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JP2010010311A - インダクタンス素子 - Google Patents

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Masahiko Takahashi
正彦 高橋
Yuji Ono
裕司 小野
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Tokin Corp
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NEC Tokin Corp
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Abstract


【課題】 インピーダンスの共振周波数の低下と周波数帯域の狭帯域化とを抑えたインダクタンス素子を提供すること。
【解決手段】 コア組込み体は、トロイダルの磁気コア2を絶縁仕切り部6と巻線仕切り部7とを内周に設け、絶縁仕切り部6と連通する絶縁突起部30を設けた絶縁ケース3に収納し、上面に絶縁仕切り部6の端部の少なくとも一部が嵌合する嵌合部6aを設けた絶縁突起部40を有したフタ4を嵌合して形成し、絶縁仕切り部6で分割してなる半環状の巻線部8とその巻線部8の内周側を三つに区切る板状の巻線仕切り部7とを有している。インダクタンス素子1aは、上述したコア組込み体の半環状の巻線部8に導体5を用いて巻線仕切り部7を介しながら巻回し、正面から見たときに絶縁仕切り部6を対称軸とする一対のコイルを形成する。なお、コイルは、半環状の巻線部8の端から巻線方向を示す矢印51の順で巻回し形成している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主として電子機器から発生し、電源線等を伝搬する電気的雑音(以下、ノイズと表示)を防止するノイズフィルタに用いられ、特に平衡(以下、コモンと表示)モードノイズの対策に好適なインダクタンス素子に関する。
パーソナルコンピュータ、薄型液晶TVなどの電子機器は、自らの機器内部から発生し、伝導、及び伝搬するノイズを抑制し、かつ他の機器から生じたノイズの影響を受けないようにすることが電気用品安全法、VCCI、電波法、CISPRなどの各種規格により決められている。このため、ノイズ問題を抱える電子機器の電源入出力部には、各種規格を遵守するためにノイズフィルタを設け、ノイズ対策を図っている。
なお、一般にノイズは、コモンモードノイズと不平衡(以下、ノーマルと表示)モードノイズとが混在している。コモンモードノイズとは、入出力線と基板グラウンドまたは、筐体、大地などとの間に流れ、グラウンドから見た入力線や出力線などの間に電位差が生じているものであり、ノーマルモードノイズとは、活線側と接地側との間に電位差が生じ、例えば、50Hz、100Vの交流電源のように活線側と接地側との間の電流波形の位相が180度ずれて示すものである。
図8は、ノイズフィルタの等価回路図である。図8に示す一般的なノイズフィルタ10は、コモンモードノイズを遮り、減衰させるインピーダンスとリアクタンスと高い結合係数の相互インダクタンスとを有するインダクタンス素子1と基板のグラウンド11に一方の端子が接地され、コモンモードノイズを還流させて打ち消し合わせる一対のコンデンサ12と、ノーマルモードノイズを遮り、減衰させるインピーダンスとリアクタンスとを有するノーマルモードチョークコイル13とノーマルモードノイズを還流させて打ち消し合わせるコンデンサ14とコンデンサ15とから構成されている。この場合の電源16は、商用の交流電源を想定し、グラウンド11は、大地に接地した状態を想定し、負荷17は、スイッチング電源等のノイズを生じるユニットを想定している。
図9は、従来のインダクタンス素子のコア組込み体を説明する図で、図9(a)は、正面図で、図9(b)は、側面図で、図9(c)は、図9(a)A−Bで切断した断面図である。コア組込み体は、環状の磁気コア2を内周に絶縁仕切り部6と側周面に絶縁突起部30とを有する絶縁ケース3に収納し、上面に絶縁仕切り部6の端部の一部が嵌合する絶縁突起部40を有するフタ4を嵌合して形成し、絶縁仕切り部6で分割してなる半環状の巻線部8を一対有するものである。
図10は、従来のインダクタンス素子の断面を示す図である。従来のインダクタンス素子1cは、コア組込み体の半環状の巻線部8に導体5を巻回して行い、絶縁仕切り部6を基準に対称となる一対のコイルを形成している。また、コイルは、巻き始めから巻き終わりまで巻線方向を示す矢印53の様に巻線部8の端から端までを往復しながら重ねて巻回されている。
上述のインダクタンス素子は、高い結合係数の相互インダクタンスと低漏洩磁束となる構造であるため、多くの製品が商品化されている。このようなインダクタンス素子は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平2−060117号
しかしながら従来のインダクタンス素子では、各々の巻線状態の違いや巻き乱れなどにより、近接する導体間に生じる浮遊容量が増加し、インピーダンスの共振周波数が低下するという問題と周波数帯域が狭帯域化するという問題とがある。
本発明の技術的課題は、インピーダンスの共振周波数の低下と周波数帯域の狭帯域化とを抑えたインダクタンス素子を提供することにある。
発明者らは、環状の磁気コアを用いたこのようなインダクタンス素子において、インピーダンスに影響を与える浮遊容量は、特に磁気コアの内周側の導体間で生じる浮遊容量が支配的であることを各種試作、及び検討により確認した。
本発明は、上述した課題を解決するために巻線部の内周側を区切る巻線仕切り部を形成することにより、巻線間に並列的に生じる浮遊容量を分断し、直列的に接続されてなるようにすることでコイル全体に生じる浮遊容量を低減したインダクタンス素子を製造することができる。
なお、巻線仕切り部は、正面から見た絶縁仕切り部を対称軸として線対称となるように設けることが好ましい。これは、絶縁仕切り部を挟んで対称となるように巻線を施したコイルを形成するのに適しているからである。
絶縁ケースと絶縁仕切り部と巻線仕切り部とは、絶縁樹脂を用いて一体成型し、形成することが好ましい。これは、部品点数を削減でき、絶縁ケースと絶縁仕切り部と巻線仕切り部との組立工程を削減できるからである。
また、絶縁仕切り部と巻線仕切り部とは、絶縁樹脂を用いて一体成型し、絶縁仕切り部と巻線仕切り部との端部の少なくとも一部が、絶縁ケース内周と側周面とに設けた嵌合部に嵌合して形成しても良い。これにより巻線仕切り部を必要とする製品と必要としない製品の両方に使い分けることができ、利用範囲を広げることができる。
本発明によれば、環状の磁気コアを環状の絶縁ケースに収納してコア組込み体を形成し、磁気コアの円周方向に磁束を生じるように導体を巻回したコイルを形成してなるインダクタンス素子であって、コア組込み体は、絶縁ケースの内周を二等分する絶縁仕切り部と、絶縁仕切り部で分割された内周の各々を少なくとも二つに分割する巻線仕切り部とを有し、巻線仕切り部を介して巻回され、絶縁仕切り部を隔てて一対の前記コイルを形成してなることを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
本発明によれば、絶縁ケースと絶縁仕切り部と巻線仕切り部とは、一体成型してなることを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
本発明によれば、絶縁ケースは、内周に少なくとも一つの嵌合部を有し、一体成型してなる絶縁仕切り部と巻線仕切り部の端部の少なくとも一つが、嵌合部に嵌合してなることを特徴とするインダクタンス素子が得られる。
本発明により、インピーダンスの共振周波数の低下と周波数帯域の狭帯域化とを抑えることができるインダクタンス素子の提供が可能となった。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明のインダクタンス素子のコア組込み体を説明する図で、図1(a)は、正面図で、図1(b)は、側面図で、図1(c)は、図1(a)をA−B線で切断した断面図である。コア組込み体は、トロイダルの磁気コア2を絶縁仕切り部6と巻線仕切り部7とを内周に設け、絶縁仕切り部6と連通する絶縁突起部30を設けた絶縁ケース3に収納し、上面に絶縁仕切り部6の端部の少なくとも一部が嵌合する嵌合部6aを設けた絶縁突起部40を有したフタ4を嵌合して形成し、絶縁仕切り部6で分割してなる半環状の巻線部8とその巻線部8の内周側を三つに区切る板状の巻線仕切り部7とを有している。なお、巻線仕切り部7は、絶縁仕切り部6の中央付近と絶縁ケース3の内周面とに接合されて形成している。
磁気コア2は、一定以上の透磁率μを有する材料であればよく、Mn−Zn系フェライトコアやNi−Zn系フェライトコアなどの焼結磁性体、アモルファスコア、鉄シリコン合金コア、パーマロイコア、センダストコアなどの金属磁性体、磁性粉末を圧粉、または成膜した磁性体でもよく、要求特性に応じて適宜選定するのが好ましい。その外観は、環状であれば良く、円形、あるいは長円形、楕円形、多角形などの何れの形状でも良い、さらに断面は、円形、あるいは長円形、長方形、多角形などの何れの形状でも良い。
絶縁ケース3と絶縁仕切り部6と絶縁突起部30とフタ4と絶縁突起部40とを形成する材質は、電気用品安全法等により定められた絶縁に関する規格を遵守する厚みと幅とを有した絶縁材料であれば何れでも良く、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロンなどの熱可塑性樹脂やエポキシ、フェノール、液晶ポリマーなどの熱硬化性樹脂が特に適している。
巻線仕切り部7の材質は、絶縁ケース3と絶縁仕切り部6と絶縁突起部30とフタ4と絶縁突起部40とを形成する絶縁材料でも良いが、特に誘電率εの低い絶縁材料が好ましい。また、巻線仕切り部の厚みは、導体を覆う絶縁皮膜より厚く、巻線時のかかる力によって変形、及び破損しない強度を有していれば良い。
巻線仕切り部7は、正面から見たときに絶縁仕切り部6を対称軸として形成し、かつ正面から見た絶縁仕切り部6の中心で直交する線を対称軸として形成し、コア組込み体に方向性が生じないようにするのが設計上好ましい。なお、巻線仕切り部7の端部は、一方を絶縁仕切り部6の任意の位置で接合し、他方を絶縁ケース3の内周面に接合して導体を巻回すのに支障がない空間を有するように形成しても良い。
巻線仕切り部7で内周を区切ったことによって生じる各々の面積を巻線端部8aと巻線中間部8bとした場合に、巻線中間部8bは、巻線端部8a以上となるように形成することにより端子間に生じる浮遊容量の影響をより小さくできる。
巻線部は、巻線仕切り部で区切れば区切るほど導体間に生じる浮遊容量を低減することができる。ただし、巻線仕切り部が増えれば増えるほど導体を巻回す巻線部の面積が減少するため適宜設計するのが良い。
図2は、本発明によるインダクタンス素子の断面を示す図である。インダクタンス素子1aは、上述したコア組込み体の半環状の巻線部8に導体5を用いて巻線仕切り部7を介しながら巻回し、正面から見たときに絶縁仕切り部6を対称軸とする一対のコイルを形成する。なお、コイルは、半環状の巻線部8の端から巻線方向を示す矢印51の順で巻回し、巻き始め50aと巻き終わり50bの端末を引き出している。つづいて、図示しないが各々の端末の被覆を除去し、半田メッキの処理を行い、電源基板等に半田接続できる形状に端子を整えている。
このように巻線仕切り部を設けたインダクタンス素子1aは、内周の巻線間を区切ることによりコイルの導体間に生じる浮遊容量を小さくし、インピーダンスの共振周波数の低下と周波数帯域の狭帯域化とを抑えることができる。
導体5は、ポリウレタン線(UEW)、ポリエステル線(PEW)、ポリアミドイミド線(AIW)などのエナメル線や、ポリ塩化ビニル線、ポリエチレンビニル線、フッ素樹脂被覆線などのビニル電線などの何れでもよく、要求特性に応じて適宜選定するのが好ましい。
図3は、本発明によるインダクタンス素子の断面を示す図である。インダクタンス素子1bは、上述したコア組込み体の半環状の巻線部8に導体5を用いて巻線仕切り部7を介しながら巻回し、正面から見たときに絶縁仕切り部6を対称軸とする一対のコイルを形成する。なお、コイルは、半環状の巻線部8の中央から各々が逆方向となる巻線方向を示す矢印52の順で巻回し、各々の巻き終わり50cの端末を引き出している。つづいて、図示しないが各々の端末の被覆を除去し、半田メッキの処理を行い、電源基板等に半田接続できる形状に端子を整えている。
このようにコイルを形成したインダクタンス素子1bは、導体間に生じる浮遊容量を低減することができ、インピーダンスの共振周波数を図2より高く、周波数帯域をより広くすることができる
図4は、本発明のインダクタンス素子に係るコア組込み体を説明する図で、図4(a)は、正面図で、図4(b)は、絶縁仕切り部と巻線仕切り部との部分正面図である。本発明に係るコア組込み体は、環状の磁気コア2を絶縁仕切り部6の端部の少なくとも一部が嵌合する図示しない嵌合部を有した絶縁突起部を設けた絶縁ケース3に収納し、上面に絶縁仕切り部6の端部の少なくとも一部が嵌合する嵌合部6aを有した絶縁突起部40を設けたフタ4を嵌合して形成している。続いて、絶縁仕切り部6と巻線仕切り部7とを一体成型により形成した絶縁仕切り部6の端部を絶縁ケース3とフタ4とに設けられた各々の嵌合部6aに嵌合し、絶縁仕切り部6で分割されてなる図示しない半環状の巻線部とその巻線部を区切る巻線仕切り部7とを有するように形成している。
絶縁ケース3に設けた図示しない嵌合部と絶縁突起部との形状は、フタ4に設けた嵌合部6aと絶縁突起部40との形状と同形状とし、かつ絶縁ケース3の内周を垂直に連通する嵌合部とするのが、強度、及び絶縁を確保する上で好ましい。
このように組込み体を形成することにより、本発明に係るインダクタンス素子は、巻線仕切り部を必要とする製品と必要としない製品とに使い分けることができる。
図5は、本発明のインダクタンス素子に係るコア組込み体を説明する図で、図5(a)は、正面図で、図5(b)は、絶縁仕切り部と巻線仕切り部との部分正面図である。本発明に係るコア組込み体は、環状の磁気コア2を絶縁仕切り部6の端部の少なくとも一部が嵌合する図示しない嵌合部を有した絶縁突起部と巻線仕切り部7の端部の少なくとも一部が嵌合する嵌合部7aとを設けた絶縁ケース3に収納し、上面に絶縁仕切り部6の端部の少なくとも一部が嵌合する嵌合部6aを有した絶縁突起部40を設けたフタ4を嵌合して形成している。続いて、絶縁仕切り部6と巻線仕切り部7とを一体成型により形成した絶縁仕切り部6と巻線仕切り部7との端部を絶縁ケース3とフタ4とに設けられた各々の嵌合部6a、7aとに嵌合し、絶縁仕切り部6で分割されてなる図示しない半環状の巻線部とその巻線部を区切る巻線仕切り部7とを有するよう形成している。
絶縁ケース3に設けた図示しない嵌合部と絶縁突起部との形状は、フタ4に設けた嵌合部6aと絶縁突起部40との形状と同形状とし、かつ絶縁ケース3の内周を垂直に連通する嵌合部とするのが、強度、及び絶縁を確保する上で好ましい。
このように組込み体を形成することにより、本発明に係るインダクタンス素子は、巻線仕切り部の強度を強くすることができる。
図6は、本発明のインダクタンス素子に係るコア組込み体を説明する正面図である。コア組込み体は、トロイダルの磁気コア2を絶縁仕切り部6と巻線仕切り部7とを内周に設け、絶縁仕切り部6と連通する絶縁突起部30を設けた絶縁ケース3に収納し、上面に絶縁仕切り部6の端部の少なくとも一部が嵌合する嵌合部6aを設けた絶縁突起部40を設けたフタ4を嵌合して形成し、絶縁仕切り部6で分割してなる半環状の巻線部8とその巻線部8の内周側を三つに区切る板状の巻線仕切り部7とを有している。なお、巻線仕切り部7は、絶縁ケース3の内周面に接合され、絶縁仕切り部6に接合されないで形成している。
このように組込み体を形成することにより、本発明に係るインダクタンス素子は、巻線加工を容易にすることができる。
上述した本発明によるインダクタンス素子は、環状の磁気コアを絶縁体からなる内周を二分割した絶縁仕切り部を有する絶縁ケースに収納し、絶縁体からなるフタを嵌めて形成し、半環状の巻線部に導体を用いて巻回し、絶縁仕切り部を対称に二つのコイルを形成した構造のコモンモードノイズを対策に使用されるインダクタンス素子であるが、三相交流電源のコモンモードノイズ対策に用いられ、巻線部が三分割されて三つのコイルを形成したインダクタンス素子にも適用可能である。
以下、実施例を用いて、本発明の実施の形態を詳述する。
(実施例1)
磁気コア2として、外径25mm、内径15mm、高さ12mm、断面が四角形のトロイダル状で、周波数100kHzでの初透磁率(μiac)が約5000であるMn−Zn系フェライト材(NECトーキン製FR25/15/12−5H)を用いた。
絶縁ケース3として、外形寸法が外径27mm、内径13mm、高さ14mm、各部の最低肉厚が0.5mmとなる形状で、ポリプロピレン樹脂を用いて形成し、前記磁気コア2を収納した。さらに、前記絶縁ケース3に嵌合するポリプロピレン樹脂を用いて形成したフタ4を嵌合して図1に示したコア組込み体を形成した。
なお、絶縁仕切り部6と巻線仕切り部7と及び絶縁ケース3に設けられた絶縁突起部30との形成は、絶縁ケース3を成型する際に一体成型し、フタ4とフタ4に設けられた絶縁突起部40との形成は、前記絶縁ケース3と同様にポリプロピレン樹脂を用いて一体成型した。
導体5として、線径が0.8mmのポリウレタン被覆銅線(1種UEW線)を用い、絶縁仕切り部6によって分割された半環状の巻線部8に巻回して形成した。その際、巻き始め50aから巻き終わり50bまで巻線仕切り部7で区切られた各々の巻線部に矢印51の順で9ターン(以下、Tと表示)、20T、9Tとなるように38T巻回して形成し、図2に示したインダクタンス素子1aを得た。
なお、インダクタンス素子1aは、以下図示しないが、環状部分を水平となるように基板実装できる横置きとし、巻き始めと巻き終わりとの端末は、基板に装着して半田付けができるように半田メッキし、整形処理して端子を形成した。
(実施例2)
上述の実施例1と同一部材を用いて巻線方法が異なる図3に示すインダクタンス素子1bを形成した。インダクタンス素子1bは、内周を巻線仕切り部7で区切られた半環状の巻線部8のほぼ中央より巻き始め矢印52の順で10T、9Tとなるように導体5を巻き回して形成し、同様に矢印52の順で連なるように10T,9Tとなるように逆方向に巻回して合計の巻数が38Tとなるように形成した。ここで、インダクタンス素子1bは、実施例1のインダクタンス素子1aと同様に横置きとし、端子も同様に形成した。
上記の要領で作製した図2に示した本発明の実施例1と図3に示した本発明の実施例2とによるインダクタンス素子1a,1bと比較例として巻線仕切り部7を除去した図9に示した従来のインダクタンス素子1cとについて各々のインピーダンスの周波数特性を測定し、図7に示した。
なお、比較例のインダクタンス素子1cの巻線方法は、内径側を絶縁仕切り部6によって分割した半環状の巻線部に巻き始めから巻き終わりまで巻線方向を指し示す矢印51の順で内周側の折り返しが20T、12T、6Tとなるように巻回して巻数が38Tとなるように形成した。
図7の結果によれば、本発明のインダクタンス素子1aでは、従来のインダクタンス素子1cに比べ、インピーダンスの共振周波数を280kHzから680kHzに高くでき、インピーダンスが1kΩ以上となる高周波帯域を3.3MHzから30MHzに広くできる結果が得られ、さらに本発明のインダクタンス素子1bでは、インピーダンスの共振周波数を280kHzから760kHzに高くでき、インピーダンスが1kΩ以上となる高周波帯域を3.3MHzから40MHz以上に広くできる結果が得られた。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明のインダクタンス素子のコア組込み体を説明する図。図1(a)は、正面図、図1(b)は、側面図、図1(c)は、 図1(a)をA−B線で切断した断面図。 本発明によるインダクタンス素子の断面を示す図。 本発明によるインダクタンス素子の断面を示す図。 本発明のインダクタンス素子に係るコア組込み体を説明する図。図4(a)は、正面図、図4(b)は、絶縁仕切り部と巻線仕切り部との部分正面図。 本発明のインダクタンス素子に係るコア組込み体を説明する図。図5(a)は、正面図、図5(b)は、絶縁仕切り部と巻線仕切り部との部分正面図。 本発明のインダクタンス素子に係るコア組込み体を説明する正面図。 本発明の実施例1と実施例2と比較例との1kHzから40MHzまでのインピーダンスの測定結果を示すグラフ。 ノイズフィルタの等価回路図。 従来のインダクタンス素子のコア組込み体を説明する図。図9(a)は、正面図、図9(b)は、側面図、図9(c)は、A−B線で切断した断面図。 従来のインダクタンス素子の断面を示す図。
符号の説明
1、1a、1b、1c インダクタンス素子
2 磁気コア
3 絶縁ケース
4 フタ
5 導体
6 絶縁仕切り部
6a、7a 嵌合部
7 巻線仕切り部
8 巻線部
8a 巻線端部
8b 巻線中間部
10 ノイズフィルタ
11 グラウンド
12、14、15 コンデンサ
13 ノーマルモードチョークコイル
16 電源
17 負荷
30、40 絶縁突起部
50a 巻き始め
50b、50c 巻き終わり
51、52、53 矢印

Claims (3)

  1. 環状の磁気コアを環状の絶縁ケースに収納してコア組込み体を形成し、前記磁気コアの円周方向に磁束を生じるように導体を巻回したコイルを形成してなるインダクタンス素子であって、前記コア組込み体は、前記絶縁ケースの内周を二等分する絶縁仕切り部と、前記絶縁仕切り部で分割された前記内周の各々を少なくとも二つに分割する巻線仕切り部とを有し、前記巻線仕切り部を介して巻回され、前記絶縁仕切り部を隔てて一対の前記コイルを形成してなることを特徴とするインダクタンス素子。
  2. 前記絶縁ケースと前記絶縁仕切り部と前記巻線仕切り部とは、一体成型してなることを特徴とする請求項1記載のインダクタンス素子。
  3. 前記絶縁ケースは、前記内周に少なくとも一つの嵌合部を有し、一体成型してなる前記絶縁仕切り部と前記巻線仕切り部の端部の少なくとも一つが、前記嵌合部に嵌合してなることを特徴とする請求項1記載のインダクタンス素子。
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