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JP2010068331A - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents

撮像装置および撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光量を変え複数回の撮影を行って画像を合成することなく、1回の撮影でダイナミックレンジを拡大することができる撮像装置および撮像方法を提供する。
【解決手段】SDRAM23から一つのRAW−RGBデータを読み出して、YUV変換部36内のDレンジ拡大補正部で補正された画素出力から生成される第1YUVデータと、Dレンジ拡大補正部で補正処理を行うことなく飽和領域に達している画素出力から生成される第2YUVデータをYUV合成部37に取り込み、YUV合成部37で第1YUVデータから取り出した輝度データと、第2YUVデータから取り出した色差データとを合成して、第3YUVデータを生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置および撮像方法に関し、特に撮影画像のダイナミックレンジを拡大することができる撮像装置および撮像方法に関する。
銀塩写真フィルムを用いる従来の銀塩カメラで撮影される画像のダイナミックレンジに比べ、CCD等の固体撮像素子を有するデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等で撮影される画像のダイナミックレンジは極めて狭い。ダイナミックレンジが狭いと、被写体の暗い部分は「黒つぶれ」といわれる現象が発生し、逆に被写体の明るい部分は「白とび」といわれる現象が発生して画像品質が低下する。
そこで、CCD等の固体撮像素子で撮像される画像のダイナミックレンジを拡大するために、例えば、同一被写体に対して露光量を変えて複数回の撮影を行い、露光量の異なる複数の画像を取得し、これらの画像を加算してダイナミックレンジが拡大された合成画像を生成する技術が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−92378号公報
ところで、ダイナミックレンジを拡大するために、前記特許文献1のように露光量を変えて複数回の撮影を行う方法では、移動物体の被写体を撮影したりすると、被写体が2重にずれた画像になり、正しく画像を合成できないことがある。
そこで、本発明は、露光量を変え複数回の撮影を行って画像を合成することなく、1回の撮影によってダイナミックレンジを拡大することができる撮像装置および撮像方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載の撮像装置は、光学系を通して入射される被写体像を複数の画素を有する受光面に受光して電気信号に変換するとともに、前記各画素の前面側に複数色の色分解フィルタが配置された撮像素子と、前記各画素からの出力を検出するとともに、検出した画素出力に基づいて周辺のある特定色のフィルタが配置された画素からの出力が、入出力特性が線形でなくなる飽和領域に達しているか否かを判定する周辺画素飽和判定手段と、前記周辺画素飽和判定手段により、前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力が前記飽和領域に達していると判定した場合に、その周囲の前記特定色以外のフィルタが配置された画素からの出力に基づいて、前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力を補正する飽和画素出力補正処理手段と、前記飽和画素出力補正処理手段により前記補正処理された画素出力から生成される第1YUVデータと、前記飽和画素出力補正処理手段で前記補正処理を行うことなく前記飽和領域に達している画素出力から生成される第2YUVデータとを取り込み、前記第1YUVデータから取り出した輝度データと、前記第2YUVデータから取り出した色差データとを合成した第3YUVデータを生成するYUV合成手段と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載の撮像装置は、前記周辺画素飽和判定手段で前記各画素の出力を検出する際の処理単位は、水平・垂直方向に2×2画素の大きさであることを特徴としている。
請求項3に記載の撮像装置は、前記特定色のフィルタが配置された画素の出力に対して、前記飽和領域に達しているときに前記補正させる動作を、選択して実行させるための動作選択手段を備えていることを特徴としている。
請求項4に記載の撮像装置は、前記特定色のフィルタが配置された画素の出力が前記飽和領域に達している場合に前記飽和画素出力補正処理手段から出力される、前記画素出力の飽和領域を表現可能な第1のビット数から前記画素出力の飽和レベルを超えて表現可能な第2のビット数に一度拡張された画素出力のデータを、再度前記第1のビット数に圧縮するビット圧縮変換手段を備え、前記ビット圧縮変換手段は、前記飽和領域以上における画素出力に対応したデータに対する圧縮率よりも、前記飽和領域以下における画素出力に対応したデータに対する圧縮率を小さくして圧縮することを特徴としている。
請求項5に記載の撮像装置は、前記飽和領域以下で低輝度レベルにおける画素出力に対応したデータに対しては、前記ビット圧縮変換手段でビット圧縮する前とビット圧縮した後で略同じ値となるような圧縮率を用いることを特徴としている。
請求項6に記載の撮像装置は、前記処理単位内に欠陥画素がある場合には、前記欠陥画素の代わりに該欠陥画素の周囲にある前記欠陥画素と同じ色のフィルタが配置された画素を用いることを特徴としている。
請求項7に記載の撮像方法は、光学系を通して入射される被写体像を複数の画素を有する受光面に受光して電気信号に変換するとともに、前記各画素の前面側に複数色の色分解フィルタが配置された撮像素子を備えた撮像装置の撮像方法において、前記各画素からの出力を検出するとともに、検出した画素出力に基づいて周辺のある特定色のフィルタが配置された画素からの出力が、入出力特性が線形でなくなる飽和領域に達しているか否かを判定する周辺画素飽和判定処理ステップと、前記周辺画素飽和判定処理ステップにより、特定色のフィルタが配置された画素からの出力が前記飽和領域に達していると判定した場合に、その周囲の前記特定色以外のフィルタが配置された画素からの出力に基づいて、前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力を補正する飽和画素出力補正処理ステップと、前記飽和画素出力補正処理ステップにより前記補正処理された画素出力から生成される第1YUVデータと、前記飽和画素出力補正処理ステップで前記補正処理を行うことなく前記飽和領域に達している画素出力から生成される第2YUVデータとを取り込み、前記第1YUVデータから取り出した輝度データと、前記第2YUVデータから取り出した色差データとを合成した第3YUVデータを生成するYUV合成処理ステップと、を含むことを特徴としている。
請求項8に記載の撮像方法は、前記周辺画素飽和判定処理ステップで前記各画素の出力を検出する際の処理単位は、水平・垂直方向に2×2画素の大きさであることを特徴としている。
請求項9に記載の撮像方法は、前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力に対して、前記飽和領域に達しているときに前記補正させる動作は、動作選択手段で動作選択することにより実行されることを特徴としている。
請求項10に記載の撮像方法は、前記特定色のフィルタが配置された画素の出力が前記飽和領域に達している場合に前記飽和画素出力補正処理手段から出力される、前記画素出力の飽和領域を表現可能な第1のビット数から前記画素出力の飽和領域を超えて表現可能な第2のビット数に一度拡張された画素出力のデータを、再度前記第1のビット数に圧縮するビット圧縮変換処理ステップを有し、前記ビット圧縮変換処理ステップは、前記飽和領域以上における画素出力に対応したデータに対する圧縮率よりも、前記飽和領域以下における画素出力に対応したデータに対する圧縮率を小さくして圧縮することを特徴としている。
請求項11に記載の撮像方法は、前記飽和領域以下で低輝度レベルにおける画素出力に対応したデータに対しては、前記ビット圧縮変換処理ステップでビット圧縮する前とビット圧縮した後で略同じ値となるような圧縮率を用いて圧縮することを特徴としている。
請求項12に記載の撮像方法は、前記処理単位内に欠陥画素がある場合には、前記欠陥画素の代わりに該欠陥画素の周囲にある前記欠陥画素と同じ色のフィルタが配置された画素を用いることを特徴としている。
請求項1、7に記載の発明によれば、特定色のフィルタが配置された画素からの出力が飽和領域に達していると判定した場合に、その周囲の飽和していない他の色のフィルタが配置された画素からの出力に基づいて、飽和領域以上における画素出力を補正してダイナミックレンジを拡大することにより、露光量を変え複数回の撮影を行って画像を合成することなく、1回の撮影によってダイナミックレンジを拡大することができる。
更に、請求項1、7に記載の発明によれば、補正処理された画素出力から生成される第1YUVデータと、補正処理を行うことなく飽和領域に達している画素出力から生成される第2YUVデータを取り込んで、第1YUVデータから取り出した輝度データ(Yデータ)と、第2YUVデータから取り出した色差データ(UVデータ)とを合成して、第3YUVデータを生成する。これにより、補正処理された画素出力から生成される第1YUVデータの輝度データについてのみダイナミックレンジの拡大を行い、色は元の色差データを用いることで、ダイナミックレンジ拡大時における色相のずれを防止して正確な色の再現を行うことができる。
請求項3、9に記載の発明によれば、特定色のフィルタが配置された画素の出力に対して、飽和領域に達しているときに補正させる動作を、動作選択手段で動作選択することにより撮影者の判断で行うことができる。
請求項4、10に記載の発明によれば、飽和領域以上における画素出力に対応したデータに対する圧縮率よりも、飽和領域以下における画素出力に対応したデータに対する圧縮率を小さくして圧縮することにより、飽和領域以下における階調性を良好に保持することができる。
請求項5、11に記載の発明によれば、飽和領域以下で低輝度レベルにおける画素出力に対応したデータに対しては、ビット圧縮する前とビット圧縮した後で略同じ値となるような圧縮率を用いることにより、低輝度レベルにおける階調性を良好に保持することができる。
請求項6、12に記載の発明によれば、処理単位内に欠陥画素がある場合には、欠陥画素の代わりに該欠陥画素の周囲にある前記欠陥画素と同じ色のフィルタが配置された画素を用いることにより、特定色のフィルタが配置された画素の出力が飽和領域に達しているか否かを判定する際に、欠陥画素を用いることがなくなるので、特定色のフィルタが配置された画素の出力に対して、飽和領域に達しているときに精度の高い補正を行うことができる。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
〈実施形態1〉
図1(a)は、本発明の実施形態1に係る撮像装置の一例としてのデジタルスチルカメラ(以下、「デジタルカメラ」という)を示す正面図、図1(b)は、その上面図、図1(c)は、その背面図、図2は、図1(a),(b),(c)に示したデジタルカメラ内のシステム構成の概要を示すブロック図である。
(デジタルカメラの外観構成)
図1(a),(b),(c)に示すように、本実施形態に係るデジタルカメラ1の上面側には、レリーズボタン(シャッタボタン)2、電源ボタン3、撮影・再生切替ダイアル4が設けられており、デジタルカメラ1の正面(前面)側には、撮影レンズ系5を有する鏡胴ユニット6、ストロボ発光部(フラッシュ)7、光学ファインダ8が設けられている。
デジタルカメラ1の背面側には、液晶モニタ(LCD)9、前記光学ファインダ8の接眼レンズ部8a、広角側ズーム(W)スイッチ10、望遠側ズーム(T)スイッチ11、メニュー(MENU)ボタン12、確定ボタン(OKボタン)13等が設けられている。また、デジタルカメラ1の側面内部には、撮影した画像データを保存するためのメモリカード14(図2参照)を収納するメモリカード収納部15が設けられている。
(デジタルカメラのシステム構成)
図2に示すように、このデジタルカメラ1は、鏡胴ユニット6の撮影レンズ系5を通して入射される被写体画像が受光面上に結像する固体撮像素子としてのCCD20、CCD20から出力される電気信号(アナログRGB画像信号)をデジタル信号に処理するアナログフロントエンド部(以下、「AFE部」という)21、AFE部21から出力されるデジタル信号を処理する信号処理部22、データを一時的に格納するSDRAM23、制御プログラム等が記憶されたROM24、鏡胴ユニット6を駆動するモータドライバ25等を有している。
鏡胴ユニット6は、ズームレンズやフォーカスレンズ等を有する撮影レンズ系5、絞りユニット26、メカシャッタユニット27を備えており、撮影レンズ系5、絞りユニット26、メカシャッタユニット27の各駆動ユニットは、モータドライバ25によって駆動される。モータドライバ25は、信号処理部22の制御部(CPU)28からの駆動信号により駆動制御される。
CCD20は、CCD20を構成する複数の画素上にRGB原色フィルタ(図7参照:以下、「RGBフィルタ」という)が配置されており、RGB3原色に対応した電気信号(アナログRGB画像信号)が出力される。
AFE部21は、CCD20を駆動するTG(タイミング信号発生部)30、CCD20から出力される電気信号(アナログRGB画像信号)をサンプリングするCDS(相関2重サンプリング部)31、CDS31にてサンプリングされた画像信号のゲインを調整するAGC(アナログ利得制御部)32、AGC32でゲイン調整された画像信号をデジタル信号(以下、「RAW−RGBデータ」という)に変換するA/D変換部33を備えている。
信号処理部22は、AFE部21のTG30へ画面水平同期信号(HD)と画面垂直同期信号(VD)の出力を行い、これらの同期信号に合わせて、AFE部21のA/D変換部33から出力されるRAW−RGBデータを取り込むカメラインターフェース(以下、「カメラI/F」という)34と、SDRAM23を制御するメモリコントローラ35と、取り込んだRAW−RGBデータを表示や記録が可能なYUV形式の画像データに変換するYUV変換部36と、後述するYUV合成部37と、表示や記録される画像データのサイズに合わせて画像サイズを変更するリサイズ処理部38と、画像データの表示出力を制御する表示出力制御部39と、画像データをJPEG形成などで記録するためのデータ圧縮部40と、画像データをメモリカード14へ書き込み、又はメモリカード14に書き込まれた画像データを読み出すメディアインターフェース(以下、「メディアI/F」という)41と、操作部42からの操作入力情報に基づき、ROM24に記憶された制御プログラムに基づいてデジタルカメラ1全体のシステム制御等を行う制御部(CPU)28を備えている。
操作部42は、デジタルカメラ1(図1(a),(b),(c)参照)の外観表面に設けられているレリーズボタン2、電源ボタン3、撮影・再生切替ダイアル4、広角側ズームスイッチ10、望遠側ズームスイッチ11、メニューボタン12、確定ボタン13等であり、撮影者の操作によって所定の動作指示信号が制御部28に入力される。
SDRAM23には、カメラI/F34に取り込まれたRAW−RGBデータが保存されると共に、YUV変換部36で変換処理されたYUVデータ(YUV形式の画像データ)およびYUV合成部37で合成処理されたYUVデータ(詳細は後述する)等が保存され、更に、データ圧縮部40で圧縮処理されたJPEG形成などの画像データ等が保存される。
なお、前記YUVデータのYUVは、輝度データ(Y)と、色差(輝度データと青色(B)データの差分(U)と、輝度データと赤色(R)の差分(V))の情報で色を表現する形式である。
YUV変換部36は、図3に示すように、後述するダイナミックレンジ拡大補正部(以下、「Dレンジ拡大補正部」という)50、ビット圧縮変換部51、ホワイトバランス制御部52、同時化部53、トーンカーブ変換部54、RGB−YUV変換部55、画像サイズコンバータ部56、エッジエンハンス部57を備えている。
(デジタルカメラのモニタリング動作、通常の静止画撮影動作)
次に、前記したデジタルカメラ1のモニタリング動作と通常の静止画撮影動作について説明する。このデジタルカメラ1は、静止画撮影モード時には、以下に説明するようなモニタリング動作と静止画撮影動作が行われる。
先ず、撮影者が電源ボタン3をONし、撮影・再生切替ダイアル4を撮影モードに設定することで、デジタルカメラ1が記録モードで起動する。電源ボタン3がONされて、撮影・再生切替ダイアル4が撮影モードに設定されたことを制御部28が検知すると、制御部28はモータドライバ25に制御信号を出力して、鏡胴ユニット6を撮影可能位置に移動させ、かつ、CCD20、AFE部21、信号処理部22、SDRAM23、ROM24、液晶モニタ9等を起動させる。
そして、鏡胴ユニット6の撮影レンズ系5を被写体に向けることにより、撮影レンズ系5を通して入射される被写体画像がCCD20の各画素の受光面上に結像する。そして、CCD20から出力される被写体画像に応じた電気信号(アナログRGB画像信号)は、CDS31、AGC32を介してA/D変換部33に入力され、A/D変換部33により12ビット(bit)のRAW−RGBデータに変換する。
このRAW−RGBデータは、信号処理部22のカメラI/F34に取り込まれてメモリコントローラ35を介してSDRAM23に保存される。そして、SDRAM23から読み出されたRAW−RGBデータは、YUV変換部36で表示可能な形式であるYUVデータ(YUV信号)に変換された後に、メモリコントローラ35を介してSDRAM23にYUVデータが保存される。
そして、SDRAM23からメモリコントローラ35を介して読み出したYUVデータは、表示出力制御部39を介して液晶モニタ(LCD)9へ送られ、撮影画像(動画)が表示される。前記した液晶モニタ(LCD)9に撮影画像を表示しているモニタリング時においては、カメラI/F34による画素数の間引き処理により1/30秒の時間で1フレームを読み出している。
なお、このモニタリング動作時は、電子ファインダとして機能する液晶モニタ(LCD)9に撮影画像が表示されているだけで、まだレリーズボタン2が押圧(半押も含む)操作されていない状態である。
この撮影画像の液晶モニタ(LCD)9への表示によって、撮影画像を撮影者が確認することができる。なお、表示出力制御部39からTVビデオ信号として出力して、ビデオケーブルを介して外部のTV(テレビ)に撮影画像(動画)を表示することもできる。
そして、信号処理部22のカメラI/F34は、取り込んだRAW−RGBデータより、AF(自動合焦)評価値、AE(自動露出)評価値、AWB(オートホワイトバランス)評価値を算出する。
AF評価値は、例えば高周波成分抽出フィルタの出力積分値や、近接画素の輝度差の積分値によって算出される。合焦状態にあるときは、被写体のエッジ部分がはっきりとしているため、高周波成分が一番高くなる。これを利用して、AF動作時(合焦検出動作時)には、撮影レンズ系5内の各フォーカスレンズ位置におけるAF評価値を取得して、その極大になる点を合焦検出位置としてAF動作が実行される。
AE評価値とAWB評価値は、RAW−RGBデータにおけるRGB値のそれぞれの積分値から算出される。例えば、CCD20の全画素の受光面に対応した画面を256エリアに等分割(水平16分割、垂直16分割)し、それぞれのエリアのRGB積算を算出する。
そして、制御部28は、算出されたRGB積算値を読み出し、AE処理では、画面のそれぞれのエリアの輝度を算出して、輝度分布から適正な露光量を決定する。決定した露光量に基づいて、露光条件(CCD20の電子シャッタ回数、絞りユニット26の絞り値等)を設定する。また、AWB処理では、RGBの分布から被写体の光源の色に合わせたAWBの制御値を決定する。このAWB処理により、YUV変換部36でYUVデータに変換処理するときのホワイトバランスを合わせる。なお、前記したAE処理とAWB処理は、前記モニタリング時には連続的に行われている。
そして、前記したモニタリング動作時に、レリーズボタン2が押圧(半押しから全押し)操作される静止画撮影動作が開始されると、合焦位置検出動作であるAF動作と静止画記録処理が行われる。
即ち、レリーズボタン2が押圧(半押しから全押し)操作されると、制御部28からモータドライバ25への駆動指令により撮影レンズ系5のフォーカスレンズが移動し、例えば、いわゆる山登りAFと称されるコントラスト評価方式のAF動作が実行される。
AF(合焦)対象範囲が無限から至近までの全領域であった場合、撮影レンズ系5のフォーカスレンズは、至近から無限、又は無限から至近までの間の各フォーカス位置に移動し、カメラI/F34で算出されている各フォーカス位置における前記AF評価値を制御部28が読み出す。そして、各フォーカス位置のAF評価値が極大になる点を合焦位置としてフォーカスレンズを合焦位置に移動させ、合焦させる(AF処理)。
そして、前記したAE処理が行われ、露光完了時点で、制御部28からモータドライバ25への駆動指令によりメカシャッタユニット27が閉じられ、CCD20から静止画用のアナログRGB画像信号が出力される。そして、前記モニタリング時と同様に、AFE部21のA/D変換部33によりRAW−RGBデータに変換される。
そして、このRAW−RGBデータは、信号処理部22のカメラI/F34に取り込まれ、YUV変換部36でYUVデータに変換されて、メモリコントローラ35を介してSDRAM23に保存される。そして、このYUVデータはSDRAM23から読み出されて、リサイズ処理部38で記録画素数に対応するサイズに変換され、データ圧縮部40でJPEG形式等の画像データへと圧縮される。圧縮されたJPEG形式等の画像データは、SDRAM23に書き戻された後にメモリコントローラ35を介してSDRAM23から読み出され、メディアI/F41を介してメモリカード14に記録される。
本実施形態に係るデジタルカメラ1のYUV変換部36は、ダイナミックレンジを拡大するためのダイナミックレンジ拡大処理機能を有している。
(本発明におけるダイナミックレンジの拡大原理)
デジタルカメラ1のCCD20を構成する各画素上には、一般にベイヤ配列のRGBフィルタ(図6参照)が配置されているが、太陽光のように広い波長帯域を持つ光に対して、通常のRGBフィルタは各色毎に輝度に対する感度が異なっている。
例えば、図4に示すように、G(グリーン)フィルタの感度が、R(レッド)フィルタ、B(ブルー)フィルタの2倍程度の感度を有するRGBフィルタ(図4のa、b、c)を有するCCD20の場合、太陽光のように広い波長帯域を持つ光が同じだけRGBフィルタに入射したときに、R、Bフィルタの各画素出力に対してGフィルタ(図4のcの斜線部分)の画素出力の方が先に飽和レベルAに達してしまう。なお、図3において、fはGフィルタの画素感度特性、gはR、Bフィルタの各画素感度特性であり、Gフィルタの画素感度特性は、R、Bフィルタの各画素感度特性の2倍程度の感度を有している。
ところで、従来のRGBフィルタを有するCCDなどの固体撮像素子を有するデジタルカメラでは、図4のa、b、cのRGBフィルタのように、感度の高いGフィルタの画素出力に応じた飽和レベルAに合わせてダイナミックレンジの範囲を設定している。即ち、Gフィルタの画素出力が飽和レベルAに達している場合でも、R、Bフィルタの画素出力は飽和レベルAの1/2程度である。
これに対して、本発明では、図4のd、eのRGBフィルタのように、Gフィルタの画素出力が飽和レベルAを超えていても、R、Bフィルタの各画素出力が飽和レベルAを超えていない範囲内にあるときに、R、Bフィルタの各画素出力レベルから、R、Bフィルタの各画素感度特性(図4のg)とGフィルタの画素感度特性(図4のf)とに基づいてGフィルタの画素出力レベルを補正(一点鎖線部分)し、この補正した分だけダイナミックレンジを拡大するようにした。
前記したように本実施形態では、太陽光のように広い波長帯域を持つ光に対して、Gフィルタの画素感度特性は、R、Bフィルタの各画素感度特性の2倍程度の感度を有している。よって、本実施形態におけるダイナミックレンジの拡大度合の最大値は、ダイナミックレンジの拡大処理動作を行わない通常の静止画撮影モード時に対して2倍程度である。
なお、本実施形態では、Gフィルタの画素感度特性がR、Bフィルタの各画素感度特性の2倍程度の感度を有し、これに基づいてダイナミックレンジの拡大度合の最大値が2倍としたが、RGBフィルタの各画素感度特性を変化させることにより、ダイナミックレンジの拡大度合の最大値を2倍以上の所定値、あるいは2倍以下の所定値に設定することができる。
(Dレンジ拡大補正部50の構成)
図3に示したYUV変換部36のDレンジ拡大補正部50は、前記したダイナミックレンジを拡大するためのダイナミックレンジ拡大処理機能を有している。Dレンジ拡大補正部50は、図5に示すように、輝度レベル判定部60、画素出力補正処理部61、ビット拡張処理部62を備えている。
輝度レベル判定部60は、入力される前記RAW−RGBデータからRGBフィルタを設けた各画素の画素出力を検出するとともに、Gフィルタを設けた画素の画素出力(以下、「Gフィルタの画素出力」という)が飽和領域に達しているか否かを、その周辺のR、Bフィルタを設けた画素の画素出力(以下、「R、Bフィルタの画素出力」という)のそれぞれの出力が、予め設定されているG画素飽和判定閾値以上に達しているか否かによって判定する。そして、輝度レベル判定部60は、感度が一番高いGフィルタの画素出力が飽和領域に達していると判定された場合に、Gフィルタの画素出力の補正を行うための後述する補正係数を算出する。
画素出力補正処理部61は、輝度レベル判定部60で算出された補正係数をGフィルタの画素出力に乗算することによって、Gフィルタの画素出力の補正処理を行う。
ビット拡張処理部62は、輝度レベル判定部60で前記したようにGフィルタの画素出力が飽和領域に達していると判断された場合に、R、Bフィルタの画素出力に対して、出力レベルの補正を行うことなく12ビットから14ビットにそれぞれビット拡張のみを行う。なお、ビット拡張処理部62は、輝度レベル判定部60でRGBフィルタの各画素出力が飽和レベルに達していないと判定された場合に、RGBフィルタの各画素出力に対して、出力レベルの補正を行うことなく12ビットから14ビットにそれぞれビット拡張のみを行う。
輝度レベル判定部60でGフィルタの画素出力の補正係数を算出する際において、本実施形態では、RGBフィルタを有するCCD20の各画素に対して、図6に示すように、太枠A内の2×2画素(2つのGフィルタの画素、1つずつのR、Bフィルタの画素)を処理単位(最小単位)とする。Gフィルタの画素出力の補正係数(K)、補正処理(予測補間処理)後のGフィルタの画素出力(Ge)、は、それぞれ下記の式(1)、式(2)から算出される。
K={l×f(Ro)+m×f(Go)+n×f(Bo)}/3 …式(1)
Ge=K×Go …式(2)
ただし、l、m、nはRGBの各フィルタの感度比率から設定される係数、Goは補正処理前のGフィルタの画素出力である。また、f(Ro)、f(Go)、f(Bo)は、下記の数1(式(3)〜式(5))で設定される係数である。
Figure 2010068331
ただし、RoはRフィルタの画素出力、TRはRフィルタの画素出力に対応するG画素飽和判定レベル、Goは補正処理前のGフィルタの画素出力、TGはGフィルタの画素出力の飽和判定レベル、BoはBフィルタの画素出力、TBはBフィルタの画素出力に対応するG画素飽和判定レベルである。
前記式(3)〜式(5)におけるG画素飽和判定レベルTR、TG、TBは、例えば、図7に示したRGBフィルタの各画素出力に対する所定の飽和判定レベルに相当する。なお、図7において、A(TG)はGフィルタの画素出力の飽和レベル(飽和判定レベル)、TRはRフィルタの画素出力の飽和判定レベル、TBはBフィルタの画素出力に対応するG画素飽和判定レベルである。
本実施形態にいては、前記したようにGフィルタを設けた画素の感度が、RフィルタおよびBフィルタを設けた画素の感度の2倍としているため、Gフィルタの画素が飽和レベルAに最初に達する。よって、飽和レベルAに達した出力値をGフィルタの画素出力の飽和判定レベルTGとし、RフィルタおよびBフィルタの各画素出力に対応するG画素飽和判定レベルTR、TBは、TGの1/2の値に設定した。なお、TR、TG、TBは、撮像装置(デジタルカメラなど)に用いられるRGBフィルタを有する固体撮像素子(CCDなど)の感度比に依存し、図7に示したような比率に限定されるものではない。
前記式(1)〜式(5)のように、R、G、Bフィルタの各画素出力とG画素飽和判定レベルTR、TG、TBとの比を算出し、これらの算出値にRGBの各フィルタの感度比率から設定される係数を掛けて平均することで、Gフィルタの画素出力を補正する係数を算出し、算出した補正係数(K)をGフィルタの画素出力に掛けることで補正後のGフィルタの画素出力を算出する。そして、この補正係数(K)により前記式(2)から算出された補正後のGフィルタの画素出力(Ge)の値は、処理単位(図6参照)内にある2つのGフィルタの画素出力値として置き換えられる。
なお、このGフィルタの画素出力値は12ビットを超えたデータになるため、ここでは一度14ビットのデータに置き換える。よって、R、Bフィルタの各画素出力の最大値はいずれも4095(12ビット)なので、Gフィルタの画素出力の最大値は8190となり、14ビットのデータとして扱うことができる。
ところで、輝度レベル判定部60で、Gフィルタの画素出力が飽和領域に達しているか否かを判定処理する際に、欠陥画素をこの判定に用いないようにする必要がある。即ち、Gフィルタを設けた画素に欠陥画素があり、常に飽和領域の値を出力する場合には、同じ処理単位(図6参照)内にあるGフィルタを設けた画素の出力を大きな値に置き換えてしまうため、新たな欠陥画素を生成してしまうことになる。
また、処理単位(図6参照)内にあるR、Bフィルタを設けた各画素の少なくともいずれか一方の画素に欠陥画素がある場合には、前記式(1)によって算出されるGフィルタの画素出力の補正係数(K)が正しくない値になってしまい、これにより式(2)によって算出される補正処理後のGフィルタの画素出力(Ge)の値も正しくない値になってしまう。
このため、本実施形態では、輝度レベル判定部60がRGBフィルタを設けた各画素の画素出力を検出する際に、常に飽和領域の値が出力されていると判定した場合には処理単位(図6参照)内に欠陥画素があると判断する。そして、このように欠陥画素があると判断した場合には、その処理単位内にある欠陥画素でない画素と、その処理単位の周囲にある欠陥画素と同じ色のフィルタを設けた画素(欠陥画素でない画素)を代わりに用いて、前記したように各画素の画素出力を検出する。
これにより、輝度レベル判定部60がGフィルタの画素出力が飽和領域に達しているか否かを判定処理する際に、欠陥画素を用いることを防止することができるので、Gフィルタが配置された画素の出力に対して、飽和領域に達していると判定した場合に、前記式(1)〜式(5)により精度の高い補正処理を行うことができる。
次に、本実施形態における前記したダイナミックレンジ拡大モードでの静止画撮影動作を、図8、図9に示したフローチャートを参照して説明する。最初に、図8に示したフローチャートを参照して、前記RAW−RGBデータ(図3のA)がYUV変換部36のDレンジ拡大補正部50に入力される第1の処理について説明する。次に、図9に示したフローチャートを参照して、前記RAW−RGBデータ(図3のB)がYUV変換部36のDレンジ拡大補正部50側に入力されることなくホワイトバランス制御部52に入力される第2の処理について説明する。
なお、Dレンジ拡大補正部50に入力されるRAW−RGBデータ(図3のA)と、Dレンジ拡大補正部50側に入力されることなくホワイトバランス制御部52に入力されるRAW−RGBデータ(図3のB)は、SDRAM23から読み出される同じRAW−RGBデータである。
(第1の処理:図8のフローチャート)
第1の処理では、例えば、被写体の背景の一部に極端に明るい部分がある場合などに、撮影者がメニュー(MENU)ボタン12(図1(C)参照)を押圧操作することにより、例えば、図10に示すような撮影設定画面が液晶モニタ(LCD)9に表示され、この表示画面から「ダイナミックレンジ2倍」の項目を選択することにより、制御部28からYUV変換部36へ制御信号が出力され、ダイナミックレンジを2倍に拡大するダイナミックレンジ拡大モードが実行される。
そして、前記したモニタリング動作から撮影者がレリーズボタン2を押圧(半押しから全押し)することにより、信号処理部22のカメラI/F34は、撮影レンズ系5、CCD20、AFE部21を介してRAW−RGBデータを取り込む(ステップS1)。
そして、カメラI/F34は、取り込んだRAW−RGBデータより、AE(自動露出)評価値、AF(自動合焦)評価値、AWB(オートホワイトバランス)評価値を算出し、制御部28は、算出した前記AE評価値に基づいてAE処理を行い、撮影時の露出を決定する(ステップS2)。更に、制御部28は、算出した前記AF評価値に基づいてAF処理を行い、撮影レンズ系5のフォーカスレンズを合焦位置に移動させ、合焦させる(ステップS3)。
そして、ステップS2で決定した露出条件に基づいて撮影(記録)用の露光を行うことにより(ステップS4)、被写体像がCCD20の各画素の受光面上に結像する。そして、CCD20から出力される被写体像に応じた電気信号(アナログRGB画像信号)は、CDS31、AGC32を介してA/D変換部33に出力され、A/D変換部33により12ビット(bit)のRAW−RGBデータに変換される。このRAW−RGBデータは、信号処理部22のカメラI/F34に取り込まれてメモリコントローラ35を介してSDRAM23に保存される。ここまでの処理は、前記した通常の静止画撮影動作と同様である。
そして、SDRAM23から読み出したRAW−RGBデータ(図3のA)をYUV変換部36のDレンジ拡大補正部50に入力し、Dレンジ拡大補正部50の輝度レベル判定部60により、前記したようにRGBフィルタを設けた各画素の画素出力を検出し(ステップS5)、予め設定している飽和判定値に達しているか否かによって画素出力が飽和しているか否かを判定する(ステップS6)。飽和領域に達している画素出力があると判定した場合には(ステップS6;YES)、飽和領域以上に達している画素出力が一番感度の高いGフィルタの画素出力のみであるか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7で、飽和領域に達している画素出力がGフィルタの画素出力のみであると判定した場合(ステップS7;YES)、輝度レベル判定部60は、前記式(1)、式(3)〜式(5)よりGフィルタの画素出力の補正を行うための補正係数を算出する(ステップS8)。そして、画素出力補正処理部61は、前記式(2)のようにステップS7で算出された補正係数をGフィルタの画素出力に乗算して、Gフィルタの画素出力を補正処理する(ステップS9)。
そして、ビット圧縮変換部51は、Dレンジ拡大補正部(輝度レベル判定部60、画素出力補正処理部61)50で14ビットに拡張されたGフィルタの画素出力データを、例えば、図11(a)に示すような変換特性(3箇所の節点を指定し、それらの間を直線で近似する4区間の折れ線近似特性)によって、12ビットデータにビット圧縮する(ステップS10)。なお、図11(a)において、aは12ビットの範囲であり、bは最大値8190のデータを1/2倍する場合における単純な線形変換特性(一点鎖線部分)である。図11(a)に示す変換特性では、Gフィルタの画素出力の最大値は8190なので、8190が4095になるように圧縮する。そして、Gフィルタの画素出力の圧縮倍率に合わせて、R、Bフィルタの画素出力の値も圧縮する。
そして、ビット圧縮変換部51で14ビットから12ビットに圧縮変換されたRGBフィルタの画素出力データは、ホワイトバランス制御部52に入力され、ホワイトバランス(AWB)処理される(ステップS11)。詳細には、ホワイトバランス制御部52は、入力されるRAW−RGBデータをそれぞれ増幅する。この際、制御部28は、カメラI/F34で算出された前記AWB評価値に基づいてホワイトバランスを合わせるための補正値を算出し、算出した補正値をホワイトバランス制御部52に出力する。ホワイトバランス制御部52は、入力される前記補正値に基づいてホワイトバランスを合わせる。
そして、ホワイトバランス制御部52からホワイトバランスが合わされたRGBフィルタの画素出力データ(12ビット)は、同時化部53に入力される。同時化部53は、ベイヤ配列等の1画素に1色のデータしか持っていないRAWデータに対して補間演算処理を行い、1画素に対してRGBの全てのデータを生成する。そして、同時化部53で生成されたRGBの全てのデータ(12ビット)は、トーンカーブ変換部54に入力される。トーンカーブ変換部54は、例えば、図12に示すような変換テーブルによって12ビットのRGBのデータを8ビットのRGBのデータに変換するγ変換を行って、8ビットのRGB値を生成し、RGB−YUV変換部55に出力する。
RGB−YUV変換部55は、入力されるRGBデータ(8ビット)をマトリックス演算によりYUVデータ(以下、「第1YUVデータ」という)に変換する(ステップS12)。そして、画像サイズコンバータ部56は、この第1YUVデータに対して所望の画像サイズに縮小または拡大を行い、エッジエンハンス部57および輝度ヒストグラム生成部58に出力する。
エッジエンハンス部57は、入力される第1YUVデータに対して画像に合わせたエッジ強調等の処理を行い、この第1YUVデータを、メモリコントローラ35を介してSDRAM23に保存する(ステップS13)。輝度ヒストグラム生成部58は、入力される第1YUVデータにより輝度ヒストグラムを生成する。
(第2の処理:図9のフローチャート)
第2の処理では、前記第1の処理(図8のステップS1〜S4)で得られた前記RAW−RGBデータをSDRAM23から読み出し(ステップS21)、このRAW−RGBデータ(図3のB)をDレンジ拡大補正部50、ビット圧縮変換部51に通すことなくホワイトバランス制御部52に入力し、前記第1の処理時と同様にホワイトバランス(AWB)処理を行う(ステップS22)。なお、このRAW−RGBデータ(図3のB)は、前記第1の処理で述べたように、Gフィルタの画素出力が飽和領域に達している。
そして、ホワイトバランス制御部52からホワイトバランスが合わされたRGBフィルタの画素出力データ(12ビット)は、同時化部53に入力される。同時化部53は、ベイヤ配列等の1画素に1色のデータしか持っていないRAWデータに対して補間演算処理を行い、1画素に対してRGBの全てのデータを生成する。そして、同時化部53で生成されたRGBの全てのデータ(12ビット)は、トーンカーブ変換部54に入力される。トーンカーブ変換部54は、例えば、図12に示したような変換テーブルによって12ビットのRGBのデータを8ビットのRGBのデータに変換するγ変換を行って、8ビットのRGB値を生成し、RGB−YUV変換部55に出力する。
RGB−YUV変換部55は、入力されるRGBデータ(8ビット)をマトリックス演算によりYUVデータ(以下、「第2YUVデータ」という)に変換する(ステップS23)。そして、画像サイズコンバータ部56は、この第2YUVデータに対して所望の画像サイズに縮小または拡大を行い、エッジエンハンス部57および輝度ヒストグラム生成部58に出力する。
エッジエンハンス部57は、入力される第2YUVデータに対して画像に合わせたエッジ強調等の処理を行い、この第2YUVデータを、メモリコントローラ35を介してSDRAM23に保存する(ステップS24)。
そして、YUV合成部37は、SDRAM23から読み出した前記第1YUVデータからYデータ(輝度データ)のみを取り出すとともに、SDRAM23から読み出した前記第2YUVデータからUVデータ(色差データ)のみを取り出して、1つのYUVデータ(以下、「第3YUVデータ」という)を合成する(ステップS25)。この合成処理された第3YUVデータは、メモリコントローラ35を介してSDRAM23に保存される。
そして、この第3YUVデータはSDRAM23から読み出されて、リサイズ処理部38で記録画素数に対応するサイズに変換され、データ圧縮部40でJPEG形式等の画像データへと圧縮される(ステップS26)。圧縮されたJPEG形式等の画像データは、SDRAM23に書き戻された後にメモリコントローラ35を介してSDRAM23から読み出され、メディアI/F41を介してメモリカード14に記録される(ステップS27)。
ところで、前記した第1の処理(図9のフローチャート)のステップS10では、14ビットに拡張されたGフィルタの画素出力データを12ビットデータにビット圧縮する際に、最大値が8190に拡張されたGフィルタの画素出力を最大値が4095に圧縮する際の一例として、図11(a)に示したような3つの節点を有する変換特性を用いた。これによって、単純な節点のない線形変換特性(図11(a)のb)では得られない以下のような2つの効果が得られる。
第1の効果としては、データの信頼性が高いデータにより多くのビット数を割り当てることができる。即ち、飽和領域以上に達しているGフィルタの画素出力に対して補正処理する場合、前記したようにGフィルタの画素出力の飽和領域付近の規定値以上の値になった範囲について補正を行い、この規定値以下の範囲では補正は行われない。よって、補正を行う範囲と行わない範囲とでは、データの精度が異なっている。
即ち、例えば前記式(1)〜式(5)によって飽和しているGフィルタの画素出力値を補正する場合、主被写体の色によっては、補正を行う範囲においては被写体の輝度レベルが正確に再現できていない場合がある。これに対して補正を行っていない範囲は、RGBフィルタを有するCCD20から出力される実際のデータ(アナログRGB画像信号)をA/D変換したデータであるので、このデータの信頼性は高いものとなる。
即ち、図11(a)に示した本実施形態における変換特性では、例えば、入力14ビットデータが1024ときに出力12ビットデータは1024になっており、元のデータがそのまま使われている。これに対し、例えば、入力14ビットデータが3072ときに出力12ビットデータは2560になっており、この範囲では補正前のビット割付よりも少ない割付となることによって、多少のビット誤差が発生する。
このように、単純な節点のない線形変換を行う特性((図11(a)のb)ではなく、本実施形態のように3つの節点を有する変換特性を採用することにより、ビット割付をだんだんと少なくしていくことができるので、データの信頼性が高いデータにより多くのビット数を割り当てることができる。
そして、第2の効果としては、低・中輝度における階調を正確に保存することができる。即ち、単純な線形変換特性(図11(a)のb)でビット圧縮を行った場合、低輝度側の補正が行われていない範囲では、ビット割付が1/4になってしまう。このため、階調感のない画像になってしまう。これに対し、図11(a)に示したような本実施形態における変換特性でビット圧縮を行った場合には、飽和領域以下で低輝度レベルにおける画素出力に対応したデータに対しては、ビット圧縮変換部51でビット圧縮する前とビット圧縮した後で略同じ値となるような圧縮率を用いることにより、低輝度レベルにおける階調性を良好に保持することができる。
なお、本実施形態では、拡張したGフィルタの画素出力の14ビットデータを12ビットに縮小するときに、図11(a)のように3つの節点を指定し、それらの間を直線で近似する4区間の折れ線近似特性(変換特性)でビット圧縮を行う構成であったが、この区間数は特に限定されるものではない。例えば、1つの節点を指定する2区間の折れ線近似特性としてもよいが、節点付近でビット割付が大きく変わることにより、前記した2つの効果が小さくなる。よって、3区間以上の区間数を有する折れ線近似特性(変換特性)が好ましい。
また、拡張したGフィルタの画素出力の14ビットデータを12ビットに圧縮する変換特性を、図11(b)に示すように、複数の節点を有していない曲線による変換特性としてもよい。即ち、図11(a)の4区間を有する変換特性に対して、区間数を8192にしたものがこの曲線による変換特性となる。なお、図11(b)において、aは12ビットの範囲である。
更に、入力14ビットデータの0〜8192に対して、12ビットに圧縮変換後の数値データを持ったルックアップテーブルを設けておくことにより、この曲線による変換特性で、拡張したGフィルタの画素出力の14ビットデータを良好に12ビットに圧縮することができる。
上記したように、本実施形態のダイナミックレンジ拡大モードによる静止画撮影動作を行うことにより、感度の高いGフィルタの画素出力が飽和領域に達しているような場合においても、Gフィルタよりも感度の低いR、Bフィルタの画素出力に基づいて、飽和しているGフィルタの画素出力を補正処理することにより、図4に示したように、Gフィルタ(図4のd、e)の画素出力の補正した拡張領域(図4のd、eのGフィルタの画素出力の一点鎖線で示した部分)に基づいて、1回の撮影でダイナミックレンジを2倍に拡大することが可能となる。
よって、撮影画像内の背景等に高輝度部分がある場合でも、白とびの発生を防止して良好な階調性を得ることが可能となる。
更に、本実施形態では、SDRAM23から一つのRAW−RGBデータを読み出して、前記第1の処理により画素出力補正処理部61で補正された画素出力から生成される第1YUVデータと、前記第2の処理により画素出力補正処理部61で補正処理を行うことなく飽和領域に達している画素出力から生成される第2YUVデータをYUV合成部37に取り込み、YUV合成部37で第1YUVデータから取り出したYデータ(輝度データ)と、第2YUVデータから取り出したUVデータ(色差データ)とを合成して、第3YUVデータを生成する。
これにより、画素出力補正処理部61により補正された画素出力から生成される第1YUVデータのYデータ(輝度データ)についてのみダイナミックレンジの拡大を行い、色は元のUVデータ(色差データ)を用いることで、ダイナミックレンジ拡大時における色相のずれを防止して正確な色の再現を行うことができる。
例えば、Dレンジ拡大補正部50により、飽和していると判定したGフィルタの画素出力の補正処理を前記式(1)〜式(5)を用いて行って、ダイナミックレンジの拡大処理を行ったときに、例えば、主被写体がマゼンタ色の場合には、R、Bフィルタの画素出力が大きくなる。このため、これに伴ってGフィルタの画素出力は本来よりも大きな値に算出されてしまい、その結果、正確な色の再現ができない場合がある。
このような状況の場合でも、前記した本実施形態のダイナミックレンジ拡大モードによる静止画撮影動作を行うことにより、第1YUVデータのYデータ(輝度データ)についてのみダイナミックレンジの拡大を行い、色は元のUVデータ(色差データ)を用いることで、ダイナミックレンジ拡大時における色相のずれを防止して正確な色の再現を行うことができる。
図13(a)は、Gフィルタの画素出力が飽和領域を超えたときに、前記した本実施形態におけるダイナミックレンジの拡大処理を行った場合の、輝度ヒストグラム生成部58で生成されたヒストグラムの一例である。このヒストグラムから明らかなように、前記した本実施形態におけるダイナミックレンジの拡大処理を行った場合には、最大輝度部分(255)まで画素を残して高輝度部分に対して適切な階調を確保することができ、白飛びの発生を防止することができる。
これに対し、図13(b)は、Gフィルタの画素出力が飽和領域であるときに、前記した本実施形態におけるダイナミックレンジの拡大処理を行わなかった場合の、輝度ヒストグラム生成部58で生成されたヒストグラムの一例である。このヒストグラムから明らかなように、本実施形態におけるダイナミックレンジの拡大処理を行わなかった場合には、最大輝度部分(255)に多くの画素数が存在し、白とびが発生している。
なお、前記した実施形態1の説明および図4において、飽和判定値である図4の飽和レベルAと、補正後の12ビットの最大値である4095とが一致しているように説明したが、これに限定するものではない。例えば、出力が完全に飽和する付近の高輝度部において、出力の直線性(リニアリティー)が良くないRGBフィルタを有するCCDでは、例えば完全に飽和する4095よりも小さい値である4032を飽和判定値(図4の飽和レベルA)とおいて、その値を超えた画素出力を補正処理の対象としてもよい。この場合においても、Gフィルタの画素出力が飽和判定値である4032を超えていると判定するための飽和判定閾値(ここでは、例えば4032/2=2016)に対して、R、Bフィルタの画素出力が超えているか否かによってGフィルタの画素出力の飽和を判定する。
また、デジタルカメラのシステム構成によっては、高輝度被写体でも12ビットの最大値である4095にならないものもある。その場合も同様に飽和判定値を4095よりも低い値に設定するとよい。
このように、4095未満を飽和領域としたときでも、その特性に合わせて図12に示した変換カーブを切り替えることで、ビット圧縮変換部51の出力を4095にすることができ、後段の処理を変えることなくダイナミックレンジの拡大が可能となる。
なお、本実施形態では、前記したようにGフィルタの画素感度特性が、R、Bフィルタの各画素感度特性の2倍程度の感度を有していることを前提としているため、極端に赤い光源下や青い光源下では、Gフィルタの画素感度よりもR、Bフィルタの画素感度の方が飽和してしまう場合がある。このような状況下で前記したダイナミックレンジの拡大処理を行うと正確な階調および色再現が得られないので、このような場合には撮影者の判断により、前記したダイナミックレンジの拡大処理を行わないようにする。
また、本実施形態では、図3に示したように、Dレンジ拡大補正部50から出力される14ビットのRAW−RGBデータをビット圧縮変換部51で12ビットに圧縮処理し、ホワイトバランス制御部52、同時化部53においては12ビットのデータ処理を行う構成であったが、これ以外にも、同時化部53の後にビット圧縮変換部51を設けて、同時化部53から出力される14ビットのデータを12ビットのデータに圧縮処理する構成でもよい。
〈実施形態2〉
前記実施形態1では図6に示したように、RGBフィルタを有するCCD20に対して、2×2画素を処理単位(最小単位)としていたが、本実施形態では、図14に示すように、太枠A内の5画素(中央部に1つのGフィルタの画素(Gb)、図の上下方向に2つのR(R1,R2)フィルタの画素、図の左右方向に2つのB(B1,B2)フィルタの画素)を処理単位(最小単位)とし、処理単位を前記実施形態1の場合よりも広い範囲とした例である。なお、デジタルカメラの構成、モニタリング動作、静止画撮影動作、およびダイナミックレンジの拡大処理動作は、前記実施形態1と同様である。
本実施形態では、補正係数算出部60は、処理単位(図14参照)内の1つのGフィルタの画素の周囲にある2つのR1、R2フィルタの画素出力の平均値、および2つのB1、B2フィルタの画素出力の平均値を算出し、算出した各平均値をこの処理単位内のR、Bフィルタの各画素出力の値とする。
図14に示した太枠Aの処理単位内にあるGフィルタの画素出力が飽和領域に達している場合、Gフィルタの感度は、前記したようにR、Bフィルタの感度の約2倍であるため、Gフィルタの画素出力の補正係数(K)、補正後のGフィルタの画素出力(Ge)は、下記の式(6)、式(7)から算出される。本実施形態では、
K={l×f(Ra)+m×f(Ga)+n×f(Ba)}/3 …式(6)
Ge=K×Ga …式(7)
ただし、l、m、nはRGBの各フィルタの比率から設定される係数、Gaは補正前のGフィルタの画素出力である。また、f(Ra)、f(Ga)、f(Ba)は、下記の数2(式(8)〜式(10))で設定される係数である。
Figure 2010068331
ただし、Raは前記処理単位(図14参照)内でのRフィルタの画素出力の平均値、TRはRフィルタの画素出力に対応するG画素飽和判定レベル、Gaは前記処理単位(図14参照)内でのGフィルタの画素出力、TGはGフィルタの画素出力の飽和判定レベル、Baは前記処理単位(図14参照)内でのBフィルタの画素出力の平均値、TBはBフィルタの画素出力に対応するG画素飽和判定レベルである。
なお、前記TR、TG、TBは、前記式(3)〜式(5)と同様である。また、前記係数l、m、nは、R、G、Bフィルタの各画素出力の感度比が実施形態1と同様であれば、係数l、nがそれぞれ3/2、mが0となる。
そして、図6に示したDレンジ拡大補正部50の画素出力補正処理部61は、前記式(7)より算出されたGフィルタの画素出力値を、前記処理単位(図14参照)内にあるGフィルタの画素出力値として置き換え、以下、前記実施形態1と同様の処理を行う。
このように、処理単位を広くすることで、処理単位内の他のR1,R2フィルタの画素、B1,B2フィルタの画素が持っている感度差による影響を緩和することができ、飽和領域以上に達しているGフィルタの画素出力に対して、より正確な補正を行うことが可能となる。
〈実施形態3〉
本実施形態では、図15に示すように、RGBフィルタを有するCCD20に対して、太枠A内の水平方向5画素、垂直方向5画素の5×5画素(13個のGフィルタの画素(Gr、Gb)、6個ずつのR、Bフィルタ)を処理単位とした例である。なお、デジタルカメラの構成、モニタリング動作、静止画撮影動作、およびダイナミックレンジの拡大処理動作は、前記実施形態1と同様である。
処理単位を前記実施形態1、2の場合よりも広くすると、広い範囲の輝度情報に基づいて処理することになるため、ローパスフィルタをかけたことと等価になってしまう。そのため、輝度変化のエッジ部分がなまってしまう。そこで、本実施形態では、広くした処理単位の大きさを、例えば、前記AF評価値を利用して部分的に変更するものとする。
即ち、図2に示した信号処理部22のカメラI/F34では、前記したようにAFを行うためのAF評価値を算出している。これは、ハイパスフィルタ(HPF)の出力であり、撮影画像の画面内に輝度の変化がある部分では大きな値が出力される。そして、制御部28は、静止画撮影時のAF評価値を読み出し、画面内の輝度変化がある部分とない部分を判別する。そして、制御部28は、この判別データを基にDレンジ拡大補正部50に対して、輝度変化がある部分には処理単位が狭くなるような設定(例えば、前記実施形態1、2における処理単位の設定)を行い、輝度変化がない部分には、図15に示したように処理単位が広い範囲になるように設定を行う。
このように、処理単位を更に広くした場合でも、輝度変化がある部分には処理単位が狭くなるような設定を行うことで、解像度を落とすことなく、飽和領域に達しているGフィルタの画素出力に対して、正確な補正を行うことが可能となる。
なお、前記した各実施形態では、色分解フィルタとしてRGBの3原色系フィルタを配置した構成であったが、色分解フィルタとして補色系フィルタを配置した構成においても、同様に本発明を適用することができる。
(a)は、本発明の実施形態1に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラを示す正面図、(b)は、その上面図、(c)は、その背面図。 本発明の実施形態1に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ内のシステム構成の概要を示すブロック図。 本発明の実施形態1におけるYUV変換部の構成を示すブロック図。 本発明の実施形態1におけるダイナミックレンジ拡大の原理を説明するための図。 本発明の実施形態1におけるYUV変換部の構成を示すブロック図。 本発明の実施形態1におけるRGBフィルタの配置と処理単位を示す図。 RGBフィルタの各画素出力に対応するG画素飽和判定レベル(TG、TR、TB)を示した図。 本発明の実施形態1におけるダイナミックレンジ拡大モード(第1の処理)での静止画撮影動作を示すフローチャート。 本発明の実施形態1におけるダイナミックレンジ拡大モード(第2の処理)での静止画撮影動作を示すフローチャート。を参照して説明する。 液晶モニタに表示された撮影設定画面の一例を示す図。 (a)は、本発明の実施形態1における、拡張したGフィルタの画素出力の14ビットデータを12ビットに圧縮する変換特性を示す図、(b)は、本発明の実施形態1の他の例における、拡張したGフィルタの画素出力の14ビットデータを12ビットに圧縮する変換特性を示す図。 12ビットのRGBのデータを8ビットのRGBのデータに変換(γ変換)する変換テーブルを示す図。 (a)は、本発明の実施形態1におけるダイナミックレンジの拡大処理を行った場合のヒストグラムの一例を示す図、(b)は、本実施形態におけるダイナミックレンジの拡大処理を行わなかった場合のヒストグラムの一例を示す図。 本発明の実施形態2におけるRGBフィルタの配置と処理単位を示す図。 本発明の実施形態3におけるRGBフィルタの配置と処理単位を示す図。
符号の説明
1 デジタルカメラ(撮像装置)
5 撮影レンズ系(光学系)
6 鏡胴ユニット
9 液晶モニタ
12 メニューボタン(動作選択手段)
20 CCD(撮像素子)
21 アナログフロントエンド部
22 信号処理部
23 SDRAM
28 制御部
34 カメラインターフェース
35 メモリコントローラ
36 YUV変換部
37 YUV合成部(YUV合成手段)
50 Dレンジ拡大補正部
51 ビット圧縮変換部(ビット圧縮変換手段)
60 輝度レベル判定部(周辺画素飽和判定手段)
61 画素出力補正処理部(飽和画素出力補正処理手段)
62 ビット拡張処理部

Claims (12)

  1. 光学系を通して入射される被写体像を複数の画素を有する受光面に受光して電気信号に変換するとともに、前記各画素の前面側に複数色の色分解フィルタが配置された撮像素子と、
    前記各画素からの出力を検出するとともに、検出した画素出力に基づいて周辺のある特定色のフィルタが配置された画素からの出力が、入出力特性が線形でなくなる飽和領域に達しているか否かを判定する周辺画素飽和判定手段と、
    前記周辺画素飽和判定手段により、前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力が前記飽和領域に達していると判定した場合に、その周囲の前記特定色以外のフィルタが配置された画素からの出力に基づいて、前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力を補正する飽和画素出力補正処理手段と、
    前記飽和画素出力補正処理手段により前記補正処理された画素出力から生成される第1YUVデータと、前記飽和画素出力補正処理手段で前記補正処理を行うことなく前記飽和領域に達している画素出力から生成される第2YUVデータとを取り込み、前記第1YUVデータから取り出した輝度データと、前記第2YUVデータから取り出した色差データとを合成した第3YUVデータを生成するYUV合成手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記周辺画素飽和判定手段で前記各画素の出力を検出する際の処理単位は、水平・垂直方向に2×2画素の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記特定色のフィルタが配置された画素の出力に対して、前記飽和領域以上に達しているときに前記補正させる動作を、選択して実行させるための動作選択手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記特定色のフィルタが配置された画素の出力が前記飽和領域に達している場合に前記飽和画素出力補正処理手段から出力される、前記画素出力の飽和領域を表現可能な第1のビット数から前記画素出力の飽和領域を超えて表現可能な第2のビット数に一度拡張された画素出力のデータを、再度前記第1のビット数に圧縮するビット圧縮変換手段を備え、
    前記ビット圧縮変換手段は、前記飽和領域以上における画素出力に対応したデータに対する圧縮率よりも、前記飽和領域以下における画素出力に対応したデータに対する圧縮率を小さくして圧縮することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記飽和領域以下で低輝度レベルにおける画素出力に対応したデータに対しては、前記ビット圧縮変換手段でビット圧縮する前とビット圧縮した後で略同じ値となるような圧縮率を用いることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記処理単位内に欠陥画素がある場合には、前記欠陥画素の代わりに該欠陥画素の周囲にある前記欠陥画素と同じ色のフィルタが配置された画素を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 光学系を通して入射される被写体像を複数の画素を有する受光面に受光して電気信号に変換するとともに、前記各画素の前面側に複数色の色分解フィルタが配置された撮像素子を備えた撮像装置の撮像方法において、
    前記各画素からの出力を検出するとともに、検出した画素出力に基づいて周辺のある特定色のフィルタが配置された画素からの出力が、入出力特性が線形でなくなる飽和領域に達しているか否かを判定する周辺画素飽和判定処理ステップと、
    前記周辺画素飽和判定処理ステップにより、特定色のフィルタが配置された画素からの出力が前記飽和領域に達していると判定した場合に、その周囲の前記特定色以外のフィルタが配置された画素からの出力に基づいて、前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力を補正する飽和画素出力補正処理ステップと、
    前記飽和画素出力補正処理ステップにより前記補正処理された画素出力から生成される第1YUVデータと、前記飽和画素出力補正処理ステップで前記補正処理を行うことなく前記飽和領域に達している画素出力から生成される第2YUVデータとを取り込み、前記第1YUVデータから取り出した輝度データと、前記第2YUVデータから取り出した色差データとを合成した第3YUVデータを生成するYUV合成処理ステップと、を含むことを特徴とする撮像方法。
  8. 前記周辺画素飽和判定処理ステップで前記各画素の出力を検出する際の処理単位は、水平・垂直方向に2×2画素の大きさであることを特徴とする請求項7に記載の撮像方法。
  9. 前記特定色のフィルタが配置された画素からの出力に対して、前記飽和領域に達しているときに前記補正させる動作は、動作選択手段で動作選択することにより実行されることを特徴とする請求項7または8に記載の撮像方法。
  10. 前記特定色のフィルタが配置された画素の出力が前記飽和領域に達している場合に前記飽和画素出力補正処理手段から出力される、前記画素出力の飽和領域を表現可能な第1のビット数から前記画素出力の飽和領域を超えて表現可能な第2のビット数に一度拡張された画素出力のデータを、再度前記第1のビット数に圧縮するビット圧縮変換処理ステップを有し、
    前記ビット圧縮変換処理ステップは、前記飽和領域以上における画素出力に対応したデータに対する圧縮率よりも、前記飽和領域以下における画素出力に対応したデータに対する圧縮率を小さくして圧縮することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の撮像方法。
  11. 前記飽和領域以下で低輝度レベルにおける画素出力に対応したデータに対しては、前記ビット圧縮変換処理ステップでビット圧縮する前とビット圧縮した後で略同じ値となるような圧縮率を用いて圧縮することを特徴とする請求項10に記載の撮像方法。
  12. 前記処理単位内に欠陥画素がある場合には、前記欠陥画素の代わりに該欠陥画素の周囲にある前記欠陥画素と同じ色のフィルタが配置された画素を用いることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載の撮像方法。
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