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JP2010010272A - 部品実装装置および部品実装方法 - Google Patents

部品実装装置および部品実装方法 Download PDF

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JP2010010272A JP2008165768A JP2008165768A JP2010010272A JP 2010010272 A JP2010010272 A JP 2010010272A JP 2008165768 A JP2008165768 A JP 2008165768A JP 2008165768 A JP2008165768 A JP 2008165768A JP 2010010272 A JP2010010272 A JP 2010010272A
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洋志 西城
Yoshiyuki Yoshida
吉行 吉田
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Abstract

【課題】部品吸着用のノズルの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行う。
【解決手段】本発明の部品実装装置は、ノズル載置場5における複数種類のノズル43bの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割り出し手段83aと、ノズル配置割り出し手段83aによって割り出された各ノズル43bの配置状態について、吸着ヘッド43aに装着されるノズル43bの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算手段83bと、各ノズルの配置状態についてノズル交換時間演算手段83bによって算出された時間とノズルの交換以外の実装処理に要する時間とに基づいて実装処理全体の所要時間を算出する実装処理時間演算手段83cと、実装処理時間演算手段83cによって算出された複数種類のノズル配置状態についての実装処理全体の所要時間を比較し、その中から実装処理全体の所要時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択手段83dとを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、部品実装装置および部品実装方法に関する。さらに詳しくは、移動可能なヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置および部品実装方法に関する。
従来、移動可能なヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置が知られている。
ヘッドユニットには、部品吸着用の吸着ヘッドが搭載されており、この吸着ヘッドの下端には、電子部品を吸着するためのノズルが装着されている。吸着ヘッドの下端に装着されるノズルは、吸着する電子部品の種類に合わせて交換される。ノズルの交換は、部品実装装置上に設けられたノズルステーションというノズルの保管場所の上でヘッドユニットによって自動的に行われる。ノズルステーションには、複数の種類のノズルがそれぞれ所定の位置に配置されている。吸着ヘッドの下端に、ノズルステーションに載置された特定のノズルを装着する場合、ヘッドユニットは、吸着ヘッドをノズルステーション上に載置された特定のノズルの上方まで移動させて、吸着ヘッドを下降させ、ノズルをその下端に装着する。
ヘッドユニットによってノズルの交換が自動的に行われる場合、ノズルステーションにおけるノズルの品種の位置関係は、ノズルの交換の効率に大きな影響を及ぼす。
特許文献1には、ノズルステーション上のノズルの配置を変更する際のノズル運用方法が開示されている。このなかでは、ノズルの交換回数が最も少なくなるように、ノズルステーション上の各種ノズルの配置を設定することで、基板の生産効率を向上させている。
特開2003−78289号公報
しかしながら、ノズルの交換回数が最も少ない場合であっても、ノズルの交換作業状況に起因して、部品の実装作業に時間がかかってしまう状況が発生している。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、部品吸着用のノズルの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行うことができる部品実装装置および部品実装方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の部品実装装置は、部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置であって、前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割り出し手段と、前記ノズル配置割り出し手段によって割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算手段と、前記各ノズルの配置状態について前記ノズル交換時間演算手段によって算出された時間とノズルの交換以外の実装処理に要する時間とに基づいて実装処理全体の所要時間を算出する実装処理時間演算手段と、前記実装処理時間演算手段によって算出された複数種類のノズル配置状態についての実装処理全体の所要時間を比較し、その中から実装処理全体の所要時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択手段とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、ノズル交換時間演算手段により求めたノズルの交換に要する時間を用いて、実装処理全体の所要時間が算出される。そして、実装処理全体の所要時間が比較的短いノズル配置状態がノズル配置選択手段によって選択される。つまり、ノズル載置場のノズル配置状態が、ノズルの交換回数に基づいて決定されるわけではなく、ノズルの交換に要する時間を用いて算出された実装処理全体の所要時間に基づいて決定される。すなわち、ノズルの交換回数が多く実装処理全体の所要時間が短い場合と、ノズルの交換回数が少なく実装処理全体の所要時間が長い場合とがあれば、ノズル配置選択手段は、前者のノズル配置状態を選択する。したがって、部品吸着用のノズルの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行うことができる。
また、前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズルを交換する際の前記ノズル載置場での前記吸着ヘッドの少なくとも移動距離を考慮して前記ノズルの交換に要する時間を算出することが好ましい。
この発明によれば、ノズル載置場での吸着ヘッドの少なくとも移動距離を考慮してノズルの交換に要する時間を算出するので、ノズルの交換に要する時間をより正確に算出することができる。
また、前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズル載置場に載置される複数種類のノズルのうち特定のノズルを前記吸着ヘッドに装着するタイミングが異なる複数通りの、前記ノズルの交換に要する時間を算出することが好ましい。
この発明によれば、特定のノズルについて、装着するタイミングが異なる複数通りの、ノズルの交換に要する時間を算出するので、多様なノズルの交換に要する時間に基づいてノズルの配置状態を選択することができる。
また、ノズル交換とノズル交換以外の準備作業とが時間的に重複する場合に、前記実装処理時間演算手段は、ノズル交換に要する時間のうちで前記準備作業と重複する時間を除いた時間と、前記準備作業に要する時間と、それ以外の実装処理に要する時間とを加えることにより、前記実装処理全体の所要時間を算出することが好ましい。
この発明によれば、ノズル交換とノズル交換以外の準備作業とが時間的に重複する場合には、実装処理全体の所要時間を算出する際に、ノズル交換に要する時間のうちで前記準備作業と重複する時間を除いた時間と、前記準備作業に要する時間と、それ以外の実装処理に要する時間とを加えることにより、実装処理全体の所要時間が算出される。したがって、それぞれの作業に要する時間を単純に積算することなく、正味の時間で実装処理全体の所要時間を算出することができる。
本発明の第2の部品実装装置は、部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置であって、前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割り出し手段と、前記ノズル配置割り出し手段によって割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算手段と、前記各ノズルの配置状態について前記ノズル交換時間演算手段により求めたノズルの交換に要する時間を比較し、その中からノズルの交換に要する時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択手段とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、ノズル交換時間演算手段により求めたノズルの交換に要する時間に基づいて、ノズルの交換に要する時間が比較的短いノズル配置状態がノズル配置選択手段によって選択される。つまり、ノズル載置場のノズル配置状態が、ノズルの交換回数に基づいて決定されるわけではなく、ノズルの交換に要する時間に基づいて決定される。すなわち、ノズルの交換回数が多くノズルの交換に要する時間が短い場合と、ノズルの交換回数が少なくノズルの交換に要する時間が長い場合とがあれば、ノズル配置選択手段は、前者のノズル配置状態を選択する。したがって、部品吸着用のノズルの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行うことができる。
また、前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズルを交換する際の前記ノズル載置場での前記吸着ヘッドの少なくとも移動距離を考慮して前記ノズルの交換に要する時間を算出することが好ましい。
この発明によれば、ノズル載置場での吸着ヘッドの少なくとも移動距離を考慮してノズルの交換に要する時間を算出するので、ノズルの交換に要する時間をより正確に算出することができる。
また、前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズル載置場に載置される複数種類のノズルのうち特定のノズルを前記吸着ヘッドに装着するタイミングが異なる複数通りの、前記ノズルの交換に要する時間を算出することが好ましい。
この発明によれば、特定のノズルについて、装着するタイミングが異なる複数通りの、ノズルの交換に要する時間を算出するので、多様なノズルの交換に要する時間に基づいてノズルの配置状態を選択することができる。
また、前記基板が変更される場合に前記ノズル載置場に配置される前記ノズルの配置を変更するノズル配置変更手段が備えられていることが好ましい。
この発明によれば、ノズル載置場のノズルの配置を変更するノズル配置変更手段が備えられているので、ノズル載置場におけるノズルの配置の変更作業を自動的に確実に行うことができる。
また、前記ヘッドユニットが、前記ノズル配置変更手段を兼ねていることが好ましい。
この発明によれば、ヘッドユニットが、ノズル配置変更手段を兼ねていることにより、ノズル配置変更手段を別個に備える必要がない。
本発明の第1の部品実装方法は、部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置の部品実装方法であって、前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割出ステップと、前記ノズル配置割出ステップで割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算ステップと、前記ノズル交換時間演算ステップで算出された時間とノズル交換以外の実装処理に要する時間とに基づいて実装処理全体の所要時間を算出する実装処理時間演算ステップと、前記実装処理時間演算ステップで算出された複数種類のノズル配置状態についての実装処理全体の所要時間を比較し、その中から実装処理全体の所要時間が短いノズルの配置状態を選択するノズル配置選択ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によれば、ノズル交換時間演算ステップで求めたノズルの交換に要する時間を用いて、実装処理全体の所要時間が算出される。そして、実装処理全体の所要時間が比較的短いノズル配置状態がノズル配置選択ステップで選択される。つまり、ノズル載置場のノズル配置状態が、ノズルの交換回数に基づいて決定されるわけではなく、ノズルの交換に要する時間を用いて算出された実装処理全体の所要時間に基づいて決定される。すなわち、ノズルの交換回数が多く実装処理全体の所要時間が短い場合と、ノズルの交換回数が少なく実装処理全体の所要時間が長い場合とがあれば、ノズル配置選択手段は、前者のノズル配置状態を選択する。したがって、部品吸着用のノズルの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行うことができる。
本発明の第2の部品実装方法は、部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置の部品実装方法であって、前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割出ステップと、前記ノズル配置割出ステップで割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算ステップと、前記ノズル交換時間演算ステップで算出された時間を比較し、その中からノズルの交換に要する時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によれば、ノズル交換時間演算ステップで求めたノズルの交換に要する時間に基づいてノズルの交換に要する時間が比較的短いノズル配置状態がノズル配置選択ステップで選択される。つまり、ノズル載置場のノズル配置状態が、ノズルの交換回数に基づいて決定されるわけではなく、ノズルの交換に要する時間に基づいて決定される。すなわち、ノズルの交換回数が多くノズルの交換に要する時間が短い場合と、ノズルの交換回数が少なくノズルの交換に要する時間が長い場合とがあれば、ノズル配置選択ステップでは、前者のノズル配置状態が選択される。したがって、部品吸着用のノズルの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行うことができる。
本発明によれば、部品吸着用のノズルの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行うことができる。
以下で、本実施の形態の部品実装装置および部品実装方法について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、部品実装装置を概念的に説明するための平面図である。
実施の形態1の部品実装装置(以下、表面実装機という)は、図1および図2に示されるように、基台1と、基台1上の所定の位置にプリント基板Pを搬送する基板搬送手段2と、プリント基板Pに実装される電子部品を順次供給する部品供給部3と、部品供給部3で供給された電子部品を部品供給部3からプリント基板Pまで搬送する部品搬送手段4と、電子部品を吸着するための交換用の複数のノズルを保管するノズルステーション(ノズル載置場)5と、部品搬送手段4によって保持された電子部品の姿勢を認識する部品認識カメラ6と、装置全体を制御するコントローラ8とを備えている。
基板搬送手段2は、一対のコンベア2aを含む。一対のコンベア2aは、基台1上に基台1を横切るように設けられている。プリント基板Pは一対のコンベア2a上に、一対のコンベア2aを跨ぐように載置される。そして、一対のコンベア2aの同期した循環により、プリント基板Pは基台1上の所定の位置まで搬送される。以下では、プリント基板Pの搬送方向をX方向、X方向に直交する方向であって水平な方向をY方、X方向とY方向によって形成されるX−Y平面に直交する方向をZ方向として説明する。
部品供給部3は、部品搬送手段2の一対のコンベア2aの外側に配置されている。部品供給部3は、IC、トランジスタ、コンデンサなどの比較的小さな電子部品を供給するテープフィーダ部3aと、QFPやBGAなどの比較的大きな電子部品を供給するトレイフィーダ部3bとを含む。
テープフィーダ部3aは、複数のテープフィーダ3a1を含む。各テープフィーダ3a1は、部品吸着ポイントをコンベア2aの方へ向けた状態で基台1に備えられている。テープフィーダ3a1は、リールに巻き付けられたテープと、テープを長手方向に送出する繰り出し手段とを有する。テープには、長手方向に所定の間隔を空けて空間が形成されており、各空間内に小片状の電子部品が1つずつ収容されている。テープは、繰り出し手段によって間欠的に送出され、電子部品が部品吸着ポイントへ順次供給される。
トレイフィーダ部3bは、箱状のトレイ収納ボックス3b2と、トレイ収納ボックス3b2内で高さ方向に多段に収納された複数のトレイ3b1と、トレイ3b1を所定の高さに上げ下げする昇降手段(図示しない)と、トレイ3b1が所定の高さにある状態でトレイ収納ボックスからコンベア2a側にトレイ3b1を引き出す出し入れ装置(図示しない)とを備えている。大型の電子部品は、トレイ3b1上の所定の位置に載置されており、トレイ3b1がコンベア2a側に引き出された状態で、これらの電子部品がピックアップされる。
部品搬送手段4は、基台1上に固定されたY方向移動手段41と、Y方向に移動可能にY方向移動手段41によって支持されたX方向移動手段42と、X方向に移動可能にX方向移動手段42によって支持されたヘッドユニット43とを備えている。
すなわち、Y方向移動手段41のY軸サーボモータ41aが駆動すると、Y軸サーボモータ41aの駆動力を受けてY方向移動手段41のボールねじ41bが回転を始める。X方向移動手段42は、ボールねじ41bにボールナットを介して取り付けられており、ボールナットのボールねじ41bの長手方向への移動と共に固定レール41cに沿ってY方向へ移動する。また、X方向移動手段42のX軸サーボモータ42aが駆動すると、X軸サーボモータの駆動力を受けてX方向移動手段42のボールねじ42bが回転を始める。ヘッドユニット43は、ボールねじ42bにボールナットを介して取り付けられており、ボールナットのボールねじ42bの長手方向への移動と共に固定レール42cに沿ってX方向へ移動する。
図2は、図1の部品実装装置に備えられたヘッドユニット43と、ヘッドユニット43に備えられた吸着ヘッド43aを説明するための図である。
ヘッドユニット43は、電子部品を吸着し、Z方向に昇降させる複数の吸着ヘッド43aを備えている。本実施の形態では、ヘッドユニット43に4本の吸着ヘッド43aがX方向に平行な列をなすように並べて配置されている。
各吸着ヘッド43aは、図示しない昇降機構によって、ヘッドユニット43に対してZ方向に昇降するように構成され、また、各吸着ヘッド43aは、図示しない回転機構によって、ヘッドユニット43に対して自軸回りに回転するように構成されている。また、各吸着ヘッド43aには、先端に電子部品吸着用のノズル43bが装着されている。さらに、各吸着ヘッド43aのノズル43bは、各吸着ヘッド43a等を介して、図示しない負圧供給手段に接続され、この負圧供給手段によってノズル43bの先端に負圧を生じさせて、電子部品をノズル43bの先端で吸着する。ノズル43bには、大きさ、重さ、形状などが異なる複数の種類がある。吸着ヘッド43aの下端に装着されているノズル43bは、搬送する電子部品の種類に応じて、ノズルステーション5に保管されている異なる種類のノズル43bに交換される。たとえば、QFP、BGAなどの大型の電子部品を吸着する場合には、大きなサイズのノズル43bに交換され、IC、トランジスタ、コンデンサなどの小型の電子部品を吸着する場合には、小さなサイズのノズル43bに交換される。
ヘッドユニット43は、1枚のプリント基板P上に実装されるべき全ての電子部品の実装が完了するまで、部品供給部3とプリント基板Pとの間を何度も往復する。そして、1回の往復ごとに、各吸着ヘッド43aに装着されるノズル43bの種類が特定されている。図3は、各吸着ヘッドI〜IVに装着されるノズル43bの種類を、1往復ごとに説明するための図である。たとえば、本実施の形態のように4本の吸着ヘッドI、吸着ヘッドII、吸着ヘッドIII、吸着ヘッドIVを用いて5回の往復で3種類A、B、Cのノズル43bを用いて、電子部品の実装が完了するプリント基板Pでは、図3に示されるように、1往復ごとに各ヘッドI〜IVに装着されるノズル43bの種類A、B、Cが特定されている。
ノズル43bの交換は、ヘッドユニット43によって自動で行われる。ノズル43bの交換時には、ヘッドユニット43がノズルステーション5上に移動する。吸着ヘッド43aはノズルステーション5の所定の位置で下降し、ノズル43bが取り外される。そして、取り外されたノズル43bをノズルステーション5上に載置し、吸着ヘッド43aは上昇する。そして、ヘッドユニット43は、ノズルステーション5上の装着予定のノズル43bが載置されている位置まで水平移動する。吸着ヘッド43aは、装着予定のノズル43bが載置されている位置で下降し、ノズル43bを下端に装着する。
ノズルステーション5は、吸着ヘッド43aに装着される交換用のノズルを保管しておくための場所である。ノズルステーション5は、基台1上のヘッドユニット43の可動範囲内に配設されている。ノズルステーション5には、複数の種類の多数のノズル43bが保管されている。各ノズル43bは、ノズルステーション5の上に、それぞれ直立した姿勢で、互いに所定の間隔を空けて保管されている。本実施の形態では、ヘッドユニット43に備えられた複数の吸着ヘッド43aの間隔と、ノズルステーション5に載置されるノズル43bの間隔とが一致している。これにより、4本の吸着ヘッド43aに一括で4つのノズル43bを装着することもできる。
各ノズル43bのノズルステーション5上での配置位置は、ノズル43bの種類に応じて決定される。すなわち、各種ノズル43bは、ノズルステーション5上に所定の配置になるように保管されている。
ここで、ノズル43bの配置とは、ノズルステーション5上におけるノズル43bの、品種に着眼した位置関係を意味している。
本実施の形態では、基板の生産計画が決まった時点で、基板の生産が始まる前に、予め、ノズル43bの交換に要する時間を厳密にシミュレーションする。そして、本実施の形態では、シミュレーションにより算出されたノズルの交換に要する時間を含めた実装処理全体の所要時間が最も小さくなるような、ノズルステーション5でのノズル配置変化状態(ノズル配置状態)が予め定められる。すなわち、ノズル43bの交換時のノズルステーション5上でのヘッドユニット43の移動距離や、ノズル43bの交換作業とノズル43bの交換作業以外の準備作業とのタイミングなどを考慮して、実装処理全体の所要時間が最も短くなるようなノズル配置変化状態が定められる。
たとえば、1往復ごとの、各吸着ヘッドI〜IVで使用されるノズル43bの種類が、図3に示されるように特定されている場合であっても、ノズル43bの交換タイミングによって、ノズルステーション5でのノズル配置変化状態は異なる。仮に、3往復目と4往復目の間で、吸着ヘッドIVのノズル43bの種類をA種からB種に交換するとともに、吸着ヘッドIのノズル43bの種類をB種からC種に交換すると、ノズルステーション5のノズル43bの配置は図4(a)〜図4(b)に示されるように変化する。また、仮に、3往復目と4往復目の間で、吸着ヘッドIVのノズル43bの種類をA種からB種に交換し、4往復目と5往復目の間で、吸着ヘッドIのノズル43bの種類をB種からC種に交換すると、ノズルステーション5のノズル43bの配置は図5(a)〜図5(c)に示されるように変化する。なお、図中、太線の丸で示している部分には、ノズル43bが載置されていない。このように、ノズルステーション5の初期のノズル43bの配置が同じであっても、ノズル43bの交換のタイミングが異なれば、ノズル配置状態は異なる。さらに、ノズルステーション5の初期のノズル43bの配置が異なれば、ノズルステーション5のノズル配置変化状態は異なる。シミュレーションでは、このような変化の過程が異なるノズルステーション5のノズル配置変化状態についてそれぞれ、ノズルの交換に要する時間を算出する。
部品認識カメラ6は、吸着ヘッド43aの下端に吸着された電子部品の吸着状態を撮影し、画像で認識する。ヘッドユニット43は、部品供給部3からプリント基板P上に、部品認識カメラ6上を経由して移動する。部品認識カメラ6は、ヘッドユニット43が部品認識カメラ6の上部に位置するときに、下方から、吸着ヘッド43aによって保持された電子部品を撮影する。
コントローラ8は、予め記憶されているプログラムに従って表面実装機の各部の駆動を制御する主制御手段81、実装処理に必要な様々なデータを記憶する各種データ記憶手段82および吸着ヘッド43aのノズル43bの交換の段取りを決定するためのシミュレータ83などを機能構成として含んでいる。コントローラ8は、論理演算を実行するCPU、CPUを制御する種々のプログラムなどを記憶するROM、装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAMおよびHDDなどから構成されている。
主制御手段81は、表面実装機に備えられた基板搬送手段2、部品搬送手段4、部品供給部3などの駆動を制御することで、たとえば、プリント基板Pの搬入・搬出、プリント基板Pへの電子部品の実装処理、プリント基板Pの種類が変更される際に行われる段取り替えなどを統括的に行う。
各種データ記憶手段82には、たとえば、プリント基板関連データ、ノズル関連データ、部品関連データ、その他の各種データが記憶されている。プリント基板関連データとしては、たとえば、プリント基板Pのどの位置にどの電子部品を実装するか、既に電子部品が実装されている場合にはその位置や電子部品の種類などの情報が挙げられる。ノズル関連データとしては、たとえば、ノズルの種類、ノズルの形状、ノズルステーション5に収納されるノズルの種類、収納位置、ノズルの配置間隔などの情報が挙げられる。部品関連データとしては、たとえば、電子部品の種類、電子部品の供給位置、各電子部品を吸着可能なノズルの種類などの情報が挙げられる。その他の各種データとしては、たとえば、プリント基板Pへの電子部品の効率的な搭載順序を定めた搭載順序データ、ノズルステーション5上でのヘッドユニット43の移動速度データなどの情報が挙げられる。
シミュレータ83は、ノズルステーション5における複数種類のノズル配置変化状態を複数通り割り出すためのノズル配置割り出し手段83aと、ノズル配置割り出し手段83aによって割り出された各ノズル配置変化状態について、吸着ヘッド43aに装着されるノズル43bの交換に要する時間を算出するためのノズル交換時間演算手段83bと、各ノズル配置変化状態についてノズル交換時間演算手段83bによって算出された時間とノズルの交換以外の実装処理に要する時間とに基づいて実装処理全体の所要時間を算出する実装処理時間演算手段83cと、実装処理時間演算手段によって算出された複数種類のノズル配置状態についての実装処理全体の所要時間を比較し、その中から実装処理全体の所要時間が短いノズル配置変化状態を選択するノズル配置選択手段83dとを含む。
本実施の形態では、シミュレータ83によって、ノズル43bの交換に関する何通りものシミュレーションが行われ、この複数通りのシミュレーションの結果として得られた複数の実装処理全体の所要時間に基づいて、最も効率よく部品の実装処理が実行されるようなノズルステーション5におけるノズル配置変化状態が決定される。
この表面実装機の部品実装方法について、以下で、図6〜図8を用いて詳細に説明する。
まず、実装処理全体の流れについて図6を用いて説明する。図6は、1枚のプリント基板Pが表面実装機上に搬入され、プリント基板Pに電子部品が実装され、表面実装機上から搬出されるまでを説明するためのフローチャートである。
図6に示されるように、基台1上へプリント基板Pが搬入(ステップS1)されると、プリント基板Pの種類の確認が行われ、段取り替えが必要か否かが判定される(ステップS2)。
ステップS2で段取り替えが必要であると判定された場合には、段取り替えが行なわれる(ステップS20)。この段取りの決定方法については後に詳しく説明する。
つぎに、ノズルステーション5のノズル43bの配置の変更が行われ、ノズルステーション5のノズル43bの配置が初期の状態に改められる(ステップS3)。このノズルステーション5におけるノズル43bの配置の変更の作業は、ノズルステーション5上のノズル43bの配置を変更するノズル配置変更手段をも兼ねたヘッドユニット43が行う。これにより、ノズルステーション5におけるノズル43bの配置の変更作業を自動的に確実に行うことができ、ノズル43bの配置変更に要する時間を厳密に算出することができる。
ノズルステーション5の各種ノズル43bの配置が初期状態に改められると、ヘッドユニット43の吸着ヘッド43aに装着されているノズル43bを交換するか否かが判定される(ステップS4)。ステップS4でノズル43bの交換が必要であると判定された場合には、ノズル43bの交換が行われる(ステップS5)。
ノズル43bの交換が必要ない場合、または、ノズル43bの交換が済んだ場合には、ヘッドユニット43は部品供給部3へ移動し、電子部品をピックアップする(ステップS6)。電子部品を吸着したヘッドユニット43は、部品供給部3から部品認識カメラ6の上方まで移動する。部品認識カメラ6は、電子部品の吸着状態を下方から撮像する(ステップS7)。ヘッドユニット43は、部品認識カメラ6の位置からプリント基板P上の所定の位置に、電子部品を搬送し、装着する(ステップS8)。ステップS4からステップS8までの処理は、プリント基板P上にプリント基板Pへ実装されるべき電子部品がすべて実装されるまで繰り返される(ステップS9)。
プリント基板Pへの電子部品の実装が完了すると、基板搬送手段2が駆動され、プリント基板Pは基台1から搬出される(ステップS10)。
ここで、ノズルステーション5におけるノズルの配置替えの段取りを決定するためのシミュレーションについて詳しく説明する。図7は、ノズル配置変化状態を決定するシミュレーションを説明するためのフローチャートである。
まず、シミュレータ83は、各種データ記憶手段82から基板関連データ、ノズル関連データ、部品関連データ、搭載順序データ、ヘッドユニット43の移動速度データなどのデータを取得する(ステップSS1)。
つぎに、ステップSS1で取得した各種データに基づいてノズルステーション5上の初期のノズルの配置を基に、実装処理全体の所要時間を算出し、この時間を基準値とする(ステップSS2)。
ステップSS2で基準値が得られると、この基準値を現在値に代入する(ステップSS3)。
つぎに、ループ回数が設定値と等しいか否かを判定する(ステップSS4)。ループ回数が設定値と等しい場合にはシミュレーションを終了し、ループ回数が設定値と等しくない場合にはステップSS5に進む。
ここで、ループ回数とは、後述のステップSS5〜ステップSS8またはステップSS5〜ステップSS10を繰り返す回数を意味している。したがって、ループ回数が多ければ多いほど多様なノズル配置変化状態に関してシミュレーションを行なうことができる。本実施の形態では、ループ回数が予め設定した設定値と等しくなるまでシミュレーションを繰り返し行なう。たとえば、設定値を100と予め設定している場合には、100通りのノズル43bの配置について、それぞれシミュレーションが行なわれる。
つぎに、ステップSS4でループ回数が設定値と等しくないと判定された場合には、ノズル配置割り出し手段83aによって、ノズルステーション5の所定の位置に載置されているノズル43bのうち、任意のノズル43bがノズルステーション5上の他の格納位置に入れ替えられたノズル配置変化状態が想定される(ステップSS5)。
このとき、ステップSS5では、ノズルステーション5における初期のノズルの配置に加えて、特定のノズル43bの交換タイミングについても考慮される。たとえば、図7のフローチャートにおいて、1回目のループでは、初期ノズル配置a1で、特定のノズル43bの交換がタイミングb1で行われる場合についてシミュレーションを行い、2回目のループでは、初期ノズル配置a1で、特定のノズル43bの交換がタイミングb2で行われる場合についてシミュレーションを行い、3回目のループでは、初期ノズル配置a1で、特定のノズル43bの交換がタイミングb3で行われる場合についてシミュレーションを行なう。そして、初期ノズル配置a1で、ノズル交換タイミングをb1からb3まで変えたシミュレーションが終わると、つぎに、第2のノズル配置a2についてノズル交換タイミングをb1からb3まで変えたシミュレーションを行なう。
そして、ステップSS5で想定されたノズル配置変化状態を基に、ノズル交換をシミュレーションする。具体的には、ノズル交換時間演算手段83bによって、ノズルステーション5上のヘッドユニット43の移動距離や、ヘッドユニット43の移動速度等を考慮して、ノズルの交換に要する時間が算出される(ステップSS6)。ノズル43bの交換処理におけるノズルステーション5上のヘッドユニット43の移動距離等が考慮されることで、ノズル43bの交換に要する時間をより正確に算出することができる。とくに、ヘッドユニット43の移動距離が考慮されることで、ノズル43bの交換回数が比較的多くてもノズル43bの交換時間が少ない状況を見つけ出すことができる。したがって、ヘッドユニット43のノズルステーション5上での移動距離が長い場合における、ノズル交換作業の遅延に起因した実装作業の遅延を回避することができる。
ここで、ノズルの交換に要する時間とは、ノズルステーション5上でのヘッドユニット43の移動時間、吸着ヘッド43aの下降時間、吸着ヘッド71の上昇時間、ノズル43bの取り外し時間、ノズル43bの装着時間などの実質的なノズル交換時間を意味している。
つぎに、ステップSS6でノズル43bの交換に要する時間が算出されると、このノズルの交換に要する時間を考慮して実装処理全体の所要時間を算出し、この時間を候補値とする(ステップSS7)。具体的には、実装処理時間演算手段83cが、ステップSS6で算出されたノズルの交換に要する時間に、ノズルの交換以外の処理に要する時間すなわち、ノズル交換以外の準備作業に要する時間(たとえば、トレイフィーダ部3bからの部品供給に要する部品準備時間など)、部品供給部3における部品吸着時間、部品認識カメラ6による部品認識時間、プリント基板Pへの部品装着時間およびノズルステーション5でのノズル43bの配置変更時間を加算して実装処理全体の所要時間を算出する。
図8は、ノズル交換のタイミングと他の準備作業が重複した場合の1往復の実装処理に要する時間を説明するための図である。実装処理時間演算手段83cは、図8に示されるように、実装処理全体における、ノズルの交換作業のタイミングとノズルの交換以外の準備作業のタイミングとを時系列的に把握している。
ステップSS7において、図8に示されるように、ノズルの交換作業のタイミングがノズル交換以外の準備作業(たとえば、部品準備作業)のタイミングと重複する場合には、ノズル交換に要する時間のうちで上記準備作業と重複する時間を除いた時間と、上記準備作業に要する時間と、それ以外の実装処理に要する時間とを加えることにより、実装処理全体の所要時間が算出される。
たとえば、ヘッドユニット43の1往復分の実装処理において、トレイフィーダ部3bからの部品供給などの部品準備処理と大型の電子部品吸着用の大きめのノズルのノズル交換処理とが重複して行われる場合について考える。図8の場合には、部品準備は0〜10秒の間に行われ、ノズルの交換は0〜15秒の間に部品準備と重複して行なわれる。この場合、ヘッドユニット43のノズルステーション5からプリント基板Pの間の1往復分の実装処理に要する時間は、部品準備に要する時間が0〜10の10秒、ノズルの交換に要する正味の時間Tが10〜15の5秒、部品吸着に要する時間が15〜30の15秒、部品認識に要する時間が30〜45の15秒、部品装着に要する時間が45〜60の15秒とされ、1往復の実装処理に要する時間は60秒となる。すなわち、この場合のノズルの交換に要する正味の時間Tは、ノズル交換に要する時間とこのノズル交換に重複した部品準備の時間との差に相当している。したがって、それぞれの作業に要する時間を単に積算することなく、正味の時間で実装処理全体の所要時間を算出することができる。そして、実装処理全体の所要時間を算出する際には、各往復の実装処理に要する時間の総和に、ノズルステーション5でのノズル43bの配置変更時間を加算して実装処理全体の所要時間を算出する。
なお、図9は、ノズル交換のタイミングと他の準備作業とのタイミングとが重複した場合の他の形態を説明するための図である。たとえば、図9に示されるように、ノズル交換のタイミングと他の準備作業とのタイミングとが重複した場合であって、ノズルの交換に要する時間がノズルの交換以外の部品準備に要する時間より短い場合には、ノズル交換に要する時間のうちでノズル交換以外の部品準備作業と重複する時間を除いた時間は0であるので、1往復の実装処理に要する時間は、ノズルの交換に要する時間が除かれて(つまり、ノズル交換以外の部品準備に要する時間と、部品吸着に要する時間と、部品認識に要する時間と、部品装着に要する時間との和として)算出される。
このようにして、ステップSS7で実装処理全体の所要時間が算出されると、つぎに、ノズル配置選択手段83dによって、算出された実装処理全体の所要時間のうち、最も短い時間となったノズル43bの配置状態が選択される(ステップSS8、ステップSS9、ステップSS10)。具体的には、ステップSS8で、現在値とステップSS7で算出された候補値とを比較し、候補値が現在値より大きい場合(つまり、先のシミュレーションで算出された実装処理全体の所要時間(現在値)が、後のシミュレーションで算出された実装処理全体の所要時間(候補値)より短い場合)、現在値を更新することなくそのままステップSS4に戻る。
一方、ステップSS8で、現在値と候補値とを比較し、候補値が現在値より小さい場合(つまり、先のシミュレーションで算出された実装処理全体の所要時間(現在値)が、後のシミュレーションで算出された実装処理全体の所要時間(候補値)より長い場合)、ステップSS9で候補値が現在値に代入されて、ステップSS10で現在値の更新が容認された後ステップSS4に戻る。
このようにして、現在値と候補値という2つの数値の大小関係を判定し、現在値が逐一短くなるように更新されることで、最終的に、シミュレーションを行なった幾通りものパターンの中から最も短い時間である現在値が残存する。そして、最終的に残存した現在値が得られたノズル配置変化状態が選択される。したがって、最も効率よく、つまり短時間で実装処理全体が完了するようなノズルステーション5におけるノズル配置変化状態が選択される。
以上の実施の形態によれば、ノズル交換時間演算手段83bにより求めたノズル43bの交換に要する時間を用いて、実装処理全体の所要時間が算出される。そして、実装処理全体の所要時間が最も短い時間となるようなノズルステーション5におけるノズル配置変化状態がノズル配置選択手段83dによって選択される。つまり、ノズルステーションのノズル配置変化状態が、ノズル43bの交換回数に基づいて決定されるわけではなく、ノズル43bの交換に要する時間を用いて算出された実装処理全体の所要時間に基づいて決定される。すなわち、ノズル43bの交換回数が多くても実装処理全体の所要時間が短い場合と、ノズル43bの交換回数が少なくても実装処理全体の所要時間が長い場合とがあれば、ノズル配置選択手段83dは、前者のノズル配置変化状態が選択される。したがって、部品吸着用のノズル43bの交換回数に係わらず、効率よく部品の実装作業を行うことができる。
なお、上記実施の形態では、ノズルステーション5のノズル43bの配置の変更をヘッドユニット43で自動的に行なう形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、シミュレーションにより選定されたノズル配置変化状態の初期ノズル配置をモニタに表示させて、その表示された初期ノズル配置を作業者が目視により確認しながら、ノズルステーション上のノズルの配置の変更を手作業で行なう形態であってもよい。この場合、ノズルの配置の変更に要する時間は、実装処理全体の所要時間に算入されないものとする。
また、上記実施の形態では、ノズルステーション5において、隣り合うノズル43bの間隔を、ヘッドユニット43の4本の吸着ヘッド43aの間隔と一致させることで、ノズルステーション5に載置されたノズル43bのうち、最大4つのノズル43bを4本の吸着ヘッド43aに一度に装着できるような形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、ノズルステーション5の隣り合うノズルの間隔と吸着ヘッドの間隔とを一致させず、各吸着ヘッド毎にノズルを装着させる形態であってもよい。
また、上記実施の形態では、1枚のプリント基板Pを生産する場合に、ノズル交換のシミュレーションを適用してノズル配置変化状態を決定した形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、100枚の同一種類のプリント基板Pを生産した後、連続してさらに100枚の、プリント基板Pと異なる種類のプリント基板P’を生産する場合に、本発明のノズル交換のシミュレーションを適用して、200枚のプリント基板P、P’を生産する際のノズル配置変化状態を決定してもよい。
また、上記実施の形態では、実装処理全体の所要時間を実装処理時間演算手段83cによって算出し、実装処理全体の所要時間が最も短くなるようなノズルステーション5でのノズル配置変化状態を選択する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ノズル交換時間演算手段83bによって算出されたノズルの交換に要する時間に基づいて、ノズルの交換に要する時間が最も短くなるようなノズルステーション5でのノズル配置変化状態を選択する形態であってもよい。この場合、シミュレーションにおいて、図7中のステップSS7が省略される。
なお、上記実施の形態では、ノズルの交換に要する時間を含めた実装処理全体の所要時間が最も小さくなるようなノズル配置変化状態を選択する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノズルの交換に要する時間を含めた実装処理全体の所要時間が2番目に小さい、あるいは、3番目に小さいノズル配置変化状態を選択するような、比較的短いノズル配置変化状態を選択する形態であってもよい。
部品実装装置を説明するための概念図である。 図1の部品実装装置に備えられたヘッドユニットと、ヘッドユニットに備えられた吸着ヘッドを説明するための図である。 各吸着ヘッドに装着されるノズルの種類を、1往復ごとに説明するための図である。 (a)〜(b)は、ノズルステーション上のノズル配置変化状態について説明するための図である。 (a)〜(c)は、特定のノズルの交換が図4と異なるタイミングで行われた場合におけるノズルステーション上のノズル配置変化状態について説明するための図である。 1枚のプリント基板が部品実装装置上に搬入され、電子部品が実装され、部品実装装置上から搬出されるまでを説明するためのフローチャートである。 ノズル配置変化状態を決定するシミュレーションを説明するためのフローチャートである。 ノズル交換のタイミングと他の準備作業とのタイミングとが重複した場合の1往復の実装処理に要する時間を説明するための図である。 ノズル交換のタイミングと他の準備作業とのタイミングとが重複した場合の他の形態を説明するための図である。
符号の説明
5 ノズルステーション(ノズル載置場)
43 ヘッドユニット
43a 吸着ヘッド
43b ノズル
83a ノズル配置割り出し手段
83b ノズル交換時間演算手段
83c 実装処理時間演算手段
83d ノズル配置選択手段
P プリント基板(P)

Claims (11)

  1. 部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置であって、
    前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割り出し手段と、
    前記ノズル配置割り出し手段によって割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算手段と、
    前記各ノズルの配置状態について前記ノズル交換時間演算手段によって算出された時間とノズルの交換以外の実装処理に要する時間とに基づいて実装処理全体の所要時間を算出する実装処理時間演算手段と、
    前記実装処理時間演算手段によって算出された複数種類のノズル配置状態についての実装処理全体の所要時間を比較し、その中から実装処理全体の所要時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択手段とを含む部品実装装置。
  2. 前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズルを交換する際の前記ノズル載置場での前記吸着ヘッドの少なくとも移動距離を考慮して前記ノズルの交換に要する時間を算出する請求項1記載の部品実装装置。
  3. 前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズル載置場に載置される複数種類のノズルのうち特定のノズルを前記吸着ヘッドに装着するタイミングが異なる複数通りの、前記ノズルの交換に要する時間を算出する請求項1または2記載の部品実装装置。
  4. ノズル交換とノズル交換以外の準備作業とが時間的に重複する場合に、
    前記実装処理時間演算手段は、ノズル交換に要する時間のうちで前記準備作業と重複する時間を除いた時間と、前記準備作業に要する時間と、それ以外の実装処理に要する時間とを加えることにより、前記実装処理全体の所要時間を算出する請求項3記載の部品実装装置。
  5. 部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置であって、
    前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割り出し手段と、
    前記ノズル配置割り出し手段によって割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算手段と、
    前記各ノズルの配置状態について前記ノズル交換時間演算手段により求めたノズルの交換に要する時間を比較し、その中からノズルの交換に要する時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択手段とを含む部品実装装置。
  6. 前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズルを交換する際の前記ノズル載置場での前記吸着ヘッドの少なくとも移動距離を考慮して前記ノズルの交換に要する時間を算出する請求項5記載の部品実装装置。
  7. 前記ノズル交換時間演算手段は、前記ノズル載置場に載置される複数種類のノズルのうち特定のノズルを前記吸着ヘッドに装着するタイミングが異なる複数通りの、前記ノズルの交換に要する時間を算出する請求項5または6記載の部品実装装置。
  8. 前記基板が変更される場合に前記ノズル載置場に配置される前記ノズルの配置を変更するノズル配置変更手段が備えられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品実装装置。
  9. 前記ヘッドユニットが、前記ノズル配置変更手段を兼ねている請求項8記載の部品実装装置。
  10. 部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置の部品実装方法であって、
    前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割出ステップと、
    前記ノズル配置割出ステップで割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算ステップと、
    前記ノズル交換時間演算ステップで算出された時間とノズル交換以外の実装処理に要する時間とに基づいて実装処理全体の所要時間を算出する実装処理時間演算ステップと、
    前記実装処理時間演算ステップで算出された複数種類のノズル配置状態についての実装処理全体の所要時間を比較し、その中から実装処理全体の所要時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択ステップとを含む部品実装方法。
  11. 部品吸着用の吸着ヘッドが備えられた移動可能なヘッドユニットと、前記吸着ヘッドの先端に装着される、交換可能な複数種類のノズルが載置されるノズル載置場とを有し、前記ヘッドユニットによって部品が基板上の所定の位置に搬送され実装されるように構成された部品実装装置の部品実装方法であって、
    前記ノズル載置場における複数種類のノズルの配置状態を複数通り割り出すノズル配置割出ステップと、
    前記ノズル配置割出ステップで割り出された各ノズルの配置状態について、前記吸着ヘッドに装着されるノズルの交換に要する時間を算出するノズル交換時間演算ステップと、
    前記ノズル交換時間演算ステップで算出された時間を比較し、その中からノズルの交換に要する時間が短いノズル配置状態を選択するノズル配置選択ステップとを含む部品実装方法。
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