JP2010171950A - 撮像装置および撮像装置の色補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
赤外線カットフィルタを光路上から抜き差しする切り替え機構を必要とせずに、夜間等の暗時での高感度撮影を可能とし、昼間等の明時での色再現性を向上することが可能な撮像装置および撮像装置の色補正方法を提供する。
【解決手段】
レンズ系(光学系)11、カラーフィルタを介して得られる被写体像を撮像する撮像素子12と、撮像素子12で撮像した画像情報から色温度を推定する色温度推定部16と、撮像素子12で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う色補正部17と、を有し、色補正部17はマトリクス演算処理を推定した色温度によって決定されるリニアマトリクスLおよび補正マトリクスCを用いた式[S’=L・S+C]に従って行う。Sは色補正前のカラーフィルタの信号を、S’は色補正後のカラーフィルタの信号を示す。
【選択図】図1
赤外線カットフィルタを光路上から抜き差しする切り替え機構を必要とせずに、夜間等の暗時での高感度撮影を可能とし、昼間等の明時での色再現性を向上することが可能な撮像装置および撮像装置の色補正方法を提供する。
【解決手段】
レンズ系(光学系)11、カラーフィルタを介して得られる被写体像を撮像する撮像素子12と、撮像素子12で撮像した画像情報から色温度を推定する色温度推定部16と、撮像素子12で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う色補正部17と、を有し、色補正部17はマトリクス演算処理を推定した色温度によって決定されるリニアマトリクスLおよび補正マトリクスCを用いた式[S’=L・S+C]に従って行う。Sは色補正前のカラーフィルタの信号を、S’は色補正後のカラーフィルタの信号を示す。
【選択図】図1
Description
本発明は、CCD,CMOSセンサなどの固体撮像素子を有する撮像装置および撮像装置の色補正方法に関するものである。
一般的に撮像装置は、入射光を結像するレンズと、レンズにより結像した光学像を電気信号に変換する固体撮像素子と、固体撮像素子から得られた電気信号に信号処理を施すことにより所定の電気信号を得る信号処理部を有している。
通常、固体撮像素子は、たとえば、相補性金属酸化膜半導体(CMOS:Complementary Metal-oxide Semiconductor)センサや電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)等が使用される。
色の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号を得る場合には、R、G、Bに対応する光の帯域を透過させる原色フィルタの場合と、マゼンダ(Mg)、シアン(Cy)、イエロー(Ye)、緑(G)の補色フィルタを色分離フィルタとして用いる場合がある。
これらの色分離フィルタはいずれの場合も染料、もしくは顔料を用いて目的の色を透過するように形成される。ただし、色分離フィルタは、目的の色の透過機能を有すると同時に赤外領域も一定の割合で透過率を有してしまう。
一方、人間の色に対する視感度特性は可視領域と呼ばれる380nmから780nmまでの感度特性を持っていると言われている。また、近赤外領域は780nmから2500nmまでの波長を、赤外領域葉2500nm以上の波長を有している。これらの光は、直接肉眼で見ることはできないが、デジタルカメラやビデオカメラのモニタなどでは見ることができる。
そのため、撮像装置には、人間の目にあわせるために、一般的に赤外および近赤外領域の光線をカットする赤外線カットフィルタ(IRCF:Infrared Ray Cut Filter)を備える必要がある。
このように、一般的な撮像装置は、固体撮像素子の光入射側に近赤外領域および赤外領域の光線を通さない赤外線カットフィルタを備えている。
一方、たとえば監視カメラや車載カメラ等のように、特に夜間での感度も重視する場合は、近赤外領域の光を利用するために、赤外線カットフィルタIRCFを取り外すことが一般に知られている。
また、赤外線カットフィルタIRCFを設置せず、マトリクス演算を行うことにより色再現性を向上する技術も提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、赤外線カットフィルタIRCFを移動させる機構は、撮像素子を含むユニットの小型化に不利であり、また落下や振動による故障が起こる可能性が高く、信頼性が必要とされる製品には問題がある。
また、特許文献1に開示された撮像装置は、彩度の足りない画像に対しては所望の色が再現されない場合がある。
本発明は、赤外線カットフィルタを光路上から抜き差しする切り替え機構を必要とせずに、夜間等の暗時での高感度撮影を可能とし、昼間等の明時での色再現性を向上することが可能な撮像装置および撮像装置の色補正方法を提供することにある。
本発明の第1の観点の撮像装置は、光学系と、分光特性の異なる複数のカラーフィルタと、前記光学系および前記カラーフィルタを介して得られる被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う色補正部と、を有し、前記色補正部は、前記マトリクス演算処理を、色温度によって決定するリニアマトリクスおよび補正マトリクスを用いた以下の式に従って行う。
S’=L・S+C
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス
好適には、前記色温度の入力手段を有する。
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス
好適には、前記色温度の入力手段を有する。
好適には、前記撮像素子で撮像した画像情報から前記色温度を推定する色温度推定部を有する。
好適には、前記撮像素子で撮像した画像のホワイトバランス情報を取得するホワイトバランス情報取得部を有し、前記色温度推定部は、前記ホワイトバランス情報から色温度を推定する。
好適には、前記ホワイトバランス情報取得部は、前記各カラーフィルタを介して得られる画素からの出力値を当該出力値のうちの最大値で除した商、または当該商の逆数をホワイトバランス比とし、当該ホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有する。
好適には、前記ホワイトバランス情報取得部は、全画面において前記各カラーフィルタを介して得られるカラー毎の積分値を当該積分値のうちの最大値で除した商、または当該商の逆数をホワイトバランス比とし、当該ホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有する。
好適には、前記ホワイトバランス情報取得部は、画面の白い部分を選択した画像において、前記各カラーフィルタを介して得られるカラー毎の積分値を当該積分値のうちの最大値で除した商、または当該商の逆数をホワイトバランス比とし、当該ホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有する。
好適には、色温度推定部は、前記ホワイトバランス情報として前記ホワイトバランス比を用いる。
好適には、前記色温度推定部は、前記ホワイトバランス情報から推定した色温度に対応するリニアマトリクスと補正マトリクスを決定するためのルックアップテーブルを有する。
好適には、前記複数のカラーフィルタが、赤(R)、緑(G)、および青(B)のカラーフィルタを含む。
好適には、前記複数のカラーフィルタが、マゼンタ(Mg)、シアン(Cy)、イエロー(Ye)、および緑(G)のカラーフィルタを含む。
好適には、前記色補正部は、下記式に従った色補正処理を行う。
本発明の第2の観点の撮像装置の色補正方法は、光学系および分光特性の異なる複数のカラーフィルタを介して撮像素子により被写体像を撮像する第1ステップと、前記撮像素子で撮像した画像情報から色温度を推定する第2ステップと、前記撮像素子で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う第3ステップと、を有し、前記第3ステップにおいて、前記マトリクス演算処理を、前記推定した色温度によって決定するリニアマトリクスおよび補正マトリクスを用いて以下の式に従って行う。
S’=L・S+C
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス
本発明によれば、赤外線カットフィルタを光路上から抜き差しする切り替え機構を必要とせずに、夜間等の暗時での高感度撮影を可能とし、昼間等の明時での色再現性を向上することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
図1および図9は、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図である。
本撮像装置10は、図1に示すように、レンズ系(光学系)11、撮像素子12、カラーフィルタ群13、フロントエンド部14、ホワイトバランス情報取得部15、色温度推定部16、および色補正部17を有する。
レンズ系11は、被写体OBJの像を、カラーフィルタ群13を通して撮像素子12の撮像面に結像する。
撮像素子12は、CCDやCMOSセンサにより形成され、複数の画素がマトリクス状に配列されている。
撮像素子12は、カラーフィルタを透過した光に対応する色の画像信号を生成し、生成した各色の画像信号をフロントエンド部14に出力する。
カラーフィルタ群13は、複数の色のカラー(色)フィルタを含み、撮像素子12の撮像面の光入射側に配置されている。
カラーフィルタ群13は、可視領域において、少なくとも3色以上のカラーフィルタを有する。
本実施形態では、カラーフィルタ群13が、3色または4色のカラーフィルタを有する場合を例に説明する。
そして、本実施形態では、撮像素子12の画素配列として、図2に示すような、2×2のマトリクス配列された4つの画素PXLを、一組の単位画素UPXLとした場合を例に説明する。
以下に、3色または4色のカラーフィルタにより形成される単位フィルタUFLTの構成例を示す。
図3は、本実施形態の3色のカラーフィルタにより形成される単位フィルタの一例を示す図である。
図3の単位フィルタUFLT1は、図2の単位画素UPXLに対応して2×2のマトリクス配列された3色のカラーフィルタにより形成される。
具体的には、単位フィルタUFLT1は、色の三原色である赤(R)フィルタRFLT、2つの緑(G)フィルタGFLT、青(B)フィルタBFLTを有する。
この単位フィルタUFLT1は、いわゆるベイヤ配列に対応している。
図4は、本実施形態の4色のカラーフィルタにより形成される単位フィルタの配置例を示す図である。
図4の単位フィルタUFLT2は、図2の単位画素UPXLに対応して2×2のマトリクス配列された4色のカラーフィルタにより形成される。
具体的には、単位フィルタUFLT2は、補色となるシアン(Cyan:Cy)フィルタCFLT、マゼンダ(Magenda:Mg)フィルタMFLT、イエロー(Yellow:Ye)YFLTを有する。
そして、単位フィルタUFLT2は、色の三原色となる赤(R)、緑(G)、青(B)
うちの1色で形成される原色フィルタPCFLTにより形成される。
うちの1色で形成される原色フィルタPCFLTにより形成される。
本実施形態においては、原色フィルタPCFLTとしてGフィルタGFLTが適用される。
説明の簡略化のため、以下、RGBの原色のカラーフィルタを備えた撮像素子を使用する場合を例に説明することとする。
フロントエンド部14は、撮像素子12による、たとえばR、G、Bの画像信号のノイズ成分を除去するための相関2重サンプリング(CDS)処理、ゲインコントロール処理、およびデジタル変換処理を施し、デジタル信号に変換されたR、G、Bの画像信号をホワイトバランス情報取得部15に出力する。
ホワイトバランス情報取得部15は、フロントエンド部14により供給される撮像素子12で撮像した画像のホワイトバランス情報を取得し、取得したホワイトバランス情報を色温度推定部16に出力し、R、G、Bの画像信号を色補正部17に出力する。
ホワイトバランス情報取得部15は、ホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有し、各カラーフィルタを介して得られる画素からの出力値をこの出力値のうちの最大値で除した商、またはこの商の逆数をホワイトバランス比とする。
あるいは、ホワイトバランス情報取得部15は、全画面からホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有し、前記各カラーフィルタを介して得られるカラー毎の積分値をこの積分値のうちの最大値で除した商、またはこの商の逆数をホワイトバランス比とする。
あるいは、ホワイトバランス情報取得部15は、画面の白い部分を選択した画像からホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有し、選択した白い部分の画像において、各カラーフィルタを介して得られるカラー毎の積分値をこの積分値のうちの最大値で除した商、またはこの商の逆数をホワイトバランス比とする。
図1に示すホワイトバランス情報取得部15は、R画像信号、G画像信号、B画像信号を積算したΣR、ΣG、ΣBを用い、ΣR、ΣBをΣGで除算した、ΣR/ΣG、ΣB/ΣGの値をホワイトバランス比として表す。
色温度推定部16は、ホワイトバランス情報取得部15で取得されたホワイトバランス情報から色温度を推定する。
色温度推定部16は、ホワイトバランス比から色温度を推定し、推定した色温度に関連付けて色補正部17で色補正に用いるリニアマトリクスLと補正マトリクスCを決定する。
図5は、色温度とホワイトバランス比ΣR/ΣG、ΣB/ΣGの関係を説明するための説明図である。
図5において、横軸はΣR/ΣG、縦軸はΣB/ΣGを示し、各色温度に対応する点を○で示している。
ホワイトバランス比ΣR/ΣGが大きく、ホワイトバランス比ΣB/ΣGが小さいほど色温度が高く、ホワイトバランス比ΣR/ΣGが小さく、ホワイトバランス比ΣB/ΣGが大きいほど色温度が低い。
図5の例においては、色温度6500度K、5000度K、3000度Kの場合が例示されている。
色温度推定部16は、ホワイトバランス情報から推定した色温度に対応するリニアマトリクスLと補正マトリクスCを決定するためのルックアップテーブルLUTを有する。
図6は、本実施形態に係るルックアップテーブルの一例を示す図である。
色温度推定部16は、上述したように、カラーフィルタの値から色温度を推定し、推定した色温度に関連付けてリニアマトリクスLおよび補正マトリクスCを決定する。
図6の例において、たとえば色温度6500度Kと推定した場合には色温度推定部16は、リニアマトリクスLおよび補正マトリクスCの各パラメータを以下のように選択する。
色温度推定部16は、色温度を6500度Kと推定した場合、リニアマトリクスLのKrrは0.6、Krgは0.4、Krbは−0.1、Kgrは−0.2、Kggは1.2、Kgbは0.0、Kbrは−0.2、Kbgは0.1、Kbbは1.0とする。
色温度推定部16は、色温度を6500度Kと推定した場合、補正マトリクスCのCrは−3.0、Cgは−1.9、Cbは−0.9とする。
色温度推定部16は、色温度を5000度Kと推定した場合、リニアマトリクスLのKrrは0.4、Krgは1.0、Krbは−0.1、Kgrは−1.1、Kggは2.6、Kgbは−0.1、Kbrは−1.0、Kbgは0.2、Kbbは2.2とする。
色温度推定部16は、色温度を5000度Kと推定した場合、補正マトリクスCのCrは34.0、Cgは40.0、Cbは50.0とする。
色温度推定部16は、色温度を3000度Kと推定した場合、リニアマトリクスLのKrrは1.4、Krgは0.1、Krbは−0.7、Kgrは−1.7、Kggは3.0、Kgbは−0.3、Kbrは−2.4、Kbgは2.2、Kbbは1.3とする。
色温度推定部16は、色温度を3000度Kと推定した場合、補正マトリクスCのCrは−10.0、Cgは40.0、Cbは40.0とする。
色補正部17は、撮像素子12で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う。
色補正部17は、マトリクス演算処理を、色温度推定部16で推定した色温度によって決定されるリニアマトリクスLおよび補正マトリクスCを用いて以下の式に従って行う
S’=L・S+C
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス
色補正部17は、具体的には、次式に従った色補正処理を行う。
S’=L・S+C
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス
色補正部17は、具体的には、次式に従った色補正処理を行う。
次に、図1の構成による動作を説明する。
レンズ系(光学系)11を介して入射された光がカラーフィルタ群13を介して撮像素子12に集光される。撮像素子12は、入射した光に対応する色の画像信号がフロントエンド部14に出力される。
ここで、カラーフィルタ群13において、レンズ系(光学系)11を通過した光は、RフィルタRFLT、GフィルタGFLT、BフィルタBFLTを透過し、それぞれのフィルタに対応する光電変換素子(フォトダイオード)において受光される。
フォトダイオードでは、受光した光の光電変換が行われ、各々の出力信号がR画像信号、G画像信号、B画像信号として生成され、フロントエンド部14に出力される。
フロントエンド部14においては、撮像素子12から供給された出力信号に対して、たとえば、ノイズ成分を除去するための相関2重サンプリング処理、ゲインコントロール処理、およびデジタル変換処理が施され、処理された画像信号がホワイトバランス情報取得部15に出力される。
ホワイトバランス情報取得部15においては、フロントエンド部14から供給された出力画像信号のホワイトバランス比が算出され、色温度推定部16にホワイトバランス比情報が出力される。
ホワイトバランス比は、R画像信号、G画像信号、B画像信号を積算したΣR、ΣG、ΣBを用い、ΣR、ΣBをΣGで除算した、ΣR/ΣG、ΣB/ΣGの値を表す。
また、ホワイトバランス情報取得部15では、ホワイトバランス比の逆数が各R画像信号、G画像信号、B画像信号に積算され、ホワイトバランスが調整される。
色温度推定部16においては、ホワイトバランス比から色温度が推定され、ルックアップテーブルLUTを参照して色温度に応じてリニアマトリクスLと補正マトリクスCが選択され、色補正部17にリニアマトリクスLと補正マトリクスCが出力される。
色補正部17においては、色温度推定部16により選択されたリニアマトリクスLと補正マトリクスCを用いて色信号の補正が行われる。
ここで、リニアマトリクスのみを用いた場合と、本実施形態のようにリニアマトリクスと補正マトリクスを用いた場合の色再現性について、図7および図8に関連付けて考察する。
図7は、リニアマトリクスのみを用いた場合の色再現性について説明するための図である。
図8は、本実施形態のように、リニアマトリクスと補正マトリクスを用いた場合の色再現性を説明するための図である。
図7および図8において、横軸はa、縦軸はbを表す。
ここで、aおよびbは、R画像信号、G画像信号、B画像信号をL*a*b表色系で表した際のaおよびbを表す。
図7のリニアマトリクスのみを用いた場合よりも、図8のリニアマトリクスに補正マトリクスを追加した方が、IRCFがある場合の色に近づいており、色再現が良好であることが分かる。
以上説明したように、本実施形態によれば、撮像装置10は、レンズ系(光学系)11と、分光特性の異なる複数のカラーフィルタを含むカラーフィルタ群13と、レンズ系(光学系)11とカラーフィルタを介して得られる被写体像を撮像する撮像素子12とを有する。
撮像素子10は、さらに撮像素子で撮像した画像のホワイトバランス情報を取得するホワイトバランス情報取得部15と、ホワイトバランス情報から色温度を推定する色温度推定部16と、撮像素子で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う色補正部17と、を有する。
そして、色補正部17は、マトリクス演算処理を推定した色温度によって決定するリニアマトリクスLおよび補正マトリクスCを用いた式[S’=L・S+C]に従って行う。Sは色補正前のカラーフィルタの信号を、S’は色補正後のカラーフィルタの信号を示す。
また、図9に示すように色温度の入力手段を有して、そこから得られた色温度によって同様に色補正部17でリニアマトリクスLおよび補正マトリクスCを決定して、色補正を行うことも可能である。
撮像装置10aの例では入力手段として入力スイッチ18を備える。操作者がこの入力スイッチ18を操作して色温度情報を設定すると、ルックアップテーブルLUTを参照して色温度に応じてリニアマトリクスLと補正マトリクスCが選択され、色補正部17にリニアマトリクスLと補正マトリクスCが出力される。
撮像装置10bの例では入力手段として色温度検知センサ19を備える。この色温度検知センサは近赤外領域やあるいは赤外領域まで感度を有する必要がある。色温度検知センサ19によって被写体の色温度を検知し、ルックアップテーブルLUTを参照して色温度に応じてリニアマトリクスLと補正マトリクスCが選択され、色補正部17にリニアマトリクスLと補正マトリクスCが出力される。
したがって、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
赤外線カットフィルタを光路上から移動させる駆動部を必要とせずに、人間の視感度特性に合致する撮像装置を実現することが可能である。
すなわち、赤外カットフィルタを用いずに、色温度の入力手段や撮影画像から得られるホワイトバランス情報によって色情報を推定することで感度と色再現性を両立させることから、赤外カットフィルタも必要なければ、それを出し入れする機構不要であり、コストダウンや小型化に貢献できる。
また、赤外カットフィルタ有りと無しの両方の画像を必要とすることがなくなるため、それらの撮影間のタイムラグが、被写体が静止していない限り問題となることもなくなる。
以上のように、本実施形態によれば、赤外線カットフィルタを光路上から抜き差しする
切り替え機構を必要とせずに、夜間等の暗時での高感度撮影を可能とし、昼間等の明時での色再現性を向上することが可能となる。
切り替え機構を必要とせずに、夜間等の暗時での高感度撮影を可能とし、昼間等の明時での色再現性を向上することが可能となる。
なお、以上詳細に説明した方法は、上記手順に応じたプログラムとして形成し、CPU等のコンピュータで実行するように構成することも可能である。
また、このようなプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体、この記録媒体をセットしたコンピュータによりアクセスし上記プログラムを実行するように構成可能である。
10・・・撮像装置
11・・・レンズ系(光学系)
12・・・撮像素子
13・・・カラーフィルタ群
14・・・フロントエンド部
15・・・ホワイトバランス情報取得部
16・・・色温度推定部
17・・・色補正部
LUT・・・ルックアップテーブル
11・・・レンズ系(光学系)
12・・・撮像素子
13・・・カラーフィルタ群
14・・・フロントエンド部
15・・・ホワイトバランス情報取得部
16・・・色温度推定部
17・・・色補正部
LUT・・・ルックアップテーブル
Claims (13)
- 光学系と、
分光特性の異なる複数のカラーフィルタと、
前記光学系および前記カラーフィルタを介して得られる被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う色補正部と、を有し、
前記色補正部は、
前記マトリクス演算処理を、色温度によって決定するリニアマトリクスおよび補正マトリクスを用いた以下の式に従って行う
撮像装置。
S’=L・S+C
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス - 前記色温度の入力手段を有する請求項1に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子で撮像した画像情報から前記色温度を推定する色温度推定部を有する請求項1に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子で撮像した画像のホワイトバランス情報を取得するホワイトバランス情報取得部を有し、
前記色温度推定部は、
前記ホワイトバランス情報から色温度を推定する
請求項3記載の撮像装置。 - 前記ホワイトバランス情報取得部は、
前記各カラーフィルタを介して得られる画素からの出力値を当該出力値のうちの最大値で除した商、または当該商の逆数をホワイトバランス比とし、当該ホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有する
請求項4記載の撮像装置。 - 前記ホワイトバランス情報取得部は、
全画面において前記各カラーフィルタを介して得られるカラー毎の積分値を当該積分値のうちの最大値で除した商、または当該商の逆数をホワイトバランス比とし、
当該ホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有する
請求項4記載の撮像装置。 - 前記ホワイトバランス情報取得部は、
画面の白い部分を選択した画像において、前記各カラーフィルタを介して得られるカラー毎の積分値を当該積分値のうちの最大値で除した商、または当該商の逆数をホワイトバランス比とし、
当該ホワイトバランス比を用いてホワイトバランスを調整する機能を有する
請求項4記載の撮像装置。 - 色温度推定部は、
前記ホワイトバランス情報として前記ホワイトバランス比を用いる
請求項4から7のいずれか一に記載の撮像装置。 - 前記色温度推定部は、
前記ホワイトバランス情報から推定した色温度に対応するリニアマトリクスと補正マトリクスを決定するためのルックアップテーブルを有する
請求項8記載の撮像装置。 - 前記複数のカラーフィルタが
赤(R)、緑(G)、および青(B)のカラーフィルタを含む
請求項1から9のいずれか一に記載の撮像装置。 - 前記複数のカラーフィルタが、
マゼンタ(Mg)、シアン(Cy)、イエロー(Ye)、および緑(G)のカラーフィルタを含む
請求項1から9のいずれか一に記載の撮像装置。 - 前記色補正部は、下記式に従った色補正処理を行う
請求項1から11のいずれか一に記載の撮像装置。
- 光学系および分光特性の異なる複数のカラーフィルタを介して撮像素子により被写体像
を撮像する第1ステップと、
前記撮像素子で撮像した画像情報から色温度を推定する第2ステップと、
前記撮像素子で撮像した画像にマトリクス演算処理を施して色補正を行う第3ステップと、を有し、
前記第3ステップにおいて、
前記マトリクス演算処理を、前記推定した色温度によって決定するリニアマトリクスおよび補正マトリクスを用いて以下の式に従って行う
撮像装置の色補正方法。
S’=L・S+C
ただし、
S :色補正前のカラーフィルタの信号
S’:色補正後のカラーフィルタの信号
L :リニアマトリクス
C :補正マトリクス
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JP2009282543A JP2010171950A (ja) | 2008-12-25 | 2009-12-14 | 撮像装置および撮像装置の色補正方法 |
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