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JP2010036590A - フレームレスドアのシール構造 - Google Patents

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JP2010036590A
JP2010036590A JP2008197854A JP2008197854A JP2010036590A JP 2010036590 A JP2010036590 A JP 2010036590A JP 2008197854 A JP2008197854 A JP 2008197854A JP 2008197854 A JP2008197854 A JP 2008197854A JP 2010036590 A JP2010036590 A JP 2010036590A
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Masayasu Okada
雅康 岡田
Ikuo Ninomiya
郁夫 二宮
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】ドアウエザストリップの損傷を抑制することのできるフレームレスドアのシール構造を提供する。
【解決手段】フレームレスドアの外周に沿って設けられるドアウエザストリップは、ベルトラインに対応して配置される後側の端末部において後型成形部13を備えている。後型成形部13は、ドアガラスDGの後縁部をシールする断面略コ字状のガラスシール32を備え、ガラスシール32は、ドアガラスDGの外側面に摺接する車外側シール部43を備えている。ベルトラインに沿って設けられるガラスアウタウエザストリップ21は、ドアアウタパネル7に取付けられる基部22と、基部22から車内側に突出し、ドアガラスDGの外側面に摺接する上段シール部26及び下段シール部27とを備えている。また、ガラスシール32の車外側シール部43は、ガラスアウタウエザストリップ21の上段シール部26と下段シール部27との間に挿通状態とされている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ハードトップ車等に採用されるフレームレスドアのシール構造に関するものである。
自動車に設けられるドアの周縁部にはドアウエザストリップが取付けられている。ドアウエザストリップは、ドアの外周に沿って設けられた取付部に取付けられる取付基部と、中空部を有するシール部とを備えている。そして、ドアの閉鎖時には、ドアウエザストリップのシール部が自動車ボディに形成されたドア用開口部の周縁部に圧接され、ドアと自動車ボディとの間がシールされるようになっている。
また、ハードトップ車やオープントップ車に採用されるフレームレスのドアに関しては、ドアの前縁部、下縁部、及び後縁部に沿ってドアウエザストリップが取付けられる。また、図8に示すように、ベルトラインに対応して配置されるドアウエザストリップ71の端末部のうち後側の端末には、ドア(ドアインナパネル)の車内側の面を被覆する後型成形部72が設けられている。後型成形部72は、ドアガラスDG(図10参照)の昇降をガイドするとともに、ベルトラインにおいてドアガラスDGの後縦縁部をシールするガラスシール73を備えている。また、ガラスシール73は、ドアガラスDGの後端縁に対向して延び、ドアガラスDGの外周面に摺接する基底部75と、基底部75から前方に延び、ドアガラスDGの車内側の面に摺接する車内側シール部76と、基底部75から前方に延び、ドアガラスDGの車外側の面に摺接する車外側シール部77とを備え、断面略コ字状をなしている(例えば、特許文献1参照)。
また、ドアには、ベルトラインに沿ってガラスウエザストリップが設けられている。図9、図10に示すように、ガラスウエザストリップ82は、ドアアウタパネル81(図10参照)の上縁部に取付けられるガラスアウタウエザストリップ83と、ドアインナパネルの上縁部に取付けられるガラスインナウエザストリップ(図示略)とからなり、両ウエザストリップに設けられたシール部により、ドアガラスDGの内外面がシールされるようになっている。また、一般に、ガラスアウタウエザストリップ83は、後型成形部72(ドアガラスDG)よりも後方のドアの端部にまで延設されるとともに、図9に示すように、ドアアウタパネル81の上縁部に取付けられる断面略コ字状の基部84と、基部84から車内側に延出する上段シール部85及び下段シール部86とを備えており、シール部を1つだけ設ける場合に比べ、ドアガラスDGの振動の抑制やシール性の向上等が図られている。
特開平10−244834号公報
ところで、図9、図10に示すように、ドアウエザストリップ71の後型成形部72に形成されたガラスシール73はベルトラインに位置している。このため、ガラスシール73の位置にガラスアウタウエザストリップ83の下段シール部86が存在すると、下段シール部86がガラスシール73(後型成形部72)に干渉し、ガラスアウタウエザストリップ83及びドアウエザストリップ71を的確に取付けることができなくなってしまうことが懸念される。このため、従来、同図に示すように、ガラスアウタウエザストリップ83のうちドアウエザストリップ71と交錯する部位においては、下段シール部86が切除され、下段シール部86が除去された空間に後型成形部72のガラスシール73(車外側シール部77)が配置されている。
しかしながら、ドアガラスDGが上昇する際に、ドアガラスDGが車外側に変位していると、図10に示すように、ドアガラスDGの上縁部が車外側シール部77の下端部に当接するおそれがある。この場合、車外側シール部77が突き上げられ、ドアウエザストリップ71が損傷してしまうおそれがある。特に、前記切除による下段シール部86の切り残し88が存在する場合(下段シール部86と基部84との境界部において下段シール部86がガラスアウタウエザストリップ83に若干でも残存する場合)には、切り残し88の突出する分だけ車外側シール部77が車内側へと寄せられるため、かかる不具合がより顕著なものとなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドアウエザストリップの損傷を抑制することのできるフレームレスドアのシール構造を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.フレームレスドアの外周に沿って設けられた取付部に取付けられる取付基部と、前記取付基部と一体的に成形され、ドアの閉鎖時において車両本体に形成されたドア用開口部の周縁部に圧接されるシール部とを備えるドアウエザストリップと、
ドアのベルトラインに沿ってドアアウタパネルに取着され、車内側側壁と、車外側側壁と、両側壁を連結する連結部とを具備する断面略U字形の基部と、前記車内側側壁から車内側に向けて突出し、昇降するドアガラスの外側面に摺接する上段シール部及び下段シール部とを備えるガラスアウタウエザストリップとを備えたフレームレスドアのシール構造であって、
前記ドアウエザストリップは、ベルトラインに対応して配置される両端末部において型成形部を備え、
前記型成形部のうち少なくとも一方は、ドアガラスの縦縁部をシールする断面略コ字状のガラスシールを備えるとともに、前記ガラスシールは、ドアガラスの外側面に摺接する車外側シール部を備え、
前記車外側シール部は、前記ガラスアウタウエザストリップの前記上段シール部と前記下段シール部との間に挿通状態とされていることを特徴とするフレームレスドアのシール構造。
手段1によれば、車外側シール部がガラスアウタウエザストリップの上段シール部と下段シール部との間に挿通状態とされることにより、車外側シール部の下面が下段シール部でカバー(被覆)されることとなる。このため、ドアガラスが車外側に変位した状態で上昇した場合であっても、ドアガラスは下段シール部によりガイドされつつ円滑に上昇し得ることとなり、ドアガラスが車外側シール部の下端部に直接接触することを回避することができる。従って、車外側シール部がドアガラスに突き上げられることに起因して、ドアウエザストリップが損傷してしまうといった事態を防止することができる。結果として、例えば、千切れた車外側シール部がガラスアウタウエザストリップから上方に突出し、外観品質の低下やシール性の低下等を招いてしまうといった事態を防止することができる。さらに、前記下段シール部により、車外側に変位したドアガラスが車内側に案内されるため、ドアガラスを比較的スムースに昇降させることができる。
加えて、車外側シール部が上段シール部と下段シール部との間に挿通されることにより、ガラスアウタウエザストリップの端末の浮き上がりを抑制することができる上、ガラスアウタウエザストリップと型成形部との間に隙間が形成されてしまうといった事態を防止することができる。従って、ガラスアウタウエザストリップの取付状態の安定化や、外観品質、遮音性、及びシール性の向上等を図ることができる。
手段2.前記ガラスアウタウエザストリップの前記下段シール部は中空状をなし、
前記ガラスアウタウエザストリップのうち前記車外側シール部が挿入される部位においては、前記下段シール部の上辺部が除去され、前記下段シール部が略リップ状をなしていることを特徴とする手段1に記載のフレームレスドアのシール構造。
手段2によれば、例えば、車外側シール部に比べて、上段シール部と下段シール部との間に形成される空間が若干小さく、上段シール部と下段シール部との間に車外側シール部が上手く収まらない場合であっても、下段シール部の上辺部を除去することで、車外側シール部やガラスアウタウエザストリップの上下のシール部を変形させることなく、車外側シール部を上段シール部と下段シール部との間に確実に挿通させることができる。また、下段シール部を中空状とすることで、フレームレスドアに装備されるドアガラスのがたつきをより確実に抑制することができる。
手段3.前記下段シール部は、前記車内側側壁の略下端部から車内側かつ上方に向けて、車内側かつ下方に凸となるようにして湾曲しつつ延びる下辺部と、前記下辺部の略上端部と前記車内側側壁とを連結する上辺部とを備え、
前記ガラスアウタウエザストリップのうち前記車外側シール部が挿入される部位においては、前記下段シール部の前記上辺部が除去される構成であって、
前記上辺部のうち前記下辺部との境界部は、除去されることなく前記下段シール部に残存していることを特徴とする手段1又は2に記載のフレームレスドアのシール構造。
手段3によれば、基本的に上記手段2と同様の作用効果が奏される。また、本手段3によれば、ガラスアウタウエザストリップのうち車外側シール部が挿入される部位においては、下段シール部の上辺部が除去されるのではあるが、上辺部のうち下辺部との境界部位に関しては、除去されることなく下段シール部に残存する。このため、下段シール部の上端部において(下辺部の略上端部から)車外側に突出する突部が形成されることとなる。当該突部の存在により、下段シール部がドアガラスに押圧されて車外側に大きく変位させられた場合において、下段シール部と車外側シール部とが面で圧接してしまうといった事態を抑制することができる。従って、下段シール部と車外側シール部とが密着した状態から離間する際に発生するおそれのある異音(剥離音)を抑制することができる。
手段4.前記車外側シール部は、前記ガラスアウタウエザストリップの前記車内側側壁と略平行して延び、取付状態において前記車内側側壁と略当接状態とされる導入部と、前記導入部の上縁部から上方かつ車内側に向けて延び、取付状態において前記ガラスアウタウエザストリップの前記上段シール部の下面と略当接状態とされる案内部とを備え、
前記導入部の上下幅は、前記上段シール部の付根部と前記下段シール部の付根部との間の距離よりも短く構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のフレームレスドアのシール構造。
手段4によれば、車外側シール部を上段シール部と下段シール部との間に容易かつ確実に挿通させることができる。このため、作業性の向上を図ることができる。また、下段シール部が中空状に構成される場合であっても、当該手段4のように導入部の上下幅を、上段シール部の付根部と下段シール部の付根部との間の距離よりも短く構成することで、下段シール部の上辺部を除去するといった作業を省略することもでき、この場合には、更なる作業性の向上、製造コストの削減等を図ることができる。
手段5.前記車外側シール部は、前記ガラスアウタウエザストリップの前記車内側側壁と略平行して延び、取付状態において前記車内側側壁と略当接状態とされる導入部と、前記導入部の上縁部から上方かつ車内側に向けて延び、取付状態において前記ガラスアウタウエザストリップの前記上段シール部の下面と略当接状態とされる案内部とを備え、
前記導入部には、前記車外側シール部よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形される芯部が設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のフレームレスドアのシール構造。
手段5によれば、ドアウエザストリップ及びガラスアウタウエザストリップの取付に際し、車外側シール部を比較的容易に上段シール部と下段シール部との間に挿通させることができるとともに、安定した挿通状態を維持することができる。また、芯部は導入部に設けられているため、芯部によりドアガラスの昇降が阻害されてしまうといった事態を防止することができる。
手段6.前記ガラスシールを備える前記型成形部は、ドアインナパネルに固定される本体部を備え、前記本体部には、前記型成形部よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形される埋設部材が設けられ、
前記芯部は前記埋設部材と一体的に形成されていることを特徴とする手段5に記載のフレームレスドアのシール構造。
手段6によれば、上段シール部と下段シール部との間に挿通された車外側シール部により、ガラスアウタウエザストリップの端末の浮き上がりを防止するといった作用効果が一層確実に奏される。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はドア1の概略構成を示す正面模式図である。図2はドアウエザストリップ3を示す正面図である。図3はドアウエザストリップ3を示す図1のJ−J線断面図である。図4はガラスアウタウエザストリップ21を示す図1のK−K線断面図である。図5は車外側(取付面側)から見た後型成形部13を示す斜視図である。図6はガラスシール32及びガラスアウタウエザストリップ21を示す図1のL−L線断面図である。図7はガラスシール32及びガラスアウタウエザストリップ21を示す斜視図である。尚、図4、図6、図7では、便宜上、ガラスインナウエザストリップ等の図示を省略している。
車両としての自動車には、車両本体としての自動車ボディに形成されたドア用開口部を開閉するフロントドアが設けられている。図1に示すように、フロントドア(以下、単に「ドア1」と称する)は、昇降して窓部Wを開閉するドアガラスDGと、ドア1の外周に沿って取付けられるドアウエザストリップ3とを備えている。本実施形態におけるドア1は、ベルトラインの上方において窓部Wを囲うドアフレームが設けられていない所謂フレームレスタイプのドアである。また、ドア1は、自動車ボディに対して前部が軸支され、後側が開放される構成となっている。
図2に示すように、ドアウエザストリップ3は、ドア1の前縁部、下縁部、及び後縁部に沿って取付けられる押出成形部11と、押出成形部11の前側の端末に一体形成された前型成形部12、及び、押出成形部11の後側の端末に一体形成された後型成形部13とを備えている。本実施形態では、ドアウエザストリップ3は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)により構成されている。
図3に示すように、押出成形部11は、ドア1の外周に沿って設けられる取付部としてのリテーナ部5に取付けられる取付基部15と、取付基部15と一体形成され、中空部を有してなるシール部16とを備えている。そして、ドア1が閉鎖されたときに、シール部16が自動車ボディのドア用開口部の周縁部に圧接して変形し、これにより自動車ボディ及びドア1間がシールされるようになっている。尚、押出成形部11の取付基部15には、押出成形部11の長手方向に沿って所定間隔毎にクリップ(図示略)が取付けられており、取付基部15を断面略C字状のリテーナ部5に嵌め込むとともに、クリップをリテーナ部5に形成された取付孔に嵌め込むことでドアウエザストリップ3がドア1に取付けられている。
また、図1に示すように、ドア1には、ベルトラインに沿ってガラスウエザストリップ9が設けられている。ガラスウエザストリップ9は、ドアアウタパネル7の上縁部に取付けられるガラスアウタウエザストリップ21(図4参照)と、図示しないドアインナパネルの上縁部に取付けられるガラスインナウエザストリップ(図示略)とから構成されている。本実施形態では、ガラスウエザストリップ9は、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)により構成されている。
図4に示すように、ガラスアウタウエザストリップ21は、ドアアウタパネル7の上縁部に取付けられ、車内側側壁23と、車外側側壁24と、両側壁23、24を連結する連結部25とを具備する断面略U字形の基部22と、車内側側壁23から車内側に向けて突出し、ドアガラスDGの外側面に摺接する上下一対の上段シール部26及び下段シール部27とを備えている。
上段シール部26は、リップ状に形成されており、車内側側壁23の上部から車内側かつ上方に向けて延びている。下段シール部27は、車内側側壁23の略下端部から車内側かつ上方に向けて、車内側かつ下方に凸となるようにして湾曲しつつ延びる下辺部28と、下辺部28の上端部と車内側側壁23とを連結する上辺部29とを備え、中空状に形成されている。そして、ドアガラスDGにより窓部Wが閉鎖されると、上段シール部26及び下段シール部27がドアガラスDGの外側面に圧接し、ベルトラインにおいてドアガラスDGの外側面がシールされるようになっている。
尚、ガラスインナウエザストリップに関しても、図示は省略するが、ドアインナパネルの上縁部に取付けられる断面略コ字状の基部と、基部から車外側に向けて突出するシール部とを備えており、ドアガラスDGにより窓部Wが閉鎖されると、ガラスインナウエザストリップのシール部により、ベルトラインにおいて、ドアガラスDGの内側面がシールされるようになっている。
さて、図5に示すように、後型成形部13は、ドアインナパネルの車内側の面に取付けられ、ドアインナパネルの車内側の面を被覆する本体部31と、ドアガラスDGの昇降をガイドするとともに、ベルトラインにおいてドアガラスDGの後縁部をシールする断面略コ字状のガラスシール32と、ガラスインナウエザストリップの後側の端末を収容する端末収容部33とを備え、型成形によりこれらが一体的に形成されている。
本体部31は、ドアインナパネルの車内側の面に合致する断面形状を有しており、ドアガラスDGよりも車外側に位置し、ドアインナパネルの後上の隅部と当接する第1板状部34と、第1板状部34の前縁部から車内側に延出する第2板状部35と、ドアガラスDGよりも車内側に位置し、第2板状部35の車内側の端縁から前方に延出する第3板状部36とを備えている。また、本体部31(第1〜第3板状部34、35、36)には、後型成形部13(EPDM)よりも硬質な樹脂材料(例えばポリプロピレン等)よりなり、型成形時にインサート成形される図示しない埋設部材が設けられている。加えて、第1板状部34及び第3板状部36には車幅方向に貫通する挿通孔37が形成されており、当該挿通孔37とドアインナパネルに形成された取付孔とを位置合わせしてクリップ(図示略)を取付けることにより、後型成形部13がドア1に固定されている。また、第2板状部35は、ドアインナパネルの形状に合わせて、上方かつ前方に向けて部分的に湾曲しつつ延びているが、図5に示すように、第2板状部35のうち上部前方部位においては、ドアガラスDGとの干渉を避けるべく、後方に突出する断面略L字状の凹み部39が形成されている。
図5、図6に示すように、ガラスシール32は、第2板状部35の凹み部39の上部後端縁から上方に向けて延び、ドアガラスDGの後端縁に対向して、ドアガラスDGの外周面に摺接する基底部41と、基底部41の車内側の端縁から(凹み部39の上部車内側端縁に沿って)前方に延び、ドアガラスDGの車内側の面に摺接する車内側シール部42と、基底部41の車外側の端縁から前方に延び、ドアガラスDGの車外側の面に摺接する車外側シール部43とを備えている。
車外側シール部43は、第1板状部34の上部から前方に向けて突出し、ガラスアウタウエザストリップ21の車内側側壁23と略平行して延びる導入部44と、導入部44の上縁部から上方かつ車内側に向けて延びる案内部45とを備えている。
また、導入部44には、後型成形部13の成形に際してインサート成形される金属製の芯部46が埋設されている(図6参照)。芯部46は、本体部31に埋設された埋設部材と一体的に形成されている。本実施形態では、導入部44の上下幅は、ガラスアウタウエザストリップ21の上段シール部26の付根部(車内側側壁23との境界部)と、下段シール部27の上辺部29の付根部との間の距離よりも長く、上段シール部26の付根部と、下段シール部27の下辺部28の付根部との間の距離よりも短くなっている。
図5に示すように、端末収容部33は、第3板状部36の上部から車外側に突出するようにして、第2板状部35の上部前方位置に設けられ、ガラスインナウエザストリップの基部を収容可能な断面略コ字状の受部48と、ガラスインナウエザストリップの後側の端末(後端面)と突き合わされる被覆部49とを備えている。車内側シール部42は、端末収容部33の車外側の壁部と連続的に形成されている。
尚、窓部Wを閉めた状態で車室外に配置されるガラスアウタウエザストリップ21は、雨水の浸入や風切り音の発生を防止する等の機能を十分に発揮させるべく、後型成形部13よりも後方のドア1の後端縁にまで延びている。一方、ガラスインナウエザストリップは、ガラスアウタウエザストリップ21よりも短く構成され、ガラスインナウエザストリップの後端末は、窓部Wを閉鎖した状態にあるドアガラスDGの後縁部よりも前方に配置される端末収容部33に収容されている。
さて、図7に示すように、本実施形態では、ガラスアウタウエザストリップ21のうち、ガラスシール32と交錯する部位においては、下段シール部27の上辺部29が除去され、下段シール部27が略リップ状をなしている。また、ガラスアウタウエザストリップ21のうち、後型成形部13よりも後方(図7では右方)に位置する部位においては、下段シール部27の全体が除去されている。そして、ガラスアウタウエザストリップ21及びドアウエザストリップ3の取付状態においては、車外側シール部43は、ガラスアウタウエザストリップ21の上段シール部26と下段シール部27との間に挿通状態とされている。具体的に、導入部44が車内側側壁23の車内側の面と略当接状態とされ、案内部45が上段シール部26の下面と略当接状態とされている。当該構成により、図6等に示すように、車外側シール部43の下面がガラスアウタウエザストリップ21の下段シール部27でカバー(被覆)されることとなる。
また、ガラスアウタウエザストリップ21のうち車外側シール部43が挿入される部位においては、上記のように、下段シール部27の上辺部29が除去されるのではあるが、上辺部29のうち下辺部28との境界部位に関しては、除去されることなく下段シール部27に残存している。すなわち、下段シール部27の上端部において(下辺部28の上端部から)車外側に突出する突部29aが形成されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、ガラスアウタウエザストリップ21のうち後型成形部13のガラスシール32と交錯する部位においては、下段シール部27の上辺部29が除去されるとともに、ガラスシール32の車外側シール部43が、ガラスアウタウエザストリップ21の上段シール部26と下段シール部27との間に挿通状態とされている。当該構成により、車外側シール部43の下面が下段シール部27でカバー(被覆)されることとなる。このため、ドアガラスDGが車外側に変位した状態で上昇した場合であっても、ドアガラスDGは下段シール部27によりガイドされつつ円滑に上昇し得ることとなり、ドアガラスDGが車外側シール部43の下端部に直接接触することを回避することができる。従って、車外側シール部43がドアガラスDGに突き上げられることに起因して、ドアウエザストリップ3が損傷してしまうといった事態を防止することができる。結果として、例えば、千切れた車外側シール部43がガラスアウタウエザストリップ21から上方に突出し、外観品質の低下やシール性の低下等を招いてしまうといった事態を防止することができる。さらに、下段シール部27により、車外側に変位したドアガラスDGが車内側に案内されるため、ドアガラスDGを比較的スムースに昇降させることができる。
加えて、車外側シール部43が上段シール部26と下段シール部27との間に挿通されることにより、ガラスアウタウエザストリップ21の端末の浮き上がりを抑制することができる上、ガラスアウタウエザストリップ21と後型成形部13との間に隙間が形成されてしまうといった事態を防止することができる。従って、ガラスアウタウエザストリップ21の取付状態の安定化や、外観品質、遮音性、及びシール性の向上等を図ることができる。
また、本実施形態では、導入部44の上下幅が、上段シール部26と下段シール部27の上辺部29の付根部との間の距離よりも長くなっているが、下段シール部27の上辺部29を除去することで、車外側シール部43や上段シール部26及び下段シール部27を変形させることなく、車外側シール部43を上段シール部26と下段シール部27との間に挿通させることができる。加えて、下段シール部27が中空状であることにより、フレームレスドアに装備されるドアガラスDGのがたつき(振動)をより確実に抑制することができる。
さらに、ガラスアウタウエザストリップ21のうち車外側シール部43が挿入される部位においては、下段シール部27の上辺部29が除去されるのではあるが、上辺部29のうち下辺部28との境界部位に関しては、除去されることなく下段シール部27に残され、下辺部28の上端部から車外側に突出する突部29aを形成している。当該突部29aの存在により、下段シール部27がドアガラスDGに押圧されて車外側に大きく変位させられた場合において、下段シール部27と車外側シール部43とが面で圧接してしまうといった事態を抑制することができる。従って、下段シール部27と車外側シール部43とが密着した状態から離間する際に発生するおそれのある異音(剥離音)を抑制することができる。
また、ガラスシール32の導入部44には、金属製の芯部46が埋設されている。このため、ドアウエザストリップ3及びガラスアウタウエザストリップ21の取付に際し、車外側シール部43を比較的容易に上段シール部26と下段シール部27との間に挿通させることができるとともに、安定した挿通状態を維持することができる。また、芯部46は導入部44に設けられているため、芯部46によりドアガラスDGの昇降が阻害されてしまうといった事態を防止することができる。
さらに、芯部46は、後型成形部13の本体部31に埋設された埋設部材と一体的に形成されている。このため、上段シール部26と下段シール部27との間に挿通された車外側シール部43により、ガラスアウタウエザストリップ21の端末の浮き上がりを防止するといった作用効果が一層確実に奏される。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、下段シール部27が中空状に形成され、ガラスアウタウエザストリップ21のうち車外側シール部43が挿入される部位においては、下段シール部27の上辺部29が除去される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、ガラスシール32の導入部44の上下幅を、上段シール部26の付根部と下段シール部27の上辺部29の付根部との間の距離よりも短く構成し、下段シール部27の上辺部29を除去するといった作業を行うことなく、車外側シール部43を上段シール部26と下段シール部27との間に挿通させることとしてもよい。この場合、作業性の向上、製造コストの削減等を図ることができる。尚、下段シール部27をリップ状に形成することとしてもよい。
(b)また、例えば、上記(a)のように、導入部44の上下幅が上段シール部26の付根部と下段シール部27の上辺部29の付根部との間の距離よりも短く構成される場合であっても、上記実施形態のように、下段シール部27の上辺部29を除去することとしてもよい。例えば、ドアガラスDGに押圧されて潰れ変形した中空状の下段シール部27と基部22(車内側側壁23)との間に車外側シール部43(導入部44)が存在することに起因して、ドアガラスDGの後縁部を保持する力が強くなりすぎてしまうような場合には、下段シール部27の上辺部29を除去することで、ドアガラスDGの摺動性の低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。
(c)上記実施形態では特に言及していないが、ガラスアウタウエザストリップ21(ガラスインナウエザストリップ)の基部22には、その長手方向に沿って金属製のインサートが埋設されていることとしてもよい。この場合、ガラスアウタウエザストリップ21(ガラスインナウエザストリップ)の取付状態の安定化等を図ることができ、例えば、ドアガラスDGが上昇する際に、ガラスアウタウエザストリップ21がドアアウタパネル7から外れてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
(d)上記実施形態では、フロントドアに取付けられるドアウエザストリップ3及びガラスアウタウエザストリップ21に具体化しているが、その他のドア(リアドア等)に取付けられるドアウエザストリップ及びガラスアウタウエザストリップに適用することとしてもよい。
(e)上記実施形態ではドアウエザストリップ3をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の別の素材により構成してもよい。また、芯部46が金属により構成されているが、後型成形部13よりも硬質な樹脂材料(本体部31に埋設される埋設部材と同じ材料)により構成してもよい。加えて、本体部31に埋設される埋設部材を金属により構成してもよい。但し、ドアウエザストリップ3の軽量化を図るべく、樹脂材料を採用することが望ましい。
ドアの概略構成を示す正面模式図である。 ドアウエザストリップを示す正面図である。 ドアウエザストリップを示す図1のJ−J線断面図である。 ガラスアウタウエザストリップを示す図1のK−K線断面図である。 車外側(取付面側)から見た後型成形部を示す斜視図である。 ガラスシール及びガラスアウタウエザストリップを示す図1のL−L線断面図である。 ガラスシール及びガラスアウタウエザストリップを示す斜視図である。 車内側(露出面側)から見た後型成形部を示す斜視図である。 従来のガラスシール及びガラスアウタウエザストリップを示す斜視図である。 従来のガラスシール及びガラスアウタウエザストリップを示す断面図である。
符号の説明
1…ドア、3…ドアウエザストリップ、5…リテーナ部、7…ドアアウタパネル、9…ガラスウエザストリップ、11…押出成形部、13…後型成形部、15…取付基部、16…シール部、21…ガラスアウタウエザストリップ、22…基部、23…車内側側壁、24…車外側側壁、25…連結部、26…上段シール部、27…下段シール部、28…下辺部、29…上辺部、29a…突部、31…本体部、32…ガラスシール、43…車外側シール部、44…導入部、45…案内部、46…芯部、DG…ドアガラス、W…窓部。

Claims (6)

  1. フレームレスドアの外周に沿って設けられた取付部に取付けられる取付基部と、前記取付基部と一体的に成形され、ドアの閉鎖時において車両本体に形成されたドア用開口部の周縁部に圧接されるシール部とを備えるドアウエザストリップと、
    ドアのベルトラインに沿ってドアアウタパネルに取着され、車内側側壁と、車外側側壁と、両側壁を連結する連結部とを具備する断面略U字形の基部と、前記車内側側壁から車内側に向けて突出し、昇降するドアガラスの外側面に摺接する上段シール部及び下段シール部とを備えるガラスアウタウエザストリップとを備えたフレームレスドアのシール構造であって、
    前記ドアウエザストリップは、ベルトラインに対応して配置される両端末部において型成形部を備え、
    前記型成形部のうち少なくとも一方は、ドアガラスの縦縁部をシールする断面略コ字状のガラスシールを備えるとともに、前記ガラスシールは、ドアガラスの外側面に摺接する車外側シール部を備え、
    前記車外側シール部は、前記ガラスアウタウエザストリップの前記上段シール部と前記下段シール部との間に挿通状態とされていることを特徴とするフレームレスドアのシール構造。
  2. 前記ガラスアウタウエザストリップの前記下段シール部は中空状をなし、
    前記ガラスアウタウエザストリップのうち前記車外側シール部が挿入される部位においては、前記下段シール部の上辺部が除去され、前記下段シール部が略リップ状をなしていることを特徴とする請求項1に記載のフレームレスドアのシール構造。
  3. 前記下段シール部は、前記車内側側壁の略下端部から車内側かつ上方に向けて、車内側かつ下方に凸となるようにして湾曲しつつ延びる下辺部と、前記下辺部の略上端部と前記車内側側壁とを連結する上辺部とを備え、
    前記ガラスアウタウエザストリップのうち前記車外側シール部が挿入される部位においては、前記下段シール部の前記上辺部が除去される構成であって、
    前記上辺部のうち前記下辺部との境界部は、除去されることなく前記下段シール部に残存していることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレームレスドアのシール構造。
  4. 前記車外側シール部は、前記ガラスアウタウエザストリップの前記車内側側壁と略平行して延び、取付状態において前記車内側側壁と略当接状態とされる導入部と、前記導入部の上縁部から上方かつ車内側に向けて延び、取付状態において前記ガラスアウタウエザストリップの前記上段シール部の下面と略当接状態とされる案内部とを備え、
    前記導入部の上下幅は、前記上段シール部の付根部と前記下段シール部の付根部との間の距離よりも短く構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフレームレスドアのシール構造。
  5. 前記車外側シール部は、前記ガラスアウタウエザストリップの前記車内側側壁と略平行して延び、取付状態において前記車内側側壁と略当接状態とされる導入部と、前記導入部の上縁部から上方かつ車内側に向けて延び、取付状態において前記ガラスアウタウエザストリップの前記上段シール部の下面と略当接状態とされる案内部とを備え、
    前記導入部には、前記車外側シール部よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形される芯部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフレームレスドアのシール構造。
  6. 前記ガラスシールを備える前記型成形部は、ドアインナパネルに固定される本体部を備え、前記本体部には、前記型成形部よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形される埋設部材が設けられ、
    前記芯部は前記埋設部材と一体的に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のフレームレスドアのシール構造。
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