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JP2010103323A - 半導体レーザモジュール及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザモジュール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
半導体発光装置において、コリメート光あるいはそれに近いレーザ光を得るためにはレーザ光源とコリメートレンズの距離を非常に高精度に位置決めする必要がある。
【解決手段】
コリメートレンズをレンズカンケースに固定し、半導体レーザダイオードのキャップとの円筒面間で紫外線硬化樹脂で接着固定する。その際半導体レーザダイオードの円筒部とレンズカンケースの円筒部には隙間を設け、Z方向の位置調整時にはお互いが接触しない寸法とする。Z方向の位置調整は、半導体レーザダイオードを発光させ、スクリーン上でスポット径を測定しながらレンズカンケースをZ方向に移動させ調整する。なお、レンズカンケースの側面には円周上等間隔にスリットを設けておく。スクリーン上のスポット径が所望の寸法になったところで、スリット部に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線にて硬化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザダイオードのレーザ光をコリメート光あるいはコリメート光に近い収束光を得るための半導体レーザモジュールに関する。
近年光通信やDVDの光ピックアップに代表されるように半導体レーザが産業用、民生用問わず盛んに利用されるようになってきた。特に最近では可視光の赤、青に加えて緑色のレーザダイオードの開発に伴い、このR,G,Bの三光源を使い画像として表現する装置が開発されるようになってきた。例えばその装置の一つにマイクロプロジェクタ装置が考えられている。その構造の模式図を図2に示す。ケース21に緑色半導体レーザモジュール22、赤色半導体レーザモジュール23、青色半導体レーザモジュール24、プリズム25、MEMS26と呼ばれる駆動ミラー、スクリーン27が図のように配置される。後述するが、各々の半導体レーザモジュールからはコリメートされた、あるいはスクリーン上で集光するように調整されたレーザ光は各々プリズム25、MEMS26を通りスクリーン27上で一点に集光するように光軸調整されている。この一点に集まった光をR,G,B各々の強さを制御することで各種の色を表現できる。その一点に集まった光をMEMS26で回転方向、チルト方向にスキャンするように反射することによりカラーの動画が表現されるものである。この構成で光軸を調整する際R,G,B各々のレーザビームを一点に集光させるには、各々の半導体レーザモジュール22,23,24をケース21に対して調整することになるが、各々の半導体レーザモジュールから発光するコリメート光あるいはスクリーン27上で集光するような光に調整するには各々の半導体レーザモジュール単体で調整可能である。次にこのコリメートあるいは収束光の調整につき説明する。図3は半導体レーザモジュールの一例を示すものである。この半導体レーザモジュール20は半導体レーザダイオード31とコリメートレンズ32およびレンズを保持するためのレンズカンケース33から成っている。半導体レーザダイオード31中の半導体レーザ素子34はヒートシンク35上に取り付けられ、レーザ照射方向に設けられた透明ガラス36と円筒状のキャップ37で機密封止されている。このような構成の中で発射されたレーザ光39はコリメートレンズ32によりビーム形状が変更される。半導体レーザダイオード31に対してXY方向38aに動かせばビームもXY方向に移動し、Z方向38bに動かせばビームの広がり角度を変えることができる。ここで、このマイクロプロジェクタのような遠くのスクリーンにスポットを集光させ、かつそのスクリーンまでの距離をある程度変化させてもなるべく小さなスポット形状を保持したいという他の分野の装置と違った仕様を要求される。すなわちどの距離でも同じスポット径にするには前記レーザ光を平行光に調整すれば良いが、なるべく小さなスポット径にするには前記光源である半導体レーザ素子とコリメートレンズの距離を短くしていく必要がある。逆に前記半導体レーザ素子とコリメートレンズの距離を短くしていくと、平行光にするためのZ方向38bの調整感度が高くなり位置調整が非常に難しくなることが計算できる。計算結果の一例を図4に示す。図4は1m先のスクリーンにレーザスポットを当て、スポット径がφ0.8からφ1.0に変化するときのコリメータレンズ32の移動距離をスポット径毎及びR,G,B毎に計算した結果である。すなわち一例を示せば、φ1.5のビーム径の時は青色レーザダイオードでは0.5μm即ち、コリメータレンズのZ方向の調整は±0.5μm以下にする必要があるということになる。
このようなコリメータレンズのZ方向の微調整機構については多くの提案がなされている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、光学素子である半導体レーザを保持する基板と光学部品であるレンズを保持する基板との間に弾性体として接着剤を介在させ、接着剤が圧縮された状態で両基板の間隔をネジで設定する。この構成により、接着剤とネジが相俟って両基板間の間隔のばらつきを微調整することが容易で、位置決めを精度よく行え歩留まりが上がる。
特開平9−54233号公報
前記したように半導体レーザとコリメートレンズの間隔を±0.5μmで位置決めするためには、コリメートレンズの固定部材を機械精度で組み立てるのは困難であることは容易に推定できる。また、Z方向に力のかかる止め方は力をかけた段階で動いてしまいこれも組み立て調整が困難である。さらに、ネジ機構でZ方向の寸法を調整するのは、例えば使用ネジのピッチを0.5mmのものを使用したとすると、0.5μmを調整する為には1/1000回転でのネジ制御をする必要があり困難と言わざるを得ない。また、接着剤での固定では、その接着剤の硬化収縮率を2%とすると接着剤を0.1mm厚で接着したとしても、2μm動いてしまい、一般的な固定方法では仕様を満足することはできない。
本発明の課題は、半導体レーザモジュールのコリメータのZ方向の調整で高精度に位置決めし、固定する方法を提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、コリメートレンズをレンズカンケースに固定し、半導体レーザダイオードのキャップとの円筒面間で紫外線硬化樹脂で接着固定する。その際半導体レーザダイオードの円筒部とレンズカンケースの円筒部には隙間を設け、Z方向の位置調整時にはお互いが接触しない寸法とする。Z方向の位置調整は、半導体レーザダイオードを発光させ、スクリーン上でスポット径を測定しながらレンズカンケースをZ方向に移動させ調整する。なお、レンズカンケースの側面には円周上等間隔にスリットを設けておく。スクリーン上のスポット径が所望の寸法になったところで、スリット部に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線にて硬化させる。
本発明によれば、スリット部で固定することにより紫外線硬化樹脂の硬化収縮の力がZ方向には働かず、紫外線硬化樹脂の硬化収縮によるZ方向の変化は起きず、調整した状態のまま固定できるので、結果として高精度に調整固定ができることになる。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1に基づく半導体レーザモジュール20の完成品を示す全体図である。また図5は本発明の半導体レーザモジュール20の調整組み立て方法を説明する図である。図1において、半導体レーザモジュール20は半導体レーザダイオード31と、コリメートレンズ32を接着固定(本発明ではこの接着固定方法については問わない)したレンズカンケース33とから構成され、レンズカンケース33にはスリット14が設けられ、そのスリット14部において紫外線硬化接着剤15で半導体レーザダイオード31のキャップ37部に接着固定されている。この組み立て方法を図5で説明する。図5において、半導体レーザダイオード31はレーザダイオード固定冶具51に固定されている。一方、コリメートレンズ32が固定されたレンズカンケース33はレンズカンケース固定冶具52に固定され、さらにレンズカンケース固定冶具52は微粗動XYZステージ53上に固定されている。さらに前記レーザダイオード固定冶具51、レンズカンケース固定冶具52と同じ除振台54上の離れたところ(例えば1m)に光軸評価装置55が位置されている。このような一連のコリメートレンズ組み立て調整装置50において、半導体レーザダイオード31を発光させ(発光制御装置は図示せず)そのレーザ光39のビーム位置及びビーム径を光軸評価装置55を通したモニタ56で評価しながら調整する。
調整方法を詳細に説明する。コリメートレンズ32が装着されたレンズカンケース33は微粗動XYZステージ53によりXY方向38a及びZ方向38bに微動することができる。XY方向38a(径方向)がビームの位置、Z方向38b(軸方向)がビームの大きさの調整にかかわるものである。この状態で微粗動XYZステージ53によりレンズカンケース33を微動させながらレーザ光39の評価を行う。なお、本発明では微動XYZステージにピエゾ素子を応用したものを用い、分解能は0.1μm以下であり、本発明で目標とした0.5μmの位置制御には十分である。さらに半導体レーザダイオード31のキャップ37とレンズカンケース33の径方向寸法には隙間があるため、両者がこの段階で接触することは無く、従って調整により両者に応力がかかることも無く、冶具から開放された際にも調整時の応力開放による位置ずれは起きることはない。
このようにして所望のビーム形状が得られた後、レンズカンケース33に予め設けられたスリット14より紫外線硬化接着剤15(図5には示さず、詳細は後述する)をレンズカンケース33と半導体レーザダイオード31との間に塗布し、そのままの状態で紫外線(図示せず)を照射し、紫外線硬化接着剤15を硬化させる。紫外線硬化接着剤15は短時間で硬化するため、作業の効率も高く、熱的な歪も少なくさらに、精密な調整冶具を加熱させることも無く本発明の接着には適している。
接着に関してさらに詳細に説明する。図6はレンズカンケース33にスリットを設けない状態でレンズカンケース33の開放端部に紫外線硬化接着剤15を塗布し硬化させた場合を示したものである。この場合、レンズカンケース33のZ方向の端に接着剤15を塗布する。接着剤は硬化する際、その性質上、少なからず収縮する。紫外線硬化型接着剤15の場合一般的には2%程度である。図6に示すような状態で硬化収縮をした場合Z方向にも収縮が起こり、接着剤のZ方向の幅61の硬化収縮分Z方向に寸法変化を起こし、レンズカンケース33が半導体レーザダイオード31に対して、調整した位置から変動することになる。例えば0.5mmの幅で接着剤を塗布した場合、硬化収縮により10μmの変化を起こすことになり、調整仕様を満足することにならない。またZ方向の寸法変化に関係の少ないレンズカンケース33と半導体レーザダイオードのキャップ部37との径方向の隙間62に接着剤を塗布した場合は、紫外線硬化型接着剤の場合には紫外線が接着剤に届かず接着剤が硬化しない、あるいは紫外線硬化型接着剤ではなく熱硬化型接着剤を用いれば前記したような熱的な歪による弊害が起こり、やはり精度よく固定することはできない。
次に図7を用いて、本実施例にかかるスリット14への紫外線硬化型接着剤の塗布方法につき説明する。紫外線硬化型接着剤15は図7の(a)に示すようにスリット14の円周方向71a及び71bのみに塗布するのが良い。このように円周方向の接着部に塗布された接着剤は、接着剤が硬化する際レンズカンケース33に対してZ方向に力を及ぼすことは少ないため、硬化時半導体レーザダイオード31との間で移動することはほとんど無い。また(b)のようにスリット14全体に接着剤が塗布された場合、スリットのZ方向に位置する樹脂は硬化時レンズカンケースを半導体レーザダイオードに対して移動させる方向に力が働くが、Z方向の両端部72a及び72bに塗布されていることによりお互いに収縮方向が逆で打消し合うため、全体としては移動することはほとんど無く接着することができる。
本発明の第2の実施例を図8に示す。本実施例では、レンズカンケース33のスリット形状14aの片方の端部をレンズカンケースの開放端まで伸ばし、レンズカンケース33のスリット14aの間の部分を突起状の接続部14bとしたたものである。他は実施例2と同じであり、説明を省略する。
スリットをこのような形状にすることにより実施例1で説明した収縮により、接続部14bの径方向への剛性が小さくなり曲がりやすくなったので、紫外線硬化型接着剤15の収縮を吸収しやすくなる。また、Z方向への影響がない部分の面積が実施例1より多くなり、接着剤の塗布のし易さあるいは強度的にも実施例1より良い結果が得られた。
本発明の第3の実施例を図9に示す。本実施例では、レンズカンケース33のスリット形状をさらに開放部の寸法を広く、逆にレンズカンケース33の残り部分の形状を細く、すなわち接続部の根元側を太く、紫外線硬化型接着剤15が接着される先端の部分14cを細くしたものである。他は実施例2と同じであり、説明を省略する。
本実施例では、このような形状にすることにより、実施例2よりも接続部14bが径方向に曲がりやすくなり、紫外線硬化型接着剤15の収縮をさらに吸収しやすくなる。また、実施例1で説明した収縮によりZ方向への影響のある部分の面積が少なくなり、接着剤がこのスリットの端部91に塗布されてもZ方向への影響が少なく、接着剤の塗布のし易さがさらに向上した。
以上実施例1〜3に示した半導体レーザモジュールはそのモジュール自体で精度の良いコリメート光あるいは設計仕様で決められた収束光に調整されたものであるので、例えば図2に示したマイクロプロジェクタの光源として使用するには、あと3光源を1点にあわせるように各々の半導体レーザモジュールを調整するだけで光軸調整は完成する。
可視光の半導体レーザ、特に緑色の半導体レーザダイオードが開発されつつあるため今後マイクロプロジェクタ他可視光半導体レーザダイオードを用いて画像として表現する装置の開発が盛んになることが予想される。光源から遠く離れたスクリーン上に焦点を結ぶ、あるいはコリメート光を調整する機構としては本発明による安価な方法で得られるモジュールを利用することは産業上有利となるものと思われる。
本発明の第1の実施例にかかる半導体レーザモジュールを示す図である。 本発明の実施例にかかるマイクロプロジェクタの構造の模式図である。 本発明の一実施例にかかる半導体レーザモジュールの一例を示す図である。 本発明の一実施例にかかる調整感度を示すシミュレーション結果を示す図である。 本発明の一実施例にかかるコリメートレンズ組み立て調整装置の全体を示す図である。 従来技術にかかる、スリットを設けないで接着した例を示す図である。 本発明の接着剤の塗布方法を示す図である。 本発明の第2の実施例にかかる半導体レーザモジュールを示す図である。 本発明の第3の実施例にかかる半導体レーザモジュールを示す図である。
符号の説明
14…スリット、15…紫外線効果接着剤、20…半導体レーザモジュール、21…ケース、 22…緑色半導体レーザモジュール、 23…赤色半導体レーザモジュール、24…半導体レーザモジュール、25プリズム、26…MEMS、27…スクリーン、31半導体レーザダイオード、32…コリメートレンズ、33…レンズカンケース、34…半導体レーザ素子、35…ヒートシンク、36…透明ガラス、37…キャップ、38a…XY方向、38b…Z方向、39…レーザ光、50…コリメートレンズ組み立て調整装置、51…レーザダイオード固定冶具、52…レンズカンケース固定冶具、53…微粗動XYZステージ、54…除振台、55…光軸評価装置、56…モニタ、61…接着剤のZ方向の幅、62…隙間、71…スリットの径方向部、72…スリットのZ方向部、91…スリット残りの端部。

Claims (10)

  1. レーザ光を発生させる半導体レーザダイオードと、
    前記レーザ光をコリメート光に変換するコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズを保持し、前記半導体レーザダイオードの周囲に配置されるレンズカンケースと、
    前記半導体レーザモジュールと前記レンズカンケースとを固定する接着剤とを備えた半導体レーザモジュールにおいて、
    前記半導体レーザダイオードと前記レンズカンケースとの径方向における間で、前記接着剤である紫外線硬化型接着剤が当該半導体レーザダイオードと当該レンズカンケースとを固定していることを特徴とする半導体レーザモジュール。
  2. 請求項1において、
    前記レンズカンケースは、その周方向に並んだ複数のスリットを有し、
    前記紫外線硬化型接着剤は、前記レンズカンケースの複数のスリットの間の部分と前記半導体レーザダイオードとを接続していることを特徴とする半導体レーザモジュール
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記スリットは、前記レンズカンケースの前記コリメータレンズと反対側の端面に開放された形状であり、前記レンズカンケースの前記スリットの間の部分を接続部として、前記紫外線硬化型接着剤を接続したことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  4. 請求項3において、
    前記接続部は、前記紫外線硬化型接着剤を接続する部分は、当該接続部の前記レンズカンケース本体側よりも細くなっていることを特徴とする半導体レーザモジュール。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体レーザモジュールと、
    前記半導体レーザモジュールから発せられた前記コリメート光を、スクリーン上をスキャンするように反射させる駆動ミラーとを具備したマイクロプロジェクタ。
  6. レーザ光を発生させる半導体レーザダイオードを第一の治具で保持する工程と、
    コリメートレンズを有するレンズカンケースを第二の治具で保持する工程と、
    保持された前記コリメートレンズを、保持された前記半導体レーザダイオードに対して相対的に移動させて位置決めする工程と、
    前記半導体レーザダイオードと前記レンズカンケースとの間に紫外線硬化接着剤を塗布する工程と、
    前記コリメータレンズを前記位置決めされた位置に保持した状態で、前記レンズカンケースに設けられたスリットを通して紫外線を照射して、前記塗布された紫外線硬化接着剤を硬化させる工程とを含む半導体レーザモジュールの製造方法。
  7. 請求項6において、
    前記紫外線硬化型接着剤は、前記レンズカンケースと前記半導体レーザダイオードとの径方向における間に塗布したことを特徴とする半導体レーザモジュールの製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記スリットは、前記レンズカンケースの周方向に並んだ複数のスリットであり、
    前記紫外線硬化型接着剤は、前記レンズカンケースの複数のスリットの間の部分と前記半導体レーザダイオードとを接続していることを特徴とする半導体レーザモジュールの製造方法。
  9. 請求項6において、
    前記スリットは、前記レンズカンケースの前記コリメータレンズと反対側の端面に開放された形状であり、
    ことを特徴とする半導体レーザモジュールの製造方法。
  10. 請求項9において、
    前記スリットは前記レンズカンケースの端面の開放部が反対側より広くなった形状であることを特徴とする半導体レーザモジュールの製造方法。
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