溶液、NBT溶液、各0.1mLを加えた。試料溶液(80%エタノール溶液)0.1mLを加え、25℃で10分間放置後、キサンチンオキシダーゼ溶液0.1mLを加え、手早く攪拌し、25℃でインキュベートした。20分後にCuCl2溶液0.1mLを加えて反応を停止させ、560nmにおける吸光度を測定した。別に、試料溶液の代わりに蒸留水を用いて空試験を行った。IC50(スーパーオキサイド50%消去濃度)(μg/mL)を表1に示す。
表1に示した結果から、ノブドウの含水エタノール抽出エキス、熱水抽出エキスがともにスーパーオキサイド消去作用を有していることが判明した。
〔試験例2〕一重項酸素消去作用試験
製造例1及び2で得られたエキスについて一重項酸素消去作用を調べた。試験法(赤血球溶血法)は次の通りである。
透明ガラス瓶(10mL容)中で2%赤血球懸濁液5mL、試料を所定濃度で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5mL、及び光増感剤(10mM ヘマトポルフイリン−20mM水酸化ナトリウム溶液)0.01mLを混合した。得られた溶液をメリーゴーランド上、7.5Wハロゲンランプで35分間均一に照射して一重項酸素(1O2)を発生させ、赤血球の溶血を生じさせた。この反応溶液1mLを採取し、等張リン酸緩衝液2mLを加えて混合後、4℃、3000rpmで5分間遠心分離を行った。次いで、上清を採取し、波長540nmにおける吸光度を測定した。別に、赤血球を一部溶血させた上記反応溶液1mLをとり、これに蒸留水2mLを加えて完全に溶血させたものをコントロールとし、同様に吸光度測定を行った。測定された吸光度より次式により一重項酸素消去率を求めた。
製造例1及び2で得られたエキスについて一重項酸素消去作用を調べた。試験法(赤血球溶血法)は次の通りである。
透明ガラス瓶(10mL容)中で2%赤血球懸濁液5mL、試料を所定濃度で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5mL、及び光増感剤(10mM ヘマトポルフイリン−20mM水酸化ナトリウム溶液)0.01mLを混合した。得られた溶液をメリーゴーランド上、7.5Wハロゲンランプで35分間均一に照射して一重項酸素(1O2)を発生させ、赤血球の溶血を生じさせた。この反応溶液1mLを採取し、等張リン酸緩衝液2mLを加えて混合後、4℃、3000rpmで5分間遠心分離を行った。次いで、上清を採取し、波長540nmにおける吸光度を測定した。別に、赤血球を一部溶血させた上記反応溶液1mLをとり、これに蒸留水2mLを加えて完全に溶血させたものをコントロールとし、同様に吸光度測定を行った。測定された吸光度より次式により一重項酸素消去率を求めた。
一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100
なお、式中、「A」はコントロールの吸光度、「B」は反応溶液上清の吸光度である。
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、一重項酸素消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。IC50(一重項酸素50%消去濃度)(μg/mL)を表2に示す。
なお、式中、「A」はコントロールの吸光度、「B」は反応溶液上清の吸光度である。
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、一重項酸素消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。IC50(一重項酸素50%消去濃度)(μg/mL)を表2に示す。
表2に示した結果から、ノブドウの含水エタノール抽出エキス、熱水抽出エキスがともに一重項酸素消去作用を有していることが判明した。
〔試験例3〕ラジカル消去作用試験
製造例1及び2で得られたエキスについてラジカル消去作用を調べた。試験法(DPPH法)は次の通りである。
1.5×104M DPPHメタノール溶液3mLに試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した。その後、520nmにおける吸光度を測定した。対照試験として、試料溶液の代わりにその溶媒を用いて同様に操作し、520nmにおける吸光度を測定した。また空試験として、メタノール試料溶液3mLを加えた後、直ちに520nmにおける吸光度を測定した。測定された各吸光度により、次式によりラジカル消去率を算出した。
製造例1及び2で得られたエキスについてラジカル消去作用を調べた。試験法(DPPH法)は次の通りである。
1.5×104M DPPHメタノール溶液3mLに試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した。その後、520nmにおける吸光度を測定した。対照試験として、試料溶液の代わりにその溶媒を用いて同様に操作し、520nmにおける吸光度を測定した。また空試験として、メタノール試料溶液3mLを加えた後、直ちに520nmにおける吸光度を測定した。測定された各吸光度により、次式によりラジカル消去率を算出した。
ラジカル消去率(%)=〔1−(B−C)/A〕×100
なお、式中、「A」は対照試験の吸光度、「B」は試料溶液を添加した場合の吸光度、「C」は空試験の吸光度を表す。
試料溶液の試料濃度を段階的に変更して上記消去率の測定を行い、DPPHラジカル消去率が50%になる試料溶液の濃度を内挿法により求めた。IC50(ラジカル50%消去濃度)(μg/mL)を表3に示す。
なお、式中、「A」は対照試験の吸光度、「B」は試料溶液を添加した場合の吸光度、「C」は空試験の吸光度を表す。
試料溶液の試料濃度を段階的に変更して上記消去率の測定を行い、DPPHラジカル消去率が50%になる試料溶液の濃度を内挿法により求めた。IC50(ラジカル50%消去濃度)(μg/mL)を表3に示す。
表3に示した結果から、ノブドウの含水エタノール抽出エキス、熱水抽出エキスがともにラジカル消去作用を有していることが判明した。
〔試験例4〕エラスターゼ阻害作用試験
製造例1で得られたエキスについてエラスターゼ阻害作用を調べた。試験方法は次の通りである。
96穴マイクロプレートを用意し、1穴に対して試料溶液(溶媒:DMSO+水)50μL、基質溶液(2mM N-methoxysuccinyl-Ala-Ala-Pro-Val-p-nitroanilide)25μL及びエラスターゼ溶液(ヒト好中球由来エラスターゼ;6μg/mL)を添加した。25℃で30分間反応させた後、反応液を採取して415nmにおける吸光度を測定した。上記と同様の酵素反応と吸光度測定を、試料溶液の代わりに試料溶液と等量の溶媒のみを添加して行った。さらにそれぞれの場合について、エラスターゼ溶液を添加せずに同じ操作と測定を行った。測定結果より、下記の式によりエラスターゼ阻害率を算出した。
製造例1で得られたエキスについてエラスターゼ阻害作用を調べた。試験方法は次の通りである。
96穴マイクロプレートを用意し、1穴に対して試料溶液(溶媒:DMSO+水)50μL、基質溶液(2mM N-methoxysuccinyl-Ala-Ala-Pro-Val-p-nitroanilide)25μL及びエラスターゼ溶液(ヒト好中球由来エラスターゼ;6μg/mL)を添加した。25℃で30分間反応させた後、反応液を採取して415nmにおける吸光度を測定した。上記と同様の酵素反応と吸光度測定を、試料溶液の代わりに試料溶液と等量の溶媒のみを添加して行った。さらにそれぞれの場合について、エラスターゼ溶液を添加せずに同じ操作と測定を行った。測定結果より、下記の式によりエラスターゼ阻害率を算出した。
エラスターゼ阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
なお、式中、「A」は酵素添加・試料溶液添加時の吸光度、「B」は酵素無添加・試料溶液添加時の吸光度、「C」は酵素添加・試料溶液無添加時の吸光度、「D」は酵素無添加・試料溶液無添加時の吸光度を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率の測定を行い、阻害率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。IC50(エラスターゼ50%阻害濃度)(μg/mL)を表4に示す。
なお、式中、「A」は酵素添加・試料溶液添加時の吸光度、「B」は酵素無添加・試料溶液添加時の吸光度、「C」は酵素添加・試料溶液無添加時の吸光度、「D」は酵素無添加・試料溶液無添加時の吸光度を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率の測定を行い、阻害率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。IC50(エラスターゼ50%阻害濃度)(μg/mL)を表4に示す。
表4に示した結果から、ノブドウの含水エタノール抽出エキスがエラスターゼ阻害作用を有していることが判明した。
〔試験例5〕線維芽細胞増殖作用試験
製造例1で得られたエキスについてNB1RBG細胞増殖作用を調べた。試験方法はMTT法(J.Immunol.Method, 93,157,1986)に準拠して行った。
25cm2の培養フラスコに入れた10v/v%FBS含有培地(α−MEM培地:GIBCO BLR社製品,pH7.2)にヒト正常新生児皮膚繊維芽細胞(NBIRGB)1×106個を播種し、37℃、5%CO2−95%airの下で4日間培養した。次いでトリプシン処理し、遠心分離して細胞を集めた。沈殿として得られた細胞を5v/v%FBS含有培地(α−MEM培地:GIBCO BLR社製品,pH7.2)に懸濁し、96穴プレートの1穴につき7×103個/100μLずつ分注した。24時間培養後、試料を溶解した5v/v%FBS含有培地を1穴につき100μLずつ加え、37℃、5%CO2−95%airの下で3日間培養した。培養後、培地を1穴につき100μLずつ除去し、MTT試薬(3−(4,5−dimethy1−2−thiazolyl)−2,5−diphenyl−2H tetrazolium bromide, 5mg/mL PBS(−)溶液)20μLを添加し、4.5時間インキュベーションした(増殖した細胞中のミトコンドリア由来の活性酸素がMTT試薬と反応し、黄色であった試薬の色が570nmに吸収のピークを有する青黄色に変わる)。その後、各穴に10重量%ドデシル硫酸ナトリウム−0.02mol/L硫酸溶液を100μLずつ分注し、18時間インキュベーションした。インキュベーション終了後、マイクロプレートリーダーを用いて570nmにおける吸光度を測定した。別に、試料の有無、細胞の有無を変えて、同様の操作を行い吸光度の測定を行った。また、各吸光度測定値は、同時に測定した650nmの吸光度を差し引いて、増殖した細胞による濁度の影響を補正した。補正後の各吸光度より次式により細胞増殖促進率を求めた。
製造例1で得られたエキスについてNB1RBG細胞増殖作用を調べた。試験方法はMTT法(J.Immunol.Method, 93,157,1986)に準拠して行った。
25cm2の培養フラスコに入れた10v/v%FBS含有培地(α−MEM培地:GIBCO BLR社製品,pH7.2)にヒト正常新生児皮膚繊維芽細胞(NBIRGB)1×106個を播種し、37℃、5%CO2−95%airの下で4日間培養した。次いでトリプシン処理し、遠心分離して細胞を集めた。沈殿として得られた細胞を5v/v%FBS含有培地(α−MEM培地:GIBCO BLR社製品,pH7.2)に懸濁し、96穴プレートの1穴につき7×103個/100μLずつ分注した。24時間培養後、試料を溶解した5v/v%FBS含有培地を1穴につき100μLずつ加え、37℃、5%CO2−95%airの下で3日間培養した。培養後、培地を1穴につき100μLずつ除去し、MTT試薬(3−(4,5−dimethy1−2−thiazolyl)−2,5−diphenyl−2H tetrazolium bromide, 5mg/mL PBS(−)溶液)20μLを添加し、4.5時間インキュベーションした(増殖した細胞中のミトコンドリア由来の活性酸素がMTT試薬と反応し、黄色であった試薬の色が570nmに吸収のピークを有する青黄色に変わる)。その後、各穴に10重量%ドデシル硫酸ナトリウム−0.02mol/L硫酸溶液を100μLずつ分注し、18時間インキュベーションした。インキュベーション終了後、マイクロプレートリーダーを用いて570nmにおける吸光度を測定した。別に、試料の有無、細胞の有無を変えて、同様の操作を行い吸光度の測定を行った。また、各吸光度測定値は、同時に測定した650nmの吸光度を差し引いて、増殖した細胞による濁度の影響を補正した。補正後の各吸光度より次式により細胞増殖促進率を求めた。
細胞増殖促進率(%)={(A−C)−(B−D)}/(B−D)×100
なお、式中、「A」は試料添加時の吸光度、「B」は試料無添加時の吸光度、「C」は試料添加・細胞無添加時の吸光度、「D」は試料無添加・細胞無添加時の吸光度を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、線維芽細胞増殖率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表5に示す。
なお、式中、「A」は試料添加時の吸光度、「B」は試料無添加時の吸光度、「C」は試料添加・細胞無添加時の吸光度、「D」は試料無添加・細胞無添加時の吸光度を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、線維芽細胞増殖率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表5に示す。
表5に示した結果から、ノブドウの含水エタノール抽出エキスが線維芽細胞増殖作用を有していることが判明した。
〔試験例6〕ヒアルロニダーゼ阻害作用試験
製造例1で得られたエキスについてヒアルロニダーゼ阻害作用を調べた。試験方法は次の通りである。
ヒアルロニダーゼ溶液(400ユニット/mL,pH3.5酢酸緩衝液)0.1mLと試料溶液0.2mLとを混合し、37℃で20分間インキュベートした後、活性化剤溶液(2.5mM−CaCl2)0.2mLを加え、37℃で20分間インキュベートして酵素を活性化した。ヒアルロン酸カリウム緩衝液0.5mLを加え、37℃で40分間インキュベートした後、0.4N 水酸化ナトリウム0.2mLを加えると共に氷冷して反応を停止させた。次いで0.8M ホウ酸溶液(pH9.1)0.2mLを加え、沸騰浴中で3分間加熱後、直ちに20分間氷冷した。P−DABA試薬(p−ジメチルアミノベンズアルデヒド10gを10N 塩酸12.5mLと酢酸87.5mLの混合液に溶解し、酢酸で10倍に希釈したもの)6.0mLを加えて37℃で20分間インキュベートしたことにより、上記酵素反応で遊離したN−アセチルグルコサミンを発色させ、波長585nmにおける吸光度を測定した。同様の操作と吸光度測定を、酵素を添加せずに行った。さらに試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行い、次式によりヒアルロニダーゼ阻害率を求めた。
製造例1で得られたエキスについてヒアルロニダーゼ阻害作用を調べた。試験方法は次の通りである。
ヒアルロニダーゼ溶液(400ユニット/mL,pH3.5酢酸緩衝液)0.1mLと試料溶液0.2mLとを混合し、37℃で20分間インキュベートした後、活性化剤溶液(2.5mM−CaCl2)0.2mLを加え、37℃で20分間インキュベートして酵素を活性化した。ヒアルロン酸カリウム緩衝液0.5mLを加え、37℃で40分間インキュベートした後、0.4N 水酸化ナトリウム0.2mLを加えると共に氷冷して反応を停止させた。次いで0.8M ホウ酸溶液(pH9.1)0.2mLを加え、沸騰浴中で3分間加熱後、直ちに20分間氷冷した。P−DABA試薬(p−ジメチルアミノベンズアルデヒド10gを10N 塩酸12.5mLと酢酸87.5mLの混合液に溶解し、酢酸で10倍に希釈したもの)6.0mLを加えて37℃で20分間インキュベートしたことにより、上記酵素反応で遊離したN−アセチルグルコサミンを発色させ、波長585nmにおける吸光度を測定した。同様の操作と吸光度測定を、酵素を添加せずに行った。さらに試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行い、次式によりヒアルロニダーゼ阻害率を求めた。
ヒアルロニダーゼ阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
なお、式中、「A」は酵素添加・試料溶液添加時の吸光度、「B」は酵素無添加・試料溶液添加時の吸光度、「C」は酵素添加・試料溶液無添加時の吸光度、「D」は酵素無添加・試料溶液無添加時の吸光度を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率の測定を行い、阻害率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表6に示す。
なお、式中、「A」は酵素添加・試料溶液添加時の吸光度、「B」は酵素無添加・試料溶液添加時の吸光度、「C」は酵素添加・試料溶液無添加時の吸光度、「D」は酵素無添加・試料溶液無添加時の吸光度を表す。
試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率の測定を行い、阻害率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表6に示す。
表6に示した結果から、ノブドウの含水エタノール抽出エキスがヒアルロニダーゼ阻害作用を有していることが判明した。
〔試験例7〕サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用試験
製造例1で得られたエキスについてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を調べた。試験方法は次の通りである。
1.5mM 塩化マグネシウムを含有する50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLにウシ胎児血清アルブミン溶液(2.5mg/mL)0.1mL及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液(0.1mg/mL)0.1mLを加え、さらに試料をそれぞれ含有する試料溶液0.05mLを加え、37℃で5分間インキュベートした。次いで、サイクリックAMP溶液(0.5mg/mL)0.05mLを加え、37℃で60分間反応させた。反応後、沸騰水上で3分間煮沸して反応を停止させ、4℃で遠心分離し、上清中の反応基質(サイクリックAMP)を高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
製造例1で得られたエキスについてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を調べた。試験方法は次の通りである。
1.5mM 塩化マグネシウムを含有する50mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)0.2mLにウシ胎児血清アルブミン溶液(2.5mg/mL)0.1mL及びサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液(0.1mg/mL)0.1mLを加え、さらに試料をそれぞれ含有する試料溶液0.05mLを加え、37℃で5分間インキュベートした。次いで、サイクリックAMP溶液(0.5mg/mL)0.05mLを加え、37℃で60分間反応させた。反応後、沸騰水上で3分間煮沸して反応を停止させ、4℃で遠心分離し、上清中の反応基質(サイクリックAMP)を高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
試料溶液を加えずに同様の酵素反応と反応基質の定量を行い、試料無添加時の反応基質量に対する試料添加時の反応基質の比率により、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害率(%)を求めた。
試料溶液の試料濃度を段階的に変化させてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害率(%)を測定し、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性を50%阻害する試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表7に示す。
試料溶液の試料濃度を段階的に変化させてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害率(%)を測定し、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性を50%阻害する試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表7に示す。
表7に示した結果から、ノブドウの含水エタノール抽出エキスがサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有していることが判明した。
〔配合例1〕
下記の原料を均一に混合し、常法により顆粒状にした後、打錠し、錠剤状健康食品を製造した。
ノブドウ地上部50%エタノール抽出物 75重量部
ウコン抽出物 50重量部
甘草抽出物 5重量部
酵母エキス(アミノ酸、ビタミン含有) 25重量部
粉糖 123重量部
結晶セルロース 10重量部
ショ糖脂肪酸エステル 12重量部
下記の原料を均一に混合し、常法により顆粒状にした後、打錠し、錠剤状健康食品を製造した。
ノブドウ地上部50%エタノール抽出物 75重量部
ウコン抽出物 50重量部
甘草抽出物 5重量部
酵母エキス(アミノ酸、ビタミン含有) 25重量部
粉糖 123重量部
結晶セルロース 10重量部
ショ糖脂肪酸エステル 12重量部
〔配合例2〕
下記の原料を混合し、常法による打ち抜き法でソフトカプセル状の健康食品を製造した。
ノブドウ地上部水抽出物 50重量部
ビタミンE 25重量部
シリマリン 60重量部
牡蠣肉エキス 25重量部
植物油 113重量部
グリセリン脂肪酸エステル 12重量部
ミツロウ 15重量部
下記の原料を混合し、常法による打ち抜き法でソフトカプセル状の健康食品を製造した。
ノブドウ地上部水抽出物 50重量部
ビタミンE 25重量部
シリマリン 60重量部
牡蠣肉エキス 25重量部
植物油 113重量部
グリセリン脂肪酸エステル 12重量部
ミツロウ 15重量部
〔配合例3〕
下記の原料を均一に混合し、常法により顆粒状にし、顆粒状健康食品を製造した。
ノブドウ地上部エタノール抽出物 30重量部
ギムネマエキス粉末 25重量部
大豆ペプチド 65重量部
マルチトール 160重量部
結晶セルロース 20重量部
下記の原料を均一に混合し、常法により顆粒状にし、顆粒状健康食品を製造した。
ノブドウ地上部エタノール抽出物 30重量部
ギムネマエキス粉末 25重量部
大豆ペプチド 65重量部
マルチトール 160重量部
結晶セルロース 20重量部
Claims (4)
- ノブドウ抽出物を有効成分として含有する抗炎症組成物。
- 前記ノブドウ抽出物が、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び/又はサイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用を有する請求項1記載の抗炎症組成物。
- 前記ノブドウ抽出物が、水溶性有機溶媒、含水水溶性有機溶媒又は水を抽出溶媒とした抽出処理により得られたものである請求項1又は2記載の抗炎症組成物。
- 薬剤組成物、飲食品組成物、飼料組成物又は化粧料組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の抗炎症組成物。
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- 2009-12-22 JP JP2009291271A patent/JP2010120946A/ja active Pending
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