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JP2010171023A - 異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに実装体及びその製造方法 - Google Patents

異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに実装体及びその製造方法 Download PDF

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JP2010171023A JP2010107491A JP2010107491A JP2010171023A JP 2010171023 A JP2010171023 A JP 2010171023A JP 2010107491 A JP2010107491 A JP 2010107491A JP 2010107491 A JP2010107491 A JP 2010107491A JP 2010171023 A JP2010171023 A JP 2010171023A
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Abstract

【課題】接続端子の密度が領域によって異なる電子部品に対して良好な粒子捕捉性を得る。
【解決手段】一部に磁界を印加した剥離基材12上に磁性体を含む導電性粒子13を含有する樹脂組成物を塗布し、剥離基材12上の樹脂組成物を乾燥させ、面内に、導電性粒子が分散された第1の領域21と、第1の領域21よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域22とを有する樹脂層を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、導電性粒子が分散された異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに実装体及びその製造方法に関する。
近年、半導体の集積回路の飛躍的な向上により、配線パターンのファインピッチ化、バンプの狭バンプ化が促進され、接続媒体として導電性粒子が分散された異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)が好ましく用いられる。
このような接続端子のファインピッチ化に対して、特許文献1、2には、圧着工程中に磁界を印加し、また、特許文献3には、ACFの乾燥工程で溶媒を揮発させる段階で磁界を印加することにより、導電性粒子間の絶縁性を確保してショートを防ぐことが開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載された異方性導電フィルムは、フィルムのバインダーに導電性粒子が均一に分散されているので、例えば、入力側の接続端子の密度と出力側の接続端子の密度とが異なるような電子部品に対しては、良好な粒子捕捉性を得ることが困難である。
特開平6−69643号公報 特開2008−231405号公報 特開2003−187885号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、接続端子の密度が領域によって異なる電子部品に対して良好な粒子捕捉性が得られる異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに実装体及びその製造方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明に係る異方性導電フィルムは、面内に、導電性粒子が分散された第1の領域と、第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る異方性導電フィルムの製造方法は、剥離基材上に磁性体を含む導電性粒子を含有する樹脂組成物を塗布する塗布工程と、剥離基材上の樹脂組成物を乾燥させる乾燥工程とを有し、塗布工程及び/又は乾燥工程では、第2の領域を形成する位置に磁界を印加し、面内に、導電性粒子が分散された第1の領域と、第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る実装体は、接続端子が形成された第1の端子領域と、第1の端子領域よりも単位面積あたりの接続端子が多い第2の端子領域とを有する電子部品と、電子部品の接続端子に対応する電極を有する基板とを備え、面内に、導電性粒子が分散された第1の領域と、第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層からなる異方性導電フィルムが、接続端子と接続端子に対応する電極との間に、第1の領域及び第2の領域がそれぞれ第1の端子領域及び第2の端子領域に位置して挟まれ、電子部品の接続端子と基板の電極とが電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る実装体の製造方法は、接続端子が形成された第1の端子領域と、第1の端子領域よりも単位面積あたりの接続端子が多い第2の端子領域とを有する電子部品と、電子部品の接続端子に対応する電極を有する基板とが電気的に接続された実装体の製造方法であって、面内に、導電性粒子が分散された第1の領域と、第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層からなる異方性導電フィルムを、接続端子と接続端子に対応する電極との間に、第1の領域及び第2の領域をそれぞれ第1の端子領域及び第2の端子領域に位置させて挟み、電子部品と基板とを加熱加圧し、電子部品の接続端子と基板の電極とを電気的に接続することを特徴とする。
本発明によれば、接続端子の密度が領域によって異なる電子部品に対して良好な粒子捕捉性を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る異方性導電フィルムを示す断面図である。 異方性導電フィルムの製品形態の一例を模式的に示す図である。 異方性導電フィルムの製造方法の塗布工程及び乾燥工程を説明するための図である。 電子部品を搭載する表示パネルの構成例を示す図である。 本実施の形態に係る異方性導電フィルムを用いた電子部品の実装方法を説明するための図である。 従来の異方性導電フィルムを用いた電子部品の実装方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.異方性導電フィルム
2.異方性導電フィルムの製造方法
3.実装体及びその製造方法
4.実施例
<1.異方性導電フィルム>
図1は、本発明の一実施の形態に係る異方性導電フィルムを示す断面図である。この異方性導電フィルム10は、導電性粒子13を含む樹脂層11と、剥離フィルム12とを備える。
樹脂層11は、面内に、導電性粒子13が分散された第1の領域21と、第1の領域21よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域22とを有する。具体的には、樹脂層11が、幅方向に第1の領域21と第2の領域22とに分割され、長さ方向に伸びている。
ここで、第1の領域21と第2の領域22との単位面積あたりの導電性粒子数の比(第2の領域22/第1の領域21)が、1.0より大きい範囲を適宜使用することができ、好ましくは1.0より大きく2.0以下、更に好ましくは、1.05〜1.22の範囲である。粒子密度の比(第2の領域22/第1の領域21)が1.0より大きいことにより、入力側の接続端子の密度と出力側の接続端子の面積、密度とが異なるような電子部品に対し、第2の領域22における導電性粒子13の捕捉率を向上させ、接続信頼性を向上させることができる。また、粒子密度の比(第2の領域22/第1の領域21)が2.0以下であることにより、第2の領域22におけるショートの発生を防ぐとともに、第1の領域21における接続信頼性を確保することができる。ここで、導電性粒子の捕捉率は、電子部品と基板との接合前後における接続端子(バンプ)の単位面積あたりの導電性粒子の数の比を意味する。
第1の領域21と第2の領域22との単位面積あたりの導電性粒子数の比(第2の領域22/第1の領域21)が1.0であると、当然に従来例と同様になり、入力側の接続端子の密度と出力側の接続端子の面積、密度とが異なるような電子部品に対し、良好な接続信頼性を向上させることができない。一方、第1の領域21と第2の領域22との単位面積あたりの導電性粒子数の比(第2の領域22/第1の領域21)が2.0より大きいと、第1と第2の領域で粒子密度の差が付き過ぎ、粒子密度が高い領域ではショートが発生し、他方の粒子密度が低い領域では接続信頼性の低下が引き起こされる。
また、第2の領域22において、樹脂層11の一方の面には、導電性粒子13が偏って分布している。すなわち、樹脂層11の導電性粒子13は、x、y、z直交座標におけるxy平面を剥離フィルム12面とし、y軸方向を長さ方向としたとき、x軸方向及びz軸方向(厚さ方向)に導電性粒子13が局在化している。
電子部品と基板と接続の際、導電性粒子13が偏って分布する面を基板側に配置することにより、第2の領域22において、電子部品側の樹脂は、接続端子(バンプ)の押圧力により流動し、基板側の樹脂は、導電性粒子13が高密度に含まれているため、バンプの押圧力による流動が制限される。よって、第2の領域22では、導電性粒子13を高い捕捉率で捕捉することができるため、第1の領域21よりもファインピッチ化された接続端子(電極)に対応することができる。
剥離フィルム12は、例えば、シリコーンなどの剥離剤をPET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などに塗布した積層構造からなり、樹脂層11の乾燥を防ぐとともに、樹脂層11の形状を維持する。
導電性粒子13としては、例えば、ニッケル、金、銅などの金属粒子、樹脂粒子に金めっきなどを施したものなどを用いることができる。特に、後述のように製造時に磁界を印加する場合、磁性体を含む導電性粒子13が用いられ、例えば、磁界の影響を受け易い(磁性を有する)Niを含む、樹脂コアNi/Auメッキ粒子、樹脂コアNiメッキ粒子などを好ましく用いることができる。
このような構成からなる異方性導電フィルム10によれば、例えば、入力側の接続端子の密度と出力側の接続端子の密度とが異なるような電子部品と基板との端子間において、面方向の隣接端子間では電気的絶縁性を保ちつつ、上下端子間では電気的に導通させることができる。
図2は、異方性導電フィルムの製品形態の一例を模式的に示す図である。この異方性導電フィルム30は、剥離基材12上の樹脂層11がテープ状に成型されている。このテープ状の異方性導電フィルム30は、第1及び第2のフランジに挟持された巻取部31に剥離基材12が外周側となるように巻回積層されている。また、樹脂層11が、幅方向に第1の領域21と第2の領域22とに分割され、長さ方向に巻回積層されていてよい。また、上記ではスリット後のテープ形状について説明したが、スリット前の状態における第1の領域、第2の領域のそれぞれをスリットすることで、1本のスリット前フィルムから粒子密度の異なる複数のテープ状の異方性導電フィルムを作製することができ、生産技術的なメリットも有する。
このように異方性導電フィルム30が巻き取られたリール製品として提供される場合、樹脂層11の第2の領域22下の剥離基材12が磁性シートであることが好ましい。磁性シートとしては、有機樹脂、硬化剤、種々の磁性粉を配合し樹脂組成物を調整後、熱プレスによる硬化処理をしたもの等を好適に使用することができる。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好適に使用される。磁性粉としては、軟磁性金属、フェライト等が好適に使用される。硬化剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂を適宜硬化できる化合物を使用することができる。
剥離基材12と併せて、磁性シートを第2の領域22下に配置することにより、保管時の温度変化に対しても樹脂層11における第1の領域21と第2の領域22との導電性粒子13の密度を維持することができる。なお、異方性導電フィルムは、上述のようなリール形状に限られるものではなく、短冊形状であってもよい。また、樹脂層11の剥離基材12側とは反対側の面に透明なカバーフィルムを有する構成としてもよい。
<2.異方性導電フィルムの製造方法>
次に、上述した異方性導電フィルムの製造方法について説明する。なお、上述した異方性導電フィルムに対応する部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態における異方性導電フィルムの製造方法は、剥離基材12上に磁性体を含む導電性粒子を含有する樹脂組成物を塗布する塗布工程と、剥離基材12上の樹脂組成物を乾燥させ、面内に、導電性粒子13が分散された第1の領域21と、第1の領域21よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域22とを有する樹脂層11を形成する乾燥工程とを有する。
塗布工程では、剥離基材12上に樹脂組成物を調整後、バーコーター、塗布装置等を用いて塗布する。樹脂組成物は、磁性体を含む導電性粒子13、膜形成樹脂と、液状エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、シランカップリング剤とを少なくとも含有し、これらを有機溶剤に溶解させて得られる。
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の種々の樹脂を使用することができ、その中でも膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
液状エポキシ樹脂としては、常温で流動性を有していれば、特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂が全て使用可能である。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
潜在性硬化剤としては、加熱硬化型、UV硬化型などの各種硬化剤が使用できる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、何かしらのトリガーにより活性化し、反応を開始する。トリガーには、熱、光、加圧などがあり、用途により選択して用いることができる。熱活性型潜在性硬化剤の活性化方法には、加熱による解離反応などで活性種(カチオンやアニオン)を生成する方法、室温付近ではエポキシ樹脂中に安定に分散しており高温でエポキシ樹脂と相溶・溶解し、硬化反応を開始する方法、モレキュラーシーブ封入タイプの硬化剤を高温で溶出して硬化反応を開始する方法、マイクロカプセルによる溶出・硬化方法などが存在する。熱活性型潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミン塩、ジシアンジアミドなどや、これらの変性物があり、これらは単独または2種以上の混合体として使用できる。これらの中でも、本実施の形態では、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が好ましく用いられる。
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系などを用いることができる。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。これにより、有機材料と無機材料の界面における接着性を向上させることができる。
その他の添加組成物として、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーとしては、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができ、無機フィラーの種類は特に限定されるものではない。無機フィラーの含有量により、流動性を制御し、粒子捕捉率を向上させることができる。また、ゴム成分なども接合体の応力を緩和させる目的で、適宜使用することができる。
また、これらを溶解させる有機溶剤としては、トルエン、酢酸エチル、又はこれらの混合溶剤、その他各種有機溶剤を用いることができる。
次の乾燥工程では、第2の領域22を形成する位置に磁界を印加し、上述した樹脂組成物を熱オーブン、加熱乾燥装置などにより乾燥させる。具体的には、図3に示すように、剥離基材12下に、幅方向に非磁性体41と磁性体42とを設置し、第2の領域22を形成する位置に磁界を印加する。すなわち、第1の領域21及び第2の領域22に対応して、それぞれ非磁性体41と磁性体42とを設置する。
これにより、剥離基材12上に塗布された樹脂組成物では、導電性粒子13が第1の領域21から第2の領域22により集められる。さらに、第2の領域22では、導電性粒子13が剥離基材12側に寄り集められ、導電性粒子13が単層化してもよい。
このように第2の領域22を形成する位置に磁界を印加することにより、第1の領域21よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多く、樹脂層11の一方の面に導電性粒子13を偏って分布した第2の領域22を形成することができる。
また、第2の領域22を形成する位置に印加する磁界の大きさ(B)は、30mT以上とすることが好ましく、37〜85mTとすることが更に好ましい。ここで、磁界の大きさ(B)は、磁束の方向に垂直な面の1平方メートルにつき1ウェーバの磁束密度である。
磁界の大きさ(B)を30mT以上とすることにより、第1の領域21と第2の領域22との単位面積あたりの導電性粒子数の比(第2の領域22/第1の領域21)を、1.0より大きく2.0以下の範囲とすることができる。このように粒子密度の比(第2の領域22/第1の領域21)の範囲を1.0より大きく2.0以下とすることにより、第1の領域21及び第2の領域22における導電性粒子13の捕捉率を向上させ、接続信頼性を確保することができるとともにショートの発生を防ぐことができる。
また、剥離基材の第2の領域22の位置に、磁性シートを剥離可能に貼着してもよい。これにより、保管時の温度変化に対しても樹脂層11における第1の領域21と第2の領域22との導電性粒子13の密度、及び密度差を維持することができる。また、樹脂層11の剥離基材12側とは反対側の面に透明なカバーフィルムを剥離可能に貼着してもよい。
なお、上述した製造方法では、磁界の印加を樹脂組成物の乾燥時に行うこととしたが、これに限られることなく、樹脂組成物の塗布時に行なっても、乾燥時及び塗布時の両方で行ってもよい。また、磁性体を設置することにより、第2の領域22を形成する位置に磁界を印加したが、磁場発生装置により磁界を印加することとしてもよい。
<3.異方性導電フィルムを用いた電子部品の実装>
次に、上述した異方性導電フィルムを用いた電子部品の実装方法について説明する。なお、上述した異方性導電フィルムに対応する部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
具体例として示す電子部品の実装方法は、面内に、導電性粒子が分散された第1の領域21と、第1の領域21よりも単位面積あたりの導電性粒子数13が多く、基板側に導電性粒子13が偏って分布する第2の領域22とを有する異方性導電フィルムを用いて、領域によって接続端子の密度が異なる電子部品に対して良好な粒子捕捉性を得るものである。
図4は、電子部品を搭載する表示パネルの構成例を示す図である。この表示パネル50は、基板51上に画像表示部52と、画像表示部52を駆動するIC(Integrated Circuit)搭載部53とを備える。また、IC搭載部53は、画像表示部52を駆動するICに信号を入力するためのインプット側の電極(パッド)54と、ICから画像表示部52に信号を出力するためのアウトプット側の電極(パッド)55とを有する。アウトプット側の電極55は、画像表示部52の大画面化、高精細化に対応して、例えば、千鳥配列の微細構造となっており、インプット側の電極54よりも電極間隔が小さい。すなわち、ICは、接続端子が形成されたインプット側の端子領域と、インプット側の端子領域よりも単位面積あたりの接続端子が多いアウトプット側の端子領域とを有する。なお、表示パネルの千鳥配列の微細構造、ICのインプット側の端子領域、アウトプット側の端子領域等の構成は、これらに限定されるものではなく、様々な構成を適宜使用することができる。
本実施の形態における実装方法では、インプット側の電極54に第1の領域21が位置し、アウトプット側の電極55に第2の領域22が位置し、基板側に導電性粒子が偏って分布するように、IC搭載部53上に異方性導電フィルム10を配置する。
そして、図5に示すように第1の領域21にIC61の接続端子(バンプ)62が位置し、第2の領域22にIC61の接続端子(バンプ)63が位置するように、異方性導電フィルム10上にIC61を配置する。すなわち、異方性導電フィルム10を、接続端子62、63と接続端子62、63に対応する電極54、55との間に、第1の領域21及び第2の領域22をそれぞれインプット側の端子領域及びアウトプット側の端子領域に位置させて挟む。
次に、例えば熱圧着ヘッドを用いてIC61を押圧することによって、接続端子62、63と電極54、55とを電気的に接続させる。このとき、第2の領域22において、導電性粒子13が偏って分布する面が基板側に配置されていてもよい。導電性粒子13が基板側に偏って分布していた場合、IC61側の樹脂が接続端子63の押圧力により流動し、基板51側の樹脂は、導電性粒子13が高密度に含まれているため、接続端子63の押圧力による流動が制限される。よって、第2の領域22では、バンプ面積が狭いアウトプット側の接続端子63が導電性粒子13を高い捕捉率で捕捉し、接続信頼性を向上させることができる。また、第1の領域21では、接続端子62の電極間隔が接続端子63の電極間隔より大きく、バンプ面積も広い為、インプット側の接続端子62が導電性粒子13を充分に高い捕捉率で捕捉することができる。
一方、図6に示すような従来の導電性粒子が分散された導電性フィルム100では、IC61側の樹脂が接続端子63の押圧力により流動する際、導電性粒子13が押し出され、また、基板51側の樹脂も、導電性粒子13が高密度に含まれていないため、接続端子63の押圧力により流動してしまう。よって、バンプ面積が狭いアウトプット側の接続端子63が導電性粒子13を高い捕捉率で捕捉することができず、良好な接続信頼性を得ることができない。
このように本実施の形態における実装方法によれば、接続端子が形成されたインプット側の端子領域と、インプット側の端子領域よりも単位面積あたりの接続端子が多いアウトプット側の端子領域とを有するような電子部品に対して良好な粒子捕捉性を得ることができる。
<4.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。ここでは、基板と半導体素子とを異方性導電フィルムを介して熱圧着させた実装体における粒子捕捉数及び接続抵抗値を評価した。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
先ず、基板として厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737F)、半導体素子としてアウトプット側のバンプ(1350μm)と、インプット側のバンプ(4000μm)とを備えるICチップを用いた。異方性導電フィルムは、次のように作製した。
ビスA型フェノキシ樹脂(YP50、東都化成社製)30質量部、ビスA型液状エポキシ樹脂(EP828、ジャパンエポキシレジン社製)30質量部、アミン系硬化剤(PHX3941HP、旭化成社製)、エポキシ系シランカップリング剤(A−187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)1質量部、Ni/Auメッキ樹脂粒子(平均粒径4.0μm)である導電性粒子(AUL704、積水化学工業社製)35質量部にトルエンを加え、固形物50wt%の異方性導電組成物を作成し、厚さ50μmのPETフィルム上にバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブンで乾燥させ、異方性導電フィルムを作製した。このとき、PETフィルム下には、磁性体として37mTの磁性シートを設置した。そして、異方性導電フィルムの磁性シート上をA領域とし、その他をB領域とした。
次に、ICチップのアウトプット側のバンプに対応する基板の電極部分にA領域が位置し、ICチップのインプット側のバンプに対応する基板の電極部分にB領域が位置するように異方性導電フィルムを仮貼りし、この異方性導電フィルム上にICチップを仮圧着させ、仮接続体を得た。
その後、熱圧着ヘッドを移動機構によりステージ側に向かって移動させ、ICチップ側から押圧し、ガラス基板とICチップとを異方性導電フィルムを介して熱圧着させて実装体を得た。
[実施例2]
PETフィルム下に55mTの磁性シートを設置して異方性導電フィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして実装体を得た。
[実施例3]
PETフィルム下に85mTの磁性シートを設置して異方性導電フィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして実装体を得た。
[比較例1]
PETフィルム下に磁性シートを設置せずに異方性導電フィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして実装体を得た。
このようにして得られた実装体について、粒子捕捉数及び接続抵抗を測定し、評価した。表1に評価結果を示す。なお、粒子捕捉数及び接続抵抗の測定は、次のように行った。
[粒子捕捉数]
熱圧着後のICチップのアウトプット側のバンプ(1350μm)上の粒子捕捉数(平均)を、光学顕微鏡を用いてカウントした。
[接続抵抗]
ガラス基板の隣接する2ピン間の接続抵抗を、温度85℃、湿度85%RH、48時間のTHテスト(Thermal Humidity Test)後に測定した。
Figure 2010171023
表1から分かるように、A領域とB領域との単位面積あたりの導電性粒子数の比(A領域/B領域)が1.05〜1.22の範囲において、導電性粒子をA領域に偏らせることにより、接続端子密度が高いアウトプット側のバンプの粒子捕捉性を向上させることができることが分かった。
また、37〜85mTの範囲において、磁性シートの磁界を強くすることにより(実施例2、実施例3)、導電性粒子の偏りが顕著となり、アウトプット側のバンプの粒子捕捉性を向上させ、接続抵抗を低下させることができることが分かった。一方、インプット側のバンプの粒子捕捉性は、ほぼ変化せず、良好な接続信頼性を得ることができることが分かった。一方、導電性粒子の偏りが無い比較例1ではTHテストの結果が2.0Ω以上となり良好な結果が得られなかった。
10 異方性導電フィルム、11 樹脂層、12 剥離基材、13 導電性粒子、21 第1の領域、22 第2の領域、30 異方性導電フィルム、31 巻取部、41 非磁性体、42 磁性体、50 表示パネル、51 基板、52 画像表示部、53 IC搭載部、54 電極、55 電極、61 IC、62 接続端子、63 接続端子、100 異方性導電フィルム

Claims (12)

  1. 面内に、導電性粒子が分散された第1の領域と、前記第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層を備える異方性導電フィルム。
  2. 前記第2の領域では、前記樹脂層の一方の面に前記導電性粒子が偏って分布する請求項1記載の異方性導電フィルム。
  3. 前記第1の領域と第2の領域との単位面積あたりの導電性粒子数の比(第2の領域/第1の領域)が、1.0より大きく2.0以下である請求項1又は2記載の異方性導電フィルム。
  4. 前記導電性粒子が、磁性体を含み、
    前記第2の領域の前記樹脂層の一方の面上に磁性シートが剥離可能に貼着されている請求項1乃至3のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  5. 前記樹脂層が、幅方向に前記第1の領域と第2の領域とに分割され、長さ方向に伸びている請求項1乃至4のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  6. 前記樹脂層が、長さ方向に巻回積層されている請求項5記載の異方性導電フィルム。
  7. 剥離基材上に磁性体を含む導電性粒子を含有する樹脂組成物を塗布する塗布工程と、
    前記剥離基材上の樹脂組成物を乾燥させる乾燥工程とを有し、
    前記塗布工程及び/又は乾燥工程では、前記第2の領域を形成する位置に磁界を印加し、面内に、前記導電性粒子が分散された第1の領域と、前記第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層を形成する異方性導電フィルムの製造方法。
  8. 前記塗布工程及び/又は乾燥工程では、第2の領域の樹脂層の一方の面に前記導電性粒子を偏って分布させる請求項7記載の異方性導電フィルムの製造方法。
  9. 前記塗布工程及び/又は乾燥工程では、前記第2の領域を形成する位置に30mT以上の磁界を印加し、
    前記第1の領域と第2の領域との単位面積あたりの導電性粒子数の比(第2の領域/第1の領域)を、1.0より大きく2.0以下の範囲とする請求項7又は8記載の異方性導電フィルムの製造方法。
  10. 前記剥離基材の前記第2の領域の位置に、磁性シートを剥離可能に貼着する請求項7乃至9のいずれかに記載の異方性導電フィルムの製造方法。
  11. 接続端子が形成された第1の端子領域と、前記第1の端子領域よりも単位面積あたりの接続端子が多い第2の端子領域とを有する電子部品と、
    前記電子部品の接続端子に対応する電極を有する基板とを備え、
    面内に、導電性粒子が分散された第1の領域と、前記第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層からなる異方性導電フィルムが、前記接続端子と該接続端子に対応する電極との間に、前記第1の領域及び前記第2の領域がそれぞれ前記第1の端子領域及び前記第2の端子領域に位置して挟まれ、前記電子部品の接続端子と前記基板の電極とが電気的に接続された実装体。
  12. 接続端子が形成された第1の端子領域と、前記第1の端子領域よりも単位面積あたりの接続端子が多い第2の端子領域とを有する電子部品と、前記電子部品の接続端子に対応する電極を有する基板とが電気的に接続された実装体の製造方法であって、
    面内に、導電性粒子が分散された第1の領域と、前記第1の領域よりも単位面積あたりの導電性粒子数が多い第2の領域とを有する樹脂層からなる異方性導電フィルムを、前記接続端子と該接続端子に対応する電極との間に、前記第1の領域及び前記第2の領域をそれぞれ前記第1の端子領域及び前記第2の端子領域に位置させて挟み、
    前記電子部品と前記基板とを加熱加圧し、前記電子部品の接続端子と前記基板の電極とを電気的に接続する実装体の製造方法。
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