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JP2010178757A - オリゴヌクレオチド媒介核酸組換え - Google Patents

オリゴヌクレオチド媒介核酸組換え Download PDF

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Abstract

【課題】相同核酸を含む核酸を組換える方法を提供することを課題とする。遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのファミリーおよび組換え手順でのそれらの使用、ならびにポリメラーゼおよびリガーゼ媒介組換え方法もまた提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題は、核酸のオリゴヌクレオチド補助シャッフリングを提供することによって解決された。これらのオリゴヌクレオチド補助アプローチは、ファミリーシャッフリング手順を特に容易にして、実質的に単純化されたシャッフリングプロトコルを提供する。このプロトコルは、全長の相同核酸を単離またはクローニングすることなく、ファミリーシャッフリングされた核酸を生成するために用いられ得る。
【選択図】なし

Description

(関連出願の引用)
本出願は、Crameriらによる1999年9月28日出願の米国特許出願第09/408,392号「OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION」の一部継続出願である。米国特許出願第09/408,392号は、Crameriらによる1999年2月5日出願の米国特許出願第60/118,813号「OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION」の非仮出願であり、そしてまたCrameriらによる1999年6月24日出願の米国特許出願第60/141,049号「OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION」の非仮出願である。
本出願はまた、同日出願した、Selifonovらによる代理人整理番号02−289−3US「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS,POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」の一部継続出願である。代理人整理番号02−289−3USによる出願は、Selifonovらによる1999年10月12日出願の米国特許出願第09/416,375号「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS,POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」の一部継続出願である。米国特許出願第09/416,375号は、SelifonovおよびStemmerによる1999年1月19日出願の米国特許出願第60/116,447号「METHODS FOR MAKING
CHARACTER STRINGS,POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」の非仮出願であり、そしてまたSelifonovおよびStemmerによる1999年2月5日出願の米国特許出願第60/118,854号「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS,POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICSの非仮出願である。
本出願はまた、SelifonovおよびStemmerによる代理人整理番号3271.002WO0(Majestic,Parsons,Siebert & Hsueによって出願)の同時出願した出願「METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS」の一部継続出願である。代理人整理番号3271.002WO0による出願は、SelifonovおよびStemmerによる1999年10月12日出願の米国特許出願第09/416,837号「METHODS OF POPULATING DATA
STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS」の一部継続出願である。
本出願はまた、Welchらによる1999年9月28日出願の米国特許出願第09/408,393号「USE OF CODON VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC
SHUFFLING」に関連する。
本出願は、適切に、米国特許法第119条(e)および/または米国特許法第120条に提供されるように、この節に列挙した出願の各々に対する優先権を主張し、そして各々の利益を請求する。
(著作権の告知)
米国特許法施行規則1.71(e)に従って、出願人は、本開示の一部が著作権の保護を受けるものを含むことを示す。著作権者は、米国特許商標庁の特許ファイルまたは記録に現れるので、特許書類または特許の開示の誰によるファクシミリでの複製に対しても拒絶を有さないが、他の点では、どんなことでも全ての著作権の権利を受ける。
(発明の背景)
DNAシャッフリングは、組換え核酸の生成、操作、および選択におけるパラダイムシフトを提供した。本発明者らおよびその共同研究者らは、改善された工業的、農業的、および治療的な遺伝子およびコードされるタンパク質を生成するための迅速な人工進化方法論を開発した。これらの方法、ならびにこれらの本発明の方法を実施するための関連の組成物および装置は、本発明者らおよびその共同研究者らによる開拓的な研究本体を示す。
本発明者らおよび共同研究者らによる多数の刊行物により、DNAシャッフリングが記載される。例えば、非特許文献1;非特許文献2;Stemmer、米国特許第5,603,793号、METHODS FOR IN VITRO RECOMBINATION;Stemmerら、米国特許第5,830,721号、DNA MUTAGENESIS BY RANDOM FRAGMENTATION AND REASSEMBLY;Stemmerら、米国特許第5,811,238号、METHODS FOR GENERATING POLYNUCLEOTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS BY ITERATIVE SELECTION AND RECOMBINATIONは、例えば、種々の形式(例えば、変異誘発、シャッフリング、および選択の反復サイクルによる)でのインビトロおよびインビボでの核酸、DNA、およびタンパク質のシャッフリング、ならびに提示されたペプチドおよび抗体のライブラリーの生成方法を記載する。
DNAシャッフリング技術の適用はまた、本発明者らおよびその共同研究者らにより開発されている。上記の刊行物に加えて、Minshullら、米国特許第5,837,458号、METHODS AND COMPOSITIONS FOR CELLULAR AND METABOLIC ENGINEERINGは、例えば、代謝経路の進化および反復シャッフリング技術によるバイオプロセシングの増強を提供する。非特許文献3は、例えば、抗体ファージライブラリーのための抗体シャッフリングを記載する。DNAシャッフリングに関するさらなる詳細は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、および特許文献10、ならびに本発明者らおよびその共同研究者らによる多数の他の刊行物に見出され得る。
本発明者らおよびその共同研究者ら、ならびに当該分野における他の研究者らの多数の刊行物はまた、例えば、小さなフラグメントからの、またはさらにはオリゴヌクレオチドからの遺伝子の再アセンブリを提供することによりDNAシャッフリングを容易にする技術を記載する。例えば、上記の刊行物に加えて、Stemmerら(1998)米国特許第5,834,252号、END COMPLEMENTARY POLYMERASE REACTIONは、標的配列を(例えば、核酸の混合物中で)増幅および検出するためのプロセス、ならびに大きなポリヌクレオチドを核酸フラグメントからアセンブリするためのプロセスを記載する。
上記の刊行物の概要は、遺伝子シャッフリングによる強制進化が、多くの実用的かつ強力な適用について重要な新規技術であることを示す。従って、遺伝子シャッフリングを容易にする新規な技術が非常に所望される。本発明は、重要な新規の遺伝子シャッフリングプロトコル、ならびに本開示の完全な概観から明らかである多くの他の特徴を提供する。
国際公開第95/22625号パンフレット 国際公開第97/20078号パンフレット 国際公開第96/33207号パンフレット 国際公開第97/33957号パンフレット 国際公開第98/27230号パンフレット 国際公開第97/35966号パンフレット 国際公開第98/31837号パンフレット 国際公開第98/13487号パンフレット 国際公開第98/13485号パンフレット 国際公開第989/42832号パンフレット
Stemmerら(1994)「Rapid Evolution of a Protein」Nature 370:389−391 Stemmer(1994)「DNA Shuffling by Random Fragmentation and Reassembly:in vitro Recombination for Molecular Evolution」,Proc.Natl.Acad.USA 91:10747−10751 Crameriら(1996)、「Construction And Evolution Of Antibody−Phage Libraries By DNA Sguffling」Nature Medicine 2(1):100−103
(発明の要旨)
本発明は、核酸のオリゴヌクレオチド補助シャッフリングを提供する。これらのオリゴヌクレオチド補助アプローチは、ファミリーシャッフリング手順を特に容易にして、実質的に単純化されたシャッフリングプロトコルを提供する。このプロトコルは、全長の相同核酸を単離またはクローニングすることなく、ファミリーシャッフリングされた核酸を生成するために用いられ得る。さらに、本明細書中のオリゴヌクレオチド補助アプローチは、さらに、非相同核酸のシャッフリングにまで拡張され得、それにより、得られる組換え分子における、より大きな配列スペースを増大し、従ってより大きな分子多様性を増大し得る。この技術はまた、古典的なDNAシャッフリングプロトコル(例えば、DNAse媒介方法)と、または他の多様性生成手順(例えば、古典的変異誘発)と合わされて、これらの方法の融通性および処理能力を増加させ得る。
ファミリーシャッフリング手順に適用可能であるいくつかの方法が提供される。これらの方法の1つの局面では、重複するファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットがハイブリダイズおよび伸長され、所望の形質および特性について選択され得る組換え核酸の集団を提供する。代表的には、重複するファミリーシャッフリング遺伝子のオリゴヌクレオチドのセットは、複数の相同性標的核酸に由来するコンセンサス領域のサブ配列を有する複数のオリゴヌクレオチドメンバー型を含む。オリゴのセットは、必要に応じて、他の区別し得る特徴(交差能力、コドンのバリエーションまたは選択などを含む)を提供する。
組換え核酸の集団は、変性および再アニーリングされ得、変性した組換え核酸を提供し、次いでこの変性した組換え核酸が再アニーリングされ得る。得られる組換え核酸もまた選択され得る。これらの任意のまたは全ての工程は、反復して繰り返され得、複数の組換え事象および選択事象を提供して、所望の形質または特性を有する核酸を生成する。
関連の局面では、核酸組換えの間に核酸ファミリー多様性を導入するための方法は、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドの集団を含む、少なくとも1セットのフラグメント化核酸を有する組成物を提供する工程、および少なくとも1つのフラグメント化核酸を少なくとも1つのファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドと組換える工程により行われる。次いで、この少なくとも1つのファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドに対応する核酸サブ配列を有する組換え核酸が再生されて、代表的には全長分子(例えば、全長タンパク質)をコードする。
代表的には、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドは、相同核酸配列をアラインメントして、配列同一性の保存された領域および配列多様性の領域を選択することにより提供される。配列多様性の少なくとも1つの領域に対応する複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドは(連続して、または並行して)合成される。対照的に、フラグメントのセットは、(例えば、DNaseを用いて)1以上の相同核酸を切断するか、または少なくとも1つの核酸の複数の領域に対応する1セットのオリゴヌクレオチドを合成することにより、提供される(代表的には、全長核酸に対応するオリゴヌクレオチドが1セットの核酸フラグメントのメンバーとして提供される)。本明細書中のシャッフリング手順では、これらの切断フラグメントは、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドと共に、例えば、1以上の組換え反応において用いられ得る。 オリゴヌクレオチドシャッフリングの反復方法が提供される。本明細書中で示すように、オリゴヌクレオチドを用いて合成により生成された組換え核酸は、切断され得、そして標準的な核酸シャッフリング方法論によりシャッフリングされ得るか、またはこの核酸が配列決定され得、そしてこの組換え核酸を組換えるために用いられる第2のセットのファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドを設計するために用いられ得る。これらの反復技術の一方または両方が続く回の組換えのために用いられ得、そしてまた組換え産物の選択の回で共に用いられ得る。選択工程は、組換え核酸の所望の多様性に依存して、1回または数回の組換えの後であり得る(組換えを行う回数が多いほど、得られる組換え核酸集団の多様性が高い)。
本明細書中の組換え反応におけるファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドの使用は、例えば、組換え反応により生じる組換え体が第2の核酸に対応する配列内に埋め込まれた第1の核酸に由来する配列ドメインを有する組換え核酸を提供し、例えば、第2の核酸に由来する埋め込まれた領域に最も類似する領域が、組換え核酸に存在しない場合、相同な核酸の間での配列同一性ドメインまたは配列多様性ドメインのドメイン交換を提供する。
本発明の1つの特定の利点は、低い配列類似性を有する相同な核酸を組換える能力、またはさらに非相同核酸を組換える能力である。これらの方法では、1以上のセットのフラグメント化核酸が、1セットの交差ファミリー多様性オリゴヌクレオチドと組換えられる。これらの交差オリゴヌクレオチドの各々は、低い配列類似性を有する相同核酸または非相同核酸に由来する複数の配列多様性ドメインに対応する複数の配列多様性ドメインを有する。1以上の相同核酸または非相同核酸に由来するフラグメント化オリゴヌクレオチドは、交差オリゴの1以上の領域にハイブリダイズし得、組換えを容易にする。
ファミリー多様性オリゴヌクレオチドプライマーを用いるファミリーシャッフリングPCRアンプリコンの方法もまた提供される。これらの方法では、複数の非均質相同テンプレート核酸が提供される。この複数の非均質相同テンプレート核酸にハイブリダイズする複数のPCRプライマーもまた提供される。複数のPCRアンプリコンは、複数のPCRプライマーを用いる複数のテンプレート核酸のPCR増幅により生成され、次いでこれは組換えられる。代表的には、PCRプライマーについての配列が、複数の不均質相同テンプレート核酸の配列についてアラインメントし、そして配列類似性の領域に対応するPCRプライマーを選択することにより選択される。
上記方法を実施するための種々の組成物、および上記の方法を実施することにより得られる組成物もまた提供される。複数のオリゴヌクレオチドメンバー型のオリゴヌクレオチドのライブラリーを含む組成物は、一例である。このライブラリーは、少なくとも約2、3、5、10、20、30、40、50、100以上の異なるオリゴヌクレオチドメンバーを含み得る。このオリゴヌクレオチドメンバー型は、選択されたセットの複数の相同標的配列の複数のメンバーの複数のサブ配列領域に対応する。複数のサブ配列領域は、例えば、相同標的配列の選択されたセットの複数の重複するかまたは重複しない配列領域を含み得る。オリゴヌクレオチドメンバー型は各々、代表的には、相同標的配列の選択されたセットの少なくとも1つに由来する少なくとも1つのサブ配列に同一な配列を有する。上記の、または本明細書のどこかに記載される、任意のオリゴヌクレオチド型およびセット(例えば、ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチド、交差オリゴヌクレオチド、ドメイン交換オリゴヌクレオチドなど)は、本発明の組成物中に含まれ得る。オリゴヌクレオチドメンバー型は、複数の相同標的配列に由来する相同領域に対応する複数の相同オリゴヌクレオチドを含み得る。この実施態様では、複数の相同オリゴヌクレオチドの各々は、少なくとも1つの改変体サブ配列を有する。本明細書中に示されるオリゴヌクレオチド媒介組換えを実施することにより生じる、核酸およびコードされるタンパク質のライブラリーもまた、本発明の1つの特徴である。
組成物は、必要に応じて、組換え反応を容易にする成分、例えば、ポリメラーゼ(例えば、熱安定性DNAポリメラーゼ(例えば、taq、vent、または任意の多くの他の市販のポリメラーゼ))、リコンビナーゼ、核酸合成試薬、緩衝剤、塩、マグネシウム、相同標的配列の選択されたセットの1以上の複数のメンバーを有する1以上の核酸などを含む。
本発明の組成物を、例えば、本発明の方法を実施するための説明書とともに、例えば、容器または他の包装材料中に含むキットもまた提供される。この方法を実施するための本明細書中の組成物およびキットについての使用もまた提供される。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1) 相同核酸を組換える方法であって、該方法は、以下の工程、(i)ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットをハイブリダイズする工程;および、
(ii)該ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを伸長することにより、組換えた核酸の集団を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目2) 前記ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが重複している、項目1に記載の方法。
(項目3) 前記伸長工程が、ポリメラーゼまたはリガーゼを用いて行われる、項目1に記載の方法。
(項目4) 前記ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、進化的に中間体である核酸をコードする、項目1に記載の方法。
(項目5) 項目1に記載の方法であって、該方法がさらに、以下の工程:
(iii)組換え核酸の集団を変性させることにより、変性した組換え核酸を提供する工程;
(iv)該変性した組換え核酸を再アニーリングする工程;
(v)得られる該再アニーリングした組換え核酸を伸展または連結する工程;および、必要に応じて、
(vi)所望の特性について、1以上の得られる該組換え核酸を選択する工程、を包含する、方法。
(項目6) 前記再アニーリングした組換え核酸が、工程(vi)を行う前に組換えられる、項目5に記載の方法。
(項目7) 項目5に記載の方法であって、該方法がさらに、
(vii)得られる前記選択された組換え核酸を組み換える工程、
を包含する、方法。
(項目8) 項目7に記載の方法であって、該方法がさらに、
得られる前記複数回選択され複数回組換えられた核酸を、所望の形質または特性について選択する工程、
を包含する、方法。
(項目9) 項目1に記載の方法であって、該方法がさらに、以下の工程:
(iii)前記組換え核酸の集団を変性させることにより、変性した組換え核酸を提供する工程;
(iv)該変性した核酸を再アニーリングする工程;
(v)得られる該再アニーリングした組換え核酸を伸展する工程;および
工程iii〜vを少なくとも1回反復する工程、
を包含する、方法。
(項目10) 項目1に記載の方法であって、該方法がさらに、
1以上の得られる前記再アニーリングした組換え核酸を、所望の形質または特性について選択する工程、
を包含する、方法。
(項目11) 項目1に記載の方法であって、該方法がさらに、
1以上の前記組換え核酸の集団のメンバーを、所望の特性について選択する工程、
を包含する、方法。
(項目12) 項目11に記載の方法であって、ここで、前記組換え核酸の集団の複数のメンバーが、所望の特性についてスクリーニングされ、そして該所望の特性を有することが決定され、それにより、初回のスクリーニングした核酸を提供し、
該方法がさらに、以下の工程:
第2のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットをハイブリダイズする工程であって、該第2のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、該初回のスクリーニングした核酸から誘導される、工程;および
該第2のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを伸長することにより、さらに組換えた核酸の集団を提供する、工程、
を包含する、方法。
(項目13) 前記第2のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが重複している、項目12に記載の方法。
(項目14) 項目12に記載の方法であって、該方法がさらに、以下の工程:
前記初回のスクリーニングした核酸を配列決定する工程であって、ここで、前記第2のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、該初回のスクリーニングした核酸における同一性領域および多様性領域を同定するように該初回のスクリーニングした核酸の配列を整列することによって、該初回のスクリーニングした核酸から誘導される、工程、および、
該第2のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを、複数のオリゴヌクレオチドを含むように合成する工程であって、該複数のオリゴヌクレオチドの各々が、少なくとも1つの多様性領域に対応するサブ配列を含む、工程、
を包含する、方法。
(項目15) 前記初回のスクリーニングした核酸が、約50以下のアミノ酸ポリぺプチドをコードする、項目12に記載の方法。
(項目16) 前記第2のファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数の前記初回のスクリーニングした核酸に由来するコンセンサスな領域のサブ配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドのメンバー型を含む、項目12に記載の方法。
(項目17) 前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数の相同標的核酸に由来するコンセンサス領域のサブ配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドのメンバー型を含む、項目1に記載の方法。
(項目18) 前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、少なくとも1つのモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドを含む、項目1に記載の方法。
(項目19) 前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数のモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドを含み、該複数のモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドの各々が、少なくとも、第1の配列モジュールに由来する第1のサブ配列および第2の配列モジュールに由来する第2のサブ配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目20) 前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数のモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドを含み、ここで、1以上の複数のオリゴヌクレオチドの各々が、少なくとも、第1の配列モジュールに由来する第1のサブ配列および第2の配列モジュールに由来する第2のサブ配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目21) 前記ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、複数の、コドン改変オリゴヌクレオチドを含む、項目1に記載の方法。
(項目22) 複数のオリゴヌクレオチドのメンバー型を含む前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、少なくとも3つのメンバー型を含む、項目1に記載の方法。
(項目23) 複数のオリゴヌクレオチドのメンバー型を含む前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、少なくとも5つのメンバー型を含む、項目1に記載の方法。
(項目24) 複数のオリゴヌクレオチドのメンバー型を含む前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、少なくとも10のメンバー型を含む、項目1に記載の方法。
(項目25) 前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数の相同オリゴヌクレオチドのメンバー型を含み、ここで、該相同オリゴヌクレオチドのメンバー型が約等モル量存在する、項目1に記載の方法。
(項目26) 前記ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数の相同オリゴヌクレオチドのメンバー型を含み、ここで、該相同オリゴヌクレオチドのメンバー型が非等モル量存在する、項目1に記載の方法。
(項目27) 核酸を組換える間に核酸ファミリー多様性を導入するための方法であって、該方法は、以下の工程:
少なくとも1つのフラグメント化核酸のセットおよびファミリー遺伝子シャッ該フリングオリゴヌクレオチドの集団を含む組成物を提供する工程;
少なくとも1つの前記ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドを、少なくとも1つのフラグメント化核酸のセットの少なくとも1つの該フラグメント化核酸を用いて組換える工程;ならびに
組換え核酸を再生し、それにより少なくとも1つの該ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドに対応する核酸サブ配列を含む再生された組換え核酸を提供する工程
を包含する、方法。
(項目28) 前記組み換え核酸が、1以上の所望の形質または特性について選択される、項目27に記載の方法。
(項目29) 項目28に記載の方法であって、ここで、組換え核酸の複数のメンバーが、所望の特性についてスクリーニングされ、そして所望の特性を有することが決定され、それにより、初回のスクリーニングした核酸を提供し、該方法がさらに、以下の工程:
第2の重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットをハイブリダイズする工程であって、該第2の重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、該初回のスクリーニングした核酸に由来する、工程;および
該第2の重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを伸長することにより、さらに組み換えられた核酸の集団を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目30) 項目29に記載の方法であって、該方法がさらに、以下の工程、
前記初回のスクリーニングした核酸を配列決定する工程であって、ここで、前記第2の重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、該初回のスクリーニングした核酸における同一性領域および多様性領域を同定するように該初回のスクリーニングした核酸の配列を整列することによって、該初回のスクリーニングした核酸から誘導される、工程、ならびに
該第2の重複ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットを、複数のオリゴヌクレオチドを含むように合成する工程であって、該複数のオリゴヌクレオチドの各々が、少なくとも1つの多様性領域に対応するサブ配列を含む、工程、
を包含する、方法。
(項目31) 前記第2の重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、複数の前記初回のスクリーニングした核酸に由来するコンセンサス領域のサブ配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドのメンバー型を含む、項目29に記載の方法。
(項目32) 前記重複ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、少なくとも1つのモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドを含む、項目27に記載の方法。
(項目33) 前記重複ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数のモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドを含み、該複数のモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドの各々が、少なくとも、第1の配列モジュールに由来する第1のサブ配列および第2の配列モジュールに由来する第2のサブ配列を含む、項目27に記載の方法。
(項目34) 前記重複ファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットが、複数のモジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドを含み、ここで、1以上の該複数のオリゴヌクレオチドの各々が、少なくとも、第1の配列モジュールに由来する第1のサブ配列および第2の配列モジュールに由来する第2のサブ配列を含む、項目27に記載の方法。
(項目35) 前記重複ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、複数の、コドン改変オリゴヌクレオチドを含む、項目27に記載の方法。
(項目36) 前記再生された組換え核酸が、全長タンパク質をコードする、項目27に記載の方法。
(項目37) 項目27に記載の方法であって、ここで、少なくとも1つのフラグメント化核酸およびファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドの集団を含む前記組成物が、以下の工程:
相同核酸配列を整列して、保存された配列同一性の領域および配列多様性の領域を選択する工程;
少なくとも1つの配列多様性の領域に対応する複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドを合成する工程;
少なくとも1つの相同核酸に同一、または相同である全長核酸を提供する工程;
該全長核酸をフラグメント化する工程;ならびに
得られる該核酸フラグメントのセットを該複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドと混合することにより、フラグメント化核酸およびファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドの集団を含む該組成物を提供する工程、
によって提供される、方法。
(項目38) 前記全長核酸が、DNase酵素での切断によってフラグメント化される、項目36に記載の方法。
(項目39) 前記全長核酸が、部分鎖伸長によってフラグメント化される、項目36に記載の方法。
(項目40) 項目36に記載の方法であって、該方法がさらに、以下の工程、
少なくとも第2の全長核酸を選択する工程、および
該選択された全長核酸を切断して、第2の核酸フラグメントのセットを提供する工程、
を包含し、ここで、
該第2の核酸フラグメントのセットがまた、前記遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドの集団と混合される、方法。
(項目41) 項目27に記載の方法であって、ここで、前記ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドが、以下の工程:
相同核酸配列を整列し、そして少なくとも1つの保存された配列同一性の領域および複数の配列多様性の領域を選択する工程であって、ここで、該複数の配列多様性の領域が、複数の配列多様性のドメインを提供する工程、ならびに、
該複数の配列多様性のドメインに対応する複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドを合成する工程、
によって前記組成物に提供される、方法。
(項目42) 前記複数の配列多様性のドメインに対応する前記複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドの、前記フラグメント化核酸との組換えが、前記相同核酸配列と比較して、前記再生された組換え核酸におけるドメイン交換を生じる、項目40に記載の方法。
(項目43) 前記複数の配列多様性のドメインに対応する前記複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドが、1以上の前記相同核酸配列に対応する1以上の配列多様性のドメインをコードするファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドを合成することにより合成される、項目40に記載の方法。
(項目44) 前記フラグメント化核酸が、以下の1以上の工程:
(i)クローン化核酸を切断する工程、および
(ii)核酸配列を選択し、そして該選択した核酸配列に対応するオリゴヌクレオチドフラグメントを合成する工程、
により提供される、項目27記載の方法。
(項目45) 低い配列類似性を有する相同核酸配列または非相同核酸配列を組換える方法であって、該方法は、以下の工程、
フラグメント化核酸の1以上のセットを、交差オリゴヌクレオチドの1つのセットと組換える工程であって、該交差オリゴヌクレオチドのそれぞれが、低い配列類似性を有する相同核酸または非相同核酸に由来する複数の配列多様性ドメインに対応する複数の配列多様性ドメインを含み、それにより組換え核酸を提供する、工程、
を包含する、方法。
(項目46) 項目44に記載の方法であって、該方法がさらに、
前記組換え核酸を、所望の形質または特性について選択する工程、
を包含する、方法。
(項目47) 項目44に記載の方法であって、該方法がさらに、
1以上の前記相同核酸または非相同核酸をフラグメント化することにより、前記フラグメント化核酸のセットを提供する工程、
を包含する、方法。
(項目48) 前記1以上の前記相同核酸または非相同核酸が、DNase酵素でフラグメント化される、項目46に記載の方法。
(項目49) 項目44に記載の方法であって、該方法がさらに、
1以上の相同核酸または非相同核酸に対応する複数のオリゴヌクレオチドフラグメントを合成し、それにより前記1以上のフラグメント化核酸を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目50) 相同核酸の組換えのためのオリゴヌクレオチドセットを提供する方法であって、該方法が、以下の工程:
複数の相同核酸配列を整列して、1以上の配列不均質性の領域を同定する工程;および、
少なくとも1つの該1以上の不均質性の領域に対応する複数の異なるオリゴヌクレオチドメンバー型を合成し、それにより、少なくとも1つの該相同核酸に対応する少なくとも1つの配列不均質性の領域を含む少なくとも1つのメンバー型を含むオリゴヌクレオチドのセットを提供する工程、
を包含する、方法。
(項目51) 前記複数のオリゴヌクレオチドメンバー型が、連続してまたは平行して合成される、項目49に記載の方法。
(項目52) 前記相同核酸配列が、配列整列に関するソフトウエアを有するコンピューターを含むシステムにて整列されるか、または該相同配列が、手動整列により整列される、項目49に記載の方法。
(項目53) 前記オリゴヌクレオチドセットを組換える工程、をさらに包含する、項目49に記載の方法。
(項目54) 前記オリゴヌクレオチドセットを組み換えることにより生じた任意の組換えオリゴヌクレオチドを、所望の形質または特性について選択する工程をさらに包含する、項目52に記載の方法。
(項目55) 前記オリゴヌクレオチドセットの1以上のメンバーを、1以上の相同核酸配列に対応する1以上の相同核酸と組換える工程、
をさらに包含する、項目49に記載の方法。
(項目56) ファミリーシャッフリングPCRアンプリコンの方法であって、該方法は、以下の工程:
複数の不均質な相同テンプレート核酸を提供する工程;
複数のPCRプライマーを提供する工程であって、該PCRプライマーが、複数の該複数の非均質相同テンプレート核酸にハイブリダイズする、工程;
複数のPCRアンプリコンを、該複数のPCRプライマーを用いる該複数のテンプレート核酸のPCR増幅により生成する工程;および、
複数のPCRアンプリコンを組換えることにより、組換え核酸を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目57) 前記組換え核酸を選択する工程をさらに包含する、項目55に記載の方法。
(項目58) 前記PCRプライマーについての配列が、前記複数の非均質な相同テンプレート核酸についての配列を整列し、そして配列類似性の領域に対応するPCRプライマーを選択することにより選択される、項目55に記載の方法。
(項目59) 複数の親核酸を組換える方法であって、該方法が、以下の工程:
複数のオリゴヌクレオチドのセットを連結または伸長する工程であって、該セットが、全長タンパク質をコードする組換え核酸を生成するように複数の該親核酸に由来する複数の核酸配列を含む、工程、
を包含する、方法。
(項目60) 前記セットが、配列多様性の第1の領域の少なくとも第1の前記親核酸に相補的な少なくとも第1のオリゴヌクレオチド、および多様性の第2の領域の少なくとも第2の前記親核酸に相補的な少なくとも第2のオリゴヌクレオチドを含む、項目59に記載の方法。
(項目61) 前記核酸がリガーゼを用いて連結される、項目59に記載の方法。
(項目62) 前記オリゴヌクレオチドが第1の親核酸にハイブリダイズされそしてリガーゼを用いて連結される、項目59に記載の方法。
(項目63) 前記親核酸が相同である、項目59に記載の方法。
(項目64) 前記オリゴヌクレオチドのセットが、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを含む、項目59に記載の方法。
(項目65) 項目59に記載の方法であって、該方法が、さらに、
前記オリゴヌクレオチドのセットを1以上の前記親核酸にハイブリダイズする工程、および該オリゴヌクレオチドを、実質的に全長のタンパク質をコードする核酸を生成するようにポリメラーゼを用いて伸長する工程、
を包含する、方法。
(項目66) 組換え核酸を生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(i)細胞の集団に、重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを導入する工程;および
(ii)該重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットと、該細胞の集団の複数の細胞内に含まれた1以上の核酸との間で組換えが生じることを可能にし、それにより、得られる該組換え細胞の集団内に組換え核酸の集団を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目67) 前記組換え細胞の集団を所望の形質または特性について選択する工程をさらに包含する、項目66に記載の方法。
(項目68) 前記組換え核酸の集団をPCR増幅する工程をさらに包含する、項目66に記載の方法。
(項目69) 前記PCR増幅した核酸を細胞、ベクター、またはウイルスに導入する工程をさらに包含する、項目68に記載の方法。
(項目70) 前記重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットがキメラプラストである、項目66に記載の方法。
(項目71) 前記キメラプラストがコドン改変オリゴヌクレオチドである、項目70に記載の方法。
(項目72) 前記重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットが、複数のコドン改変オリゴヌクレオチドを含む、項目64に記載の方法。
(項目73) 項目66に記載の方法により生成される、組換え核酸の集団。
(項目74) 項目66に記載の方法により生成される、前記組換え細胞の集団。
(項目75) 項目68に記載の方法により生成される、増幅された核酸。
(項目76) 項目69に記載の方法により生成される、細胞、ベクター、またはウイルス。
(項目77) 複数のオリゴヌクレオチドメンバー型を含むオリゴヌクレオチドのライブラリーを含む組成物であって、該オリゴヌクレオチドメンバー型が、選択された複数の相同標的配列のセットの複数のメンバーの複数のサブ配列領域に対応する、組成物。
(項目78) 前記ライブラリーが、少なくとも約10、20、30、40、50以上の異なるオリゴヌクレオチドメンバーを含む、項目77に記載の組成物。
(項目79) 前記オリゴヌクレオチドメンバー型が非等モル量で存在する、項目77に記載の組成物。
(項目80) 前記複数のサブ配列領域が、前記選択された相同標的配列のセットの複数の非重複配列領域を含む、項目77に記載の組成物。
(項目81) 前記オリゴヌクレオチドメンバー型の各々が、少なくとも1つの前記選択された相同標的配列のセットに由来する少なくとも1つのサブ配列に同一な配列を有する、項目77に記載の組成物。
(項目82) 前記オリゴヌクレオチドメンバー型が、前記複数の相同標的配列に由来する相同領域に対応する複数の相同オリゴヌクレオチドを含み、ここで、該複数の相同オリゴヌクレオチドの各々が、少なくとも1つの改変サブ配列を含む、項目77に記載の組成物。
(項目83) 項目77に記載の組成物であって、さらに、1以上の以下:
ポリメラーゼ、熱安定性DNAポリメラーゼ、核酸合成試薬、緩衝液、塩、マグネシウム、および前記選択された相同標的配列のセットの1以上の前記複数のメンバーを含む1以上の核酸
を含む、組成物。
(項目84) 項目77に記載の組成物であって、ここで、前記複数のオリゴヌクレオチドメンバー型が、前記複数の相同標的配列を整列し、少なくとも1つの同一性の領域および少なくとも1つの変化の領域を決定し、そして該オリゴヌクレオチドを、該少なくとも1つの同一性の領域の少なくとも一部分、または該少なくとも1つの変化の領域の少なくとも一部分、あるいは該少なくとも1つの同一性の領域および該少なくとも1つの変化の領域の両方の少なくとも一部分をコードするように合成することによって選択される、組成物。
(項目85) 項目77に記載の組成物であって、ここで、前記複数のオリゴヌクレオチドメンバー型が、少なくとも1つの配列多様性ドメインを含む少なくとも1つのメンバー型を含む、組成物。
(項目86) 項目77に記載の組成物であって、ここで、前記複数のオリゴヌクレオチドメンバー型が、複数の配列多様性ドメインを含む、組成物。
(項目87) 項目77に記載の組成物であって、ここで、前記ライブラリーが、交差ファミリー多様性オリゴヌクレオチドのセットを含み、該交差ファミリー多様性オリゴヌクレオチドのセットの各オリゴヌクレオチドのメンバーが、複数の相同核酸に対応する複数の配列多様性ドメインを含む、組成物。
(項目88) 項目86に記載の組成物であって、ここで、前記配列多様性ドメインが、前記相同核酸が整列される場合、複数の前記複数の相同配列核酸上の隣接配列領域に対応する、組成物。
(項目89) 2つ以上の配列を組換える方法であって、該方法が以下の工程:
(i)2つ以上の核酸を整列し、同一性の領域および多様性の領域を同定する工程;
(ii)少なくとも1つの多様性の領域の該2つ以上の核酸の少なくとも2つに配列において対応する複数のオリゴヌクレオチドを含む非等モル量のオリゴヌクレオチドのセットを提供する工程であって、該オリゴヌクレオチドが非等モル量で存在する、工程;および、
(iii)該オリゴヌクレオチドをポリメラーゼを用いて伸長することにより、複数の組換え核酸を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目90) 前記2つ以上の核酸が相同である、項目89に記載の方法。
(項目91) 前記2つ以上の核酸が非相同である、項目89に記載の方法。
(項目92) 項目89に記載の方法がさらに、以下の工程:
(iv)前記複数の組換え核酸を、所望の形質または特性について選択する工程、
を包含する、方法。
(項目93) 項目92に記載の方法であって、さらに、
工程(i)〜(iv)のいずれかの工程を反復する工程、
を包含する、方法。
(項目94) 項目89に記載の方法であって、さらに、
前記組換え核酸をさらなる核酸と組み換える工程、
を包含する、方法。
(項目95) 項目94に記載の方法であって、さらに、
得られる該さらなる組換え核酸を、所望の形質または特性について選択する工程、
を包含する、方法。
(項目96) キメラプラストのライブラリーを作成する方法であって、該方法が、以下の工程:
複数の相同キメラプラストを提供する工程であって、該複数の相同キメラプラストの各々が、マーカーまたは他の類似する配列の領域、および少なくとも1つの異なる配列の領域を含み、それにより、キメラプラストのライブラリーを生成する、工程
を包含する、方法。
(項目97) 前記複数のキメラプラストが、コドン改変オリゴヌクレオチドである、項目96に記載の方法。
(項目98) 項目96に記載の方法により生成される、ライブラリー。
(項目99) 項目96に記載の方法であって、さらに、以下の工程:
細胞の集団を前記キメラプラストのライブラリーを用いて形質導入し、そして前記マーカーまたは他の類似する領域の、細胞内の1つ以上の核酸での組換えを検出し、そして該細胞内の1つ以上の核酸で組換えられた前記相同キメラプラストを同定することにより、活性な相同キメラプラストを同定する、工程、
を包含する、方法。
(項目100) 項目99に記載の方法であって、さらに、
複数の前記活性相同キメラプラストを組換えて、組換え活性相同キメラプラストのライブラリーを生成する工程、
を包含する、方法。
(項目101) 項目100に記載の方法により生成される、ライブラリー。
(項目102) 項目100に記載の方法であって、さらに、前記組換え活性相同キメラプラストのライブラリーを用いて第2の細胞の集団を形質導入し、そして該組換え活性相同キメラプラストを、該細胞内の前記1以上の核酸と組換えることにより、それにより、さらなる活性相同キメラプラストを同定する、工程
を包含する、方法。
(項目103) 項目102に記載の方法であって、さらに、
前記さらなる活性相同キメラプラストのライブラリーを提供する工程、
を包含する、方法。
(項目104) 項目103に記載の方法により生成される、ライブラリー。
図1は、キメラプラストを用いるオリゴヌクレオチド指向性インビボシャッフリングを示す模式図である。 図2は、合成遺伝子混和を提供する低相同性シャッフリング手順の模式図である。 図3は、モジュラーエキソン欠失/挿入ライブラリーの模式図である。
(定義)
他に示さない限り、以下の定義は、当該分野における定義を補う。
核酸は、核酸が、自然にまたは人工的に、共通の祖先配列に由来する場合、「相同」である。自然進化の間に、2以上の子孫配列が、親配列から時間をかけて、すなわち、変異および自然選択に起因して分岐する場合にこれは起きる。人工的な条件下では、多様性は、例えば、2つの基本的方法のうちの一方において生じる。第1に、所定の配列は、例えば、代表的なクローニングの間に生じるように、人工的に別の配列と組換えられて子孫核酸を生じ得るか、または所定の配列が化学的に改変され得るか、さもなければ得られる分子を改変するように操作され得る。あるいは、核酸は、選択された親核酸配列とは配列が異なる核酸を合成することにより、新規に合成され得る。2つの核酸の先祖についての明白な知識が存在しない場合、相同性は代表的には、2つの配列間の配列比較により推論される。2つの核酸配列が、各々の核酸の有意な部分にわたって配列類似性を示す場合、この2つの核酸は共通の祖先を共有すると推論される。相同性を確立する配列類似性の正確なレベルは、種々の因子に依存して、当該分野において変化する。本発明の目的のために、分岐中間体(2以上の関連する核酸の特徴を共有する、提案される配列)は相同な核酸である。
本開示の目的のために、2つの核酸は、これらが十分な配列同一性を有して、この2つの核酸分子間での直接的な組換えが生じるのを可能にする場合、相同であるとみなされる。代表的には、核酸は、ほぼ同じ距離間隔をあけた密接な類似性の領域を利用して、組換えが生じるのを可能にする。組換えはインビトロまたはインビボにおいてであり得る。
しかし、本発明の特定の特徴の1つの利点は、標準の組換え技術が可能にするのよりもより遠く関連した核酸を組換える能力であることが認識されるべきである。特に、遠く関連するか、さらには検出可能には関連しない2つの核酸由来の配列は、2つ以上の異なる非相同標的核酸または2つ以上の遠く関連する核酸由来のサブ配列を有する交差オリゴヌクレオチドを用いて組換えられ得る。しかし、2つの核酸が、本明細書中に示すとおりのオリゴヌクレオチド中間体を用いて間接的にしか組換え可能でない場合、これらは、本開示の目的のために「非相同」であるとみなされる。
本明細書中に用いられる「セット」とは、少なくとも2つの分子型のコレクションをいい、代表的には、セットの意図される正確な用途に依存して、例えば、少なくとも約5、10、50、100、500、1,000以上のメンバーを含む。
「ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチド」のセットは、相同核酸の選択されたセットに由来する合成されたオリゴヌクレオチドのセットである。これらオリゴヌクレオチドは、これらが(個々にまたは集合的に)1より多くの相同核酸を伴う配列同一性の領域(および必要に応じて配列多様性の領域)を有する場合、相同核酸の選択されたセットに由来する。集合的に、これらオリゴヌクレオチドは、代表的に、相同核酸のセットの相同核酸の全長の実質的な部分に対応する(例えば、相同核酸の長さの実質的な部分にわたって対応するオリゴヌクレオチド)(例えば、セットのこれらオリゴヌクレオチドは、集合的に、相同核酸の各々の全長の例えば25%以上、しばしば35%以上、一般に50%以上、代表的に60%以上、より代表的に70%以上、そしていくつかの適用では80%、90%、または100%に対応する)。最も通常では、これらファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドは、複数のメンバー型を含み、そのメンバー型の各々は、選択された相同核酸のセットの少なくとも1つのメンバー(例えば、約2、3、5、10、50以上のメンバー型)に対する配列同一性領域を有する。
「交差」オリゴヌクレオチドは、必要に応じて相同または非相同である、選択された核酸のセットの少なくとも2つの異なるメンバーに対する配列同一性領域を有する。
核酸が代表的には溶液中で会合する場合、核酸は、「ハイブリダイズする」。核酸は、種々の十分に特徴付けられた物理化学的力(例えば、水素結合、溶媒排除、塩基スタッキングなど)に起因してハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範なガイドは、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and
Molecular Biology−−Hybridization with Nucleic Acid Probes、第I部第2章、「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays」,Elsevier,New York、ならびにAusubel、前出に見出される。
2つの核酸が、同じ配列もしくは相補的な配列を有する場合、または一方の核酸が他方のサブ配列である場合、または一方の配列が自然にもしくは人工操作によって他方に由来する場合、2つの核酸は、「対応する」。
さらなるヌクレオチド(または他の類似の分子)が核酸に取り込まれる場合、この核酸は、「伸長」される。最も通常には、このことは、ポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)、例えば、核酸の3’末端で配列を付加するポリメラーゼを用いて行われる。
2つの核酸の各々に由来する配列が子孫核酸において合わされる場合、2つの核酸は「組換え」られる。2つの配列は、両方の核酸が組換えの基質である場合、「直接的に」組換えられる。2つの配列は、これらの配列が交差オリゴヌクレオチドのような中間体を用いて組換えられる場合、「間接的に組換え」られる。間接的組換えに関して、わずか1つの配列が組換えの実際の基質であり、そしていくつかの場合(すなわち、この核酸に対応する1以上のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズおよび伸長される場合)には、いずれの配列も組換えの基質ではない。
「フラグメント化核酸」のコレクションは、1以上の親核酸を(例えば、ヌクレアーゼを用いて、または化学的切断を介して)切断することにより、または任意の他の方法(例えば、相補的核酸の部分的鎖伸長)で親配列のサブ配列を生成することにより誘導される核酸のコレクションである。
「全長タンパク質」は、天然の遺伝子によりコードされる対応のタンパク質と実質的に同じ配列ドメインを有するタンパク質である。このタンパク質は、少なくとも95%が天然でコードされる遺伝子である限りは、(例えば、組換えおよび選択に起因して)対応する天然でコードされる遺伝子に対して改変された配列を有し得る。
「DNase酵素」は、インビトロまたはインビボでDNAの切断を触媒する、DNAseIのような酵素である。広範な種々のDNase酵素が周知であり、そして例えば、Sambrook,BergerおよびAusubel(全て前出)に記載され、そしてその多くは市販される。
「核酸ドメイン」は、核酸の領域またはサブ配列である。このドメインは、複数の相同核酸の間で保存されてもよいし、保存されなくともよい。代表的には、ドメインが、2以上の配列間の比較により詳述される。すなわち、配列間の配列多様性領域が、「配列多様性ドメイン」であり、一方、類似性領域が「配列類似性ドメイン」である。「ドメイン交換」とは、1つの核酸に由来する1つの核酸領域を、第2の核酸に由来する第2のドメインと交換する能力をいう。
「高い配列類似性」の領域とは、(例えば、手動で、またはデフォールトパラメータに設定された通常のプログラムBLASTを用いて)最大に対応するようにアラインメントされた場合に第2の選択された領域に対して90%以上同一である領域をいう。「低い配列類似性」の領域は、(例えば、手動で、またはデフォールトパラメータに設定されたBLASTを用いて)最大に対応するようにアラインメントされた場合に第2の選択された領域に対して60%以下が同一であり、より好ましくは40%以下が同一である。
「PCRアンプリコン」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて作製される核酸である。代表的には、この核酸は、選択された核酸のコピーである。「PCRプライマー」は、適切な反応条件下で、テンプレート核酸にハイブリダイズし、そして熱安定性ポリメラーゼを用いて鎖伸長を可能にする核酸である。
「オリゴヌクレオチドのライブラリー」は、オリゴヌクレオチドのセットである。このセットは、プールされ得るかまたは個々に入手可能であり得る。オリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、またはRNAとDNAとの組合せ(例えば、キメラプラスト(chimeraplast))であり得る。
(発明の詳細な説明)
本発明は、核酸シャッフリングに関する改良された形式に関する。特に、選択されたオリゴヌクレオチドセットを組換えおよび/または遺伝子合成の基質として使用することにより、シャッフリングプロセスを劇的に加速することが可能である。さらに、オリゴヌクレオチド中間体を使用して、他の方法では組換えられ得ない核酸を間接的に組換えることが可能である。結合されるべき配列に対応する物理的核酸への直接の接近は必要ではない。なぜなら、その配列は、オリゴヌクレオチド中間体を介して間接的に組換えられ得るからである。
簡潔には、最初に、相同な核酸配列のファミリーが、例えば、同一性/類似性の領域および多様性の領域を選択するために利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して整列される。少なくとも1つの多様性の領域(および通常、少なくとも1つの類似性の領域)に対応する、複数(例えば、2、5、10、20、50、75、または100以上)のオリゴヌクレオチドが合成される。これらのオリゴヌクレオチドは直接シャッフルされ得るか、または1つ以上のそのファミリーの核酸と組換えられ得る。
関連する核酸のオリゴヌクレオチドベースの組換えは、多数の利用可能な標準的シャッフリング方法と組合せられ得る。例えば、相同的な核酸をシャッフルするために、現在利用可能な手順(例えば、核酸をDNaseで消化し、組換えを生じさせ、次いで全長のテンプレートを再生することによる(例えば、Stemmer(1998)DNA MUYAGENESIS BY RANDOM FRAGMENTATION AND REASSEMBLY、米国特許第5,830,721号に記載される))がいくつか存在する。。従って、本発明の1つの実施態様において、少なくとも1つの相同的な核酸と同一な(または、相同的な)全長核酸が提供され、DNAaseで切断され、そして得られた核酸フラグメントのセットが、複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドと組換えられる。この組換え方法は有利であり得る。なぜなら、このDNAase切断フラグメントは、全長配列に再構成され得る「足場」を形成するからであり−この合成されたセット中で1つ以上の合成されたオリゴは欠損するという事象における利点−からである。
しかし、本発明の1つの利点は、相同的な核酸間のいくつかの多様性領域を、その相同的核酸またはその切断フラグメントが組換え混合物中に存在しなくとも、組換える能力である。得られたシャッフルされた核酸は、異なる核酸由来の多様性領域を含み得、これは単一の核酸中に異なる多様性ドメインを組合せる能力を提供する。このことは、天然の配列の多様性を評価する非常に強力な方法を提供する。
一般に、本明細書中の方法は、「オリゴヌクレオチド媒介シャッフリング」を提供する。この方法において、関連する相同的核酸のファミリーに対応するオリゴヌクレオチドは、組換えられて選択可能な核酸を生成する。この技術を使用して、相同的な核酸配列、または非相同的核酸配列でさえ、組換え得る。相同的な核酸を組換える場合に、重複するファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセット(これらは、例えば、相同的核酸の比較、およびオリゴヌクレオチドフラグメントの合成により派生する)が、ハイブリダイズされ、そして伸長され(例えば、再アセンブリPCRによって)、組換えられた核酸の集団を提供する。この集団は、所望の特徴または特性ついて選択され得る。代表的には、重複するファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットは、複数の相同的標的核酸由来のコンセンサス領域サブ配列を有する、複数のオリゴヌクレオチドメンバーのタイプを含む。
代表的には、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドは、相同的核酸配列を整列して配列同一性の保存領域および配列多様性の領域を選択することにより提供される。少なくとも1つの配列多様性領域に対応する複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドが(連続して、または並行して)合成される。
オリゴヌクレオチドシャッフリングアプローチにおいて使用される、フラグメントのセットまたはフラグメントのサブセットは、1つ以上の相同核酸を(例えば、DNaseで)切断する工程によって、ならびに少なくとも1つの核酸の複数の領域に対応するオリゴヌクレオチドのセットを合成する工程(代表的には、部分的核酸または全長核酸に対応するオリゴヌクレオチドが、核酸「フラグメント」(切断フラグメントおよび合成オリゴヌクレオチドの両方を包含する用語)のセットのメンバーとして提供される)によって部分的に提供され得る。本明細書中のシャッフリング手順において、これらの切断フラグメントは、例えば、1つ以上の組換え反応において、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドと組合せて使用されて、組換え核酸を生成し得る。
以下は、本発明の、配列整列、オリゴヌクレオチド構築およびライブラリー生成、シャッフリング手順ならびに他の局面に関する、詳細および実施例を提供する。
(相同的核酸配列を整列して、配列同一性の保存領域および配列多様性領域を選択すること)
1つの局面において、本発明は、配列同一性領域または配列類似性領域、および多様性領域を決定するための、核酸配列の整列を提供する。重複するファミリーシャッフリング遺伝子オリゴヌクレオチドのセットは、複数の相同的標的核酸由来のコンセンサス領域サブ配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドメンバータイプを含み得る。これらのコンセンサス領域のサブ配列を、相同核酸の整列、および同一性領域の同定または類似性領域の同定によって決定する。
1つの実施態様において、相同的核酸配列を整列し、そして少なくとも1つの配列同一性の保存領域、および複数の配列多様性領域を選択する。複数の配列多様性領域は、複数の配列多様性ドメインを提供する。代表的には、複数の配列多様性ドメインに対応するファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドを合成し、そして本明細書中に記載の種々の組換えプロトコルか、または他の利用可能な種々の組換えプロトコルにおいて使用する。これらの組換え方法によって合成される遺伝子は、必要に応じて、任意の利用可能な方法(組換えおよび/または変異誘発を含む)によって、さらにスクリーニングされるかまたはさらに多様化される。
(相同的核酸の整列)
代表的には、本発明は、第1に、例えば、公に利用可能な核酸データベースまたは独自の核酸データベースのいずれかから利用可能な配列に対して、同一の核酸、あるいは核酸類似性の領域を整列する工程を包含する。公のデータベース/検索サービスは、Genbank(登録商標)、Entrez(登録商標)、EMBL、DDBJ、およびNCBIに提供されるデータベース/検索サービスを含む。多くのさらなる配列データベースが、インターネット上で、またはゲノム情報の作成および/もしくは貯蔵を専門とする種々の企業からの契約ベースで、利用可能である。
用語「同一な」または「同一性」パーセントとは、2つ以上の核酸配列またはポリペプチド配列の文脈において、最大の一致について比較および整列した場合に、下記の配列比較アルゴリズム(または当業者が利用可能な他のアルゴリズム)の1つを使用して測定した時または目視検査によって、同一な2つ以上の配列もしくはサブ配列をいう。あるいは、最大の一致について比較および整列した場合に、下記の配列比較アルゴリズム(または当業者が利用可能な他のアルゴリズム)の1つを使用して測定した時または目視検査によって、同一の、特定のパーセンテージのアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する、2つ以上の配列もしくはサブ配列をいう。
慣用句「実質的に同一な」とは、2つの核酸もしくはポリペプチドの文脈において、以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用して測定した時または目視検査によって、最大の一致について比較および整列した場合に、少なくとも約50%、好ましくは80%、最も好ましくは90〜95%の、ヌクレオチド同一性またはアミノ酸残基同一性を有する、2つ以上の配列あるいは部分配列をいう。このような「実質的に同一な」配列は、代表的には、相同性であると考えられる。
配列比較および相同性決定のために、代表的には、1つの配列が、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列をコンピューターに入力し、必要ならば、配列座標を指定し、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。次いで、配列比較アルゴリズムは、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを、指定のプログラムパラメーターに基づいて計算する。
比較のために最適な配列の整列を、例えば、SmithおよびWaterman、Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同性アルゴリズム、NeedlemanおよびWunsch、J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性整列アルゴリズムによって、PearsonおよびLipman、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の同様の方法のための検索によって、これらのアルゴリズムのコンピューター化による実行(GAP、BESTFIT、FASTA、およびWisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science
Dr.、Madison、WIのTFASTA)によって、または目視検査(一般的には、Ausubelら、下記を参照のこと)によって行い得る。
配列同一性パーセントおよび配列類似性パーセントを決定するのに適切なアルゴリズムの1つの例は、BLASTアルゴリズムであり、これは、Altschulら、J.Mol.Biol.215:403〜410(1990)に記載されている。BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、National
Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公に利用可能である。このアルゴリズムは、最初に、問い合わせ配列中の長さWの短いワードを同定することにより、高スコア配列対(HSP)を同定する工程を包含する。このワードは、データベース配列中で同じ長さのワードを用いて整列した場合に、ある正の値の閾値スコアTと一致するか、またはTを満たすかのいずれかである。Tは、隣接ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを発見するための検索を開始するためのシード(seed)として働く。次いで、ワードヒットは、各配列に沿って両方向に、累積整列スコアが増加し得る限りの間伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメーターM(一致する残基の対に関する褒賞スコア;常に>0)およびN(ミスマッチする残基に関する罰則スコア;常に<0)を使用して算出される。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを使用して累積スコアを算出する。各方向でのワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積整列スコアが、その最大到達値から量Xだけ減少する;1つ以上の負のスコアの残基整列の蓄積に起因して、累積スコアがゼロ以下になる;またはいずれかの配列の末端に到達する。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、およびXは、整列の感度および速度を決定する。BLASTプログラム(核酸配列に関する)は、デフォルトとして、ワード長(W) 11、期待値(E) 10、カットオフ 100、M=5、N=−4、および両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列に関して、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W) 3、期待値(E) 10、およびBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用する(HenikoffおよびHenikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915を参照のこと)。
配列同一性パーセントを計算することに加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計的解析も実行する(例えば、KarlinおよびAltschul(1993)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873〜5787を参照のこと)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの尺度は、最小の合計確率(P(N))であり、これは、2つヌクレオチド間またはアミノ酸間の一致が偶然生じる確率の指標を提供する。例えば、参照核酸に対する試験核酸の比較における最小合計確率が約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、および最も好ましくは約0.001未満である場合に、核酸は、参照配列に類似(従って、相同である可能性がある)と考えられる。他の利用可能な配列整列プログラムは、例えば、PILEUPを含む。
多くのさらなる配列整列プロトコルは、例えば、本明細書とともに提出された(代理人整理番号02−289−3US)、Selifonovら、による「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」に見出され得る。
(オリゴヌクレオチド合成)
1つの局面において、本発明は、例えば、少なくとも1つの配列多様性領域に対応する、複数のファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドを合成する工程を包含する。代表的には、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットは、例えば、連続的オリゴヌクレオチド合成プロトコルまたは並行オリゴヌクレオチド合成プロトコルにより、作製される。
オリゴヌクレオチドは、例えば、インビトロ増幅/遺伝子再構成/再アセンブリ方法における使用のためであろうと、またはファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを提供するためであろうと、代表的には、BeaucageおよびCaruthers(1981)、Tetrahedron Letts.22(20):1859〜1862に記載される固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って、例えば、Needham−VanDevanterら(1984)Nucleic Acids Res.12:6159〜6168に記載されるような自動化合成装置を使用して、化学的に合成される。広範な種類の装置が、自動化オリゴヌクレオチド合成のために市販される。前出で議論されるような、多重ヌクレオチド合成アプローチ(例えば、トリヌクレオチド合成)もまた、有用である。
さらに、基本的に任意の核酸が、種々の市販の供給源(例えば、The Midland Certified Reagent Company(mcrc@oligos.com)、The Great American Gene
Company(http://www.genco.com)、ExpressGen Inc.(www.expressgen.com)、Operon Technologies Inc.(Alameda、CA)およびその他多数)のいずれかから、特別注文され得る。
(合成ライブラリーアセンブリ)
ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのライブラリーを提供する。例えば、目的の相同遺伝子を、上記のようにBLASTのような配列整列プログラムを使用して整列する。相同体間のアミノ酸変化に対応するヌクレオチドに注意する。合成遺伝子シャッフリングのためのオリゴを設計する。このオリゴは、整列された相同的配列のいずれに対しても1つ(以上)のヌクレオチドの差異を含む。すなわち、第1の核酸と同一であるが、第1の核酸と相同であるが同一ではない核酸の残基に対応する位置に、残基を組み込むオリゴを設計する。
好ましくは、全ての可能な核酸改変体を組み込む、選択された長さのオリゴヌクレオチド(例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、または100以上のヌクレオチド)の全てを作製する。これは、X個の配列変異につきX個のオリゴヌクレオチドを含む(ここで、Xは、1つの遺伝子座で異なる配列の数である)。X個のオリゴヌクレオチドは、改変体ヌクレオチドを示すヌクレオチドを除いて、配列中ではほとんど同一である。この類似性のために、単一の合成反応、または試薬のセットを使用して各オリゴヌクレオチドの共通部分を作製する、並行合成ストラテジーあるいはプールされた合成ストラテジーを利用することが、有利であり得る。これは、例えば、周知の固相核酸合成技術によって、または、例えば、アレイベースのオリゴヌクレオチド合成方法(例えば、Fodorら(1991)Science、251:767〜777;Fodor(1997)「Genes,Chips and the Human Genome」FASEB Journal.11:121〜121;Fodor(1997)「Massively Parallel Genomics」Science.277:393〜395;およびCheeら(1996)「Accesing Genetic Information with High−Density DNA Arrays」Science 274:610〜614を参照のこと)を利用して、実施され得る。さらなるオリゴヌクレオチド合成ストラテジーは、例えば、本明細書とともに提出された(代理人整理番号02−289−3US)、Selifonovら、による「METHODS FOR
MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」に見出され得る。
1つの局面において、オリゴヌクレオチドを、その合成ストラテジーにおいて、コードされるアミノ酸変化のみが考慮されるように選択する。このストラテジーにおいて、相同的核酸のファミリーの整列後に、塩基変化によってコードされるポリペプチド配列において変更が生じる位置のみで縮重するように、ファミリーシャッフリングオリゴを合成する。このことは、コードされる産物における同程度の多様性を達成するために、より少ない縮重オリゴヌクレオチドしか必要とせず、それによりファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットの合成が簡単になるという利点を有する。
一般に、合成ストラテジーにおいて、オリゴヌクレオチドは、適度に効率の良いハイブリダイゼーションおよびアセンブリを保証するために、変化の領域の各々の側と同一の配列の少なくと約10塩基を有する。しかし、同一の塩基に隣接する領域は、同一の塩基をより少なく(例えば、5、6、7、8、または9)有し得、そしてもちろん、同一のより大きい領域(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、50以上)を有し得る。
遺伝子アセンブリの間、オリゴヌクレオチドを一緒にインキュベートし、そして例えば、本明細書中に記載のように、そして当業者に公知のように、様々のポリメラーゼ媒介再アセンブリ方法のいずれかを使用して再アセンブリし得る。選択されたオリゴヌクレオチドは、任意の選択された濃度の組換え混合物中に「スパイク」され、それにより所望の改変の優先的組み込みを引き起こし得る。
例えば、オリゴヌクレオチドの伸長の間、ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドは、核酸ポリメラーゼ(例えば、Taq、Klenowなど)およびdNTP(すなわち、dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP)の存在下でインキュベートされる。配列同一性領域が大きい場合、Taqまたは他の高温ポリメラーゼを、およそ室温と、例えば、約65℃との間のハイブリダイゼーション温度で使用し得る。同一性領域が小さい場合、Klenow、Taq、またはポリメラーゼを、室温より低いハイブリダイゼーション温度で使用し得る。ポリメラーゼを、オリゴヌクレオチドおよび他の組換え成分のハイブリダイゼーションの前、同時、または後に、核酸フラグメント(オリゴヌクレオチドおよび組任意のさらなる核酸は、換え混合物を形成する)に添加し得る。本開示中の他の部分で記載されるように、本発明の特定の実施態様は、得られた伸長された二本鎖核酸配列を変性し、次いでそれらの配列を再びハイブリダイズおよび伸長する工程を含み得る。このサイクルを、所望の任意の回数反復し得る。このサイクルは、例えば、約2〜約100回反復される。
(ライブラリーのスパイキング(spiking))
ファミリーオリゴヌクレオチドをまた使用して、代表的なシャッフリング混合物(例えば、遺伝子の相同なセット由来の1つ以上の遺伝子のDNaseフラグメントの混合物)中に存在する核酸を変化し得る。1つの局面において、シャッフルされる全ての核酸を、上記のように整列する。アミノ酸変化に注意および/または注目する(例えば、適切な配列整列ソフトウェアを実行するコンピューターを含む統合されたシステム中で、または、例えば、配列のプリントアウトもしくは配列整列のプリントアウト上で手動で)。また、本明細書とともに提出された(代理人整理番号02−289−3US)、Selifonovら、による「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」を参照のこと。上記のように、整列された核酸についての天然の配列多様性によってコードされる、いくつかまたは全てのアミノ酸変異を組み込むように、ファミリーシャッフリングオリゴを設計する。整列された核酸の相同的なセットに対応する1つ以上の核酸を切断する(例えば、DNaseを使用して、または化学的切断により)。ファミリーシャッフリングオリゴを、切断された核酸の混合物中にスパイクし、次いで、標準的技術を使用して、組換え、全長配列へと再アセンブリする。
オリゴヌクレオチドの組み込みの程度を決定するために、類似の核酸を区別する任意のアプローチを使用し得る。例えば、再アセンブリされた核酸を、クローン化し得、および配列決定し得、または増幅し得(インビトロで、もしくは、例えば、標準的クローニングベクターへのクローニングにより)、ならびにファミリーシャッフリングオリゴ中に存在するが、切断されたもともとの核酸中の同じ位置に存在しない、特定の多型配列を特異的に認識する制限酵素により切断し得る。
別の実施態様において、アミノ酸多型に対応する1つ以上の配列変異を組み込むが、サイレント置換に対応する核酸配列間の多型ヌクレオチド変異を除去する、オリゴヌクレオチドを選択する。このストラテジーの1つの利点は、サイレント置換の除去が、組換えのための所定の基質(例えば、選択された標的核酸)に対してより類似する所定の配列を作製し得ることである。この類似性の増加は、他の方法では、有効な組換えのためにはあまりにも多様であり得る配列の間での、核酸組換えを可能にする。
例えば、選択された核酸を、標準的方法を使用してPCR増幅し得る。選択された核酸を切断し、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのライブラリーと混合する。このファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドは、選択された核酸において見出されるのと同じサイレント置換のセットを含むオリゴヌクレオチドを作製することにより、選択される核酸の対応する配列に可能な限り類似するようにされている。このオリゴヌクレオチドを、選択される濃度で切断混合物中にスパイクし、次いで、全長配列へと再アセンブリする。得られたライブラリーの特性(例えば、このオリゴが、再アセンブリされた配列へ組み込まれる頻度)を、上記のように、再アセンブリされた配列を、クローニング(またはさもなければ増幅)および配列決定および/または制限酵素消化することにより、チェックする。
PCR伸長ストラテジーもまた、組換え混合物中で異なるモル比のオリゴヌクレオチドを使用してライブラリーを作製するために、使用し得る(例えば、WO
97/20078、WO 98/42832およびWO 98/01581もまた参照のこと)。
(反復オリゴヌクレオチド形式)
1つの局面において、本発明は、反復オリゴヌクレオチド媒介組換え形式を提供する。これらの形式を、標準的組換え方法と、また必要ならば反復形式で、組合せ得る。
詳細には、オリゴヌクレオチド媒介組換えにより生成される組換え核酸を、活性についてスクリーニングし、そして配列決定し得る。配列決定された組換え核酸を整列し、そして同一性領域および多様性領域を同定する。次いで、ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドを、配列決定された組換え核酸の組換えのために選択する。活性な組換え核酸をスクリーニングし、配列決定し、そして活性な組換え核酸を組換えるこのプロセスを、所望の特性を有する分子を得るまで反復して繰り返し得る。
さらに、ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドを使用して作製された組換え核酸を、必要に応じて反復性である標準的組換え方法を使用して切断およびシャッフルし得る。標準的組換えを、オリゴヌクレオチドシャッフリングと組合せて使用し得、そしていずれかの工程または両方の工程を、必要ならば反復して繰り返す。
ファミリーオリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチド媒介組換えによる反復シャッフリングの1つの有用な例は、極端な微粒子シャッフリングが所望される場合に生じる。例えば、小さいタンパク質(例えば、デフェンシン(約50アミノ酸の抗真菌性タンパク質)、EF40(約28アミノ酸の抗真菌性タンパク質ファミリー)、ペプチド抗生物質、ペプチド殺虫性タンパク質、ペプチドホルモン、多くのサイトカイン、および多くの他の小さいタンパク質)をコードする小さい遺伝子は、標準的方法により組換えることが困難である。なぜなら、組換えは、しばしば、組換えられるべき遺伝子のサイズとほぼ同じ頻度で生じ、組換えから生じる多様性を制限するからである。対照的に、オリゴヌクレオチド媒介組換え方法は、任意の配列のセットにおける実質的に任意の多様性の領域を、選択された任意の塩基対で生じる組換え事象(例えば、交差)を用いて組換え得る。
従って、反復オリゴヌクレオチド媒介組換えにより調製された配列のライブラリーを、必要に応じて、所望の特性についてスクリーニングおよび選択し、そして改良された(または、さもなければ所望の)クローンを、さらなる核酸ライブラリーを作製するために反復されるプロセスによって、配列決定する(またはさもなければ、例えば、リアルタイムPCR分析(例えば、FRETもしくはTaqMan)により、あるいは制限酵素分析を使用して、脱回旋(deconvoluted)する)。従って、さらなる回の組換えを、標準的フラグメント化ベースの組換え方法か、または陽性クローンの配列決定のいずれかによって実行し、適切なファミリーシャフリングオリゴヌクレオチドを設計し、そして第2回の組換え/選択を実行して、さらなるライブラリー(これは、記載されるように組換えられ得る)を作製する。さらに、異なる回の組換えから作製されたライブラリーもまた、配列決定/オリゴヌクレオチド組換え、または標準的組換え方法のいずれかによって、組換え得る。
(交差PCRシャッフリング)
1つの局面において、本発明は、遠縁の配列(または非相同性配列でさえ)のシャッフリングを提供する。この実施態様において、PCR交差オリゴヌクレオチドを、第1の核酸由来の第1の領域、および第2の核酸に対応する第2の領域を用いて設計する。第1の核酸または第2の核酸のいずれかに対応するさらなるオリゴ、および交差オリゴに相補的(または同一)の配列を有するさらなるオリゴを設計する。これらのオリゴを組換える(すなわち、連続するポリメラーゼ媒介伸長反応中で、これらのオリゴをハイブリダイズさせ、次いで、そのハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを伸長する)ことにより、第1の核酸または第2の核酸のいずれかと組換え得る、そして他の核酸由来の配列を同時に組み込む基質を提供する。
(ファミリーシャッフリングキメラプラストを利用するインビボのオリゴヌクレオチド組換え)
キメラプラスト(chimeraplast)は、「遺伝的手術」のために使用されている合成RNA−DNAハイブリッド分子であり、ここで、キメラ分子での組換えによってゲノムDNA中において1つまたはいくつかの塩基が変化される。キメラプラストは、分子の末端上に二重のヘアピンキャップを有する二重鎖の立体配座におけるRNAおよびDNA残基の隣接ストレッチからなるキメラ核酸である(Yoonら、(1996)PNAS 93:2071−2076)。RNA−DNA配列は、キメラプラストでの組換えによって改変されるべき遺伝子座の配列を用いて、その遺伝子座についての塩基配列において所望の変化を有するキメラプラストと整列するように設計される。宿主細胞の修復機構は、宿主細胞の配列をキメラプラストの配列に変換する。この技術の簡潔な総説として、Bartlett(1998)Nature Biotechnology 16:1312;Strauss(1998)Nature Medicine
4:274−275を参照のこと。
このストラテジーは、哺乳動物細胞のエピソームDNA上にコードされるヒトの肝臓/腎臓/骨のアルカリホスファターゼについての遺伝子における、点変異の標的化された修正のために使用されている(Yood、同上)。このストラテジーはまた、リンパ芽球腫細胞中のゲノムDNAにおいて鎌状赤血球貧血の原因である変異の修正のために使用された(Cole−Straussら(1996)Science 1386−1389)。AlexeevおよびYoon(1998)Nature Biotechnology 1343−1346は、マウスチロシナーゼ遺伝子における点修正(これは、マウス細胞における白子変異の修正、およびその細胞による黒色色素沈着の産生を生じる)を作製するための、ハイブリッドRNA−DNAオリゴヌクレオチド(「RDO」)の使用を記載する。Krenら(1998)Nature Medicine 4(3):285−290は、キメラRNA/DNAオリゴヌクレオチドによる、インビボでの第IX因子遺伝子の部位特異的突然変異誘発を記載する。Xiangら(1997)J.Mol.Med.75:829−835は、キメラRNA−DNAオリゴヌクレオチドを使用した、哺乳動物のCD34+富化細胞集団における標的化された遺伝子変換を記載する。Krenら(1997)Hepatology 25(6):1462−1468は、キメラRNA−DNAオリゴヌクレオチドによって媒介される、Hu−H−7細胞のアルカリホスファターゼ遺伝子における標的化されたヌクレオチド変換を記載する。
本発明の1つの局面において、ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドはキメラプラストである。この実施態様において、ファミリーシャッフリングするオリゴヌクレオチドは、本明細書中に示されるように作製されて、構造的なキメラプラストの特徴をさらに含む。例えば、上記の参考文献において、DNA−RNAオリゴは、標準的なホスホラミダイト連結化学に従って合成される(利用されるヌクレオチドは、必要に応じて標準的でないヌクレオチド(例えば、2−Oメチル化RNAヌクレオチド)を含む)。このオリゴは、上記の参考文献に示されるように、「二重のヘアピン」構造(例えば、構造の末端にTループを有する)を有する。
ファミリーシャッフリングキメラプラストの各々のセットは、目的の標的遺伝子と同一の領域、および目的の標的遺伝子において見出される多様性(すなわち、特定の部分配列についての配列変異)に対応する多様性の領域を含む。図1に示されるように、オリゴヌクレオチドのセットは、細胞(例えば、植物細胞)内に形質導入される。ここで、キメラプラストは細胞のゲノム中の目的の配列と再び結合し、それによって目的の標的遺伝子において少なくとも1つの多様性の領域を有する細胞のライブラリーを作製する。次いで、本明細書中に記載のようにライブラリーをスクリーニングし、そして選択する。必要に応じて、選択されたライブラリーのメンバーを、同じかまたは異なるセットのキメラプラストオリゴヌクレオチドを用いるキメラプラスト組換えのさらなる回、次いで記載されるような選択/スクリーニングアッセイに供する。
例えば、キメラプラストは、相同性核酸の整列後に観察される配列多様性の領域に対応する配列を用いて合成される。すなわち、キメラプラストは各々、1つ以上の標的配列内へのキメラプラストの組み込み後に、相同性遺伝子中に見出される部分配列への遺伝子の部分配列の変換を生じる、1つかまたはいくつかのヌクレオチドを含む。相同性のキメラプラスト配列のライブラリーを細胞の集団中に形質導入することによって、細胞内の目的の標的遺伝子を、1つ以上の相同性配列に由来する配列に対して1つ以上の位置で変換する。従って、キメラプラストライブラリーで細胞集団を形質導入することの効果は、標的配列に相同な遺伝子において見出される配列多様性に対応する標的遺伝子のライブラリーを作製することである。
キメラプラストはまた、選択された位置で、非相同性配列の選択を用いて標的遺伝子を変換するため(例えば、構造的または他の情報が、そのような変換の所望性を示唆する場合)に、同様に用いられ得る。この実施態様において、キメラプラストは、非相同性の配列置換に対応する配列を含む。
必要に応じて、キメラプラスト、または同時トランスフェクトされるDNAは、標的遺伝子をキメラプラストで組換えた細胞の選択または回収を可能にするように、配列タグ、選択マーカー、または他の構造的な特徴を組み込み得る。例えば、同時トランスフェクトされたDNAは、薬物耐性、または検出可能なマーカー(例えば、LacZ、または緑色蛍光タンパク質)の発現のようなマーカーを含み得る。
さらに、キメラプラスト中の配列は、精製または増幅のタグとして使用され得る。例えば、キメラプラストの一部分が、PCRプライマーに対して相補的であり得る。この実施態様において、PCRプライマーは、ライブラリーの細胞から組換え遺伝子を合成するために使用される。同様に、PCRプライマーは目的の領域(キメラプラストと標準的DNAとの間で組換えが生じる領域を含む)を一まとめにし得る。他のPCR、制限酵素消化および/またはキメラプラストとの間の組換えに起因する核酸の単離を生じるクローニングストラテジーもまた使用して、組換え核酸を回収し得る。この組換え核酸を、必要に応じてさらなる核酸と組換える。キメラプラスト媒介組換え、組換え核酸の回収、および回収された核酸の組換えの反復サイクルを、標準的な組換え方法を使用して実施し得る。選別サイクルは、所望の核酸について選択するための任意の組換え事象の後に実施され得、または代わりに、選択工程を実施する前に数回の組換えを実施し得る。
(キメラプラストのライブラリーおよび他の遺伝子組換えビヒクル)
上記のように、キメラプラストは、インビボでの標的遺伝子におけるヌクレオチド配列の改変のために、一般的に有用な構造である。従って、キメラプラストの活性を最適化する構造が所望される。従って、上述のようなインビトロまたはインビボでの組換え形式におけるキメラプラストの使用に加えて、本発明はまた、インビトロおよびインビボでのキメラプラスト活性の最適化、ならびに多くの関連ライブラリーおよび他の組成物を提供する。
特に、マーカーを関連のキメラプラストのライブラリーに組み込み得る。このマーカーは、キメラプラストと標的核酸との間での組換えに続いて、標的核酸中に組み込まれる分子の領域内のキメラプラストの末端間に配置される。例えば、マーカーは組換えの生じる細胞中で検出可能な表現型効果を生じ得るか、またはマーカーは単に、標準的な核酸配列検出技術(例えば、その配列またはその隣接配列のPCR増幅、LCR、組換え事象によって作製される配列の制限酵素消化、アレイに対する組換え核酸の結合(例えば、遺伝子チップ)、および/または組換え核酸の配列決定など)によって検出され得る、標的配列における変化をもたらし得る。通常は、配列が異なる領域を決定して、配列が組換え率を増加したことの指標を提供する。
関連のキメラプラストのライブラリーは、Tループのヘアピン領域およびマーカーに隣接するTループヘアピン領域の間の領域において配列開散性(divergence)の領域を有するキメラプラストを含む。この開散性は、本明細書中に記載のような異種配列の生成を提供する合成ストラテジーによって生成され得る。
例えば、改変ヌクレオチドを除いて、配列がほとんど同一であるキメラプラストを利用する合成的ストラテジーを、合成ストラテジーを単純化するために作製する。この類似性の理由で、並行する合成ストラテジーまたはプールされた合成ストラテジーが使用され得、ここでは単回の合成反応かまたは試薬のセットを使用して各オリゴヌクレオチドの共通部分を作製する。これは、例えば、市販のオリゴヌクレオチド合成装置において、例えば、周知の固相の核酸合成技術によって、または例えば、アレイに基づいたオリゴヌクレオチド合成方法(例えば、Fodorら(1991)Science 251:767−777;Fodor(1997)「Genes、Chips and the Human Genome」FASEB Journal.11:121−121;Fodor(1997)「Massively Parallel Genomics」Science 277:393−395;およびCheeら(1996)「Accessing Genetic Information with High−Density DNA Arrays」Science 274:610−614を参照のこと)を利用することによって実施される。従って、本発明の1つの特徴は、これらの方法によって作製されるキメラプラストのライブラリー(すなわち、共通の配列エレメント(例えば、共通のマーカーを含む)ならびに異なる領域(例えば、分子のヘアピン領域における異なる配列)を共有するキメラプラストのライブラリー)である。
これらの方法によって作製されるライブラリーは、上記のように組換え率の増加についてスクリーニングされる。増加した組換え率を有するとして同定されるライブラリーのメンバーを、必要に応じて、それ自身で組換えて組換えキメラプラストのライブラリーを生成する。組換えは通常、最初に増大した組換え率を示すメンバーの配列をアッセイすること、次いでこれらのメンバーの少なくとも2つに対して構造的な類似性を示すキメラプラストの合成によって実施され得る。このプロセスは、増加した組換え活性を有する新たな「組換え」キメラプラストを作製するため、ならびにそのようなキメラプラストのライブラリーを作製するために反復的に繰り返され得る。
他の組換え分子は、同様に、これらの方法によって作製され得る。例えば、細胞形質導入/形質転換ベクター中のCre−Lox部位、Chi部位および他の組換えを促進する配列が上記と同様の様式で改変され、そして選択される。配列が単純なDNA配列である場合、それらは本明細書中に述べられた合成方法、および/または標準的なDNAシャッフリング方法のいずれかによって組換えられ得る。
(コドン改変オリゴヌクレオチド)
コドン改変オリゴヌクレオチドは、配列は類似であるが1つ以上の塩基の改変を有するオリゴヌクレオチドであり、ここでこの改変は少なくとも1つのコードアミノ酸の差異に対応する。これはトリヌクレオチド(すなわち、コドンに基づくホスホラミダイト連結化学)を利用して合成され得る。ここで20個のアミノ酸の全てについてのコドンを示す、トリヌクレオチドホスホラミダイトを使用して、この固相技術によって合成されるオリゴヌクレオチド配列中に完全なコドンを導入する。好ましくは、選択される核酸配列を組み込んだ、選択される全ての長さのオリゴヌクレオチド(例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100か、またはそれ以上のヌクレオチド)を合成する。本発明において、コドン改変オリゴヌクレオチド配列は、選択される相同性核酸のセット由来の配列に基づき得る。
トリヌクレオチドホスホラミダイトの合成、オリゴヌクレオチド合成におけるそれらの引き続いての使用、および関連の問題は、例えば、以下において記載される;Virnekas,B.ら、(1994)Nucleic Acids Res.、22、5600−5607、Kayushin,A.L.ら(1996)Nucleic Acids Res.、24、3748−3755、Huse、米国特許第5,264,563号「PROCESS FOR SYNTHESIZING OLIGONUCLEOTIDES WITH RANDOM
CODONS」、Lyttleら、米国特許第5,717,085号「PROCESS FOR PREPARING CODON AMIDITES」、Shortleら、米国特許第5,869,644号、「SYNTHESIS OF DIVERSE AND USEFUL COLLECTIONS OF OLIGONUCLEOTIDES」;Greyson、米国特許第5,789,577号「METHOD FOR THE CONTROLLED SYNTHESIS OF POLYNUCLEOTIDE MIXTURES WHICH ENCODE DESIRED MIXTURES OF PEPTIDES」;およびHuse、WO92/06176「SURFACE EXPRESSION LIBRARIES OF RANDOMIZED PEPTIDES」。
コドン改変オリゴヌクレオチドは、種々のトリヌクレオチド関連技術(例えば、トリヌクレオチド合成形式および分断プール(split−pool)合成形式)を使用して合成され得る。トリヌクレオチドおよび分断プールコドンの両方のコドン改変オリゴヌクレオチドの合成方法に関連する化学は、当業者に周知である。一般的に、両方の方法は、ホスホラミダイト固相化学合成を利用し、ここで核酸基質配列の3’末端を、固体支持体(例えば、コントロールの細孔ガラス)に共有結合的に接着する。5’保護基は、例えば、トリフェニルメチル基(例えば、ジメトキシルトリチル(DMT)またはモノメトキシトリチル);カルボニル含有基(例えば、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)またはレブリノイル);酸クリアラブル(clearable)基(例えば、ピキシル(pixyl));フッ化物クリアラブルアルキルシリル基(例えば、tert−ブチルジメチルシリル(T−BDMSi)、トリイソプロピルシリル、またはトリメチルシリル)であり得る。3’保護基は、例えば、β−シアノエチル基であり得る。
トリヌクレオチド合成形式は、5’末端および少なくとも1つの塩基(これらの両方は、その上に保護基を有する)を有する基質配列を提供する工程を含む。次いで、基質配列の5’保護基を、除去して5’脱保護された基質配列を提供し、次いでこれは選択されたトリヌクレオチドホスホラミダイト配列と連結される。トリヌクレオチドは、3’末端、5’末端、および3つの塩基(これらの各々はその上に保護基を有する)を有する。連結工程は、伸長したオリゴヌクレオチド配列を産生する。その後、この除去工程および連結工程を、必要に応じて反復する。これらの工程を反復する場合、各々の反復の連結工程により産生される伸長したオリゴヌクレオチド配列は、所望のコドン改変オリゴヌクレオチドが得られるまで、次の反復される除去工程の基質配列となる。この基本的な合成形式は、必要に応じて1つ以上の以下に挙げるヌクレオチドを共に連結する工程を含み得る:モノヌクレオチド、トリヌクレオチドホスホラミダイト配列、およびオリゴヌクレオチド。
分断プール合成形式は、各々5’末端および少なくとも1つの塩基(これらの両方は、その上に保護基を有する)を有する基質配列を提供する工程を含む。基質配列の5’保護基を、除去して5’脱保護された基質配列を提供し、次いでこれを選択されたトリヌクレオチドホスホラミダイト配列と連結する。各トリヌクレオチドは、3’末端、5’末端、および3つの塩基(これらは全て、その上に保護基を有する)を有する。連結工程は、伸長したオリゴヌクレオチド配列を産生する。その後、この除去工程および連結工程を、必要に応じて反復する。これらの工程を反復する場合、各々の反復される連結工程により産生される伸長オリゴヌクレオチド配列は、伸長した中間体オリゴヌクレオチド配列が生成されるまで、次の反復の除去工程の基質配列となる。
分断プール形式のさらなる工程は、必要に応じて、伸長した中間体のオリゴヌクレオチド配列を2つ以上の別々のプールへと分断する工程を含む。これを実施した後、伸長した中間体オリゴヌクレオチド配列の5’保護基を除去して、5’を脱保護した伸長した中間体オリゴヌクレオチド配列を2つ以上の別々のプール中に提供する。これに続き、これらの5’を脱保護した中間体を、2つ以上の別々のプール中で、1つ以上の選択されたモノヌクレオチド、トリヌクレオチドホスホラミダイト配列、またはオリゴヌクレオチドと連結し、さらに伸長した中間体オリゴヌクレオチド配列を産生する。次に、これらのさらなる伸長配列を単一のプール中にプールする。その後、基質配列の5’保護基の除去で始まり5’を脱保護した基質配列を提供する工程を、必要に応じて反復する。これらの工程が反復される場合、これらの特異的配列を生成する各々の反復された連結工程により産生される、さらなる伸長したオリゴヌクレオチド配列は、所望のコドン改変オリゴヌクレオチドが得られるまで、それらの特異的配列を含む、次の反復される除去工程の基質配列となる。
上記した両方の合成プロトコルは、必要に応じて、この工程を自動的に実施する自動合成装置において実施され得る。この局面は、文字ストリング情報をコンピューターに入力する工程を含み、次いでこの出力が、この自動合成装置が、所望のコドン改変オリゴヌクレオチドを合成するために必要である工程を実施するように指向する。
トリヌクレオチド合成に関するさらなる詳細は、「USE OF CODON
VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING」Welchら、USSN 09/408,393(1999年9月28日出願)に見出される。
(オリゴヌクレオチド媒介混合を使用する、核酸組換えの調整(tuning))
1つの局面において、等モルでない比のファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドを使用して、本明細書中に記載の手順の間に組換えの偏りを生じさせる。このアプローチにおいて、1セットのファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドにおける等モル比のファミリーシャッフリングを使用せずに、本明細書中の特定の他の方法の場合のように、組換え核酸のライブラリーを作製する。代わりに、ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドが由来する核酸のファミリーの選択されるメンバーまたは選択されるメンバーのセットの配列に対応する、特定のオリゴヌクレオチドの比率は、実施者によって選択される。
従って、1つの単純な例示的な例において、本明細書中に記載のオリゴヌクレオチド媒介組換えを使用して、例えば、カエル遺伝子およびヒト遺伝子(これらは50%同一性である)を組換える。全ての多型性の位置で、ヒト配列およびカエル配列の両方をコードするファミリーオリゴヌクレオチドを合成する。しかし、等モル比のヒトおよびカエル由来オリゴヌクレオチドを使用するよりもむしろ、この比率は、使用者が、最も密接に模倣させる(emulate)ことを望む遺伝子に有利なように偏る。例えば、ヒト様の遺伝子を生成する場合、多型性の位置でのヒト配列に対応するオリゴヌクレオチドの比率は、50%より多く(例えば、約60%、約70%、約80%または約90%以上のオリゴがヒト配列に対応し得、これは例えばカエル配列に対応する約40%、約30%、約20%、約10%以下のオリゴを有する)偏り得る。同様に、カエル様遺伝子が所望される場合、多型性の位置でのカエル配列に対応するオリゴヌクレオチドの比率が50%より多く偏り得る。いずれの場合においても、次いで、得られる「混合」遺伝子(すなわち、1つより多い親遺伝子の特徴を有する、得られた組換え遺伝子)を、混合遺伝子に対する配列に密接に関連する遺伝子ファミリーのメンバーで組換え得る。従って、上記の場合において、よりヒト様の混合遺伝子を生成するようにオリゴヌクレオチドの比率を選択する場合、混合遺伝子は、必要に応じて本来のヒト遺伝子とより密接に類似する遺伝子を用いて、さらに組換えられる。同様に、よりカエル様の混合遺伝子を生成するようにオリゴヌクレオチドの比率を選択する場合、混合遺伝子は、必要に応じて本来のカエル遺伝子とより密接に類似する遺伝子を用いて、さらに組換えられる。このストラテジーを図2に示す。このストラテジーは、一般的に、オリゴヌクレオチド媒介組換えによる任意の2つ以上の核酸の組換えに対して適用可能である。
偏りの作製(biasing)は、不均衡な量の関連オリゴヌクレオチドを合成すること、または関連の遺伝子合成方法(例えば、上記のようなPCR合成方法)に対して不均衡な量を単純に適用することにを含む、種々の様式で達成され得る。
上記のように、この偏りの作製のアプローチは、2つ以上の関連する核酸の任意のセットの組換えに適用され得る。配列は、進められる選択のために密接に類似である必要はない。実際、生じる偏りの作製のために検出可能な程度に相同性である必要さえない。この場合、「ファミリー」オリゴヌクレオチドは、コードタンパク質の構造的類似性の考慮から導かれる非配列相同性のオリゴヌクレオチドのセットに対して置換される。例えば、免疫グロブリンスーパーファミリーは、ほとんどまたは全く検出可能な配列相同性を示さない(特に、核酸レベルにおいて)、構造的に類似のメンバーを含む。これらの場合、非相同性の配列は、構造的相同性を考慮することによって(例えば、機能的に類似のペプチド残基の整列によって)「整列」される。目的の組換え領域は、整列によって提示されるアミノ酸多様性の全ての順列を含むことが規定され得る。関連する構造的に類似のアミノ酸配列をコードする所望の比率のヌクレオチドを有する配列を混合するために、上記の偏りの作製方法が必要に応じて使用される。
任意の2つ以上の配列は、目的の任意のアルゴリズムまたは判断基準によって整列され得、そして配列を混合するために使用される偏りの作製方法は、任意の所望の判断基準に基づく。これらは、配列相同性、構造的類似性、推定構造的類似性(特定される任意の類似性判断基準に基づく)などを含む。定常性である構造的コアが存在するが、コアの周辺に構築された多くの構造的な改変を有する状況(例えば、Igドメインは構造的コアであり、そのコアに結合する多くの異なるループ長および立体配座を有し得る)に対して、これらは適用され得る。
標準的な遺伝子組換え方法と比較して、このアプローチに対する一般的な利点とは、混合されるべき2つの配列の全体的な配列同一性が、より標準的な方法によって組換えを生じる為に必要とされる同一性よりも低いものであり得るということである。さらに、時としては選択される領域のみが組み換えられる。このことは、いかにして混合遺伝子を構築するかを特定する際に、利用可能な任意の構造的または機能的なデータを考慮に入れることを可能にする。従って、いくつかの他のシャッフリングのプロトコルによって生成されない配列領域が、この混合遺伝子アプローチによって利用可能であり、そして構造的な情報が考慮される場合に、より高いパーセンテージで活性クローンを時として獲得し得る。構造的な情報の考慮に関してのさらなる詳細は、「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」Selifonovら、代理人整理番号02−289−3USに見出される。
上記の一般的なストラテジーは、例えば、低い配列類似性を有する任意の遺伝子のセットに対して適用可能である。例えば、配列同一性が約30%の範囲にあるTNF相同体の大きなファミリーが存在し、これは標準的なシャッフリングプロトコルを達成させるを困難にする。もちろん、オリゴヌクレオチドの比率を選択することによって組換えを調整することもまた、任意の2つの核酸(これは、高類似性の相同体および低類似性の相同体の両方を含む)の組換えに対して、一般的に適用可能である。2つ以上の配列を整列するために、任意の整列プロトコルが選択され得、そして得られる整列は、組換えを達成するために適切なオリゴヌクレオチドを作製ために使用され得る。そして、親の配列と比較して、配列の相対的頻度においてあらゆる偏りの作製が達成され得る。
(オリゴヌクレオチドシャッフリングのための標的)
本質的に任意の核酸が、本明細書中のオリゴヌクレオチド媒介方法によってシャッフリングされ得る。数十万の既知の核酸を同定する試みは、全くなされていない。上記のように、既知のタンパク質についての一般的な配列の寄託所としては、GenBank、EMBL、DDBJ、およびNCBIが挙げられる。他の寄託所は、インターネットを検索することによって容易に同定され得る。
活性化に対する好ましい標的の1つの種類としては、治療的タンパク質(例えば、エリトロポイエチン(EPO)、インスリン、ヒト成長ホルモンのようなペプチドホルモン;上皮好中球活性化ペプチド−78、GROα/MGSA,GROβ、GROγ、MIP−1α、MIP−1β、MCP−1、上皮増殖因子、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、インターフェロン、インターロイキン、ケラチノサイト増殖因子、白血病阻害因子、オンコスタチンM、PD−ECSF、PDGF、プレイオトロピン(pleiotropin)、SCF、c−kitリガンド、VEGEF、G−CSFなどのような増殖因子およびサイトカイン)が挙げられる。これらのタンパク質多くが市販され(例えば、Sigma BioSciences 1997のカタログおよび価格表を参照のこと)、そしてその対応する遺伝子は周知である。
別の種類の好ましい標的は、転写および発現のアクチベーターである。例示的な転写および発現のアクチベーターとしては、細胞の増殖、分化、調節などを調節する遺伝子およびタンパク質が挙げられる。発現および転写のアクチベーターは、原核生物、ウイルス、および真核生物(これは、真菌、植物、および動物(これは、哺乳動物を含む)を含む)において見出され、これは広範な治療剤を提供する。発現および転写のアクチベーターは、多くのメカニズム(例えば、レセプターへの結合、シグナル伝達カスケードの刺激、転写因子の発現の調節、プロモーターおよびエンハンサーへの結合、プロモーターおよびエンハンサーに結合するタンパク質への結合、DNAの巻き戻し、プレmRNAのスプライシング、RNAのポリアデニル化、およびRNAの分解によって転写を調節することが理解される。発現アクチベーターとしては、サイトカイン、炎症性分子、増殖因子、それらのレセプター、およびオンコジーン産物(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−8など)、インターフェロン、FGF、IGF−I、IGF−II、FGF、PDGF、TNF、TGF−α、TGF−β、EGF、KGF、SCF/c−Kit、CD40L/CD40、VLA−4/VCAM−1、ICAM−1/LFA−1およびヒアルリン(hyalurin)/CD44);シグナル伝達分子および対応するオンコジーン産物(例えば、Mos、Ras、Raf、およびMet);ならびに転写アクチベーターおよびサプレッサー(例えば、p53、Tat、Fos、Myc、Jun、Myb、Rel、ならびにエストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、アルドステロン、LDLレセプターリガンドおよびコルチコステロンに対するレセプターのようなステロイドホルモンレセプター)が挙げられる。
オンコナーゼ(onconase)およびEDNのようなRNアーゼは、本明細書中の合成方法、特に遺伝子の混合を利用する合成方法についての好ましい標的である。当業者は、カエルおよびヒトのRNアーゼの両方が公知であり、そして多くの重要な薬理学的活性を有することが公知であることを理解する。これらの遺伝子の間の進化的多様性のため、オリゴヌクレオチド媒介の組換え方法は、この核酸を組換える際に特に有用である。
同様に、以下でより詳細に記載される、可能なワクチン適用のための感染性生物体からのタンパク質としては、以下が挙げられる:感染性真菌(例えば、Aspergillus、Candida種);細菌、特にE.coli(これは、病原性細菌についてのモデルとして役立つ)、ならびに以下のような医学的に重要な細菌:Staphylococci(例えば、aureus)、Streptococci(例えば、pneumoniae)、Clostridia(例えば、perfringens)、Neisseria(例えば、gonorrhoea)、Enterobacteriaceae(例えば、coli)、Helicobacter(例えば、pylori)、Vibrio(例えば、cholerae)、Campylobacter(例えば、jejuni)、Pseudomonas(例えば、aeruginosa)、Haemophilus(例えば、influenzae)、Bordetella(例えば、pertussis)、Mycoplasma(例えば、pneumoniae)Ureaplasma(例えば、urealyticum)、Legionella(例えば、pneumophilia)、Spirochetes(例えば、Treponema、Leptospira、およびBorrelia)、Mycobacteria(例えば、tuberculosis、smegmatis)、Actinomyces(例えば、israelii)、Nocardia(例えば、asteroides)、Chlamydia(例えば、trachomatis)、Rickettsia、Coxiella、Ehrilichia、Rocholimaea、Brucella、Yersinia、Francisella、およびPasteurella;胞子虫のような原生動物(例えば、Plasmodia)、根足虫(例えば、Entamoeba)および鞭毛虫(Trypanosoma、Leishmania、Trichomonas、Giardiaなど);ウイルス(例えば、(+)RNAウイルス(例としては、ポックスウイルス(例えば、ワクシニア);ピコルナウイルス(例えば、ポリオ);トガウイルス(例えば、風疹);フラビウイルス(例えば、HCV);およびコロナウイルスが挙げられる)、(−)RNAウイルス(例としては、ラブドウイルス(例えば、VSV);パラミクソウイルス(Paramyxovimses)(例えば、RSV);オルトミクソウイルス(Orthomyxovimses)(例えば、インフルエンザ);ブンヤウイルス;およびアレナウイルスが挙げられる)、dsDNAウイルス(例えば、レオウイルス属)、RNA−DNAウイルス(すなわち、レトロウイルス(例えば、特にHIVおよびHILV))、ならびに特定のDNA−RNAウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)。
非医学的使用に関連する他のタンパク質(例えば、転写インヒビター、または作物病害虫の毒素(例えば、昆虫、真菌、雑草植物など)はまた、オリゴヌクレオチドシャッフリングのための好ましい標的である。モノオキシゲナーゼ(例えば、p450)、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、およびリパーゼのような工業的に重要な酵素もまた、好ましい標的である。例として、サブチリシンは、サブチリシンについての遺伝子の相同形態についてファミリーオリゴヌクレオチドをシャッフリングすることによって進化され得る。Von der Ostenら、J.Biotechnol.28:55〜68(1993)は、サブチリシンをコードする核酸の例を提供し、そしてさらなる核酸はGENBANK(登録商標)に存在する。シャペロニンのような折り畳みを助けるタンパク質もまた、好ましい標的である。
オリゴヌクレオチド媒介シャッフリングのために適切な、好ましい公知の遺伝子としてはまた、以下が挙げられる:α−1アンチトリプシン、アンギオスタチン(angiostatin)、抗溶血性因子、アポリポタンパク質、アポタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、心房性ナトリウム利尿ポリペプチド、心房性ペプチド、C−X−Cケモカイン(例えば、T39765、NAP−2、ENA−78、Gro−a、Gro−b、Gro−c、IP−10、GCP−2、NAP−4、SDF−1、PF−4、MIG)、カルシトニン、CCケモカイン(例えば、単球化学誘引タンパク質(Monocyte chemoattractant protein)−1、単球化学誘引タンパク質−2、単球化学誘引タンパク質−3、単球炎症性タンパク質−1α、単球炎症性タンパク質−1β、RANTES、I309、R83915、R91733、HCC1、T58847、D31065、T64262)、CD40リガンド、コラーゲン、コロニー刺激因子(CSF)、補体因子5a、補体インヒビター、補体レセプター1、第IX因子、第VII因子、第VIII因子、第X因子、フィブリノゲン、フィブロネクチン、グルコセレブロシダーゼ、ゴナドトロピン、ヘッジホッグ(Hedgehog)タンパク質(例えば、Sonic、Indian、Desert)、ヘモグロビン(代用血液について;放射線増感について)、ヒルジン、ヒト血清アルブミン、ラクトフェリン、ルシフェラーゼ、ニューロツリン(Neurturin)、好中球阻害因子(NIF)、骨原性タンパク質、上皮小体ホルモン、プロテインA、プロテインG、レラキシン、レニン、サケカルシトニン、サケ成長ホルモン、可溶性補体レセプターI、可溶性I−CAM1、可溶性インターロイキンレセプター(IL−1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、13、14、15)、可溶性TNFレセプター、ソマトメジン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ストレプトキナーゼ、スーパー抗原(すなわち、ブドウ球菌エンテロトキシン(SEA、SEB、SEC1、SEC2、SEC3、SED、SEE))、トキシックショック症候群毒素(TSST−1)、剥離作用性(Exfoliating)毒素AおよびB、発熱性体外毒素A、B、およびC、ならびにM.arthritidesマイトジェン、スーパーオキシドジスムターゼ、サイモシンα1、組織プラスミノゲンアクチベータ、腫瘍壊死因子β(TNFβ)、腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、ならびにウロキナーゼ。
ディフェンシン(約50アミノ酸の抗真菌類タンパク質)、EF40(28アミノ酸の抗真菌類タンパク質)、ペプチド抗生物質、およびペプチド殺虫性タンパク質のような低分子タンパク質もまた、好ましい標的であり、そして関連したタンパク質のファミリーとして存在する。低分子タンパク質をコードする核酸は、特に好ましい標的である。なぜなら、従来の組換え方法は、限定された産物の配列多様性のみを提供するからである。これは、従来の組換え方法論が、約50〜100塩基対毎の相同配列間に交差を生成するからである。これは、非常に短い組換え標的に関して、標準技術によって1分子あたり約1回の交差が生じることを意味する。対照的に、本明細書中のオリゴヌクレオチドシャッフリング形式は、当業者が所望の任意の「交差」を選択する場合、小さな核酸の組換えを提供する。
さらなる好ましい標的は、Selifonovらによる、「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS,POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDESHAVING DESIRED CHARACTERISTICS」、代理人整理番号02−289−3USおよび本明細書中の他の参考文献に記載される。
(DNAシャッフリングおよび遺伝子再アセンブリ−ハイブリッド合成シャッフリング方法)
本発明の1つの局面は、ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドを使用する能力、および種々のDNAシャッフリング方法において組換えテンプレート/中間体としてオリゴヌクレオチドを交差する能力である。さらに、本明細書中の新しい合成技術によって作製される核酸は、他の利用可能なシャッフリング方法論によって再びシャッフリングされ得る。
種々のこのような方法は公知であり、発明者らおよび共同研究者によって教示される方法を含む。以下の刊行物は、種々の再帰的な組換え手順および/または本発明のプロセスに関連して実行され得る関連する方法を記載する:
Figure 2010178757
DNAシャッフリング方法のさらなる詳細は、以下に挙げられる発明者らおよび共同研究者らによる米国特許において見出される:Stemmerに対する米国特許第5,605,793号(1997年2月25日)、「METHODS
FOR IN VITRO RECOMBINATION」;Stemmerらに対する米国特許第5,811,238号(1998年9月22日)、「METHODS FOR GENERATING POLYNUCLEOTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS BY ITERATIVE SELECTION AND RECOMBINATION」;Stemmerらに対する米国特許第5,830,721号(1998年11月3日)、「DNA MUTAGENESIS BY RANDOM FRAGMENTATION AND REASSEMBLY」;Stemmerらに対する米国特許第5,834,252号(1998年11月10日)、「END−COMPLEMENTARY POLYMERASE REACTION」、およびMinshullらに対する米国特許第5,837,458号(1998年11月17日)、「METHODS AND COMPOSITIONS FOR CELLULAR AND METABOLIC ENGINEERING」。
さらに、核酸シャッフリングについての詳細および形式は、以下を含む種々のPCTおよび外国特許出願公開において見出される:
Figure 2010178757
特定の米国特許出願は、以下を含むDNAシャッフリングおよび関連する技術に関するさらなる詳細を提供する:Pattenらによって1998年9月29日(USSN60/102,362)、1999年1月29日(USSN60/117,729)、および1999年9月28日(USSN PCT/US99/22588)に出願された「SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES」;del Cardyreらによって1998年7月15日(USSN09/166,188)、および1999年7月15日(USSN09/354,922)に出願された「EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION」;Crameriらによって1999年2月5日に出願され(USSN60/118,813)、そして1999年6月24日に出願され(USSN60/141,049)、そして1999年9月28日に出願された(USSN09/408,392)「OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION」、ならびに、Welchらによって1999年9月28日に出願された(USSN09/408,393)「USE OF CODON−BASED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING」。最終的に、「関連出願の引用」と題された節において、上記に列挙された出願が関連形式を提供する。
前述の参考文献はまた、核酸組換えを達成するために核酸をハイブリダイズおよび伸長するプロセスにおけるさらなる詳細を提供する。
1つの局面において、より伝統的な組換えに基づくシャッフリング方法と組み合わせたファミリー遺伝子シャッフリングを使用するハイブリッド方法が、使用される。例えば、活性な核酸は、所定の標的遺伝子に関して相同置換をほとんどまたはさらには全く有さないオリゴヌクレオチドから再アセンブリされ得る。再アセンブリされる「骨格」核酸は、標準的な方法におけるようにDNaseで処理され、そして生じるDNase処理フラグメントは、所定の核酸において配列同一性および多様性の領域に対応する配列を含むファミリーオリゴヌクレオチドでスパイクされる。次いで、この核酸は、以下の方法(例えば、PCR再アセンブリ、または他の再アセンブリ方法)によって相同配列のライブラリーへ再アセンブリされる。この手順は、骨格核酸の使用を組み入れないオリゴヌクレオチド合成方法に対して比較した場合に見出され、活性なクローンのパーセンテージの増加を生じ得る。
発明者らおよび共同研究者、ならびに当該分野における他の研究者の多くの刊行物は、DNAシャッフリングを容易にする技術(例えば、本発明に関連した小さなフラグメント(オリゴヌクレオチドを含む)からの遺伝子の再アセンブリを提供することによる)を記載する。例えば、Stemmerら(1998)米国特許第5,834,252号のEND COMPLEMENTARY POLYMERASE REACTIONは、(例えば、核酸の混合物中の)標的配列を増幅および検出するためのプロセス、ならびにフラグメントから大きなポリヌクレオチドをアセンブリするプロセスを記載する。Crameriら(1998)Nature 391:288〜291は、Crameriら(1998)Biotechniques 18(2)194〜196のような、遺伝子の再アセンブリについての基本的な方法論を提供する。
他の多様性を生成するアプローチはまた、本明細書中の方法によって生成される核酸を改変するために使用され得、または、本明細書中の方法のためのテンプレートとして使用され得る。例えば、さらなる多様性は、個々のヌクレオチドまたは連続した、もしくは連続していないヌクレオチドの群の変更を生じる方法(すなわち、変異誘発方法)によって導入され得る。変異誘発方法としては、例えば以下が挙げられる:組換え(PCT/US98/05223;公開番号WO98/42727);オリゴヌクレオチド特異的変異誘発(総説についてはSmith、Ann.Rev.Genet.19:423〜462(1985);BotsteinおよびShortle、Science 229:1193〜1201(1985);Carter、Biochem.J.237:1〜7(1986);Kunkel、Necleic acids & Molecular
Biology中の「The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis」、EcksteinおよびLilley編、Springer Verlag、Berlin(1987)を参照のこと)。これらの方法の中に含まれる方法としては、以下が挙げられる:オリゴヌクレオチド特異的変異誘発(ZollerおよびSmith、Nucl.Acids Res.10:6487〜6500(1982)、Methods in Enzymol.100:468〜500(1983)、およびMethods in Enzymol.154:329〜350(1987))、ホスホチオエート改変DNA変異誘発(Taylorら、Nucl.Acids Res.13:8749〜8764(1985);Taylorら、Nucl.Acids Res.13:8765〜8787(1985);NakamayeおよびEckstein、Nucl.Acids Res.14:9679〜9698(1986);Sayersら、Nucl.Acids Res.16:791〜802(1988);Sayersら、Nucl.Acids Res.16:803〜814(1988))、ウラシル含有テンプレートを使用する変異誘発(Kunkel、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 82:488〜492(1985)、およびKunkelら、Methods in Enzymol.154:367〜382);ギャップを入れた(gapped)二重鎖DNAを使用する変異誘発(Kramerら、Nucl.Acids.Res.12:9441〜9456(1984);KramerおよびFritz、Methods in Enzymol.154:350〜367(1987);Kramerら、Nucl.Acids Res.16:7207(1988));ならびにFritzら、Nucl.Acids Res.16:6987〜6999(1988))。さらなる方法としては、以下が挙げられる:点ミスマッチ修復(Kramerら、Cell 38:879〜887(1984))、修復欠損宿主株を使用する変異誘発(Carterら、Nucl.Acids Res.13:4431〜4443(1985);Carter、Methods in Enzymol.154:382〜403(1987))、欠失変異誘発(EghtedarzadehおよびHenikoff、Nucl.Acids Res.14:5115(1986))、制限−選択および制限−精製(Wellsら、Phil.Trans.R.Soc.Lond.A 317:415〜423(1986))、全遺伝子合成による変異誘発(Nambiarら、Science 223:1299〜1301(1984);SakamarおよびKhorana、Nucl.Acids.Res.14:6361〜6372(1988);Wellsら、Gene 34:315〜323(1985);ならびにGrundstroemら、Nucl.Acids Res.13:3305〜3316(1985)。変異誘発のためのキットは、市販されている(例えば、Bio−Rad、Amersham International、Anglian Biotechnology)。
他の多様性生成手順は、以下において提案される:米国特許第5,756,316号;米国特許第5,965,408号;Ostermeierら(1999)「A combinatorial approach to hybrid
enzymes independent of DNA homology」Nature Biotech 17:1205;米国特許第5,783,431号;米国特許第5,824,485号;米国特許第5,958,672号;Jirholtら(1998)「Exploiting sequence space:shuffling in vivo formed complementarity determining regions into a
master framework」Gene 215:471;米国特許第5,939,250号;WO99/10539;WO98/58085;WO99/10539など。これらの多様性を生成する方法は、使用者によって選択される任意の組合せにおいて互いに、またはシャッフリング反応もしくはオリゴシャッフリング方法と組み合わせられて、任意の利用可能なスクリーニング方法を使用してスクリーニングされ得る核酸の多様性を産生し得る。
組換えまたは他の多様性の反応に続いて、生成される任意の核酸は、所望の活性について選択され得る。本発明の状況において、これは、当該分野における任意の関連するアッセイによって、任意の検出可能な活性またはアッセイ可能な活性について試験し、そして同定することを含み得る。種々の関連する(または関連していなくとも)特性は、任意の利用可能なアッセイを使用してアッセイされ得る。
(PCRを使用しないDNAシャッフリング)
遺伝子の再アセンブリのための1つの好ましい形式はPCRを使用するが、他の形式もまた有用である。例えば、部位特異型またはオリゴヌクレオチド特異型変異誘発方法を使用して、2つ以上の親遺伝子間(相同性であろうと、または非相同性であろうと)でキメラを生成し得る。このことについては、本発明の1つの局面は、組換えられるべき核酸に対応するオリゴヌクレオチドのライブラリーの連結による核酸間の組換えを実行する新しい方法に関する。
この形式において、複数の親核酸からの複数の核酸配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドのセットは、1つ以上の組換え核酸、代表的には全長タンパク質をコードする組換え核酸を産生するために連結される(しかし、連結はまた、次いで組換えられ得る部分的核酸配列のライブラリーを作製して、例えば、部分的または全長組換え核酸を産生するために連結され得る)。オリゴヌクレオチドのセットは、代表的に、少なくとも第1のオリゴヌクレオチド(これは、第1の領域の配列多様性において少なくとも第1の親核酸に相補的である)、および少なくとも第2のオリゴヌクレオチド(これは、第2の領域の多様性において少なくとも第2の親核酸に相補的である)を含む。この親核酸は相同的であってもよいし、または非相同的であってもよい。
しばしば、オリゴのような核酸は、リガーゼを用いて連結される。1つの代表的な形式において、オリゴヌクレオチドは、テンプレートとして作用する第1の親核酸にハイブリダイズされ、そしてリガーゼを用いて連結される。このオリゴはまた、ポリメラーゼを用いて伸長され得、そして連結される。このポリメラーゼは、例えば、通常のDNAポリメラーゼまたは熱安定性のDNAポリメラーゼであり得る。このリガーゼは、例えば、通常のDNAリガーゼまたは熱安定性のDNAリガーゼであり得る。多くのこのようなポリメラーゼおよびリガーゼは、市販されている。
1つのセットのアプローチにおいて、PCRに基づかない組換え方法についての共通要素は、プライマーがアニーリングされて、次いで、dNTPおよび適切な緩衝液の存在下でDNAポリメラーゼによって伸長される、一本鎖テンプレートの調製である。ギャップを入れた二重鎖は、E.coliへの形質転換またはエレクトロポレーションの前に、リガーゼを用いて埋められ得る。新しく合成された鎖は複製され、そして一本鎖(ss)の親の状況においてオリゴからの寄与を有するキメラ遺伝子を生成する。
例えば、ssテンプレートは、糸状ファージ粒子へssプラスミドをパッケージングするために、プラスミドへのファージIG領域の組込み、およびM13KO7(Pharmacia Biotech)またはR408のようなヘルパーファージの使用によって調製され得る。このssテンプレートはまた、二本鎖テンプレートの変性およびプライマーの存在下でのアニーリングによって生成され得る。この方法は、親のテンプレート鎖にわたって新しく合成されたキメラ鎖の単離のための濃縮方法において変化する。二本鎖テンプレートの単離および選択は、利用可能な方法を使用して実行され得る。例えば、以下を参照のこと:Lingら(1997)「Approaches to DNA mutagenesis:an overview.」 Anal Biochem.12月15日;254(2):157〜78;Daleら(1996)「Oligonucleotide−directed random mutagenesis using the phosphorothioate method」 Methods Mol Biol.57:369〜74;Smith(1985)「In vitro mutagenesis」 Ann.Rev.Genet.19:423〜462;BotsteinおよびShortle(1985)「Strategies and applications of in vitro mutagenesis」 Science 229:1193〜1201;ならびにCarter(1986)「Site−directed mutagenesis」 Biochem J.237:1〜7;Kunkel(1987)「The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis」 Nucleic Acids & Molecular Biology(1987);Eckstein,F.およびLilley,D.M.J.編 Springer Verlag,Berlin。
例えば、1つの局面において、「Kunkel式」方法は、ウラシル含有テンプレートを使用する。同様に、「Eckstein」方法は、ホスホロチオエート改変DNAを使用する
Figure 2010178757
制限選択の使用、または例えば、精製は、ミスマッチ修復欠失株と共に使用され得る(例えば、Carterら(1985)「Improved oligonucleotide site directed mutagenesis using M13 vectors」 Nucleic Acids Res.13、4431〜4443 Carter(1987)「Improved oligonucleotide−directed mutagenesis
using M13 vectors.」 Methods in Enzymol.154:382〜403;Wells(1986)「Importance of hydrogen bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin.」Trans.R.Soc.Lond.A317、415〜423を参照のこと)。
これらの方法において使用される「変異促進性の」プライマーは、任意の型の無作為化、挿入、欠失をコードする合成オリゴヌクレオチド、相同性遺伝子の配列多様性に基づくファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドなどであり得る。このプライマーはまた、ss親テンプレートに対してアニーリングされる相同性遺伝子のフラグメントであり得る。このようにして、2つ以上の親遺伝子間のキメラが生成され得る。
複数のプライマーを、所定のテンプレートにアニーリングして、そして複数のキメラ遺伝子を作製するために伸長し得る。ファージT4またはファージT7からのDNAポリメラーゼのようなDNAポリメラーゼの使用は、これらがテンプレートから下流のプライマーを分解せず、また置換もしないので、この目的のために適切である。
例えば、1つの局面において、DNAシャッフリングは、ウラシル含有テンプレートを使用して実行される。この実施態様において、目的の遺伝子は、糸状ファージ遺伝子間(IG、ori)領域を含むE.coliプラスミドへクローニングされる。一本鎖(ss)プラスミドDNAは、M13KO7(Pharmacia)またはR408のようなヘルパーファージでの感染に際してファージ粒子中にパッケージングされ、そしてフェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿のような方法によって容易に精製され得る。このDNAがE.coliのdut−ung−株において調製される場合、少数のウラシル残基は、正常なチミン残基の代わりにその中へ組み込まれる。上記のような1つ以上のプライマーまたは他のオリゴは、90℃までの加熱および室温までの緩徐な冷却によってssウラシル含有テンプレートにアニーリングされる。4つ全てのデオキシリボヌクレオチド、T7 DNAポリメラーゼ、およびT4 DNAリガーゼを含む適切な緩衝液を、アニーリングされたテンプレート/プライマー混合物に添加し、そして室温と約37℃との間で1時間以上インキュベートする。T7 DNAポリメラーゼはプライマーの3’末端から伸長し、そしてプライマーを組み込むテンプレートに対して相補的な鎖を合成する。DNAリガーゼは、新しく合成された鎖の3’末端とプライマーの5’末端との間のギャップを埋める。
複数のプライマーが使用される場合、ポリメラーゼは次のプライマーまで伸長され、停止し、そしてリガーゼはギャップを埋める。次いで、この反応物は、E.coliのung+株中に形質転換され、そしてプラスミドについての抗生物質の選択が適用される。宿主細胞中のウラシルN−グリコシラーゼ(ung遺伝子産物)酵素は、テンプレート鎖中のウラシルを認識し、そしてウラシルを除去し、複製されないかまたは宿主修復系が新しく合成された鎖をテンプレートとして使用することによってウラシルを訂正するかのいずれかである無ピリミジン部位を作製する。得られるプラスミドは主に、目的であれば、遺伝子に所望の変化を含む。複数のプライマーが使用される場合、単一の反応において、多くの変化を同時に導入することが可能である。プライマーが相同性遺伝子のフラグメント由来か、または相同性遺伝子のフラグメントに対応する場合、複数のキメラ遺伝子が生成され得る。
(コドン改変)
1つの局面において、本明細書中の方法において利用されるオリゴヌクレオチドは、親の配列(このオリゴヌクレオチドの起源)と比較してコドンの使用を変えている。特に、例えば、コドンの優先を改変し、オリゴヌクレオチドシャフリング手順の組換え産物が評価されるかまたは他の点で選択される細胞において、発現を最適化することは有用である。組換え核酸を、選択されるべき特定の細胞のコドンバイアスと一致させることは、代表的には組換え核酸の発現の最大化を引き起こす。本明細書中の種々のストラテジーにおいて使用されるオリゴヌクレオチドは、代表的には合成的に作製されるので、最適なコドンの優先を選択することは、周知のコドンバイアス表を参照することによって単純になされる。コドンベースの合成方法(前出に記載される)は、合成プロトコルにおいてコドンを改変するために、必要に応じて使用される。
発現を最適にするためのオリゴヌクレオチド配列の選択に加え、コドンの優先はまた、遠く隔たって関連する、組換えされるべき核酸の間の配列類似性を増大するために使用され得る。コドンが特定の位置において使用されるように選択することによって、核酸間での類似性を増大させることが可能であり、そして順に、その核酸間での組換え頻度を増大させる。コドン改変手順についておよびそれらのDNAシャッフリングへの適用についてのさらなる詳細は、PatenおよびStemmer、USSN 60/102,362「SHUFFLING OF CODON ALTERED NUCLEIC ACID」(1998年9月29日出願)およびPatenおよびStemmerの関連出願(1999年1月29日に出願、Attorney整理番号018097−028510、「SHUFFLING OF CODON ALTERED NUCLEIC ACID」と称される)に見出される。
(モジュラーシャッフリングによる長さのバリエーション)
遺伝子および遺伝子エレメントについての多くの機能的配列ドメインは、機能的サブ配列ドメインから構成される。例えば、プロモーター配列は、転写因子を結合する多くの機能的配列エレメントから作製され、そして遺伝子発現を調節する。エンハンサーエレメントは、プロモーターエレメントと結合し、所定の遺伝子の発現を増強し得る。同様に、少なくともいくつかのエキソンはコードされるタンパク質のモジュラードメインを示し、そしてエキソンは野生型遺伝子に関連して多量体化または欠失され得、そして生じた核酸は、組換えられて、変化させた遺伝子(またはコードされたタンパク質)モジュールのライブラリー(すなわち、核酸を挿入もしくは欠失したモジュールのライブラリー)を提供する。モジュラー配列の数および配置、ならびにそれらの配列組成は、プロモーター、エキソン、または他の遺伝子モジュールの全体活性に影響を及ぼし得る。
遺伝子およびコードされるタンパク質(特に真核生物において発生するタンパク質について)のモジュールとしてのエキソンの概念が確立される。例えば、GilbertおよびGlynias(1993)Gene 137−144;DolittleおよびBork(1993年10月)Scientific American 50−56;ならびにPatthy(1991)Current Opinions in Structural Biology 1:351−361を参照のこと。エキソンモジュールのシャッフリングは、エキソンシャッフリングルールの理解によって最適化される。イントロン(および結果的にエキソン)が、3つの異なるフェーズにおいて生じ、これはエキソン−イントロン境界でコドンのスプライス接合部に依存する。Stemmer(1995)Biotechnology 13:549−553;Patthy(1994)Current Opinions in Structural Biology 4:383−392およびPatthy(1991)Current Opinions in Structural Biology 1:351−361を参照のこと。
本質的に、シャッフルされたエキソンのスプライス接合部は、隣接するエキソンのスプライス接合部を有する「フェーズ適合性」である必要がある−そうでない場合、次いで、リーディングフレームにおけるシフトが生じ、エキソンモジュールの情報が除去される。イントロンの3つの可能なフェーズは、イントロンが生じるイントロン−エキソン境界でコドン内の塩基の位置についてフェーズ1、2または0である。リーディングフレームに関連したそれらの位置に従うイントロンの分類は、以下である:フェーズ0イントロンは、隣接するエキソンの2つのコドンの間に位置する;フェーズ1イントロンは、コドンの第1ヌクレオチドと第2のヌクレオチドとの間に位置し、そしてフェーズ2イントロンは、コドンの第2のヌクレオチドと第3のヌクレオチドとの間に位置する。フェーズ1イントロンは、性質的に大部分が共通している。
本発明の1つの局面は、このようなモジュールの配列、モジュールの反復の数(0(すなわち、エレメントの欠失)から所望のコピー数)、およびモジュールの長さを変化させるためのモジュラー配列(例えば、プロモーターエレメントおよびエキソンを含む)のシャッフリングである。特に、標準的なシャッフリングの方法、および/または本明細書中のオリゴヌクレオチド媒介方法は、単に適切に設計されたフラグメントまたはオリゴヌクレオチドを組換え混合物にスパイクすることによって、エレメントの複製および長さの改変のアプローチと組み合わせ得る。
例えば、反復されるエレメントを含むPCR生成フラグメントは、相補的であるように設計された末端とともに、組換え反応にスパイクされる。これにより、引き続く組換え反応において多量体の生成を引き起こす。これらの多量体は、最終のシャッフリング産物に、多量体の末端での相同組換えによって、多量体化されるモジュールのモル比に依存しているこのような多量体の全長と組込まれ得る。多量体は、別々に生成され得るか、または前出で議論されるような遺伝子の再集合/組換え反応においてオリゴであり得る。
好ましい局面において、オリゴヌクレオチド組換えおよび遺伝子アセンブリの間、オリゴは選択されて、多量体を生成および/または選択されたモジュール(例えば、エキソン、プロモーターエレメント、エンハンサーなど)を欠失し、これによって多量体またはモジュールの欠失を別々に含む核酸を作製する必要を回避する。従って、1つの局面において、重複ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドのセットは、配列モジュールエレメントの欠失または多量体化を提供するオリゴを含むように構築される。これらの「モジュールシャッフリング」オリゴヌクレオチドは、相同な核酸を組換えるために本明細書中の他の任意のアプローチとともに用いられ得る。従って、配列モジュールエレメントは、選択される核酸の活性もしくは異なる成分の活性を提供する所定の核酸のサブ配列のモジュールエレメントであり、一方、モジュールシャッフリングオリゴヌクレオチドは配列モジュールの挿入、欠失または多量体化を提供するオリゴヌクレオチドである。このようなオリゴヌクレオチドの例には、1つより多い配列モジュール(選択された位置での介入配列の欠失および/またはモジュールの挿入を提供する)に対応するサブ配列を有するオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド混合物のハイブリダイゼーションおよび伸長などの間、1つ以上のオリゴヌクレオチド(および、必要に応じて関連配列の)の多量体化を許容する同一性の領域を有する末端を有する1つ以上のオリゴヌクレオチドが挙げられる。
上記のモジュールの欠失、挿入のストラテジーから生じるライブラリーは、対応するまたは相同な親の核酸に関連する所定のモジュールのコピー数および配置を変化させる。このモジュールがエキソンである場合、代表的には、組換え方法において使用されるオリゴヌクレオチドは、同じフェーズ(すなわち、同じリーディングフレームを有する)において結合されるエキソンを生じるよう選択されて、任意の所定のライブラリーメンバーが機能的に活性である見込みを増大する。これは、図3に模式的に例証される。異なって影がつけられたモジュールは、別々のエキソンを示し、エキソンのフェーズを1、2、または0と示す。
(分岐学的中間体のシャッフリング)
本発明は、「進化的中間体」のシャッフリングを提供する。本発明の文脈において、進化的中間体は、2つ以上の相同な配列の間の特徴において中間である(例えば、配列が進化樹状図において分類される場合)人工構築物である。
核酸はしばしば、進化的分岐点および、必要に応じて関連性を示す進化樹状図(「樹形図」)に分類される。例えば、分岐学的分析は、生物体または形質(核酸またはポリペプチド配列を含む)が、仮定される共通の祖先(多岐した形質または生物体の中間形態)からの起源を反映する基準に基づいて順に並べられ、そして分類される、分類方法である。分岐学的分析は主に、関連性を示す関連樹形図(または樹状図)の分岐に関連するが、差異の程度はまた、評価され得る(差異は時折、差異の程度を考慮し、そして進化樹状図における分岐点を単に決定する進化的分類学者の間で作製される(古典的分岐学的分析);しかし、本発明の目的のために、いずれかの方法によって作製される関連樹形図は、進化的中間体を作製し得る)。
分岐学的または他の進化的中間体は、2つ以上の現存の核酸の間において、次々と、中間である核酸を選択することによって決定され得る。この配列は、天然に存在しなくてもよいが、選択された天然の配列に類似する配列をなお示す(すなわち、2つ以上の配列の中間体が2つ以上の現存する核酸の共通の祖先と類似した配列を示す)。従って、進化的中間体は、それらが「擬似選択された」配列を示すので、1つの好ましいシャフリング基質であり、そしてこれは、無作為に選ばれた活性を有する配列よりも見込みがある。
シャッフリングのための基質として進化的中間体を使用する(または、このような配列に対応するオリゴヌクレオチドの使用の)1つの利点は、重要な配列多様性がより少ない出発基質において示され得ることである(すなわち、親AおよびBで出発する場合、単一の中間体「C」はAおよびBの両方の少なくとも部分的代表である)。このことは、遺伝子の再構築/組換え方法についてのオリゴヌクレオチドの合成を簡単にし、手順の効率を改善する。さらに、進化的中間体を用いた配列データーベースの検索により、標準的な検索プログラム(例えば、BLAST)を使用して関連した核酸を同定する機会が増大する。
中間体の配列はまた、単に2つの合成配列から出発することによって、天然において示されない2つ以上の合成配列の間で選択され得る。このような合成配列には、進化的中間体、提案された遺伝子配列、または配列に関連した目的の他の配列が挙げられ得る。これらの「人工中間体」はまた、遺伝子の再構築方法の複雑性を減少させる際、および進化のデーターベースを検索する能力の改善について有用である。
従って、本発明の1つの重要な実施態様において、進化的または人工中間体を提示する文字列は、アラインメントおよび配列関連ソフトウェア(BLAST、PILEUPなど)を用いて最初に決定され、次いでオリゴヌクレオチド再構築方法を用いて合成される。あるいは、中間体はまた、本明細書中の遺伝子再構築方法において使用されるオリゴヌクレオチドの選択についての基礎を形成し得る。
分岐学的中間体の作製についての発展した手順(隠れたMarkovモデルスレッディングを用いたシリコンシャッフリングを含む)に関するさらなる詳細は、同時に出願されたSelifonovらによる、「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS、POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED
CHARACTERISTICS」Attorney整理番号02−289−30USおよび同時に出願されたPCT出願(米国で称される)Selifonovらによる、「METHODS FOR MAKING CHARACTER
STRINGS、POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」Attorney整理番号02−289−30PCに示される。
(タンパク質ドメインシャフリング)
遺伝子のファミリーシャッフリングは、コードされたタンパク質の機能的多様性を評価するのに良好な方法である。しかし、目的の活性を提供するコードされたタンパク質の一部分のみをシャッフルすること、特に、タンパク質が多機能的であり、かつ1つ以上の活性がタンパク質全体のサブ配列(ドメイン)にマッピングされ得る場合は、有利であり得る。
例えば、グリコシルトランスフェラーゼのような酵素は、2つの基質を有する:アクセプターおよび活性化糖ドナー。アクセプターを変えずに転移するべき糖を変化させるために、糖結合ドメインのみをファミリーシャッフルすることは、好ましくあり得る。なぜならば、糖アクセプタードメインのファミリーシャッフリングは、より少ない数の所望のアクセプターを生じ得るからである。
1つの実施例において、糖a〜eをアクセプターA〜Eに転移する5つの酵素、eA〜eE(それぞれ500アミノ酸)が存在する。糖a〜eをアクセプターAに転移する酵素のライブラリーを作製するために、eA〜eEの糖結合ドメインをシャッフリングし、それらをeAのアクセプター結合ドメインと結合させることは好ましくあり得る。
このストラテジーの実施における1つの技術的挑戦は、目的のタンパク質におけるこのような機能的ドメインを同定するためのデータが不十分であり得ることである。この場合、ライブラリーのセットは、無作為な酵素部分のファミリーシャッフリングによって作製され得る。例えば、酵素eA〜eE(上記)のファミリーシャフリングに適用する場合、第1のライブラリーは、組換えおよび延長のためのオリゴヌクレオチドセットを適切に選択することによって、eA〜eEのうちのいずれか1つの最後の400アミノ酸と組み合わせてeA〜eEの第1の100アミノ酸をコードして作製され得る。第2のライブラリーは、ファミリーが、eA〜Aeのいずれか1つの第1の100アミノ酸およびeA〜Aeのうちいずれか1つの最後の300アミノ酸をコードしたものなどと組み合わせて、eA〜eEの第2の100アミノ酸をファミリーシャッフルして作製され得る。これらのライブラリーの小サブセットは、第1の所望の機能についてスクリーニングされる。第1の所望の機能(例えば、上記実施例におけるアクセプター活性)を保持するライブラリーは、選択可能な機能(例えば、上記実施例における糖転移)に加え、比較的高い割合の改変体を有する。
このアプローチは、1つの特性が所望されて保存される任意の多機能性タンパク質の多様化のために使用され得る。このストラテジーは、保存されるべき特性が複雑である場合(例えば、ポリケチド、非リボソームペプチドまたは他の天然産物に対する基質特異性)、特に利点である。
一般的に、個々のドメインのシャッフリングを提供するためのオリゴヌクレオチドの選択(既知の機能的サブ配列、または上記の未知の機能のサブ配列に対応するかに関わらず)は、配列に関連したオリゴヌクレオチドの2つの一般的な型を提供することによって、実施される。第1の型は、組換えが所望される領域に対応する(すなわち、本明細書中にしるされるストラテジーに従って)配列に関連した重複オリゴヌクレオチドセットを選択することによって提供されるが、第2の型は、シャフルされるべきドメインとシャッフルされないドメインであるドメインの間の組換え接合物(すなわち、本明細書中に記載の交差オリゴヌクレオチドと類似である)を提供する。シャッフルされないドメインは、単なるオリゴヌクレオチド遺伝子の再構築方法によって(すなわち、オリゴヌクレオチドを結合する連結またはポリメラーゼ媒介伸長反応を用いて)作製され得るか、またはシャッフルされないドメインは、より大きな核酸の酵素的切断によって作製され得る。
(延長されたファミリーシャッフリング組込み分子モデリングおよびアラニン走査)
ファミリーに基づくオリゴシャッフリングは、遺伝子合成において組換えられるファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドのセットを作製することによる相同な核酸の組換え、および前出で議論されたような組換えプロトコルを含む。記載されるように、相同な核酸は、天然の相同体または非天然(例えば、人工の)の相同体であり得る。
非天然の相同体の組換えの1つの利点は、天然に生じる配列の空間以外の配列の空間が、生じた組換え核酸によって接近されることである。このさらなる多様性は、天然の多様性を提示する核酸の組換えによって提供されない機能的特性の発達または獲得を可能にする。
組換えのための相同体を無作為に作製することの主な欠点は、生じた相同体の多くが、関連する特徴に関して機能的でないことである。これらの相同体について、選択可能な配列空間において生じた増大の多くは、所望されない「ノイズ」であり、これは集団から選択される必要がある。対照的には、天然の多様性は、進化的に試験された分子を示し、このことは、より多くの、標的化された、組換えが生じる潜在的な配列空間全体を示す。
所望しない配列空間の有意な増大がなく、非天然の多様性を捕捉する1つの方法は、コードされる分子(タンパク質、RNAなど)の所望される機能的特性を有意に退化させることなく所定の遺伝子において改変され得るそれらの位置を規定することである。少なくとも2つの基本的なアプローチが使用され得る。
第1に、点変異(例えば、アラニン走査)は、機能の有意な欠失なしに変異され得る位置を規定するために実施され得る。原則として、機能に関して、基本的に中性である点変異の大きなスペクトルを規定するために、全ての20アミノ酸が各位置について試験され得る。次いで、シャッフリングオリゴのセットは、これらの非天然(しかしなお活性化である)相同体を捕捉するよう作製される。多くの市販の重要なタンパク質について、アラニン走査の情報はすでに入手可能である。例えば、Youngら(1997)Protein Science 6:1228−1236は、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のアラニン走査を記載する。
第2に、構造情報がタンパク質について入手可能である場合(および、例えばタンパク質がどのようにリガンドと相互作用するか)、機能においてほとんど変異しないかまたは全く変化しないと予想される領域が規定され得る。次いで、ファミリーシャッフリングオリゴのセットは、これらの非天然(しかしなお活性化であると予想される)の相同体を捕捉するように作製される。種々のタンパク質の結晶構造が入手可能である(例えば、G−CSFの結晶構造:Hillら(1993)PNAS 90:5167を含む)。
同様に、構造情報が入手可能でない場合でさえ、分子モデリングが実行され、予測された構造が提供され得る。これをまた使用して、残基が、機能を変化することなく変化され得ることが予測され得る。タンパク質の構造を予測するための種々のタンパク質構造のモデリングプログラムは、市販されている。さらに、スーパー構造(ヘリックス、β−シートなど)の領域を形成するアミノ酸の相対的な傾向が良好に確立される。例えば、O’NeilおよびDeGrado Science v.250は、共通して生じるアミノ酸のヘリックスを形成する傾向の議論を提供する。活性を形成する相対的な構造のアミノ酸についての表は、残基が所定の部分において機能的に置換され得ると予測される置換表として使用され得る。次いで、ファミリーシャッフリングオリゴのセットは、これらの非天然(しかしなお活性化であると予測される)の相同体を捕捉するように作製される。
例えば、タンパク質設計自動装置(PDA)は、タンパク質およびペプチドの設計および最適化、ならびにタンパク質およびペプチドの設計について計算的に駆動される1つの系である。代表的には、PDAは、タンパク質骨格構造で始まり、そしてタンパク質の特性を改変するためにアミノ酸配列を設計するが、一方、三次元折り畳み特性を維持する。多数の配列は、PDAを用いて操作され得、これはタンパク質構造(配列、サブ配列など)の設計を可能にする。PDAは、例えば以下を含む多くの刊行物に記載される:MalakauskasおよびMayo(1998)「Design,Structure and Stability of a Hyperthermophilic Protein Variant」Nature Struc.Biol.5:470;DahiyatおよびMayo(1997)「De Novo Protein Design:Fully Automated Sequence Selection」Science、278、82−87.DeGrado、(1997)「Proteins from Scratch」Science、278:80−81;Dahiyat、SariskyおよびMayo(1997)「De Novo Protein Design:Towards Fully Automated Sequence Selection」J.Mol.Biol.273:789−796;DahiyatおよびMayo(1997)「Probing the Role of Packing Specificity in Protein Design」Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:10172−10177;Hellinga(1997)「Rational Protein Design−Combining Theory and Experiment」Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:10015−10017;SuおよびMayo(1997)「Coupling Backbone Flexibility and Amino Acid Sequence Selection in Protein Design」Proc.Sci.6:1701−1707;Dahiyat,GordonおよびMayo(1997)「Automated
Design of Surface Positions of Protein Helices」Prot.Sci.、6:1333−1337;DahiyatおよびMayo(1996)「Protein Design Automation」Proc.Sci.,5:895−903。PDAに関するさらなる詳細は、例えばhttp://www.xencor.com/で入手可能である。PDAを使用して、活性を保持するようである改変体の配列を同定し得、オリゴヌクレオチド媒介組換えについての基礎として使用され得る相同な核酸のセットを提供する。
(組換え後のスクリーニング技術)
本明細書中の種々のシャッフリング手順において使用される正確なスクリーニング方法は、本発明の重要な局面ではない。一般に、当業者は、選択される活性を参考として、適切なスクリーニング(すなわち、選択)方法を実施し得る。
いずれかの場合において、1つ以上の組換えサイクルが、通常は、所望される特性、形質、または特徴を有する分子、形質転換細胞もしくは生物体についてスクリーニングまたは選択する1つ以上のサイクルが続く。組換えサイクルがインビトロで実施される場合、組換え産物(すなわち、組換えセグメント)は時折、スクリーニング工程の前に細胞に導入される。組換えセグメントはまた、スクリーニング前に、適切なベクターまたは他の調節配列に連結され得る。あるいは、インビトロで生成した組換え産物は時折、スクリーニング前にウイルス中(例えば、バクテリオファージ)中にパッケージングされる。組換えがインビボで実施される場合、組換え産物は時折、組換えが起こる細胞においてスクリーニングされ得る。他の適用において、組換えセグメントは、細胞から抽出され、そして必要に応じてスクリーニング前にウイルスのようにパッケージされる。
スクリーニングまたは選択の性質は、どの特性もしくは特徴が要求されるか、またはどの特性もしくは特徴の改善が求められるかに依存し、そして多くの実施例を以下に記載する。特定の組換え産物(組換えセグメント)が、出発基質に対して新しいまたは改善された特性もしくは特徴を獲得することによって分子の基礎を理解することは、通常必要とされない。例えば、遺伝子は、多くの構成要素配列を有し得、それぞれの配列は、種々の意図される役割(例えば、コード配列、調節配列、標的配列、安定性を授与する配列、サブユニット配列および組込みに影響を与える配列)を有する。これらの構成要素配列のそれぞれは、変化し得、そして同時に組換えられ得る。次いで、例えば、このような改善がベクターの任意の個々の構成要素配列に起因する必要なしに、細胞に対して活性を与える能力を増大させる組換えセグメントについて、スクリーニング/選択が実施され得る。
所望の特性について使用される特定のスクリーニングプロトコルに依存して、初回のスクリーニングは、時折、高いトランスフェクション効率でありかつ培養が容易であるために、細菌細胞を用いて実施され得る。しかし、細菌の発現は、しばしば実践的でもなく、所望もされず、そして酵母、真菌または他の真核動物系がまた、ライブラリーの発現およびスクリーニングについて使用される。同様に、細菌または単純な真核動物ライブラリー細胞においてスクリーニングしにくいスクリーニングの他の型は、それらの意図する使用に近い環境における使用のために選択された細胞において実施される。最終回のスクリーニングは、意図される使用の正確な細胞型において実施され得る。
多様なライブラリーをスクリーニングするための1つのアプローチは、シャッフルされた核酸産物(例えば、コードされた酵素)を増強された活性についてスクリーニングするための大量並行する固相手順を使用することである。吸着、蛍光またはFRETを用いる大量並行固相スクリーニング装置が入手可能である。例えば、Bylinaら(1999)に対する米国特許第5,914,245号を参照のこと;また、http://www.kairos−scientific.com/;Youvanら(1999)「Fluorescence Imaging Micro−Spectrophotometer(FIMS)」Biotechnology et alia<www.et−al.com>1:1−16;Yangら(1998)「High Resolution Imaging Microscope(HIRIM)」Biotechnology et alia,<www.et−al.com>4:1−20;ならびにYouvanら(1999)「Calibration of Fluorescence Resonance Energy Transfer in
Microscopy Using Genetically Engineered GFP Derivatives on Nickel Chelating Beads」www.kairos−scientific.comに掲示される。これらの技術によるスクリーニング後、目的の配列が代表的には単離され、必要に応じて配列決定され、そしてこの配列は、本明細書中に示されるように使用され、新規のオリゴヌクレオチドシャッフリング方法を設計する。
特性においてさらなる改善が所望される場合、少なくとも1つの組換えセグメントおよび通常、初回のスクリーニング/選択で生存している組換えセグメントの収集物は、さらなる回の組換えに供される。これらの組換えセグメントは、互いに組換えられ得るか、または本来の基質もしくはそれらのさらなる改変体を提示する外因性セグメントで組換えられ得る。再び、組換えをインビトロまたはインビボで行い得る。先のスクリーニング工程が所望の組換えセグメントを細胞の構成要素として同定する場合、この構成要素はさらなるインビボでの組換えに供され得るか、またはインビトロでのさらなる組換えに供され得るか、あるいはインビトロでの組換えの回を実行する前に単離され得る。逆に、先のスクリーニング工程が所望の組換えセグメントを裸の形態において、またはウイルスの構成要素として同定する場合、これらのセグメントは、細胞に導入され得、インビボの組換えの回が実施される。2回目の組換えでは、実施方法に関係なく、前回に生じた組換えセグメントに存在するものより、さらなる多様性を含むさらなる組換えセグメントを生成する。
2回目の組換えの後、初回について上記で議論されるような原理に従って、さらなる回のスクリーニング/選択が行われ得る。スクリーニング/選択のストリンジェンシーは、回数ごとに増大され得る。1つより多くの特性における改善が所望される場合か、または1つより多くの新規な特性を獲得することが所望される場合、スクリーニングの性質およびスクリーニングされる特性もまた、回数ごとに変化し得る。次いで、組換えセグメントが十分発達し、所望の新しいまたは改善された特性もしくは機能を獲得するまで、さらなる回の組換えおよびスクリーニングが実施され得る。
(シャッフリング後の手順)
本発明の方法によって生成される核酸は、必要に応じて、活性のスクリーニングのために細胞中にクローニングされる(または、インビトロ転写反応において使用されて、スクリーニングされる産物を作製する)。さらに、この核酸は、配列決定され得、発現され得、インビトロで増殖され得、または他の任意の一般的な組換え方法において処置され得る。
クローニング、変異誘発、ライブラリ構築、スクリーニングアッセイ、細胞培養などを含む、本明細書において有用な分子生物学的技術を記載する一般的な教科書としては、以下が挙げられる:BergerおよびKimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology、第152巻、Academic Press,Inc.,San Diego,CA(Berger);Sambrookら、Molecular Cloning−A Laboratory Manual(第2版)、第1巻〜第3巻、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New
York,1989(「Sambrook」)およびCurrent Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubelら編、Current Protocols,Greene Publishing Associates,Inc.とJohn Wiley&Sons,Inc.との間の合弁事業,(1998年までの補遺)(「Ausubel」))。細胞(植物細胞および動物細胞を含む)を核酸を用いて形質導入する方法は、そのような核酸によってコードされるタンパク質を発現する方法と同様に一般的に利用可能である。Berger、AusubelおよびSambrookに加えて、動物細胞の培養についての有用な一般的な参考文献としては、Freshney(Culture of Animal Cells,a Manual of Basic Technique、第三版 Wiley−Liss,New York(1994))およびそこで引用されている参考文献、Humanson(Animal Tissue Techniques,第四版
W.H.Freeman and Company(1979))およびRicciardelliら、In Vitro Cell Dev.Biol.25:1016−1024(1989)が挙げられる。植物細胞クローニング、培養および再生についての参考文献としては、Payneら(1992)Plant Cell and Tissue Culture in Liquid Systems、John Wiley & Sons,Inc.New York,NY(Payne);ならびにGamborgおよびPhillips(編)(1995)Plant Cell,Tissue and Organ Culture;Fundamental Methods Springer
Lab Manual,Springer−Verlag(Berlin Heidelberg New York)(Gamborg)が挙げられる。種々の細胞培養培地がAtlasおよびParks(編)The Handbook of Microbiological Media(1993)CRC Press,Boca Raton,FL(Atlas)に記載されている。植物細胞培養についてのさらなる情報は、Sigma−Aldrich,Inc.(St Louis,MO)からのLife Science Research Cell Culture Catalogue(1998)(Sigma−LSRCCC)、および例えば、またSigma−Aldrich,Inc.(St Louis,MO)からのPlant Culture Catalogueおよび補遺(1997)(Sigma−PCCS)のような市販の文献に見出される。
例えば、オリゴヌクレオチドがシャッフルされた核酸を増幅するために有用な、当業者にインビトロ増幅方法を指示するに十分な技術の例としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qβレプリカーゼ増幅および他のRNAポリメラーゼ媒介技術(例えば、NASBA)が挙げられる。これらの技術は、Berger、SambrookおよびAusubel(前出)、ならびにMullisら、(1987)米国特許第4,683,202号;PCR Protocols A Guide to Methods and
Applications(Innisら編)、Academic Press Inc.San Diego、CA(1990)(Innis);Arnheim&Levinson(1990年10月1日)C&EN 36−47;The Journal Of NIH Research(1991)3、81−94;Kwohら、(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,1173;Guatelliら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,1874;Lomellら(1989)J.Clin.Chem 35,1826;Landegrenら、(1988)Science 241,1077−1080;Van Brunt(1990)Biotechnology 8、291−294;WuおよびWallace(1989)Gene 4、560;Barringerら(1990)Gene 89,117,ならびにSooknananおよびMalek(1995)Biotechnology 13:563−564に見出される。インビトロで増幅された核酸をクローニングする改善された方法は、Wallaceら、米国特許第5,426,039号に記載される。大きな核酸をPCRによって増幅する改善された方法は、Chengら(1994)Nature 369:684−685およびその中の参考文献にまとめられる。そこでは、40kbまでのPCRアンプリコンが生成される。当業者は、本質的に任意のRNAが、制限消化、PCR拡張、ならびに逆転写酵素およびポリメラーゼを用いた配列決定について適切な、二本鎖DNAに変換され得ることを理解する。Ausubel、SambrookおよびBerger(すべて前出)を参照のこと。1つの好ましい方法において、再アセンブルされた配列を、ファミリー遺伝子シャッフリングオリゴヌクレオチドの取り込みについてチェックする。これは、その核酸をクローニングおよび配列決定することならびに/または制限消化によって(例えば、Sambrook、BergerおよびAusubel(上記)に本質的に教示されるように)なされ得る。さらに、配列は、PCR増幅され得、そして直接配列決定され得る。従って、例えば、Sambrook、Berger、AusubelおよびInnis(前出および上記)に加えて,さらなるPCR配列決定PCR配列決定方法論もまた、特に有用である。例えば、ホウ素化ヌクレアーゼ抵抗性ヌクレオチドをPCRの間にそのアンプリコンに選択的に取り込むこと、およびそのアンプリコンをヌクレアーゼで消化して、大きさ順のテンプレートフラグメントを生成することによって、PCR生成したアンプリコンの直接の配列決定がなされた(Porterら、(1997)Nucleic Acids Research 25(8):1611−1617)。この方法において、1つのテンプレートに対して4回のPCR反応を行った。その各々の反応において、そのPCR反応混合物におけるヌクレオチド三リン酸の1つを、部分的に、2’デオキシヌクレオシド5’−[P−ボラノ]−三リン酸に置換する。このホウ素化ヌクレオチドを、そのテンプレートのPCRフラグメントのネスティドセットにおいて、そのPCRアンプリコンにそって種々の位置で、化学量論的に、PCR産物へ取り込ませる。取り込まれたホウ素化ヌクレオチドによってブロックされるエキソヌクレアーゼを使用して、そのPCRアンプリコンを切断する。次いで、この切断されたアンプリコンを、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて大きさによって分離する。これは、そのアンプリコンの配列を提供する。この方法の1つの利点は、それがPCRアンプリコンのサンガー式の標準的な配列決定を実施するより少ない生化学的操作を使用することである。
(インシリコシャッフリング)
「インシリコ」シャッフリングは、コンピュータアルゴリズムを利用して、コンピュータにおいて遺伝的演算子を用いて「仮想」シャッフリングを行う。本発明に適用する場合、遺伝子配列ストリングを、コンピュータシステムにおいて組換えし、そして例えば、本明細書において記載されるような合成オリゴヌクレオチドのPCRの再アセンブリによって、所望の産物が作製される。インシリコシャッフリングは、詳細には、Selifonovらによる「METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS,POLYNUCLEOTIDES AND POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS」(代理人整理番号02−289−3US、本願に同封する)に記載されている。
手短には、遺伝的演算子(所定の遺伝的事象(例えば、点変異、相同な核酸の2本の鎖の組換えなどを表すアルゴリズム)を使用して、組換えまたは変異事象をモデル化する。これらの事象は、例えば、核酸配列ストリング(例えば、相同な核酸を表すものおよび組換え出力を予測するもののような)を整列すること(標準的な整列ソフトウェアを使用するか、もしくは手動の調査および整列による)によって、1つの以上の核酸において生じ得る。推測された組換え出力を使用して、例えば、オリゴヌクレオチド合成および再アセンブリPCRによって、対応する分子を生成する。
(一体化されたアッセイおよび一体化されたシステム構成要素)
いたるところで記載するように、本発明の1つの好ましい局面は、コンピュータおよび配列整列ソフトウェアを用いた核酸の整列である。同様に、適切なソフトウェアを有するコンピュータを使用して、物理的オリゴヌクレオチド合成の前に、「インシリコ」シャッフリングを実施し得る。さらに、他の重要な一体化されたシステム成分は、高処理スクリーニングアッセイ、ならびにそのようなアッセイを、オリゴヌクレオチド選択、合成および組換えと結びつけることを提供し得る。
当然、関連するアッセイは、その適用に依存する。タンパク質、レセプター、リガンドなどについての多くのアッセイが公知である。形式としては、固定された成分への結合、細胞または生物の生存性、レポーター組成物の産生などが挙げられる。
本発明の高処理アッセイにおいて、数千までの異なるシャッフリング改変体を単一の日でスクリーニングすることが可能である。特に、マイクロタイタープレートの各ウェルを使用して、別個のアッセイを行い得、または、濃度もしくはインキュベーション時間の効果を観察する場合は、5〜10ウェルごとに単一の改変体を試験し得る。従って、単一の標準的なマイクロタイタープレートは、約100(例えば、96)の反応をアッセイし得る。1536ウェルプレートが使用される場合は、単一のプレートは、約100〜約1500の異なる反応を容易にアッセイし得る。1日あたりいくつかの異なるプレートをアッセイすることが可能であり;約6,000〜20,000の異なるアッセイ(すなわち、異なる核酸、コードタンパク質、濃度などを含む)までについてのスクリーニングをアッセイすることは、本発明の一体化されたシステムを用いて可能である。より最近になって、試薬操作についての微小流体アプローチが、例えば、Caliper
Technologies(Mountain View,CA)によって開発されている。
1つの局面において、ライブラリーメンバー(例えば、細胞、ウイルスプラーク、胞子など)が固形培地上で分離されて個々のコロニー(またはプラーク)を産生する。自動化コロニー採取機(例えば、Q−bot、Genetix、U.K.)を用いて、コロニーまたはプラークを同定し、採取し、そして10,000個までの異なる変異体を、2つの3mmガラスボール/ウェルを含む96ウェルマイクロタイターディッシュに接種する。Q−botは、コロニー全体を採取するのではなく、むしろ、そのコロニーの中心を通るピンを挿入し、そして細胞(または菌糸)および胞子(またはプラーク適用においてはウイルス)の小さなサンプリングとともに抜け出る。このピンがそのコロニー内に存在する時間、その培養培地に接種する浸漬物の数、およびそのピンがその培地に存在する時間は各々、接種の大きさをもたらし、そして各々は、制御され得そして最適化され得る。Q−botの均一なプロセスは、人間の手による誤差を減じ、そして培養物を確立する速度を上昇させる(およそ10,000/4時間)。次いで、これらの培養物を、温度および湿度が制御されたインキュベータ中で振盪する。マイクロタイタープレートにおけるガラスボールは、細胞の均一な通気を促進するように作用し、そして醗酵層の羽根と同様に菌糸のフラグメントが分散することを促進するにように作用する。目的の培養物からのクローンを、限界希釈によってクローニングし得る。上記にもまた記載したように、プラークまたは細胞が構成するライブラリーはまた、タンパク質の生産について、ハイブリダイゼーション、タンパク質活性、抗体へのタンパク質の結合などのいずれかを検出することによって、直接スクリーニングされ得る。
多数の周知のロボットシステムもまた、アッセイシステムにおいて有用な溶液相化学について開発されてきている。これらのシステムは、武田薬品工業株式会社(日本国大阪府大阪市)によって開発された自動化合成装置、および科学者によって実施される手動の合成操作を模倣するロボットアーム(Zymate II、Zymark Corporation,Hopkinton,Mass;Orca、Beckman Coulter、Inc.(Fullerton,CA))を利用する多くのロボットシステムのような自動化ワークステーションを含む。任意の上記デバイスが、本発明での使用について、例えば,本明細書において記載した種々のオリゴヌクレオチドセットから集めた分子の高処理スクリーニングのために、適切である。(ある場合)一体化システムに関して本明細書において議論されるように操作し得るような、これらのデバイスの改変の性質および実行は、関連分野の当業者には明白である。
高処理スクリーニングシステムは市販されている(例えば、Zymark Corp.,Hopkinton,MA;Air Technical Industries,Mentor,OH;Beckman Instruments,Inc.Fullerton、CA;Precision Systems,Inc.Natick,MAなどを参照のこと)。これらのシステムは、代表的に、全てのサンプルおよび試薬のピペッティング、液体分配、時限インキュベーション、およびそのアッセイについて適切な検出器におけるマイクロプレートの最終読み取りを含む手順全体を自動化する。これらの構成可能なシステムは、高処理および迅速な起動ならびに高度の可撓性およびカスタム化を提供する。このようなシステムの製造者は、種々の高処理についての詳細なプロトコルを提供する。従って、例えば、Zymark Corp.は、遺伝子転写、リガンド結合などの調節を検出するためのスクリーニングシステムを記載する技術報を提供する。
カメラまたは他の記録デバイス(例えば、光ダイオードおよびデータ記録デバイス)によって可視化される(および必要に応じて記録される)光学イメージは、本明細書における任意の実施態様において必要に応じて、例えば、そのイメージをデジタル処理すること、および/またはそのイメージをコンピュータにおいて記録および分析することによってさらに処理される。例えば、PC(Intel x86またはPentium(登録商標)チップ互換DOSTM、OS2TM、WINDOWSTM、WINDOWS NTTMまたはWINDOWS95TMベースのコンピュータ)、MACINTOSHTM、またはUNIX(登録商標)ベース(例えば、SUMTMワークステーション)のコンピュータを用いて、デジタルビデオまたはデジタル化した光イメージのデジタル化、記録、および分析のための種々の市販の末端装置およびソフトウェアが利用可能である。1つの従来システムは、当該分野において一般に使用される、アッセイデバイスから冷却した電荷結合素子(CCD)カメラへの光を有する。CCDカメラは、画像素子(ピクセル)のアレイを含む。検体からの光は、CCD上で画像化される。その検体の領域(例えば、生物学的ポリマーのアレイ上での個々のハイブリダイゼーション部位)に対応する特定のピクセルをサンプリングして、各位置についての光強度読み取りを入手する。複数のピクセルを並行に処理して、速度を上昇させる。本発明の装置および方法は、例えば、蛍光暗場顕微鏡技術によって任意のサンプルを概観するために、容易に使用される。
本発明におけるアッセイ分析のための一体化システムは、代表的に、配列の整列ソフトウェアを備えたデジタルコンピュータおよび以下の1つ以上を含む:高処理液体制御ソフトウェア、画像分析ソフトウェア、データ解釈ソフトウェアなど。
溶液を供給源から目的地へ移動させるためのロボット液体制御電機子は、デジタルコンピュータに作動可能に連結され、そして入力デバイス(例えば、コンピュータキーボード)は、例えば、ロボット液体制御電機子によって、高処理液体移動、オリゴヌクレオチド合成などを制御するためのデジタルコンピュータへのデータを入力するために使用され得る。画像スキャナは、標識されたアッセイ成分から標識シグナルをデジタル化するために使用され得る。画像スキャナは、画像分析ソフトウェアを接続して、プローブ標識強度の測定を提供する。
当然、これらのアッセイシステムはまた、オリゴヌクレオチド選択構成要素(例えば、コンピュータ、目的の核酸配列を有するデータベース、配列整列ソフトウェア、およびオリゴヌクレオチド選択ソフトウェア)を組み込んだ一体化されたシステムを含み得る。さらに、このソフトウェアは、選択されたオリゴヌクレオチドを注文するため、および/または作動可能に連結されたオリゴヌクレオチド合成機によるオリゴヌクレオチドの合成を指示するための構成要素を含み得る。従って、本発明の一体化システムの構成要素に、必要に応じて、上記の成分のいずれかを備えさせて、高処理組換えおよび選択を容易にする。これらの高処理組換え構成要素が、システムにおいて選択アッセイを実行するための構成要素から別個であり得るか、またはそれら2つが一体化され得ることが認識される。
1つの局面において、本発明は、本明細書において記載される方法を用いて1セットのファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドのようなオリゴヌクレオチドのセットを選択するための指示セットとともに、コンピュータまたはコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。この指示セットは、相同な核酸を整列して、類似性の領域および多様性の領域を同定し(例えば、BLASTのような代表的な整列ソフトウェアにおけるように)、次いで類似性および多様性の領域を包含する重複オリゴヌクレオチドのセットを選択する(必要に応じて、本明細書において記載した重み付け因子(例えば、本明細書における遺伝子混和方法におけるように、組換えされる1つ以上の核酸に対応するオリゴヌクレオチドの優性選択)のいずれかを用いる)。このコンピュータまたはコンピュータ読み取り可能な媒体は、必要に応じて、ユーザによる使用を容易にする特徴を備える(例えば、(例えば、自動化合成機における)そのユーザによるオリゴヌクレオチド選択の入力のための入力場、ユーザーが概観可能な出力を制御するためのディスプレー出力システム(例えば、GUI)、オリゴヌクレオチドの合成を指示する出力ファイルなど)。
(実施例:3つの架橋オリゴを用いたβラクタマーゼのシャッフリング)
本実施例において、2つのβラクタマーゼ遺伝子(CFAMPCおよびFOX)を、3つの架橋オリゴヌクレオチドを用いてシャッフルした。そのオリゴンは、以下の通りであった:
Figure 2010178757
組換え反応を、2μgのDNアーゼ処理したCFAMPCおよびFOX由来のフラグメントを用いて実施した。3つ全てのオリゴを、1×Taq−mix(7070μlのH2O、100μlのTaq緩衝液、600μlのMgCl2(25mM)、80μlのdNTP(100mM))合計容量60μlの反応物に1:1で添加した。
反応を、150ngのプライマー(2×モル濃度)、750ngのプライマー(10×モル濃度)、および1500ng(20×モル濃度)を用いて実施した。20μlのアセンブル混合物を、60μlの1×Taq mixに添加し、94℃(30秒)、40℃(30秒)、および72℃(30秒)での40回のサーマルサイクルを実施した。次いで、得られた産物の1μl、2μl、4μl、および8μlを、βラクタマーゼ遺伝子の末端領域についてのプライマーを用いて、40サイクル(以前と同じサーマルサイクル条件)PCR増幅した。次いで、得られた材料を、Sfiで一晩50℃にて消化し、ゲル精製し、そしてベクターSfi−BLA−Sfi(MG18)に連結し、TG1へと形質転換し、そしてTet20にプレートした。50コロニーを、そのTet20プレートから選択し、そしてコロニーPCRによって増幅した。次いで、PCRアンプリコンを、37℃で一晩HinF1で消化した。制限分析によって、各親の遺伝子について、2つのwt配列、およびに7つの異なる組換え産物(10×モル濃度反応について)または8つの異なるクローン(20×反応について)が産生されたことが示された。
(実施例:オリゴスパイキングによる半合成ライブラリーの作製)
使用される遺伝子は、cry2Aa、cry2Abおよびcry2Acである。DNA整列を、editseq.およびmegalig.を使用するDNA starを用いて行った。オリゴは、50マイクロモル合成(BRL、Lifech)である。アミノ酸260〜630の間の領域についてのオリゴを、cry2Aについて、この領域の多様性に鑑み設計した。オリゴを200μlのH2O中に再懸濁した。これらオリゴは以下のとおりである:
Figure 2010178757
ファミリーシャッフリングを、Crameriら(1998)Bio/techniques 18(2):194−196に記載されるアセンブル混合物へオリゴをスパイクすることを除いて、Crameriら(1995)Nature 391:281−291に記載されるアセンブリ条件を使用して、行う。外側プライマー 1 for ATGAATAATGTATTGAATAおよび1
rev TTAATAAAGTGGTGGAAGATTを用いたPCR反応を、Taq/Pfu(9:1)混合物(QiagenからのTaq,StratageneからのPfu)、PCRプログラム(96℃(30秒)、50℃(30秒)、72℃(1分)を25サイクル)を用いて、行う。この反応物を、10倍希釈し、そしてさらなるサイクルを行う。この遺伝子を、ベクターに連結し、そしてTGIコンピテント細胞へと形質転換し、そしてLB+Amp100プレートにプレートする。単一のコロニーをコロニーPCRのために拾い、次いで限界希釈によって分析する。
(実施例:ライブラリーのオリゴシャッフリング)
オリゴヌクレオチド媒介シャッフリング方法の利点は、目的の遺伝子における多数の異なる部位について生成されたオリゴのライブラリーの間の核酸の組換えを行う能力である。1つの標的遺伝子の異なる領域におけるランダム化の複雑な組合せを有するライブラリーを生成することは、オリゴヌクレオチド媒介シャッフリングアプローチによって容易になる。
例えば、抗体または抗体フラグメント(例えば、単鎖Fv(ScFv)またはFab)の抗原結合部位は、主に、6つの相補的決定領域(CDR)を含む。これらはCDRは、適切に折り畳まれた分子の1つの面に存在するが、直鎖状の遺伝子配列においては別個に存在する。合成オリゴヌクレオチドまたは1つ以上の抗体遺伝子のPCRによって生成されたオリゴヌクレオチドを用いて、個々のCDRでの配列多様性を生成し得る。このプロセスは、第二のCDRを用いて、次いで、第三のCDRを用い、多様性抗体のライブラリーが形成されるまで、反復され得る。DNAシャッフリング形式は、各々のCDRのライブラリーが同時に生成されることを可能とし、そしてCDR間の組換え事象が、頻繁に生じて、異なるCDRのすべての可能な組合せを潜在的に生成するという顕著な利点を有する。改良された形質または特性のための再帰性DNAシャッフリングおよびスクリーニングを使用して、タンパク質機能を最適化し得る。
同様に、多くのサイトカインの三次元構造は、共通の4−ヘリックス束構造を、長い連結ループとともに共有する。これらタンパク質のいくつかのためのレセプター結合部位が決定されており、そして直鎖状遺伝子配列において別個に存在するタンパク質の2以上の領域に位置付けされている。関連するタンパク質のモデリングを使用して、ライブラリーを標的化するために未知のタンパク質の機能的領域を予測し得る。これらの領域の各々におけるライブラリーは、合成オリゴ、ファミリーシャッフリングオリゴ、相同遺伝子のフラグメントまたは本明細書におけるようなそれらの組合せを使用して生成され得る。オリゴヌクレオチド媒介シャッフリングによって、これらの領域の各々におけるライブラリーを同時に生成すること、および各ライブラリー間の組換えを生成することが可能となる。このようにして、各ライブラリーのメンバーの間の組合せは、改良された機能についてスクリーニングされ得る。次いで、改良された機能を有するこれら単離物は、逐次回のDNAシャッフリングに供され得る。このようにして、各ライブラリーにおいて最高の活性を有する単離物および異なるライブラリーのメンバー間の潜在的相互作用が選択され得る。各ライブラリーを独立して最適化する他の方法は、そのような相互作用を単離しないかもしれない。
別の例は、活性部位および基質結合部位が折り畳みタンパク質の三次元構造において互いに近いが、その遺伝子の線形の配列において別個である残基を含む。DNAシャッフリングは、基質と相互作用する各領域において同時にライブラリーを生成し得る。DNAシャッフリングはまた、各ライブラリー間の変化のすべての可能な組合せを生成することを可能とし、そして改良された形質または特性について評価され得る。
請求されるとおりの本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書においてこれまでに記載されてきた方法および材料に対して改変がなされ得、そして、本発明は、多数の異なる使用に供され得る。これは、以下を含む。
ファミリーシャッフリングオリゴヌクレオチドを選択するため(例えば、親の核酸の配列整列を含むプロセスによって)、および反復プロセスにおけるものを含む、シャッフルされた核酸を、活性について試験するための、一体化されたシステムの使用。
本明細書においてこれまでに記載された選択ストラテジー、材料、成分、方法または基質のいずれか1つを利用するアッセイ、キットまたはシステム。キットは、必要に応じて、方法またはアッセイを実施するための指示書、包装材料、アッセイ、デバイスまたはシステム構成要素などを含む1つ以上の容器をさらに備え得る。
さらなる局面において、本発明は、本明細書における方法および装置を具現化するキットを提供する。本発明のキットは、必要に応じて、以下のうち1つ以上を備える:(1)本明細書において記載されるような組換え成分;(2)本明細書において記載される方法を実施するため、および/または本明細書におけるオリゴヌクレオチド合成またはアセンブルされた遺伝子選択手順を実行するための指示書;(3)1つ以上のアッセイ成分;(4)核酸または酵素、他の核酸、トランスジェニック植物、動物、細胞などを保持するための容器、(5)包装材料、ならびに(6)標的核酸を整列するため、およびハイブリダイゼーションおよび伸長の際に、その標的核酸のシャッフリング形態を生ずるオリゴヌクレオチドを選択するための指示書を備える、コンピュータまたはコンピュータ読み取り可能な媒体。
さらなる局面において、本発明は、本明細書における任意の成分またはキットの使用、本明細書における任意の方法またはアッセイの実施、および/あるいは本明細書における任意のアッセイもしくは方法を実施するための任意の装置またはキットの使用を提供する。
上記の本発明は、明確さおよび理解の目的のためにいくらか詳細に記載されているが、本開示を読めば、形態および詳細における種々の変更が、本発明の真の範囲を逸脱することなくなされ得ることは、当業者には明らかである。例えば、上記に記載のすべての技術および材料は、種々の組合せにおいて使用され得る。本願において引用された全ての刊行物および特許文献は、各個々の刊行物または特許文献が個々にそのように示されるのと同じ程度に、全ての目的でその全体が参考として援用される。

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  1. 核酸を組換える方法。
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