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JP2010038044A - 磨耗判定装置 - Google Patents

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JP2010038044A
JP2010038044A JP2008202286A JP2008202286A JP2010038044A JP 2010038044 A JP2010038044 A JP 2010038044A JP 2008202286 A JP2008202286 A JP 2008202286A JP 2008202286 A JP2008202286 A JP 2008202286A JP 2010038044 A JP2010038044 A JP 2010038044A
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Daichi Okumura
大地 奥村
Koichi Nakada
浩一 中田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】プラズマ点火プラグの磨耗を判定することが可能な磨耗判定装置およびこれを備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】プラズマ放電により燃焼室内に形成される混合気に点火可能なプラズマ点火プラグと、第2バッテリーにより昇圧されると共にプラズマ点火プラグからプラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧を放電可能なコンデンサと、を備えた点火装置におけるプラズマ点火プラグの磨耗を判定するECUにおいて、コンデンサの放電時における誘起電圧からプラズマ点火プラグが磨耗しているか否かを判定可能な磨耗可否判定部を備えた。
【選択図】 図6

Description

本発明は、プラズマ放電により混合気に点火を行うプラズマ点火プラグの磨耗を判定する磨耗判定装置に関するものである。
従来、燃焼室に形成された混合気に点火を行う点火プラグとして、プラズマ放電により点火を行う放電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この放電装置は、中心電極と円筒状電極とを有しており、放電装置に電圧が印加されることで、プラズマ放電を生じさせている。
特開2007−309160号公報
ところで、従来の点火プラグを長期間に亘って使用し続けると、中心電極や円筒状電極が徐々に磨耗してゆく。しかしながら、従来、プラズマ放電を発生させる点火プラグの磨耗を判定する技術は確立しておらず、点火プラグの磨耗を判定することが困難であった。
そこで、本発明は、プラズマ点火プラグの磨耗を判定することが可能な磨耗判定装置を提供することを課題とする。
本発明の磨耗判定装置は、プラズマ放電により燃焼室内に形成される混合気に点火可能なプラズマ点火プラグと、プラズマ点火プラグからプラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧を放電可能な蓄電器と、を備えた点火装置におけるプラズマ点火プラグの磨耗を判定する磨耗判定装置において、蓄電器は、予め設定された設定誘起電圧を放電するように蓄電され、設定誘起電圧の放電時において、プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したか否かを判定するプラズマ放電判定手段と、プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したと判定された場合、プラズマ点火プラグは磨耗していないと判別する一方、プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生していないと判定された場合、プラズマ点火プラグは磨耗していると判別する磨耗可否判定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の別の磨耗判定装置は、プラズマ放電により燃焼室内に形成される混合気に点火可能なプラズマ点火プラグと、プラズマ点火プラグからプラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧を放電可能な蓄電器と、を備えた点火装置におけるプラズマ点火プラグの磨耗を判定する磨耗判定装置において、誘起電圧の放電時において、プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したか否かを判定するプラズマ放電判定手段と、プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したと判定された場合、プラズマ放電時における誘起電圧に基づいて、プラズマ点火プラグの磨耗量を検出可能な磨耗量検出手段と、検出した磨耗量が予め設定された設定磨耗量以下である場合、プラズマ点火プラグは磨耗していないと判別する一方、検出した磨耗量が予め設定された設定磨耗量よりも大きい場合、プラズマ点火プラグは磨耗していると判別する磨耗可否判定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る磨耗判定装置は、蓄電器の放電時における誘起電圧から、プラズマ点火プラグが磨耗しているか否かを判定することができるという効果を奏する。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る磨耗判定装置について説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
ここで、図1は、実施例1に係るECUを備えたエンジンを模式的に表した概略図であり、図2は、実施例1に係るプラズマ点火プラグの先端における断面図である。また、図3は、点火装置に係る回路図であり、図4は、電圧計により測定した電圧の時間変化に係るグラフである。さらに、図5は、誘起電圧に応じて変化するプラズマ点火プラグの磨耗量を表したグラフであり、図6は、磨耗判定および第1の点火安定化制御に関する一連の制御動作を表したフローチャートである。また、図7は、磨耗判定および第2の点火安定化制御に関する一連の制御動作を表したフローチャートであり、図8は、磨耗判定および第3の点火安定化制御に関する一連の制御動作を表したフローチャートである。
先ず、図1を参照して、実施例1に係る磨耗判定装置を備えた内燃機関(以下、エンジンという)について説明する。このエンジン1は、例えば、ポート噴射式のエンジン本体3と、エンジン本体3を制御するECU2により制御されている。なお、詳細は後述するが、ECU2は、プラズマ点火プラグ44の磨耗を判定する磨耗判定装置として機能している。
エンジン本体3は、下部からクランクケース10と、クランクケース10の上部に設けられたシリンダブロック11と、ヘッドガスケット(図示省略)を介してシリンダブロック11の上部に設けられたシリンダヘッド12とで外殻が形成されている。シリンダブロック11の上方内部には、往復動可能にピストン13が気筒数(図示では1つ)に応じて複数収容され、また、シリンダブロック11の下方内部およびクランクケース10により形成された収容部には、クランクシャフト14が収容されている。各ピストン13とクランクシャフト14とは、コンロッド15により連結されており、各ピストン13の往復動作をクランクシャフト14に伝達している。そして、上記のシリンダブロック11、シリンダヘッド12およびピストン13により、ペントルーフ型の燃焼室16が気筒数に応じて複数形成されている。
クランクケース10には、クランク角センサ20が配設されており、クランクシャフト14のクランク角度を検知している。クランク角センサ20は、ECU2に接続されており、ECU2は、クランク角センサ20の検出結果に基づいて、後述するプラズマ点火プラグ44の点火動作、後述する燃料噴射弁45の燃料噴射動作、後述する吸気弁34および排気弁35の開閉動作等を制御している。
シリンダブロック11は、その内部に複数のピストン13を収容するための複数のシリンダボア24が円柱状に貫通形成されている。そして、ピストン13は、シリンダボア24に嵌合するように円柱状に形成されており、このシリンダボア24内で上死点と下死点との間を往復動可能に支持されている。また、ピストン13のヘッド面には、ピストンキャビティ25が没入形成されている。
シリンダヘッド12は、その内部に燃焼室16に連通する吸気ポート30と、吸気ポート30に対向配置され、燃焼室16に連通する排気ポート31とが形成されている。また、吸気ポート30の上流側には、吸気通路36が接続されており、吸気通路36には、スロットルバルブ37が配設されている。スロットルバルブ37は、ECU2に接続されており、ECU2は、スロットルバルブ37による開閉動作を制御している。さらに、燃焼室16と吸気ポート30との間の吸気側連通口32には、吸気弁34が配設されており、燃焼室16と排気ポート31との間の排気側連通口33には、排気弁35が配設されている。
吸気弁34および排気弁35は、傘形状をなす末広がりの円錐状に形成されており、各吸気側連通口32および各排気側連通口33を開放する開放位置(下降端位置)と、各吸気側連通口32および各排気側連通口33を閉塞する閉塞位置(上昇端位置)との間で移動自在に構成されている。そして、吸気弁34の基端部には、吸気弁34を動作させる吸気弁駆動装置40が配設され、また、排気弁35の基端部には、排気弁35を動作させる排気弁駆動装置41が配設されている。このとき、吸気弁34、排気弁35、吸気弁駆動装置40および排気弁駆動装置41は、可変バルブリフト機構42の一部を構成しており、吸気弁駆動装置40および排気弁駆動装置41は、ECU2に接続されている。これにより、ECU2は、吸気弁34および排気弁35のリフト量や開閉タイミングを適宜調整することで、燃焼室16内に吸入する吸入空気量を調整したり、あるいは、燃焼室16内における圧縮比を調整したりすることが可能となる。
また、燃焼室16の頂部には、先端部が突出するようにプラズマ点火プラグ44が配設されている。プラズマ点火プラグ44は、点火装置43の一部を構成しており(詳細は後述)、点火装置43はECU2に接続されている。そして、ECU2は、クランク角センサ20による検出結果に基づいて点火装置43を制御することで、プラズマ点火プラグ44による点火動作を制御している。
ここで、図2を参照して、プラズマ点火プラグ44の先端部分について簡単に説明する。プラズマ点火プラグ44は、軸心に配設された中心電極50と、先端面に配設された接地電極51と、中心電極50および接地電極51を保持するプラグ本体52と、を備えている。
プラグ本体52には、その軸心に中心電極50を収容可能な円柱状の空間となる中心電極収容部55が形成されると共に、その先端面に接地電極51を収容可能な円板状の空間となる接地電極収容部56が形成されている。そして、中心電極収容部55と接地電極収容部56との間の軸心には、中心電極収容部55よりも細径となるキャビティ57が形成されている。
中心電極50は、円柱状に形成され、中心電極収容部55に収容されている。また、接地電極51は、中心に円形の開口58を有する円板状に形成され、接地電極収容部56に収容されている。そして、中心電極50および接地電極51間に電圧が印加されることで、キャビティ57にプラズマが形成される。
また、シリンダヘッド12の吸気ポート30には、吸気弁34に向かって燃料を噴射する燃料噴射弁45が配設されている。そして、燃料噴射弁45は、ECU2に接続されており、ECU2は、クランク角センサ20による検出結果に基づいて燃料噴射動作を制御している。
ECU2は、プラズマ点火プラグ44の点火動作を制御する点火制御部100と、燃料噴射弁45の燃料噴射動作を制御する燃料噴射制御部101と、スロットルバルブ37の開閉動作を制御するスロットル制御部102と、吸気弁34および排気弁35の開閉動作を制御する弁制御部103と、を有している。
ここで、エンジン1の一燃焼サイクル中の燃焼動作について説明する。燃焼サイクルでは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程が順に行われている。
吸気行程では、ピストン13が上死点から下死点へ向けて移動を開始すると共に、吸気弁34を前進移動させて吸気側連通口32を開放する。すると、燃焼室16の負圧により空気が吸気側連通口32を介して燃焼室16内に吸入され、この後、前進移動した吸気弁34を後退移動させて吸気側連通口32を閉塞する。このとき、ECU2は、燃料噴射弁45から燃料噴射を開始し、これにより、噴射された燃料と吸入された空気とが混合して混合気が形成される。
圧縮行程では、ピストン13が下死点から上死点へ向けて移動する。ピストン13が上死点に移動すると、この移動に伴って混合気は圧縮される。そして、ピストン13が上死点近傍に達すると、ECU2は、プラズマ点火プラグ44からプラズマ放電を発生させて、混合気に着火する。なお、燃料噴射弁45による燃料噴射は、プラズマ点火プラグ44の放電前に終了する。
膨張行程では、着火による混合気の燃焼により、混合気が膨張(爆発)して、ピストン13を上死点から下死点へ向けて移動させる。
排気行程では、下死点へ到達したピストン13が、慣性により再び上死点へ向けて移動する。このとき、排気弁35を前進移動させて排気側連通口33を開放し、ピストン13の上死点への移動に伴って、燃焼後の排気ガスを排気側連通口33から排出させる。排気ガスの排出後、排気弁35を後退移動させて排気側連通口33を閉塞する。
以上の燃焼サイクルを繰り返し行うことで、各ピストン13を往復動作させ、この動力をコンロッド15を介してクランクシャフト14に伝達することで、エンジン1は駆動力を得ることができる。
ところで、プラズマ点火プラグ44を長期間に亘って使用すると、中心電極50および接地電極51がそれぞれ磨耗してゆく。中心電極50および接地電極51が磨耗すると、プラズマ点火プラグ44からプラズマ放電が生じにくくなる。このため、実施例1に係るエンジン1では、プラズマ点火プラグ44が磨耗しているか否かを判定すると共に、プラズマ点火プラグ44が磨耗している場合、プラズマ点火プラグ44からプラズマ放電が安定的に行われるよう制御している。以下、プラズマ点火プラグ44の磨耗判定を行うECU2について説明する。
先ず、ECU2の説明に先立ち、図3を参照して、点火装置43について説明する。点火装置43は、ECU2に接続されており、中心電極50および接地電極51を有する上記のプラズマ点火プラグ44と、プラズマ点火プラグ44の中心電極50側に接続されたイグニッションコイル60とを有している。イグニッションコイル60は、1次コイル60aと、1次コイル60aに対峙する2次コイル60bとで構成されている。1次コイル60aの一端には、スイッチ62を介して第1バッテリー63が接続されている。また、2次コイル60bの一端には、第1ダイオード64を介してプラズマ点火プラグ44が接続されている。そして、第1ダイオード64とプラズマ点火プラグ44との間はT接続となっており、第2ダイオード65を介してコンデンサ66(蓄電器)が接続されている。また、第2ダイオード65とコンデンサ66との間はT接続となっており、第2バッテリー67が接続されている。このとき、コンデンサ66は、プラズマ点火プラグ44からプラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧を放電するために、第2バッテリー67から供給された電力を蓄電している。
従って、図4に示すように、ECU2によりスイッチ62がONされると、第1バッテリー63から1次コイル60aに1次電流が流れる。この結果、2次コイル60bに高電圧が発生し、この高電圧によってプラズマ点火プラグ44の各電極50,51間に火花放電が発生する。火花放電が発生すると、2次コイル60bに発生した電圧は徐々に低下するが、このとき、2次コイル60bに発生した電圧が、第2バッテリー67により昇圧されたコンデンサ66の誘起電圧を下回ると、コンデンサ66からプラズマ点火プラグ44に向けて電流が流れる。これにより、プラズマ点火プラグ44は火花放電を継続することで、プラズマ放電を誘起させる。
次に、ECU2について説明する。ECU2は、プラズマ点火プラグ44の磨耗を判定する磨耗判定部104を有している。また、ECU2には、第1ダイオード64とプラズマ点火プラグ44との間に設けられた電圧計70が接続されている。この電圧計70は、コンデンサ66の放電時における誘起電圧を検出しており、ECU2の磨耗判定部104は、電圧計70により検出された誘起電圧に基づいて、プラズマ点火プラグ44が磨耗しているか否かを判定している。
具体的に、磨耗判定部104は、誘起電圧の放電時にプラズマ点火プラグ44からプラズマ放電が発生したか否かを判定するプラズマ放電判定部110(プラズマ放電判定手段)と、誘起電圧とプラズマ点火プラグ44の磨耗量との関係を表した磨耗量マップM1と、磨耗量マップM1に基づいてプラズマ点火プラグ44の磨耗量を検出可能な磨耗量検出部111(磨耗量検出手段)と、検出した磨耗量が予め設定された設定磨耗量以下であるか否かを判定する磨耗可否判定部112(磨耗可否判定手段)と、を有している。
プラズマ放電判定部110は、例えば、公知のイオン電流検出装置(図示省略)により検出されたイオン電流に基づいて、プラズマ放電が発生したか否かを判定している。具体的に、プラズマ放電判定部110は、プラズマ点火プラグ44を電極として燃焼室16内に発生したイオン電流をイオン電流検出装置により検出し、検出したイオン電流に基づいて燃焼室16内の着火/失火を判定することで、プラズマ放電が発生したか否かを判定している。つまり、プラズマ放電判定部110は、検出したイオン電流の電流値が、所定のしきい値よりも大きければプラズマ放電が発生したと判定する一方、小さければプラズマ放電が発生していないと判定している。
磨耗量マップM1は、図5に示すように、その横軸が誘起電圧となっており、その縦軸がプラズマ点火プラグ44の磨耗量となっている。この磨耗量マップM1を見るに、プラズマ点火プラグ44の磨耗量が大きければ大きいほど、プラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧が大きくなる。なお、この磨耗量マップM1は、実験等に基づいて作成されており、ECU2内に記憶されている。
磨耗量検出部111は、プラズマ放電判定部110によりプラズマ放電が発生したと判定した場合、プラズマ放電時において電圧計70により検出された誘起電圧に基づいて、磨耗量マップM1から推測される磨耗量Δdを検出する。
磨耗可否判定部112は、磨耗量検出部111により検出した磨耗量Δdが、予め設定した設定磨耗量daよりも大きい場合、プラズマ点火プラグ44が磨耗していると判定する。一方、磨耗可否判定部112は、磨耗量検出部111により検出した磨耗量Δdが、予め設定した設定磨耗量da以下の場合、プラズマ点火プラグ44が磨耗していないと判定する。なお、設定磨耗量daは、エンジン1を搭載した車両の走行距離に基づいて定められており、具体的には、車両が所定距離を走行したときの磨耗量となっている。
ここで、磨耗可否判定部112によりプラズマ点火プラグ44が磨耗していると判別された場合、プラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧を高く設定しなければならない。しかしながら、コンデンサ66から放電可能な誘起電圧の上限値(耐電圧)を超えて、要求される誘起電圧を設定することはできないため、要求される誘起電圧を低下させる必要がある。このため、実施例1では、プラズマ点火プラグ44によるプラズマ放電を安定的に行うべく、ECU2によりエンジン本体3を制御して、プラズマ点火プラグ44の点火安定化制御を行っている。以下、点火安定化制御について説明する。なお、点火安定化制御としては、例えば、燃焼室16へ吸入される吸入空気量を調整する場合、燃焼室16内における圧縮比を調整する場合、および燃焼室16へ噴射される燃料を変更する場合の3つがあり、これを順に説明する。
最初に、第1の点火安定化制御として、燃焼室へ吸入される吸入空気量を調整する場合がある。具体的に、ECU2には、プラズマ点火プラグ44の磨耗量と目標となる吸入空気量との関係を表した空気量マップ(図示省略)が予め記憶されている。そして、磨耗可否判定部112によりプラズマ点火プラグ44が磨耗していると判定されると、スロットル制御部102は、空気量マップから吸入空気量の補正値を定め、この後、補正値に基づいてスロットルバルブ37のスロットル開度を調整、すなわち、スロットルバルブ37のスロットル開度を補正値分、閉じ側へ向けて移動させる。このため、スロットル制御部102は、スロットルバルブ37を絞ることができるため、燃焼室16内に吸入される吸入空気量を減らすことができる。これにより、燃焼室16内の吸入空気量を減らすことで、プラズマ放電を生じさせ易くすることができるため、要求される誘起電圧を低下させることができる。すなわち、スロットル制御部102は点火安定化制御手段として機能する。
ここで、図6を参照して、ECU2により磨耗判定および点火安定化制御を行う一連の制御フローについて説明する。先ず、エンジン1を停止させると、ECU2は、エンジン1が所定条件となるように設定する。ここで、所定条件とは、スロットルバルブ37のスロットル開度、吸気弁34および排気弁35の開閉時期、吸気弁34および排気弁35のリフト量や、プラズマ点火プラグ44の点火時期等、プラズマ点火プラグ44の磨耗を判定するための最適な条件である。そして、ECU2は、エンジン1が所定条件となったか否かを判別する(S1)。
エンジン1が所定条件となったと判定すると、点火制御部100は、プラズマ点火プラグ44から数回の放電を行い、ECU2は、プラズマ放電判定部110によりプラズマ放電が発生したと判定されたときの誘起電圧を、電圧計70により検出する(S2)。
続いて、磨耗量検出部111は、電圧計70により検出した誘起電圧に基づいて、磨耗量マップM1からプラズマ点火プラグ44の磨耗量Δdを検出する(S3)。この後、磨耗可否判定部112は、検出した磨耗量Δdが予め設定した設定磨耗量daよりも大きいか否かを判定する(S4)。
そして、磨耗可否判定部112により検出した磨耗量Δdが設定磨耗量daよりも大きいと判定されると、スロットル制御部102は、空気量マップに基づいて目標空気量となるようスロットルバルブ37のスロットル開度を閉じ側へ移動させる(S5)。このため、燃焼室16内に吸入される吸入空気量を減らすことができるため、点火制御部100は、プラズマ点火プラグ44によるプラズマ放電を発生させ易くすることができる。これにより、プラズマ点火プラグ44の磨耗により要求される誘起電圧が高くなったとしても、燃焼室16内への吸入空気量を減らすことで、要求される誘起電圧を低下させることができる。
なお、S1において、エンジン1が所定条件となっていないと判定されると、再びS1に戻って、一連の制御フローを最初から実行する。また、S4において、検出した摩擦量Δdが設定摩擦量da以下であると判定された場合、再びS1に戻って、一連の制御フローを最初から実行する。さらに、燃焼室16へ吸入される吸入空気量を調整する場合、ECU2は、スロットル制御部102によりスロットルバルブ37のスロットル開度を制御して吸入空気量を調整したが、これに限らず、ECU2は、弁制御部103により吸気弁34のリフト量や開弁タイミングを制御して吸入空気量を調整してもよい。
次に、第2の点火安定化制御として、燃焼室16内における圧縮比を調整する場合がある。具体的に、ECU2には、プラズマ点火プラグの磨耗量と目標となる圧縮比との関係を表した圧縮比マップ(図示省略)が予め記憶されている。そして、磨耗可否判定部112によりプラズマ点火プラグ44が磨耗していると判定されると、弁制御部103は、圧縮比マップから圧縮比の補正値を定め、この後、補正値に基づいて吸気弁の開閉時期やリフト量を調整して、燃焼室16内における圧縮比を下げる。このため、弁制御部103は、燃焼室16内における圧縮比を下げることで、プラズマ放電を生じさせ易くすることができるため、要求される誘起電圧を低下させることができる。すなわち、弁制御部103は点火安定化制御手段として機能する。
ここで、図7を参照して、磨耗判定および点火安定化制御を行う一連の制御フローについて説明する。なお、S1からS4に係る制御動作は同様であるため、説明を省略する。S4において、磨耗可否判定部112により検出した磨耗量Δdが設定磨耗量daよりも大きいと判定されると、弁制御部103は、圧縮比マップに基づいて目標圧縮比となるよう吸気弁34の開閉時期やリフト量を制御して、燃焼室16内における圧縮比を下げる(S15)。このため、燃焼室16内における圧縮比を下げることで、点火制御部100は、プラズマ点火プラグ44によるプラズマ放電を発生させ易くすることができる。これにより、プラズマ点火プラグ44の磨耗により要求される誘起電圧が高くなったとしても、燃焼室16内における圧縮比を下げることで、要求される誘起電圧を低下させることができる。
最後に、第3の点火安定化制御として、燃焼室16へ噴射される燃料を変更する場合がある。具体的に、図示は省略するが、燃料噴射弁45には、アルコール燃料またはガソリン燃料が供給されており、燃料噴射弁45の燃料供給経路の上流側には、燃料をアルコール燃料またはガソリン燃料に切り替える燃料切替弁が配設されている。そして、この燃料切替弁は、ECU2の燃料噴射制御部101により制御されている。燃料噴射制御部101は、磨耗可否判定部112によりプラズマ点火プラグ44が磨耗していると判定されると、プラズマ放電が生じやすい燃料であるガソリン燃料となるように燃料切替弁を切り替える。このため、燃料噴射制御部101は、燃料をガソリン燃料とすることで、プラズマ放電を生じさせ易くすることができるため、要求される誘起電圧を低下させることができる。すなわち、燃料噴射制御部101は点火安定化制御手段として機能する。
ここで、図8を参照して、磨耗判定および点火安定化制御を行う一連の制御フローについて説明する。なお、S1からS4に係る制御動作は同様であるため、説明を省略する。S4において、磨耗可否判定部112により検出した磨耗量Δdが設定磨耗量daよりも大きいと判定されると、燃料噴射制御部101は、燃料切替弁を切り替えて、ガソリン燃料に変更する(S25)。このため、ガソリン燃料に変更することで、点火制御部100は、プラズマ点火プラグによるプラズマ放電を発生させ易くすることができる。これにより、プラズマ点火プラグ44の磨耗により要求される誘起電圧が高くなったとしても、ガソリン燃料に変更することで、要求される誘起電圧を低下させることができる。
以上の構成によれば、ECU2は、プラズマ放電時において電圧計70により誘起電圧を検出した後、検出した誘起電圧からプラズマ点火プラグ44の磨耗量Δdを検出し、検出した磨耗量Δdが設定磨耗量daより大きいか否かを判定することで、プラズマ点火プラグ44が磨耗しているか否かを判定することができる。
また、プラズマ点火プラグ44が磨耗していると判定された場合、ECU2は、点火安定化制御を行うことで、要求される誘起電圧を低下させることができる。このため、プラズマ点火プラグ44が磨耗しても、プラズマ点火プラグ44からのプラズマ放電を安定的に発生させることができる。
なお、実施例1では、ECU2は点火安定化制御を行ったが、これに加えて、プラズマ点火プラグ44が交換時期である旨を報知する報知装置をさらに備えてもよい。
次に、図9および図10を参照して、実施例2に係る磨耗判定装置(ECU)およびこれを備えた内燃機関(エンジン)について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。図9は、使用開始時のプラズマ点火プラグに印加される電圧の時間変化に係るグラフであり、図10は、使用経年後のプラズマ点火プラグに印加される電圧の時間変化に係るグラフである。実施例2に係るECUの磨耗判定部では、コンデンサ66から放電される誘起電圧が、予め設定された設定誘起電圧Vcとなるように、第2バッテリー67により昇圧し、この後、プラズマ点火プラグ44からプラズマ放電が発生したか否かを判定することで、プラズマ点火プラグ44が磨耗しているか否かを判定している。以下、実施例2に係るECUについて具体的に説明する。
磨耗判定部は、予め設定した設定誘起電圧の放電時にプラズマ点火プラグ44からプラズマ放電が発生したか否かを判定するプラズマ放電判定部と、プラズマ放電判定部110による判定結果に基づいてプラズマ点火プラグ44が磨耗したか否かを判定する磨耗可否判定部と、を有している。
プラズマ放電判定部110は、実施例1と同様に構成され、検出したイオン電流の電流値が、所定のしきい値よりも大きければプラズマ放電が発生したと判定する一方、小さければプラズマ放電が発生していないと判定している。
磨耗可否判定部は、プラズマ放電判定部110によりプラズマ放電が発生したと判定した場合、プラズマ点火プラグ44が磨耗していないと判定する。一方、プラズマ放電判定部110によりプラズマ放電が発生していないと判定した場合、プラズマ点火プラグ44が磨耗していると判定する。
ここで、磨耗判定を行う一連の制御フローについて簡単に説明する。先ず、エンジン1を停止させると、ECU2は、エンジン1が所定条件となったか否かを判別する。エンジン1が所定条件となったと判定すると、点火制御部100は、予め設定された設定誘起電圧となるように第2バッテリー67を昇圧すると共に、スイッチ62をONにして火花放電を開始する。この後、ECU2は、プラズマ放電判定部110によりプラズマ放電が発生したか否かを判定する。そして、ECU2は、磨耗可否判定部による判定結果に基づいてプラズマ点火プラグ44が磨耗したか否かを判定する。
これにより、図9に示すように、プラズマ点火プラグ44があまり磨耗していないときは、要求される誘起電圧V1が設定誘起電圧Vcよりも低くなるため、プラズマ点火プラグ44によりプラズマ放電を発生させることが可能となる。一方で、図10に示すように、プラズマ点火プラグ44が磨耗しているときは、要求される誘起電圧V2が設定誘起電圧Vcよりも高くなるため、プラズマ点火プラグ44によりプラズマ放電を発生させることが困難となる。
以上の構成によれば、ECU2は、点火制御部100によりプラズマ点火プラグ44に設定誘起電圧Vcを印加して、プラズマ点火プラグ44からプラズマ放電が発生するか否かを判定することで、プラズマ点火プラグ44が磨耗しているか否かを判定することができる。このとき、プラズマ点火プラグ44が磨耗していると判定された場合、実施例1と同様に点火安定化制御を行うことが好ましく、加えて、プラズマ点火プラグ44が交換時期である旨を報知する報知装置をさらに備えてもよい。
以上のように、本発明は、プラズマ点火プラグを有する点火装置を備えた構成において有用であり、特に、プラズマ点火プラグの磨耗を判定する場合に適している。
実施例1に係るECUを備えたエンジンを模式的に表した概略図である。 実施例1に係るプラズマ点火プラグの先端における断面図である。 点火装置に係る回路図である。 電圧計により測定した電圧の時間変化に係るグラフである。 誘起電圧に応じて変化するプラズマ点火プラグの磨耗量を表したグラフである。 磨耗判定および第1の点火安定化制御に関する一連の制御動作を表したフローチャートである。 磨耗判定および第2の点火安定化制御に関する一連の制御動作を表したフローチャートである。 磨耗判定および第3の点火安定化制御に関する一連の制御動作を表したフローチャートである。 使用開始時のプラズマ点火プラグに印加される電圧の時間変化に係るグラフである。 使用経年後のプラズマ点火プラグに印加される電圧の時間変化に係るグラフである。
符号の説明
1 エンジン
2 ECU
34 吸気弁
37 スロットルバルブ
44 プラズマ点火プラグ
45 燃料噴射弁
70 電圧計
100 点火制御部
104 磨耗判定部
110 プラズマ放電判定部

Claims (2)

  1. プラズマ放電により燃焼室内に形成される混合気に点火可能なプラズマ点火プラグと、前記プラズマ点火プラグからプラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧を放電可能な蓄電器と、を備えた点火装置における前記プラズマ点火プラグの磨耗を判定する磨耗判定装置において、
    前記蓄電器は、予め設定された設定誘起電圧を放電するように蓄電され、
    前記設定誘起電圧の放電時において、前記プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したか否かを判定するプラズマ放電判定手段と、
    前記プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したと判定された場合、前記プラズマ点火プラグは磨耗していないと判別する一方、前記プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生していないと判定された場合、前記プラズマ点火プラグは磨耗していると判別する磨耗可否判定手段と、を備えたことを特徴とする磨耗判定装置。
  2. プラズマ放電により燃焼室内に形成される混合気に点火可能なプラズマ点火プラグと、前記プラズマ点火プラグからプラズマ放電を発生させるために必要な誘起電圧を放電可能な蓄電器と、を備えた点火装置における前記プラズマ点火プラグの磨耗を判定する磨耗判定装置において、
    前記誘起電圧の放電時において、前記プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したか否かを判定するプラズマ放電判定手段と、
    前記プラズマ点火プラグからプラズマ放電が発生したと判定された場合、プラズマ放電時における前記誘起電圧に基づいて、前記プラズマ点火プラグの磨耗量を検出可能な磨耗量検出手段と、
    検出した前記磨耗量が予め設定された設定磨耗量以下である場合、前記プラズマ点火プラグは磨耗していないと判別する一方、検出した前記磨耗量が予め設定された設定磨耗量よりも大きい場合、前記プラズマ点火プラグは磨耗していると判別する磨耗可否判定手段と、を備えたことを特徴とする磨耗判定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010180788A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Toyota Motor Corp プラズマ点火装置を備える内燃機関
JP2012162990A (ja) * 2011-02-03 2012-08-30 Ngk Spark Plug Co Ltd 点火システム
JP5866684B2 (ja) * 2010-06-02 2016-02-17 イマジニアリング株式会社 内燃機関の制御装置

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