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JP2010155357A - マグネシウム合金クラッド材およびその製造方法 - Google Patents

マグネシウム合金クラッド材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マグネシウム合金コア層の厚さがクラッド材全体の厚さの過半を占めるクラッド材料であって、マグネシウム合金コア層が結晶粒径の粗大化および強度低下することなく、かつ底面集合組織を有することで優れた加工性と強度を兼ね備えたマグネシウム合金クラッド材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であるマグネシウム合金より成るコア層と、該コア層の一方の面または両方の面にクラッドされた別の金属より成るクラッド層とを有するマグネシウム合金クラッド材であって、前記コア層の厚さが前記クラッド材の厚さの50%より厚く、前記マグネシウム合金が4.5質量%以上のアルミニウムを含有し、かつその結晶構造のc軸と前記コア層の表面の法線とが為す角度が5°未満である底面集合組織を有することを特徴とするマグネシウム合金クラッド材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム合金より成るコア層とこのコア層にクラッドされた別の金属よりなるクラッド層とを有するクラッド材、とりわけコア層の厚さがクラッド層の厚さよりも厚い加工性に優れたクラッド材に関する。
マグネシウムは実用金属中で最も軽量な金属であり、高い比強度を有し、さらに切削性、制振性、電磁遮蔽性、耐くぼみ性、リサイクル性にも優れている。このためマグネシウムを主成分とするマグネシウム合金が、携帯電話、ノート型パソコンの筐体等の電子機器およびタイヤホイール等の自動車部品を含む幅広い用途で用いられている。
しかし、マグネシウム合金は、難加工性、低耐食性という問題を有する。
そして、これらのマグネシウム合金の欠点を解消する材料として、マグネシウム合金をコア層として、このコア層の上に、例えばチタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼のような別の金属から成るクラッド層を形成したクラッド材料が用いられている。
本願発明者らはこのようなクラッド材について研究を進め、特許文献1では、コア層のマグネシウム合金の結晶構造(六方最密充填構造)の底面とコア層表面(板面)との間の角度θ(結晶構造のc軸と板面の法線の為す角度と同じ)がある程度大きいと、クラッド材の加工性が優れていることを示した。
しかし、特許文献1では、前記角度θが小さいサンプル、すなわち底面集合組織を有するサンプルのほとんどがクラッド材ではなく純マグネシウムまたはマグネシウム合金のみのサンプルであり、底面集合組織を有するサンプルの加工性が悪いと必ずしも言い切れなかった。
そこで、発明者はさらに研究を進めた結果、例えば非特許文献1に示すように、クラッド材はクラッドしないマグネシウム合金より加工性に優れていること、さらにクラッド材の中でも底面集合組織を持つサンプルの方が、底面集合組織を持たず、前記角度θが大きいサンプルよりも深絞り性等の成形性に優れていることを見出した。
しかし、従来は接合圧延時の剪断ひずみのためにコア層のマグネシウム合金に前記角度θが極端に小さい底面集合組織を形成することは容易ではなかった。すなわち、非特許文献1のマグネシウム合金コア層は、底面集合組織を形成するために表面にクラッド層を形成した後に500℃と高い温度で焼鈍を行う必要がある。そして、この高温焼鈍によりマグネシウム合金の結晶粒が50μm以上に粗大化し、マグネシウム合金ならびにクラッド材の強度が低下するという問題がある。
また、特許文献1の実施例も角度θ(Mg層底面傾き度)が2°と低く、底面集合組織を有するクラッド材(試料No.2)を開示している。しかし、このサンプルは、コア層とクラッド層の厚さが同じであり、このサンプルの底面集合組織は、クラッド層の相対厚さが厚いことに起因し、クラッド加工時にコア層に付与される剪断応力等がクラッド層金属の種類に大きく影響された結果生じた、特殊条件下でのみ生ずる底面集合組織である。クラッド材においてマグネシウム合金の上述した優れた特性、とりわけ高い比強度の効果を充分に得るためには、例えばコア層の厚さをクラッド層より厚くするように、コア層の比率を高くする必要があることはいうまでもない。
しかし、特許文献1は、厚さがクラッド層より厚く(コア層がクラッド材の厚さの過半を占め)、かつ底面集合組織を有するマグネシウム合金コア層を開示していない。
特開2006−88435号公報 井上博史 他「圧延接合したAZ31Mg/Tiクラッド板の集合組織と成形性」軽金属学会第112回春期大会講演概要(2007)211〜212頁
本発明は、マグネシウム合金コア層の厚さがクラッド材全体の厚さの過半を占めるクラッド材料であって、マグネシウム合金コア層が結晶粒径の粗大化および強度低下することなく、かつ底面集合組織を有することで優れた加工性と強度を兼ね備えたマグネシウム合金クラッド材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であるマグネシウム合金より成るコア層と、該コア層の一方の面または両方の面にクラッドされた別の金属より成るクラッド層とを有するマグネシウム合金クラッド材であって、前記コア層の厚さが前記クラッド材の厚さの50%より厚く、前記マグネシウム合金が4.5質量%以上のアルミニウムを含有し、かつその結晶構造のc軸と前記コア層の表面の法線とが為す角度が5°未満である底面集合組織を有することを特徴とするマグネシウム合金クラッド材である。
本発明の態様2は、前記マグネシウム合金の結晶粒径が30μm以下であることを特徴とする態様1に記載のマグネシウム合金クラッド材である。
本発明の態様3は、前記マグネシウム合金が、4.5〜12.0質量%のアルミニウム、0〜4.0質量%の亜鉛、0〜2.0質量%のマンガン、0〜2.0質量%のジルコニウムを含むことを特徴とする態様1または2に記載のマグネシウム合金クラッド材である。
本発明の態様4は、前記マグネシウム合金の結晶粒径が20μm以下であることを特徴とする態様1〜3の何れかに記載のマグネシウム合金クラッド材である。
本発明の態様5は、前記別の金属がチタンまたはチタン合金であることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載のマグネシウム合金クラッド材である。
本発明の態様6は、結晶構造が六方最密充填構造(hcp)で、4.5質量%以上のアルミニウムを含有するマグネシウム合金部材を準備する工程と、加工温度が280℃以上のクラッド加工により、前記マグネシウム合金部材の少なくとも1つの面に別の金属をクラッドする工程とを含むことを特徴とする、マグネシウム合金より成るコア層と別の金属より成るクラッド層とを有するマグネシウム合金クラッド材の製造方法である。
本発明の態様7は、前記クラッド加工が接合圧延であることを特徴とする態様6に記載の製造方法である。
本発明の態様8は、前記接合圧延の圧下率が10〜60%であることを特徴とする態様7に記載の製造方法である。
本発明の態様9は、前記コア層の厚さが前記マグネシウムクラッド材の厚さの50%より厚くなるように、前記マグネシウム合金部材の厚さを選択することを特徴とする態様6〜8のいずれかに記載の製造方法である。
本発明の態様10は、前記別の金属がチタンまたはチタン合金であることを特徴とする態様6〜9のいずれかに記載の製造方法である。
本発明は、マグネシウム合金コア層の厚さがマグネシウム合金以外の別の金属より成るクラッド層の厚さより厚いクラッド材料であり、コア層のマグネシウム合金がアルミニウムを4.5質量%以上含有する。またクラッド層をコア層にクラッドする際の加工温度を280℃以上とする。この結果、クラッド工程以降に例えば500℃以上の高温に加熱することなく、従ってマグネシウム合金コア層は結晶粒の粗大化および強度低下をすることなく底面集合組織を有する。これにより、優れた材料強度と優れた成形性(加工性)を有するクラッド材を提供することが可能となる。
・実施形態1
図1は本発明の実施形態1にかかるマグネシウム合金クラッド材100の断面図である。図1のクラッド材はシート状の形状を有しているが、本発明に係るクラッド材は、この形状に限定されるものではない。マグネシウム合金より成るコア層2の一方の面にその厚さがコア層2よりも薄いクラッド層3がクラッド(接合)されている。
詳細を後述するように、コア層2に用いるマグネシウム合金中のアルミニウムの含有量を4.5質量%以上とし、さらにコア層2の一方の表面にクラッド層3をクラッドする際の加工温度を280℃以上とすることでコア層2のマグネシウム合金に底面集合組織を形成できることを発明者は見出した。そして、コア層2が底面集合組織を有していることから高い強度を保持しつつ板面内の変形異方性は大幅に低減され、クラッド材100は、例えば絞り成形性のような成形性に優れる。また、クラッド材100は、上述のクラッド加工を行った後、例えば500℃といった高温に曝されることがないため、例えば引張り強さ(最大抗張力)が300MPa以上と高い強度を確保でき、コア層2はその結晶粒径が例えば30μm以下と粗大化することがない。
以下にクラッド材100の詳細を示す。
最初に、本明細書で用いる用語「底面集合組織」について説明する。
マグネシウムはその結晶構造が六方最密充填構造(hcpまたは稠密六方格子ともいう)であることから、多くのマグネシウム合金も六方最密充填構造を有している。そして、本発明に係るコア層2に用いるマグネシウム合金は全て六方最密充填構造である。
マグネシウム合金は圧延等の加工を受けると結晶粒またはサブグレインの多くが一定の結晶方位に配向する、所謂集合組織を形成する。図3は、このような集合組織を形成したマグネシウム合金コア層2の六方最密結晶構造のc軸([0001]方向)が配向する結晶方位を模式的に示す図である。六方最密結晶構造の単位格子10のc軸13は、コア層2の表面の法線23に対して角度θを有し配向している。そして、このことは、図3中に記号11で表す六方最密結晶構造の底面である(0001)面とコア層(マグネシウム合金層)2の表面との間の角度がθであることを意味する。
「底面集合組織」とは、底面(0001)がコア層(マグネシウム合金層)2の表面とほぼ平行な状態、すなわちc軸がコア層2の表面の法線とほぼ平行な状態をいう。そして、本明細書においては具体的には角度θが5°未満の状態をいう。
次に、この角度θを測定する方法について以下に説明する。
コア層2をその厚さのほぼ半分近くまで研磨し、コア層2の板厚中心層でX線回折によりシュルツの反射法を用いて(0002)面の極点図を測定する。得られた極点図はマグネシウム粉末を用いた無配向性試料の(0002)面で測定した回折強度で除して強度補正され、無配向性試料に対する強度比(極密度と呼ぶ)が求められる。この極密度が最大となるピーク位置と、コア層2の表面の法線方向(ND)である極点図の中心とのステレオ投影上の距離を測定して角度θを決定する。好ましくは(0002)面以外に少なくとも(1 0 -1 0)、(1 0 -1 1)、(1 0 -1 2)の3面の極点図も測定し、上述のような無配向性試料による強度補正を行なう。
その後、文献、井上博史、稲数直次「反復級数展開法による不完全極点図からの結晶方位分布関数の決定」日本金属学会誌、58巻(1994)892〜898頁、に記載された級数展開法で結晶方位分布関数(ODF)を算出し、その方位密度が最大となるピーク位置のオイラー角Φでもってc軸と前記NDとのなす角度θを求める。ODFは、多数の極点図を使用することから、他の方法と比べ高精度であることはいうまでもないことから、本発明ではODFによる角度θの評価を行った。
ただし、本発明における底面集合組織の定義では最大ピークの位置のみを問題とし、その高さや広がり等は特に問題としない。したがって、ピーク強度が弱くても角度θが5°未満であれば底面集合組織の範疇に入ることになる。
上述のように本発明においてコア層2に用いるマグネシウム合金は、アルミニウムを4.5質量%以上含む必要がある。そして、詳細は後述の製造方法の説明に示すように、このマグネシウム合金コア層2の上に、クラッド層のマグネシウム合金と異なる別の金属を配置し、例えば接合圧延等のクラッド加工を行う際の加工温度を280℃以上とする。これにより得られたクラッド材100は、底面集合組織を有する。
このようにAl量を4.5質量%以上とし、クラッド加工温度を280℃以上とすることで底面集合組織が得られる理由については、まだ不明な点も多いが、発明者の考える底面集合組織生成のメカニズムは以下の通りである。しかしながら、この予想されるメカニズムは、本発明の技術的範囲を制限することを意図したものではない。
クラッド材を作製するために実施する接合圧延等のクラッド加工は普通の圧延等の加工と比べて大きな加工率(圧下率)が設定されることが多いこと、またはクラッド加工は異種の材料を同時に加工することにより応力状態が複雑になることから、例えば250℃程度の比較的低い加工温度ではクラッド加工後のマグネシウム合金コア層2に変形双晶が形成されやすくなる。
これは臨界分解剪断応力(CRSS)が最も低い底面すべりが主体のすべり変形では高い加工率の変形または応力状態の複雑な変形に対応しきれず、双晶変形が起こるためである。双晶変形は底面集合組織からc軸の傾きを変化させ、すべり変形とのバランスにより前記角度θが15°程度の集合組織が得られると考えられる。クラッド加工の加工温度の上昇は底面すべり以外のすべり系、すなわち柱面すべりや錘面すべりのCRSSを低下させ、これらのすべり系が活性化する。
一方、アルミニウムの含有量が多い場合にも柱面すべりや錘面すべりのCRSSが低下し、これらのすべり系が活動しやすくなるものと予想される。このように加工温度とアルミニウム量の効果が相まって、4.5質量%以上のAlを含むマグネシウム合金でクラッド加工温度を280℃以上とした場合に底面すべり、柱面すべり、錘面すべりによるすべり変形が主体となり双晶変形が抑制されることにより底面集合組織が形成されると考えられる。
そして、このようにコア層2を底面集合組織とすることでクラッド材100の成形性が向上する理由についてもそのメカニズムは不明な点が多いが、発明者の考えるメカニズムは以下の通りである。しかしながら、この予想されるメカニズムは、本発明の技術的範囲を制限することを意図したものではない。
コア層2が底面集合組織をもたないクラッド材では板面内の変形能が方向により異なる(異方性を有する)ため、変形能の劣る部分でフランジ割れが発生しやすいが、コア層2を底面集合組織とすることで変形能が等方的となり、フランジ割れの発生が抑制されることにより成形性が向上すると考えられる。
次にコア層2の詳細を説明する。
コア層2に用いる合金はアルミニウム合金を4.5質量%以上含む。そして、アルミニウム(Al)の含有量は好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは5.5〜10.0質量%である。アルミニウム合金が5.5質量%以上だと角度θがより安定して低くなり、またアルミニウムの含有量が12%を超えると材料の靱性が低下する場合があるからである。さらにアルミニウム量が10.0%以下であれば材料の靱性がより向上する。
また、アルミニウム以外にも亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)を含んでもよい。亜鉛は耐食性と強度の向上効果のある元素であり、4.0質量%以下で添加してもよく、より好ましくは0.1〜2.0質量%以下添加してもよい。マンガンは耐食性向上の効果があり、2.0質量%以下添加してもよく、より好ましくは0.1〜1.3質量%添加してもよい。ジルコニウムは結晶粒微細化の効果があり、2.0質量%以下添加してもよく、より好ましくは0.1〜1.0質量%添加してもよい。
さらに、レアアース(RE):1.0質量%以下、カルシウム(Ca):5.0質量%以下、リチウム(Li):0.3質量%以下よりなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでもよい。
また、マグネシウム合金は、しばしばリサイクル材(再溶解材)が用いられ、その際に意図せずに鉄(Fe)、シリコン(Si)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)が含まれることがある。これらについては、それぞれ鉄:0.07質量%以下、シリコン:0.10質量%以下、銅:0.10質量%以下、ニッケル:0.01質量%以下を含んでもよい。
本願発明のコア層2に用いるマグネシウム合金は、4.5質量%以上のアルミニウムを含有する共に、必要に応じて上述した元素を含有し、残部はマグネシウムと不可避的に含まれるその他の不純物元素である。残部マグネシウムについては、比強度が高い等のマグネシウムの特性が充分に活かされるように50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。また、不可避的に含まれるその他の不純物元素については、例えば記号MB2(ASTMのAZ61合金に相当)で表される合金のJIS規格のその他の元素の許容量と同じように、各元素についてそれぞれ0.05質量%以下、その他の元素の合計で0.30質量%以下であることが好ましい。
このような好ましいマグネシウム合金には、ASTM規格で規定される、AZ61合金、AM60合金、AZ80合金、AZ91合金が含まれる。
AZ61合金は、6質量%前後のアルミニウムを含有しており、3質量%前後のアルミニウムを含有するAZ31合金(ASTM規格AZ31B合金等)と比較して、アルミニウムの量が多いため、強度は高いが一般的には成形性(加工性)が劣るとされ、マグネシウム合金クラッド材では、コア層にAZ31合金が用いられることが多い。しかし、本願発明により、4.5質量%以上のアルミニウムを含有することによりAZ31合金では接合圧延等のクラッド加工で得ることが困難であった底面集合組織を得ることが可能となり、AZ31合金よりも優れた成形性と強度が得られることに留意されたい。
また、本願発明においては、底面集合組織を得るためにクラッド加工後に500℃程度の高温で焼鈍を行う必要がないため、結晶粒が粗大化しない。従って、コア層の結晶粒径は、30μm以下とすることが可能であり、例えば接合後に接合強度を向上させるために行う焼鈍を300℃程度とする等のクラッド材の加工条件の適正化により、20μm以下より好ましくは10μm以下の結晶粒径を得ることができる。
次に、コア層2の厚さについて詳細を示す。
上述したように、マグネシウム合金が有する本発明のクラッド材1では、高い比強度ならびに優れた切削性、制振性および電磁遮蔽性等の特性を充分に活かせるように、コア層2の厚さの方がクラッド層3の厚さより厚くなっている。すなわち、コア層2の厚さは、クラッド材1の厚さの50%より厚いのが好ましい。また、クラッド加工時にコア層2に付与される剪断応力に及ぼすクラッド層3の材料の種類の影響を抑制するために、コア層2の厚さはクラッド材1の厚さの好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
また、クラッド材1の耐食性を充分に向上させるためには、耐食性向上に寄与するクラッド層3が一定の比率以上の厚さを有することが好ましい。従って、コア層2の厚さはクラッド材1の厚さの好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
また、厚すぎるとクラッド加工が困難になることから、好ましくは、コア層2は10mm以下の厚さである。
このようにして得られたコア層2は底面集合組織を有し、従って六方最密充填構造のc軸とコア層2の表面の法線との為す角度θは5°未満、好ましくは3°以下、より好ましくは2°以下となっている。
次にクラッド層3の詳細を以下に示す。
クラッド層3は、コア層2のマグネシウム合金とは「別の金属」よりなる。本明細書でいう「別の金属」とは、その主成分(化学組成を質量%で示した場合に、その数値が最も大きい元素)がマグネシウム以外の金属元素であることを意味し、その金属が全くマグネシウムを含んではいけないという意味ではないことに留意されたい。従って、例えばチタン合金やアルミ合金等のチタンやアルミニウムのようなマグネシウム以外の金属元素を主成分とし、マグネシウムを添加元素として含む合金も「別の金属」に含まれる。
別の金属は、得ようとするクラッド材1の特性に合わせて任意に選択可能である。
最も好ましい金属の例は、純チタン(Ti)およびチタン合金(チタンが50質量%以上)である。チタンおよびチタン合金は、耐食性に優れかつ軽量であり、一定の加工性を有するからである。
純チタンはJIS(日本工業規格)H4600に記載の1〜4種に代表されるチタン量が99質量%以上のもの(不可避な不純物が1%以下)が好ましい。またチタン合金としては、上記の純チタンに、10質量%以下のアルミニウム、5質量%以下の錫、20質量%以下のバナジウム、20質量%以下のモリブデン、8質量%以下のジルコニウム、10質量%以下のクロム、8質量%以下のニオブおよび3質量%以下のシリコンよりなる群から選ばれた少なくとも1つを添加した合金が好ましい。このようなチタン合金には、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−8Al−1V−1Moなどのアルファー合金、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−6Al−6V−2S等のα+β合金、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al、Ti−15Mo−2.7Nb−3Al−0.2Si、生体用Ti−Nb系合金のようなβ型合金が含まれる。
これ以外に、例えば純ニッケル、ニクロム、モネルメタル、Ni−10〜45質量%クロムおよびNi−10〜50質量%Cuを含むニッケル合金、キュプロニッケル、黄銅(7/3黄銅、65/35黄銅等)、洋白、Cu−10〜50質量%Ni、Cu−10〜45質量%ZnおよびCu−5〜35質量%Ni−15〜35質量%Znを含む銅合金、SUS304およびSUS430を含むステンレス鋼、純アルミニウムならびに3000系、5000系、6000系および7000系アルミニウム合金を含むアルミニウム合金が好適な「別の金属」である。
次にクラッド材1の製造方法について以下に示す。
コア層2となる、上述した組成を有するマグネシウム合金シートを準備する。
同様にクラッド層3となる、上述した組成を有する別の金属のシートを準備する。
そして、クラッド加工時の圧下率(または加工量)等から逆算した所望の厚さまで薄くなるように、必要に応じて、前記マグネシウム合金シートおよび/または前記別の金属のシートを圧延等により薄くしてもよい。例えばマグネシウム合金シートを圧延するのであれば、加工性等を考慮し250〜480℃の温度範囲で圧延を行うのが好ましい。
所望の厚さのマグネシウム合金シートおよび別の金属のシートを得た後、必要に応じて、それぞれのシートの歪み取り行うために焼鈍を行ってもよい。マグネシウム合金シートの歪み取り焼鈍を行う場合、温度(保持温度)は250〜550℃、雰囲気は水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等の非酸化雰囲気または真空中で行うのが好ましい。
一方、別の金属のシートの歪み取り焼鈍を行う場合、温度、保持時間、雰囲気等はその金属の種類に応じて適宜選択可能である。例えば、別の金属が純チタンまたはチタン合金である場合、温度は600〜800℃、雰囲気はアルゴンガス雰囲気または真空中が好ましい。
所望厚さのシートをクラッド加工のためにコア層2となるマグネシウム合金シートと、クラッド層3となる別の金属のシートはクラッド加工(接合加工)を行う前に両シートまたはいずれか一方のシートの接合面となる面の酸化被膜を研磨等により除去してもよい。接合強度を向上させるためである。より接合強度を向上させるために、単に酸化被膜を除去するだけでなく接合する面の面粗度を上げるように、ショットピーニングやヤスリがけを行ってもよい。
マグネシウム合金シートと別の金属のシートを重ねて、それぞれの接合面を接触させた後、クラッド加工によりクラッド(接合)を行う。クラッド加工は、接合圧延、引き抜き加工、スウェージング等の各種の加工方法を用いることができるが、加工温度は上述の理由により280℃以上とする必要がある。底面集合組織をより確実に得るには、加工温度は好ましくは300℃以上、より好ましくは350℃以上とするのがよい。一方、あまり温度が高すぎると、マグネシウム合金の結晶粒径が大きくなるか、またはマグネシウム合金が部分的に溶解するため、好ましくは550℃以下、より好ましくは500℃以下である。
なお、加工中の材料の温度、とりわけクラッド材のコア層の温度を測定することは実際上極めて困難なことから、本明細書でいう加工温度とは、クラッド加工において加工直前に加熱し、引き続いて(意図的に遅延させることなく)クラッド加工を行う際の前記加熱時の材料の加熱温度(または到達温度)を意味する。
クラッド加工法として接合圧延を用いる場合、加工温度は上述のとおりであるが、圧延の圧下率は、10〜60%であるのが好ましく、15〜50%であるのがさらに好ましい、この範囲であれば、優れた接合強度が得られ易いと共に、得られたコア層2およびクラッド層3の厚さが均一であり、またクラッド後のコア層2とクラッド層3の厚さの比は、概ねクラッド前のマグネシウム合金シートと別の金属のシートの厚さの比に近い。
上記接合圧延の圧下率は通常1パスで得る。そして、接合圧延後に例えば、クラッド材100の厚さを調整するために、接合圧延に続いて又は冷却後再加熱をして、さらに1パス以上の圧延を行ってもよい。
このようにしてクラッド材100を得ることができる。
上記製造方法ではシートを対象にしたが、この形状に限定されるものではなく、例えばマグネシウム合金のパイプと、このパイプの外径より僅かに大きな内径を有する別の金属のパイプを用いて、接合圧延または引き抜き等により、パイプ形状のクラッド材100を得る等各種形状のマグネシウム合金および別の金属を用いて、各種形状のクラッド材100を得ることができる。
なお、クラッド加工の条件によっては、コア層2とクラッド層3の界面に凹凸を生じ、コア層2の表面の法線方向を規定しにくい場合がある。このような場合には、例えばクラッド材100の材料表面の法線方向をコア層2の表面の法線方向としてもよい。
・実施形態2
図2は、本発明の実施形態2に係るマグネシウム合金クラッド材200の断面図である。実施形態1に係るクラッド材100と異なり、コア層2の両面にクラッド層3が形成されている。コア層2およびクラッド層3は、それぞれクラッド材100のコア層2およびクラッド層3と同じ材料を用いることができる。また、その他の特性についても特段の説明がない限りは、クラッド材100とクラッド200では同じである。
クラッド材200では、2つのクラッド層3が異なる材料より成ってよい。例えば、一方のクラッド層3を上述の好ましいチタン合金とし、他方のクラッド層3を上述の好ましいアルミニウム合金とすることで、一方の面のみ厳しい耐食性が必要な用途において、一方の面側を非常に優れた耐食性を有するチタンとし、厳しい耐食性は不要な他方の面はマグネシウムよりは耐食性に優れチタンより軽量なアルミニウムとすることが可能となる。
クラッド材100においては、上述のように耐食性を充分に向上させるために、耐食性向上に寄与するクラッド層3が一定の比率以上の厚さを有するように、コア層2の厚さはクラッド材1の厚さの好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である旨を示したが、クラッド材200については、クラッド層3が2つあり、より優れた耐食性を得るために、2つのクラッド層3、それぞれが、好ましくはクラッド材200の厚さの5%以上、より好ましくは10%以上の厚さを有する。従って、クラッド材200のコア層2の厚さは、好ましくはクラッド材200の厚さの90%以下、より好ましくは80%以下である。
クラッド材200の製造方法については、クラッド層3となる別の金属をコア層2となるマグネシウム合金の両方の面に配置しなければならない。この点以外はクラッド材100と同じ方法により製造可能である。
表1は、比較例1〜3および本発明の実施例のサンプルの詳細を示す。
スタート材として、厚さ2.5mmのAZ31合金の板材(Mg−2.9質量%Al−0.95質量%Zn−0.35質量%Mn)と厚さ2.5mmのAZ61合金の板材(Mg−6.4質量%Al−0.74質量%Zn−0.41質量%Mn)を用意した。AZ31合金のスタート材を、300℃でスタート材の圧延方向と同じ方向に厚さ0.9mmまで複数パスの圧延を行い、比較例1、2用のマグネシウム合金シート(マグネシウム合金部材)得た。また、比較例3用のマグネシウム合金シートは、AZ31合金のスタート材を、厚さ0.9mmまで圧延温度300℃で圧延のパス毎に90°圧延方向を変えた交差圧延を行って得た。実施例用のマグネシウム合金シートは、AZ61合金のスタート材を、300℃でスタート材の圧延方向と同じ方向に厚さ0.9mmまで複数パスの圧延を行うことで得た。
Figure 2010155357
また、クラッド層を形成するために厚さ0.25mmの純チタン(JIS 第1種)のシートを用意した。
続いて、それぞれのサンプルについて、マグネシウム合金シートと純チタンのシートを重ね、厚さ0.85mmまで接合圧延を行った。比較例1〜3については、例えば非特許文献1に示されるAZ31合金のコアを有するクラッド材に一般的な250℃で接合圧延した。一方、実施例については、400℃で接合圧延を行った。
接合圧延によりクラッド加工を実施した後、全てのサンプルは、接合強度を高めるようにアルゴン雰囲気中で300℃×600秒間の拡散焼鈍を行った。比較例2および3については、底面集合組織を得ることを目的に、さらに500℃で3時間、低真空中で高温焼鈍を行った。
得られたクラッド材のマグネシウム合金コア層とチタンクラッド層の厚さの比は、クラッド前のマグネシウム合金シートの厚さとチタンシートの厚さの比0.9:0.25より若干マグネシウム側の比率が低いが、概ねこの比と同レベルであった。
次に得られたこれらのサンプルの特性を評価した。
得られたサンプルにおける、c軸とサンプル表面の法線方向との為す角度θを上述した方法により、測定した。
さらに、結晶粒径、圧延方向(比較例3は、接合圧延の方向)に対して0°、45°および90°方向の引張り強さ(最大抗張力)と0.2%耐力、ならびに絞り成形性を評価した。
結晶粒径は、光学顕微鏡写真上に任意に引いた直線の長さを直線と結晶粒界との交点の個数で割った値を平均結晶粒径とする方法、すなわち切片法により測定した。
また、絞り成形性については、各サンプルから直径25mmの円形状の板、ブランク(成形試験片)を切り出し、これを図4に示す深絞り成形試験装置50を用いて評価した。肩部に半径が4.0mmの曲部を設けた(肩半径が4.0mm)成形孔を有するダイ51にブランク110をチタンクラッド層が下側(ダイ側)になるように載置した。そしてブランクホルダー53でブランクの外周部を押さえて固定し、ブランク直径15mm(絞り比1.67)、肩半径2mmのポンチ52をブランク110の上方から下向き(図中矢印の方向)に移動してブランク110をダイ51の成形孔に押し込み、カップを成形した。
ダイ51の外周に付設したヒータ54により成形温度が150℃となるように制御した。そして、ポンチ52の下降速度(クロスヘッド速度)を0.167mm/秒から16.7mm/秒まで変化させて成形を繰り返し、成形されたカップのコーナー(ポンチ肩部に対応する部分)またはカップ先端部(フランジ端部)にクラックを生じない最大下降速度(最大加工速度)を求めた。すなわち、最大加工速度が大きい程、成形性に優れていることを意味する。なお、成形時の潤滑剤には二硫化モリブデンペーストを用いた。
表2にc軸の角度θ、結晶粒径および成形性を示す最大加工速度を示す。図5は、圧延方向に対する引張り方向の角度と引張り強さとの関係を示すグラフである。図6は、圧延方向に対する引張り方向の角度と0.2%耐力との関係を示すグラフである。
Figure 2010155357
比較例1は、圧延方向にc軸が15°傾いており、すなわち角度θが15°であることが判った。一方、比較例2は角度θが0°、比較例3は角度θが0°、実施例は角度θが0°であり、この3つのサンプルは何れも底面集合組織を有していた。
一方、結晶粒径については、比較例1と実施例が10μm以下の微細な結晶粒を有するのに対し、比較例2は、結晶粒径が57.6μmと粗大化していた。これは、底面集合組織を得るために、クラッド後に実施した500℃での高温焼鈍に起因すると考えられる。比較例3については、結晶粒径の測定を行わなかったが、高温焼鈍を行っていること、および図5および図6の引張り試験の結果から結晶粒径は比較例2と同様に粗大化していると考えられる。
図5に示す、引張り強さの測定結果から、何れの圧延方向に対する角度についても実施例が最も高い引張り強さを示している。実施例と比較例1が何れの角度でも充分に300MPaを超える引張り強さを有しているのに対し、比較例2および比較例3の引張り強さは、何れの角度でも300MPaをかなり下回っていた。これは、比較例2および3は、高温焼鈍による結晶粒径の粗大化とチタンクラッド層の軟化が原因で強度(引張り強さ)が低下していると考えられる。
図6に示す、0.2%耐力(降伏応力)についても、実施例および比較例1が何れの角度(圧延方向に対する角度)でも250MPa程度以上と高い値になっているのに対し、比較例2および比較例3は、何れの角度でも0.2%耐力が200MPa以下と低い値となっている。この低い0.2%耐力は、高温焼鈍による結晶粒径の粗大化とチタンクラッド層の軟化に起因すると考えられる。
次に成形性については、底面集合組織を有しない比較例1と比べ、底面集合組織を有する比較例2、比較例3および実施例は優れた成形性を有している。比較例3と実施例は、最大加工速度が比較例1と比べ5倍程度以上と特に優れた成形性を示している。
以上から判るように、実施例のサンプルのみが、結晶粒の粗大化を生じず、従って高い強度(引張り強さ、降伏応力)を有し、かつ優れた成形性を有している。これに対し比較例1〜3は、結晶粒が粗大化し強度が低いまたは成形性が低いという問題を有している。
なお、比較例3は接合圧延前の交差圧延と高温焼鈍との相乗効果により、実施例より成形性に優れているが、しかし交差圧延は圧延1パス毎に圧延方向を90°回転させるという作業を伴い、量産性が極めて低い等の問題点も有していることに留意されたい。
本発明の実施形態1にかかるマグネシウム合金クラッド材100の断面図である。 本発明の実施形態2にかかるマグネシウム合金クラッド材200の断面図である。 マグネシウム合金コア層の六方最密結晶構造のc軸が配向する結晶方位を模式的に示す図である。 深絞り成形試験装置50を示す正面図である。 引張り方向の圧延方向に対する角度と引張り強さとの関係を示すグラフである。 引張り方向の圧延方向に対する角度と0.2%耐力との関係を示すグラフである。
符号の説明
2 マグネシウム合金コア層、3 クラッド層、100,200 クラッド材

Claims (10)

  1. 結晶構造が六方最密充填構造(hcp)であるマグネシウム合金より成るコア層と、該コア層の一方の面または両方の面にクラッドされた別の金属より成るクラッド層とを有するマグネシウム合金クラッド材であって、
    前記コア層の厚さが前記クラッド材の厚さの50%より厚く、
    前記マグネシウム合金が4.5質量%以上のアルミニウムを含有し、かつその結晶構造のc軸と前記コア層の表面の法線とが為す角度が5°未満である底面集合組織を有することを特徴とするマグネシウム合金クラッド材。
  2. 前記マグネシウム合金の結晶粒径が30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金クラッド材。
  3. 前記マグネシウム合金が4.5〜12.0質量%のアルミニウム、0〜4.0質量%の亜鉛、0〜2.0質量%のマンガン、0〜2.0質量%のジルコニウムを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のマグネシウム合金クラッド材。
  4. 前記マグネシウム合金の結晶粒径が20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネシウム合金クラッド材。
  5. 前記別の金属がチタンまたはチタン合金であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマグネシウム合金クラッド材。
  6. 結晶構造が六方最密充填構造(hcp)で、4.5質量%以上のアルミニウムを含有するマグネシウム合金部材を準備する工程と、
    加工温度が280℃以上のクラッド加工により、前記マグネシウム合金部材の少なくとも1つの面に別の金属をクラッドする工程と、
    を含むことを特徴とする、マグネシウム合金より成るコア層と別の金属より成るクラッド層を含むマグネシウム合金クラッド材の製造方法。
  7. 前記クラッド加工が接合圧延であることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記接合圧延の圧下率が10〜60%であることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記コア層の厚さが前記マグネシウムクラッド材の厚さの50%より厚くなるように、前記マグネシウム合金部材の厚さを選択することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記別の金属がチタンまたはチタン合金であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法。
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